JP2001242307A - 光学デバイスの製造方法 - Google Patents

光学デバイスの製造方法

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JP2001242307A
JP2001242307A JP2001007065A JP2001007065A JP2001242307A JP 2001242307 A JP2001242307 A JP 2001242307A JP 2001007065 A JP2001007065 A JP 2001007065A JP 2001007065 A JP2001007065 A JP 2001007065A JP 2001242307 A JP2001242307 A JP 2001242307A
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Japan
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photoresist film
convex arc
optical material
optical
optical device
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JP2001007065A
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Akira Eda
昭 江田
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Mitsui Chemicals Inc
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Mitsui Chemicals Inc
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学材料の表面に少なくとも1つの凸弧面を
一体に形成する。 【構成】 光学材料40の表面上に形成された概ね平滑
な上端面を有するフォトレジスト膜42に、フォトリソ
グラフィー法によってパターンを形成して円柱状または
楕円柱状のフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジ
スト膜を熱処理して、このフォトレジスト膜の概ね平坦
な上端面を凸弧面42aに変形させ、光学材料の表面及
び前記変形したフォトレジスト膜をエッチングして、フ
ォトレジスト膜の前記凸弧面に類似した少なくとも1つ
の凸弧面12を光学材料の表面に形成することを特徴と
する光学デバイスの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は光学部品あるいは光学デ
バイスの製造方法に係り、特に微小な概ね球面状あるい
は非球面状の凸弧面が形成された光学材料を有する光学
部品あるいは光学デバイスの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】通常、レーザ共振器として、レーザ媒質
の両側に凹面反射鏡を対向させて配置した構造のものが
知られている。一方の反射鏡は全反射鏡で、他方の反射
鏡はレーザ光の一部を透過させる反射鏡である。
【0003】このようなレーザシステムを小形化するた
めには反射鏡が占めるスペースをできるだけ小さくする
必要がある。更に、システムが小型化するにつれて、こ
れら反射鏡の間の距離を短くする必要がある。
【0004】一方、物質内における光波の非線形相互作
用を利用して光周波数を変換する非線形光学デバイスが
使用されている。非線形相互作用には、例えば第2高調
波発生、光パラメトリック発振、差周波発生等が挙げら
れる。
【0005】このような光学デバイスは、前記のような
2つの凹面反射鏡から成る光共振器と、それらの中に置
かれた非線形光学結晶である光学材料から構成されてい
る。
【0006】光通信システムや光エレクトロニクスには
光学部品であるマイクロレンズが使用されている。この
マイクロレンズは、レーザや光ファイバから出てくる光
が10〜40゜程度の角度をもって広がるので、この光
を平行光に直したり、更には小さなスポット状に絞るた
めに使用される。
【0007】マイクロレンズの製法としては、ガラス基
板上に必要な円形開口を有するマスクパターンをホトリ
ソグラフ技術を用いて作り、その開口部からイオン交換
を行い、開口部に対応したガラス基板の一部の屈折率を
他の部分と異なる屈折率とすることにより製造する方法
がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上、各種光学デバイ
スを説明したが、このような光学デバイスを光学材料の
端面に凸弧面を一体に形成することにより製造できれ
ば、装置の小形化等に極めて有利である。
【0009】ところで、光学材料の表面における球面状
あるいは非球面状の凸弧面を形成しようそする場合、最
も通常な方法は、研磨による方法である。従って、単品
又はせいぜい数個ずつしか加工できないため、大量且つ
安価に生産できない。
【0010】また、このような研磨による場合、物理的
制約から光学材料の表面に複数の凸弧面を近接して形成
することができないという問題がある。
【0011】微小なレンズの作製例としてフルネルレン
ズが知られている。この場合、作製に電子線描画装置を
使用するために、装置が非常に高価であり、量産性にも
問題があった。
【0012】また、凸弧面を複数設けたマイクロレンズ
をモールド成形により作製することは可能である、マイ
クロレンズを構成する材料はモールド成形に適した材料
に限定される。従って、単結晶あるいは高融点非晶質等
の材料を用いてマイクロレンズを作製することができな
いという問題がある。
【0013】本発明の目的は、概ね球面状あるいは非球
面状の凸弧面を有する光学デバイスを容易に且つ大量に
安価に製造する方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために以下のような構成とした。
【0015】すなわち、レーザ媒質の一方の端面に第1
の凸弧面を一体に形成するとともに、前記レーザ媒質の
他方の端面に第2の凸弧面を一体に形成し、第1の凸弧
面にレーザ光を全反射する全反射膜を設け、第2の凸弧
面にレーザ光の一部を反射し一部を透過させる半透過膜
を形成してレーザ共振器を構成することを特徴とする。
【0016】前記凸弧面は、概ね球面あるいは非球面、
例えば回転楕円体面であることが好ましい。この場合、
球面または非球面は半径方向に曲率半径が連続的または
段階的に異なる歪みを持っていてもよい。
【0017】このような光学材料の表面に少なくとも1
つの凸弧面を形成する第1の方法は、光学材料の表面上
に形成されたフォトレジスト膜に、フォトリソグラフィ
ー法によって少なくとも1つの凸弧面を形成し、光学材
料の表面及び前記フォトレジスト膜をエッチングして、
フォトレジスト膜の前記凸弧面に類似した少なくとも1
つの凸弧面を光学材料の表面に形成するものである。
【0018】ここで、フォトリソグラフィー法で凸弧面
を形成する第1の方法として、フォトレジスト膜に円形
あるいは楕円形のパターンを露光する露光工程におい
て、露光強度を前記パターンの中心から周辺に行くにつ
れ次第に変化させる方法がまず例示できる。
【0019】ここで、パターンの中心から周辺に行くに
つれ次第に変化させるとは、中心が白く(透明)周辺に
行くにつれて黒く(不透明)なる場合と、その逆の場合
である。
【0020】この方法としては、例えば、以下の方法を
例示できる。 写真フィルムの引き伸ばし機のような、解像度の低い
レンズを露光用レンズとして用い、フォトマスクの円形
/楕円形パターンをフォトレジスト膜に結像して露光
し、現像する方法。
【0021】フォトレジスト膜上に形成すべき円形/
楕円形パターンをデフォーカス状態でフォトレジスト膜
に結像しフォトレジスト膜を露光した後、現像する方
法。
【0022】パターンを形成したフォトマスクを使用
してフォトレジスト膜を露光するとき、黒または白抜き
の円形/楕円形をフォーカスをずらして写真撮影し、中
央部から周辺に行くほど黒化濃度が変化する円形/楕円
形パターンを持つネガフィルムを得、このネガフィルム
を円形/楕円形パターン転写用原板としてフォトレジス
ト膜に結像し、あるいは、フォトレジスト膜に原板を近
接または密着させた状態で露光し、現像する方法。
【0023】露光用光学系の途中にディフーザを挿入
するなどして、散乱光を得て、散乱光で、形成すべきパ
ターンをフォトレジスト膜に結像、露光した後、現像す
る方法。
【0024】ディフーザとは、BK−7などの光学ガラ
スの表面をアルミナ砥粒などを用いて砂ずりし、光を散
乱させる光学素子で、例えば、シグマ光器製DFSQー
50C02−1500などが例示できる。
【0025】 パターンを形成したフォトマスクをフ
ォトレジスト膜から離して両者間に間隔を設けた状態で
フォトレジスト膜を露光した後、現像する方法。
【0026】前記からの方法においてフォトマス
クのパタンの白黒の正逆いかんで凸弧面、凹弧面のいず
れをも形成できる。
【0027】以上において、エッチングはドライエッチ
ングにて行うことが好ましい。ドライエッチングに使用
する気体は、使用する光学材料に依存して適宜決定する
ことができる。エッチングの条件は、光学材料の表面に
形成すべき凸弧面の形状に依存する。ドライエッチング
の場合エッチング中随時、使用する気体の種類、使用
量、流量、高周波出力、閉じ込め磁場の強度、気体イオ
ンの加速電圧、エッチング時間等を連続的にまたは段階
的に変えることにより、光学材料の表面に形成すべき凸
弧面の断面形状(光学材料の表面と垂直方向の断面形
状)を変えることにより凸弧面に歪みを与えることがで
きる。
【0028】なお、リングレーザのように材料内部で多
光路を形成するためにレーザ光を材料内の上面または底
面等で反射させる光学デバイスの場合、この面は高反射
率を得るために無傷の鏡面であることが望ましい。後述
するよう本発明では光学材料の表面(一方の端面)に1
つのレンズ(凸弧面)のみを一体に有する光学材料を製
造する場合、例えば複数の凸弧面を光学材料に形成した
後、各凸弧面を境にして光学材料を各凸弧面の周囲で切
り出す方法が採用される。この場合切り出し面はリング
レーザ型光学デバイスでは光の反射面となるので、研磨
砥粒等によって鏡面に研磨する必要がある。
【0029】しかし砥粒研磨によって得られる鏡面は無
傷ではなく、この砥粒によって微細な傷が付いている。
このような傷はレーザ光の反射率を低下させるので、本
発明では次のような方法で研磨面の傷を除去する。ま
ず、傷ついた研磨面上に凸弧面の場合と同様フォトレジ
スト膜を形成し、次いでこのフォトレジスト膜と光学材
料とをこの傷が消失するまでドライエッチングする。
【0030】勿論リングレーザ型光学デバイスの場合は
上面または底面(あるいは側面)が切り出し面でなくと
も、反射面となる面(コーティング面は除く)は鏡面研
磨する必要があるが、この場合も、上記傷除去方法を適
用することによって無傷の鏡面を得ることができる。
【0031】本発明において、表面に凸弧面が形成され
た光学材料を有する光学デバイスとは、表面に凸弧面が
形成された光学材料を構成要素の一つとする光学デバイ
スだけでなく、表面に凸弧面が形成された光学材料のみ
から構成される光学デバイスも含むものである。
【0032】このような光学デバイスとは、例えば、表
面に複数の凸弧面が形成された光学材料を有する、例え
ば、レーザアレイあるいはマイクロレンズなどである。
【0033】また、図4のように、レーザ媒質または非
線形光学材料の一方の端面に凸弧面を一体に形成すると
ともに、前記レーザ媒質または非線形光学材料の他方の
端面を平面とした光学デバイスを例示できる。この場
合、凸弧面あるいは平面の一方あるいは両方に光の全反
射膜あるいは半透過膜をコーティングしてもよい。なお
図4は他方の端面が一方の端面に対し平行であるが、リ
ングレーザ型光学デバイス(材料内部に多角形の光路を
形成するタイプの光学デバイス)の場合は図15(b)
に示すように他方の端面が一方の端面に対し傾斜してい
てもよい。
【0034】このような光学デバイスを用い図9、図1
0に示した接合型レーザ共振器を構成できる。図9,図
10で13は光の全反射膜、14は光の半透過膜であ
る。
【0035】本明細書において、光学デバイスとは、レ
ーザ共振器、例えばNd:YAGマイクロチップレー
ザ、Nd:YABセルフダブリングSHGレーザ、N
d:YABマイクロチップレーザ、マイクロレゾナント
SHGレーザ、KNBO3マイクロチップSHGレー
ザ、YAG−KNBO3 SHGレーザ、Nd:YAG−
KNマイクロチップレーザなどの共振器、モノリシック
レーザシステム、非線形光学デバイス、マイクロレン
ズ、リングレーザなどを意味する。
【0036】光学デバイスがレーザ共振器の場合、光学
材料はレーザ材料から成り、光学デバイスの凸弧面を形
成された表面は、少なくともレーザ光の一部分を反射す
る端面である。
【0037】光学デバイスがアレー配置された複数のレ
ーザ共振器の場合、光学材料はレーザ材料から成り、複
数の凸弧面を形成された光学材料の表面は、少なくとも
レーザ光の一部分を反射する端面である。
【0038】光学デバイスが非線形光学デバイス(リン
グレーザのようなタイプでもよい)の場合、光学材料は
非線形結晶材料から成り、光学材料の表面は、1又は複
数の凸弧面が形成され且つ少なくともレーザ光の一部分
を反射する端面である。他方の端面は光学材料の前記表
面(一方の端面)に対し平行または傾斜している。
【0039】光学デバイスがマイクロレンズの場合、光
学材料はガラス等の非晶質材料から成り、光学材料の表
面には1又は複数の凸弧面が形成される。
【0040】光学材料としては、Nd:YAG、Nd:
YAB、Nd:Y3 Al512、Nd:YLiF4、N
d:YVO4、Nd:La2Be25、Nd:Y3 Al3
(BO 34等のレーザ材料、KNbO3、KTiOPO4
等の非 線形物質、BK7、合成石英等の非晶質材料を
例示することができる。
【0041】フォトレジストとしては、一般にポジ形フ
ォトレジストと呼ばれるフェノール樹脂にジアゾ系感光
材を重合したものを使用することが好ましい。なお、本
発明で凸弧面とは、独立した凸面及び一部が接続した2
以上の凸面を含む。
【0042】
【作用】まず、凸弧面を形成する場合を説明すると、凸
弧面を形成すべき光学材料の表面上には、凸弧面を有す
るフォトレジスト膜が形成される。エッチングによりフ
ォトレジスト膜で被覆されていない光学材料は直ちにエ
ッチングされ始める。エッチング前のフォトレジスト膜
は凸弧面を有しており、従ってフォトレジスト膜の厚さ
はその中央部分に近づく程厚い。
【0043】それ故、フォトレジスト膜の周辺部分はそ
の中央部分より早くエッチングされ、従って、かかる周
辺部分の下に位置する光学材料は、中央部分の下に位置
する光学材料より、先に且つより多くエッチングされ
る。その結果、光学材料の表面には、フォトレジスト膜
の凸弧面に類似した凸弧面が形成される。この場合、エ
ッチングをドレイエッチングで行なうと共に、ドライエ
ッチングの条件をエッチング中、随時連続的にまたは段
階的に変化させることにより、歪を持った凸弧面が形成
される。端面に1つのレンズのみを一体に有する光学材
料を製造する場合、まず、複数の凸弧面を光学材料に形
成し、各凸弧面間を境にして、光学材料を各凸弧面の周
囲を切り出す方法を例示できる。
【0044】切り出し面を鏡面にする必要がある場合、
切り出し面を研磨砥粒等で鏡面研磨後、フォトレジスト
膜を形成し、次いでドライエッチングすることにより、
フォトレジスト膜に続いて切り出し面も均一にエッチン
グされて無傷の鏡面が形成される。
【0045】
【実施例】図2に、本発明の光学デバイスの一例の一部
分を斜視図で示す。図2において、10はレーザ共振器
を示し、12はレーザ共振器の端面に形成された概ね球
面状の凸弧面を示す。
【0046】このレーザ共振器は、図3のように、レー
ザ媒質11の一方の端面に第1の凸弧面12aを一体に
形成するとともに、前記レーザ媒質11の他方の端面に
第2の凸弧面12bを一体に形成し、第1の凸弧面12
aにレーザ光を全反射する全反射膜13を設け、第2の
凸弧面12bにレーザ光の一部を反射し一部を透過させ
る半透過膜14を形成して構成される。本構成はレーザ
共振器のみならず、非線形光学デバイスでも同様であ
る。
【0047】図5に、本発明の光学デバイスの別の例の
一部分を斜視図で示す。図5において、20は光学デバ
イス、12は光学デバイスの端面に形成された概ね球面
状の複数の凸弧面を示す。図6は、複数の凸弧面を接続
した配置を示す。また図7、図8に本発明の光学デバイ
スの更に別の例を断面図で示す。図7、図8において、
12はマイクロレンズを構成する概ね球面状の凸弧面で
ある。
【0048】以下、本発明の光学デバイスの製造方法
を、幾つかの実施例に基づき、図面を参照して説明す
る。以下の実施例により、前記各種デバイスにおける光
学材料に凸弧面12を形成できる。通常、ある程度面積
の広い光学材料に複数の凸弧面12を形成し、そのま
ま、あるいは、凸弧面12毎に切り出して、光学デバイ
スとする。
【0049】図9にレーザ媒質の単結晶の端面に凸弧面
12を形成し、非線形光学材料の端面に凸弧面12を形
成し、両者を接合し、または近接し、凸弧面12同士が
対向したレーザ共振器を形成する。
【0050】この場合、図10に示したように片面は平
面であってもよい。
【0051】<実施例1>更に、本発明の光学デバイス
の製造方法の第1の実施例を説明する。
【0052】凸弧面12を形成すべき光学材料としてガ
ラス基板40を使用した。ガラス基板表面上に、東京応
化工業株式会社製フォトレジストOFPR800をスピ
ンコートした後プリベークして8μm厚さのフォトレジ
スト膜42を形成した(図1(a))。
【0053】次に、フォトレジスト膜42上にフォトマ
スク60を密着させた、所謂密着露光法によって、直径
100μmの円形パターンを露光した(図1(b))。
このフォトレジスト膜42を東京応化工業株式会社製N
MD−3現像液を使用して現像し、純水にてリンスし
た。ガラス基板40上には直径100μmの円柱状のフ
ォトレジスト膜42が残った(図1(c))。
【0054】このガラス基板40を175℃のクリーン
オーブンに30分間入れた。フォトレジスト膜42は、
フォトレジスト膜42を構成する材料のガラス転移点を
越える温度以上に保持されるため、一部分が熱流動して
液滴状に変形し、曲率半径約100μmの概ね球面状の
凸弧面42aが形成された(図1(d))。フォトレジ
スト膜42の加熱条件は、フォトレジスト膜42を構成
する材料のガラス転移点以上であってフォトレジスト膜
42の一部分が熱流動するのに十分な温度及び時間であ
ればよく、150℃、30分でも同様の結果が得られ
た。
【0055】このようにして得られたガラス基板40
を、日電アネルバ社製 ECR−310型ドライエッチ
ング装置を使用してドライエッチングした。ドライエッ
チング条件は、ドライエッチング装置を6.5×10-4
Pa迄排気した後、装置に酸素を5SCCM導入し、高
周波出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加
速電圧500Vとし、エッチング時間を1時間とした。
【0056】この条件でのドライエッチングによって、
ガラス基板40表面上に形成されたフォトレジスト膜4
2はエッチングされて完全に消失した。同時にガラス基
板40もエッチングされ、ガラス基板40表面には、直
径約100μm、曲率半径約5mmの概ね球面状の凸弧
面12が形成された(図1(e))。
【0057】イオンの加速電圧を変えることによって、
エッチング速度を変化させることができ、加速電圧30
0V及び700Vの各々において、ガラス基板40表面
の概ね球面状の凸弧面12の曲率半径は各々約10及び
2.5mmであった。
【0058】また、フォトマスク60のパターンとし
て、円形ではなく楕円形を用いた場合、最終的に形成さ
れるガラス基板40表面の凸弧面12は球面状ではな
く、回転楕円体面状となるが、かかる回転楕円体面状の
凸弧面12も上記の実施例の方法により容易に形成する
ことができた。
【0059】<実施例2>更に、本発明の光学デバイス
の製造方法の第2の実施例を説明する。
【0060】凸弧面12を形成すべき光学材料としてガ
ラス基板40を使用した。ガラス基板表面上に、東京応
化工業株式会社製フォトレジストOFPR800をスピ
ンコートした後プリベークして8μm厚さのフォトレジ
スト膜42を形成した(図1(a))。
【0061】次に、フォトレジスト膜42上にフォトマ
スク60を密着させた、所謂密着露光法によって、直径
100μmの円形パターンを露光した(図1(b))。
このフォトレジスト膜42を東京応化工業株式会社製N
MD−3現像液を使用して現像し、純水にてリンスし
た。ガラス基板40上には直径100μmの円柱状のフ
ォトレジスト膜42が残った(図1(c))。
【0062】このガラス基板40を175℃のクリーン
オーブンに30分間入れた。フォトレジスト膜42は、
フォトレジスト膜42を構成する材料のガラス転移点を
越える温度以上に保持されるため、一部分が熱流動して
液滴状に変形し、曲率半径約100μmの概ね球面状の
凸弧面42aが形成された(図1(d))。フォトレジ
スト膜42の加熱条件は、フォトレジスト膜42を構成
する材料のガラス転移点以上であってフォトレジスト膜
42の一部分が熱流動するのに十分な温度及び時間であ
ればよく、150℃、30分でも同様の結果が得られ
た。
【0063】このようにして得られたガラス基板40
を、日電アネルバ社製 ECR−310型ドライエッチ
ング装置を使用してドライエッチングした。ドライエッ
チング条件は、ドライエッチング装置を6.5×10-4
Pa迄排気した後、装置に酸素を5SCCM導入し、高
周波出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加
速電圧500Vとし、エッチング時間を1時間とした。
【0064】この条件でのドライエッチングによって、
ガラス基板40表面上に形成されたフォトレジスト膜4
2はエッチングされて完全に消失した。同時にガラス基
板40もエッチングされ、ガラス基板40表面には、直
径約100μm、曲率半径約5mmの概ね球面状の凸弧
面12が形成された(図1(e))。
【0065】イオンの加速電圧を変えることによって、
エッチング速度を変化させることができ、加速電圧30
0V及び700Vの各々において、ガラス基板40表面
の概ね球面状の凸弧面12の曲率半径は各々約10及び
2.5mmであった。
【0066】また、フォトマスク60のパターンとし
て、円形ではなく楕円形を用いた場合、最終的に形成さ
れるガラス基板40表面の凸弧面12は球面状ではな
く、回転楕円体面状となるが、かかる回転楕円体面状の
凸弧面12も上記の実施例の方法により容易に形成する
ことができた。
【0067】<実施例3>フォトマスク60のパターン
が長径150μm、短径75μmの楕円形であることを
除き、実施例1と同様の方法でガラス基板40表面に凸
弧面12を形成した。イオンの加速電圧を500Vとし
た場合、得られたガラス基板40表面の凸弧面12は、
長径側曲率半径約11.3mm、短径側曲率半径約2.
8mmの回転楕円体面状であった。
【0068】ガラス基板40以外の光学材料、例えばK
NbO3、Nd:Y3Al512等の材料においても、エ
ッチング速度がガラス基板40と異なる以外、上記の実
施例1から6と同様の方法により容易にその表面に凸弧
面12あるいは凹弧面を形成することができる。
【0069】<実施例4>この実施例は球面を形成した
フォトレジストをマスクにして、エッチング途中でエッ
チング条件を連続的に変化させた場合、エッチング後の
ガラス基板の球面状凸弧面がどのように変化するかを実
験した例である。まず、フォトレジスト膜42を6μm
の厚さに形成した他は実施例1と同様にしてガラス基板
40上に曲率半径約100μmの概ね球面状の凸弧面4
2aを形成した。
【0070】次にこうしてフォトレジストで疑似球面を
形成したガラス基板40を日電アネルバ社製ECR−3
10型ドライエッチング装置にセットし、6.5×10
-4Pa迄排気した後、酸素を5SCCM導入し、高周波
出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加速電
圧を500Vから1V/分の早さで下げて1時間30分
エッチングした。
【0071】このとき、フォトレジストは完全に消失
し、フォトレジストの形状がガラス基板上に転写され、
直径約100μm、曲率半径が、中心部では5mm、周
辺部では4.3mmの歪を持った球面が作製できた。
【0072】図11は東京応化製フォトレジストOFP
R800をマスクとしてBK7ガラス基板をエッチング
した時の前記ECR−310型装置における加速電圧
(X軸)とフォトレジストとガラス基板とのエッチング
速度の比を示す。この図から明らかなように、エッチン
グ途中でエッチング条件を連続的に変化させると、ガラ
ス基板の球面に対し半径方向に任意の歪を与えることが
できる。
【0073】本実施例では加速電圧を連続的に変化さ
せ、エッチング後の形状をコントロールしたが、加速電
圧に限らずガス流量、高周波出力等の他のパラメータを
変えても同じ効果が得られる。また、連続的にではな
く、段階的に変化させても、半径方向に段階的な歪を持
つ球面が得られる。
【0074】現像リンス後の形状を楕円柱とした場合、
この方法で、レーザダイオードの集光には最適な非球面
の楕円体レンズが製作可能である。
【0075】この方法によれば、エッチング途中にエッ
チング条件を変更して球面から任意の歪みを持った非球
面を形成できる。
【0076】<実施例5>この実施例は光学材料の鏡面
研磨時の研磨砥粒による損傷をドライエッチングにより
除去する例である。
【0077】凸弧面12を形状すべき光学材料としてK
NbO3単結晶を使用した。凸弧面12の形成方法自体
は実施例5とほぼ同じであるが、フォトマスク60とし
て図12に示すように上下にそれぞれ複数個の円形パタ
ーンを有するものを用いた。こうしてガラス基板の代わ
りにKNbO3単結晶を用いると共に複数個の円形パ タ
ーンを有するフォトマスクを用いて実施例1と同様密着
露光を行った後、NMD−3現像液で現像、純水でリン
スすることにより前記単結晶上に直径100μmの円柱
状フォトレジスト膜を前記円形パターンに対応して複数
個形成した。次にこれを実施例5と同様にクリーンオー
ブン中で熱処理後に日電アネルバ社製ECR−310型
ドライエッチング装置を使用してドライエッチングし
た。ドライエッチング条件は以上の操作により図13
(a)に示すように、KNbO3単結 晶70の表面a上
に直径約100μm、曲率半径約10mmの概ね球面状
の凸弧面12が複数個形成された。
【0078】次に単結晶70のa面にSiO2とTiO2
とからなる誘電体多層膜を蒸着法でコーティングして全
反射膜(860nmでの透過率4%、430nmでの反
射率99.5%)(図示せず)を形成し、またb面に同
様の方法でコーティングして半透過膜(860mmでの
反射率99.5%、430nmでの透過率80%)(図
示せず)を形成した後、図13(b)に示すように、ま
ずc面側を切り出し、この切り出し面を不士見研磨材工
業(株)製 研磨砥粒GC#1000,#2000,#3
000,#4000を順次用いて研磨し、同じく不士見
研磨材工業(株)製 Compol−EXを用いて鏡面に
研磨した。その後図13(c)示すように共鳴器1つ分
を切り出しリングレーザ型非線形光学デバイスを作製し
た。
【0079】この状態ではc面はまだ完全な鏡面ではな
く、微分干渉顕微鏡を用いて観察すると表面に研磨によ
る損傷が見られた。従ってこのような光学デバイスのレ
ンズ12から入射した光の一部は、図14(図中実線の
矢印は入射光、点線の矢印は透過光、80は模式的に示
したc面の傷、13は全反射膜、14は半透明膜)に示
すように、c面に傷がなければ実線の矢印で示すように
b面で反射し、この反射光はすべて再びレンズ12に戻
るのであるが、研磨面cは傷80があるため反射光はこ
の部分で錯乱し入射光の一部はレンズ12まで戻らなく
なる。しかし本発明では次のような方法でこのような研
磨傷をなくすことができる。
【0080】まず、図13(b)に示す状態に切り出し
た後、c面に図15(a)に示すように、東京応化工業
(株)製フォトレジスト OFPR800をスピンコート
した後、プリベークして、600nmの膜厚デフォトレ
ジスト膜42を形成した。次に、フォトレジスト膜42
上から日電アネルバ社製ECR310型ドライエッチン
グ装置を用いてエッチングした。エッチング条件は、
6.5×10-4Pa迄真空排気した後、C26を5SC
CM導入し、高周波出力300W、閉じ込め磁界10-2
T、イオンの加速電圧700Vとした。
【0081】この条件で30分間エッチングした時にフ
ォトレジストが完全に消失した。この後も同じ条件でエ
ッチングを続け、合計3時間エッチングした後取り出し
た。結晶表面は約3μmエッチングされ、微分干渉顕微
鏡の観察ではエッチング前にみられた研磨による損傷が
消失し、図15(b)に示すようにほぼ完全な鏡面が得
られた。その後、図13(c)に示す形状に切り出し
た。
【0082】また図13(a)に示すb面についても予
めこのような処理を施すことも可能である。
【0083】次にこのようにして傷を除去した光学デバ
イスを図16に示すSHG発生用非線形光学システムに
95としてセットし、球面側からSANYO社製 レー
ザダイオード SLD 7033101を用いて862
nmで励起したところ、431nmの出力が最大で5m
W得られた、なお、図16中90は前記レーザダイオー
ドダイオード、91はNew Port社製集光レンズ
F−L40B、92はビーム形状成形用シリンドリカル
レンズ対(縦横比 1:2)、93はNewPORT社
製 ファラデーアイソレータ ISO−7885、94
は集光レンズ(f=62.9mm,平凸弧面レンズ)で
ある。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、光学材料の表面に微小
の概ね球面状あるいは非球面状の凸弧面を一括して多数
形成でき、更に、複数の凸弧面を近接して形成すること
ができる。従って、従来の研磨では製造不可能であった
非常に微小な固体素子を有する微小固体レーザ、マイク
ロチップレーザ、リングレーザ、アレー配置の固体レー
ザ、マイクロレンズ、非線形光学デバイス等、従来に無
い光学デバイスを、容易に安価に大量生産可能である。
また、必要に応じて前記球面あるいは非球面に任意の歪
を持たせることもできる。更に鏡面研磨を行った面に対
しては、研磨後の傷を除去して反射率を向上することも
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学デバイスの製造方法のさらに他の
例を示した工程図
【図2】凸弧面が形成されたレーザ媒質の斜視図
【図3】凸弧面をレーザ媒質の両面に一体に形成したレ
ーザ共振器の断面図
【図4】凸弧面をレーザ媒質の端面に一体に形成したレ
ーザ共振器の断面図
【図5】光学デバイスの斜視図
【図6】光学デバイスの斜視図
【図7】マイクロレンズの斜視図
【図8】マイクロレンズの断面図
【図9】2材料接合型レーザ共振器で両端面に凸弧面を
形成した例の断面図
【図10】2材料接合型レーザ共振器で片方の端面に凸
弧面を形成した例の断面図
【図11】ドライエッチング条件として加速電圧を変化
させた時のフォトレジスト膜/ガラス基板の速度を比較
した図
【図12】リングレーザ型光学デバイスの製作に用いた
一例のフォトマスクの上面図
【図13】リングレーザ型光学デバイスの製作に用いた
切り出し手順の説明図
【図14】リングレーザ型光学デバイスにおける光路の
説明図
【図15】本発明による鏡面研磨面の傷除去方法の工程
【図16】本発明のレングレーザ型光学デバイスを用い
た1例の光学システムの概略図
【符号の説明】
10 レーザ共振器 12(12a、12b) 光学材料表面の凸弧面 12c 凹弧面 13 全反射膜 14 半透過膜 20 モノリシックレーザシステム 40 ガラス基板 42 フォトレジスト膜 42a フォトレジスト膜に形成された凸弧面 50 引き伸ばし機 52 露光用原板 60 フォトマスク 62 ディフーザ 70 非線形光学材料 80 研磨面の傷 95 リングレーザ型光学デバイス a 光学材料の表面または一方の端面 b 光学材料の他方の端面 c 光学材料の切り出し側面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光学材料の表面上に形成された概ね平滑な
    上端面を有するフォトレジスト膜に、フォトリソグラフ
    ィー法によってパターンを形成して円柱状または楕円柱
    状のフォトレジスト膜を形成し、このフォトレジスト膜
    を熱処理して、このフォトレジスト膜の概ね平坦な上端
    面を凸弧面に変形させ、光学材料の表面及び前記変形し
    たフォトレジスト膜をエッチングして、フォトレジスト
    膜の前記凸弧面に類似した少なくとも1つの凸弧面を光
    学材料の表面に形成することを特徴とする光学デバイス
    の製造方法。
  2. 【請求項2】光学材料の表面及びフォトレジスト膜のエ
    ッチングをドライエッチングで行なうと共に、このドラ
    イエッチング条件をエッチング中随時連続的または断続
    的に変化させることを特徴とする請求項1記載の光学デ
    バイスの製造方法。
  3. 【請求項3】凸弧面を形成した光学材料の所定面を更に
    鏡面研磨後、フォトレジスト膜を形成し、次いでこのフ
    ォトレジスト膜及び光学材料の研磨面をドライエッチン
    グすることにを特徴とする請求項1記載の光学デバイス
    の製造方法。
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