JP3301444B2 - 光学ディバイスの製造方法 - Google Patents

光学ディバイスの製造方法

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JP3301444B2 JP23866292A JP23866292A JP3301444B2 JP 3301444 B2 JP3301444 B2 JP 3301444B2 JP 23866292 A JP23866292 A JP 23866292A JP 23866292 A JP23866292 A JP 23866292A JP 3301444 B2 JP3301444 B2 JP 3301444B2
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photoresist
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、長い光路長を有する光
学ディバイスを製造する方法に関し、特に高効率な光の
高調波変換ディバイス及びこれを用いた短波長レーザ装
等に適用可能な光学ディバイスの製造方法に関する
【0002】
【従来の技術】一般にレーザは出力波長が限られている
ので、より短波長のレーザ光を得るために、非線形光学
現象を利用してレーザ光を別の波長のコヒーレント光に
変換する方法がある。その代表例として高調波発生器
(SHG)により高調波に変換する方法がある。これ
は、非線形媒質結晶に周波数ω0のレーザ光を入射させ
ると、周波数2ω0の光が出力されることによる。
【0003】このような高調波変換は、いろいろな方法
で試みられおり、変換された高調波出力は、入力パワー
あるいは共鳴器の内部パワーの2乗、及び非線形媒質の
長さの2乗に比例して増大することが知られている(た
だし、最適の焦点では非線形媒質の長さに比例す
る。)。
【0004】したがって、高調波出力を増大させるため
には、内部パワーあるいは非線形媒質の長さを増やす必
要がある。従来採用されている光の高調波変換として例
えば、直接変換、すなわち非線形結晶を切り出し、研磨
した両端面に低反射コーティングを施し、励起光を照射
する方法がある。この方法では、半導体レーザを用いた
直接変換が可能であるが、一般に長尺の非線形結晶を得
ることは困難であるので、得られる高調波出力は非常に
小さいという問題がある。
【0005】また、非線形媒質をレーザ共振器内に配置
する方法がある。この方法では共振器の内部パワーは容
易に入射光強度の100倍程度にすることができるた
め、比較的大きな高調波出力を取り出せることができる
が、システムが複雑になること、さらに半導体レーザに
よる直接変調が行えないために別途に変調器が必要にな
るという問題点がある。
【0006】さらに、入射パワーを実効的に上げ、かつ
位相整合条件を擬似的に満足させる方法として、導波路
構造により励起光を閉じ込めて高調波変換を行う方法が
ある。
【0007】しかしこの方法は、導波路の作製が技術的
な困難を伴うことに加え、導波路への励起光の入射、高
調波の効率的な取出しが非常に難しいという問題があ
る。また、作製上の制約から光軸に対して軸対象な構造
にすることが難しく、単一モードの高調波を取り出すこ
とが実際上困難なために用途が制限されるという問題も
ある。
【0008】以上のように、現在提案されている方法で
は、出力が小さく、例えば光ディスク用の光源として使
用する場合を考えると、1mW程度の高調波出力を持
ち、簡単に変調が可能な光源デバイスを提供することは
困難な状況にある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を克服し、1mW程度の高調波出力を持ち、レーザダイ
オードによる直接変調が可能な小型の高調波変換ディバ
イス、及び短波長レーザ装置に用いることができる光学
ディバイスの製造方法を提供することを課題とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記課題を
解決するために鋭意研究を行った結果、透光性光学材料
に複数の反射部を設けることにより、透光性光学材料中
で入射光が反射を繰り返し、光路長が長くなり、小型で
効率のよい高調波変換用デバイスとして使用できること
を見出し、本発明に至った。
【0011】すなわち本発明は、対向する第1の面と第
2の面とを有する透光性光学材料からなり、前記第1の
面に設けた複数の第1反射部と、各第1反射部に対向し
て前記第2の面に設けた複数の第2反射部とを有すると
ともに、前記第1反射部と第2反射部との間に設けられ
第1反射部と第2反射部とを交互に結ぶジグザグの光路
を有することを特徴とする光学ディバイスを製造する方
法であり、前記透光性光学材料の表面上に形成されたフ
ォトレジスト膜に、フォトリソグラフィー法による露
光、現像により少なくとも1つの凸弧面を形成し、前記
透光性光学材料の表面及び前記フォトレジスト膜をエッ
チングして、フォトレジスト膜の前記凸弧面に類似した
少なくとも1つの凸弧面を透光性光学材料の表面に形成
し、この凸弧面を形成した面及び凸弧面を形成した面に
対抗する面の表面に反射膜をコーティングすることによ
り反射部を設ける工程を有し、前記フォトリソグラフィ
ー法で凸弧面を形成する方法として、フォトレジスト膜
に円形あるいは楕円形のパターンを露光する露光工程に
おいて、露光強度を前記パターンの中心から周辺に行く
につれて次第に変化させることを特徴とする
【0012】以下、本発明を詳細に説明する。 <1>本発明の製造方法により得られる光学ディバイス 本発明の製造方法により得られる光学ディバイスは、対
向する第1、第2の2つの面を持つ透光性光学材料のそ
れぞれの面に複数の反射部を設けたものである。第1の
面に設けた複数の第1反射部に対向して複数の第2反射
部が第2の面に設けられている。さらにこの光学ディバ
イスは、前記第1反射部と第2反射部との間に設けられ
第1反射部と第2反射部とを交互に結ぶジグザグの光路
を有する(図1)。
【0013】第1の面の端部及び第2の面の逆端部に
は、光を透過する窓を設ける。これらの窓の一方を入射
窓、他方を出力窓と呼ぶ。入射窓から透光性光学材料に
入射した光は前記ジグザグの光路を通り、出力窓から出
力する。入力窓及び出力窓は、一方の面の両端部に設け
てもよい(図2)。
【0014】これらの反射部及び窓は、それぞれの反射
部を設ける部位の透光性光学材料の表面に光の全反射膜
をコーティングし、窓を設ける部位にはコーティングを
施さないことにより形成することができる(図1,
2)。あるいは、第1の面と第2の面の全面をコーティ
ングし、その後に窓の部位のコーティングを除去するこ
とにより形成することもできる(図3)。
【0015】前記第1反射部及び第2反射部は平面でも
よいが、少なくとも一方の面に球面等の凸弧面を形成
し、この凸弧面を凹面鏡として反射部の一部あるいは全
部を形成させることが、集光状態を維持し、内部のパワ
ー密度を上げる上で好ましい(図4,5)。この凸弧面
の直径、曲率半径等は、本発明の光学デバイスの使用目
的、波長等によって適宜設定する。
【0016】本発明の製造方法により得られる光学ディ
バイスとして、図4に示したように、透光性光学材料の
対向する2面の第1の面に凸弧面を形成するとともに、
第2の面を平面としたものを例示できる。
【0017】また、図6、図7に示したような接合型デ
バイスを例示できる。さらに、図8のように、透光性光
学材料の対向する2面の一方の面に第1の凸弧面を設け
るとともに、他方の面に第2の凸弧面を設け、両面にコ
ーティングを施すとともに、両面の端部に窓を形成する
ことを特徴とする高調波変換デバイスを挙げることがで
きる。
【0018】前記凸弧面は、概ね球面あるいは非球面、
例えば回転楕円体面であることが好ましい。この場合、
球面または非球面は半径方向に曲率半径が連続的または
段階的に異なる歪みを持っていてもよい。
【0019】凸弧面の形成にあたって曲率半径が少しづ
つ異なる凸弧面を複数組作製し、レーザ発振あるいはレ
ーザ発振器を用いた高調波変換を行い、最も発振効率あ
るいは高調波変換効率の高い凸弧面の組を選択すること
により、凸弧面形成上の誤差を補正することができる。
【0020】また、反射部として凸弧面の代わりにプリ
ズムを設けてもよい(図9)。
【0021】<2>本発明の光学デバイスの製造方法 次に、透光性光学材料の表面に凸弧面を形成する方法を
説明する。第1の方法は、透光性光学材料の表面上に形
成されたフォトレジスト膜に、フォトリソグラフィー法
によって凸弧面を形成し、透光性光学材料の表面及び前
記フォトレジスト膜をエッチングして、フォトレジスト
膜の前記凸弧面に類似した凸弧面を透光性光学材料の表
面に形成することによって達成される。
【0022】ここで、フォトリソグラフィー法で凸弧面
を形成する方法として、フォトレジスト膜に円形あるい
は楕円形のパターンを露光する露光工程において、露光
強度を前記パターンの中心から周辺に行くにつれ次第に
変化させる方法を例示できる。
【0023】この方法としては、例えば、以下の方法を
例示できる。 写真フィルムの引き伸ばし機のような、解像度の低い
レンズを露光用レンズとして用い、フォトマスクの円形
/楕円形パターンをフォトレジスト膜に結像して露光
し、現像する方法。
【0024】フォトレジスト膜上に形成すべき円形/
楕円形パターンをデフォーカス状態でフォトレジスト膜
に結像しフォトレジスト膜を露光した後、現像する方
法。 パターンを形成したフォトマスクを使用してフォトレ
ジスト膜を露光するとき、黒または白抜きの円形/楕円
形をフォーカスをずらして写真撮影し、中央部から周辺
に行くほど黒化濃度が変化する円形/楕円形パターンを
持つネガフィルムを得、このネガフィルムを円形/楕円
形パターン転写用原板としてフォトレジスト膜に結像
し、あるいは、フォトレジスト膜に原板を近接または密
着させた状態で露光し、現像する方法。
【0025】露光用光学系の途中にディフーザを挿入
するなどして、散乱光を得て、散乱光で、形成すべきパ
ターンをフォトレジスト膜に結像、露光した後、現像す
る方法。
【0026】ディフーザとは、BK−7などの光学ガラ
スの表面をアルミナ砥粒などを用いて砂ずりし、光を散
乱させる光学素子で、例えば、シグマ光器製DFSQ−
50C02−1500などが例示できる。
【0027】 パターンを形成したフォトマスクをフ
ォトレジスト膜から離して両者間に間隔を設けた状態で
フォトレジスト膜を露光した後、現像する方法。 透光性光学材料の表面に複数の凸弧面を形成する第2の
方法として、透光性光学材料の表面上に形成された概ね
平滑な上端面を有するフォトレジスト膜に、フォトリソ
グラフィー法による露光、現像によって円柱状または楕
円柱状のパターンのフォトレジスト膜を形成し、このフ
ォトレジスト膜を熱処理して、このフォトレジスト膜の
概ね平坦な上端面を凸弧面に変形させ、透光性光学材料
の表面及び前記変形したフォトレジスト膜をエッチング
して、フォトレジスト膜の前記凸弧面に類似した少なく
とも1つの凸弧面を透光性光学材料の表面に形成する方
法がある。
【0028】換言すれば、円形もしくは楕円形のパター
ンを形成したフォトマスクを使用してフォトレジスト膜
を露光、現像すると、露光のフォーカスが合っていれ
ば、透光性光学材料の表面に概ね平滑な上端面を有する
円柱状フォトレジスト膜が形成される。
【0029】そこで、この円柱状または楕円柱状のフォ
トレジスト膜を構成する材料のガラス転移点を越える温
度に円柱状または楕円柱状のフォトレジスト膜を保持
し、フォトレジスト膜を熱流動せしめると、円柱状また
は楕円柱状のフォトレジスト膜の上端角部が丸く崩れ、
円柱状または楕円柱状のフォトレジスト膜が表面張力に
より丸くなって全体的にみて凸弧面に変形する。
【0030】以上において、エッチングはドライエッチ
ングにて行うことが好ましい。ドライエッチングに使用
する気体は、使用する透光性光学材料に依存して適宜決
定することができる。エッチングの条件は、透光性光学
材料の表面に形成すべき凸弧面の形状に依存する。ドラ
イエッチングの場合エッチング中随時、使用する気体の
種類、使用量、流量、高周波出力、閉じ込め磁場の強
度、気体イオンの加速電圧、エッチング時間等を連続的
にまたは段階的に変えることにより、透光性光学材料の
表面に形成すべき凸弧面の断面形状(透光性光学材料の
表面と垂直方向の断面形状)を変えることにより凸弧面
に歪みを与えることができる。
【0031】凸弧面の代わりにプリズムを形成するに
は、フォトリソグラフィー法において、フォトレジスト
膜に円形あるいは楕円形のパターンを露光する露光工程
に際し、露光強度の分布をプリズムの形状に合わせて変
化させればよい。
【0032】本発明に使用する透光性光学材料として
は、KNbO3、LiNbO3、KTiOPO4、β−B
aB24等の非線形光学結晶、Nd:YAG、Nd:Y
AB、Nd:Y3 Al512、Nd:YLiF4、Nd:
YVO4、Nd:La2Be25、Nd:Y3 Al3(B
34等のレーザ媒質、あるいはガラス等を例示するこ
とができる。
【0033】フォトレジストとしては、一般にポジ形フ
ォトレジストと呼ばれるフェノール樹脂にジアゾ系感光
材を重合したものを使用することが好ましい。上記のよ
うにして対向する2面の片側あるいは両側に凸弧面を形
成した透光性光学材料の両面に、光を反射する膜をコー
ティングし、反射部を設ける。コーティングは各反射部
のみ行ってもよく、全面にコーティングを施した後に入
射窓及び出力窓の部分のコーティングを除去してもよ
い。
【0034】コーティングの方法としては、真空蒸着法
あるいはスパッタ法によって屈折率の異なる2種類の薄
膜を各々、目的の反射波長での光学長が1/2波長に相
当する厚さに交互に積層する方法が例示できる。
【0035】コーティングの除去は、例えば、窓部にフ
ォトレジスト膜を形成した状態でコーティングを施し、
その後にフォトレジスト膜とともにコーティングを除去
する方法、あるいはコーティングを施した後、フォトレ
ジスト膜を形成し、露光、現像を行って窓部のフォトレ
ジストを除去し、ドライエッチングにより露出したコー
ティングを除去する方法を挙げることができる。
【0036】以下に、コーティング及び、入射窓、出力
窓の形成の例を詳説する。透光性光学材料の表面にフォ
トレジストをスピンコートし、プリベークを行ってフォ
トレジスト膜を形成する。次に円形の遮光パターンを持
つフォトマスクをフォトレジスト表面に密着して紫外線
を照射し密着露光を行う。
【0037】紫外線で露光したフォトレジスト膜を現像
し、純水でリンスした後乾燥する。これを先ず、100
℃のクリーンオーブンで30分間乾燥した後、175℃
のクリーンオーブンで1時間ポストベークを行う。
【0038】このようにしてフォトレジストで凸弧面を
作製した透光性光学材料にドライエッチング装置を使用
してドライエッチングし、フォトレジストで作製した凸
弧面を転写する。
【0039】このようにして凸弧面を形成した透光性光
学材料の表面のコーティング及び窓の形成は、例えば以
下のようにして行う。コーティングに先立ち、透光性光
学材料の表面にフォトレジストをスピンコートし、プリ
ベークを行ってフォトレジスト膜を形成し、ついで密着
露光、現像処理によって窓部のみにフォトレジストを残
す。
【0040】この状態で電子線蒸着装置でTiO2とS
iO2を交互に電子線蒸着する。コーティング膜は、基
本波と高調波の間の周波数の光がほとんど反射するよう
な膜であるのが好ましい。
【0041】試料を蒸着装置から取り出した後、アセト
ンに浸漬して超音波洗浄器を用いて洗浄し、フォトレジ
ストとその上に蒸着されたコーティング膜を取り去り、
窓を形成する。
【0042】また、窓の形成は、前述のいわゆるリフト
オフ法だけでなく、エッチングによっても可能である。
コーティングを施した後、フォトレジストをスピンコー
ト、プリベークを行ってフォトレジスト膜を形成後、フ
ォトマスクを用いて露光、現像、水洗を行って、フォト
レジスト膜から窓部を露出させ、ドライエッチングでコ
ーティング膜の一部あるいは全部を取り去り、窓を形成
する方法を例示できる。窓部を形成した後、反射防止コ
ーティングを施せば、さらに高性能の素子が作製可能で
ある。
【0043】
【0044】<3>短波長レーザ装置 非線形光学結晶に、上記のようにして反射部及び窓を形
成した光学デバイスを高調波変換デバイスとして用い、
この高調波変換デバイスと励起用レーザ発振器とを、高
調波変換デバイスに形成された一方の窓にレーザ光が集
光するように配置することにより短波長レーザ装置を構
成することができる。
【0045】通常レーザ発振器から出力されるレーザ光
は一定の角度をもって射出されるので、必要に応じてフ
ォーカシングレンズを用いて平行光に直し、あるいはス
ポット状に絞ることが好ましい。
【0046】また、レーザ発振器としてレーザダイオー
ドを使用することにより、小型で簡便な、直接変調が可
能な短波長レーザ装置を構成することができる。さら
に、レーザ出力は基本波と高調波が同軸で得られるた
め、その出射部に波長選択の為のフィルター或いは素子
を配置することで2波長レーザ装置とすることが出来
る。
【0047】
【作用】本発明の製造方法により得られる光学ディバイ
スの入射窓に入射した光は、2つの反射部で交互に反射
を繰り返し、ジグザグに進行し、出力窓から出力する。
このような作用により、光路長を長くすることが可能と
なり、また、凹面ミラーによる集光効果でビームを逐次
集束できるため、光の高調波変換ディバイス、スラブレ
ーザ等のレーザ発振器等に利用することができる。
【0048】次に、本発明の製造方法により得られる
学ディバイスを高調波変換ディバイスとして使用する短
波長レーザ装置の作用を説明する。励起用レーザ発振器
から出力されたレーザ光は、フォーカシングレンズによ
り平行光に直され、あるいはスポット状に絞られ、高調
波変換ディバイスの入射窓に基本波として集光する。こ
の基本波は入射窓から高調波変換ディバイスに入光し、
この高調波変換ディバイスの2つの反射部で反射を繰り
返すことにより高調波加算され、最終的に高調波出力窓
から出力される。
【0049】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
する。図10に本発明の製造方法により得られる光学デ
ィバイスの一例を斜視図で示す。はじめに本発明の光学
ディバイスの製造方法を説明する。
【0050】まず、本発明の光学ディバイス製造方法
において、透光性光学材料に凸弧面を形成する方法につ
いての第1の実施例を説明する。
【0051】凸弧面12を形成すべき光学材料としてガ
ラス基板40を使用する。ガラス基板表面上に、東京応
化工業株式会社製フォトレジストOFPR800をスピ
ンコートした後プリベークして0.6μm厚さのフォト
レジスト膜42を形成した(図11(a))。
【0052】次いで、F4に設定した FUJINON
EX 50mmレンズを取り付けた富士写真フィルム
株式会社製CF670型引き伸ばし機50を露光装置と
して使用し、この引き伸ばし機を、露光用原板52に形
成されたパターンの大きさとかかるパターンの像の大き
さとが1:1となるように調整した。尚、図示しない
が、上部ランプハウスを取り外して中心波長400nm
のコールドミラーを取り付け、ウシオ社製ランプハウス
UIS−5100型に超高圧水銀ランプをセットして紫
外線を導入し露光用光源とした。原板52のパターンは
円形パターンとした。
【0053】フォトレジスト膜42の形成されたガラス
基板40をフォーカス位置にセットし(図11(b)参
照)、紫外線を照射して原板52に形成されたパターン
をフォトレジスト膜42に結像した後、フォトレジスト
膜42を現像すると、図11(c)に示すように、直径
100μmの円形のフォトレジスト膜42がガラス基板
40の表面上に残された。この円形のフォトレジスト膜
42の表面は概ね球面状であり、表面の曲率半径は約2
mmであった。
【0054】写真フィルムの引き伸ばし機のような解像
度の低いレンズを使用した場合、フォトレジスト膜42
へ照射される紫外線量は、個々の円形パターンの中心部
から周辺部に向かうに従って増加する。それ故、パター
ンが結像されたフォトレジスト膜42を現像すると、ガ
ラス基板40表面上に残されたフォトレジスト膜42の
厚さは、個々の円形パターンの中心部から周辺部に向か
って薄くなる。従って、現像後のフォトレジスト膜42
の表面は概ね球面状となる。
【0055】尚、フォトレジスト膜42の形成されたガ
ラス基板40をフォーカス位置から3mmずらしてセッ
トし、同様の処理を行った場合、直径60μmの円形の
フォトレジスト膜42がガラス基板40の表面上に残さ
れた。この円形のフォトレジスト膜42の表面は概ね球
面状であり、球面の曲率半径は約1.5mmであった。
【0056】また、白抜きの円形をフォーカスをずらし
て写真撮影し、円形の中央部が黒、周辺に行くほど黒化
濃度が減少する円形パターンを持つネガフィルムを得、
このネガフィルムを円形パターン転写用原板52として
使用した場合、特にフォーカス位置をずらさなくとも半
球状のフォトレジストパターンが形成できた。
【0057】このようにして得られた直径100μmの
円形のフォトレジスト膜42の形成されたガラス基板4
0を、日電アネルバ社製 ECR−310型ドライエッ
チング装置を使用してドライエッチングした。ドライエ
ッチング条件は、ドライエッチング装置を6.5×10
-4Pa迄排気した後、装置にC26を5SCCM(Stan
dard Curbic Centimeter Minute)に導入し、高周波出力
300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加速電圧5
00Vとし、エッチング時間を1時間とした。
【0058】この条件でのドライエッチングによって、
ガラス基板40表面上に形成されたフォトレジスト膜4
2はエッチングされて完全に消失した。同時にガラス基
板40もエッチングされ、ガラス基板40表面には、直
径約100μm、曲率半径約4mmの概ね球面状の凸弧
面12が形成された(図11(d))。ガラス基板40
表面に形成された凸弧面12の曲率半径とフォトレジス
ト膜42の表面の曲率半径とが異なるのは、ガラス基板
40とフォトレジスト膜42のエッチング速度が異なる
ためである。
【0059】
【実施例2】次に、透光性光学材料に凸弧面を形成する
方法についての第2の実施例を説明する。
【0060】凸弧面12を形成すべき光学材料としてガ
ラス基板40を使用した。ガラス基板40表面上に、東
京応化工業株式会社製フォトレジストOFPR800を
スピンコートした後プリベークして0.6μm厚さのフ
ォトレジスト膜42を形成した(図12(a))。QU
INTEL Q6000型マスクアライナーを使用し、
フォトマスク60とフォトレジスト膜42との間の間隔
を20μmに保持した状態にて露光した(図12
(b))。
【0061】尚、このとき、フォトマスク60上に、1
mm厚さの光学ガラスBK7の両面を#1500のアル
ミナ砥粒で砂ずりしたディフーザ62(シグマ光器製
DFSQ−50C02−1500)を置き、ディフーザ
62を透過した散乱光がフォトマスク60を介してガラ
ス基板40上のフォトレジスト膜42を露光するように
した。この場合、ソーダライムガラス製、4インチ角、
0.09インチ厚さで、直径100μm以下の円形パタ
ーンを有するフォトマスク60を使用した。
【0062】次いで、東京応化工業株式会社製NMD−
3現像液を使用して、フォトレジスト膜42の現像を行
った。現像、純水リンス後、ガラス基板40上には直径
100μm以下の円形パターンのフォトレジスト膜42
が残った(図12(c))。
【0063】フォトレジスト膜42の表面は、曲率半径
約4mmの概ね球面状の凸弧面42aであった。このよ
うに散乱光を用い、フォトマスク60とフォトレジスト
膜42との間に適当な間隔を設けることによって、概ね
球面状の凸弧面42aを有する円形のフォトレジスト膜
42を形成することができた。
【0064】このようにして得られたガラス基板40
を、日電アネルバ社製 ECR−310型ドライエッチ
ング装置を使用してドライエッチングした。ドライエッ
チング条件は、ドライエッチング装置を6.5×10-5
Pa迄排気した後、装置にC26を5SCCM導入し、
高周波出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの
加速電圧700Vとし、エッチング時間を20分間とし
た。
【0065】この条件でのドライエッチングによって、
ガラス基板40表面上に形成されたフォトレジスト膜4
2はエッチングされて完全に消失した。同時にガラス基
板40もエッチングされ、ガラス基板40表面には、直
径約100μm、曲率半径約4mmの概ね球面状の凸弧
面12が形成された(図12(d))。
【0066】
【実施例3】更に、透光性光学材料に凸弧面を形成する
第3の実施例を説明する。15μm厚さのフォトレジス
ト膜42をガラス基板40上に形成し、フォトマスク6
0とフォトレジスト膜42との間の間隔を8mmに保持
し、直径1mmの円形パターンを有するフォトマスク6
0を使用して露光を行い、実施例2と同様の条件にて現
像し、ガラス基板40表面上に円形のフォトレジスト膜
42を残した。残ったフォトレジスト膜42の直径は
0.8mm、表面の曲率半径は約8mmであった。かか
るガラス基板40を、実施例2と同様にドライエッチン
グした。但し、エッチング時間は8時間とした。エッチ
ング後のガラス基板40の表面には、直径1mm、曲率
半径8mmの概ね球面状の凸弧面12が形成された。
【0067】ドライエッチングの条件、例えばドライエ
ッチング装置に導入するガスの量、加速電圧等を変える
ことによって、フォトレジスト膜42とガラス基板40
のエッチング速度の比を変えることができる。これによ
って、ガラス基板40上に残されたフォトレジスト膜4
2の凸弧面42aの曲率半径が同じであっても、ドライ
エッチング後のガラス基板40表面の凸弧面12の曲率
半径を変えることができる。例えば、直径100μm、
曲率半径約4mmの概ね球面状の凸弧面42aを有する
フォトレジスト膜42が形成されたガラス基板40を下
記のドライエッチング条件にてドライエッチングしたと
き、得られたガラス基板40表面の概ね球面状の凸弧面
12の曲率半径は下記のとおりとなった。
【0068】 使用したガス C2626 ガスの量 (SCCM) 3 10 高周波出力 (W) 300 300 閉じ込め磁界 (T) 10-2 10-2 イオンの加速電圧(V) 700 300 エッチング時間 45 分 1時間15分 ガラス基板表面の球面状の 凸弧面の曲率半径(mm) 2.8 5.6
【0069】
【実施例4】更に、透光性光学材料に凸弧面を形成する
第4の実施例を説明する。凸弧面12を形成すべき光学
材料としてガラス基板40を使用した。ガラス基板表面
上に、東京応化工業株式会社製フォトレジストOFPR
800をスピンコートした後プリベークして8μm厚さ
のフォトレジスト膜42を形成した(図13(a))。
【0070】次に、フォトレジスト膜42上にフォトマ
スク60を密着させた、所謂密着露光法によって、直径
100μmの円形パターンを露光した(図13
(b))。このフォトレジスト膜42を東京応化工業株
式会社製NMD−3現像液を使用して現像し、純水にて
リンスした。ガラス基板40上には直径100μmの円
柱状のフォトレジスト膜42が残った(図13
(c))。
【0071】このガラス基板40を100℃で30分間
乾燥した後、175℃のクリーンオーブンに30分間入
れた。フォトレジスト膜42は、フォトレジスト膜42
を構成する材料のガラス転移点を越える温度以上に保持
されるため、一部分が熱流動して液滴状に変形し、曲率
半径約100μmの概ね球面状の凸弧面42aが形成さ
れた(図13(d))。フォトレジスト膜42の加熱条
件は、フォトレジスト膜42を構成する材料のガラス転
移点以上であってフォトレジスト膜42の一部分が熱流
動するのに十分な温度及び時間であればよく、150
℃、30分でも同様の結果が得られた。
【0072】このようにして得られたガラス基板40
を、日電アネルバ社製 ECR−310型ドライエッチ
ング装置を使用してドライエッチングした。ドライエッ
チング条件は、ドライエッチング装置を6.5×10-4
Pa迄排気した後、装置に酸素を5SCCM導入し、高
周波出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加
速電圧500Vとし、エッチング時間を1時間とした。
【0073】この条件でのドライエッチングによって、
ガラス基板40表面上に形成されたフォトレジスト膜4
2はエッチングされて完全に消失した。同時にガラス基
板40もエッチングされ、ガラス基板40表面には、直
径約100μm、曲率半径約5mmの概ね球面状の凸弧
面12が形成された(図13(e))。
【0074】イオンの加速電圧を変えることによって、
エッチング速度を変化させることができ、加速電圧30
0V及び700Vの各々において、ガラス基板40表面
の概ね球面状の凸弧面12の曲率半径は各々約10及び
2.5mmであり歪を持った球面となった。
【0075】また、フォトマスク60のパターンとし
て、円形ではなく楕円形を用いた場合、最終的に形成さ
れるガラス基板40表面の凸弧面12は球面状ではな
く、回転楕円体面状となるが、かかる回転楕円体面状の
凸弧面12も上記の実施例の方法により容易に形成する
ことができた。
【0076】
【実施例5】フォトマスク60のパターンが長径150
μm、短径75μmの楕円形であることを除き、実施例
4と同様の方法でガラス基板40表面に凸弧面12を形
成した。イオンの加速電圧を500Vとした場合、得ら
れたガラス基板40表面の凸弧面12は、長径側曲率半
径約11.3mm、短径側曲率半径約2.8mmの回転
楕円体面状であった。
【0077】ガラス基板40以外の光学材料、例えばK
NbO3、Nd:Y3Al512 等の材料においても、エ
ッチング速度がガラス基板40と異なる以外、上記の実
施例1から6と同様の方法により容易にその表面に凸弧
面12を形成することができる。
【0078】
【実施例6】この実施例は球面を形成したフォトレジス
トをマスクにして、エッチング途中でエッチング条件を
連続的に変化させた場合、エッチング後のガラス基板の
球面状凸弧面がどのように変化するかを実験した例であ
る。まず、フォトレジスト膜42を6μmの厚さに形成
した他は実施例5と同様にしてガラス基板40上に曲率
半径約100μmの概ね球面状の凸弧面42aを形成し
た。
【0079】次にこうしてフォトレジストで疑似球面を
形成したガラス基板40を日電アネルバ社製ECR−3
10型ドライエッチング装置にセットし、6.5×10
-4Pa迄排気した後、酸素を5SCCM導入し、高周波
出力300W、閉じ込め磁界10-2T、イオンの加速電
圧を500Vから1V/分の早さで下げて1時間30分
エッチングした。
【0080】このとき、フォトレジストは完全に消失
し、フォトレジストの形状がガラス基板上に転写され、
直径約100μm、曲率半径が、中心部では5mm、周
辺部では4.3mmの歪を持った球面が作製できた。
【0081】図14は東京応化製フォトレジストOFP
R800をマスクとしてBK7ガラス基板をエッチング
した時のECR−310装置で加速電圧(X軸)とフォ
トレジストとガラス基板とのエッチング速度の比を示
す。この図から明らかなように、エッチング途中でエッ
チング条件を連続的に変化させると、ガラス基板の球面
に対し半径方向に任意の歪を与えることができる。
【0082】本実施例では加速電圧を連続的に変化さ
せ、エッチング後の形状をコントロールしたが、加速電
圧に限らずガス流量、高周波出力等の他のパラメータを
変えても同じ効果が得られる。また、連続的にではな
く、段階的に変化させても、半径方向に段階的な歪を持
つ球面が得られる。
【0083】現像リンス後の形状を楕円柱とした場合、
この方法で、レーザダイオードの集光には最適な非球面
の楕円体レンズが製作可能である。この方法によれば、
エッチング途中にエッチング条件を変更して球面から任
意の歪みを持った非球面を形成できる。
【0084】
【実施例7】次に、凸弧面12を形成すべき光学材料と
してKNbO3単結晶を使用した実施例を説明する。
弧面12の形成方法自体は実施例4とほぼ同じである
が、フォトマスク60として上下にそれぞれ複数個の円
形パターンを有するものを用いた。こうしてガラス基板
の代わりにKNbO3単結晶を用いると共に複数個の円
形パターンを有するフォトマスクを用いて実施例4と同
様密着露光を行った後、NMD−3現象液で現像、純水
でリンスすることにより前記単結晶上に直径100μm
の円柱状フォトレジスト膜を前記円形パターンに対応し
て複数個形成した。次にこれを実施例4と同様にクリー
ンオーブン中で熱処理後に日電アネルバ社製ECR−3
10型ドライエッチング装置を使用してドライエッチン
グした。ドライエッチング条件は以上の操作により、K
NbO3単結晶の表面上に直径約100μm、曲率半径
約6.0mmの概ね球面状の凸弧面12が複数個形成さ
れた。
【0085】以上実施例1から実施例7で凸弧面を形成
した光学材料は、コーティングを施し、反射部と窓部を
設けることにより、本発明の光学デバイスとして使用す
ることができる。
【0086】
【実施例8】次に、本発明の製造方法により得られる
学ディバイスを高調波変換ディバイスとして使用した短
波長レーザ装置についての実施例を説明する。
【0087】本実施例による高調波変換デバイス及び短
波長レーザ装置の構成の概略を図15に示す。図15に
おいて1はSANYO社製、レーザダイオードSLD7
033101、2はNew Port社製フォーカシン
グレンズF−L40B、3は平凸球面レンズφ=25m
m f=62.9mm、20は本発明による高調波変換
デバイスであり、KNbO3の単結晶のa面を研磨し、
片面に凸球面を形成後、高反射コーティングを施し、部
分的にコーティングを除去したものである。
【0088】12は、透光性光学材料表面に作製した凸
球面、17は透光性光学材料に基本波を入射するために
コーティング膜を一部分取り去った入射窓、18は高調
波を取り出すためにコーティング膜を一部分取り去った
高調波出力窓である。破線は光軸を表す。
【0089】コーティングは凸球面を持つ面、およびそ
の対向面に、波長860nmで反射率99.95%、4
30nmで99.9%となるように施した。透光性光学
材料としてKNbO3を用い、実際に作製した高調波変
換デバイスの斜視図を図10に示す。この高調波変換デ
バイスは以下のように作成した。
【0090】a面が10mm×10mm、厚さが5mm
のKNbO3の表面に東京応化工業(株)製のフォトレ
ジストOFPR800をスピンコートし、プリベークを
行って6μm厚のフォトレジスト膜を形成した。次に円
形の遮光パターンを持つフォトマスクをフォトレジスト
表面に密着して紫外線を照射し密着露光を行った。この
ときフォトマスクの円形パターンの直径を104μm、
102μm、100μm、98μm、96μmと少しず
つ変化させた組合せを複数配置した。各々の直径の組が
図10で示す7から11の凸球面の行に対応している。
【0091】紫外線で露光したフォトレジスト膜を東京
応化工業製現像液NMD−3で1分間現像し、純水でリ
ンスした後乾燥した。KNbO3上には円柱状のフォト
レジスト膜が残った。これを先ず、100℃のクリーン
オーブンで30分間乾燥した後、175℃のクリーンオ
ーブンで1時間ポストベークを行ったところ、熱流動に
より概ね球面状の凸弧面が形成された。
【0092】このようにして表面に球面状のフォトレジ
ストを形成したKNbO3を、日電アネルバ社製ECR
−310E型ドライエッチング装置を使用してドライエ
ッチングし、フォトレジストで作製した凸球面を転写し
た。このときにエッチング条件は、エッチングガス、酸
素 5SCCM、マイクロ波入力300W、イオンの閉
じ込め磁界10-2T、イオンの加速電圧325Vとし
た。
【0093】このようにして作製した凸球面の曲率半径
は、直径104μmのパターンで作製した球面が10.
44mm、以下、10.26mm、10.12mm、
9.96mm、9.80mmであった。
【0094】このようにして凸球面を作製したKNbO
3単結晶の球面を作製した面とその対向する面にTiO2
とSiO2からなる高反射コーティングを施した。コー
ティングに先立ち、まず、球面を形成した側に東京応化
工業製SMR8900フォトレジストをスピンコート
し、プリベークを行って9μmの厚さの膜を形成し、つ
いで密着露光、現像処理によって基本波を入射する窓部
のみにフォトレジストを残した。
【0095】この状態で日本真空社製 EX−550型
電子線蒸着装置でTiO2とSiO2を交互に電子線蒸着
して、860nmで最大の反射率が得られる条件で6周
期、12層を、ついで430nmで最大の反射率が得ら
れる条件で12.5周期、25層蒸着した。試料の温度
は最高で160℃以下となるように蒸着は間欠的に行っ
た。このコーティング膜の反射率は、波長860nmで
99.95%、430nmで99.9%であった。
【0096】試料を蒸着装置から取り出した後、アセト
ンに浸漬して超音波洗浄器を用いて洗浄し、フォトレジ
ストとその上に蒸着されたコーティング膜を取り去り、
入射窓を形成した。
【0097】次に、対向する面にも同様の処理を施し、
コーティングを施して、高調波出力窓を形成した。これ
を、図15で示した構成となるようにセットし、高調波
変換デバイスを31.7℃に保持しながら、曲率半径1
0.12mmの球面を用いるように波長862nm、7
8mWのレーザ光を入射したところ、波長431nm、
1.4mWの高調波出力と、波長862nm、52mW
の基本波が得られた。
【0098】
【実施例9】本発明の製造方法により得られる光学ディ
バイスを用いた、2波長のレーザ光を発生する短波長レ
ーザ装置と、電気光学効果を利用した波長選択フィルタ
ーを組み合わせたレーザ装置の実施例を説明する。
【0099】本実施例のレーザ装置の構成の概略を図1
6に示す。図16において1はSANYO社製、レーザ
ダイオードSLD7033101、2はNew Por
t社製フォーカシングレンズF−L40B、3は平凸球
面レンズφ=25mm f=62.9mm、20は高調
波変換ディバイスであり、ニオブ酸カリウム単結晶のa
面を研磨し、片面に凸球面を形成後、高反射コーティン
グを施し、部分的にコーティングを除去したものであ
る。
【0100】このニオブ酸カリウム単結晶のa軸伝搬を
用いた短波長レーザ装置からは、偏光方向が互いに直交
する波長862nmの基本波と、431nmの第2高調
波が得られた。この基本波と第2高調波を分離する為
に、まず、コリメートレンズ70で出射光を平行光にし
た後、862nmで1/2波長、431nmで1波長に
相当する波長板71を挿入し、偏光方向を平行にした。
【0101】次いでconoptics社製E.O.変
調器(電気光学効果変調器)MODEL370 72を
置いた。クロスニコルプリズム74はE.O.変調器に
組み込まれている。
【0102】上記構成のレーザ装置において、変調器に
かけるバイアス電圧を変化させると、862nm、43
1nmの光強度は変化し、バイアス電圧583Vで、波
長431nm、1.15mW、波長862nm、4.2
mWの出力が得られ、バイアス電圧1166Vで、波長
431nm、0.03mW、波長862nm、32mW
の出力が得られた。
【0103】さらに、必要に応じて各々の波長で適当な
透過率となる波長選択フィルター73を挿入すれば、出
力のバランスを調整できる。たとえば、862nmで透
過率30%、431nmで90%の透過率のフィルター
を挿入すれば、高密度光磁気ディスクのデータ書き込み
に必要な約10mWの862nmのレーザ光と、データ
の読み出しに必要な約1mWの431nmの短波長レー
ザ光とが同軸で得られる。
【0104】
【発明の効果】本発明により、光路長の長い光学デバイ
ス、特に効率の高い光の高調波変換デバイスを簡便かつ
安価に製造することができる。また、前記高調波変換デ
バイスを用いて、直接変調が可能な高出力の短波長レー
ザ装置、さらには2波長を同軸で得られるレーザ装置を
提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学デバイスの一例を示す断面図
【図2】本発明の光学デバイスの他の一例を示す断面図
【図3】本発明の光学デバイスの更に他の一例を示す断
面図
【図4】凸弧面を有する光学デバイスの断面図
【図5】凸弧面の一部が反射部を形成する光学デバイス
の断面図
【図6】2材料を接合させ、片面に凸弧面を形成した光
学デバイスを示す断面図
【図7】2材料を接合させ、対向する両面に凸弧面を形
成した光学デバイスの断面図
【図8】凸弧面を対向する両面に形成した光学デバイス
を示す断面図
【図9】プリズムが反射部を形成する本発明の光学デバ
イス
【図10】本発明の光学デバイスの一例を示す斜視図
【図11】本発明の光学デバイスの製造方法の一例を示
した工程図
【図12】本発明の光学デバイスの製造方法の他の例を
示した工程図
【図13】本発明の光学デバイスの製造方法のさらに他
の例を示した工程図
【図14】ドライエッチング条件として加速電圧を変化
させたときのフォトレジスト膜/ガラス基板の速度を比
較した図
【図15】本発明の光学デバイスを使用した短波長レー
ザ装置の一例を示した概略図
【図16】本発明の光学デバイスを使用した2波長同軸
レーザ装置の一例を示した概略図
【符号の説明】
1 半導体レーザ 2 フォーカシングレンズ 3 フォーカシングレンズ 7〜11曲率半径が少しづつ異なる凸弧面 12(12a、12b) 光学材料表面の凸弧面 20 光学デバイス 15 第1反射部 16 第2反射部 17 入射窓 18 出力窓 19 プリズム 40 透光性光学材料 42 フォトレジスト膜 42a フォトレジスト膜に形成された凸弧面 50 引き伸ばし機 52 露光用原板 60 フォトマスク 62 ディフーザ 70 コリメートレンズ 71 波長板 72 電気光学効果変調器 73 波長選択フィルター 74 クロスニコルプリズム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−6075(JP,A) 特開 平1−257382(JP,A) 特開 平4−320221(JP,A) 特開 平5−136460(JP,A) 特開 平1−161878(JP,A) 特開 昭57−143880(JP,A) 特開 昭56−13782(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G02F 1/37 - 1/39 G02B 5/04 - 5/08 H01S 3/109

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する第1の面と第2の面とを有する
    透光性光学材料からなり、前記第1の面に設けた複数の
    第1反射部と、各第1反射部に対向して前記第2の面に
    設けた複数の第2反射部とを有するとともに、前記第1
    反射部と第2反射部との間に設けられ第1反射部と第2
    反射部とを交互に結ぶジグザグの光路を有することを特
    徴とする光学ディバイスを製造する方法であり、 前記透光性光学材料の表面上に形成されたフォトレジス
    ト膜に、フォトリソグラフィー法による露光、現像によ
    り少なくとも1つの凸弧面を形成し、 前記透光性光学材料の表面及び前記フォトレジスト膜を
    エッチングして、フォトレジスト膜の前記凸弧面に類似
    した少なくとも1つの凸弧面を透光性光学材料の表面に
    形成し、 この凸弧面を形成した面及び凸弧面を形成した面に対抗
    する面の表面に反射膜をコーティングすることにより反
    射部を設ける工程を有し、 前記フォトリソグラフィー法で凸弧面を形成する方法と
    して、フォトレジスト膜に円形あるいは楕円形のパター
    ンを露光する露光工程において、露光強度を前記パター
    ンの中心から周辺に行くにつれ次第に変化させることを
    特徴とする 光学ディバイスの製造方法
  2. 【請求項2】 露光強度を前記パターンの中心から周辺
    に行くにつれ次第に変化させる前記露光工程が、解像度
    の低いレンズを露光用レンズとして用い、フォトマスク
    の円形/楕円形パターンをフォトレジスト膜に結像して
    露光する工程であることを特徴とする請求項1記載の光
    学ディバイスの製造方法
  3. 【請求項3】 露光強度を前記パターンの中心から周辺
    に行くにつれ次第に変化させる前記露光工程が、フォト
    レジスト膜上に形成すべき円形/楕円形パターンをデフ
    ォーカス状態でフォトレジスト膜に結像しフォトレジス
    ト膜を露光する工程であることを特徴とする請求項2記
    載の光学ディバイスの製造方法
  4. 【請求項4】 露光強度を前記パターンの中心から周辺
    に行くにつれ次第に変化させる前記露光工程が、パター
    ンを形成したフォトマスクを使用してフォトレジスト膜
    を露光するとき、黒または白抜きの円形/楕円形をフォ
    ーカスをずらして写真撮影し、中央部から周辺に行くほ
    ど黒化濃度が変化する円形/楕円形パ ターンを持つネガ
    フィルムを得、このネガフィルムを円形/楕円形パター
    ン転写用原板としてフォトレジスト膜に結像し、あるい
    は、フォトレジスト膜に原板を近接または密着させた状
    態で露光する工程であることを特徴とする請求項1記
    の光学ディバイスの製造方法
  5. 【請求項5】 露光強度を前記パターンの中心から周辺
    に行くにつれ次第に変化させる前記露光工程が、散乱光
    を用いて、形成すべきパターンをフォトレジスト膜に結
    像し、露光する工程であることを特徴とする請求項1記
    載の光学ディバイスの製造方法
  6. 【請求項6】 散乱光を形成するための露光用光学系の
    途中にディフーザを挿入したことを特徴とする請求項
    載の光学ディバイスの製造方法
  7. 【請求項7】 露光強度を前記パターンの中心から周辺
    に行くにつれ次第に変化させる前記露光工程が、パター
    ンを形成したフォトマスクをフォトレジスト膜から離し
    て両者間に間隔を設けた状態でフォトレジスト膜を露光
    する工程であることを特徴とする請求項1記載の光学デ
    ィバイスの製造方法
  8. 【請求項8】 透光性光学材料の表面及びフォトレジス
    ト膜のエッチングをドライエッチングで行なうと共に、
    このドライエッチング条件をエッチング中、随時連続的
    又は段続的に変化させることを特徴とする請求項1記載
    光学ディバイスの製造方法。
  9. 【請求項9】 対向する第1の面と第2の面とを有する
    透光性光学材料からなり、前記第1の面に設けた複数の
    第1反射部と、各第1反射部に対向して前記第2の面に
    設けた複数の第2反射部とを有するとともに、前記第1
    反射部と第2反射部との間に設けられ第1反射部と第2
    反射部とを交互に結ぶジグザグの光路を有することを特
    徴とする光学ディバイスを製造する方法であり、 前記透光性光学材料の表面上に形成された概ね平滑な上
    端面を有するフォトレジスト膜に、フォトリソグラフィ
    ー法によってパターンを形成して円柱状または楕円柱状
    のフォトレジスト膜を形成し、 このフォトレジスト膜を熱処理して、このフォトレジス
    ト膜の概ね平坦な上端面を凸弧面に変形させ、光学材料
    の表面及び前記変形したフォトレジスト膜をエッチング
    して、フォトレジスト膜の前記凸弧面に類似した少なく
    とも1つの凸弧 面を透光性光学材料の表面に形成し、 この凸弧面を形成した面及び凸弧面を形成した面に対抗
    する面の表面に反射膜をコーティングすることにより反
    射部を設けることを特徴とする 光学ディバイスの製造方
    法。
  10. 【請求項10】 透光性光学材料の表面及びフォトレジ
    スト膜のエッチングをドライエッチングで行なうと共
    に、このドライエッチング条件をエッチング中随時連続
    的または段続的に変化させることを特徴とする請求項9
    記載の光学ディバイスの製造方法。
  11. 【請求項11】 反射部を設ける工程が、 凸弧面を形成した面及び対向する面にフォトレジストを
    スピンコートし、プリベークを行ってフォトレジスト膜
    を形成する工程と、 ついで密着露光、現像処理によって第1の面の端部、及
    び第1又は第2の面の逆端部にフォトレジスト膜を残す
    工程と、 このフォトレジスト膜が残った面にコーティングを施し
    た後、フォトレジスト膜とその上に形成されたコーティ
    ング膜を取り去る工程、 とを含む ことを特徴とする請求項1又は9記載の光学デ
    ィバイスの製造方法。
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