JP2001242280A - 欠陥補修方法 - Google Patents

欠陥補修方法

Info

Publication number
JP2001242280A
JP2001242280A JP2000058024A JP2000058024A JP2001242280A JP 2001242280 A JP2001242280 A JP 2001242280A JP 2000058024 A JP2000058024 A JP 2000058024A JP 2000058024 A JP2000058024 A JP 2000058024A JP 2001242280 A JP2001242280 A JP 2001242280A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
defect
region
crack
welding
thermal energy
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000058024A
Other languages
English (en)
Inventor
Takeshi Obana
健 尾花
Kunio Miyazaki
邦夫 宮崎
Akira Konuma
昭 小沼
Eiji Kikuchi
英二 菊池
Jiro Kuniya
治郎 国谷
Hiroshi Tsujimura
浩 辻村
Atsushi Isawa
淳 石和
Nobuo Tada
伸雄 多田
Motomasa Fuse
元正 布施
Katsumi Nagasawa
克己 長澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP2000058024A priority Critical patent/JP2001242280A/ja
Publication of JP2001242280A publication Critical patent/JP2001242280A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Arc Welding In General (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の目的は、原子炉圧力容器内部の構造物
表面に開口した亀裂等の欠陥を確実に封止でき、この欠
陥を構造物の外部環境から確実に隔離できる欠陥補修方
法を提供することにある。 【解決手段】本発明の欠陥補修方法は、欠陥の内部に存
在する不純物の一部あるいは全部を除去する第1の工程
と、前記欠陥を封止する第2の工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トの供用期間中における原子炉圧力容器内部を構成する
構造物及び機器の補修方法に係り、特に亀裂状の欠陥が
発生している構造物及び機器の欠陥補修方法に関する。
【0002】
【従来の技術】原子炉圧力容器内部の構造物及び機器
は、高温高圧水の環境下において応力腐食割れ等の経年
的な亀裂状の欠陥の発生が懸念されている。応力腐食割
れは、材料自身の局部的な組成変化等の劣化因子,溶接
施工等で構造物及び機器に負荷されている引張残留応力
の応力因子、及び高温高圧水での腐食環境因子の重畳に
よって発生し、進展する。この亀裂が構造物及び機器を
貫通すると、原子力プラントの重大な事故に繋がる恐れ
があり、亀裂が発生した構造物及び機器に対して、亀裂
の進展や貫通を防止する対策が必要とされている。
【0003】この対策として、例えば特開平7―628
93号公報に、欠陥部を完全に機械的に除去し、その部
分を肉盛溶接等により埋め合わせる方法が開示されてい
る。また、特開昭54―11045号公報に、溶接金属
表面に開口した亀裂を覆うように余盛し、亀裂の進展を
防止する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】特開平7―62893
号公報に開示されている方法は、確実に欠陥を除去して
埋め合わせることで、欠陥の存在により低下が懸念され
る構造物の強度を回復するという点で優れている。しか
し、原子炉内のように、複雑形状の構造物が狭隘部に配
置されかつ中性子照射作業環境においては、非常に時間
を要する作業となる。
【0005】また、特開昭54―11045号公報に開
示されている方法は、欠陥削除と埋め合わせの工程が不
要となるため作業時間を短くできる。しかし、亀裂が構
造物の内部方向に複雑で広範囲に存在している場合、構
造物表面の亀裂開口部への余盛溶接時に、亀裂内部に付
着している不純物(例えば、構造物が炉水環境に接して
いることから生じる腐食生成物,酸化皮膜,水分等)
が、溶接熱投入によって熱分解あるいは気化し、これら
のガスが亀裂内部から噴出する等により、健全な溶接ビ
ードを形成することが困難となる可能性がある。したが
って、亀裂を完全に封止できなく、炉水環境から亀裂を
隔離することが困難となり、亀裂の進展が継続する可能
性がある。
【0006】本発明の目的は、原子炉圧力容器内部の構
造物表面に開口した亀裂等の欠陥を確実に封止でき、こ
の欠陥を構造物の外部環境から確実に隔離できる欠陥補
修方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、健全な溶
接ビードの形成特性(条件)について種々検討した結
果、溶接ビードの阻害要因が、欠陥内部に存在する酸化
物や水分,構造物を構成する鋼中に含まれる水素,酸化
物の分解に伴って生ずる酸素ガスなどであることを明ら
かにした。そこで本発明者らは、欠陥内部に存在する酸
化物等の不純物を除去した後で欠陥部を補修することに
より、欠陥を健全に補修できることを見出した。
【0008】表1に、欠陥を補修溶接する際に溶接阻害
要因と考えられるガス成分,水分,酸化物などについ
て、本発明者らが検討した結果を示す。Fe34,α−
Fe23,FeOOH等の鉄系酸化物,オキシ水酸化
物,水分などが存在する場合に、欠陥を溶接することが
困難であることが判った。すなわち、健全な溶接ビード
を形成する上では、酸化物,水分等の不純物を取り除く
ことが不可欠である。
【0009】
【表1】
【0010】次に、欠陥内部を覆っている酸化物から有
害な酸素を除去する方法を説明する。酸化物中の酸素を
除去する方法は、熱エネルギーを酸化物に投入して、酸
化物を加熱分解させることで達成される。酸化物を含ん
だ欠陥に熱エネルギーを投入する方法としては、TIG
溶接,レーザ溶接,プラズマ溶接などの溶接アーク熱,
レーザビーム照射熱,プラズマアーク熱を利用する方法
が有効である。また、溶接による投入熱エネルギーの深
溶け込み性を助長するフラックスを予め欠陥に被覆する
ことで、熱エネルギーを欠陥深部まで容易に投入させる
方法も有効である。
【0011】酸化物中の酸素を除去する別の方法は、水
素ガスや一酸化炭素ガス等の還元性ガスで加熱すること
による還元化学反応により達成される。このときの反応
温度は600℃以上であり、高温であるほど酸素を除去
する化学反応の速度が早くなる。欠陥部を加熱する方法
としては、TIG溶接,レーザ溶接及びプラズマ溶接な
どの熱エネルギーを投入する方法が有効である。
【0012】酸化物中の酸素を除去する別の方法として
は、脱スケール剤を用いて、予め欠陥内部を覆っている
酸化物を除去する方法も効果的である。脱スケール剤と
して、蓚酸,クエン酸,塩酸,硝酸,硫酸,アルカリ過
マンガン酸塩,エチレンジアミン4酢酸(EDTA),
カルボン酸塩等のキレート化合物を欠陥内部に浸透さ
せ、加熱することにより酸化物を溶解させる。このと
き、欠陥が存在する領域をカソード防食しながら脱スケ
ールする方法も効果的である。脱スケールした後は、た
だちに純水,溶剤などを用いて洗浄し、高圧ガスを噴射
して欠陥を乾燥させる。
【0013】次に、欠陥内部に存在する水分,水素ガス
等を除去する方法を説明する。欠陥内部に存在する水
分,水素ガスを除去する方法には、欠陥に直接熱エネル
ギーを投入する方法や、欠陥及び周辺部分を外部加熱す
る方法がある。加熱温度は300℃以上であり、より高温
で処理することにより、水分や水素ガスを効率よく短時
間に排除することが可能になる。
【0014】以上のように、欠陥内部に存在する酸化物
等の不純物を除去した後で、欠陥を溶接する工程を実施
することにより、欠陥を補修することが可能となる。
【0015】以下、本発明の特徴をより具体的に説明す
る。本発明の欠陥補修方法は、欠陥の内部に存在する不
純物の一部あるいは全部を除去する第1の工程と、前記
欠陥が存在する領域の表面部に熱エネルギーを投入して
前記欠陥を封止する第2の工程とを有する。
【0016】他の本発明は、構造物の欠陥が存在してい
る領域に熱エネルギーを投入して前記領域を溶融させ、
前記欠陥の内部に存在する不純物の一部あるいは全部を
溶融除去する第1の工程と、前記領域の表面部に熱エネ
ルギーを投入して前記領域の表面部を溶融させる第2の
工程とを有する。
【0017】他の本発明は、構造物の欠陥が存在してい
る領域に熱エネルギーを投入して前記領域を溶融させ、
前記欠陥の内部に存在する不純物の一部あるいは全部を
溶融除去する第1の工程と、前記領域の表面部に肉盛溶
接を施す第2の工程とを有する。
【0018】他の本発明は、構造物の欠陥が存在してい
る領域を脱スケール剤で被覆し、その後前記領域を洗浄
して前記欠陥の内部に存在する不純物の一部あるいは全
部を化学除去する第1の工程と、前記領域の表面部に熱
エネルギーを投入して前記領域の表面部を溶融させる第
2の工程とを有する。
【0019】他の本発明は、構造物の欠陥が存在してい
る領域をシールド手段を用いて局部的に覆うことによ
り、前記領域に水が侵入しないようにして前記領域に熱
エネルギーを投入して前記領域を溶融させ、前記欠陥の
内部に存在する不純物の一部あるいは全部を溶融除去す
る第1の工程と、前記領域の表面部に熱エネルギーを投
入して前記領域の表面部を溶融させる第2の工程とを有
する。
【0020】他の本発明は、構造物の欠陥が存在してい
る領域をシールド手段を用いて局部的に覆うことによ
り、前記領域に水が侵入しないようにして前記領域に熱
エネルギーを投入して前記領域を溶融させ、前記欠陥の
内部に存在する不純物の一部あるいは全部を溶融除去す
る第1の工程と、前記領域の表面部に肉盛溶接を施す第
2の工程とを有する。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例について、
図面を用いて説明する。
【0022】(実施例1)図3に、原子炉内の構造物で
あって、応力腐食割れ等によって発生した亀裂状の欠陥
を有する構成を示す。構造物101は、炭素含有量が
0.02 重量%以上であるオーステナイト系ステンレス
鋼等の鉄基合金、あるいはインコネル等のニッケル基合
金により構成されている。構造物101には、亀裂10
4を有する欠陥103を含む領域102が存在してい
る。亀裂104を有する欠陥103の長さは、500μ
m以上である。
【0023】図2に、亀裂104を有する欠陥103を
拡大した図面を示す。亀裂104を有する欠陥103の
内部には、構造物が炉水環境に接していることから生じ
る腐食生成物,酸化皮膜,水分等の不純物105、及び
欠陥空隙106が存在している。不純物105は亀裂1
04の内壁面に付着しているか、あるいは亀裂104内
部に存在している。
【0024】まず、亀裂104を有する欠陥103の大
きさや形状を把握するために、超音波あるいはX線等に
よる非破壊探傷検査を実施する。これにより亀裂104
を有する欠陥103の大きさや形状を把握した後、図1
に示すように、TIG溶接を亀裂104を有する欠陥1
03を含む領域102に実施し、TIG溶接によるアー
ク熱を利用した欠陥不純物除去用熱エネルギー107
を、亀裂104を有する欠陥103を含む領域102に
投入する。欠陥不純物除去用熱エネルギー107の投入
により、亀裂104を有する欠陥103を含む領域10
2が溶融ビード108内に含まれるように溶融処理を施
す。
【0025】欠陥不純物除去用熱エネルギー107の投
入により、欠陥103の内部に存在する腐食生成物,酸
化皮膜,水分等の不純物105の一部、あるいは全部が
熱分解を起こしてガス成分109となり、領域102か
ら気化することで消失し、溶融ビード108から噴出,
除去される。また同時に、欠陥不純物除去用熱エネルギ
ー107の投入により、欠陥空隙106の一部、あるい
は全部が溶融ビード108内に含まれ、溶融除去され
る。
【0026】TIG溶接は、不活性ガスをシールドガス
として使用し、作業者の手動操作、あるいは自動操作に
より実施される。この際、欠陥不純物除去用熱エネルギ
ー107により投入される入熱量は、TIG溶接のアー
ク熱であり、対象となる構造物101の板厚や形状、あ
るいは発生している亀裂104,欠陥103、及び領域
102の大きさに応じてTIG溶接の溶接条件として調
節する。また、この段階での欠陥不純物除去用熱エネル
ギー107の投入は、できるだけ小入熱であることが望
ましいが、亀裂104を有する欠陥103の内部に存在
する不純物105、及び欠陥空隙106の除去、あるい
は縮小が目的であるため、従来のように大入熱を投入し
ても構わない。
【0027】また欠陥不純物除去用熱エネルギー107
の投入投影面積が、亀裂104,欠陥103、及び領域
102の大きさよりも小さい場合には、欠陥不純物除去
用熱エネルギー107の投入により形成される溶融ビー
ド108に亀裂104,欠陥103、及び領域102が
含まれるように、TIG溶接の電極を移動させることで
欠陥不純物除去用熱エネルギー107を移動させても構
わない。その際、点溶接施工法により各溶融ビード10
8を重なるように、溶接ビード108を連続もしくは断
続的に形成させて、亀裂104を有する欠陥103を含
む領域102を覆うように溶融ビード108を形成させ
てもよい。また、欠陥不純物除去用熱エネルギー107
はスポット状に投入されても構わない。
【0028】本実施例では、TIG溶接のアーク熱によ
る欠陥不純物除去用熱エネルギー107は、入熱量が1
0kJ/cm以上で、構造物101の表面より5mm以上の
深さまで投入される。
【0029】以上のような工程により、欠陥103内の
亀裂104内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分
等の不純物105、あるいは欠陥空隙106を、溶融ビ
ード108の内部及び表面上、及び領域102から完全
に除去することが好ましい。但し、図14に示すよう
に、TIG溶接の溶接条件によっては、亀裂104を有
する欠陥103を含む領域102全てを、溶融ビード1
08で完全に覆うことができす、欠陥103内の亀裂1
04内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分等の不
純物105、あるいは欠陥空隙106を領域102から
完全に除去できない可能性がある。
【0030】また、欠陥103の内部に存在する腐食生
成物,酸化皮膜,水分等の不純物105の種類、あるい
は量により、溶融ビード108から噴出するガス成分10
9は様々であり、また噴出量も変化する可能性がある。
このため、図4に示すように欠陥不純物除去用熱エネル
ギー107の投入により、不純物105が溶融ビード1
08内で撹拌され、溶融スラグとしてに浮上し、溶融ビ
ード108の表面、及び表面近傍にその一部が残存して
付着する可能性がある。したがって、溶融ビード108
の溶融状態での粘性、あるいはぬれ性が劣化することで
溶融ビード108の表面形状は乱れ、健全なビード形状
を有することができない可能性がある。
【0031】また、ガス成分109の噴出量が過多とな
り、溶融ビード108の表面形状は乱れ、溶融ビード1
08の表面に新たな欠陥が発生し、健全なビード形状を
有することができない可能性がある。特に、TIG溶接
の電極を移動させることで欠陥不純物除去用熱エネルギ
ー107を移動させる場合、移動方向の終端部に集中し
てガス成分109の噴出が過多となり、溶融ビード10
8の表面に新たな欠陥が発生する可能性がある。
【0032】そこで上述した工程を第1の工程とし、次
に第2の工程として、図5に示すように、不純物105
の残存やガス成分109の噴出により、健全性が損なわ
れている第1の工程で形成された溶融ビード108の表
面、及び領域102に対して、欠陥封止用熱エネルギー
110を投入し、溶融処理を行い、欠陥封止用溶融ビー
ド111を形成させる。
【0033】この際、第1の工程において投入された欠
陥不純物除去用熱エネルギー107による、溶融ビード
108表面上に存在する不純物105の付着、及びガス
成分109の過多な噴出によって新たな欠陥の発生、等
に影響される溶融ビード108表面上の乱れが、欠陥封止
用熱エネルギー110投入によって溶融除去され、健全
な表面形状を有する欠陥封止用溶融ビード111が溶融
ビード108、及び領域102上に形成される。
【0034】本実施例では、欠陥封止用熱エネルギー1
10の投入は、第1の工程での欠陥不純物除去用熱エネ
ルギー107の投入と同様に、TIG溶接によるアーク
熱である。TIG溶接は、不活性ガスをシールドガスと
して使用し、作業者の手動操作、あるいは自動操作によ
り実施される。
【0035】この際、第1の工程で投入される欠陥不純
物除去用熱エネルギー107よりも、第2の工程で投入
される欠陥封止用熱エネルギー110は小さく、小入熱
であることが望ましい。欠陥封止用熱エネルギー110
はTIG溶接のアーク熱であり、TIG溶接の溶接条件
として調節する。具体的には、欠陥封止用熱エネルギー
110の入熱量は、2.0kJ/cm以下であることが好
ましい。
【0036】欠陥封止用熱エネルギー110は、図5に
示すように、溶融ビード108の表面、及び領域102
に対して、TIG溶接の電極を移動させることで投入さ
れる。その際、図6に示すように、点溶接施工法により
各欠陥封止用溶融ビード111の一部が重なるよう、各欠
陥封止用溶融ビード111を連続もしくは断続的に形成
させて、溶融ビード108の表面、及び領域102を覆
うように欠陥封止用溶融ビード111を形成させてもよ
い。また、欠陥封止用熱エネルギー110がスポット状
に投入されても構わない。欠陥封止用溶融ビード111
の重ねる幅は、欠陥封止用溶融ビード111幅の1/4
〜1/2が適当である。
【0037】また、図14に示すように、第1の工程で
投入された欠陥不純物除去用熱エネルギー107で亀裂
104を有する欠陥103が完全に除去されない場合で
も、第2の工程で投入される欠陥封止用熱エネルギー1
10による欠陥封止用溶融ビード111の形成により、
図15又は図16に示すように、亀裂104を有する欠
陥103が外環境より隔離され、亀裂104を有する欠
陥103の進展を防止できる。
【0038】本実施例では、TIG溶接のアーク熱によ
る欠陥封止用熱エネルギー110は、入熱量が2kJ/
cm以下で、構造物101の表面より1mm以下の深さまで
投入される。
【0039】上述の第1の工程では、投入される欠陥不
純物除去用熱エネルギー107は、エネルギー源をTI
G溶接としたことによるアーク熱としたが、DC電源を
用いたTIG溶接,AC電源を用いたTIG溶接のいず
れかであって構わない。
【0040】上述の第1の工程,第2の工程では、投入
される欠陥不純物除去用熱エネルギー107、及び欠陥
封止用熱エネルギー110は、エネルギー源をTIG溶
接としたことによるアーク熱としたが、レーザ溶接によ
るレーザビーム照射熱、あるいはプラズマ溶接によるプ
ラズマアーク熱であっても構わない。また、第1の工程
と第2の工程で、異なったエネルギー源を組み合わせて
用いても構わない。
【0041】TIG溶接,レーザ溶接,プラズマ溶接の
溶接条件は、所望により決められる。特に、エネルギー
源をレーザ溶接として、投入される熱エネルギーをレー
ザビーム照射熱とした場合、高エネルギー密度の特性の
ため、所望のビーム集光条件を選択することにより、狭
い範囲への深溶け込み溶接が可能である。したがって、
構造物101内部のより深い位置に存在する亀裂104
を有する欠陥103の溶融除去に対しては、有効な手段
である。レーザ溶接では、溶融ビード108の表面、及
び領域102に対して、レーザトーチを移動させること
で投入されても構わない。
【0042】以上のように、2段階の工程を含んだ補修
を施すことによって、亀裂内部に存在する不純物を除去
し、且つ亀裂状の欠陥を除去する補修を行い、亀裂の進
展による貫通損傷を防止でき、且つ、その後も補修部分
に欠陥が発生しにくくなる。 (実施例2)本発明の第2の実施例として、第2の工程
として肉盛溶接を実施し、図3の欠陥103を補修する
方法について説明する。本実施例も実施例1と同様に、
構造物1には、亀裂104を有する欠陥103を含む領
域102が存在している。亀裂104を有する欠陥10
3の長さは、500μm以上である。
【0043】まず、実施例1と同様に、亀裂104を有
する欠陥103の大きさや形状を把握するために、超音
波あるいはX線等による非破壊探傷検査を実施する。こ
れにより亀裂104を有する欠陥103の大きさや形状
を把握した後、図1に示すように、TIG溶接を亀裂1
04を有する欠陥103を含む領域102に実施し、T
IG溶接によるアーク熱を利用した欠陥不純物除去用熱
エネルギー107を、亀裂104を有する欠陥103を
含む領域102に投入する。
【0044】実施例1と同様に、欠陥不純物除去用熱エ
ネルギー107の投入により、欠陥103の内部に存在
する腐食生成物,酸化皮膜,水分等の不純物105の一
部、あるいは全部が熱分解を起こしてガス成分109と
なり、領域102から気化することで消失し、溶融ビー
ド108から噴出,除去される。また同時に、欠陥不純
物除去用熱エネルギー107の投入により、欠陥空隙1
06の一部、あるいは全部が溶融ビード108内に含ま
れ、溶融除去される。
【0045】TIG溶接の条件は、実施例1と同様で、
不活性ガスをシールドガスとして使用し、作業者の手動
操作、あるいは自動操作により実施される。この際、ア
ーク熱による欠陥不純物除去用熱エネルギー107によ
り投入される入熱量は、できるだけ小入熱であることが
望ましいが、従来のように大入熱を投入しても構わな
い。また、実施例1と同様に、TIG溶接の電極を移動
させることで欠陥不純物除去用熱エネルギー107を移
動させても構わない。その際、点溶接施工法により各溶
融ビード108を重なるように、溶接ビード108を連
続もしくは断続的に形成させて、亀裂104を有する欠
陥103を含む領域102を覆うように溶融ビード10
8を形成させてもよい。また、欠陥不純物除去用熱エネ
ルギー107はスポット状に投入されても構わない。
【0046】上述した工程を第1の工程とし、次に第2
の工程として、図7に示すように、不純物105の残存
やガス成分109の噴出により、健全性が損なわれてい
る第1の工程で形成された溶融ビード108の表面、及
び領域102に対して、フィラー状の溶加材112を供
給しつつ、封止肉盛用熱エネルギー113を投入して溶
加材112を溶融させ、溶融ビード108の表面、及び
領域102を溶加材112からなる肉盛溶接金属で覆
い、欠陥封止用肉盛溶接部114を形成させる。溶加材
112の成分は、構造物101がオーステナイト系ステ
ンレス鋼の場合、SUS308L,SUS316L等
で、炭素含有量が0.02 重量%以下であることが望ま
しい。
【0047】この際、第1の工程において投入された欠
陥不純物除去用熱エネルギー107による、溶融ビード
108表面上に存在する不純物105の付着、及びガス
成分109の過多な噴出によって新たな欠陥の発生、等
に影響される溶融ビード108表面上の乱れが、封止肉盛
用熱エネルギー113投入によって溶融除去され、且つ
溶加材112の溶融による肉盛溶接金属により積極的に
封止され、健全な表面形状を有する欠陥封止用肉盛溶接
部114が溶融ビード108、及び領域102上に形成
される。
【0048】封止肉盛用熱エネルギー113の投入は、
実施例1の欠陥封止用熱エネルギー110の投入と同様
にTIG溶接によるアーク熱であり、TIG溶接は、不
活性ガスをシールドガスとして使用し、作業者の手動操
作あるいは自動操作により実施される。この際、第1の
工程で投入される欠陥不純物除去用熱エネルギー107よ
りも、第2の工程で投入される封止肉盛用熱エネルギー
113は小さく、小入熱であることが望ましい。封止肉
盛用熱エネルギー113はTIG溶接のアーク熱であ
り、TIG溶接の溶接条件として調節する。具体的に
は、封止肉盛用熱エネルギー113の入熱量は、2.0
kJ/cm以下であることが好ましい。
【0049】封止肉盛用熱エネルギー113は、図7に
示すように、溶融ビード108の表面、及び領域102
に対して、TIG溶接の電極を移動させることで投入さ
れる。その際、図8に示すように、点溶接施工法により
各欠陥封止用肉盛溶接部114の一部が重なるよう、各欠
陥封止用肉盛溶接部114を連続もしくは断続的に形成
させて、溶融ビード108の表面、及び領域102を覆
うように欠陥封止用肉盛溶接部114を形成させてもよ
い。また、封止肉盛用熱エネルギー113がスポット状
に投入されても構わない。欠陥封止用肉盛溶接部114
の重ねる幅は、欠陥封止用肉盛溶接部114幅の1/4
〜1/2が適当である。
【0050】また、図14に示すように、第1の工程で
投入された欠陥不純物除去用熱エネルギー107で亀裂
104を有する欠陥103が完全に除去されない場合で
も、第2の工程で投入される封止肉盛用熱エネルギー1
13による欠陥封止用肉盛溶接部114の形成により、
図17又は図18に示すように、亀裂104を有する欠
陥103が外環境より隔離され、亀裂104を有する欠
陥103の進展を防止できる。
【0051】上述の第1の工程,第2の工程では、投入
される欠陥不純物除去用熱エネルギー107、及び封止
肉盛用熱エネルギー113は、エネルギー源をTIG溶
接としたことによるアーク熱としたが、レーザ溶接によ
るレーザビーム照射熱、あるいはプラズマ溶接によるプ
ラズマアーク熱であっても構わない。また、第1の工程
と第2の工程で、異なったエネルギー源を組み合わせて
用いても構わない。
【0052】TIG溶接,レーザ溶接,プラズマ溶接の
溶接条件は、所望により決められる。特に、エネルギー
源をレーザ溶接として、投入される熱エネルギーをレー
ザビーム照射熱とした場合、高エネルギー密度の特性の
ため、所望のビーム集光条件を選択することにより、狭
い範囲への深溶け込み溶接が可能である。したがって、
構造物101内部のより深い位置に存在する亀裂104
を有する欠陥103の溶融除去に対しては、有効な手段
である。レーザ溶接では、溶融ビード108の表面、及
び領域102に対して、レーザトーチを移動させること
で投入されても構わない。
【0053】また、本実施例では、第2の工程で肉盛溶
接を実施したが、第2の工程は実施例1と同様にし、そ
の後に第3の工程として、上述した肉盛溶接を実施して
も構わない。また、本実施例による上述した第2の工程
の肉盛溶接後に、第3の工程として、実施例1の第2の
工程を実施しても構わない。またこれらを適宜組み合わ
せても構わない。
【0054】以上のような工程により、欠陥103内の
亀裂104内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分
等の不純物105、あるいは欠陥空隙106を、溶融ビ
ード108内部、及び表面上、そして領域102から完
全に除去することが好ましい。
【0055】以上のように、2段階の工程を含んだ補修
を施すことによって、亀裂内部に存在する不純物を除去
し、且つ亀裂状の欠陥を除去する補修を行い、亀裂の進
展による貫通損傷を防止でき、且つ、その後も補修部分
に欠陥が発生しにくくなる。 (実施例3)本発明の第3の実施例として、熱エネルギ
ーの投入範囲を還元性を有する雰囲気で被覆しながら、
図3の欠陥103を補修する方法について説明する。本
実施例も実施例1と同様に、構造物1には、亀裂104
を有する欠陥103を含む領域102が存在している。
亀裂104を有する欠陥103の長さは、500μm以
上である。
【0056】まず、実施例1と同様に、亀裂104を有
する欠陥103の大きさや形状を把握するために、超音
波あるいはX線等による非破壊探傷検査を実施する。こ
れにより亀裂104を有する欠陥103の大きさや形状
を把握した後、図9に示すように、還元性雰囲気115
で被覆しながら、TIG溶接を亀裂104を有する欠陥
103を含む領域102に実施し、TIG溶接によるア
ーク熱を利用した欠陥不純物除去用熱エネルギー107
を、亀裂104を有する欠陥103を含む領域102に
投入する。
【0057】欠陥不純物除去用熱エネルギー107の投
入により、欠陥103の内部に存在する腐食生成物,酸
化皮膜,水分等の不純物105の一部、あるいは全部が
熱分解を起こしてガス成分109となり、領域102か
ら気化することで消失し、溶融ビード108から噴出,
除去される。また同時に、欠陥不純物除去用熱エネルギ
ー107の投入により、欠陥空隙106の一部、あるい
は全部が溶融ビード108内に含まれ、溶融除去され
る。
【0058】さらに還元性雰囲気115で覆いながら欠
陥不純物除去用熱エネルギー107を投入することによ
り、欠陥103の内部に存在する不純物105の、特に
酸化皮膜等の酸化物が、欠陥不純物除去用熱エネルギー
107による加熱、及び還元性雰囲気115により還元
反応を起こし、ガス成分109への分解,消失が助長さ
れ、溶融ビード108からの噴出,除去が促進される。
【0059】また実施例1と同様に、TIG溶接の電極
を移動させることで欠陥不純物除去用熱エネルギー10
7を移動させても構わない。その際、点溶接施工法によ
り各溶融ビード108を重なるように、溶接ビード10
8を連続もしくは断続的に形成させて、亀裂104を有
する欠陥103を含む領域102を覆うように溶融ビー
ド108を形成させてもよい。また、欠陥不純物除去用
熱エネルギー107はスポット状に投入されても構わな
い。
【0060】TIG溶接の条件は、実施例1と同様で、
作業者の手動操作、あるいは自動操作により実施され
る。
【0061】また、実施例1では、不活性ガスをシール
ドガスとして使用しているが、本実施例では、不活性ガ
スの代わりに、還元性ガスをシールドガスとして用いて
も構わない。あるいは、不活性ガス中に還元性ガスを混
入させて構成されるガスをシールドガスとして用いても
構わない。この際、還元性ガスとしては、水素、あるい
は一酸化炭素のいずれか、及びこれらを組み合わせたガ
スで構成されていることが望ましい。このような構成の
ガスをシールドガスとして用いることで、還元性雰囲気
115が成立し、好適である。また、実施例1と同様
に、アーク熱による欠陥不純物除去用熱エネルギー10
7により投入される入熱量は、できるだけ小入熱である
ことが望ましいが、従来のように大入熱を投入しても構
わない。
【0062】上述した工程を第1の工程とし、次に第2
の工程としては、実施例1に記載の第2の工程と同様、
あるいは実施例2に記載の第2の工程である肉盛溶接を
実施しても構わない。あるいはこれらを組み合わせても
構わない。また、TIG溶接によるアーク熱、あるいは
レーザ溶接によるレーザビーム照射熱、あるいはプラズ
マ溶接によるプラズマアーク熱であっても構わない。ま
た、第1の工程と第2の工程で、異なったエネルギー源
を組み合わせて用いても構わない。TIG溶接,レーザ
溶接,プラズマ溶接の溶接条件は、所望により決められ
る。
【0063】特に、エネルギー源をレーザ溶接として、
投入される熱エネルギーをレーザビーム照射熱とした場
合、高エネルギー密度の特性のため、所望のビーム集光
条件を選択することにより、狭い範囲への深溶け込み溶
接が可能である。したがって、構造物101内部のより
深い位置に存在する亀裂104を有する欠陥103の溶
融除去に対しては、有効な手段である。レーザ溶接で
は、溶融ビード108の表面、及び領域102に対し
て、レーザトーチを移動させることで投入されても構わ
ない。
【0064】以上のような工程により、欠陥103内の
亀裂104内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分
等の不純物105、あるいは欠陥空隙106を、溶融ビ
ード108内部、及び表面上、そして領域102から完
全に除去することが好ましい。
【0065】また、図14に示すように、第1の工程で
投入された熱エネルギーで亀裂104を有する欠陥103
が完全に除去されない場合でも、図15,図16,図1
7,図18に示すように、第2の工程で投入される熱エ
ネルギーによって形成される欠陥封止用溶融ビード11
1、あるいは欠陥封止用肉盛溶接部114により、亀裂
104を有する欠陥103が外環境より隔離され、亀裂
104を有する欠陥103の進展を防止できる。
【0066】以上のように、2段階の工程を含んだ補修
を施すことによって、亀裂内部に存在する不純物を除去
し、且つ亀裂状の欠陥を除去する補修を行い、亀裂の進
展による貫通損傷を防止でき、且つ、その後も補修部分
に欠陥が発生しにくくなる。 (実施例4)本発明の第4の実施例として、投入される
熱エネルギーが欠陥内部に深く到達することを助長する
能力を有するフラックスであらかじめ被覆しながら、図
3の欠陥103を補修する方法について説明する。本実
施例も実施例1と同様に、構造物1には、亀裂104を
有する欠陥103を含む領域102が存在している。亀
裂104を有する欠陥103の長さは、500μm以上
である。
【0067】まず、実施例1と同様に、亀裂104を有
する欠陥103の大きさや形状を把握するために、超音
波あるいはX線等による非破壊探傷検査を実施する。こ
れにより亀裂104を有する欠陥103の大きさや形状
を把握した後、図10に示すように、熱エネルギーの深
溶け込み性を助長する作用を有するフラックス116
で、亀裂104を有する欠陥103を含む領域102を
被覆する。その後、図11に示すように、TIG溶接を
亀裂104を有する欠陥103を含む領域102に実施
し、TIG溶接によるアーク熱を利用した欠陥不純物除
去用熱エネルギー107を、亀裂104を有する欠陥1
03を含む領域102に投入する。
【0068】欠陥不純物除去用熱エネルギー107の投
入により、欠陥103の内部に存在する腐食生成物,酸
化皮膜,水分等の不純物105の一部、あるいは全部が
熱分解を起こしてガス成分109となり、領域102か
ら気化することで消失し、溶融ビード117から噴出,
除去される。また同時に、欠陥不純物除去用熱エネルギ
ー107の投入により、欠陥空隙106の一部、あるい
は全部が溶融ビード117内に含まれ、溶融除去され
る。
【0069】さらにフラックス116で覆いながら欠陥
不純物除去用熱エネルギー107を投入することによ
り、欠陥不純物除去用熱エネルギー107が亀裂104
を有する欠陥103を含む領域102により深く投入さ
れ、溶融ビード117が、実施例1のフラックス116
を使用しない場合の溶融ビード108よりも、より深
く、大きく形成されるので、不純物105の除去、及び
欠陥空隙106の溶融除去が促進される。
【0070】また、実施例1で形成される溶融ビード1
08の深さと同程度の溶融ビード117で必要十分であ
る場合は、TIG溶接の欠陥不純物除去用熱エネルギー
107であるアーク熱の欠陥103への入熱量を小さく
することができ、亀裂104を有する欠陥103を含む
領域102への熱影響を少なくすることができる。
【0071】また実施例1と同様に、TIG溶接の電極
を移動させることで欠陥不純物除去用熱エネルギー10
7を移動させても構わない。その際、点溶接施工法によ
り各溶融ビード117を重なるように、溶接ビード11
7を連続もしくは断続的に形成させて、亀裂104を有
する欠陥103を含む領域102を覆うように溶融ビー
ド117を形成させてもよい。また、欠陥不純物除去用
熱エネルギー107はスポット状に投入されても構わな
い。
【0072】TIG溶接の条件は、実施例1と同様で、
作業者の手動操作、あるいは自動操作により実施され
る。
【0073】また、実施例1と同様に、本実施例では、
不活性ガスをシールドガスとして使用するが、実施例3
と同様に、不活性ガスの代わりに、還元性ガスをシール
ドガスとして用いても構わない。あるいは、不活性ガス
中に還元性ガスを混入させて構成されるガスをシールド
ガスとして用いても構わない。この際、還元性ガスとし
ては、水素、あるいは一酸化炭素のいずれか、及びこれ
らを組み合わせたガスで構成されていることが望まし
い。また、実施例1と同様に、アーク熱による欠陥不純
物除去用熱エネルギー107により投入される入熱量
は、できるだけ小入熱であることが望ましいが、従来の
ように大入熱を投入しても構わない。
【0074】上述した工程を第1の工程とし、次に第2
の工程としては、実施例1に記載の第2の工程と同様、
あるいは実施例2に記載の第2の工程である肉盛溶接を
実施しても構わない。あるいはこれらを組み合わせても
構わない。また、TIG溶接によるアーク熱、あるいは
レーザ溶接によるレーザビーム照射熱、あるいはプラズ
マ溶接によるプラズマアーク熱であっても構わない。ま
た、第1の工程と第2の工程で、異なったエネルギー源
を組み合わせて用いても構わない。TIG溶接,レーザ
溶接,プラズマ溶接の溶接条件は、所望により決められ
る。
【0075】特に、エネルギー源をレーザ溶接として、
投入される熱エネルギーをレーザビーム照射熱とした場
合、高エネルギー密度の特性のため、所望のビーム集光
条件を選択することにより、狭い範囲への深溶け込み溶
接が可能である。したがって、構造物101内部のより
深い位置に存在する亀裂104を有する欠陥103の溶
融除去に対しては、有効な手段である。レーザ溶接で
は、溶融ビード108の表面、及び領域102に対し
て、レーザトーチを移動させることで投入されても構わ
ない。
【0076】以上のような工程により、欠陥103内の
亀裂104内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分
等の不純物105、あるいは欠陥空隙106を、溶融ビ
ード117内部、及び表面上、そして領域102から完
全に除去することが好ましい。
【0077】また、図14に示すように、第1の工程で
投入された熱エネルギーで亀裂104を有する欠陥10
3が完全に除去されない場合でも、図15,図16,図
17,図18に示すように、第2の工程で投入される熱
エネルギーによって形成される欠陥封止用溶融ビード1
11、あるいは欠陥封止用肉盛溶接部114により、亀
裂104を有する欠陥103が外環境より隔離され、亀
裂104を有する欠陥103の進展を防止できる。
【0078】以上のように、2段階の工程を含んだ補修
を施すことによって、亀裂内部に存在する不純物を除去
し、且つ亀裂状の欠陥を除去する補修を行い、亀裂の進
展による貫通損傷を防止でき、且つ、その後も補修部分
に欠陥が発生しにくくなる。 (実施例5)本発明の第5の実施例として、脱スケール
剤であらかじめ被覆して、図3の欠陥103を補修する
方法について説明する。本実施例も実施例1と同様に、
構造物1には、亀裂104を有する欠陥103を含む領
域102が存在している。亀裂104を有する欠陥10
3の長さは、500μm以上である。
【0079】まず、実施例1と同様に、亀裂104を有
する欠陥103の大きさや形状を把握するために、超音
波あるいはX線等による非破壊探傷検査を実施する。こ
れにより亀裂104を有する欠陥103の大きさや形状
を把握した後、図19に示すように、脱スケール剤11
8を亀裂104を有する欠陥103を含む領域102を
被覆し、領域102を加熱雰囲気119とする。
【0080】本実施例では、脱スケール剤118として
10%蓚酸溶液を用い、脱スケール剤118を被覆した
領域102を、加熱温度30℃の加熱雰囲気119で覆
った。脱スケール剤118が亀裂104を有する欠陥1
03の内部に浸透し、欠陥103の内部に存在、あるい
は付着している腐食生成物,酸化皮膜等の不純物105
の一部、あるいは全部が、脱スケール剤118により化
学分解される。その後、亀裂104を有する欠陥103
内部を洗浄し、乾燥することで、不純物105が除去さ
れる。
【0081】本実施例では、脱スケール剤118を10
%蓚酸溶液としたが、クエン酸,塩酸,硝酸,硫酸,ア
ルカリ過マンガン酸塩,EDTA,カルボン酸塩のいず
れか、及びこれらを組み合わせた溶液、あるいは固形状
であっても構わない。
【0082】上述した工程を第1の工程とし、次に第2
の工程としては、図20,図21に示すように、封止肉
盛用熱エネルギー113を投入して、実施例2に記載と
同様の第2の工程である肉盛溶接を実施する。あるい
は、図22,図23に示すように、実施例1記載の第2
の工程と同様に、欠陥封止用熱エネルギー110を投入
しても構わない。あるいはこれらを組み合わせても構わ
ない。また、TIG溶接によるアーク熱、あるいはレー
ザ溶接によるレーザビーム照射熱、あるいはプラズマ溶
接によるプラズマアーク熱であっても構わない。TIG
溶接,レーザ溶接,プラズマ溶接の溶接条件は、所望に
より決められる。
【0083】以上のような工程により、欠陥103内の
亀裂104内部に存在する腐食生成物,酸化皮膜,水分
等の不純物105を、そして領域102から完全に除去
することが好ましい。以上のように、亀裂104を有す
る欠陥103が外環境より隔離され、亀裂104を有す
る欠陥103の進展を防止できる。以上のように、2段
階の工程を含んだ補修を施すことによって、亀裂内部に
存在する不純物を除去し、且つ亀裂状の欠陥を除去する
補修を行い、亀裂の進展による貫通損傷を防止でき、且
つ、その後も補修部分に欠陥が発生しにくくなる。
【0084】(実施例6)本発明の第6の実施例とし
て、水中環境下の構造物において、水と接している構造
物表面に開口部を有する亀裂状の欠陥を補修する補修方
法について説明する。図12及び図13は、本発明の一
実施に係る水中亀裂補修装置である。図12に示す実施
の形態に係る水中亀裂補修装置201は、水中環境下に
ある構造物202の亀裂203を溶接する水中TIG溶
接加工装置である。
【0085】TIG溶接電源208は水中環境外に設置
され、溶接アーク211を発生させる溶接トーチ204
の部分だけが水中に設置される。ここで、溶接トーチ2
04及び溶接部210は水と接触しないように隔壁20
5で覆われ、隔壁205内部にシールドガス212を高
速,高圧で導入することにより、局部的に水が排除され
た水排除空間213(溶接部210はガスシールドされ
た空間)が形成されている。隔壁205は、構造物20
2の亀裂203に対向した部分が開口しており、亀裂2
03の幅方向を全て覆うような形状に設定されて構造物
202の平坦部を覆っており、隔壁205が構造物20
2と接触する裾部には固体壁206が設けられている。
本実施例では、固体壁206は約5mmの厚さのカーボン
繊維で織られたフェルト状の布から構成され、シールド
ガス212はアルゴンガスとしている。
【0086】また亀裂203が長尺で、隔壁205で亀
裂203全てを覆えない場合には、図13に示す水中亀
裂補修装置214ように、隔壁205の外周に水ノズル
207を設け、亀裂203に向かって水を高速,高圧で噴
出することにより水カーテンによる水壁209を形成
し、亀裂203内部の水排除を行う。このようにして、
溶接アーク211、及び溶接アークが亀裂203上に投
入される溶接部210の周囲から局部的に水を排除し、
安定した水排除空間213を形成し、亀裂状の欠陥を補
修する。
【0087】亀裂203の補修方法は、TIG溶接によ
る溶接アーク211の熱エネルギーを利用して、実施例
1記載と同様に第1の工程、及び第2の工程と実施され
る。あるいは、実施例2記載と同様に、第1の工程、及
び第2の工程である肉盛溶接が実施されても構わない。
あるいは、実施例3記載と同様に、水排除空間213内
部を還元性雰囲気として、第1の工程、及び第2の工程
が実施されても構わない。この場合、シールドガス21
2を還元性ガスとしても構わない。
【0088】あるいは、不活性ガス中に還元性ガスを混
入させて構成されるガスをシールドガス212として用
いても構わない。この際、還元性ガスとしては、水素、
あるいは一酸化炭素のいずれか、及びこれらを組み合わ
せたガスで構成されていることが望ましい。このような
構成のガスをシールドガス212として用いることで、
水排除空間213が還元性雰囲気となり、好適である。
あるいは、実施例4記載と同様に、投入される溶接アー
ク211が亀裂203内部に深く到達することを助長す
る能力を有するフラックスで、あらかじめ亀裂203被
覆しながら溶接アーク211を投入して第1の工程、及
び第2の工程が実施されても構わない。あるいは、実施
例5記載と同様に、亀裂203内部の不純物を除去する
脱スケール剤で、あらかじめ亀裂203被覆した後に、
溶接アーク211を投入して第2の工程が実施されても
構わない。
【0089】また、本実施例では、TIG溶接による溶
接アークを用いた熱エネルギーの投入を実施したが、レ
ーザ溶接によるレーザビーム照射熱を用いた熱エネルギ
ー、あるいはプラズマ溶接によるプラズマ溶接アークを
用いた熱エネルギーであっても構わない。特に、エネル
ギー源をレーザ溶接として、投入される熱エネルギーを
レーザビーム照射熱とした場合、高エネルギー密度の特
性のため、所望のビーム集光条件を選択することによ
り、狭い範囲への深溶け込み溶接が可能である。したが
って、構造物101内部のより深い位置に存在する亀裂
104を有する欠陥103の溶融除去に対しては、有効
な手段である。レーザ溶接では、溶融ビード108の表
面、及び領域102に対して、レーザトーチを移動させ
ることで投入されても構わない。
【0090】(実施例7)図24は、沸騰水型原子力プ
ラントの原子炉301の斜視図である。原子力プラント
における原子炉301は多量の放射線が発せられてい
る。特に原子炉内構造物である、燃料棒302の格納さ
れている圧力容器303内のシュラウド304や、上部格
子板305,蒸気乾燥器306等の構造物の補修作業で
は、作業者の安全を考慮して、遠隔自動制御による作業
を行うことが望ましい。これは気中環境下、あるいは炉
水中環境下、あるいは炉水が排除された気中環境下で実
施される。
【0091】本実施例における補修部分としては、上述
した部分の他に、気水分離器307,炉心支持板30
8,上部格子板305,シュラウドサポート309,ジ
ェットポンプ310,中性子束計測(ICM)ハウジン
グ311,制御棒駆動機構(CRD)ハウジング31
2、等がある。
【0092】原子力プラントにおける補修作業には、水
中環境下内の構造物の点検,検査,加工,補修,表面改
質等の作業が考えられる。このような作業は、以下のよ
うな工程にて実施される。つまり、原子炉301の定期
点検時に、まず最初に、亀裂欠陥等の補修を要する部分
の検出を行う。これには、超音波探傷診断法,光切断
法,直接観察法、等が用いられる。
【0093】欠陥の発生が確認された場合、補修作業を
行う。これは実施例1から5記載の方法により実施され
る。また、炉水環境中で補修作業を行う場合には、実施
例6記載の水中亀裂補修装置201,214を用い、局
部的に炉水を排除した空間を形成させる。欠陥が予想さ
れる様な所では表面に熱処理を施す方法や、ピーニング
処理等の表面改質処理を施す。
【0094】補修溶接終了後には、その品質を監視しな
ければならない。これは溶接部を直接観察する方法や超
音波探傷で診断する方法等が用いられる。なお、本実施
例では、沸騰水型原子炉に適用したが、加圧水型原子炉
等の他の軽水炉に適用できるのはもちろんである。
【0095】(実施例8)図25には、原子炉内補修装
置402が設置された原子炉401が断面で示されてい
る。本発明による原子炉内補修装置402は、運転プラ
ントの原子炉圧力容器403内の点検,補修が可能な装
置として、シュラウド404、及び上部格子板405の
点検,検査,補修等の炉内予防保全作業に加え、サンプ
ル採取,シュラウド404の切断を適用範囲とし、さら
に各機構の構造および装置の挿入,据付方法を改善し、
装置の信頼性,取扱い性,操作性,作業性を向上させ、
炉内予防保全技術を実現するための原子炉内補修装置で
ある。
【0096】原子炉圧力容器403は上蓋が取り外さ
れ、原子炉圧力容器403内部は炉心,気水分離器,蒸
気乾燥器,制御棒案内管等の炉内構造物が取り外され、
シュラウド404,上部格子板405,炉心支持板6が
設置された状態である。原子炉圧力容器403上部の作
業フロア406には、図示はしていないが、天井クレー
ン,燃料交換装置,作業台車407が設置され、作業台
車407には手動チェーンブロック408が取り付けら
れている。天井クレーンあるいは燃料交換装置ホイスト
あるいは作業台車407に設置された手動チェーンブロ
ック408により、支柱胴体部409を原子炉圧力容器
403内に設置されたシュラウド404内に吊り込み、
上部格子板405と炉心支持板410の間に設置させ
る。
【0097】支柱胴体部409には平行リンクアーム4
11が収納され、平行リンクアーム411の一端は支柱
胴体部409側に固定され、他端は作業用アーム412
が固定され、作業用アーム412上部に旋回テーブル4
13が設けられている。作業ユニット414は旋回テー
ブル413上に取り付けられ、シュラウド404および
上部格子板405の検査,点検,補修作業,サンプル採
取,胴体部切断等を行うもので、作業内容に応じて水中
作業、及び水中での交換が可能である。支柱胴体部40
9および作業ユニット414からの信号ケーブル415
等各種ケーブルは、作業フロア406上に設置された制
御盤416に接続される。支柱胴体部409にはエクス
テンションアダプタが取り付けられ、作業位置に応じて
上部および下部エクステンションアダプタを使い分け
る。
【0098】図26に下部エクステンションアダプタ4
17を使用した装置設置状況の一例を示す。支柱胴体部
409には下部エクステンションアダプタ417が取り
付けられ、下部エクステンションアダプタ417の下部
を炉心支持板開口部418に挿入し、支柱胴体部409
上部の支持機構部419を上部格子板405上に設置す
ることで装置据付を行う。支柱胴体部409は円筒形状
をなし、胴体部に矩形開口部420を有し、支柱胴体部
409内部に平行リンクアーム411,作業用アーム4
12,旋回テーブル413を収納できる構造となってい
る。
【0099】本装置挿入時は、作業用アーム412上に
有する旋回テーブル413を下限に位置させた状態で平
行リンクアーム411を折りたたみ、支柱胴体部409
内に平行リンクアーム411,作業用アーム412,旋
回テーブル413を収納した状態で原子炉圧力容器40
3内に吊り込まれる。支柱胴体部409のシュラウド4
04内挿入における上部格子板開口部421通過の際、
支柱胴体部409は円筒形状であるため、支柱胴体部4
09の円周方向の向きは拘束されず、任意の向きにおい
てシュラウド404内挿入が可能である。
【0100】支持機構部419は、装置本体に設けられ
ており小型であるため、シュラウド404内周面付近の
上部格子板開口部421にも支柱胴体部409の設置が
可能となり、上部格子板405の全格子に対して支持固
定が可能である。支柱胴体部409を設置する格子が任
意であることと、支柱胴体部409が旋回機能を有して
いることにより、シュラウド404及び上部格子板40
5の全域を作業範囲とすることが可能である。
【0101】作業フロア406上に設置された制御板4
16は、支柱胴体部409および旋回テーブル413の
旋回速度を制御する機能を有し、支柱胴体部409およ
び旋回テーブル413の旋回速度を任意に設定可能とす
ることで、種々の作業における作業スピードに対応させ
て作業ツールを移動させることができる。旋回テーブル
413に取り付ける作業ユニット414の一例として、
(1)表面検査ユニット:目視検査、(2)内部検査ユ
ニット:超音波探傷、(3)補修ユニット:溶接,研
磨,研削,放電加工、(4)サンプル採取ユニット:放
電加工、(5)シュラウド切断ユニット:プラズマ切
断、があげられる。
【0102】
【発明の効果】本発明によれば、欠陥内部に存在する不
純物を除去後に欠陥を封止する補修を行うことにより、
原子炉圧力容器内部の構造物表面に開口した欠陥を確実
に封止でき、この欠陥を構造物の外部環境から確実に隔
離できる。これに伴い亀裂進展による事故を防止し、且
つ補修後の経年変化による応力腐食割れ等の亀裂発生を
抑制でき、構造物の健全性維持を長期化させることが可
能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図2】本発明に係る構造物の補修前の欠陥の状態を示
す一部拡大断面図。
【図3】本発明に係る構造物の補修前の欠陥の状態を示
す断面図。
【図4】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図5】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図6】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図7】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図8】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図9】本発明の一実施例で補修された構造物の概略縦
断面図。
【図10】本発明に係る構造物の補修前の欠陥にフラッ
クスを被覆した状態を示す概略縦断面図。
【図11】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図12】本発明の一実施例である水中亀裂補修装置の
概略構成図。
【図13】本発明の一実施例である水中亀裂補修装置の
概略構成図。
【図14】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図15】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図16】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図17】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図18】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図19】本発明に係る構造物の補修前の欠陥に脱スケ
ール剤を被覆した状態を示す概略縦断面図。
【図20】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図21】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図22】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図23】本発明の一実施例で補修された構造物の概略
縦断面図。
【図24】本発明を適用する原子炉内構造物の斜視図。
【図25】本発明を原子炉内構造物に適用した状態の一
例を示す概略縦断面図。
【図26】図25の原子炉内補修装置の設置状態の一例
を示す一部切欠き斜視図。
【符号の説明】
101…構造物、102…領域、103…欠陥、104
…亀裂、105…不純物、106…欠陥空隙、107…
欠陥不純物除去用熱エネルギー、108…溶融ビード、
109…ガス成分、110…欠陥封止用熱エネルギー、
111…欠陥封止用溶融ビード、112…溶加材、11
3…封止肉盛用熱エネルギー、114…欠陥封止用肉盛
溶接部、115…還元性雰囲気、116…フラックス、
117…溶融ビード、118…脱スケール剤、119…
加熱雰囲気、201…水中亀裂補修装置、202…構造
物、203…亀裂、204…溶接トーチ、205…隔
壁、206…固体壁、207…水ノズル、208…TI
G溶接電源、209…水壁、210…溶接部、211…
溶接アーク、212…シールドガス、213…水排除空
間、214…水中亀裂補修装置、303…圧力容器、3
04…シュラウド、310…ジェットポンプ、311…
中性子束計測(ICM)ハウジング、312…制御棒駆
動機構(CRD)ハウジング、402…原子炉内補修装
置、403…原子炉圧力容器、404…シュラウド、4
09…支柱胴体部、411…平行リンクアーム、412
…作業用アーム、413…旋回テーブル、414…作業
ユニット、416…制御盤、417…下部エクステンシ
ョンアダプタ、419…支持機構部、420…矩形開口
部。
フロントページの続き (72)発明者 小沼 昭 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 菊池 英二 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 国谷 治郎 茨城県日立市大みか町七丁目1番1号 株 式会社日立製作所日立研究所内 (72)発明者 辻村 浩 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 石和 淳 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 多田 伸雄 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 布施 元正 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 長澤 克己 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】亀裂状の欠陥が存在する構造物の欠陥補修
    方法において、前記欠陥の内部に存在する不純物の一部
    あるいは全部を除去する第1の工程と、前記欠陥が存在
    する領域の表面部に熱エネルギーを投入して前記欠陥を
    封止する第2の工程とを有することを特徴とする欠陥補
    修方法。
  2. 【請求項2】構造物表面に開口部を有する亀裂状の欠陥
    を補修する欠陥補修方法において、前記構造物の前記欠
    陥が存在している領域に熱エネルギーを投入して前記領
    域を溶融させ、前記欠陥の内部に存在する不純物の一部
    あるいは全部を溶融除去する第1の工程と、前記領域の
    表面部に熱エネルギーを投入して前記領域の表面部を溶
    融させる第2の工程とを有することを特徴とする欠陥補
    修方法。
  3. 【請求項3】構造物表面に開口部を有する亀裂状の欠陥
    を補修する欠陥補修方法において、前記構造物の前記欠
    陥が存在している領域に熱エネルギーを投入して前記領
    域を溶融させ、前記欠陥の内部に存在する不純物の一部
    あるいは全部を溶融除去する第1の工程と、前記領域の
    表面部に肉盛溶接を施す第2の工程とを有することを特
    徴とする欠陥補修方法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3の何れかにおいて、前記構
    造物の前記欠陥が存在している領域に投入される熱エネ
    ルギーは、TIG溶接を利用して得られるアーク熱,レ
    ーザ溶接を利用して得られるレーザビーム照射熱、及び
    プラズマ溶接を利用して得られるプラズマアーク熱の少
    なくとも何れかであることを特徴とする欠陥補修方法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至3の何れかにおいて、前記構
    造物の前記欠陥が存在している領域を還元性を有する雰
    囲気で覆いながら、前記領域に熱エネルギーを投入する
    ことを特徴とする欠陥補修方法。
  6. 【請求項6】請求項5において、前記還元性を有する雰
    囲気は、不活性ガス中に水素及び一酸化炭素の少なくと
    も何れかのガスが混入された雰囲気であることを特徴と
    する欠陥補修方法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至3の何れかにおいて、前記構
    造物の前記欠陥が存在している領域を、投入される熱エ
    ネルギーが前記欠陥の内部に深く到達することを助長す
    る能力を有するフラックスで予め被覆することを特徴と
    する欠陥補修方法。
  8. 【請求項8】構造物表面に開口部を有する亀裂状の欠陥
    を補修する欠陥補修方法において、前記構造物の前記欠
    陥が存在している領域を脱スケール剤で被覆し、その後
    前記領域を洗浄して前記欠陥の内部に存在する不純物の
    一部あるいは全部を化学除去する第1の工程と、前記領
    域の表面部に熱エネルギーを投入して前記領域の表面部
    を溶融させる第2の工程とを有することを特徴とする欠
    陥補修方法。
  9. 【請求項9】請求項8において、前記脱スケール剤は、
    蓚酸,クエン酸,塩酸,硝酸,硫酸,アルカリ過マンガ
    ン酸塩,エチレンジアミン4酢酸、及びカルボン酸塩の
    少なくとも何れかであることを特徴とする欠陥補修方
    法。
  10. 【請求項10】水中環境下の構造物表面に開口部を有す
    る亀裂状の欠陥を補修する欠陥補修方法であって、前記
    構造物の前記欠陥が存在している領域をシールド手段を
    用いて局部的に覆うことにより、前記領域に水が侵入し
    ないようにして前記領域に熱エネルギーを投入して前記
    領域を溶融させ、前記欠陥の内部に存在する不純物の一
    部あるいは全部を溶融除去する第1の工程と、前記領域
    の表面部に熱エネルギーを投入して前記領域の表面部を
    溶融させる第2の工程とを有することを特徴とする欠陥
    補修方法。
  11. 【請求項11】水中環境下の構造物表面に開口部を有す
    る亀裂状の欠陥を補修する欠陥補修方法であって、前記
    構造物の前記欠陥が存在している領域をシールド手段を
    用いて局部的に覆うことにより、前記領域に水が侵入し
    ないようにして前記領域に熱エネルギーを投入して前記
    領域を溶融させ、前記欠陥の内部に存在する不純物の一
    部あるいは全部を溶融除去する第1の工程と、前記領域
    の表面部に肉盛溶接を施す第2の工程とを有することを
    特徴とする欠陥補修方法。
JP2000058024A 2000-02-29 2000-02-29 欠陥補修方法 Pending JP2001242280A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058024A JP2001242280A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 欠陥補修方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000058024A JP2001242280A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 欠陥補修方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001242280A true JP2001242280A (ja) 2001-09-07

Family

ID=18578680

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000058024A Pending JP2001242280A (ja) 2000-02-29 2000-02-29 欠陥補修方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2001242280A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003320472A (ja) * 2002-05-08 2003-11-11 Toshiba Corp 表面欠陥の封止方法
JP2005098998A (ja) * 2003-08-15 2005-04-14 General Electric Co <Ge> シールプレートを用いて原子炉容器クラッディングを補修するための装置及び方法
JP2007206026A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Babcock Hitachi Kk 原子力圧力容器内構造物の補修方法
JP2009014741A (ja) * 2008-10-06 2009-01-22 Toshiba Corp 炉内検査補修装置
WO2010038876A1 (ja) * 2008-10-03 2010-04-08 株式会社東芝 原子炉炉底部の補修方法
US10363631B2 (en) * 2015-05-26 2019-07-30 Framatome Inc. Neutron irradiated material repair

Cited By (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4664569B2 (ja) * 2002-05-08 2011-04-06 株式会社東芝 表面欠陥の封止方法及び封止装置
JP2003320472A (ja) * 2002-05-08 2003-11-11 Toshiba Corp 表面欠陥の封止方法
JP2005098998A (ja) * 2003-08-15 2005-04-14 General Electric Co <Ge> シールプレートを用いて原子炉容器クラッディングを補修するための装置及び方法
JP2007206026A (ja) * 2006-02-06 2007-08-16 Babcock Hitachi Kk 原子力圧力容器内構造物の補修方法
KR101296210B1 (ko) * 2008-10-03 2013-08-13 가부시끼가이샤 도시바 원자로 노 저부의 보수 방법
WO2010038876A1 (ja) * 2008-10-03 2010-04-08 株式会社東芝 原子炉炉底部の補修方法
EP2343711A1 (en) * 2008-10-03 2011-07-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Method of repairing bottom section of nuclear reactor
EP2343711A4 (en) * 2008-10-03 2013-07-03 Toshiba Kk METHOD FOR REPAIRING THE LOWER SECTION OF A CORE REACTOR
JP5570995B2 (ja) * 2008-10-03 2014-08-13 株式会社東芝 原子炉炉底部の補修方法
US9136026B2 (en) 2008-10-03 2015-09-15 Kabushiki Kaisha Toshiba Reactor bottom repairing method
JP4599443B2 (ja) * 2008-10-06 2010-12-15 株式会社東芝 炉内検査装置
JP2009014741A (ja) * 2008-10-06 2009-01-22 Toshiba Corp 炉内検査補修装置
US10363631B2 (en) * 2015-05-26 2019-07-30 Framatome Inc. Neutron irradiated material repair

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4840443B2 (ja) 溶接継手部の保全装置及び保全方法
JP3119090B2 (ja) 水中レーザ加工装置及びその装置を用いた水中施工方法
EP0724929B1 (en) Underwater laser processing method and system
US8518331B2 (en) Apparatus for decontaminating radioisotope-contaminated surface vicinity region by use of nonthermal laser peeling
JP2001242280A (ja) 欠陥補修方法
JP3079902B2 (ja) 原子炉炉内構造物の溶接補修方法
US10363631B2 (en) Neutron irradiated material repair
JP4494737B2 (ja) 原子炉圧力容器の細長中空部材の密封修理方法、原子炉圧力容器および制御棒駆動装置ハウジング
JP4304913B2 (ja) 亀裂状欠陥の補修方法
JP5450148B2 (ja) 構造部材のき裂進展抑制方法
JP3144243B2 (ja) ヘリウムを含む金属材料の熱加工方法及びその設備
JP2530010B2 (ja) 長尺ハウジングの補修方法
JP4316130B2 (ja) 炉心スプレイ系配管取替工法
JP3225890B2 (ja) 原子炉炉内構造物の補修方法
JPH06234070A (ja) 中性子照射を受けた材料の溶接補修方法
Yoda et al. Laser-based maintenance and repair technologies for reactor components
JP2005152956A (ja) 亀裂補修方法
CN113843492B (zh) 一种燃料元件棒塞体焊接方法
JP2000230996A (ja) 原子炉構造物の補修方法
JPH0857637A (ja) 中性子照射を受けた部材の補修方法
Bowles et al. Specifications for cleaning, fusion welding, and postheating tantalum and columbium alloys
JP2003236666A (ja) 溶接方法および溶接装置
Lund Feasibility of underwater welding of highly irradiated in-vessel components of boiling-water reactors: A literature review
CN114559161A (zh) 一种用于焊接纯钛与钛合金的激光与tig复合焊接方法
JP4488591B2 (ja) 炉心スプレイスパージャの保全方法