JP4304913B2 - 亀裂状欠陥の補修方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は亀裂状の欠陥が発生した構造物の補修方法に係わり、特に亀裂状の欠陥の内部に水,酸化物等の介在物を含む金属材料に対して、雰囲気中の酸素分圧を制御した雰囲気下で肉盛溶接または表面溶融処理することにより、亀裂状の欠陥を封止し、前記亀裂状欠陥内部の更なる腐食や亀裂状欠陥の成長を防ぐ技術に関する。本発明は水中構造物や原子炉炉内機器の亀裂状欠陥の補修に好適である。
【0002】
【従来の技術】
従来、亀裂状の欠陥が発生した原子炉炉内機器の補修方法として、亀裂状の欠陥が発生した部分を、溶融層で被覆したり、補修板材で被覆したりしてそれを溶接する補修方法(特開平8−29580号公報)や、金属材料に含まれるヘリウム量に応じて入熱量を制御しながら、肉盛層で被覆する補修方法(特開2000−230996号公報)が知られているが、亀裂状の欠陥の内部に水,酸化物等の介在物が欠陥封止性に及ぼす影響については触れられていない。
【0003】
また、亀裂状の欠陥内に介在物を含む欠陥部の補修方法(特開2001−242280号公報,特開2001−287062号公報)が知られているが、これらは酸化物等の介在物を積極的に加熱して解離させるか、介在物を溶融除去するなどしてから肉盛溶接を施す補修方法である。
【0004】
これらの公知例を含む従来の溶接や表面溶融処理は、補修部の酸化を防ぐために、不活性ガスの雰囲気下や還元性を有するガスの雰囲気下で行われる。
【0005】
また、不活性ガスであるアルゴンと活性ガスである酸素の混合ガスを雰囲気に用いる補修溶接法(特開平11−28565号公報,特開2001−71135号公報)が知られている。特開平11−28565号公報に記載の方法は、大気圧より圧力の高い雰囲気下で溶接を行う場合に適用され、酸素との反応による溶接金属中のマンガンの損失を低減するために、不活性ガスの分圧を調整して、活性ガスの分圧を大気圧での分圧と等しくなるようにするものである。
【0006】
特開2001−71135号公報に記載の方法はアーク溶接の電極用ワイヤやワークの材質により変化する溶接条件に合わせるためのものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
亀裂状欠陥の補修において、亀裂状欠陥内に水,酸化物等の介在物が含まれる場合には、溶接時の加熱により介在物が変化し、反応生成物が溶融池で噴出し、欠陥部を完全に被覆できないことが特開2001−242280号公報により指摘されている。
【0008】
本発明者らも、内部に水,酸化物等の介在物を大量に含む亀裂状欠陥が発生した構造物の表面を、単に肉盛層を繰返しラップさせて、表面を肉盛層で被覆する補修方法では、水,酸化物からの反応生成物によると推定される噴出しが溶融池において起こり、完全に封止できない場合があることを確認した。
【0009】
本発明は、亀裂状欠陥の内部に介在物、特に水,酸化物を含む場合に、不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御することにより、水,酸化物等の介在物からの反応生成物の発生を抑制し、亀裂状の欠陥を生じた部分を介在物ごと肉盛溶接して封止し、亀裂状欠陥の内部に更なる腐食が生じたりあるいは亀裂状欠陥が成長するのを防ぐ補修方法を提供するものである。
【0010】
本発明は、耐食性が低下した金属材料に対して、耐食性を向上させるための表面溶融処理に適用することができ、亀裂内部の介在物、特に水,酸化物が原因となる溶融部におけるガスの噴出しを低減した補修方法を提供できる。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、以下のとおりである。
(1)構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥を、レーザを溶接熱源とし、肉盛溶接により形成した肉盛金属で表面を被覆する補修方法において、不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で、前記亀裂状欠陥が発生した部分を前記肉盛金属で被覆することを特徴とする。
(2)構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥がある領域を、レーザを溶接熱源とし、表面溶融処理により形成した溶融凝固層で表面を被覆する補修方法において、不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で、前記亀裂状欠陥が発生した部分を前記溶融凝固層で被覆することを特徴とする。
(3)先の(1)または(2)の発明において、前記酸素分圧は、溶接入熱量に応じて制御することを特徴とする。
(4)先の(1)または(2)の発明において、前記溶接入熱量は亀裂状欠陥の開口幅が最も広いところを基準にして決定することを特徴とする。
(5)先の(1)または(2)の発明において、前記酸素分圧は、前記介在物の種類に応じて制御することを特徴とする。
(6)先の発明において、前記補修を水中環境下にて、欠陥部の水を局所的に排除しながら行うことを特徴としている。
(7)先の発明において、不活性ガスに酸素を混合した雰囲気下での被覆を多層に重ねることを特徴とする。
(8)先の発明において、不活性ガスに酸素を混合した雰囲気下で被覆を行い、前記被覆を施した部分を覆うように、複数回、不活性ガス雰囲気下または還元性を有する雰囲気下で被覆することを特徴とする。
(9)先の発明において、不活性ガス雰囲気下または還元性を有する雰囲気下での複数回重ねる被覆は、不活性ガスに酸素を混合した雰囲気下での被覆よりも溶接入熱量または溶融入熱量を小さくして行うことを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明は亀裂状欠陥の補修に関して、不活性ガスに添加する酸素の分圧を制御した雰囲気下で溶接を行うことにあり、酸素の分圧は溶接入熱量や亀裂状欠陥内に含まれる介在物の種類によって決定される。
【0013】
原子炉炉内機器を構成する金属材料は主に低合金鋼やステンレス鋼等の鉄基合金,ニッケル基合金である。本発明はこれらの金属材料のような構造物に対して適用可能である。以下、実施例に基づいて詳細に説明する。
【0014】
〔第1実施例〕
図1により、原子炉内機器の補修方法および補修装置について説明する。原子炉炉内機器を構成する金属材料101には応力腐食割れにより亀裂状欠陥102が発生している。金属材料101は、ステンレス鋼等の鉄基合金、または、
Alloy600(インコネル社の商標)等のニッケル基合金であり、亀裂状欠陥102は、内部に水,酸化物等の介在物を含んでいる。
【0015】
Nd:YAGレーザ発振器201から発せられたレーザ光202を、光ファイバー203または導光管を介してトーチ204へ導く。トーチ204先端に装着したノズル205より不活性ガスと酸素とが混合した不活性ガス・酸素混合ガス206を噴出する。ここで、不活性ガスとはヘリウム,アルゴン等の希ガス,窒素である。レーザ光202を照射することにより形成される溶融池にフィラーワイヤ207を供給しながら、トーチ204を金属材料101に対し移動させて肉盛金属103を形成する。監視や非破壊検査等により欠陥開口部の幅を求め、開口幅から溶接入熱量を決定する。溶接入熱量はレーザの出力やトーチ204の移動速度を変えることによって調整する。フィラーワイヤ207の材質については、金属材料101と同じ成分のもの、金属材料101よりも耐食性に優れているものを用いると良い。
【0016】
さらに、肉盛金属103をラップさせながら、亀裂が発生した欠陥部分を肉盛金属で被覆する。肉盛層と肉盛層とが重なり合う割合は、ビード幅の1/4〜1/2すると良い。
【0017】
内部に水,酸化物等の介在物を含まない場合、溶接入熱量が大きい程、亀裂状欠陥は封止しやすい。本発明者らは実験により、最低でも0.6kJ/cm の溶接入熱量があれば、開口幅0.7mm の亀裂状欠陥を封止できることを明らかにした。
【0018】
しかし、内部に水,酸化物等の介在物を含まない場合には封止可能であっても、内部に水,酸化物を含む場合では、補修部に不具合を生じてしまい、うまく封止することができないことがある。
【0019】
そこで、本発明では内部に水,酸化物を含む亀裂状欠陥に対しては、不活性ガスに酸素を添加した雰囲気において補修を行う。
【0020】
酸素分圧を制御した雰囲気において補修することにより、補修部における不具合が低減される理由について、鉄系酸化物のFe34,FeOを例に説明する。酸化物生成自由エネルギー温度酸素圧線図を図2に示す。縦軸は酸化物の生成自由エネルギー、横軸は温度を表しており、図中の太い実線は酸化還元反応6FeO+O2=2Fe34 の平衡状態を、点線は各酸素分圧における酸素圧線を表している。(大気圧下での酸素含有量に換算して表した。)
大気圧下で、四酸化三鉄(Fe34)を加熱した場合において、市販されている普通純度のアルゴンガスは0.001 パーセント程度の酸素を含有している。この場合、酸素分圧は1×10-5atm であるから、1850K付近から酸化物の解離が起こる。
【0021】
一方で不活性ガスに酸素が体積比で20パーセント混合した雰囲気下ではおよそ2350Kにならないと酸化物の解離は起こらないことになる。
【0022】
本発明者らは、雰囲気中の酸素含有量を系統的に変化させ、内部にFe34を含む開口幅0.5mmの亀裂状の欠陥に対して、溶接入熱量を0.6kJ/cmにして肉盛溶接を行った。
【0023】
酸素の分圧が0.01atmの雰囲気下では、補修部に不具合が発生したが、酸素分圧が0.2atmの雰囲気下では、補修部における反応生成物の噴出しが抑えられた。
【0024】
また、Fe23よりも解離し易いとされるFe34,NiOを内部に含む亀裂状欠陥についても同様の結果が得られ、封止が可能であることを確認した。
【0025】
介在物が加熱される温度が分かれば、不活性ガス・酸素混合ガス中の酸素の分圧を、図2より決定することができる。
【0026】
しかし、実際に介在物が加熱される温度を求めることは困難である。
【0027】
また、加熱される温度が求まったとして、図2より酸素分圧を決定しても、混合ガス中の酸素が溶融金属との反応に費やされ、実際に酸化物に到達する混合ガスの酸素分圧が低下してしまい、効果が得られないことも考えられる。
【0028】
さらに、実際の亀裂状欠陥の内部に含まれる酸化物は鉄系の酸化物,ニッケル系の酸化物,クロム系の酸化物、それらの複合酸化物が考えられ、想定される酸化物の種類により解離特性が異なり、それに従い、適切な酸素分圧も変化する。
【0029】
そこで、予測される状況を模擬した試験を行い、試験結果から溶接入熱量に応じて酸素分圧を決定すると良い。
【0030】
さらに、補修対象箇所のサンプリング等により、介在物の種類を予め同定しておいて、それに応じて酸素分圧を決定するとなお良い。
【0031】
肉盛層が1層だけでは亀裂状欠陥を封止できなかった場合、または、肉盛層が1層だけでは耐久性に乏しい場合には、図3に示すように肉盛層を多層に積み重ねる。
【0032】
本発明を適用する亀裂状の欠陥が発生した部分は必ずしも平坦である必要はなく、円筒の内側の曲面に対してや、放電加工や切削によっても亀裂状の欠陥を完全に除去しきれなかった凹部に対して適用しても良い。
【0033】
酸素が混合した雰囲気下で肉盛溶接を行うと、肉盛金属103の表面は酸化してしまう。そこで図4に示すように、肉盛金属103を不活性ガス、または還元性を有する雰囲気下で肉盛溶接して被覆することによって、表面の酸化が少ない肉盛金属104を得ることができる。不活性ガス、または還元性を有する雰囲気下での肉盛溶接を行う場合、肉盛金属で封止された前記欠陥内の介在物を再び加熱してしまうことがないように、不活性ガス、または還元性を有する雰囲気下での肉盛溶接の溶接入熱量は小さくした方が良い。肉盛金属を形成するパスごとに雰囲気を変えるのではなく、パスの途中で雰囲気を変えても良い。
【0034】
〔第2実施例〕
本発明を水中で適用する実施例を説明する。加工部との間のレーザの光路および加工部周辺の領域の水を排除することにより、水中にて本発明を行う。実際には、亀裂状欠陥内部の水を完全に排除することは難しく、亀裂状欠陥のある金属材料表面に水が残っていると、肉盛金属の溶着が妨げられ、〔第1実施例〕にくらべて溶接条件の範囲が狭くなってしまう。それを低減するために溶接入熱量を大きくして積極的に水分を蒸発させることができるが、一方で、欠陥内部の介在物を加熱してしまうことになり、酸化物の解離や欠陥内部での水蒸気の発生を促進してしまい、溶融部での噴出しを活発にすることになる。そこで、噴出しの原因となる介在物の反応を抑えるために、不活性ガスに酸素を添加した雰囲気にて補修を行う。
【0035】
まず、水中補修装置の一例を示す。図5のように不活性ガスと酸素との混合ガス208をノズル205先端より噴射して、水を排除する。それと同時に噴射口と加工部周辺との間に形成した気相空間を不活性ガスと酸素との混合ガス雰囲気とすることができる。
【0036】
そして、第1実施例と同様にNd:YAG等のレーザ発振器201から発せられたレーザ光202を導光管、または光ファイバー203を介してトーチへ導く。さらに、レーザ光202の光軸と金属材料101の交点近傍にフィラーワイヤ207を供給しながら、トーチ204を金属材料101に対し移動させて肉盛金属103を形成する。溶接入熱量は、監視により欠陥開口部の幅から決定し、レーザの出力やトーチ204の移動速度を変えることによって調整する。フィラーワイヤ207の材質については、金属材料101と同じ成分のもの、金属材料101よりも耐食性に優れているものを用いると良い。
【0037】
さらに、肉盛金属103をラップさせながら、亀裂が発生した欠陥部分を肉盛金属で被覆する。ビードとビードとが重なり合う割合は、ビード幅の1/4〜1/2にすると良い。
【0038】
水の排除方法については、必ずしもノズル先端より噴出させるガスによって水を排除するものでなくても良く、レーザの光路および溶接部の水を排除することができる方法であれば良い。具体的な水の排除方法として、例えば、固体隔壁方式や水カーテン方式がある。
【0039】
〔第3実施例〕
オーステナイト系ステンレス鋼の経年変化として、応力腐食割れが重要な問題となっている。
【0040】
オーステナイト系ステンレス鋼の溶接部近傍等の熱影響を受けた領域では、構成元素であるクロムと、不純物として含まれる炭素とが粒界近傍でクロム炭化物を形成することによりクロムが粒界で欠乏し、粒界の耐食性が低下する現象が発生する。この様な材料の変化を、ここでは鋭敏化ということにする。鋭敏化した材料に、外部からの応力や溶接による残留応力が加わり、さらに、酸素,塩素などの有害な物質が含まる環境に曝されることにより、応力腐食割れが発生する。
【0041】
応力腐食割れは、材料因子,応力因子,環境因子の3つの因子が相乗的に寄与することにより発生するとされており、応力腐食割れ防止法として、3因子のうちのいずれかを改良する方法がとられている。
【0042】
材料因子である材料鋭敏化対策の1つとして、材料をある温度に一定時間保持するか溶融して、クロムや炭素を均一に固溶させた後、急冷する表面改質処理がとられる。そこで本発明を、鋭敏化が発生し、さらに、内部に酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥がある部分を溶融して、表面改質処理する補修方法に適用し、その実施例について説明する。鋭敏化した金属材料105で、さらに、内部に酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥102がある部分を溶融して、溶融層で金属材料を被覆する実施例について説明する。まず、不活性ガスと酸素が混合した雰囲気下で表面溶融処理を行うことによって亀裂状欠陥102ごと溶融してしまうか、前記欠陥102を溶融凝固層106で封止する。このままでは、表面が酸化したままなので、表面が酸化した溶融凝固層に重ねて不活性ガス雰囲気下または還元性を有する雰囲気下で溶融処理すると良い。酸化層が還元されることにより、表面の酸化が少ない溶融凝固層を得ることができる。後者の処理を行う場合、溶融凝固層で封止された前記欠陥内の介在物を再び加熱してしまうと溶融凝固層に不具合を生じるから、後者の表面溶融処理の入熱量は小さくした方が良い。入熱量を減らせば、溶融凝固層の幅は小さくなると予想されるから、間隔を減らすと良い。溶融凝固層と溶融凝固層とが重なり合う割合は、溶融凝固層の1/4〜1/2にすると良い。〔第3実施例〕の方法は金属材料が鋭敏化していなくても、内部に酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥を溶融して封止する場合に実施しても良い。また、鋭敏化した金属材料105の表面に肉盛溶接をしても良い。
【0043】
【発明の効果】
本発明を補修作業に適用すれば、構造物の亀裂状欠陥が発生した金属材料に対して、更なる亀裂内部の腐食や亀裂の成長を阻止することが可能である。本発明は、原子炉の長寿命化,予防保全に効果がある。また、水中環境下で行えば、補修作業を効率的に行うことができ、作業員の安全に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の補修方法に関して、補修装置と本発明を適用した施工方法を説明するために、施工方向に平行な面から見た断面図。
【図2】酸化物の生成自由エネルギー温度−酸素圧線図。
【図3】第1実施例の補修方法に関して、多層に肉盛する場合の肉盛溶接の施工方法を説明するために、施工方向に垂直な面から見た断面図。
【図4】第1実施例の補修方法に関して、雰囲気を変えて肉盛する場合の肉盛溶接の施工方法を説明するために、施工方向に垂直な面から見た断面図。
【図5】第2実施例の補修方法に関して、水中における、補修装置と本発明を適用した施工方法を説明するために、施工方向に平行な面から見た断面図。
【図6】第3実施例の補修方法に関して、鋭敏化した金属材料を表面溶融して耐食性を改善する施工方法を説明するために、施工方向に垂直な面から見た断面図。
【符号の説明】
101…金属材料、102…亀裂状欠陥、103,104…肉盛金属、105…鋭敏化した金属材料、106…溶融凝固層、201…レーザ発振器、202…レーザ光、203…光ファイバー、204…トーチ、205…ノズル、206…不活性ガス・酸素混合ガス、207…フィラーワイヤ。

Claims (8)

  1. 構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥の表面を、レーザを溶接熱源とし、肉盛溶接により形成した肉盛金属で被覆する補修方法において、
    前記肉盛溶接を不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で行い、前記酸素分圧を溶接入熱量に応じて制御することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  2. 構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥がある領域の表面を、レーザを溶接熱源とし、表面溶融処理により形成した溶融凝固層で被覆する補修方法において、
    前記表面溶融処理を不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で行い、前記酸素分圧を溶接入熱量に応じて制御することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  3. 請求項1又は2のいずれかに記載の亀裂状欠陥の補修方法において、前記溶接入熱量を、亀裂状欠陥の開口幅が最も広いところを基準にして決定することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  4. 構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥の表面を、レーザを溶接熱源とし、肉盛溶接により形成した肉盛金属で被覆する補修方法において、
    前記肉盛溶接を不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で行い、前記酸素分圧を前記介在物の種類に応じて制御することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  5. 構造物の表面に発生した、内部に水,酸化物等の介在物を含む亀裂状欠陥がある領域の表面を、レーザを溶接熱源とし、表面溶融処理により形成した溶融凝固層で被覆する補修方法において、
    前記表面溶融処理を不活性ガスに混合する酸素の分圧を制御した雰囲気下で行い、前記酸素分圧を前記介在物の種類に応じて制御することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の亀裂状欠陥の補修方法において、前記補修を水中環境下にて、欠陥部の水を局所的に排除しながら行うことを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  7. 請求項1から6のいずれか1項記載の亀裂状欠陥の補修方法において、不活性ガスに酸素を混合した雰囲気下での被覆を多層に重ねることを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
  8. 請求項1から7のいずれか1項記載の亀裂状欠陥の補修方法において、不活性ガスに酸素を混合した雰囲気下で被覆を行い、前記被覆を施した部分を覆うように、複数回、不活性ガス雰囲気下または還元性を有する雰囲気下で被覆することを特徴とする亀裂状欠陥の補修方法。
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