JP2001242150A - 有機化合物分析装置 - Google Patents

有機化合物分析装置

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JP2001242150A JP2000055929A JP2000055929A JP2001242150A JP 2001242150 A JP2001242150 A JP 2001242150A JP 2000055929 A JP2000055929 A JP 2000055929A JP 2000055929 A JP2000055929 A JP 2000055929A JP 2001242150 A JP2001242150 A JP 2001242150A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】害有機化合物をオンライン分析するのに適した
分析装置、特に、微量の有機化合物を連続的にオンライ
ン分析するのに適した有機化合物分析装置を提供する。 【解決手段】燃焼炉などの排ガスや大気等の試料ガスを
導入するするためのサンプリング部100と、試料ガス
の有機化合物類を吸着し、脱着させるための前処理部2
00と、脱着された有機化合物類を分析する分析計30
0とを備えた分析装置に、複数の吸着管21〜28と、
これらの吸着管を配列し、吸着管を連続的に切替える機
構80と、各々の吸着管が位置する適当な個所に昇温、
冷却機構31〜35を設け、吸着、脱着に必要なガスや
溶液を導く配管やバルブを設けることによりオンライン
での連続測定を可能にする。これにより、試料ガスのオ
ンライン分析を迅速に、しかも連続的に行うことができ
る。また、吸着管などの消耗品を延ばし、長期的な測定
が可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機化合物分析装
置に係り、特に、燃焼炉から排出される排ガスあるいは
大気中のダイオキシン類、芳香族類等の有機化合物類を
連続的にオンライン分析するのに適した分析装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】環境や健康に対する意識の高まりから、
燃焼炉や焼却炉排ガス中のダイオキシンおよび大気中の
芳香族類等のガス化された有機化合物類の濃度を規制内
に抑制する必要が増大している。このことから、上記物
質を迅速にしかも高精度に分析する装置が望まれてい
る。
【0003】近年の法規制の状況をみると、ダイオキシ
ンに関しては廃棄物処理法施行令及び施行規則が改正さ
れ平成9年12月1日より施行されている。この規則で
は、各焼却施設では少なくとも1年に1回以上はダイオ
キシン濃度を測定し、ダイオキシン類濃度が基準に適合
していることを確認することが必要である。しかも、5
年後にはダイオキシン排出規制が大幅に強化され、高精
度で安価な測定が望まれている。また、ダイオキシン関
連法案が平成11年7月国会で審議可決され平成12年
施行予定である。
【0004】芳香族類を始めとする有機化合物に関して
は、改正大気汚染防止法が平成9年4月1日より施行さ
れ、ベンゼン、トリクロロエチレン及びテトラクロロエ
チレンの3物質が規制され、更に、この規制は他の有害
物質にも拡大適用されていく見込である。
【0005】なお、本発明に関して用いられているダイ
オキシン類という用語は、塩素化ジベンゾ-p-ジオキシ
ン、ポリ塩化ジベンゾフランと言うダイオキシン類を含
むばかりでなく、更に、それらの代替指標物質であるク
ロロベンゼン類、クロロフェノール類などのダイオキシ
ン類前駆体を含むものとし、狭義に解釈されるものでは
ないものとする。
【0006】次に、既存の分析方法及び装置について説
明する。
【0007】特開平4−161849号公報に記載の
「焼却炉排ガス中の微量有機物質の測定方法」は、吸着
管を2本設け、これらに排ガスを導き、クロロベンゼ
ン、クロロフェノール等のダイオキシン類の代替指標物
質を吸着管に濃縮させた後、別の熱脱着装置に吸着管を
セットして、これらの物質を検出するものである。ダイ
オキシン類の濃度は、代替指標物質であるダイオキシン
類の前駆体との相関関係から推定する。
【0008】また、特開平8−266863号公報に記
載の「クロロベンゼン類・クロロフェノール類の回収方
法及び分析方法」は、クロロベンゼン、クロロフェノー
ル等のダイオキシン類の前駆体を吸着管に濃縮させた
後、GC/MS(Gas Chromatography/Mass Spectrome
ter)等により検出するものである。この方法では、焼
却炉排ガス中のダストに吸着するクロロベンゼン、クロ
ロフェノールを効率よく抽出し、定量性を上げるため
に、除塵器の温度を50〜200℃に制御する。
【0009】また、一般的なオンラインの有機化合物分
析装置として、図1に示されるような装置が提案されて
いる。図1は、その構成図である。この装置は、主とし
て、排ガスを導入するサンプリング部100と、導入し
た排ガスを吸着、脱着、更には洗浄を行う前処理部20
0と、濃縮したガスを成分分析する分析計300から構
成される。サンプリング部100はサンプリングノズル
2とダストフィルタ3から構成され、前処理部200は
サンプリング部100から導入された試料ガスを導く配
管4と試料ガスを吸着する吸着管20、更に吸着管に試
料ガスを導くための吸引ポンプ11及びドレイン溜め5
2で構成される。
【0010】吸着管20は、加熱冷却ができるよう加熱
器及び冷却器30が取り付けられている。また、吸着管
20の脱着のためのHeガス51と吸着管20の洗浄の
ための有機溶剤50とそれを送り込むポンプ12を設
け、これらの流路切り替えをバルブ40,41,42で
シーケンス的に行えるようになっている。分析部300
は、吸着管20で濃縮されたガスの成分分析や定量化を
行う質量分析計などで構成される。
【0011】動作としては、まずバルブ40、41をそ
れぞれ流路bにする。煙道内の排ガスは吸引ポンプ11
によりサンプリングノズル2を通し吸引される。吸引さ
れたガスはダストフィルタ3でダストが除去された後、
吸着管20に導入され、吸着管20を冷却器30で0℃
近辺に冷却することにより、ガス状有機物が吸着され
る。それ以外の無機物は、吸着管20を通過し、ドレイ
ン溜め52に排出される。
【0012】一定時間吸着させた後、バルブ40,4
1,42をそれぞれ流路aにし、Heガス51を押し込
む。加熱器30を徐々に約300〜400℃まで上げて
いくと、吸着管20に濃縮された有機物が徐々に脱着し
ていき、分析部300に導かれていく。これをガスクロ
マトグラフィや質量分析計で測定することにより、成分
を分析する事ができる。ガスが出きった後、バルブ4
1、42をそれぞれ流路bに切り替え溶剤50を流すこ
とで吸着管20内の洗浄を行う。溶剤50には、無機質
は希塩酸を、有機夾雑物はトルエンなどが使われる。こ
のようにして一連のシーケンスが終了する。2回目から
の分析は上記を繰り返して行う。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】上述した従来法には、
それぞれ、次に示すような点について考慮されていなか
った。
【0014】特開平4−161849号公報に記載の
「焼却炉排ガス中の微量有機物質の測定方法」に関して
は、実験者による吸着管のセットの必要があり、また人
手を介するため、自動オンラインモニタリングシステム
についての考慮はなされていない。
【0015】特開平8−266863号公報に記載の
「クロロベンゼン類・クロロフェノール類の回収方法及
び分析方法」に関しては、吸着管に導入濃縮された試料
は加熱脱着され、検出器に回収されるが、試料の一部は
吸着管に残留する。この残留分が次回の分析値に影響を
与え、定量値の再現性の低下をもたらす。このため、試
料の残留分の除去、すなわち、吸着管の再生に対する考
慮が不可欠である。しかし、この方法は吸着管の再生が
加熱のみであり、再生に対する配慮がなされていなかっ
た。試料の残留分を除去するためには不充分であり、ま
た、連続性にも乏しい。
【0016】また、図1に示した一般的なオンラインの
有機化合物分析装置は、オンライン分析であり、連続測
定の可能性を示しているが、測定のインターバルが長く
断続的であり、連続測定としては不十分である。また、
吸着管の寿命から長期の連続使用は難しい。
【0017】以上のことから、本発明の目的は、排ガス
及び大気中の有機化合物を簡便かつ迅速に、しかも連続
的にオンライン分析するのに適した有機化合物分析装置
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明になる有機化合物分析装置は、試料ガスを導
入するためのサンプリング部と、導入された試料ガス中
の有機化合物類を吸着し、脱着させるための前処理部
と、脱着された有機化合物類を分析する分析計とを備え
た有機化合物分析装置において、上記前処理部が、複数
の吸着管と、複数の該吸着管を配列する吸着管保持機
と、該吸着管を複数の位置に連続的に切替える機構とを
有し、かつ各々の該吸着管が位置する個所に冷却、昇温
機構を設けてなることを特徴とする。
【0019】また、本発明は、上記構成において、前処
理部は、吸着管に付着して設けられたフィルタを有し、
かつ該フィルタは、試料ガスのダストをトラップするガ
ラスフィルターを備えてなることを特徴とする。
【0020】また、本発明は、上記構成において、前処
理部は、吸着管を再生するための洗浄手段を備えている
ことを特徴とする。
【0021】また、本発明は、上記構成において、サン
プリング部、またはサンプリング部と前処理部との間
に、定量するための標準ガスを導入する手段を設けてな
り、かつ標準ガスと試料ガスとを混在した状態で吸着管
に導くよう構成したことを特徴とする。また、標準ガス
と試料ガスとの比較により定量化するよう構成してもよ
いし、さらに、標準ガスの検出レベルがある基準より低
下したときアラームを出し、その吸着管を交換するよう
構成してもよい。
【0022】さらに、本発明は、上記構成において、前
処理部での各吸着管による濃縮および脱着、および分析
計での分析の一連の工程を連続的に、かつ多くても一工
程のずれでほぼ同時に行うよう構成したことを特徴とす
る。
【0023】さらにまた、本発明は、上記構成におい
て、分析計は、各吸着管の脱着時間の間に分析し、得ら
れた分析データをつなぎ合わせることにより間欠連続運
転ができるよう構成したことを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】図2に、本発明に基づく有機化合
物分析装置の一実施例の構成図を示す。本装置は、主と
して、排ガスまたは大気(以下、「排ガスまたは大気」
を「試料ガス」と称する。)を導入するサンプリング部
100と、導入した試料ガスを吸着、脱着、更には洗浄
を行う前処理部200と、濃縮した試料ガスを成分分析
する分析計300、及び前処理部200と分析計300
を制御する制御部400とデータ処理部500で構成さ
れる。
【0025】サンプリング部100は、サンプリングノ
ズル2とダストフィルタ3から構成され、サンプリング
ノズル2は、焼却炉等の煙道1に設置されるかまたは大
気採取場所にセットされる。更に必要に応じて測定対象
物の標準試料としての標準ガス58が導入することも可
能な構造となっている。また、吸着や化学反応を防ぐた
めにサンプリング部100は、試料ガスとほぼ同程度の
温度100〜250℃程度に保持されている。腐食性物
質も含まれる場合があるので、通常は耐食性のあるSU
Sやそれ相当以上の材料が使用される。
【0026】前処理部200は、サンプリング部100
から導入された試料ガスを導く配管4と試料ガスを吸着
する吸着管21〜28、更に吸着管に試料ガスを導くた
めの吸引ポンプ16で構成される。同様に、配管4は、
試料ガスとほぼ同程度の温度100〜250℃程度に保
持され、また、耐食性材料で前処理部200に導くよう
になっている。吸着管21〜28は、吸着管保持機80
に着脱可能な状態で均等間隔に固定され、各ポジション
〜で吸着、脱着、洗浄などの各々の処理がなされる
ように配置されている。
【0027】吸着管保持機80は、図3に示すように、
上下両サイドにほぼ固定の吸着管保持機上板81と吸着
管保持機下板84を設け、その間に吸着管保持機上部ス
ライダ82と吸着管保持機下部スライダ83で両サイド
から固定した各吸着管21〜28を、回転可能にしてい
る。
【0028】各吸着管21〜28は、図4に示すよう
に、耐熱性、耐食性を必要とするためガラス類などの容
器を使い、吸着材20bとしては、Tenax、ポリウ
レタン、XAD−2等の樹脂が使われる。吸着管の入口
にはガラスまたは金属フィルタ20aが設けられてお
り、ガス以外の成分を除去する。ただし、サンプリング
部100のダストフィルタ3での除去で足りる場合に
は、フィルタ20aは特に設けなくてもかまわない。
【0029】吸着管保持機80の位置では、吸着管2
1を冷却するための冷却器31が設けられ、試料ガスを
ポンプ16で吸引すると、試料ガスが吸着、濃縮される
ようになっている。位置では、吸着が終わった吸着管
22を常温程度まで加温する加熱器32が設けられ、H
eガス56を通し排気するようになっている。位置で
は、吸着管23を300〜400℃まで加熱する加熱器
33が設けられ、Heガス56を通して脱着した有機性
分を分析計300に導入するようになっている。
【0030】位置、、は、洗浄工程であり、位置
4では吸着管24を室温程度まで冷却する冷却器34が
設けられ、0.1〜1N程度の希塩酸53をポンプ13
を用いて通し、ダストや溶解した無機質を排出するよう
になっている。位置では、吸着管25に希塩酸を排出
するためメタノール54をポンプ14を用いて通し、希
塩酸と置換するようになっている。位置では、吸着管
26にトルエン、ノナンまたはデカン55を用いて通
し、夾雑成分を取り除くようになっている。位置で
は、吸着管27を100℃程度に加熱する加熱器35が
設けられ、Heまたは乾燥空気57を通すようになって
いる。位置は、次の濃縮、脱着、洗浄を控え、待機状
態にある。
【0031】本実施例では、吸着管は8個にしている
が、個数は一連のシーケンスが可能であれば何個でもよ
く、待機状態の吸着管が複数個あってもいい。また、上
記以外の工程を増やしたり、各工程の時間差の違いによ
り同じ工程を繰り返してもよい。つまり、加熱時間が濃
縮時間の2倍必要なら加熱工程を2個分確保してもい
い。
【0032】分析部300は、吸着管20で濃縮された
ガスの成分分析や定量化を行う質量分析計などで構成さ
れる。質量分析計16は、液体クロマトグラフ/質量分
析計(LC/MS)またはガスクロマトグラフ/質量分
析計(GC/MS)などがあるが、特にAPCI(大気
圧化学イオン化)法と呼ばれるガスをイオン化して質量
分析を行う質量分析計が好ましい。
【0033】これによると、各吸着管の脱着された試料
を瞬時に測定することができる。制御部400は、前処
理部200のシーケンス制御や分析部300の測定開始
終了の制御を行う制御系で構成される。データ処理部5
00は分析計300で測定したデータの収集、マススペ
クトル表示、定量演算を行い、操作や出力を行う装置で
パソコンやワークステーションが一般的である。
【0034】以下、図2を用いて本実施例の動作の説明
を行う。煙道内の排ガスは、吸引ポンプ16によりサン
プリングノズル2を通し吸引される。吸引されたガス
は、ダストフィルタ3でダストが除去された後、配管4
を経由して前処理部200の吸着管保持機80の位置
に設けられた吸着管21に導かれる。吸着管21に導か
れるまでは試料ガスは、100〜250℃程度に保温さ
れ、吸着の発生を極力抑えている。吸着管21では、冷
却器31で0℃近辺に冷却することによりガス状有機物
が吸着され、一定時間経過後、濃縮された試料が吸着管
21に溜まることになる。それ以外の無機物は、吸着管
21を通過し、ドレンとして排出される。この吸着が行
われている間、各吸着管22〜28はそれぞれ別工程の
処理が行われている。
【0035】まず、位置には、吸着が終わった吸着管
22があり、これを40〜60℃程度まで加温する加熱
器32が設けられ、Heガス56を通す事により吸着管
内の夾雑物、特に水分などを排気するようになってい
る。ここでの加熱温度は、測定したい有機化合物が蒸発
しない温度まで高くすることで可能な限り余分な夾雑成
分を取り除く事ができる。
【0036】位置では、夾雑成分が除去された吸着管
23があり、これを加熱器33によって徐々に約300
〜400℃まで上げていき、Heガス56を押し込むこ
とで吸着管23に濃縮された有機物が徐々に脱着してい
き、分析部300に導かれていく。これをガスクロマト
グラフィや質量分析計で測定することにより、成分を分
析することができる。特にAPCI法では、瞬時にガス
をイオン化し質量分析計でその信号を捕らえることがで
きるので、吸着管内の成分を数分で測定することができ
る。ここで分析が終了するが、吸着管を再生するために
洗浄工程が引続き行われる。
【0037】位置では、脱着後の吸着管24が有り、
冷却器34で徐々に常温程度に戻される。ここでは、
0.5〜1N程度の希塩酸53をポンプ13によって送
り出すことによって、吸着管24内に残存する無機質分
を溶解、除去し、ドレンとして排出する。
【0038】更に、位置では、吸着管26内に溜まっ
た希塩酸を、ポンプ14を用いてメタノール54と置換
する。位置では、トルエン、ノナンまたはデカン55
をポンプ15を用いて流し、吸着管26内から夾雑成分
を除去する。
【0039】位置〜のそれぞれの洗浄時間が短時間
でできるのなら、吸着管保持機80での位置を1個所と
し、溶液53〜55をバルブ等で切り替えて行うことも
可能である。最後に、位置では、吸着管27に乾燥空
気57を流し、洗浄用有機溶剤55を蒸発させることに
より吸着管が再生される。また、蒸発の効果を高めるた
めに加熱器27を用いてもよい。
【0040】これで一連の吸着、脱着、洗浄が行われ、
次の吸着が始まるまで待機状態となる。位置が、待機
状態で図示では1個のみだが、複数備えることも可能で
ある。装置のスペースや吸着管の寿命を考慮して適宜決
めればいい。また、各工程は、時間差があるためキーと
なる工程、例えば、吸着時間にあわせて吸着管保持機8
0を切り替え、加熱がそれ以上に時間が必要ならは、複
数個分の加熱を行えばいい。吸着管は寿命があるので、
吸着管の交換も待機状態で交換可能にしておけば容易に
交換できる。
【0041】吸着管の切り替えは、図3に示すように、
吸着管21〜28を保持した吸着管保持機スライダ8
2、83が、固定の吸着管保持機上板下板81、84の
間を回転スライドすることで行われる。同時に、配管等
の切り替えも行われる。このようにロス時間が無い状態
で連続的に吸着、脱着、洗浄が行われる。制御部400
では、サンプリング部100の温度制御、前処理部20
0の吸着管切り替え、ポンプの起動停止、流量制御、加
熱器冷却器の温度制御などのシーケンス制御や分析部3
00の測定開始終了、データ取り込み制御を行う。デー
タ処理部500では分析部300で測定したデータの収
集、マススペクトル表示、定量演算を行い、操作や出力
を行う装置でプリンタや上位への通信等も行う事ができ
る。パソコンやワークステーションが一般的である。
【0042】このように、本発明の実施例によれば、排
ガスまたは大気中の有害有機化合物を連続的に、かつ簡
便・迅速にオンライン分析することができる。しかも、
寿命品である吸着管を間欠的に使用するため、長期間の
連続使用と、装置を止めなくても吸着管の交換ができる
という効果がある。
【0043】また、本発明の他の実施例を、図5および
図6に示す。図5に示すように、吸着管21〜28は、
吸着管保持機80に着脱可能な状態で均等間隔に固定さ
れ、各ポジション〜で吸着、脱着、洗浄などの各々
の処理がなされるように配置されているのは同じだが、
吸着管21〜28は、吸着管保持機上部スライダ82に
のみ固定され、下側は開放され吸着管を着脱し易い構造
としている。また、ガスまたは溶剤の入出口は、吸着管
保持機入出口86の片面に設けている。同様に、吸着管
は、図6に示すように、ガスまたは溶剤の吸着管入出口
85を片面に設けている。このように片方を開放するこ
とで吸着管の着脱を容易にし、冷却器や加熱器などの部
品取付けを容易にするという効果が有る。
【0044】次に、標準ガスを使用したときの説明を行
う。標準ガスは、一般的に測定対象物そのものではな
く、化学的、物理的性質が類似しており、測定対象物と
同様な挙動を示すものが選ばれる。例えば、芳香族系な
らば水素または炭素の同位体を使うことが好ましい。標
準ガスを入れる目的は、分析までの外乱や測定条件、環
境の変化、経時的な特性の変化を補正するために行う。
【0045】図2に示すように、すでに定量化された標
準ガス58を、ダストフィルタ3や配管4の前、少なく
とも吸着管21に導入される前に入れる。できる限りサ
ンプリングノズルに近い場所に入れることが望ましい。
ポンプ16で吸引された試料ガスと標準ガスは、同時に
吸着管21にて吸着される。試料ガスと標準ガスはどち
らも流量測定しておく。吸着から洗浄までの動作は、図
2〜6で述べた時と同じである。
【0046】データ表示に標準試料がでてくるため、こ
れを基準として定量化がなされる。これを図7で示す。
図7(a)は、試料ガスを流したときのマススペクトル
でAからBに変化した場合を示す。これがガスの純粋な
変動分によるものか、装置内部の吸着管の捕収率のばら
つきとか環境の変動によるものかが分からない。そのた
め、図7(b)に示すように、標準ガスと同時に測定す
れば,その変動分が純粋な試料ガスの変動か装置内部の
変動によるものかが分かる。つまり、試料ガスがA、標
準ガスがAsあったものが、試料ガスがB、標準ガスが
Bsにそれぞれ変化したとすると、AsからBsの変化
は、装置内部の影響でその分を加味した試料ガスの量W
は、W=B×Bs/Asとなる。
【0047】このように標準ガスを使用することによ
り、配管等への吸着や吸着管のばらつき、劣化を気にせ
ずに制度のよい測定が可能となる。ただ、吸着管は何回
も使うと吸着特性が劣化してくることから、使用頻度を
重ねていくと感度が低下してくる。そのため、最低感度
を確保するため、或る閾値より低下したら警報を出し、
吸着管の交換を促すことで長期的な連続測定を可能とす
る。
【0048】図8に示すように、従来における測定デー
タも吸着管が1個の場合は、間欠データであるが、吸着
管を複数個連続でつなぐことにより、未測定部分が無い
連続した測定ができる。また、逆に連続測定の必要が無
い場合は、各配管に流れるガスをバルブ等で閉止してお
けば、任意に間欠時間を設定することができる。
【0049】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、排
ガスあるいは大気中の有害有機化合物を連続的にかつ長
期的なオンライン分析するのに適した分析装置が提供で
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】一般的なオンラインの有機化合物分析装置を示
す構成図。
【図2】本発明になる有機化合物分析装置の一実施例を
示す構成図。
【図3】本発明に基づく吸着管保持機の一実施例を示す
構成図。
【図4】図3の吸着管の一例を示す構成図。
【図5】本発明に基づく吸着管保持機の他の実施例を示
す構成図。
【図6】図5の吸着管の一例を示す構成図。
【図7】本発明による試料ガスと標準ガスによるマスス
ペクトルの分析方法を示す図。
【図8】本発明による吸着、脱着、洗浄のシーケンスを
示す図。
【符号の説明】
1…煙道、2…サンプリングノズル、3…ダストフィル
タ、4…導入配管、11〜16…ポンプ、20〜28…
吸着管、20a…フィルタ、20b…吸着材、21〜2
8…吸着管、30…冷却器、加熱器、31,34…冷却
器、32、33、35…加熱器、40〜42…切替えバ
ルブ、50…有機溶剤 、51… He、52…ドレン溜
め、53…希塩酸、54…メタノール、55…トルエ
ン、56…He、57…乾燥空気、58…標準ガス、8
0…吸着管保持機、81…吸着管保持機上板、82…吸
着管保持機上部スライダ、83…吸着管保持機下部スラ
イダ、84…吸着管保持機下板、85…吸着管入出口、
86…吸着管保持機入出口、100…サンプリング部、
200…前処理部、300…分析計、400…制御部、
500…データ処理部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 1/28 G01N 30/04 P 30/04 30/88 C 30/88 1/28 K

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】試料ガスを導入するためのサンプリング部
    と、導入された該試料ガス中の有機化合物類を吸着し、
    脱着させるための前処理部と、脱着された該有機化合物
    類を分析する分析計とを備えた有機化合物分析装置にお
    いて、該前処理部が、複数の吸着管と、複数の該吸着管
    を配列する吸着管保持機と、該吸着管を複数の位置に連
    続的に切替える機構とを有し、かつ各々の該吸着管が位
    置する個所に冷却、昇温機構を設けてなることを特徴と
    する有機化合物分析装置。
  2. 【請求項2】前記前処理部は、前記吸着管に付随して設
    けられたフィルタを有し、かつ該フィルタは、前記試料
    ガスのダストをトラップするガラスフィルターを備えて
    なることを特徴とする請求項1記載の有機化合物分析装
    置。
  3. 【請求項3】前記前処理部は、前記吸着管を再生するた
    めの洗浄手段を備えていることを特徴とする請求項1記
    載の有機化合物分析装置。
  4. 【請求項4】前記サンプリング部、または前記サンプリ
    ング部と前記前処理部との間に、定量するための標準ガ
    スを導入する手段を設けてなり、かつ該標準ガスと前記
    試料ガスとを混在した状態で前記吸着管に導くよう構成
    したことを特徴とする請求項1記載の有機化合物分析装
    置。
  5. 【請求項5】前記標準ガスと前記試料ガスとの比較によ
    り定量化するよう構成したことを特徴とする請求項4記
    載の有機化合物分析装置。
  6. 【請求項6】前記標準ガスの検出レベルがある基準より
    低下したときアラームを出し、前記吸着管を交換するよ
    う構成したことを特徴とする請求項4又は5記載の有機
    化合物分析装置。
  7. 【請求項7】前記前処理部での各吸着管による濃縮およ
    び脱着、および前記分析計での分析の一連の工程を連続
    的に、かつ多くても一工程のずれでほぼ同時に行うよう
    構成したことを特徴とする請求項1記載の有機化合物分
    析装置。
  8. 【請求項8】前記分析計は、前記各吸着管の脱着時間の
    間に分析し、得られた分析データをつなぎ合わせること
    により間欠連続運転ができるよう構成したことを特徴と
    する請求項1記載の有機化合物分析装置。
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