JP3458076B2 - ダイオキシン類の測定方法 - Google Patents
ダイオキシン類の測定方法Info
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Description
廃棄物焼却場などの焼却炉等から排出される排ガス中の
全有機ハロゲン化合物を測定することにより間接的にダ
イオキシン類の排出濃度を測定するダイオキシン類の測
定方法に関する。
場の焼却炉等において発生するダイオキシン類は、毒性
が極めて強く、排出状況の把握や低減技術の開発が、現
在、重要な課題となっている。
シン類の測定方法では、通常2週間以上の分析期間と高
度な専門技術を有する分析技術者及び高額な高性能測定
装置が必要となっている。
接測定することは困難なためダイオキシン類の濃度と相
関性が高いといわれている一酸化炭素やクロロベンゼン
類又はクロロフェノール類を指標物質として測定し間接
的にダイオキシン類の濃度を推定している(例えば、特
開平10−153590号公報、特開平10−1535
91号公報)。
素は、低濃度域での相関性が低く、指標物質としての有
効性は低い点に課題があり、また、クロロベンゼン類や
クロロフェノール類は、塩素数が異なる物質を各々測定
してダイオキシン類濃度を測定する必要があり、ダイオ
キシン類濃度への換算が複雑であること、及び排ガス前
処理において水分への損失があるなどの点に課題がある
ものである。
o合成」と言われる機構で説明されており、有機ハロゲ
ン化合物が深く関与していることが知られている。この
有機ハロゲン化合物は、炭化水素化合物のハロゲン(C
l,F,Br,I等)置換体の総称であり、燃焼過程で
生じるものは、主として環状炭化水素(ベンゼン等)の
水素がClにより置換された化合物と推察されている。
上記de novo合成において、有機ハロゲン化合物は、ダ
イオキシン類の前駆体(ダイオキシン類自体も有機塩素
化合物である)として推察されている。また、有機塩素
化合物の測定方法は、通常、環境庁告示第13号に吸光光
度法による測定方法が示されているが、この方法は、抽
出操作を必要とするため、前処理が複雑となり、連続測
定及び自動化は不可能であるなどの課題があるものであ
る。
術の課題等に鑑み、これを解消しようとするものであ
り、焼却炉等から排出される排ガス中の全有機ハロゲン
化合物を測定することにより間接的にダイオキシン類の
排出濃度を簡単に、かつ確実に、また、連続的に測定す
ることができるダイオキシン類の測定方法を提供するこ
とを目的とする。
技術の課題等について、鋭意検討した結果、焼却炉等か
ら排出される排ガス中の全有機ハロゲン化合物を特定の
装置等により測定を行い、予め作成した検量線よりダイ
オキシン類の濃度を測定するすることにより、上記目的
のダイオキシン類の測定方法が得られることを見い出
し、本発明を完成するに至ったのである。すなわち、本
発明のダイオキシン類の測定方法は、次の(1)及び(2)に
存する。 (1) 有機ハロゲン濃度とダイオキシン類濃度の相関関係
に従ってダイオキシン類濃度を測定するダイオキシン類
の測定方法であって、排ガス中のダストを除去した試料
ガスを吸着カラムに通気して、全有機ハロゲン化合物を
吸着する工程と、この吸着カラムを加熱することにより
全有機ハロゲン化合物を脱離させる工程と、該脱離した
全有機ハロゲン化合物を電量滴定法により定量して有機
ハロゲン濃度を得る工程と、予め求めておいた有機ハロ
ゲン濃度とダイオキシン類濃度の相関関係に従って前記
電量滴定法により得た有機ハロゲン濃度からダイオキシ
ン類濃度を測定する工程とを含むことを特徴とするダイ
オキシン類の測定方法。 (2) 前記全有機ハロゲン化合物を吸着する工程と、前記
全有機ハロゲン化合物を脱離させる工程とを少なくとも
2系統により構成し、1系統で吸着が行われている間、
他の1系統で全有機ハロゲン化合物の脱離、ダイオキシ
ン類濃度の測定を行い、該吸着と脱離及びダイオキシン
類濃度の測定を上記少なくとも2系統で交互に行うこと
によりダイオキシン類濃度を連続的に測定する上記(1)
記載のダイオキシン類の測定方法。
面を参照しながら詳しく説明する。本発明のダイオキシ
ン類の測定方法は、有機ハロゲン濃度とダイオキシン類
濃度の相関関係に従ってダイオキシン類濃度を測定する
ダイオキシン類の測定方法であり、まず、排ガス中のダ
ストを除去した試料ガスを吸着カラムに通気して、全有
機ハロゲン化合物を吸着し(吸着工程)、次いで、この
吸着カラムを加熱することにより全有機ハロゲン化合物
を脱離させ(脱離工程)、該脱離した全有機ハロゲン化
合物を電量滴定法により定量して排ガス中の有機ハロゲ
ン濃度を測定することにより、予め求めておいた有機ハ
ロゲン化合物濃度とダイオキシン類濃度の相関関係を示
す関係式(検量線)に従って、前記有機ハロゲン化合物
濃度からダイオキシン類濃度を測定するものである。
置の一例を示す概略図である。図中10は、ごみ焼却場
や産業廃棄物焼却場などの焼却炉等から排出される排ガ
ス(試料ガス)であり、該排ガス10は、フィルター等
の除塵器(図示せず)を通過させてダストが除去され
る。除塵器としては、全有機ハロゲン化合物を吸着せず
にダスト・ミスト等を除去できるものであれば、特に限
定されるのものでなく、例えば、ガラス繊維製フィルタ
ー、合成繊維製フィルター、セラミック製フィルター等
が挙げられる。
ガス10は、流量制御装置12により切換弁13をとお
して吸着材が充填された吸着管(吸着カラム)14に導
かれ、排ガス10中の全有機ハロゲン化合物〔炭化水素
化合物のハロゲン(Cl,F,Br,I等)置換体〕が
吸着される。吸着時間は、5〜30分である。全有機ハ
ロゲン化合物を吸着する吸着材としては、例えば、XA
D−2(スチレン−ジビニルベンゼン共重合体)樹脂、
TenaX(2,6−ジフェニル−p−フェニレンオキ
サイド)樹脂などが挙げられる。
全有機ハロゲン化合物が吸着された排ガスは、切換弁1
5から流量制御装置16をとおり、吸引ポンプ17から
系外へ排出される。全有機ハロゲン化合物の吸着管14
からの脱離は、全有機ハロゲン化合物を吸着した吸着材
が充填された吸着管14を、ヒーターHで250〜30
0℃に加熱することにより行う。加熱(脱離)時間は、
5〜10分である。脱離した有機ハロゲン化合物(温度
180〜200℃のキャリアーガス)は、流量制御装置
12により切換弁15をとおり測定装置となる電量滴定
分析装置20に送り込まれる。送り込まれた全有機ハロ
ゲン化合物は、電量滴定法により有機ハロゲン濃度とし
て定量される。測定装置20による測定データーとなる
有機ハロゲン濃度は、データー処理装置21でダイオキ
シン類濃度に換算表示される。データー処理装置21
は、予め作成した有機ハロゲン濃度とダイオキシン類の
相関関係(関係式)に従ってダイオキシン類濃度を算出
し表示するものである。
より全有機ハロゲン化合物を測定するので、従来の吸光
光度法における抽出操作(前処理)を必要としないた
め、測定が簡単かつ確実となり、自動化が可能となるも
のである。
合物を吸着する工程と、前記全有機ハロゲン化合物を脱
離させる工程とを少なくとも2系統により構成してい
る。すなわち、上述の吸着管14などの1系統(ライ
ン)と共に、図1に示すように、切換弁13a、吸着材
が充填された吸着管14a、切換弁15a及びヒーター
Hからなる更に1系統(ライン)を設けている。従っ
て、切換弁13a、吸着管14a、切換弁15a及びヒ
ーターHからなる更に1系統(ライン)で吸着が行われ
ている間、他の吸着管14の1系統(ライン)で全有機
ハロゲン化合物の脱離、ダイオキシン類濃度の測定を行
い、該吸着と脱離及びダイオキシン類濃度の測定を上記
2系統で交互に行うことによりダイオキシン類濃度を常
時連続的に測定することができるものとなる。なお、本
実施形態では、上記切換弁、吸着管、及びヒーターなど
からなるラインを2系統としているが、測定の更なる効
率化及びラインの故障等を想定して、更にもう1系統合
計3系統又は4系統以上設けても良いものである。
有機ハロゲン化合物を電量滴定法により測定するので、
抽出操作などの前処理を必要としないため、測定が簡単
かつ確実となり、自動化が可能となるものである。ま
た、全有機ハロゲン化合物の吸着と脱離及びダイオキシ
ン類濃度の測定は、少なくとも2つの系統により交互に
行うことができるので、常時連続的にダイオキシン類の
濃度が自動的に測定することができるものとなる。
が、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
ハロゲン化合物(化合物)濃度とダイオキシン類濃度の
相関性を示したものである。対象とする燃焼炉等におい
て、予め、これらの相関関係式を求めてデーター処理装
置21に入力しておき、以降は、全有機ハロゲン化合物
を測定装置20により測定し、相関関係を示す関係式か
らダイオキシン濃度を自動的に算出することができる。
図2及び3に提示したデーターは、同一の廃棄物焼却炉
における相関関係を求めたもので、測定位置は同じであ
るが、燃焼条件は必ずしも一定ではないが、図2及び3
からも明らかなように、高い相関性が認められ、従っ
て、プラント運転における管理用、実証試験等のデータ
ー推定等で十分使用できることがわかる。
行った。排ガス(試料ガス)10は、石英ろ紙からなる
除塵器を通過させてダスト等を除去した。ダスト等を除
去した排ガス10(ガス温度70℃)は、流量制御装置
12により切換弁13をとおしてXAD−2樹脂からな
る吸着材5gが充填された吸着管14に導かれ、排ガス
10中の全有機ハロゲン化合物を吸着した(吸着時間3
0分)。
脱離は、全有機ハロゲン化合物を吸着した吸着材が充填
された吸着管14を、ヒーターHで300℃に加熱して
行った(加熱時間5分)。脱離した有機ハロゲン化合物
(キャリアーガス、温度200℃)は、流量制御装置1
2により切換弁15をとおり測定装置となる電量滴定装
置20に送り込んだ。送り込まれた全有機ハロゲン化合
物は、電量滴定装置(TOX−100、三菱化学社製)
により有機ハロゲン濃度を定量した。測定装置20で測
定された有機ハロゲン濃度は、図2及び図3が入力され
たデーター処理装置21でダイオキシン類濃度に換算し
てダイオキシン類濃度(ng/Nm3)、ダイオキシン
類の量〔毒性換算濃度(ng−TEQ/m3)を表示し
た。なお、上記脱離及びダイオキシン類濃度の測定が行
われている間、他の吸着管14aの1系統(ライン)で
全有機ハロゲン化合物の吸着を行った。
指標物質を全有機ハロゲン化合物を電量滴定法により測
定するので、抽出操作などの前処理を必要としないた
め、測定が簡単かつ確実となり、広範囲な濃度域のダイ
オキシン類を自動測定することができる。また、全有機
ハロゲン化合物の吸着と脱離及びダイオキシン類濃度の
測定を、少なくとも2つの系統により交互に行うように
すれば、常時連続的にダイオキシン類の濃度が自動的に
測定することができる。
す概略図である。
とダイオキシン類濃度の相関性を示す特性図である。
とダイオキシン類濃度(毒性換算濃度)の相関性を示す
特性図である。
Claims (2)
- 【請求項1】 有機ハロゲン濃度とダイオキシン類濃度
の相関関係に従ってダイオキシン類濃度を測定するダイ
オキシン類の測定方法であって、排ガス中のダストを除
去した試料ガスを吸着カラムに通気して、全有機ハロゲ
ン化合物を吸着する工程と、この吸着カラムを加熱する
ことにより全有機ハロゲン化合物を脱離させる工程と、
該脱離した全有機ハロゲン化合物を電量滴定法により定
量して有機ハロゲン濃度を得る工程と、予め求めておい
た有機ハロゲン濃度とダイオキシン類濃度の相関関係に
従って前記電量滴定法により得た有機ハロゲン濃度から
ダイオキシン類濃度を測定する工程とを含むことを特徴
とするダイオキシン類の測定方法。 - 【請求項2】 前記全有機ハロゲン化合物を吸着する工
程と、前記全有機ハロゲン化合物を脱離させる工程とを
少なくとも2系統により構成し、1系統で吸着が行われ
ている間、他の1系統で全有機ハロゲン化合物の脱離、
ダイオキシン類濃度の測定を行い、該吸着と脱離及びダ
イオキシン類濃度の測定とを上記少なくとも2系統で交
互に行うことによりダイオキシン類濃度を連続的に測定
する請求項1記載のダイオキシン類の測定方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20816199A JP3458076B2 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ダイオキシン類の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20816199A JP3458076B2 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ダイオキシン類の測定方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2001033433A JP2001033433A (ja) | 2001-02-09 |
JP3458076B2 true JP3458076B2 (ja) | 2003-10-20 |
Family
ID=16551672
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20816199A Expired - Lifetime JP3458076B2 (ja) | 1999-07-22 | 1999-07-22 | ダイオキシン類の測定方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP3458076B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4767575B2 (ja) * | 2005-04-01 | 2011-09-07 | 電源開発株式会社 | 有機系ハロゲン化合物取出装置および有機系ハロゲン化合物の取り出し方法 |
JP4828443B2 (ja) * | 2007-01-25 | 2011-11-30 | 電源開発株式会社 | 有機ハロゲン類の分離方法および低揮発性有機ハロゲン類濃度の測定方法ならびにダイオキシン類濃度の測定方法 |
-
1999
- 1999-07-22 JP JP20816199A patent/JP3458076B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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JP2001033433A (ja) | 2001-02-09 |
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