JP3530119B2 - ガス中の微量成分分析装置及びそれを用いた分析方法 - Google Patents
ガス中の微量成分分析装置及びそれを用いた分析方法Info
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Description
析装置、及びそれを用いた分析方法に関し、特に、燃焼
装置から生成する排ガス中のダイオキシン類の代替指標
として有効なクロロベンゼン類及びクロロフェノール類
の分析装置及びそれを用いた分析方法に関する。
オキシン類の含有量は微量であり、これらを精度よく定
量分析することは極めて難しい。このためダイオキシン
類の濃度と相関を持つダイオキシン前駆物質の濃度を代
替指標とし、この分析結果を基にダイオキシン類の濃度
を推測する手法が採られている。代替指標として、特開
平5―312796号公報、特開平9―15229号公
報にクロロベンゼン類又はクロロフェノールを用いる方
法の開示がある。これらダイオキシン前駆物質の濃度は
ダイオキシン類の濃度に比べて高く既存の分析装置で測
定できる。
クロロベンゼン類、クロロフェノール類又はこれらの合
計量をガスクロマトグラフ法或いは電気化学的方法を用
いて計測し、その計測値とダイオキシン類との相関から
ダイオキシン濃度を測定する方法がある。
定する場合、質量分析装置を用いてダイオキシン前駆体
物質であるクロロフェノールに固有なフラグメントの質
量数に対応した信号強度の変化からクロロフェノールを
定量分析する。その分析値とダイオキシン類との相関か
らダイオキシン濃度を測定する方法がある。しかし、従
来の分析装置を用いる場合、燃焼装置等で発生した排ガ
ス中に、塩化水素、臭化水素、窒素酸化物、硫黄酸化物
等の検出疎外成分が共存する場合が多く、クロロフェノ
ールの信号強度が著しく低下する問題がある。
0707号公報は排気ガス中に含まれる水蒸気を冷却装
置で冷却・凝縮させ、生成した水分に排気ガス中の塩化
水素、臭化水素等のハロゲン化物(検出疎外成分)を溶
解して除去する手段を設けたガス中のクロロフェノール
の分析方法及び装置を開示している。しかし、該発明で
は室温程度に冷却した冷却装置の周辺部(内壁面等)に
クロロフェノールが吸着するために分析装置の応答速度
が低下する課題がある。
蒸気から水分生成させ、更にこの水分にハロゲン化物を
溶解させ試料流路系外に除去するための冷却装置を用い
た場合に、前記冷却装置の内壁面等にクロロフェノール
或いはクロロベンゼン類が吸着することを排除して応答
速度の優れ、且つ精度の高いガス中の微量成分分析装置
及びそれを用いた分析方法を提供する。
発明の要旨は以下のとおりである。 (1)ガス中の水蒸気を冷却して水分とする冷却装置を
備え、該冷却装置には前記水分にハロゲン化物を溶解し
該ハロゲン化物を滞留するドレインポットが連結され、
該ドレインポットからの排出ガスを分析装置の検出器よ
り後流位置へ合流させる流路を有するガス中の微量成分
分析装置である。 (2)ガス中に含まれる微量の有機化合物を分析する微
量成分分析装置において、前記ガス中の水蒸気を冷却し
て水分を生成させ、該水分中にハロゲン化物を溶解させ
て該ハロゲン化物を除去する前処理手段を有し、前記水
分を回収するドレインポットからの排出ガスが前記微量
成分分析装置の検出器より後流位置へ合流する流路を有
するガス中の微量成分分析装置である。
を通じて前記分析装置の検出器より後流位置へ排出する
流路を有すること、前記のドレインポットからの排出ガ
スの流路に、流出ガス量を調整する流量調節弁を設置す
ることが好ましい。 (3)燃焼装置で発生したガス中に含まれる微量の有機
化合物を微量成分分析装置を用いて分析する方法におい
て、前記ガス中の水蒸気を冷却して水分を生成させ、該
水分中にハロゲン化物を溶解させて該ハロゲン化物を除
去する前処理手段を有し、前記水分を回収するドレイン
ポットを室温以下に冷却した状態で分析することが好ま
しい。
び方法では、クロロフェノールが吸着し、ここから徐々
に放散するクロロフェノールを分析装置の分析装置の検
出器の後流位置に流通する流路を設けることで分析装置
の応答速度を格段に向上できる。
るためのドレインポットから排出されるガスを分析装置
の検出器の後流位置に流通させる流露に分析装置の検出
器へ流通するガス量を最適化することで、応答速度の向
上した分析方法も提供できる。
図を示す。
はサンプリングボックス16の中の脱塵装置15を流通
した後、冷却器入り口弁12又は冷却器バイパス弁13
の調節により冷却装置本体1又は分析装置7へと導かれ
る。即ち、本発明においては分析装置7の上流に冷却装
置本体1が設置される。
イラル設置用配管20を流通する過程で冷却され、冷却
装置本体1の内部では高温の排気ガスが冷却され、ガス
中の水蒸気が凝縮され水分となる。この水分は凝縮水排
出ライン9を流通して凝縮水回収用ドレインポット2で
回収される。ここでは、夾雑成分である塩酸(HCl)
は水に対する溶解度が高いため、水に吸収され除去され
る。また測定対象物質であるクロロフェノールは水に対
する溶解度はHClに比較すると低いが、ある量は溶解
するか、または凝縮水回収用ドレインポット2の内壁表
面に付着、吸着する。
は冷却装置本体1から凝縮水排出ライン9を流通して連
続的に排出され、凝縮水回収用ドレインポット2へ回収
される。このドレインポット内の水分及び容器の内壁表
面からは吸収、吸着したクロロフェノールが経時的に飛
散する。分析装置の応答速度を向上するために、凝縮水
用回収ドレインポット2の出口ガス排出ライン3は検出
器(イオン化部)5に導入されないように、その後流位
置へ導入される。
るガス成分は冷却器出口配管21を経て冷却器出口弁1
4により分析装置7に導かれる。
明する。
テムの例)図1は、本発明の前駆体分析装置の前処理シ
ステムの構成を示す系統図である。システムは大きく分
けて冷却装置本体1、凝縮水回収用ドレインポット2、
分析装置7、サンプリングボックス16及び燃焼装置1
7から構成される。分析操作の手順は(1)標準物質の
検定、(2)冷却装置へのガス導入、(3)実ガス導入、
に分けられる。標準物質の検定は冷却装置入口弁12、
冷却装置出口弁14は閉じて、冷却装置バイパス弁13
は開き、標準物質発生器10から13C型のクロロフェ
ノールを標準物質導入ライン11を通して、検出部(イ
オン源)5へ供給する。実ガス導入は燃焼装置17で発
生した排気ガスを冷却装置本体1へ導入する。この時、
冷却装置導入時は冷却装置バイパス弁13は閉じて、冷
却装置入口弁12及び冷却装置出口弁14は開いて冷却
装置本体1へガスを導入する。
れた凝縮水19には排ガス中から除去されたHCl、ク
ロロフェノールが溶存している。凝縮水回収用ドレイン
ポット2は室温近辺に保持され、その温度に相当する蒸
気圧分相当のHCl、クロロフェノールが飛散して排出
される。
1へ導入されるガスの一部は凝縮水排出ライン9から排
出され、ガス中にはHCl、クロロフェノールが含まれ
る。凝縮水回収用ドレインポット2から逐次的にクロロ
フェノールが飛散してくると、排ガス中にクロロフェノ
ールが含有されない時でも検出され、応答速度低下の原
因や残留成分による測定誤差(分析精度の低下)に繋が
る。
のポット出口ガス排出ライン3を検出部5の後流位置に
合流させることで、上記に示すような性能低下を防止で
きる。ガス中には水蒸気を含むため更にドレインポット
6で水分を除去する。
ガス排出ライン3には流量調整用弁4が設置されてお
り、該弁4の開度を調節して、出口ガス排出ライン3を
流れるガス量と冷却装置出口弁14から流れるガス量を
制御する。
入されるガス量が増大すると応答速度を向上できる。こ
れは冷却装置1内のガス接触部20が低温であるため、
ここにクロロフェノールは吸着する。またガス接触部2
0の内塔部には流通ガスの滞留時間を促進するためのス
パイラルガイドが設置されているため、ガス接触部20
においてクロロフェノールが吸着する量が多くなる。よ
ってこの部分を流れるガス量を多くすると、前記箇所に
吸着したクロロフェノールの脱離する量が増して応答速
度が向上する。
があるが、この部分は単なる配管でクロロフェノールの
吸着量は少ないと考えられる。ここでのクロロフェノー
ルの吸着量を低減するためには、ガス接触部21を流通
するガス量を多くして脱離量を増大させるか、ガス接触
部21を流通するガス量を低減させる二方式がある。ガ
ス量は流量調節弁4の開度を調節して最適化させる必要
がある。
ス排出ライン3を検出部5の後流に導入すれば、ガスに
含まれるHClによるクロロフェノール信号強度の減衰
を防ぐことができる。
時間、縦軸にクロロフェノールの残存率を示す。応答性
能評価試験は予め図1の標準物質発生器10内にクロロ
フェノールが充填されたサンプルホルダーを設置して信
号強度データを取得する。サンプルホルダーを取りはず
した時間を0として分析計全系内に残存するクロロフェ
ノール残存率の経時変化を測定した。
た。 経過時間a(分)の残存率(%)=(経過時間a分のクロロ
フェノール信号強度)/(経過時間0分のクロロフェノ
ール信号強度) 図2において、従来方式は○(破線)、本実施例の新方
式は●と□(実線)で示した。 従来方式は凝縮水用回
収ドレインポットの出口ガス排出ライン3を検出部5の
上流位置に合流した装置、新方式は凝縮水用回収ドレイ
ンポットの出口ガス排出ライン3を検出部5の後流位置
に合流した装置における応答性能を評価した。
m含有させた場合(●)と、HClを含有しない場合
(□)について示した。冷却装置の温度は30℃、ガス
量は3l/min、ガス中の水蒸気濃度は 13.3%
である。
方式のクロロフェノール残存率が35.7%であるのに
対し、新方式ではHCl:202ppmのとき、15.
3%、HCl:0ppmのとき、14.2%であり、ク
ロロフェノールの残存率を約20%低減できた。
横軸に経過時間、縦軸にクロロフェノールの残存率を示
す。ここでは流量調整用弁4の開度を変化した場合の応
答性能を比較した。冷却装置の温度は30℃、冷却装置
入口のガス量は3 l/min、ガス中の水蒸気濃度は
13.8%である。図中の■は弁開度が3/5開の状
態、□は全開の状態である。同じ経過時間でのクロロフ
ェノールの残存率を比較すると、弁開度が3/5開の方
が残存率は小さく応答性能が良い。これは弁開度を小さ
くすると凝縮水用回収ドレインポットの出口ガス排出ラ
イン3を流れるガス量は小さくなり、冷却装置1内の配
管21を流れるガス量は増大する。その結果、配管21
表面に吸着したクロロフェノールは脱離し易くなり応答
性は向上した。
統図である。本実施例では実施例1の構成から凝縮水用
ドレインポット2が削除されており、凝縮水排出ライン
9は直接、検出器5の後流に導入される。凝縮水用ドレ
インポット2がないため設備費は易くなり、保守点検も
容易になる。
す系統図である。本実施例では実施例1の構成の凝縮水
用回収ドレインポット2の出口ガス排出ライン22を極
力細くすることで、ここを流れるガス量を少なくする。
ここを流れるガス量は配管圧力損失によって決まるの
で、図1で設置していた流量調整用弁4は必要でなくな
る。
示す系統図である。本実施例では凝縮水用ドレインポッ
ト2は冷却槽25により室温以下に冷却する。凝縮水用
回収ドレインポットの出口ガス排出ライン3には流量調
整用弁4が設置されており、該弁4の開度を調節して、
出口ガス排出ライン3を流れるガス量と冷却装置出口弁
14から流れるガス量を制御して検出器5にガスを導入
する。凝縮水19内部及び凝縮水用ドレインポット2表
面に吸着したクロロフェノール及びHClは温度が低い
ため、ガス中に放散しにくくなり、検出器5へ流入する
量は低減し、応答速度は向上する。
示す系統図である。本実施例では、冷却装置1内部に2
系列の冷却配管が設置された場合である。1系列目では
冷却器入り口弁12から流入するガスを冷却し、2系列
目では1系列での凝縮水用ドレインポットからの出口ガ
スを冷却した状態で検出器5に流入するガス中のクロロ
フェノール及びHClを低減する。これにより、応答速
度及び分析精度が向上した。
させハロゲン化物を除去するための冷却装置を分析装置
に設けた場合に、該冷却装置からの凝縮水を回収するド
レインポットから飛散するクロロフェノールを分析装置
の検出器に影響がない位置に流通し、また冷却装置内部
の配管に吸着したクロロフェノールが脱離し易いように
流量を設定することにより、クロロフェノールに対する
応答速度の優れたガス中の微量成分分析装置を提供す
る。
系統図である。
を示す。
系統図である。
系統図である。
系統図である。
系統図である。
系統図である。
凝縮水用回収ドレインポット出口ガス排出ライン、4…
流量調節弁、5…検出器(イオン源)、6…第2ドレイ
ンポット、7…クロロフェノール分析装置、8…分析用
排気ブロワ、9…凝縮水排出ライン、10…標準物質発
生器、11…標準物質導入ライン、12…冷却装置入口
弁、13…冷却装置バイパス弁、14…冷却装置出口
弁、15…脱塵装置、16…サンプリングボックス、1
7…燃焼装置、18…煙道、19…凝縮水、20…スパ
イラル設置用配管、21…冷却器出口配管、22…極細
型凝縮水用回収ドレインポット出口ガス排出ライン、2
3…イオン化部導入ライン、24…イオン化部バイパス
ライン、25…冷却槽。
Claims (5)
- 【請求項1】ガス中の水蒸気を冷却して水分とする冷却
装置を備え、該冷却装置には前記水分にハロゲン化物を
溶解し該ハロゲン化物を滞留するドレインポットが連結
され、該ドレインポットからの排出ガスを検出器より後
流位置へ合流させる流路を有することを特徴とするガス
中の微量成分分析装置。 - 【請求項2】ガス中に含まれる微量の有機化合物を分析
する微量成分分析装置において、前記ガス中の水蒸気を
冷却して水分を生成させ、該水分中にハロゲン化物を溶
解させて該ハロゲン化物を除去する前処理手段を有し、
前記水分を回収するドレインポットからの排出ガスが前
記微量成分分析装置の検出器より後流位置へ合流する流
路を有することを特徴とするガス中の微量成分分析装
置。 - 【請求項3】請求項1又は2において、前記冷却して生
成した水分を直接、配管を通じて前記分析装置の検出器
より後流位置へ排出する流路を有するガス中の微量成分
分析装置。 - 【請求項4】請求項1又は2において、前記ドレインポ
ットからの排出ガスの流路に、流出ガス量を調整する流
量調節弁を設置したガス中の微量成分分析装置。 - 【請求項5】燃焼装置で発生したガス中に含まれる微量
の有機化合物を微量成分分析装置を用いて分析する方法
において、前記ガス中の水蒸気を冷却して水分を生成さ
せ、該水分中にハロゲン化物を溶解させ、該ハロゲン化
物を除去する前処理手段を有し、前記水分を回収するド
レインポットを室温以下に冷却した状態で分析すること
を特徴とするガス中の微量成分分析方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000259763A JP3530119B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | ガス中の微量成分分析装置及びそれを用いた分析方法 |
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Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002071668A JP2002071668A (ja) | 2002-03-12 |
JP3530119B2 true JP3530119B2 (ja) | 2004-05-24 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2000259763A Expired - Lifetime JP3530119B2 (ja) | 2000-08-29 | 2000-08-29 | ガス中の微量成分分析装置及びそれを用いた分析方法 |
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Country | Link |
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-
2000
- 2000-08-29 JP JP2000259763A patent/JP3530119B2/ja not_active Expired - Lifetime
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Publication number | Publication date |
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