JP2001240607A - ヘパリン解重合法、解重合ヘパリン、その誘導体および医薬組成物 - Google Patents
ヘパリン解重合法、解重合ヘパリン、その誘導体および医薬組成物Info
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Abstract
によって得られる新規な解重合ヘパリンおよびそのアミ
ド化誘導体に関する。また、本発明は、解重合ヘパリン
およびそのアミド化誘導体を有効成分とする医薬組成物
に関する。 【解決手段】 還元性金属および金属酸化物を用いるこ
とを特徴とするヘパリンの解重合方法、およびこの工程
を含むヘパリンの解重合方法、この解重合方法によって
得られた解重合ヘパリン、さらにアミド化された解重合
ヘパリン、これらの解重合ヘパリンまたはアミド化解重
合ヘパリン誘導体を含む、抗血液凝固剤、腎疾患治療
剤、血小板凝集抑制剤、ラジカルスカベンジャー剤、メ
サンギウム細胞増殖抑制剤および補体活性抑制剤を提供
する。
Description
法、この解重合法によって得られる新規な解重合ヘパリ
ンおよびそのアミド化誘導体に関する。また、本発明
は、解重合ヘパリンおよびそのアミド化誘導体を有効成
分とする医薬組成物に関する。
リン(HE)は主として肥満細胞内の顆粒中に存在する平
均分子量15000〜20000の酸性ムコ多糖類の硫
酸エステルである。ヘパリンは血漿中のアンチトロンビ
ンIII(以下、ATIIIと称す)と結合することにより、X
a因子との結合能が増強し、Xa因子を阻害する。また、
プロトロンビンからトロンビンへの変換を抑制するため
に強い抗凝固活性を有している。
血液凝固症候群(DIC)の治療、種々の血栓塞栓症(静脈血
栓症、心筋梗塞症、肺塞栓症、脳塞栓症、四肢動脈血栓
塞栓症、術中・術後の血栓塞栓症など)の治療および予防
のほか、血液透析・人工心肺などの体外循環装置使用時
や血管カテーテル挿入時または輸血および血液検査の際
などにおける血液凝固の防止に用いられている。
用)も併せ持つことから、血液凝固時間の延長に伴い出
血傾向も顕著となることが危惧される。そのため、出血
性病変を有する症例や、術直後の透析患者に対しては局
所ヘパリン化法あるいは減ヘパリン化法などの手段によ
り、これを防ぐ工夫が試みられているが、安全性、簡便
性等に問題がある。
者の増大・透析療法の長期化等に伴い、血小板機能の活
性化、血小板減少症、血管壁のリポ蛋白リパーゼの遊離
促進による中性脂質分解作用、カルシウムとの親和性に
基づく骨粗鬆化等の副作用が報告されている。さらに、
ヘパリンの血中半減期は約60分であるため、体外循環
装置使用時の血液凝固防止剤として投与する場合には、
過量のヘパリンが血中に残存するという問題点がある。
また、血液透析は通常4〜5時間を要することから、適
正な血中ヘパリン濃度の維持に注意を払う必要があり、
血中からヘパリンが消失するのを防ぐために、透析中に
ヘパリンを補給ないしは持続投与しなければならないと
いう煩雑さがあった。
Cの治療には、メシル酸ガベキサートやメシル酸ナファ
モスタットなどの蛋白分解酵素阻害剤も用いられている
が、これらの薬剤は、代謝産物であるグアニジン化合物
によって消化器障害が発現する。さらに、分子量が小さ
くダイアライザーから透析除去されるため、回路内凝
血、特にダイアライザー後の静脈側ドリップチャンバー
内で凝血が発生する。
ル酸ナファモスタットをはじめとする薬剤は、出血傾向
の増大という重篤な副作用が発現する恐れがある。しか
しながら、特に血液透析・人工心肺などの体外循環装置
使用時の血液凝固防止には欠かせない薬剤であり、また
代替すべき適当な他の薬物もないことから、ある程度の
危険性を承知の上で使用せざるを得ないのが現状であっ
た。
ポ蛋白リパーゼ活性化作用、抗血小板凝集作用、血圧低
下作用、抗補体作用および癌転移抑制作用などの多くの
生理活性を有することが知られている。しかしながら、
抗凝固活性に伴う出血傾向があまりに強いため、抗凝固
目的以外に用いることはできなかった。
ンの基本となる5つの糖(化1)に左右されており、特に
ヘパリンの基本5糖構造中の硫酸基と様々な生物活性
は、よく調べられている。例えば、下記の3−O−硫酸
はATIII結合性の5糖のみに存在し、3および5のN
−硫酸、1の6−O−硫酸とともにATIIIに結合する
ために必須である。また、4の2−O−硫酸、5の6−
O−硫酸は、ATIIIとの結合に絶対必要とは言えない
が、最大活性発現には重要である。また、Ca2+結合活
性はO−硫酸の存在にかかわらず、N−硫酸基に依存
し、抗細胞増殖活性は、分子サイズと電荷(SO4 2-)に
依存している。さらにヘパリンコファクターIIにおける
トロンビン阻害活性の強さは、結合硫酸の置換位置に関
係なく、結合硫酸の総量に依存するものと考えられる。
であり、アミノ糖(ヘキソサミン)であるD-グルコサミン
およびウロン酸であるD-グルクロン酸またはL-イズロン
酸から成っている。多くのグルコサミン残基は、N−ア
セチル化ではなくN−硫酸化されている割合が多い。し
かも単一のヘパリン鎖中でも硫酸基の割合にかなりの変
動がある。ヘパリンの繰り返し単位はβ(1→4)結合で
あり、D-グルコサミンにD-グルクロン酸(あるいはL-イ
ズロン酸)が、結合したものからなる。
キソサミンはヘパリンが有する様々な生物活性に影響を
与える因子として重要であり、中でも硫酸基の割合、残
存硫酸基の位置は、抗凝血活性や癌転移抑制作用に関与
しているものとして報告がある(J. Riesenfeld, et al.
; J. Biol. Chem., 256, 2389, 1981、U. Lindahl, et
al. ; J. Biol. Chem., 258, 9826, 1983、T. Irimura,
et al. ; Biochemistry, 25, 5322, 1986)。
均分子量約5,000ダルトンの低分子量分画である低
分子ヘパリンに、血液凝固第Xa因子に対する阻害活性
と活性化部分トロンボプラスチン時間に対する延長作用
の比(抗Xa活性/APTT)の増大が確認され、出血傾
向が比較的少ない薬剤として使用されつつある。現在ま
でにヘパリンを亜硝酸分解して得られた低分子ヘパリン
のナトリウム塩であるダルテパリンナトリウム、および
過酸化水素による解重合で得られた低分子ヘパリンのナ
トリウム塩であるパルナパリンナトリウムが上市されて
いる。
1)抗血栓作用(抗Xa活性)/出血誘発作用(抗IIa活性)
の比率が高く、出血の危険性が少ない。2)血中半減期
が長い(持続投与をせずに単回投与でよい)。3)脂質代
謝・血小板に対する影響が少ない。4)血漿蛋白により
中和される程度が低い。5)皮下注射時のバイオアベイ
ラビリティーが高い等、その他様々な生理活性を有して
いる。
が有する優れた薬理作用を損なうことなく、該ヘパリン
類特有の副作用を克服すべく鋭意研究した結果、平均分
子量8,500〜9,500を有する中分子ヘパリン画分
およびそのアミノ酸誘導体が、その目的に沿った性質を
備えていることを見い出した(特願平8−36693
号)。
リンなどの分画ヘパリン類を得るには、1)ヘパリンか
らの抽出、2)化学的合成、3)ヘパリンの解重合(分解)
などの方法が知られている。しかしながら、1)の抽出
法は生産効率が悪く、特に低分子ヘパリン画分はヘパリ
ン全体の僅か数%しか存在しないため実用的ではない。
2)の化学的合成法も収率は低く、製造コストが高い。
ゆえに、現在では、3)のヘパリンの解重合によって分
画ヘパリンを取得する方法が主流となっている。
硝酸分解法、過酸化物分解法、酵素(ヘパリナーゼ)分解
法が知られており(E. Holmer, ed. by D. A. Lane, U.
Lindahl, Arnold London, 1989, 575、C. P. Dietriche
t al. ; Academic Press, New York, 1980, 317)、これ
らの方法でヘパリンを解重合した後、濾過クロマトグラ
フィーなどの手段を用いて目的の分子量を有する分画ヘ
パリンを調製するのが一般的である。
解重合(分解)によって得ることができ、分画ヘパリンの
薬理活性は、低分子ヘパリンとヘパリンとの間には、硫
酸含量や基本構造には、あまり差が見られないものの
(J. I. Nielsen, et al. ; Ostergaard, Acta chir. Sc
and. Suppl., 543, 52, 1988)、分子量、解重合方法の
違いや解重合により得られたヘパリンの末端化学構造の
違いによって異なり、数種の低分子ヘパリンが上市され
ている。
あり、その反応機構も様々である。そのため、ヘパリン
を解重合して分画ヘパリンを取得するという目的は同一
であっても、使用する試薬や反応条件如何によってその
分画ヘパリンの分子量や開裂した部位の末端構造は影響
を受けて異なり、薬理活性(アンチトロンビンIII親和性
等)や臨床使用時の抗凝固能等にも大きな差となって現
れることになる。
応は、いずれの手段も何らかの不都合が存在するのが実
状である。すなわち、亜硝酸を使用した解重合方法にお
いては(特公昭63−44764、特公平2−3108
1)、温度、pH等が正確に制御されなければならず、酢
酸ナトリウム等のアルカリ性薬品で反応を停止させるこ
とが必要である。また、多数の汚染物、特に未反応の亜
硝酸により生じた亜硝酸塩および硝酸塩を含有する解重
合混合物が生成する。従って、治療に使用する前に補助
段階を付加し、精製しなければならない。過酸化水素等
の過酸化物を使用した解重合方法においては(特公平4
−42401)、オートクレーブを用いて約1〜2気圧
の圧力下で加熱しなければならず操作が極めて危険かつ
煩雑である。
法においては(特公平2−31721)、酵素の安定性、
基質の分解温度のコントロール等の問題がある。これら
の改良法も散見されるが、いずれも操作がさらに煩雑と
なり、大量生産には適していない。また、いずれの方法
においても、反応終了を自在にコントロールするのが困
難であり、結果的に幅広い分子量分布となることから、
目的の分子量を有する分画ヘパリンを選択的に製造する
ことができなかった。
反応し、かつ反応を任意に停止させることができる解重
合方法が望まれており、さらに、生成した分画ヘパリン
がヘパリンよりも優れた活性を有する物質であることが
必要であった。
い抗凝固剤およびそれを得るための方法について検討し
た結果、ヘパリンが有する副作用を減少させ、かつヘパ
リンと同等あるいはそれ以上の生物活性を有する、中分
子ヘパリンおよび中分子ヘパリン誘導体を得るために、
新規合成方法を開発した。本発明の方法によれば、ヘパ
リンの低分子化の割合を反応時間あるいは試薬の量によ
って制御できる。
属および金属酸化物を用いることを特徴とするヘパリン
の解重合方法である。
に溶解し、これに還元性金属および金属酸化物を加え、
激しく攪拌した後、脱塩することにより時間依存的に効
率よく特定の平均分子量を有する分画ヘパリンを得るこ
とができる。この反応によれば、反応時間により効率よ
く目的の分子量を有する解重合ヘパリンを高い収率で得
ることができる。
リンを約pH6〜8の緩衝液に溶解し、ついで、(2)該
溶解液に還元性金属および金属酸化物を添加した後、反
応液を処理する工程を含む。試薬の量にかかわらず、経
時的的に低分子化されるが、強いていえばヘパリン、還
元性金属および金属酸化物の重量比は、ヘパリン:還元
性金属:金属酸化物=1:0.01〜1:0.005〜5
である。
(a)約pH3〜5.5に調製し、(b)臭化ヘキサデシル
トリメチルアンモニウムを添加する工程、および(c)ヨ
ウ化ナトリウムのエタノール溶液を添加する工程を含む
ことができる。
られ、紫外吸収スペクトルにて250nm〜330nm
の間に吸収を示す解重合ヘパリンである。
2,000〜13,000ダルトンの範囲にあり、大部分
は約5,000〜10,000ダルトンの解重合中分子ヘ
パリンである。
て250nm〜330nmの間に吸収を示し、(2)硫酸
基含量が20〜40%、(3)ウロン酸含量が20〜45
%、(4)ヘキソサミン含量が10〜50%である解重合
ヘパリンである。
をアミン化合物を用いてアミド化する、アミド化解重合
ヘパリンの製造方法である。用いられるアミン化合物は
好ましくは第1級アミンである。
本発明によって得られた解重合ヘパリンを約pH2〜6
の緩衝液に溶解する工程、(2)アミン化合物を添加する
工程、(3)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロ
ピル)カルボジイミド塩酸塩(EDC)を添加する工程を
含む。
化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを添加する工
程、(b)ヨウ化ナトリウムのエタノール溶液を添加、
(c)アルカリ化剤を添加する工程、および(d)約pH3
〜6.5に調整する工程をこの順序で含むことができ
る。
られ、平均分子量が約2,000〜18,000ダルトン
である、アミド化解重合ヘパリンである。大部分は約
5,000〜15,000ダルトンのアミド化解重合中分
子ヘパリンである。また、アミド化解重合ヘパリンは、
(1)硫酸基含量が20〜40%、(2)ウロン酸含量が2
0〜45%、(3)ヘキソサミン含量が5〜50%であ
る。
ミド化解重合ヘパリン誘導体化した化合物が医薬品とし
て有用であることも見いだした。特に、本発明の実施例
で得られたMHE−FSおよびMHE−FSの誘導体
は、平均分子量が約7000〜12000であるので、
低分子ヘパリンのようにダイアライザーから漏出する恐
れがなく有用である。また、本来ヘパリンが有している
各種の生理活性を損なうことなく、出血傾向を軽減する
ことができるため、従来、重篤な副作用ゆえに適用でき
なかった種々の疾病に対しても有効に使用することがで
きる。
合ヘパリンまたはアミド化解重合ヘパリンを含む医薬組
成物であり、具体的には抗凝固剤、腎疾患治療剤、血小
板凝集阻害剤、ラジカルスカベンジャー剤、メサンギウ
ム細胞増殖抑制剤または補体活性抑制剤である。
アミド化ヘパリン誘導体の略号を以下に示す。 HE:ヘパリン FSまたは−FS:本発明で得られた新規ヘパリンまた
はアミド化ヘパリン誘導体であることを示す接頭語また
は接尾語 MHE−FS:中分子ヘパリン FSF:中分子ヘパリニルフェニルアラニン FSR:中分子ヘパリニルアルギニン FSD:中分子ヘパリニルアスパラギン酸 FSM:中分子ヘパリニルメチオニン FSS:中分子ヘパリニルセリン FSBC:中分子ヘパリニルベンジル-L-システイン FSAMC:中分子ヘパリニル-2-アミノ-4-メチルチ
オフェン-3-カルボン酸 FSBCK:中分子ヘパリニルベンジロキシカルボニル
-L-リジン FSPA:中分子ヘパリニル-L-フェニルアラニノール FSPEA:中分子ヘパリニル-R-フェニルエチルアミ
ン FSLPG:中分子ヘパリニル-L-フェニルグリシン FSDPG:中分子ヘパリニル-D-フェニルグリシン FSTR:中分子ヘパリニルタウリン
パリン誘導体としては、FSAMC、FSBCK、FS
PA、FSLPG、FSPEAおよびFSDPGであ
る。
合ヘパリン誘導体としては、FSF、FSDPGおよび
FSLPGである。
解重合ヘパリン誘導体としては、FSF、FSBC、F
SBCK、FSDPGおよびFSLPGである。
アミド化解重合ヘパリン誘導体としては、FSF、FS
R、FSD、FSM、FSS、FSBC、FSAMC、
FSBCK、FSPA、FSPEA、FSLPG、FS
DPGおよびFSTRである。
いアミド化解重合ヘパリン誘導体としては、FSF、F
SLPGおよびFSDPGである。
重合ヘパリン誘導体としては、FSF、FSBCK、F
SBC、FSM、FSTR、FSD、FSLPGおよび
FSDPGである。
パリンをリン酸緩衝液(pH=7.2)で溶解し、これに還
元性金属(例えば、鉄、銅粉末等)および金属酸化物(例
えば、カラムクロマト用シリカゲル等)を加え、激しく
攪拌した後、脱塩することにより経時的に効率よく特定
の平均分子量を有する解重合ヘパリンを得ることができ
る。
有するものであれば特に制限はないが、銅、鉄、亜鉛、
マグネシウム、スズ、アルミニウム等が好適に用いられ
る。金属は表面積を大きくする意味から粉末状で用いる
のが好ましい。これらの金属は単独であるいは混合物と
して用いられる。より好ましくは、銅および鉄またはそ
れらの塩であり、最も好ましくは鉄またはその塩であ
る。
化物は、例えば、酸化ケイ素(二酸化ケイ素を含む)、
酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化硫
黄、酸化ウラン、酸化オスミウム、酸化カドミウム、酸
化カルシウム、酸化金、酸化銀、酸化クロム、酸化ゲル
マニウム、酸化コバルト、酸化ジルコニウム、酸化水
銀、酸化スズ、酸化ストロンチウム、酸化セレン、酸化
タングステン、酸化タンタル、酸化チタン、酸化鉄、酸
化テルル、酸化銅、酸化トリウム、酸化鉛、酸化ニオ
ブ、酸化ニッケル、酸化白金、酸化バナジウム、酸化バ
リウム、酸化ビスマス、酸化ヒ素、酸化ベリリウム、酸
化ホウ素、酸化マグネシウム、酸化マンガン、酸化モリ
ブデン、酸化ヨウ素、酸化リチウム、酸化リン、酸化ル
テニウム、酸化レニウム、酸化パラジウム等が好適に用
いられる。酸化ケイ素が特に好ましく、この酸化ケイ素
としてカラムクロマトグラフィー用充填剤として市販さ
れているシリカゲルを用いることができる。
合成 さらに、本発明の製法により得られる解重合ヘパリンを
アミド化してアミド化誘導体の合成を行う。解重合によ
って得られた新規の中分子ヘパリン(以下、MHE−F
Sと称す)を誘導体化してMHE−FSのアミド化誘導
体の合成を行うことができる。すなわち、MHE−FS
および各種誘導体化エステル試薬を酸性条件下、1-エ
チル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(EDC)を加えることにより反応を行う。反応
終了後、4級アンモニウム塩とし、さらにアルカリ条件
下で加水分解を行い、目的とする各種MHE−FSのア
ミド化誘導体を合成する。
級アミン化合物および第二級アミン化合物を挙げること
ができ、合成物、天然物を問わない。第一級アミン化合
物としてはアミノ基を有する化合物で有れば特に制限は
ない。第一級アミン化合物および第二級アミン化合物と
して、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシ
ン、イソロイシン、フェニルアラニン、チロシン、セリ
ン、トレオニン、システイン、メチオニン、アスパラギ
ン酸、アスパラギン、グルタミン酸、グルタミン、リジ
ン、アルギニン、ヒスチジン、トリプトファン、プロリ
ンなどのα−アミノ酸またはその誘導体が好適に用いら
れる。これらのアミノ酸はD体、L体またはDL体のいずれ
でもよい。
は、L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩、L-アス
パラギン酸ジメチルエステル塩酸塩、L-メチオニンメチ
ルエステル塩酸塩、L-セリンメチルエステル塩酸塩、L-
アルギニンメチルエステル二塩酸塩、2-アミノ-4-メ
チルチオフェン-3-エチルエステル、L-フェニルアラニ
ノール、R-(+)-フェニルエチルアミン、L-2-フェニル
グリシンメチルエステル一塩酸塩、S-ベンジル-L-シス
テイン、N−ベンジロキシカルボニル-L-リジン、D-2-
フェニルグリシンメチルエステル一塩酸塩、またはアミ
ノエタンスルホン酸である。
リニルフェニルアラニン(以下、FSFと称す)、中分子
ヘパリニルアスパラギン酸(以下、FSDと称す)、中分
子ヘパリニルメチオニン(以下、FSMと称す)、中分子
ヘパリニルセリン(以下、FSSと称す)、中分子ヘパリ
ニルアルギニン(以下、FSRと称す)、中分子ヘパリニ
ル-2-アミノ-4-メチルチオフェン-3-カルボン酸(以
下、FSAMCと称す)、中分子ヘパリニル-L-フェニル
アラニノール(以下、FSPAと称す)、中分子ヘパリニ
ル-R-フェニルエチルアミン(以下、FSPEAと称
す)、中分子ヘパリニル-L-フェニルグリシン(以下、F
SLPGと称す)、中分子ヘパリニルベンジル-L-システ
イン(以下、FSBCと称す)、中分子ヘパリニルベンジ
ロキシカルボニル-L-リジン(以下、FSBCKと称
す)、中分子ヘパリニルタウリン(以下、FSTRと称
す)および中分子ヘパリニル-D-フェニルグリシン(以
下、FSDPGと称す)が得られる。これらの中分子ヘ
パリンのアミド化誘導体は新規化合物である。
な生物活性については既述したとおりであるが、結合硫
酸基含量は変化させることができる。
ころであるが、下記に一般的な方法を示す。まず、MH
E−FSまたはMHE−FSのアミド化誘導体約100
mgに−4℃にて95%硫酸20mLおよびクロロスルホン
酸10mLを加える。次に適当な時間、例えば約1時間撹
拌した後、室温に戻し、更に約1時間撹拌する。その後
−4℃の冷ジエチルエーテル50mLを加え、沈殿物を濾
取する。該沈殿物を精製水に溶解し、0.5N NaOH
で中和する。脱塩した後減圧濃縮を行い、硫酸基増加型
MHE−FSまたはMHE−FSのアミド化誘導体を得
ることができる。
ころであるが、下記に一般的な方法を示す。まず、MH
E−FSまたはMHE−FSのアミド化誘導体約3gを
精製水25mLに溶解する。該溶解液をDowex 50W-X8(H
+、20〜50mesh)カラムに供す。カラム溶出液と洗浄液を
合わせ、冷却下にてピリジンを加え、pH=5.5〜6.
0に調製した後濃縮する。得られたMHE−FSまたは
MHE−FSのアミド化誘導体のピリジニウム塩にメタ
ノール(該ピリジニウム塩0.9gに対しメタノール10
mL)を加え、全体を湿潤させる。次に撹拌しながらDM
SO 60mLを添加し、完全に溶解させた後、ジオキサ
ン30mLを加える。該溶液をガラス製耐圧容器内で90
℃に加熱する。24時間後室温に戻し開栓する。さらに
ピリジン塩酸塩(ピリジン2gを精製水8mLと混和し、
3N HCl 7.5mLを少量ずつ撹拌しながら添加し
た後、濃縮乾燥する)のジオキサン−DMSO−メタノ
ール(3:6:1 v/v)溶液4mLを添加し、再度密栓し
て36時間、90℃に加熱する。反応終了後、精製水3
00mLを加え、1N NaOHにてpH=9〜9.5に調
製した後、再結晶(エタノール)し乾燥させることによ
り、硫酸基減少型MHE−FSまたはMHE−FSのア
ミド化誘導体を得ることができる。
リンおよびアミド化解重合ヘパリン誘導体は、通常の方
法により製剤化し、注射剤や経口剤として投与すること
ができる。また、解重合ヘパリンおよびアミド化解重合
ヘパリン誘導体には一般に生体内において遊離型と実質
的に同等の生理活性または薬理活性を発揮するもの、例
えば、本発明の化合物の誘導体および医薬的に許容され
る塩、付加塩、水和物などは本発明の技術的範囲に含ま
れるものである。また、例えば以下のような投与方法に
よって投与されるが、その投与量あるいは投与速度は、
通常、本剤投与後、全血凝固時間または全血活性化部分
トロンボプラスチン時間を測定しつつ、年齢、症例、適
応領域あるいは使用目的によって決定される。
パリンおよびアミド化解重合ヘパリン誘導体の5000
〜50000ヘパリン単位に相当する量を5%ブドウ糖
注射液、生理食塩液またはリンゲル液1000mLで希釈
し、1分間に20〜30滴前後の速度で静脈内に点滴投
与する。また、静脈内間歇注射法では、解重合ヘパリン
およびアミド化解重合ヘパリン誘導体の2000〜50
000ヘパリン単位に相当する量を4〜8時間毎に静脈
内に注射する。皮下注射・筋肉内注射法では、1回20
00〜10000ヘパリン単位に相当する量の解重合ヘ
パリンおよびアミド化解重合ヘパリン誘導体を4時間毎
に注射する。更に1日1回〜数回の単回投与も可能であ
る。
使用において、人工腎では各患者の適正使用量は透析前
のヘパリン感受性試験の結果に基づいて算出されるが、
全身ヘパリン化法の場合、通常、透析開始に先だって、
1000〜3000ヘパリン単位に相当する量の解重合
ヘパリンおよびアミド化解重合ヘパリン誘導体を投与
し、透析開始後は、1時間当たり500〜1500ヘパ
リン単位に相当する量を間歇的に追加する。局所ヘパリ
ン化法の場合は、1時間当たり1500〜2500ヘパ
リン単位に相当する量を持続注入する。また、人工心肺
灌流時では、術式・方法によって異なるが、通常、15
0〜300ヘパリン単位/kgに相当する量を投与し、更
に体外循環時間の延長に応じて適宜追加投与する。特
に、実施例で得られたMHE−FSおよびMHE−FS
のアミド化誘導体は、平均分子量が約7000〜120
00であるので、低分子ヘパリンのようにダイアライザ
ーから漏出する恐れがなく、有用である。
リン単位/gに相当する量の解重合ヘパリンおよびアミ
ド化解重合ヘパリン誘導体を1日1〜数回服用する。外
用剤の場合は、100〜500ヘパリン単位/gに相当
する量の解重合ヘパリンおよびアミド化解重合ヘパリン
誘導体の軟膏として用いられ、適量を1日1〜数回塗布
またはガーゼ等に延ばして貼付する。座剤の場合は、1
000〜4000ヘパリン単位/gに相当する量の解重
合ヘパリンおよびアミド化解重合ヘパリン誘導体を1日
1〜2回肛門または膣に適用する。
討 ヘパリン(Scientific Protein Laboratories)を50mg
秤取し、これを0.25Mリン酸緩衝液4mL(pH7.2)で
溶解し、鉄粉末(Fe)を20または40mg(和光純薬製)
およびワコーゲル(シリカゲル)(SiO2)12.5、2
5、50または100mg(和光純薬製)を加え、室温で密
栓して激しく撹拌した。0、0.5、1、2、3、4、
5および6時間後、反応物を濾過後、HPLCに供し、
ヘパリンの推定分子量の経時的変化を測定した。その結
果を図1に示した。
量にかかわらず経時的に低分子化されており、6時間の
反応で平均分子量4,000〜5,000に低分子化され
ていた。
画の確認は、MHE−FSを蒸留水にて溶解し、次の条
件により、分子量の分画を行った。検出器:RID-10A
(島津製作所製)、光散乱検出器:mini dawn(Wyatt tech
nology)、カラム:Shodex OHpak SB-5003(昭和電工
製)、ガードカラム:Shodex OH pak SB-5000G(昭和
電工製)。スタンダードにはポリエチレングリコール1
0,000(Mw.Av.=10,000、ALDRICH)、#6,00
0(Mw.Av.=8,500、東京化成)、#4,000(Mw.A
v.=3,000、東京化成)および#1,540、(Mw=
1,450、関東化学)を用い、検量線を作成し、分子量
分画部分を確認した。
節することで特定の分子量を有するヘパリンを合成でき
ることが明らかとなり、今回、これらの方法のうち比較
的安定して反応が進行し、また、必要最小限の試薬を用
いる方法(ヘパリン:Fe:SiO2=5:2:1.25)
で、大量のMHE−FS(中分子ヘパリン)の合成を行っ
た。
(中分子ヘパリン)の合成 ヘパリン1.0gを0.25M リン酸緩衝液80mL(pH=
7.2)で溶解し、これに鉄粉末400mgおよびワコーゲ
ル250mgを加え、室温で密栓して激しく撹拌した。4
時間後、反応生成物をセライト(和光純薬製)で濾過し、
濾液を酢酸でpH=4.5に調製し、5%臭化ヘキサデシ
ルトリメチルアンモニウム水溶液をアンモニウム塩の沈
澱物が生じなくなるまで加えた。次にこの沈澱物を遠心
により完全に分離した後、沈澱物に5%ヨウ化ナトリウ
ムのエタノール溶液(50mL)を加え、1時間撹拌後に濾
過し、沈澱をエタノールで再結晶を行い粗MHE−FS
を得た。これを蒸留水に溶解し、HPLCに供し、分子量
5,000〜10,000の分画を分取した。減圧濃縮し
た後、エタノールで再結晶し、MHE−FS(720mg)
を得た。その結果、約70%の収率で目的とするMHE
−FS(中分子ヘパリン)が合成できた。
製)を用いて赤外線吸収(IR)スペクトルの測定を行っ
た。試料の調製はKBr錠剤法により行った。すなわ
ち、ヘパリンおよびMHE−FSを約3mg秤量し、KB
r約100mgを混ぜ合わせ、ハンディープレスでペレッ
トを作製しIRスペクトルの測定を行った。
を用いて紫外線吸収(UV)スペクトルの測定を行った。
ヘパリンおよびMHE−FSを1mg秤量し、蒸留水で、
1mg/mLの濃度に調製しUVスペクトルの測定を行っ
た。
パリンおよびMHE−FSをD2Oに溶解し、1H NMRス
ペクトルの測定を行った。
ペクトルではヘパリンと略同一であったが、UVスペク
トルで290nmに極大吸収が認められた(図2)。
合成方法 アミド化誘導体合成のために下記の試薬を用いた(かっ
こ内はアミド化誘導体になった場合の略号を示す)。
二塩酸塩(SIGMA)、L-アスパラギン酸ジメチルエステル
塩酸塩(SIGMA)、L-メチオニンメチルエステル塩酸塩(SI
GMA)、L-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩(Aldri
ch)、L-セリンメチルエステル塩酸塩(半井テスク)、2-
アミノ-4-メチルチオフェン-3-エチルエステル(Lanca
ster)、L-フェニルアラニノール(東京化成)、R-(+)-フ
ェニルエチルアミン(東京化成)、L-2-フェニルグリシ
ンメチルエステル一塩酸塩(Aldrich)、D-2-フェニルグ
リシンメチルエステル一塩酸塩(Aldrich)、アミノエタ
ンスルホン酸(タウリン)(和光純薬)、N−ベンジロキシ
カルボニル-L-リジン(Lancaster)、S-ベンジル-L-シス
テイン(Lancaster)である。
F)の合成 MHE−FS560mgの水溶液15mLにpH=4.75に
おいてL-フェニルアラニンメチルエステル塩酸塩900
mg、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボ
ジイミド塩酸塩(EDC)700mg(半井テスク)の水溶液
5.1mLを徐々に加え、4時間撹拌した後、少量の水お
よび5%臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム(半
井テスク)水溶液をアンモニウム塩の沈澱物が生じなく
なるまで加えた。次にこの沈澱物を遠心により完全に分
離した後、沈澱物に5%ヨウ化ナトリウム(半井テスク)
のエタノール溶液50mLを加え、1時間撹拌後、濾過
し、沈澱をエタノールで再結晶を行うことにより、白色
粉末のヘパリニルフェニルアラニンメチルエステルを得
た。次いで、この化合物に0.1mol/L水酸化ナトリウム
溶液10mLを加えて0〜5℃で窒素気圧下2日間撹拌し
た。反応後反応液に酢酸を加えpH=5とした後、濾過
し、濾液にエタノールを加え生成する白色粉末の中分子
へパリニルフェニルアラニン(以下、FSFと称す)を6
8%の収率で380mg得た。
のアミド化試薬を用いて、上記のFSFの合成方法と同
様に、それぞれFSR、FSD、FSM、FSS、FS
BC、FSAMC、FSBCK、FSPA、FSPE
A、FSLPG、FSDPGおよびFSTRを合成し
た。また、各誘導体の合成収率を表1に示した。
MHE−FSのアミド化誘導体の機器分析 フーリエ変
換赤外分光計FTIR-8200PC型を用いて赤外線吸収(I
R)スペクトルの測定を行った。試料の調製はKBr錠剤
法により行った。すなわち、ヘパリンおよびMHE−F
Sを約3mg秤量し、KBr約100mgを混ぜ合わせ、ハ
ンディープレスでペレットを作製した。そして、以下の
条件によりIRスペクトルの測定を行った。
を用いて紫外線吸収(UV)スペクトルの測定を行った。
各種中分子ヘパリンを1mg秤量し、蒸留水で、0.5mg/
mLの濃度に調製し、UVスペクトルの測定を行った。
パリンおよび新規中分子ヘパリンをD 2Oに溶解し、1H N
MRスペクトルの測定を行った、
果を表2に示した。
およびUVスペクトルのデータ
の絶対分子量測定 ヘパリンのような複雑な構造を有する生理活性物質は、
分子量分布、分子サイズ、レセプターとの親和性などか
ら多様な活性を示すと考えられる。今まで低分子ヘパリ
ンの分子量を測定する際には、分子量スタンダードを使
って校正曲線を作成し、相対的な分子量を求めていたた
めに、精度はスタンダードの品質に依存されていた。ま
た、各スタンダードの分子量は固有粘度や超遠心などを
用いて求めており、そのため各社における低分子ヘパリ
ンの分子量分布が大きく異なっていた。今回、絶対分子
量の測定にSEC/MALLS法(James, E. Knobloch
etal. ; Anal. Biochem., 245, 231-241, 1997)を用
い、ヘパリン、本発明で得られた中分子ヘパリン並びに
各中分子ヘパリン誘導体13種FSF、FSD、FS
M、FSS、FSR、FSAMC、FSPA、FSPE
A、FSLPG、FSBC、FSBCK、FSTRおよ
びFSDPGの絶対分子量を多角度光散乱検出器を用
い、分子排除クロマトグラフ法(SEC/MALLS)にて測定す
るとともに、ヘパリンおよびダルテパリン(キッセイ薬
品、フラグミン注、Lot No 7047AH)との違いを検討
した。なお、本実験の標準物質として単分散で分子量が
明確なpullulan P-10(昭和電工製、Mw.Av.=11,80
0)を用い、絶対分子量の正確性を確認した。その結
果、pullulanは単分散であり、平均分子量は11,76
0であった。ヘパリン、MHE−FS、ダルテパリンお
よびMHE−FSのアミド化誘導体を2.5〜3mg秤取
し、25mg/mLの濃度に調製した。これをHPLCに注
入し、SEC/MALLS法により分子量を測定した。
次の条件で分析を行った。検出器:RID-10A(島津製作
所製)、光散乱検出器:mini dawn(Wyatt technology)、
カラム:Shodex OH pak SB-803HQ(昭和電工製)、ガ
ードカラム:Shodex OH pak SB-G(昭和電工製)。また、
スタンダードについても同様の方法で行った。得られた
データについては解析ソフトASTRAを用いて解析し、そ
れぞれの平均絶対分子量を求めた。
HE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体の分子
量の測定結果を表3(Mw:絶対分子量(重量分子量)、
Mn:数平均分子量)に示す。すなわち、今回使用した
ヘパリンの平均分子量は14,170であり、また、こ
のヘパリンより合成したMHE−FSの平均分子量は、
8,327であった。ダルテパリンの平均分子量は、6,
635であり、MHE−FSと大きく異なっていた。M
w/Mnが1であれば単分散を示し、1より大きくなる
に従って多分散性を示す。測定結果を表3に示した。
C/MALLS 分析
導体に含まれる硫酸基の割合を測定した。標準液として
硫酸アンモニウム0、5、10、25、50、75、1
00μmol/mL(和光純薬)を蒸留水に溶解したものを使用
した。
Sのアミド化誘導体における硫酸基の含量を求めるため
にX軸に硫酸アンモニウム濃度、Y軸に吸光度(500n
m)として検量線を作成した。
mLの濃度に調製し、1、3、5および6時間加水分解
し、硫酸含量を測定した。
Sのアミド化誘導体における硫酸基の含量をK.S.Dodgso
nらの方法(K. S. Dodgson, et al. ; Biochem. J., 84,
106, 1962)に基づいて測定した。ヘパリン、MHE−
FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体を約5mg秤取
し、1mol/Lの塩酸で10mg/mLの濃度に調製した。次に
この溶液100μLを共栓付試験管に移し、ドラフト中
にて沸騰水浴中で、5時間加水分解を行った。加水分解
後、減圧濃縮し、これに0.1mol/Lの塩酸4.5mLを加
え、沈澱をよく溶解した後、3000rpm、10min遠心
した。標準液については各々100μLを共栓付試験管
に採取し、0.1mol/L塩酸4.4mLを加えた。次に標準
液および試料液(遠心上清)を2mLずつ試験管に2本(空
試験用、本試験用)分けて採取し、空試験にはゼラチン
溶液(0.5gのゼラチン(DIFCO)に100mLの蒸留水を
加え、湯浴(60〜70℃)で溶解し、4℃で一晩放置し
たもの)、本試験にはゼラチン-塩化バリウム溶液(左記
のゼラチン溶液50mLに0.5gの塩化バリウム(無水)
(和光純薬)を加え、4時間以上撹拌したもの)を0.25
mL加えよく混合し、室温で20分間放置した後、1時間
以内にUVIDEC 77Σ(日本分光)を用いて500nmで吸
光度を測定した。結果を表4に示した。
酸基含量
合はそれぞれ31.75%および34.52%であったの
に対し、MHE−FSのアミド化誘導体では23.51
〜31.80%であった。従って、ヘパリンおよびMH
E−FSと比較してMHE−FSのアミド化誘導体の硫
酸基の割合が低くなっていることからMHE−FSをア
ミド化誘導体化することによりヘパリンのもつ抗血液凝
固活性が軽減されたと考えられる。
導体に含まれるウロン酸(L-イズロン酸およびD-グルク
ロン酸)を測定した。標準液としてグルクロン酸ナトリ
ウム0、0.05、0.1、0.25、0.5mg/mL(和光純
薬、Lot No ECK4854)を蒸留水に溶解したものを使
用した。
Sのアミド化誘導体におけるウロン酸の含量を求めるた
めにX軸にグルクロン酸ナトリウムの濃度、Y軸に53
0nmにおける吸光度として検量線を作成した。
Sのアミド化誘導体のウロン酸含量をT.Bitterらの方法
(T. Bitter, et al. ; Anal.Biochem., 4, 330, 1962)
を用い、測定した。ヘパリン、MHE−FSおよびMH
E−FSのアミド化誘導体を秤取し、1mg/mLの濃度に
蒸留水を用いて調製した後、これらの試料、ブランク
(蒸留水)および標準物質をそれぞれ200μL共栓付試
験管に採取した。次に室温以上にならないように注意し
ながら氷冷した四硼酸ナトリウム硫酸溶液(四硼酸ナト
リウム十水和物0.95g(和光純薬、Lot No ACN345
6)を氷冷した濃硫酸100mL(キシダ、Lot No ES60
424H)に溶解したもの)3.0mLを試料の入った試験管
に滴下し、さらに、カルバゾール液(カルバゾール12.
5mg(和光純薬、Lot No CAJ0034)を無水エタノー
ル10mLで溶解したもの)を100μL加えた。十分に混
合した後、沸騰水浴中で20分間加熱し、室温まで氷冷
し吸光度(530nm)を島津自記分光光度計 UV-240を
用いて測定した。結果を表5に示した。
ロン酸含量
ン酸)の含量は、FSDPGが43.43%と最も多く含
有しており、他は28〜40%ウロン酸を含有してい
た。
分析 一般にヘキソサミンは、硫酸基およびウロン酸と同様、
ヘパリンのもつ様々な生物活性に影響を与える因子とし
て大変重要であるとされている。一方、このヘキソサミ
ンの測定には、今まで比色分析法が主として使用されて
いたが、微量での分析が困難であった。今回、我々はヘ
キソサミンがアミノ糖であり、ニンヒドリン反応で呈色
することを利用し、微量のMHE−FSおよびMHE−
FSのアミド化誘導体を用い、ヘキソサミン含量の測定
を行った。
(和光純薬、Lot No TPH6525)0、10、100、1
000μg/mLを0.02mol/L塩酸に溶解したものを使用
した。また、測定には日立高速アミノ酸分析計L-850
0形を使用し、アミノ酸クロマトグラフ法で測定した。
分析条件は次の通りである。注入量:30μL、カラ
ム:日立カスタムイオン交換樹脂#2622を内径4.6
mm、長さ60mmのステンレス管に充填したもの、緩衝液
(表6):B1、B2、B3、B4およびB5、反応液:
和光純薬製ニンヒドリン試液L-8500セット、化学
反応槽温度:135℃、検出器:可視部吸光光度計(測
定波長:440nmおよび570nm)。
0セット。ニンヒドリン溶液(1L中、ニンヒドリン0.
22moL、水素化ホウ素ナトリウムおよびプロピレング
リコールモノメチルエーテルを含む)と緩衝液(1L中、
酢酸リチウム二水和物2.0moL、プロピレングリコール
モノメチルエーテルを含む)を等量混合した液。 2)pH9.0のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン
塩酸緩衝液 トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン6
0.57mgを希塩酸32.5mLに溶かし、水を加えて10
00mLとした。 3)0.1Mジトレイトール試液 ジトレイトール77mg
をpH9.0のトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン塩
酸緩衝液に溶かし、5mLとする。 4)酸性ニンヒドリン試液 ニンヒドリン2.5gを氷酢酸に溶かし、塩酸40mLを加
える。用時調製。 5)クエン酸試液 クエン酸一水和物24.2gを量り、水で1000mLとす
る。
Sのアミド化誘導体について各々約100μgを試料用
試験管に秤量し、この試験管を反応バイアル内に入れ減
圧乾燥させた。次に反応バイアル底に加水分解用6mol/
L塩酸(1%フェノール含有)を100μL入れ、減圧下、
反応バイアル内を窒素で置換した後、105℃で18時
間加水分解を行った。乾燥後、試験管を取り出し、0.
02mol/L塩酸100μLを加えてよく混合し、フィルタ
ーで濾過し、濾液を試料溶液とした。この試料溶液につ
いてアミノ酸分析装置を用い、各誘導体におけるヘキソ
サミンの含量を測定した。結果を表7に示した。
キソサミン含量
あり、MHE−FSは約15%であった。また、MHE
−FSのアミド化誘導体では約13〜40%であった。
FSDPGにおいては40%と高い値を示した。
ある。これらの成分は、C、H、O、NおよびSの五種
類の元素から成り立っており、これらの元素の割合がヘ
パリンの持つ薬効を左右している可能性も考えられてい
る。ゆえに、今回合成したMHE−FSのアミド化誘導
体について、一分子中に含まれる個々の元素含量を元素
分析により求めた。元素分析機は、CHN CORDER(柳本製)
を用いた。
導体について約3mg/バイアルを秤取した後、十分に乾
燥させ燃焼法にて各元素(C、H、N、OあるいはS)含
量を測定した。結果を表8に示した。
7.84〜9.72%、酸素含量(O)が52.48〜57.
96%とヘパリンの硫黄含量(10.58%)および酸素
含量(61.25%)と比較して減少していたが、水素含
量(H)、炭素含量(C)および窒素含量(N)は増加してい
た。
れた抗血液凝固剤は浸透圧比が約1(対生理食塩水比)で
あった。
例11と同様にして調製した。得られた抗血液凝固剤は
浸透圧比が約1(対生理食塩水比)であった。
vitroにおける血液凝固系に及ぼす影響を検討した。す
なわち、ヘパリン、MHE−FSおよびMHE−FSの
アミド化誘導体におけるAPTTの延長作用と抗Xa活
性を調べるためにヒト正常血漿(Coagulation Control P
lasma (Normal) Level l:Pacific Hemostasis 製)を用
いて、以下の項目について測定を行った。
(APTT)の測定 APTT測定にはAPTT-テストワコー(APTT-P試
薬、ケファリン)(和光純薬)、Amelung-Coagulometer、
デカベット(エム・シー・メディカル)を使用した。ヒト
正常血漿9容にヘパリン、MHE−FSおよびMHE−
FSのアミド化誘導体あるいはPBS(-)(対照)1容を加え
て被験血漿を調製し、これらの被験血漿100μLに活
性化部分トロンボプラスチン試薬100μLを加え、3
7℃、3分加温後、塩化カルシウム溶液を100μL添
加し、血液凝固時間自動測定器Amelung-Coagulometerを
用いて、凝固するまでの時間を測定した。
学薬品)を使用した。ヒト正常血漿2容にヘパリン、M
HE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体あるい
は緩衝液(50mM 2-アミノ-2-ヒドロキシル-1、3-
プロパンジオール、pH8.4)(対照)2容および緩衝液6
容加えて被験血漿を調製し、これらの被験血漿100μ
Lを37℃で5分間加温した後、ウシ由来Xa試液(7.1
nkat/mL)50μLを加えた。さらに30秒間加温した
後にあらかじめ加温しておいた基質液(N−ベンゾイル-
L-イソロイシル-L-グルタミル-グリシル-L-アルギニル-
p-ニトロアニリド・塩酸塩)100μLを添加し、3分間
加温を続けた後、反応停止液(10%酢酸)950μLを
加え、波長405nmの吸光度で残存するXa因子を測定
した。測定結果を表9に示した。
Xa活性/APTT活性 *: APTTを100秒に延長する濃度
で表した場合、値が大きい程、出血傾向がヘパリンより
軽減されており、例えばMHE−FSでは約2倍軽減さ
れていることになる。また、抗Xa活性を1/ヘパリン比
で表した場合、この値が1より大きい程、抗Xa活性(抗
血栓作用)が、ヘパリンよりも優れていることになる。
従って、抗凝固能の表現方法の一つとして用いられてい
る抗Xa活性とAPTTの延長作用の比(抗Xa活性/AP
TT比)が大きい程、より安全性の高いヘパリン代用薬
としての可能性がある。つまり、ヘパリンを1とした
時、MHE−FSが2.44、FSAMCが2.15、F
SBCKが4.89、FSPAが1.24、FSLPGが
1.27と高い値を示した。このことから、これらの誘
導体は、抗Xa活性が保持されAPTTの延長作用が弱
められた結果、出血助長が少なく、かつ抗血栓作用をも
ったより安全性の高い抗凝固薬として期待される。
体のうち、C末端の官能基の種類(水酸基(FSPA)、
カルボン酸(FSF))ではAPTT活性にほとんど差が
なかったが、抗Xa活性は、水酸基(FSPA)の方がカ
ルボン酸(FSF)の約7倍の活性を示した。また、C末
端の官能基がカルボン酸(FSLPG)と比較してメチル
基(FSPEA)の場合、APTTは、約1/2.5に軽減
されていたが、抗Xa活性は、約1/4に低下していた。
ベンゼン環が、ヘパリンとの結合部位より遠隔になるF
SDPG、FSF、FSBC、FSBCKの順でAPT
Tの延長作用が軽減されていた。さらに天然型のL体と
非天然型のD体を比較するとAPTTはほとんど変わら
ないが、抗Xa活性はL体のほうが約10倍高かった。
す影響 MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体のex
vivoにおける血液凝固系に及ぼす影響を検討した。雄
性マウス(1群3〜5匹)にヘパリンおよびMHE−FS
を0.1、0.3および1.0mg/kg、FSLPGおよびF
SDPGを0.3、1.0、3.0および10.0mg/kg、
その他のMHE−FSのアミド化誘導体を1.0、3.
0、10.0および30.0mg/kg(対照はPBS(-))の用量
で尾静脈内に投与し、投与15分後にエーテルおよびネ
ンブタール麻酔下で腹部大動脈より3.8%クエン酸ナ
トリウム(血液9容に対して1容)を用いて採血し、以下
の項目について測定を行った。
(APTT)の測定 APTT測定にはAPTT-テストワコー(APTT-P試
薬、ケファリン)(和光純薬)、Amelung-Coagulometer、
デカベット(エム・シー・メディカル)を使用した。採血
した血液より得た血漿100μLに活性化部分トロンボ
プラスチン試薬100μLを加え、37℃、3分加温
後、塩化カルシウム溶液を100μL添加し、血液凝固
時間自動測定器Amelung-Coagulometerを用いて、凝固す
るまでの時間を測定した。
学薬品)を使用した。採血した血液より得た血漿2容に
緩衝液(50mM 2-アミノ-2-ヒドロキシル-1、3-プ
ロパンジオール、pH8.4)8容加えて被験血漿を調製
し、この被験血漿100μLを37℃で5分間加温した
後、ウシ由来Xa試液(7.1 nkat/mL)50μLを加え
た。さらに30秒間加温した後にあらかじめ加温してお
いた基質液(N−ベンゾイル-L-イソロイシル-L-グルタ
ミル-グリシル-L-アルギニル-p-ニトロアニリド・塩酸
塩)100μLを添加し、3分間加温を続けた後、反応停
止液(10%酢酸)950μLを加え、波長405nmの吸
光度で残存するXa因子を測定した。結果を表10に示
した。
抗Xa活性/APTT活性 *: APTTを100秒に延長する投与量
パリン比で表した場合、値が大きい程、出血傾向がヘパ
リンより軽減されている。また、抗Xa活性を1/ヘパリ
ン比で表した場合、この値が1より大きい程、抗Xa活
性(抗血栓作用)が、ヘパリンよりも優れていることにな
る。従って、抗凝固能の表現方法の1つとして用いられ
ている抗Xa活性とAPTTの延長作用の比(抗Xa活性/
APTT比)が大きい程、より安全性の高いヘパリン代
用薬としての可能性がある。つまり、ヘパリンを1とし
た時、FSAMCが1.91、FSPAが2.14、FS
PEAが1.81、FSLPGが2.48、FSBCKが
2.22と、高い値を示した。すなわち、これらの誘導
体については、臨床においてヘパリンより安全性の高い
抗凝固薬としての応用が期待される。
体の内、C末端の官能基の種類(水酸基(FSPA)、カ
ルボン酸(FSF))ではin vitroでの結果と同様、AP
TT活性にほとんど差がなかったが、抗Xa活性は、水
酸基(FSPA)の方がカルボン酸(FSF)の約7倍の活
性を示した。また、C末端の官能基がカルボン酸(FS
LPG)と比較してメチル基(FSPEA)の場合もin vi
troでの結果同様、APTTは、約1/3に軽減されてい
たが、抗Xa活性は、約1/4.5に低下していた。天然
型のL体(FSLPG)と非天然型のD体(FSDPG)を
比較するとAPTTの延長はD体では、L体と比較して
約1/3に軽減されているが、抗Xa活性はL体のほうが
約10倍高い活性を示していた。
romycin aminonucleoside(PAN)腎症に及ぼす影響を
検討した。
110mg/5mL/kgの用量でラットに1回腹腔内投与する
ことによりPAN腎症を惹起した。PAN腎症惹起1、
4、7、10および14日後にラットに水道水25mL/k
gを経口投与した後、代謝ケージ(CT-10型、日本クレ
ア)に収容し、絶食・給水下の条件で16時間採尿を行
った。採取した尿は尿量を計測し、尿中蛋白濃度をマイ
クロTPテストワコー(和光純薬)を用いて測定し、尿蛋白
排泄量/日を算出した。
静脈内投与し、メチルプレドニゾロン(注射用メプレド
ロン、富士レビオ、MP)は10mg/5mL/kgの用量で経口
投与した。投与期間はPAN投与30分前および投与1
日後より1回/日、連日14日間とした。
した。各群の動物数は6〜7匹とした。また、陽性対照
物質はMPを添付溶解液(全量2mL)に溶解した後、PBS
(-)で希釈し2mg/mLの濃度に調製し使用した。
照群と試験物質投与群間については多重比較検討を行っ
た。まずLevene法で各群の分散の一様性を検定し、等分
散の場合には一元配置分散分析を、不等分散の場合には
データを順位変換した後Kruskal-Wallis検定を行った
後、Tukey法により検定した。また、対照群と陽性対照
群間についてはt検定を実施した。結果を図3に示し
た。各測定値は1群当たりの動物数6〜7匹の平均値±
S.E.示す。*(P<0.05)、**(P<0.01)におい
て対照との間に有意差が見られた。
4日後に58.6±31.9mg/dayと増加し始め、10日
後に130±24.7mg/日とピークを示し、その後減少
した。これに対して、陽性対照物質であるMP投与群に
おける尿蛋白排泄量はPAN投与7日後以降有意に減少
した(図3A)。FSF1mg/kg投与群においては尿蛋白
排泄量の減少傾向が認められ、3mg/kg投与群の尿蛋白
排泄量はPAN投与10日後において対照群の32%ま
で減少した(図3B)。FSDPG 1mg/kg投与群におい
ては尿蛋白排泄量の減少傾向が認められた(図3C)。F
SLPG 1mg/kg投与群における尿蛋白排泄量は、PA
N投与7および10日後において有意に減少した(図3
D)。ゆえに、FSFおよびFSLPGはPAN腎症に
おける尿蛋白排泄を抑制することが明らかとなったこと
から、急性・慢性糸球体腎炎、ネフローゼ症候群、糖尿
病性腎症、腎硬化症、間質性腎炎、慢性腎盂腎炎、急性
尿細管壊死、通風腎、重金属・薬剤中毒、薬剤による副
作用、尿細管性アシドーシス、腎不全、ループス腎炎等
の腎性蛋白尿をきたす、各種腎疾患の予防・治療剤に応
用できる。
ぼす影響 MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体のラ
ット血小板に対するコラーゲンおよびトロンビン誘発凝
集の影響を検討した。
本製薬)40mg/kg、i.p.麻酔下にてSD系雄性ラットを開
腹し、腹部大動脈を露出した。3.8%クエン酸ナトリ
ウム溶液(診断用チトラミン“フソー”、扶桑薬品)0.
8mLを含む20mLシリンジポンプに18ゲージ注射針を
装着し、腹部大動脈より8mL以上の血液を採取した。採
血後、直ちにクエン酸ナトリウム溶液の添加比率が採血
量の10%となるよう、同溶液をシリンジポンプ内に添
加し、転倒混和した。この血液を低速遠心(650〜7
50rpm、25℃にて20分)し、上清を採取した。これ
を多血小板血漿(PRP)とした。さらに残りの血液を遠心
(3000rpm、4℃にて、10分)し、上清を採取し
た。これを乏血小板血漿(PPP)とした。
し、穏やかに混和した。これを遠心(2300rpm、4℃
にて、10分)し、上清を吸引除去した。沈渣をもとのP
PPとほぼ同量の0.3mmol/L EDTA-2Naを含むトリス塩
酸緩衝生理食塩液(pH 7.4)に懸濁した。再び遠心(2
300rpm、4℃にて、10分)し、上清を吸引除去し
た。沈渣を元のPPPとほぼ同量の0.1%ウシ血清アルブ
ミン(Fraction V、生化学工業)を含むCa2+-freeタイロ
ード(BSA-Tyrode)液に懸濁し、これを洗浄血小板溶液と
した。
響 PRPを測定に使用した。PRPは、多項目自動血球測定装置
にて血小板数をカウントし、いずれも5×105/mLとな
るようPPPにて調製した。対照用のキュベットにPPP、測
定用のキュベットに調製PRP各々180μLを添加した。
添加したキュベットを予め5分間以上37℃で加温した
後、測定を開始した。測定開始1分後にPBS(-)10μL
あるいは種々の濃度の試験物質(ヘパリン、MHE−F
SあるいはMHE−FSのアミド化誘導体)の10μLを
測定用キュベットに添加した。さらに3分後に、血小板
凝集物質として0.4mg/mLコラーゲンの10μL(終濃度
20μg/mL)を添加し、その後10分間測定を行った。
測定開始時におけるPPPの光透過率を100%、調製PRP
を0%とし、凝集物質添加後の光透過率の変化を血小板
凝集率として測定した。コラーゲン(コラーゲンリエー
ジェント“ホルム”、Nycomed Arzneimittel−モリヤ産
業)は試薬に付属のSKFバッファーにて希釈した。血
小板数の測定には多項目自動血球測定装置(K-100
0、日本分光)を、血小板凝集能の測定には血小板凝集
能測定装置(PAM-8C、メバニクス)を使用した。
響 洗浄血小板溶液を測定に使用した。前項と同様に洗浄血
小板溶液の血小板数をカウントし、5×105/mLとなる
ようBSA-Tyrode液にて希釈した。対照用のキュベットに
BSA-Tyrode液、測定用のキュベットに洗浄血小板溶液各
々180μLを添加し、前項と同様に測定を行った。但
し、凝集物質としては40 unit/mLトロンビン溶液の1
0μL(終濃度0.2 unit/mL)を添加した。トロンビン
(トロンビン5,000単位モチダ、持田製薬)はPBS(−)
にて溶解した。
パリン、MHE−FSまたはMHE−FSのアミド化誘
導体の血小板凝集に対する阻害率は以下の式により算出
した。但し、阻害率を算出に用いるデータは、各々同一
個体の血小板より得られたデータとした。
凝集率/PBS(-)添加時の最大凝集率)×100 また測定は、各々異なる個体の血小板を用いて3〜5回
繰り返して行い、その平均値と標準偏差を算出した。ま
た濃度依存的な血小板凝集抑制を示した被験物質につ
き、抑制率が50%の前後となる2〜4用量における直
線回帰式を求め、50%抑制率(IC50)を算出した。
S、FSF、FSR、FSD、FSM、FSS、FSA
MC、FSPA、FSPEA、FSLPG、FSBC、
FSBCK、FSDPGおよびFSTRを使用した。ヘ
パリン、MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘
導体は種々の濃度にPBS(-)を用いて調製し、0.45μm
のフィルター(ザルトリウス)で濾過した後使用した。陰
性対照物質としてPBS(-)を使用した。
集に対してはヘパリンをはじめ、すべての薬物で濃度依
存的な凝集抑制作用が観察されたが、そのIC50は薬物
によって大きく異なっていた。コラーゲン誘発凝集に対
してはFSLPGとFSDPGがヘパリンの作用を上回
る強い抑制作用を示した(表11)。トロンビン凝集に対
してはFSF、FSLPG、FSDPG、FSBCおよ
びFSBCKがヘパリンの作用を上回る強い抑制作用を
示した(表12)。以上の結果より、ヘパリンより強い作
用を示した誘導体は、いずれもヘパリンに替わる抗凝固
剤、DIC治療剤あるいは血小板凝集阻害に基づく腎疾患
治療剤としての応用が期待される。
小板凝集に対するHE、MHE-FSおよびMHE-FSのアミド化誘
導体に対する50%抑制濃度
血小板凝集に対するHE、MHE-FSおよびMHE-FSのアミド化
誘導体に対する50%抑制濃度
FS誘導体のうち、ベンゼン環の配置をMHE−FSと
の結合部位に最も近くしたFSLPGとFSDPGは、
コラーゲンおよびトロンビンによる血小板凝集をともに
強く抑制し、いずれもヘパリン、MHE−FSより強い
作用であった。またFSFおよびベンゼン環の配置を若
干遠くしたFSBCおよび最も遠い配置のFSBCK
は、トロンビン誘発凝集は強く阻害したが、コラーゲン
誘発凝集に対してはヘパリンと同程度(FSF)か約1/
4(FSBC)または1/8(FSBCK)程度弱い作用で
あった。これらの事実は、MHE−FSに結合させる化
合物がベンゼン環とカルボン酸を有することにより、ト
ロンビンによる血小板凝集を強く抑制するようになる
が、コラーゲン誘発凝集については、ベンゼン環の配置
をMHE−FSとの結合部位付近に近づけることによっ
て、強い抑制作用を有するようになることを示唆してい
る。
及ぼす影響 MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体のラ
ジカルスカベンジ作用を検討した。
されている。特に、抗原抗体複合体が関与する腎炎、尿
毒素の一種であるメチルグアニジンが生体に蓄積するこ
とに起因する腎炎においてはフリーラジカルの関与が明
らかにされている(大柳善彦;活性酸素と病気、化学同
人、京都(1984)、大柳善彦;SODと活性酵素調節
剤−その薬理作用と臨床応用−、日本医学館、東京(1
989)、佐中孜他;腎と透析臨時増刊号、122-12
6、東京医学社(1994)、青柳一正他;腎と透析臨時
増刊号、127-134、東京医学社(1994))。
SM、FSS、FSAMC、FSPA、FSPEA、F
SLPG、FSBC、FSBCK、FSDPGおよびF
STRを用いた。調製は各々1mg/mLに培地を用いて調
製した。
in Liu : Atherosclerosis, 83、47-51、199
0)に準じて行った。すなわち、正常ブタ肺動脈血管内
皮細胞(PPA−EC)(大日本製薬)、またはヒトさい帯
動脈血管内皮細胞(HUA−EC)(ダイアトロン)をタイ
プIコラーゲンコーティングフラスコ(75cm2;ファル
コン)で20%ウシ胎児血清(Bio-whittaker)および細胞
増殖添加因子(EGM-2添加因子セット;三光純薬)含有の
M199アール培地(ギブコ)(2mL)により培養した。3
回目の継代時に細胞を1×105 cells/wellの細胞密度
でタイプIコラーゲンコーティング6穴プレート(ファ
ルコン)に分注し、実験を行った。すなわち被験物質(1
mg/mL)を全培地量の1/20容処置し、その後培地で調
製したヒポキサンチン(0.2μM/mL)(シグマ)およびキ
サンチンオキシダーゼ(4U/mL)(ベーリンガーマンハイ
ム)をいずれも全培地量の1/20容ずつ加えてフリーラ
ジカルを発生させ放置した。その、24時間後培地上清
を回収し、EDTA-トリプシン(0.02%-0.25%=1:
1)処理により細胞を回収し、コールターカウンター(コ
ールター社)を用いて生細胞数を計測した。その後被験
物質を適用しない細胞(Normal)の平均生細胞数を100
%としてcell viabilityを算出した。群間の有意性はBa
rtlett法にて分散の均一性を確認した後、Tukey法によ
り検定した。結果を表13に示した。
ゼ処理によるPPA-ECEに対するHE、MHE-FSおよびMHE-FS
のアミド化誘導体の作用 **P<0.01, V.S. PBS.(Tukey's test)
けるcell viabilityは被験物質を適用していない細胞と
比べ、FSPA以外の被験物質処置細胞において有意(P
<0.01;Tukey's test)に高かった(表13)。すなわ
ち、FSPA以外の被験物質においてラジカルスカベン
ジ作用が確認された。
サンギウム細胞(MC)および正常ヒトメサンギウム細胞
(NHMC)に及ぼす影響 MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体のin
vitroにおけるラットメサンギウム細胞(MC)および正
常ヒトメサンギウム細胞(NHMC)増殖抑制作用につい
て検討した。インスリン(Sigma)、L-グルタミン(コスモ
バイオ)、抗生物質としてAntibiotic-antimycotic(GIBC
O)を使用した。試験薬物は300〜3000μg/mLの濃
度に培地を用いて調製し、0.45μmフィルターでろ過
した後使用した。
え、6-wellマイクロプレート(FALCON)に4.0×104c
ells/well播種し、24時間培養した。その後0.4%FC
S(FCS、Biowhittaker)含有RPMI 1640培養液に置換し、
3日間培養した。さらに、10%FCS含有RPMI 1640培養
液に置換し、各試験物質を全容量の1/10容添加し
た。4日後にTrypsin−EDTA液にて細胞をすべてはが
し、コールターカウンターを用いて細胞数を測定した。
結果を図4Aに示した。
ittaker)に加え、6-wellマイクロプレートに細胞数を
3.5×104cells/well播種し、24時間培養した。そ
の後0.4%FCS(FCS、Biowhittaker)含有MsBM培養液に
置換し、3日間培養した。さらに、10%FCS含有MsB
M培養液に置換し、各試験物質を全容量の1/10容添
加した。6日後にTrypsin−EDTA液にて細胞をすべては
がし、コールターカウンターにて細胞数を測定した。結
果を図4Bに示した。
試験物質の評価は、下式に示す抑制率により行った。 抑制率(%)=[1−(試験物質処置時の細胞数−0.4%F
CS含有培養液添加7又は9日後の細胞数/無処置対照の
細胞数−0.4%FCS含有培養液添加7又は9日後の細胞
数)]×100
μg/mLの用量においてMC増殖を用量依存的に31.3
2〜46.05%抑制した。FSF、FSLPGおよび
FSDPG適用群においては30〜300μg/mLの用量
においてそれぞれ用量依存的に抑制し、その抑制率はヘ
パリン適用群と比べてすべての用量において上回った
(図4A)。
mLの用量においてNHMC増殖を用量依存的に57.9
3〜77.27%抑制した。FSFおよびFSDPG適
用群において、それぞれ用量依存的に増殖抑制が見られ
た。またFSF、FSLPGおよびFSDPG各中分子
ヘパリン誘導体適用群においてその抑制率はヘパリン適
用群と比べて上回るものであった(図4B)。以上の結果
より、今回用いたFSF、FSLPGおよびFSDPG
がヘパリンよりも優れた腎メサンギウム細胞増殖抑制作
用を有する化合物であることが明らかとなった。
用に及ぼす影響 MHE−FSおよびMHE−FSのアミド化誘導体のin
vitroにおける補体活性化抑制作用について検討した。
球、デンカ生研、以下EA)を5×108 cells/mLの濃
度になるようにゼラチンベロナール緩衝液(以下、GV
B)に浮遊させ、このEA浮遊液200μLにGVBで溶
解・希釈したモルモット補体(乾燥補体、デンカ生研)を
加えGVBを用いて全量1.5mLとした。37℃の恒温
槽中で1時間反応させた後、3000rpmで10分間遠
心分離し、上清のヘモグロビン量をUVIDEC−77Σ(日
本分光)を用いて測定波長542nmで測定した。同時に
物理的溶血として補体の代わりにGVBを加えたものお
よび100%溶血として補体およびGVBの代わりに純
水を加えた検体を作製し、同様の操作を行った後にその
上清のヘモグロビン量を測定した。各被験物質の作用の
検討は、補体活性化による溶血率が約50%になる条件
で行った。また被験物質の添加量は全容量の1/100
容となるように添加した。各被験物質の補体活性化によ
るEAの溶血に対する阻害率を下記の式により算出し
た。
血率/コントロール(溶媒のみを添加)の溶血率)]×10
0
R、FSD、FSM、FSS、FSAMC、FSPA、
FSPEA、FSLPG、FSBC、FSBCK、FS
DPGおよびFSTRを使用した。陽性対照薬としてNa
famostat mesilate(注射用フサンョ、鳥居薬品)を使用し
た。結果を表15に示した。
のヘパリンの生理活性を臨床に応用する場合、出血傾向
などの副作用が問題になってくる。補体活性化抑制作用
が強く、かつ出血傾向の少ないMHE−FSのアミド化
誘導体を検出するための指標として(ヘパリンがAPT
Tを100秒に延長した用量を1とした時のそれぞれの
MHE−FSのアミド化誘導体の用量比)×(ヘパリンの
補体活性化抑制作用のIC50を1にした時のそれぞれの
MHE−FSのアミド化誘導体のIC50の比の逆数)を
算出した。その結果、陽性対照薬として用いたNafamost
atのIndex,15.30よりも小さい値ではあったが、L-
フェニルグリシン(LPG)、フェニルアラニン(F)、D-フェ
ニルグリシン(DPG)、ベンジル-L-システイン(BC)、ベン
ジロキシカルボニル-L-リジン(BCK)、メチオニン(M)、
アスパラギン酸(D)を導入することによってIndexは8.
78〜1.15となりヘパリンの1より大きな値を示し
た(表15)。このことからFSF、FSBCK、FSB
C、FSDPG、FSLPG、FSMおよびFSDはヘ
パリンよりも副作用が少なくかつ補体活性化抑制作用が
強いことが示唆された。
BC、FSDPG、FSLPG、FSM、FSD、特に
FSFは補体の活性化が病態の発症あるいは進展に関与
していると考えられている腎炎等の疾患の治療薬として
の臨床応用が示唆された。また、MHE−FSにベンゼ
ン環およびOH、OCH3、-OCOCH3、-NHCOC
H3等の電子供与基を有した物質を導入する事によって
更に強い補体活性抑制作用が得られると推測される。
分子量の時間的変化を示す折線グラフである。
ルを示す
影響を示す折線グラフである。*(P<0.05)、**(P
<0.01)
サンギウム細胞(MC)(A)および正常ヒトメサンギウム
細胞(NHMC)(B)に及ぼす影響を示す棒グラフであ
る。
Claims (34)
- 【請求項1】 還元性金属および金属酸化物を用いるこ
とを特徴とするヘパリンの解重合方法。 - 【請求項2】 下記の工程を下記の順序で含む、請求項
1記載のヘパリンの解重合方法。 (1)ヘパリンを約pH6〜8の緩衝液に溶解 (2)該溶解液に還元性金属および金属酸化物を添加 - 【請求項3】 上記工程(2)の後に、さらに下記の工程
を下記の順序で含む、請求項2記載のヘパリンの解重合
方法。 (a)約pH3〜5.5に調整 (b)臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを添加 (c)ヨウ化ナトリウムのエタノール溶液を添加 - 【請求項4】 上記還元性金属が鉄またはその塩であ
る、請求項1〜3記載のヘパリンの解重合方法。 - 【請求項5】 上記金属酸化物が二酸化ケイ素である、
請求項1〜4記載のヘパリンの解重合方法。 - 【請求項6】 請求項1〜5記載の解重合方法によって
得られ、紫外吸収スペクトルにて250nm〜330n
mの間に吸収を示すことを特徴とする、解重合ヘパリ
ン。 - 【請求項7】 平均分子量が約2,000〜13,000
ダルトンである、請求項6記載の解重合ヘパリン。 - 【請求項8】 平均分子量が約5,000〜10,000
ダルトンである、請求項6記載の解重合ヘパリン。 - 【請求項9】 下記特徴を有する解重合ヘパリン (1)紫外吸収スペクトルにて250nm〜330nmの
間に吸収を示す (2)硫酸基含量が20〜40% (3)ウロン酸含量が20〜45% (4)ヘキソサミン含量が10〜50% - 【請求項10】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
をアミン化合物を用いてアミド化することを特徴とす
る、アミド化解重合ヘパリンの製造方法。 - 【請求項11】 下記の工程を下記の順序で含む、請求
項10記載のアミド化解重合ヘパリンの製造方法。 (1)請求項6〜9に記載の解重合ヘパリンを約pH2〜
6の緩衝液に溶解 (2)アミン化合物を添加 (3)1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カ
ルボジイミド塩酸塩(EDC)を添加 - 【請求項12】 上記工程(3)の後に、さらに下記の工
程を下記の順序で含む、請求項11記載のアミド化解重
合ヘパリンの製造方法。 (a)臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを添加 (b)ヨウ化ナトリウムのエタノール溶液を添加 (c)アルカリ化剤を添加 (d)約pH3〜6.5に調整 - 【請求項13】 上記アミン化合物が第一級アミンであ
る、請求項10〜12のいずれか1項記載のアミド化解
重合ヘパリンの製造方法。 - 【請求項14】 請求項10〜13記載のアミド化解重
合ヘパリンの製造方法によって得られ、平均分子量2,
000〜18,000ダルトンであることを特徴とす
る、アミド化解重合ヘパリン。 - 【請求項15】 上記平均分子量5,000〜15,00
0ダルトンである請求項14記載のアミド化解重合ヘパ
リン。 - 【請求項16】 下記の特徴を有する請求項14または
15記載のアミド化解重合ヘパリン。 (1)硫酸基含量が20〜40% (2)ウロン酸含量が20〜45% (3)ヘキソサミン含量が5〜50% - 【請求項17】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
およびを含むことを特徴とする抗血液凝固剤。 - 【請求項18】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とする抗血液凝固剤。 - 【請求項19】 上記アミド化解重合ヘパリンがFSA
MC、FSBCK、FSPA、FSLPG、FSPEA
およびFSDPGである、請求項18記載の抗血液凝固
剤。 - 【請求項20】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
を含むことを特徴とする腎疾患治療剤。 - 【請求項21】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とする腎疾患治療剤。 - 【請求項22】 上記アミド化解重合ヘパリンがFS
F、FSDPGおよびFSLPGである、請求項21記
載の腎疾患治療剤。 - 【請求項23】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
を含むことを特徴とする血小板凝集阻害剤。 - 【請求項24】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とする血小板凝集阻害
剤。 - 【請求項25】 上記アミド化解重合ヘパリンがFS
F、FSBC、FSBCK、FSDPGおよびFSLP
Gである、請求項24記載の血小板凝集阻害剤。 - 【請求項26】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
を含むことを特徴とするラジカルスカベンジャー剤。 - 【請求項27】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とするラジカルスカベン
ジャー剤。 - 【請求項28】 上記アミド化解重合ヘパリンがFS
F、FSR、FSD、FSM、FSS、FSBC、FS
AMC、FSBCK、FSPA、FSPEA、FSLP
G、FSDPGおよびFSTRである、請求項27記載
のラジカルスカベンジャー剤。 - 【請求項29】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
を含むことを特徴とするメサンギウム細胞増殖抑制剤。 - 【請求項30】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とするメサンギウム細胞
増殖抑制剤。 - 【請求項31】 上記アミド化解重合ヘパリンがFS
F、FSLPGおよびFSDPGである、請求項30記
載のメサンギウム細胞増殖抑制剤。 - 【請求項32】 請求項6〜9に記載の解重合ヘパリン
を含むことを特徴とする補体活性抑制剤。 - 【請求項33】 請求項14〜16に記載のアミド化解
重合ヘパリンを含むことを特徴とする補体活性抑制剤。 - 【請求項34】 上記アミド化解重合ヘパリンがFS
F、FSBCK、FSBC、FSM、FSTR、FS
D、FSLPGおよびFSDPGである、請求項36記
載の補体活性抑制剤。
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