JP2007254316A - Haマトリックス形成阻害剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、炎症性疾患、癌等の疾患に対して、異常なヒアルロン酸マトリックスの形成を抑制し、マクロファージ・単球等の炎症性細胞の浸潤や、癌細胞の転移を抑制することにより、効果的かつ副作用も少ない治療薬を提供することを課題とする。
【解決手段】ヘパラン硫酸及び/又は低分子ヘパリンを有効成分として含んでなるヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤を提供する。また、下記性質(1)及び(2)を有するヘパラン硫酸;性質(1):二糖あたり平均0.5〜1.3分子の硫酸基を有する、性質(2):APTT活性が170%を超えない、又は下記性質(4)及び(5)低分子ヘパリン;性質(4):二糖あたり平均2.0〜2.5分子の硫酸基を有する、性質(5):APTT活性が160%を超えない、を有効成分として含んでなるヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤を提供する。
【選択図】 なし

Description

ヘパラン硫酸又は低分子ヘパリンを用いヒアルロン酸マトリックスの形成を阻害することにより、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息、動脈硬化など、ヒアルロン酸が増悪因子となっている疾患の治療薬への適応に関する。
炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息、動脈硬化などの疾患ではヒアルロン酸(以下、「HA」という。)が異常なマトリックスを形成している。このHAマトリックスはマクロファージ・単球などの浸潤に深く関わっており、これらの細胞から炎症性サイトカイン等の様々の因子が産生され疾患が進行することが知られている。また癌細胞の転移にも異常なHAマトリックスが関与することが知られている。従ってこの異常なHAマトリックスの形成を阻害する物質は、炎症性細胞の浸潤や癌の転移を抑制し、またこれらの疾患の治療薬としての適応が期待される。現在、一般に抗炎症剤として使用されているものは副腎皮質ホルモンや非ステロイド系の薬剤である。これらは血管収縮作用や浮腫抑制作用、炎症に関する様々なメディエーターの産生・遊離・作用の抑制作用があり、抗炎症剤として用いられている。しかし副腎皮質ホルモンは強い抗炎症作用を示すものの、高血糖及び感染症の誘発や副腎の機能不全などの副作用がある。また、ステロイド系抗炎症剤は効力が弱い。また、ヘパリンにも抗炎症作用があり、ヘパリンが上述のHAマトリックス形成を抑制することも報告されている(非特許文献1)。しかしヘパリンは強力な抗血液凝固作用を持つため、出血傾向の増悪という副作用がある。
特開平11−80205 特開2000−309537 特許第3371207号 特開平8−301771 Aimin Wangら、2004年、ジャーナル オブ バイオロジカル ケミストリー(Journal of Biological Chemistry)、第279巻、第11号、p.10279−10285
本発明は、異常なHAマトリックスの形成を抑制し、マクロファージ・単球等の炎症性細胞の浸潤や、癌細胞の転移を抑制することにより、上記疾患に対して効果的かつ副作用の少ない治療薬を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、ヘパリンと比べ抗凝血作用が低いヘパラン硫酸(以下、「HS」という。)又は低分子ヘパリンを用いることによりHAマトリックスの形成をヘパリンよりも抑制することを見いだし、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明はHS及び/又は低分子ヘパリンを有効成分として含んでなるHAマトリックス形成阻害剤(以下、「本発明阻害剤1」という。)を提供する。
本発明阻害剤1は低分子ヘパリンがフラグミン(登録商標)であることが好ましい。
また本発明阻害剤は、下記性質(1)及び(2)を有するHSを有効成分に含むことを特徴とする、HAマトリックス形成阻害剤(以下「本発明阻害剤2」という。)を提供する。
性質(1):二糖あたり平均0.5〜1.3分子の硫酸基を有する、
性質(2):APTT活性が170%を超えない。
また本発明阻害剤2は「二糖あたり平均0.5〜1.3分子の硫酸基を有し」、且つ「APTT活性が150%を超えない」HSを有効成分として含むことが好ましい。
また本発明阻害剤2に含まれるHSは、HAマトリックス形成阻害の効果としてさらに下記性質(3)を有することが好ましい。
性質(3):メサンギウム細胞を、ウシ胎仔血清(以下、「FBS」という。)を0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、FBSを5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該HSを10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでリン酸緩衝化生理食塩水(以下「PBS」という。)で当該細胞を洗浄後、FBSを5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されたHAマトリックスを染色したときの輝度が、当該HSを添加しない場合の輝度を100%としたとき、75%を超えないこと。
また本発明阻害剤2は、上記性質(3)において、当該HSを10μg/mL添加したときに形成されるHAマトリックスを染色したときの輝度が55%を超えないことが好ましい。
また本発明阻害剤1は、下記性質(4)及び(5)を有する低分子ヘパリンを有効成分として含むことを特徴とする、HAマトリックス形成阻害剤(以下「本発明阻害剤3」という。)を提供する。
性質(4):二糖あたり平均2.0〜2.5分子の硫酸基を有する、
性質(5):APTT活性が160%を超えない。
また、本発明阻害剤3に含まれる低分子ヘパリンは、HAマトリックス形成阻害の効果としてさらに下記性質(6)を有することが好ましい。
性質(6):メサンギウム細胞を、FBSを0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、FBSを5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該低分子ヘパリンを10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでPBSで当該細胞を洗浄後、FBSを5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されるHAマトリックスを染色したときの輝度が、当該低分子ヘパリンを添加しない場合の輝度を100%としたとき、70%を超えない。
また本発明は、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息及び動脈硬化からなる群から選択されるいずれかの疾患の予防及び/又は治療のために用いられることを特徴とする、HAマトリックス形成阻害剤(以下「本発明阻害剤4」という)を提供する。
また本発明阻害剤4は、上記性質(1)〜(3)又は(4)〜(6)の少なくとも一つを有することが好ましい。
以下、本発明方法1〜4をまとめて単に「本発明阻害剤」という。
また本発明は、本発明阻害剤を投与することを特徴とする、HAマトリックス形成の抑制方法(以下「本発明方法」という。)を提供する。
本発明は、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息、動脈硬化など、HAが増悪因子の一因となっている疾患において、HAマトリックスの形成を抑制するだけでなく、抗凝血作用が少ないHS又は低分子ヘパリンを用いるため、副作用の少ない安全な治療薬を提供できることから極めて有用である。
以下、発明を実施するための最良の形態により本発明を説明する。なお、本出願書類における「%」は、FBSに関しては「体積%」を意味し、その他で用いられる「%」は特に断らない限り単に「百分率」を意味する。また、FBSやグルコースの濃度は終濃度を意味する。
<1>本発明阻害剤1
本発明は、HS及び/又は低分子ヘパリンを有効成分として含んでなる、HAマトリックス形成阻害剤である。
本発明阻害剤1における「HAマトリックス」とは癌や炎症等の疾患時に形成されるHAのことをいい、HAがバーシカン及び/又はインターα−トリプシンインヒビター(以下、「ITI」という。)に結合して形成されるマトリックスのことをいう。炎症を起こしている時には長いHAにITIやバーシカンが結合して、多数のHAが「こより」状になっているのに対し、炎症の起きていない時の通常の組織ではHAが存在してもこのような状態になることはない。
また本発明阻害剤1における「HAマトリックス形成阻害剤」とは癌や炎症等の疾患時に形成される「HAマトリックス」の形成を阻害(抑制)する剤のことをいう。
本発明阻害剤1における「HS」は、多糖(高分子)としてのHSのみならず、HS分子の二糖単位が維持された低分子の糖鎖(例えば低分子化されたHS)をも包含する概念である。また、本発明阻害剤における当該用語は、HS分子の二糖単位が繰り返された構造を主要な骨格としつつ、例えば還元末端の糖がアンヒドロマンノースとなっているような糖鎖も包含する概念である。また本発明阻害剤における当該用語はHSの薬学的に許容される塩を含有する概念として用いる。
また、本発明阻害剤のHSは公知のものを用いることができる。その由来も特に限定されず、公知の方法によって分離、精製されたHSを用いることができる。特に、高度に精製され、医薬として混入が許されない物質を実質的に含まないものが好ましい。
また、上記「HSの薬学的に許容される塩」としては、例えば、アルカリ金属塩(ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、またはジエタノールアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩基との塩のうち、薬学的に許容される塩を用いることができる。
また用いられるHSとしては特に、高純度に精製され、医薬として混入が許されない物質を実質的に含まないものが好ましい。
また、本発明阻害剤の有効成分として用いられる「低分子ヘパリン」は、ヘパリンのうち低分子のものをいい、その分子量はこの範囲に限定される物ではないが、具体的に1000〜10000Daの間に分布される。また低分子ヘパリンは、公知のものを用いることができ、その由来も特に限定されず、公知の方法によって分離、精製された低分子ヘパリンを用いることができる。例えば、天然産のヘパリンから抽出される低分子量の画分を利用してもよい。また、高分子のヘパリンを用いて低分子ヘパリンを調製するためには、高分子のヘパリンを公知の糖鎖分解方法を用いて分解し、その分解産物を取得すればよい。公知の糖鎖分解方法としては、酵素分解、化学分解、加熱処理、超音波処理、プラズマ放電等が例示される。中でも化学分解が好ましい。
化学分解の方法としては、例えば、上記高分子ヘパリンを、pH6.5〜8.0以外の非生理的な条件、好ましくはpH5以下またはpH10以上の酸及び/またはアルカリ性領域で、亜硝酸や過ヨウ素酸等を用いて糖鎖結合を切断して分画糖鎖を得ることによって好ましく調製できるが、亜硝酸による分解がより好ましい。
また、本明細書における当該用語は、低分子ヘパリンの薬学的に許容される塩を含有する概念として用いる。
また、上記「低分子ヘパリンの薬学的に許容される塩」としては、例えば、アルカリ金属(ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩等)、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩等の無機塩基との塩、またはジエタノールアミン塩、シクロヘキシルアミン塩、アミノ酸塩等の有機塩との塩のうち、薬学的に許容される塩を用いることができる、中でもナトリウム塩を用いるのが好ましい。
また用いられる低分子ヘパリンは特に、高純度に精製され、医薬として混入が許されない物質を実質的に含まないものが好ましい。
また、実施例に用いられる「フラグミン」も低分子ヘパリンであり、好ましい形態及び用語の説明等については低分子ヘパリンと同じである。
また、本発明阻害剤1は公知の方法を用いて製剤化できる。また製剤化にあたり、有効成分であるHS及び低分子ヘパリンに悪影響を与えない限りにおいて、他の医薬活性成分や、慣用の安定化剤、乳化剤、浸透圧調製剤、緩衝剤、等張化剤、保存剤、無痛化剤、着色剤、賦形剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤等、通常医療に用いられる成分を使用できる。
<2>本発明阻害剤2
また本発明は下記性質(1)及び(2)をさらに有するHSを有効成分として含んでなるHAマトリックス形成阻害剤である。
性質(1):二糖あたり平均0.5〜1.3分子の硫酸基を有する、
性質(2):APTT活性が170%を超えない。
本性質の様な硫酸基含量となるように調製するためには、公知の硫酸化または脱硫酸化方法を用いることができる。硫酸化する方法としては特開昭61−47701号公報に記載されている方法や、硫酸基転移酵素(スルホトランスフェラーゼ)を用いる方法等が例示される。また脱硫酸化する方法としては酸加水分解、アルカリ分解、有機溶媒中で加熱する方法等が例示される。(Method in Carbohydrate Chemistry,Vol.VIII,p281-289(1980))。二糖あたりの硫酸基含量は公知の方法で定量することができるが、例えばアンスロン法やアミノ糖分析によってガラクトースやN−アセチルグルコサミンを定量して糖残基を求めるとともに、糖の塩酸分解物のイオンクロマトグラフィー分析によって硫酸基含量を求め、これらの値から算出することができる。
また本発明阻害剤2で用いることのできる「APTT」とは、臨床検査に用いられる血液凝固能測定用試薬及び血液凝固能の検査用試薬の検査方法であって、より詳しくは、活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time:以下「APTT」という。)測定試薬の検査方法である。APTTの測定は、内因性凝固機序に関係する、凝固第VIII因子、IX因子、XI因子、XII因子等の血液凝固因子の異常を鋭敏に反映し、内因系止血異常のスクリーニングとして必須の検査手段である。
体外診断薬で用いられるAPTT測定試薬は、ウサギ、ウシ、ヒトなど動物や植物から得られた粗製リン脂質を主としたAPTT試薬に、カオリン、セライト、エラジン酸を添加した試薬であり、多く市販されている。
また、本発明阻害剤2は「二糖あたり平均0.8〜1.0の硫酸基を有し」、且つ「APTT活性が150%を超えない」ことが好ましい。
また、本発明阻害剤2に含まれるHSは、HAマトリックス形成阻害の効果としてさらに下記性質(3)を有することが好ましい。
性質(3):メサンギウム細胞を、FBSを0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、FBSを5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該HSを10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでPBSで当該細胞を洗浄後、FBSを5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されたHAマトリックスを染色したときの輝度が、当該HSを添加しない場合の輝度を100%としたとき、75%を超えない。
本発明阻害剤2において行われる染色の方法はHAが染色され、且つHAマトリックスの抑制効果を測定する上で悪影響を与えない限り特に限定されないが、実施例で行われる方法で染色することが好ましい。
本発明阻害剤2における「輝度」の測定は、蛍光顕微鏡により得られた画像から適切な画像処理ソフトで蛍光強度を数値化して行うことができる。例えば、HAが染まっている緑色の部分の明るさをPhotoshopを用いて数値化したものを用いる事ができる。
また本発明阻害剤2は上記性質(3)において、HSを10μg/mL添加したときの輝度が55%を超えないことが好ましい。
また、本発明阻害剤2は本発明阻害剤1と同様に製剤化できる。
また本発明阻害剤2で用いることができる、「HAマトリックス」、「HAマトリックス形成阻害剤」、「HS」及び「HSの薬学的に許容される塩」等の用語等は本発明阻害剤1における説明と同じである。
<3>本発明阻害剤3
また、本発明は下記性質(4)及び(5)を有する低分子ヘパリンを有効成分として含んでなるHAマトリックス阻害剤である。
性質(4):二糖あたり平均2.0〜2.5分子の硫酸基を有する、
性質(5):APTT活性が160%を超えない。
また本発明阻害剤3に含まれる低分子ヘパリンは、HAマトリックス形成阻害の効果としてさらに下記性質(6)を有することが好ましい。
性質(6):メサンギウム細胞を、FBSを0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、FBSを5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該低分子ヘパリンを10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでPBSで当該細胞を洗浄後、FBSを5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されたHAマトリックスを染色したときの輝度が、当該低分子ヘパリンを添加しない場合の輝度を100%としたとき、70%を超えない。
また、本発明阻害剤3は本発明阻害剤1と同様に製剤化できる。
また本発明阻害剤3で用いることができる、「HAマトリックス」、「HAマトリックス形成阻害剤」、「低分子ヘパリン」及び「低分子ヘパリンの薬学的に許容される塩」等の用語等は本発明阻害剤1における説明と同じである。
また本発明阻害剤3で用いることができる、低分子ヘパリンの「APTT」及び「輝度」等の用語及び好ましい染色方法等は、本発明阻害剤2で用いているものと同じ意義で用いることができる。
<4>本発明阻害剤4
また本発明は、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息及び動脈硬化からなる群から選択される疾患の予防及び/又は治療のために用いられることを特徴とする、HAマトリックス形成阻害剤である。
また本発明治療薬は、上記性質(1)〜(3)又は(4)〜(6)の少なくとも一つを有することが好ましい。
またここでいう、「治療」とはそれぞれ、上記、炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息、動脈硬化等の疾患に付随する症状を軽減または排除することをいう。特に、癌に関しては、単に癌に罹患した個体の予測生存率が増加するか、または疾病の1またはそれ以上の症状が軽減することも「治療」に含まれる。
また本発明阻害剤4で用いることができる、「HAマトリックス」及び「HAマトリックス形成阻害剤」の用語は本発明阻害剤1における説明と同じである。
<5>本発明方法
本発明は、上記阻害剤の群から選ばれる阻害剤を投与することを特徴とHAマトリックス形成の抑制方法である。
本発明方法における投与方法としては、この剤によるHAマトリックス形成抑制が発揮される限りにおいて特に限定されないが、例えば経口投与や皮下及び血管内投与(静脈内や動脈内)が挙げられる。
また、本発明阻害剤が投与される動物は、脊椎動物、特に哺乳動物が好ましく、とりわけヒトが好ましい。
本発明方法に用いることのできる「HAマトリックス」及び「HAマトリックス阻害剤」等の用語は本発明阻害剤1における説明と同じである。
以下に、本発明の実施例を具体的に説明する。しかしながら、これらにより本発明の技術的範囲が限定されるものではない。
腎疾患の一つである糖尿病性腎症は、慢性的な高血糖による糸球体過剰濾過により、内皮細胞が傷害され、血小板・マクロファージ浸潤をきたし、これらの細胞から様々の因子が放出されメザンギウム細胞に作用し、細胞外基質の増加を経て糸球体硬化へと進展する。STZ誘発糖尿病ラットの腎臓のメザンギウム細胞を、高グルコース含有培地で培養したラットメザンギウム細胞においてHAの産生亢進・蓄積が報告されている。このHAはバーシカン及びITIとともに異常なHAマトリックスを形成していることが報告されている。本実験実施例はこの報告に基づいて、高グルコース含有培地で培養したメサンギウム細胞を用いて、HS及びフラグミンのHAマトリックス形成抑制効果を検討した。
(実施例1)メサンギウム細胞高グルコース培養におけるHAマトリックス形成
8ウェルラボテックチャンバー(商品名 Lab-Tek Chamber Slide:ナルジェ ヌンク インターナショナル社製)にヒトメサンギウム細胞(バイオウィッタカー社製)を1×10 細胞/ウェルで播種し、5.6mMグルコース含有培地、血清飢餓状態(0.2% FBS)、37℃で二日間培養し、細胞周期をあわせた。その後、FBS5%を含む5.6mMグルコース含有培地及びFBS5%を含む高グルコース含有培地(25.6mM)においてそれぞれ37℃で6日間培養した。培養した細胞をPBSで洗浄し、メタノールで4℃、5分間固定した後、BSAでブロッキングを行った。その後、ビオチン標識HA結合蛋白(Bi−HABP:HA染色)、ストレプトアビジン蛍光色素(sAv−FITC)、ヨウ化プロピジウム(PI:核染)を用いて染色を行い、その後蛍光顕微鏡にてHAを観察した。
(結果)
5.6mMグルコース含有培地及び高グルコース含有培地で培養したヒトメサンギウム細胞のHAを顕微鏡で観察した結果をそれぞれ図1に示す。(図1のNormal Glucoseは5.6mMグルコース含有培地で培養したもの、High Glucose(高グルコース)は25.6mMグルコース含有培地で培養したもの。Bi−HABPはビオチン標識HA結合蛋白、「HAaseSD処理後」とは染色前にヒアルロニダーゼ処理を行ったことを示す。)
5.6mMグルコース含有培地で培養した結果と比較して、高グルコース含有培地で培養した場合ではケーブル状のHAマトリックスが認められた。また、ヒアルロニダーゼ処理により染色性が消失することから、HAが染色されていることが確認された。
(実施例2)ヘパリン・HSによる、ヒトメサンギウム細胞高グルコース培養下でのHAマトリックス形成抑制の効果
8ウェルラボテックチャンバーにヒトメサンギウム細胞を1×10 細胞/ウェルで播種し、FBSを0.2%含む5.6mMグルコース含有培地で二日間培養し、細胞周期をあわせた。その後、FBSを5%含む5.6mMグルコース含有培地に各種ヘパリン・HSを10μg/ml添加し、37℃で3日間培養した。PBSで洗浄後、5.6mMグルコース含有培地及び高グルコース含有培地でそれぞれ37℃で三日間培養した。実施例1と同様に細胞を固定後HAを染色し、蛍光顕微鏡で観察した。HSは、HS1(ブタ腎由来のHS:硫酸含量が高い画分、(0.89/二糖))、HS2(ブタ腎由来のHS:硫酸含量が低い画分(0.44/二糖))、HS3(ブタ腎由来HSをイオン交換クロマトグラフィーを用いて得た分画物(1.32/二糖))の三種類、ヘパリンとしては医薬品であるNovoヘパリン及びフラグミンを用いた。また、染色したHAの輝度を測定することにより阻害効果を数値で表した。
(結果)
高グルコースで培養したヒトメサンギウム細胞においてヘパリン・HS添加群(濃度10μg/ml)及び未添加群で、HAケーブルの状態を観察した結果を図2に、PhotoshopよりHAの染色の輝度を数値化したグラフを図3に示す。(図2におけるNon treatとは図3におけるcontrolを意味し、ヘパリン又はHS未添加のものを示す。)その結果、未添加群と比較してヘパリン・HSの添加によりケーブル状のHAマトリックス形成が抑制されることがわかった。特に低分子ヘパリンであるフラグミン及び、HSであるHS1とHS3において顕著に抑制されることがわかった。また、NovoヘパリンとHS2についてはHAマトリックスの抑制は見られるもののわずかにHAマトリックスがみとめられた。
(実施例3)ヒトメサンギウム細胞高グルコース培養における単球接着アッセイ
ヒトメサンギウム細胞を24wellプレートに播種し、血清飢餓状態(0.2%FBS)、37℃で2日間培養し細胞周期をあわせた。FBSを5%含む5.6mMグルコース含有培地及びFBSを5%含む高グルコース含有培地でそれぞれ37℃、9日間培養した後、U937(ヒト単球・マクロファージ系ライン化細胞)を5×10 細胞/ウェル添加し、4℃で3時間静置した。接着していない細胞をPBSで洗浄した後、顕微鏡にて観察した。
(結果)
高グルコース含有培地で培養したヒトメサンギウム細胞に単球が接着するか否かを検討した結果、5.6 mMグルコース含有培地と比較して、高グルコース含有培地を用いた培養では、U937の接着の増加が認められた。その様子を図4に示す。(図4におけるNormal Glucose HAaseSD及びHigh Glucose HAaseSDはそれぞれ培養前にメサンギウム細胞をヒアルロニダーゼにより処理したものを意味する。)このU937の接着は、予めメサンギウム細胞をヒアルノニダーゼ処理することにより抑制されたことから、U937はHAを介してメサンギウム細胞に接着していることが示唆された。
(実施例4)HSの抗凝固活性
HS・ヘパリンの抗凝固活性をAPTTで測定した。APTTの測定のため、ラットの腹部大動脈より血液を採取した。血液9容量に対し、3.8%クエン酸ナトリウムを1容量混和した後遠心分離により血奬を得た。得られた血漿に各被験物質を既知濃度となるように添加し、APTTを血液凝固検査用試薬(データファイ・APTT/20mM塩化カルシウム:シスメックス社製)を用いて、自動血液凝固測定装置(CA-50:シスメックス社製)にて測定した。また、図5において、生理食塩水のAPTT活性を100とした時のHS及びヘパリンのAPTT活性を示した。
(結果)
図5の結果から、HS1はコントロールである生理食塩水とほぼ同程度、HS3はフラグミンと同程度で、抗凝固活性が低いことが確認された。
上記実施例より、抗凝固活性の低いHS及びフラグミンが高グルコース培養のヒトメサンギウム細胞のケーブル状のHAマトリックスの形成を抑制することが示唆される。
炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息、動脈硬化などの、HAが増悪因子になっている疾患において、異常なHAマトリックスの形成を抑制することによる疾患の治療、出血傾向の増悪という副作用の少ない治療薬を提供できることから産業上利用できる。
グルコース添加後、培養6日目のヒトメサンギウム細胞におけるBi−HABPにより染色したHAの顕微鏡写真。 高グルコース培養メサンギウム細胞のHAケーブル形成に対する抑制効果を示す顕微鏡写真。 高グルコース培養メサンギウム細胞のHAケーブルを染色したときの輝度を100%ときのそれぞれの阻害剤の抑制効果を示す図である。 添加するグルコースの違いによるU937の接着の違いを示す顕微鏡写真。 HS・ヘパリン等の抗凝固活性を示す図である。

Claims (9)

  1. ヘパラン硫酸及び/又は低分子ヘパリンを有効成分として含んでなるヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤。
  2. 下記性質(1)及び(2)を有するヘパラン硫酸を有効成分として含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤;
    性質(1):二糖あたり平均0.5〜1.3分子の硫酸基を有する、
    性質(2):APTT活性が170%を超えない。
  3. 「二糖あたり平均0.8〜1.0分子の硫酸基を有し」、かつ「APTT活性が150%を超えない」ことを特徴とする、請求項2に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤。
  4. 有効成分として含まれるヘパラン硫酸がさらに下記性質(3)を有することを特徴とする、請求項2又は3に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤;
    性質(3):メサンギウム細胞を、ウシ胎仔血清を0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、ウシ胎仔血清を5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該ヘパラン硫酸を10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでリン酸緩衝化生理食塩水で当該細胞を洗浄後、ウシ胎仔血清を5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されたヒアルロン酸マトリックスを染色したときの輝度が、当該ヘパラン硫酸を添加しない場合の輝度を100%としたとき、75%を超えない。
  5. 当該ヘパラン硫酸を添加したときに形成されるヒアルロン酸マトリックスを染色したときの輝度が55%を超えないことを特徴とする、請求項4に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤。
  6. 下記性質(4)及び(5)を有する低分子ヘパリンを有効成分として含むことを特徴とする、請求項1に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤;
    性質(4):二糖あたり平均2.0〜2.5分子の硫酸基を有する、
    性質(5):APTT活性が160%を超えない。
  7. 有効成分として含まれる低分子ヘパリンがさらに下記性質(6)を有することを特徴とする、請求項6に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤;
    性質(6):メサンギウム細胞を、ウシ胎仔血清を0.2%含む5.6 mMグルコース含有培地中で37℃で2日間培養することにより細胞周期をあわせた後、ウシ胎仔血清を5%含む5.6 mMグルコース含有培地に当該低分子ヘパリンを10μg/mL添加した培地中で37℃で3日間培養し、次いでリン酸緩衝化生理食塩水で当該細胞を洗浄後、ウシ胎仔血清を5%含む25.6 mMグルコース含有培地中で37℃で3日間培養したときに該メサンギウム細胞により形成されたヒアルロン酸マトリックスを染色したときの輝度が、当該低分子ヘパリンを添加しない場合を100%としたとき、70%を超えない。
  8. 炎症性疾患、自己免疫疾患、腎疾患、癌、肺繊維症、喘息及び動脈硬化からなる群から選択されるいずれかの疾患の予防及び/又は治療のために用いられることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のヒアルロン酸マトリックス形成阻害剤。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載の阻害剤からなる群から選ばれた阻害剤を投与することを特徴とする、ヒアルロン酸マトリックスの形成抑制方法。

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