JPH08508540A - 循環血液量減少性ショックおよび関連ショック症候群の治療のための非抗凝血性の化学修飾したヘパリン様物質 - Google Patents

循環血液量減少性ショックおよび関連ショック症候群の治療のための非抗凝血性の化学修飾したヘパリン様物質

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JPH08508540A
JPH08508540A JP7519167A JP51916795A JPH08508540A JP H08508540 A JPH08508540 A JP H08508540A JP 7519167 A JP7519167 A JP 7519167A JP 51916795 A JP51916795 A JP 51916795A JP H08508540 A JPH08508540 A JP H08508540A
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ホルム、ケビン・ロス
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Abstract

(57)【要約】 ヘパリンに一般に付随する出血の問題を伴うことなく、実質的に非抗凝血性のヘパリン様物質を投与することによる循環血液量減少性ショックおよび関連ショック症候群の治療方法;かかる症候群には、微小血管構造の劣化、免疫および消化管機能不全、および多臓器不全が含まれる。例としては、ATIIIアフィニティー分画化によって得られるNAC組成物が挙げられる。

Description

【発明の詳細な説明】 循環血液量減少性ショックおよび関連ショック症候群の治療のための非抗凝血性 の化学修飾したヘパリン様物質発明の技術分野 本発明は、実質的に非抗凝血性の化学修飾したヘパリン様物質(heparinoids )を用いたある種の形態のショック、循環血液量減少性ショックおよび関連症候 群の治療および予防に関する。これらヘパリン様物質は、心臓、肝臓、腎臓およ び胃腸管の機能を維持し、微小血管系を劣化から保護し、出血によって誘発され たショックの後の免疫機能を改善する。発明の背景技術 ヘパリンおよびヘパラン硫酸 ヘパラン硫酸は、多糖のグリコサミノグリカンファミリーの成員である。これ らグリコサミノグリカンは直鎖状のポリマー性炭水化物鎖であり、該鎖は、細胞 外マトリックスの重要な構造上および機能上の成分であるプロテオグリカン分子 のグリカン部分である。 ヘパラン硫酸とヘパリン様化合物とは生合成経路が共通しており、ウロン酸残 基にa−(1−4)結合した2−アミノ−2−デオキシ−D−グルコース(グル コサミン、GlcN)からなる繰り返し二糖単位を特徴とする。グルコサミンは 、2−アセトアミド−2−デオキシ−D−グルコース(GlcNAc)、2−デ オキシ−2−スルファミノ−D−グルコース(GlcNS)および2−デオキシ −2−スルファミノ、6−O−サルフェート−D−グルコース(GlcNS6S )の形態で存在しうる。ウロン酸残基はβ−D−グルクロン酸(GlcA)かま たはα−L−イズロン酸(IdoA)のいずれかでありうる。後者はまた、2− O−硫酸形態(IdoA2S)で存在しうる。ヘパラン硫酸の正確な組成は、採 取源、さらには細胞増殖の段階によってさえも有意に変わる。ヘパリンは、ヘパ ラン硫酸の一層広範に変形された生合成形態であることが示されている。ヘパリ ンはIdoA2SおよびGlcNS6S残基の含有比率が高く、それゆえ、硫酸 化 の度合いの一層高い物質である。ヘパリンは生体内ではマスト細胞と結合して認 められており、ヘパラン硫酸のように脈管化組織の細胞外マトリックスと結合し ては認められていない。 ヘパリンは、抗凝血剤および抗血栓症剤として一般に用いられている。市販の ヘパリンは、通常、ブタまたはウシの粘膜、またはウシの肺組織から単離される 。ヘパリンの抗凝血作用は、主として、循環タンパク質である抗トロンビンIII (AT−III)の活性と相互作用し該作用を高める能力にあることが示されてい る。AT−IIIはセリンプロテアーゼインヒビターであり、血液凝固カスケード に関与するセリンプロテアーゼの多く、とりわけトロンビン(第IIa因子)およ び第Xa因子を抑制する。ヘパリンはAT−IIIと相互作用して複合体を形成し 、これがトロンビンおよびXaをAT−III単独の場合よりもはるかに効果的に 抑制する。ヘパリンは、特定の高親和性五糖配列(ヘパリン鎖の小部分を表すに 過ぎない)を通じてAT−IIIと相互作用する。ヘパリンはまた、他のセリンプ ロテアーゼインヒビターであるヘパリンコファクターIIとも相互作用してトロン ビンの抑制を高める。HC−IIとの相互反応は異なる構造上の要件によって作動 し、AT−III相互反応と同じ程度の特異性を有しているとは思えない。 ヘパリンの強力な抗凝血に関連する作用は、残念ながら他の可能な適応症の多 くへの使用を排除している。とりわけ、ヘパリンの抗凝血作用は、他の治療上の 利益を与える投与量で投与した場合に出血や出血性合併症へ導くことがある。こ の要因によって、ヘパリン分子の他の生物学的特性から該分子の抗凝血作用を選 択的に切り離すことへの関心がもたらされている。この切り離し戦略はまた、他 の所望の選択的および治療学的特性を選択的に切り離しまたは保持することへも 応用しうる。選択性の一層高い薬剤は、毒性および/または禁忌作用の危険を減 少させるであろう。また、特異性は全体的なバイオアベイラビリティーおよびヘ パリンとの相対における該薬剤の効能を高めることができるであろう。 ヘパリン/ヘパラン硫酸は、多数の広範囲のタンパク質と相互作用することが 示されており、数多くの生物学的機能および活性を伴う。この多薬剤性(poly-p harmacy)は、ヘパリン様物質が無数の細胞外マトリックス存在物および循環し ているレセプター、タンパク質および酵素の作用に結合および抑制または刺激す る能力によって媒体される。ヘパリンおよび関連化合物の広範な薬理作用は、多 数の適応症、とりわけ心血管関連疾患において相当の治療上の関心が寄せられて いる。止血および血栓症に関連する疾患状態へのヘパリンに基づく治療の有用性 について相当数の先例が存在し、最近ではアテローム性動脈硬化症、血管形成、 転移および炎症に関連する状態における関心が広がっている。 血栓性および増殖性の血管疾患を治療するため、ヘパリンに基づく治療を開発 することに多大の努力が払われている。しかしながら、かなりのインビトロおよ び逸事の多いインビボでの証拠にも拘わらず、ヘパリン由来の物質を抗炎症に使 用することには比較的関心が払われていなかった。ヘパリン由来化合物の抗炎症 特性の幾つかには、補体活性の抑制、ヘパラナーゼ依存性Tリンパ球移動の抑制 、白血球血小板相互作用の抑制が含まれる。加えて、ヘパリンおよび誘導体は、 DTH、EAE、虚血再潅流および喘息の動物モデルにおいて活性が示され、喘 息および虚血(心筋梗塞)を患うヒトにおける利益についても逸事の多い記載が なされている。 上記のように、強力な抗凝血作用のために心血管性疾患の治療に使用すること が躊躇されている。特に、ヘパリンの抗凝血作用は、治療学的投与量で投与した ときに出血および出血性合併症に導く。ショックの病理学 一般に、ショックは、血液容量または心拍出量または血液の再分布の減少の結 果、有効循環容量が不適切となることによる細胞および組織に広がった低灌流と して記載されうる。ショックは、通常、主として該状態に導く血行力学的障害に 基づいて4つのタイプに分類される:(1)心原性ショック;(2)循環血液量 減少性ショック;(3)敗血症性ショックおよび(4)神経原性ショック。広範 な研究の結果、ショックに関連する病的状態に導く一般的メカニズムが理解され るようになっている。しかしながら、該病的状態を媒体する無数の生化学的プロ セスに至っては理解され始めたばかりである。これは炎症に関連した事象の複雑 なカスケードに関係し、循環血液量減少性ショックおよび敗血症性ショックと関 連して研究されたものである。これらショックは、内皮その他の器官細胞、白血 球および血小板の細胞膜への毒性障害、内因系および外因系血液凝固経路の活性 化、補体活性化および血管作用性および化学走化性断片C5aおよびC3aの生 成をもたらす。 循環血液量減少性ショック(2)および該状態の研究モデルが、ショードリー (Chaudry)およびアヤラ(Ayala)の「Immunological Aspects of Hemmorrhage 」(ランデス(R.G.Landes Co.)、オースチン、テキサス、1992)に記載さ れている。一般に、血液の喪失に伴う血流の減少による循環血流量減少性ショッ クの場合、血流の「軟泥化(sludging)」および赤血球による毛細管の「詰まり (plugging)」を生じる。このことが今度は細胞および組織への酸素および栄養 物の不充分な提供、他の代謝物の不充分なクリアランス、および好中球および血 小板の活性化に導く。この酸化体ストレス(低酸素症)および内皮およびマクロ ファージからの他の因子の放出がアラキドン酸カスケードおよび化学誘引物質お よび炎症メディエーターの産生を刺激し、さらに好中球の浸潤をもたらす。好中 球、血小板、マクロファージおよび補体カスケードの活性化は、サイトカインを 含む数多くの生物学的に活性な因子の放出へと導く。これら因子は内皮、好中球 および白血球の表面上の接着分子の発現を刺激し、これによって好中球および白 血球を結合させ、最終的に細胞外マトリックス(ECM)および血管および毛細 管の基底膜を通して移行させる。この移行または管外遊出は、活性化好中球、白 血球および/または血小板によって放出されるマトリックスメタロプロテイナー ゼ、セリンプロテアーゼおよびエンドグリコシダーゼ(すなわち、ヘパリナーゼ )を含む数多くの細胞外マトリックス分解酵素の作用によるものである。ECM および基底膜の損傷の結果、血管透過性の増大、および好中球および白血球によ る器官への浸潤を生じる。 類似の一連の事象が敗血症性ショックの場合に起こるが、最も重要なことに、 炎症応答の基本メディエーターは循環血液量減少性ショックを引き起こすものと は同じではない点が異なる。敗血症性ショックにおける初期血液容量の減少は、 内毒素が好中球活性化および炎症を媒体するサイトカイン(TNF、IL−1お よびIL−6、IL−10、TGF−β等)の放出を刺激した後に血液貯留の結 果として起こる。 循環血液量減少性ショックと敗血症性ショックとは異なる疾患であることを心 に留めておくことは重要である。循環血液量減少性ショックは、循環系に対する 外傷(たとえば、銃の狙撃による傷、自動車での怪我、火傷、剌し傷等)を含む 多くの事象によって引き起こされうる循環系の全身虚脱である。これに対し、敗 血症性ショックは細菌感染によって引き起こされる。それゆえ、上記のように、 これら疾患の原因は区別すべきものである。 虚血/再潅流障害(I/RI)は、減少した血流状態(虚血)の後に炎症に媒 体された細胞および器官の損傷を生じる他の例である。 循環血液量減少性ショックに伴う血管障害およびその結果としての種々の器官 への好中球および白血球の浸潤は、組織損傷、そして最終的には多臓器不全(M OF)および急性呼吸障害症候群(ARDS)へと導く。破壊性の因子およびメ ディエーターは数多く、サイトカイン、酵素および種々の他の炎症性因子が含ま れる。MOFおよびARDSは重篤なショックで起こり、しばしば死に至る。シ ョックに有効な治療剤であるためには、微小血管系および種々の器官(肝臓、腎 臓、心臓、脾臓および腸)を不全から保護することができなくてはならない。出 血性ショックおよびI/RI損傷における胃腸機能の保護および回復の重要性が 報告されており、敗血症性合併症の減少、および長期の生存と関係付けられてい る。ヘパリンとショック ショードリーら(Am.J.Physiol.259(Regulatory Integrative Comp.Physi ol.28)R645−R650、1990およびJ.of Trauma(1992)32( 4):420〜426)は、前ヘパリン処理(pre-heparinization)が、MOF 、そしてしばしば死に至らしめる循環血液量減少性ショックの結果としての有害 な全身作用を変調しうることを示ている。この効果は、ラットの出血性ショック モデル(循環血液量減少性ショックまたは外傷性ショック)(ショードリーら、Circ.Shock (1989)27:318)で示されている。このモデルは、ショッ クを誘発する前に動物をヘパリン処理しない(臨床現場で一層代表的な状 況である)点で主として他の出血性ショックモデルと異なる。このモデルでは、 前ヘパリン処理した動物は、ヘパリン処理せずに他の点では出血性ショックに供 し同様に蘇生させた動物に比べて器官機能が有意に改善していることが観察され た。蘇生の間に投与したヘパリンも同様の有利な効果を有することが後に示され 、保護のために前以てヘパリン暴露する必要はないことが示された。 ヘパリンがショックの有害な病理状態を変調させるメカニズムはまだよくわか っていない。ヘパリンおよび関連するヘパラン硫酸構造が無数の循環するタンパ ク質および酵素、および多数の細胞表面レセプターと相互作用することが知られ ている。ヘパリン/ヘパラン硫酸のこれら生物学的活性および機能は、多数の化 学的、組成的および物理的特性に依存しており、それには(1)糖の組成;(2 )官能基の分布;(3)電荷密度;(4)硫酸/カルボン酸比;および(5)分 子量が含まれる。後者については、出血性ショックモデルにおいてヘパランの変 調効果がヘパリンポリマーの分子量に直接的に関係しないことが示されている。 というのは、低分子量(LMW)のヘパリン(平均MW3〜4kDa)がほぼ等 価な効果を有するからである(ショードリーら、Circ.Shock(1991)34: 25)。 血小板機能を調べたヘパリンを用いた循環血液量減少性ショックモデルにおい て、ヘパリンの抗凝血作用はその作用の直接の原因ではないと結論された(ラナ (Rana)ら、J.of Trauma(1992)32(4)420)。このことは、LM Wヘパリンデータによって、およびヘパラン硫酸(低い抗凝血活性を有し、ショ ック後に腸機能を保持するのに有効であることがわかった)を用いた研究から得 られたデータによって支持された(シング(Singh)ら、J.of Trauma(1993 )34:645)。 残念ながら、上記に示した仕事にも拘わらず、これら研究のいずれも、非抗凝 血性組成物が循環血液量減少性ショックを治療または予防するのに有効であるた めの基本的な構造上の要件を解明していないことを心に止めておくことは重要で ある。非抗凝血性(NAC)ヘパリン 最もよく知られたヘパリンの作用である抗凝血作用は、多数の可能な臨床応用 に使用することを妨げている。それゆえ、抗凝血作用およびインビボでの出血特 性が減少した治療学的使用のためのヘパリン様化合物を同定するための相当の努 力がなされ、現在もなされ続けている。一般に、2つのアプローチがなされてい る。第一のアプローチは、抗凝血作用を失った天然のヘパリンの形態を同定する ことである。このカテゴリーに包含されるものとしては、解重合および標準的な クロマトグラフィー分離法によって、またはATIIIアフィニティー分画化によ って得られたヘパリン断片がある。第二のアプローチは、ヘパリンを化学的また は酵素的に修飾してその抗凝血作用を減少させるものである。これら研究のある ものにおいては、ヘパリン断片は化学的修飾の前または後に調製することができ る。この後者のアプローチに用いる方法としては、(1)N−脱硫酸、N−修飾 ;(2)N,O−脱硫酸およびN−修飾;(3)過度の硫酸化(oversulfation );(4)カルボキシル還元または硫酸化;および(5)過ヨウ素酸酸化および 還元が挙げられる。 NACヘパリンを生成するための上記アプローチのすべてが、治療学的有効量 で投与したときに低い抗凝血作用および出血時間に対する限られた効果という治 療学的基準を達成する化合物に導くというわけではない。ある種の組成物はこれ ら基準を達成するかもしれないが、それら組成物はまたしばしば目的の作用を失 っている。他の場合には、抗凝血作用は減少させることができるが、出血に対す るインビボでの効果は有用な投与量では上昇したままである。これらの幾つかは 、補体活性化の抑制およびC5a、細胞外マトリックス劣化酵素(エラスターゼ 、カテプシンGおよびヘパリナーゼ)の抑制に関係することが報告されており、 幾つかのものはショックの治療に有用であるとして提唱されている。たとえば、 米国特許第4,916,219号明細書(抗凝血作用が減少した抗補体医薬組成物 を記載)を参照。これら組成物は、ヘパリンをヘパリナーゼで解重合して6糖単 位から約24糖単位にすることによって製造されたヘパリンの小さな鎖断片から なる。データは示されていないが、かかる組成物は敗血症性ショックの治療に有 用であろうことが示唆された。かかる組成物を循環血液量減少性ショックの治療 に 用いることについては記載がない。 NACヘパリンに関して、殆どの場合に、特定のヘパリン関連作用の正確な要 件は知られていないこと、および修飾したヘパリンの作用は予測できないもので あることを心に止めておくことは重要である。 非抗凝血性の解重合した低分子量ヘパリンの一例が米国特許第4,990,50 2号に記載されている。それは、ヘパリンを過ヨウ素酸で処理し、ついで塩基で 解重合し、過ヨウ素酸処理で生成したアルデヒドを還元することを示している。 得られた物質は、17〜33残基を含有し、式: IdoA−GlcNAc 2S または IdoA−GlcNS 2S (式中、グルコサミン残基は3および/または6位で任意の仕方で硫酸化されて おり、IdoA残基の幾つかは過ヨウ素酸酸化の結果得られる開裂したIdoA またはGlcAで置換されていてよい)で示される複数の残基を含有するポリマ ーの混合物を含むとされている。これら短くなったポリマー鎖は、ATIIIへの 結合部位を欠くが平滑筋増殖を抑制することができ、組織修復の促進、じゅく腫 形成性病変の予防、および転移の展開の予防を含む生理学的作用を有するとされ ている。かかる組成物はまた、ショックの状態の予防にも有用であると言われて いる。しかしながら、かかる組成物を循環血液量減少性ショックの治療に用いる ことについては何ら記載がない。 ヘパリン/ヘパラン硫酸を過ヨウ素酸で処理することはまた他の研究者によっ ても報告されている。たとえば、フランソン(Fransson,L.−A.)およびルイス (Lewis,W.)(FEBS Lett(1979)97:119〜123)は、ヘパ リン/ヘパラン硫酸の過ヨウ素酸処理および水素化ホウ素ナトリウムによる還元 またはアルカリ性媒体中での断片化に関する種々の条件を記載している。さらに 、フランソンら(Carbohydrate Res(1980)80:131〜145)は、 過ヨウ素酸を用いて製造した種々の形態のヘパリンの化学を研究した。一つの研 究において、過ヨウ素酸で処理した後、塩基中でβ−脱離させて断片化を得てい る。彼らはさらに、ヘパリンを過ヨウ素酸で処理した後、部分酸加水分解して鎖 の断片化および官能基の部分的破壊を行うことを報告している。 非抗凝血性ヘパリンの他の例はカス(Casu,B.)らによって記載されている(A rzneim Forsch/Drug Res (1986)36:637〜642)。彼らは、過ヨウ 素酸酸化がヘパリンの抗脂血症(リポタンパクリパーゼ放出)作用に及ぼす効果 を研究した。この研究では、ヘパリンを過ヨウ素酸で酸化し、生成物を水素化ホ ウ素で還元した。著者らは生成物が出発物質と同じ分子量を有すると述べている が、該論文中に示された図面から有意の解重合が起こっていることは明らかであ る。 PCT/SE92/00243は、出発物質のヘパリンよりも大きな分子量を 有し、過ヨウ素酸酸化、アルカリによる部分解重合、およびその後の水素化ホウ 素還元によって製造される非抗凝血性ヘパリンを示している。 PCT WO/92/17188(1992年10月15日発行)には、ヘパ リンを試薬で処理してN−脱アセチル化し、ついでビシニルジオールおよびビシ ニルOH/NH2を完全にアルデヒドに変換する条件下で過ヨウ素酸で処理し、 ついで該アルデヒドを断片化が回避される条件下でアルコールに還元することに よって製造されるN−脱アセチル化ヘパリン様物質が記載されている。 PCT WO/92/17187(1992年10月15日発行)には、ヘパ リン/ヘパリン硫酸を過ヨウ素酸で酸化してジオールをジアルデヒドに変換し、 得られたアルデヒドを断片化が回避される条件下で還元することによって製造さ れるNACヘパリン様物質が記載されている。 米国特許第4,847,338号には、ヘパリンをヘパリナーゼで解重合するこ とによって製造させる、ヘパリンに比べて抗凝血作用ガ減少したある種のヘパリ ンオリゴ糖が記載されている。データは示されていないが、かかる断片は敗血症 性ショックおよび免疫疾患の治療に有用であると言われている。 ジャセジャ(Jaseja,M.)ら(Can.J.Chem.(1989)67:1449 〜1456)によって記載された2−O脱硫酸ヘパリン組成物は非抗凝血作用を 有しない。 上記NACヘパリンのうち、過ヨウ素酸酸化の後に塩基解重合かまたはヘパリ ナーゼを用いた解重合によって生成した断片のみがショックまたはショック関連 症候群の治療に治療学的に有用であることが示唆されている。米国特許第4,9 16,219号および同第4,990,502号参照。しかしながら、これら組成 物がかかる作用を有することを実際に示すデータは示されていない。かかる組成 物がショックの治療に有用であるかもしれないことは、抗補体作用を唯一の前提 としている。この作用とショックまたはショック関連症候群を治療するための有 利な効果との相関は示されていない。補体活性化の抑制が補体断片C5aおよび C3aの生成を妨げることは注意する価値がある。これら断片は、ショックに関 与すると思われる少なくとも十数個の異なるメディエーターの一つである。今日 、C5aおよびC3aの生成の単なる抑制は、敗血症性ショックの治療に有利で あるとは示されていない。さらに、これら組成物を循環血液量減少性ショックの 治療に用いることについては記載がない。 上記報告とは異なり、今日、ヘパリンの化学修飾によって製造される実質的に 解重合されていないポリマーからなる、循環血液量減少性ショックまたはショッ ク関連症候群の治療に有用なNACヘパリン組成物に関する報告は存在しない。 さらに、化学修飾したヘパリンの解重合の結果得られるかまたはヘパリン断片の 直接化学修飾によって製造される、かかる治療に有用なタイプのNACヘパリン 断片に関する報告は存在しない。 循環血液量減少性ショックまたはショック関連症候群の治療に有利に応用でき るNACヘパリン組成物をさらに利用できるようにすることが、医者がこれら疾 患を治療するための広範囲の薬剤を提供することになるであろうことが理解され るであろう。発明の要約 本発明の第一の目的は、実質的に抗凝血作用を欠くある種の化学的に修飾した ヘパリン様物質の組成物を有効量投与することによる、循環血液量減少性ショッ クまたはショック関連症候群の治療方法を記載することである。 本発明の第二の目的は、実質的に抗凝血作用を欠くある種の化学的に修飾した ヘパリン様物質の組成物であって実質的に解重合されていない化学修飾ヘパリン ポリマーからなるものを有効量投与することによる、循環血液量減少性ショック の治療方法を記載することである。 本発明の第三の目的は、実質的に抗凝血作用を欠くある種の化学的に修飾した ヘパリン様物質の組成物であって修飾したヘパリン断片からなるものを有効量投 与することによる、循環血液量減少性ショックの治療方法を記載することである 。 本発明の第四の目的は、実質的に抗凝血作用を欠く循環血液量減少性ショック の治療に有用なある種の化学的に修飾したヘパリン様物質の組成物であって、実 質的にN−アセチル化されているか、またはヘパリンを過ヨウ素酸酸化した後に 水素化ホウ素還元することによって得られたものではないものを記載することで ある。 本発明の第五の目的は、心臓、肝臓、腎臓、胃腸管の機能を含むある種の器官 の機能の回復、または微小血管構造の劣化の保護および免疫機能の改善を含む、 循環血液量減少性ショック、ショック症候群のある種の個々の臨床的側面につい て治療学的に望ましい結果を得る方法を記載することである。かかる有利な結果 は、本明細書に記載するNACヘパリン投与計画単独またはその一部として実現 することができる。図面の簡単な説明 図1Aは、出血後に晶質(crystalloid)蘇生の開始後3時間および5時間に 偽操作した(sham-operated)(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、ヘ パリン処理した(ヘパリン)、および2−O−脱硫酸NACヘパリン処理したラ ットにおけるインドシアニングリーン(ICG)のクリアランス(能動輸送プロ セス)の最大速度(Vmax)の変化を示す棒グラフである。外傷−出血および蘇 生プロトコールおよびヘパリンまたは修飾ヘパリンIII注入法は実施例3に記載 してある。データは平均±SEとして示してあり、一方向(one-way)ANOV Aおよびチューキー試験(Tukey's test)により比較してある。偽操作群と比べ て *P<0.05;食塩水処理群と比べて*P<0.05。 図1Bは、出血後に晶質蘇生の開始後3時間および5時間に偽操作した(シャ ム)、通常食塩水処理した(食塩水)、ヘパリン処理した(ヘパリン)、および 2−O−脱硫酸NACヘパリン処理したラットにおけるインドシアニングリーン (ICG)移行の効率(Km)の変化を示す棒グラフである。詳細については図 1Aの説明を参照。 図2Aは、晶質蘇生の開始後3時間および5時間に偽操作した(シャム)、通 常食塩水処理した(食塩水)、ヘパリン処理した(ヘパリン)、および2−O− 脱硫酸NACヘパリン処理したラットにおける平均動脈圧(MAP)の変化を示 すグラフである。外傷−出血、ジルチアゼム投与、および心拍出量(CO)測定 については材料および方法において記載してある。「ON」および「OFF」は 、1mlの通常食塩水、ヘパリン、または2−O−脱硫酸NACヘパリン溶液の 注入の開始および完了を示す。各群には6匹の動物を用いた。外傷−出血および 蘇生プロトコールおよびヘパリンまたは2−O−脱硫酸NACヘパリン注入法は 実施例3に記載してある。データは平均±SEとして示してあり、一方向ANO VAおよびチューキー試験により比較してある。偽操作群と比べて*P<0.0 5;食塩水処理群と比べて*P<0.05。 図2Bは、晶質蘇生の開始後3時間および5時間に偽操作した(シャム)、通 常食塩水処理した(食塩水)、ヘパリン処理した(ヘパリン)、および2−O− 脱硫酸NACヘパリン処理したラットにおける心拍数(HR)の変化を示すグラ フである。詳細については図2Aの説明を参照。 図3にはグラフA、BおよびCが含まれ、晶質蘇生の開始後3時間および5時 間に偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、ヘパリン処理した (ヘパリン)、および2−O−脱硫酸NACヘパリン処理したラットにおける心 拍出量(CO、A)、1回拍出量(SV、B)、および全末梢抵抗(TPR、C )の変化を示す。詳細については図2Aの説明を参照。 図4にはグラフA、B、CおよびDが含まれ、晶質蘇生の開始後3時間および 5時間に偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、ヘパリン処理 した(ヘパリン)、および2−O−脱硫酸NACヘパリン処理したラットにおけ る肝臓(A)、腎臓(B)、脾臓(C)、および小腸(D)での器官表面の微小 血管血流量(MBF)の変化を示す。詳細については図2Aの説明を参照。 図5Aは、出血および蘇生後に偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した( 食塩水)、ヘパリン処理した(ヘパリン)、ヘパリン硫酸処理した(ヘパリン硫 酸)、デルマタン処理した、2−O−脱硫酸NACヘパリン、およびN−アセチ ル化ヘパリン処理した(N−アセチルヘパリン)動物における2時間後のD−キ シロース吸収の変化を示すグラフである。 図5Bは、図5Aと同じ一般型の出血4時間後のD−キシロース吸収の変化を 示すグラフである。 図6は、乳酸加リンゲル注射液による蘇生の終了2時間および4時間後におけ る偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、および2−O,3− O脱硫酸NACヘパリン処理した群における心拍数(HR、A)、1回拍出量( SV、B)および心拍出量(CO、C)における変化を示す。各群には6匹の動 物を用いた。データは平均±SEとして示してあり、一方向ANOVAおよびチ ューキー試験により比較してある。 図7は、乳酸加リンゲル注射液による蘇生の終了2時間および4時間後におけ る偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、および2−O,3− O脱硫酸NACヘパリン処理した群における平均動脈圧(MAP、A)および全 末梢抵抗(TPR、B)における変化を示す。各群には6匹の動物を用いた。デ ータは平均±SEとして示してあり、一方向ANOVAおよびチューキー試験に より比較してある。 図8は、乳酸加リンゲル注射液による蘇生の終了2時間および4時間後におけ る偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、および2−O,3− O脱硫酸NACヘパリン処理した群における肝臓(A)、腎臓(B)、脾臓(C )および小腸(D)での器官表面の微小血管血流量(MBF)の変化を示す。各 群には6匹の動物を用いた。データは平均±SEとして示してあり、一方向AN OVAおよびチューキー試験により比較してある。 図9は、乳酸加リンゲル注射液による蘇生の終了2時間および4時間後におけ る偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、および2−O,3− O脱硫酸NACヘパリン処理した群におけるイドシアニングリーン(ICG)ク リアランスの最大速度(Vmax、B)および移行効率(Km、B)における変化に よって測定される肝機能における変化を示す。各群には6匹の動物を用いた。デ ータは平均±SEとして示してあり、一方向ANOVAおよびチューキー試験に より比較してある。 図10は、乳酸加リンゲル注射液による蘇生の終了2時間および2時間後にお ける偽操作した(シャム)、通常食塩水処理した(食塩水)、および2−O,3 −O脱硫酸NACヘパリン処理した群におけるキシロース吸収によって測定され る腸機能における変化を示す。各群には6匹の動物を用いた。データは平均±S Eとして示してあり、一方向ANOVAおよびチューキー試験により比較してあ る。 図面中の略語は以下のように定義される:「2−ONAC」は2−O−脱硫酸 NACを表し、「2−O,3−ONAC」は2−O,3−O脱硫酸NACを表す。発明の詳細な記載 本明細書中に言及し引用する全ての刊行物および特許出願は、各個々の刊行物 または特許出願がその全体において明確かつ個別に記載されたと同程度に参照の ために引用されていると理解すべきである。 本発明の循環血液量減少性ショックまたはショック症候群の治療方法を開示お よび記載する前に、本発明が記載した特定の手順および処方に限られるものでな いことを理解すべきである。というのは、かかる手順や処方はもちろん、当業者 には理解されるであろうように変更可能だからである。また、本発明の範囲は添 付の特許請求の範囲によってのみ限定されるので、本明細書に使用する術語は特 定の態様を記載する目的でのみ使用するものであって本発明を限定することを意 図するものではないことも理解すべきである。 本明細書および添付の特許請求の範囲において使用する単数形の表示は、特に 断らない限り複数の表示を包含することにも注意すべきである。それゆえ、本発 明の開示内容を読む当業者には明らかであるように、たとえば、「ヘパリン様物 質」はヘパリン様物質の混合物を包含し、「方法」は本明細書に開示および記載 した一般的方法に等価な1または2以上の方法を包含する。 本発明の理解は、本明細書に使用したある種の術語を簡単に解説することによ って容易になるであろう。 本明細書において使用する「治療」なる語は、ショックの有害作用を予防、減 少またはいずれかの仕方で改善するために循環血液量減少性ショックの1または 2以上の臨床的兆候を患う動物、好ましくはヒトに適用する方法として定義され る。循環血液量減少性ショックなどの多くの疾患のメカニズムは複雑であり、複 数の原因の結果である。従って、本明細書において使用する「治療」とは、1ま たは2以上の原因または事象を妨害し、それによって治療しようとする個体に有 利な影響を有する方法を示す。循環血液量減少性ショックの「治療」には、おそ らく実際にはショックの原因を完全に取り除くことなく、兆候の開始を予防、遅 延またはいずれかの仕方で減少させることを包含することが理解されるべきであ る。従って、本発明の組成物を用いた治療は、治療を受けている個体が最終的に ショックに屈服するとしても、寿命を延ばしおよび/または生活の質を改善する ことができる。本発明による治療は、非抗凝血性ヘパリン様化合物の単一の投与 であってもよいし、または適当な流体蘇生の後の所定の期間にわたって該化合物 を何回か投与してもよい。 本発明の方法は主として循環血液量減少性ショックの治療に用いるものである が、該疾患の発病のハイリスクにある患者において該ショックの予防に適用可能 であることも注意する必要がある。たとえば、出血、外傷、火傷、多尿、嘔吐、 および下痢を含むある種の状態は循環血液量減少性ショックを発病するハイリス クを有する。Circulatory Shock91:7を参照。それゆえ、これら状態の一 つのために入院している患者は、循環血液量減少性ショックを予防するために本 発明の組成物を投与することができる。従って、本明細書において循環血液量減 少性ショックの治療方法を言及しているが、ショックの予防方法をも包含するこ とが当業者によって理解されるであろう。 「ヘパリン/ヘパラン硫酸」または「ヘパリン」は、抗凝血剤としてのヘパリ ンを調製するための常法によって組織から得られたかまたは他の仕方で合成して 組織から得られたものに対応する調製物を意味する。コンラッド(Conrad,H.E. )、Heparin and Related Polysaccharides、Vol.56、p18、ニューヨーク アカデミーオブサイエンス、1989年6月7日(参照のため本明細書中に引用 する)参照。この調製物は、ヘパラン硫酸の特性としてD−グルクロン酸(Gl cA)残基、およびヘパリンの特性としてL−イズロン酸(IdoA)残基を含 有していてよい。しかしながら、GlcAおよびIdoAは両方ともヘパラン硫 酸およびヘパリンの両者に含まれるけれども、これらは異なる比率の量で含まれ る。IdoA/GlcA比はヘパラン硫酸がヘパリン様になるにつれて上昇する 。上記背景技術において記載したように、D−グルクロン酸のL−イズロン酸へ の変換はヘパラン型中間体中のGlcA残基の5炭素でのエピマー生成(epimer ization)の結果である。かかるエピマー生成および変換に関与する工程の結果 は当該技術分野で理解されている。 ヘパリン断片または低分子量ヘパリンとは、平均分子量が5〜30kDaの範 囲のヘパリン調製物を平均分子量が2〜6.5kDaの範囲の組成物に解重合さ せる数多くの試薬の一つおよび方法で処理したヘパリンを意味する。そのような 試薬および方法は当該技術分野で知られており、その例としては亜硝酸解重合、 ベンジル化後にアルカリ解重合する方法、過ヨウ素酸解重合、アルカリ処理、お よびヘパリナーゼを用いた酵素的解重合が挙げられる。ハーシュ(Hirsh,J.)お よびレビン(Levine,M.)、Blood(1992)79:1〜17、および米国特許 第4,990,502号規則的構造を有する低分子量ヘパリン、その製造およびそ の生物学的使用、発明者はロルモー(Lormeau)ら;および米国特許第5,110 ,918号EDTA不含ヘパリン、ヘパリンフラクションおよび断片の製造法、 発明者はカスら参照。 「ヘパリン/ヘパラン硫酸」または「ヘパリン」調製物は、所望ならヒト組織 を含む種々の噛乳動物組織から得ることができる。一般に、ブタまたはウシの採 取源を用いるが、脈管化組織が好ましい。ヘパリン出発物質の好ましい採取源は ブタの腸粘膜であり、この組織採取源から調製した「ヘパリン」と表示した調製 物は市販されている。一般に、ヘパリン出発物質は、選択した組織源を自己消化 させ、組織をアルカリで抽出し、ついでタンパク質を沈殿させ、ついで上澄み液 から酸処理によってヘパリン−タンパク質複合体を沈殿させることによって調製 する。この複合体を、エタノールやアセトンまたはその混合物などの極性非水溶 媒を用いて再沈殿させ、ついでエタノールなどの有機溶媒で抽出した脂肪を除去 し、トリプシンなどのタンパク質分解酵素で処理してタンパク質を除去すること によって回収する。ヘパリン出発物質の適当な調製法は、たとえば、チャールズ (Charles,A.F.)らのBiochem J 30:1927〜1933に記載されており 、この基本手順の変法もまた、コイン(Coyne,E.)のChemistry and Biology of Heparin (1981)エルセビエ・パブリッシャーズ(Elsevier Publishers) 、ノースホランド、ニューヨーク、ランブラッド(Lunblad,R.L.)ら編などに記 載されたものによって知られている。 「NAC」および「NAC組成物」は、本明細書において非抗凝血性ヘパリン 様物質をいうものとして同じ意味で用いられる。NAC組成物は、ヘパリンの特 性の幾つかを有するが実質的に非抗凝血性であるヘパリン、ヘパリン断片である 。詳しくは、本発明のNAC組成物は、標準アッセイ手順によって明らかなよう に、また市販のヘパリンと比較されるように、ヘパリンに比べて抗凝血作用が実 質的に減少した化学的に修飾したヘパリンまたはヘパリン断片またはその誘導体 である。そのようなNAC化合物は、ヘパリンの抗凝血作用の約85%を欠くの が好ましい。 最後に、本明細書において、NAC化合物はヘパリンの化学修飾によって製造 される。そのような「化学修飾」は、適当な試薬および反応条件を用いたヘパリ ンの直接的な化学反応、酵素反応、遺伝子操作した細胞の使用等によるものであ ってよく、実際、ヘパリンが所望のNAC化合物に修飾されるいかなる手段をも 包含することを意図するものである。また、この定義に包含されるものとして、 ヘパリン結合性タンパク質を用いたアフィニティー分画化によって得られるNA C化合物が含まれ、その場合、かくして得られた画分はNAC組成物である。こ の略語 以下の略語を単糖またはオリゴマー中に含まれる単糖残基に対して用いる:D −グルクロン酸=GlcA;L−イズロン酸=IdoA;D−グルコサミン=G lcNH2;N−アセチル−D−グルコサミン=GlcNAc;D−グルコサミ ンN−サルフェート=GlcNS;2,5−アンヒドロマンノース=Aman; 2,5−アンヒドロマンニトール=AManHh。 本明細書に記載するヘパリン組成物の分析において得られた二糖残基を示すの に用いる略語は以下の通りである:ISMSはIdoA(2−サルフェート)− AManH(6−サルフェート)と定義される;GMS2はGlcA−AMan H(3,6−ジサルフェート)と定義される;ISはIdoA(2−サルフェー ト)−AManH(6−サルフェート)+IdoA(2−サルフェート)−AM anHと定義される。 各糖残基の表示に際して、適当な略語の下に、O−結合した硫酸残基の位置を 「S」および該糖残基上の酸素に硫酸残基が結合している硫酸化の位置の数字に よって示してある。また、ヘパリン構造の表示において、アルファおよびベータ アノマー結合に関与する位置はヘパリンに通常認められるもの、−(グルコサミ ン−ウロン酸)および−(ウロン酸−グルコサミン)であり、DまたはL配置も 通常関与するものである。サルフェー卜の位置はそれが適用される糖の略語の下 に示してあり、それゆえ、たとえば、 IdoA−GlcNS 2S 6S はL−イズロン酸とD−グルコサミンN−サルフェートとが(1−4)結合した 二糖からなり、糖残基の2および6位にそれぞれサルフェートが結合しているこ とを示す。 最も一般的な形態において、本発明は、循環血液量減少性ショックまたはショ ック関連症候群の治療を必要とする動物に実質的に抗凝血作用を欠くある種のヘ パリン様物質の有効量を投与することによる該疾患の治療法に関する。 NAC化合物は種々の手順によって得ることが可能であり、一般的には(これ に限られるわけではないが)、市販のヘパリン(一般にブタまたはウシ由来)を 出発物質として用い、ついで以下の手順の1または2以上を行うことにより得ら れる:(1)解重合;(2)N−脱硫酸、N−修飾;(3)O−脱硫酸;(4) N,O−脱硫酸およびN−修飾;(5)過度の硫酸化;(6)カルボキシル還元 ;(7)過ヨウ素酸酸化および還元;および(8)ATIIIアフィニティー分画 化。PCT特許出願WO 92/01003およびWO 92/02232(あ る種の非抗凝血性ヘパリンを示す)を参照。それゆえ、本発明のNAC化合物は 、ヘパリンまたはヘパリン硫酸を本明細書に記載する1または2以上の化学的処 理に供することによって得ることができる。たとえば、解重合を亜硝酸の存在下 で行うことができる。脱アシル化を酵素で処理することによって行うことができ る。PCT WO/92/17187−8は、かかる化学的処理手順を開示およ び記載するものとして参照のため本明細書中に引用する。 かかるNACヘパリンの他の例としては、部分的または完全にN−脱アセチル 化したヘパリン(グオ(Y.Guo)およびコンラッド(H.E.Conrad)、Anal.Bioche m .(1989)176:96〜104;およびシャックリー(Shaklee)および コンラッド、Biochem J.(1984)217:187〜197)を出発物質とし 、ついで(a)適当なN−硫酸化試薬でN−硫酸化して(アヨット(L.Ayotte) およびパーリン(A.S.Perlin)、Carbohydr.Res.(1986)145:267〜 277)スルファミノ含量の高い、従ってよりアニオン性の類似物を得るか、( b)無水物(R(CO)2O(式中、R=−(CH2nHおよびアリール))で N−アシル化して親水性置換基(親水性相互作用により生物学的に活性なタンパ ク質への結合を促進)を有する類似物を得ることによって調製したN−修飾ヘパ リンが挙げられる。別のN−修飾類似物は、公知の手順を用いてヘパリンを部分 的または完全にN−脱硫酸し(アヨットおよびパーリン、Carbohydr.Res.(19 86)145:267〜277)、ついで無水物(R(CO)2O(式中、R= −(CH2nHおよびアリール))でN−アシル化してアニオン電荷の減少した ヘパリン組成物を得ることによって調製することができる。 本発明の一つの側面が、患者の循環血液量減少性ショックを治療するために NACヘパリンを選択する場合に好ましいある種の特徴および化学的特性の予期 せぬ発見にあることを認識するのは重要である。たとえば、本発明者らは、N− アセチル化ヘパリンが不活性であることを示す実験によって明らかにされるよう に、実質的にN−硫酸化した組成物が有効であることを発見した。第二に、ある 種の実質的に解重合していない過ヨウ素酸酸化し水素化ホウ素還元したNACヘ パリン組成物もまた不活性である。以下に記載するアッセイにおいて実質的に不 活性であることが示された組成物は、米国特許出願第753,299号明細書( 1991年9月3日出願)に記載されている。 それゆえ、本発明において用いるNACヘパリン組成物は、実質的にN−硫酸 化されたものであり、実質的に解重合されておらず過ヨウ素酸酸化され水素化ホ ウ素還元されたものである。従って、この最後のクラスを除いてNACまたはN ACヘパリンの定義はそのような組成物をすべて包含することを意図する。 米国特許出願第944,804号明細書に記載された2−0,3−O脱硫酸した NACヘパリン組成物は好ましい組成物である。さらに好ましいのは、本明細書 に記載する2−0,3−O脱硫酸したヘパリン断片である。そのような断片はサ イズが減少しているため、非常に低い抗凝血作用を示し、有利なバイオアベイラ ビリティーおよび薬動学的特性を有する。 実質的に断片化していない2−0,3−O脱硫酸ヘパリンかまたは2−0,3− O脱硫酸ヘパリン断片のいずれかを含む非抗凝血性ヘパリン様物質の投与は、一 般にグリコサミノグリカン組成物に適した経路によって行われ、一般に注射など の全身投与を含む。 長期間にわたる連続注射を容易に続けることができるので、静脈注射が特に好 ましい。同様に好ましいのは、管腔内投与によるまたは浸透ポンプまたはインプ ラントを用いた外膜投与による脈管系への導入である。典型的なインプラントは 、コラーゲン、ポリラクテート、ポリアセテート/ポリグリコシド混合物などの 生分解性の物質を含む。これらはパッチ剤またはビーズ(beads)として調合す ることができる。典型的な投与量は、5〜30日、好ましくは7〜14日の期間 にわたる定量にて0.1〜10mg/kg/時の範囲である。特に好ましい投与 量 は、約0.3mg/kg/時、または70kgの成人に対しては21mg/時ま たは約500mg/日である。 他の投与法は好ましくはないが、一層便利ではある。低投与量での皮下注射、 または静脈注射よりもわずかに高い投与量での経口投与、局所的な損傷のための 経膜または経皮その他の局所投与もまた有効である。外傷部位にアクセス可能で ある場合には、おそらく脈管移植物質中に含まれる支持マトリックスなどの連続 放出デバイスによる局所投与は特に有用である。 上記投与法に適した調合は当該技術分野で知られており、適当な調合の大要はRemington's Pharmaceutical Sciences 、マック・パブリッシング・カンパニー (Mack Publishing Company)、イーストン、ペンシルベニア、最新版に記載さ れている。 上記のように、好ましいNAC非抗凝血性ヘパリン様物質は、硫酸化のレベル が減少したヘパリン誘導体であって、実質的に硫酸化されていないウロン酸残基 (IdoAおよびGlcA)を含有しヘパリンの抗凝血作用をほんの少ししか有 しない点でヘパリン、ヘパラン硫酸および他の修飾ヘパリンと異なっているヘパ リン誘導体である。それは、ヘパリンと同等またはそれ以上の循環血液量減少性 ショックの治療における有効性を有する。このヘパリン誘導体は、実質的に断片 化されていない2−0,3−O脱硫酸ヘパリン、または2−0,3−O脱硫酸ヘパ リン断片の組成物である。以下に記載する方法(同時継続中の米国特許出願第0 7/994,804号(1992年12月22日出願)明細書にも開示されてお り、参照のため本明細書中に引用する)は、2−0,3−O脱硫酸のパーセント の制御を可能にする。実施例 以下の実施例は、有用な治療学的ヘパリン様物質組成物の製造法および該組成 物の循環血液量減少性ショックの治療における投与についての完全な開示および 記載を当業者に提供するために記載するものであるが、本発明者らが発明である と認めるものの範囲を限定することを意図するものではない。使用した数字(た とえば、量、温度など)に関しては正確さを確保すべく努力したが、若干の実験 誤差および偏差は考慮されるべきである。特に断らない限り、部は重量部であり 、分子量は重量平均分子量であり、温度は摂氏温度であり、圧力は大気圧もしく はその近傍である。 特に定義しない限り、本明細書において用いるすべての技術および科学用語は 、本発明が属する技術分野の当業者によって普通に理解されているものと同じ意 味を有する。本明細書に記載する方法および材料と同様のまたは等価な方法およ び物質を本発明の実施または試験において使用することができるが、好ましい方 法および材料を記載する。 実施例1 2−O−脱硫酸NACヘパリンの調製 ヘパリン(1g、165U/mgブタ粘膜、ミング・ハン(Ming Han))を脱 イオン水(200ml)中に溶解し、1.0N NaOHを用いてpHを12.8 に調節した。ついで、水を加えて全量を250mlとし、最終ヘパリン濃度を0 .4%とした。ついで、この溶液を凍結させ、凍結乾固した。得られた外皮様の 黄色の残渣を脱イオン水(100ml)中に溶解し、5%酢酸水溶液を用いてp Hを7に調節した。ついで、この溶液を透析し、凍結乾燥して最終生成物(0. 8g)を得た。 生成物の1H−nmrスペクトルは、同様にして調製した化合物の特性データ (ジャセジャら、Can J.Chem.、67:1449(1889))と一致した。こ のことは、出発物質のヘパリン中の2−O硫酸化IdoA残基の>90%が生成 物中の硫酸化されていないIdoA残基に変換されたことを支持した。 この生成物の抗凝血作用は、aPTT凝血アッセイによって決定されるように 、出発物質のヘパリン(165U/mgUSP活性)に比べて10〜15%であ った。 実施例2 ヘパリン未処理動物における循環血液量減少性ショックに対する2−O−脱硫酸 NACヘパリンの効果 この実験は、ヘパリン未処理動物において出血によって誘発されたショック後 の蘇生の間に全身投与(静脈内注射、注入または他の適当な経路により)した場 合の循環血液量減少性ショックの治療における非抗凝血性ヘパリン様物質に関す る。ショードリーら、Circ.Shock(1989)27:318参照。その後の論説 には、動物を前ヘパリン処理した場合(ワング(Wang)ら、Am.J.Physiol.25 (Regulatory Integrative Comp.Physiol.28)R645〜R650、199 0およびラナら、J.of Trauma(1992)32(4):420〜426)、お よび循環血液量減少性ショックの後にヘパリンを投与した場合に、該モデルにお いて有利な効果が観察されることが記載されている。2−O−脱硫酸NACヘパ リンは実施例1の記載に従って調製した。 このモデルにおいてラットを出血させ、流した血液容量の40%が乳酸加リン ゲル注射剤(RL)の形で戻るまで、平均動脈圧(MAP)を40mmHgに維 持した。ついで、ラットを4回、所定量(〜45ml/ラット)の最大出血(ma ximum bleedout)(MB)でRLにより60分間かけて頸部テーテルを介して蘇 生させ、以下のパラメーターをモニターした:(1)肝細胞の機能(インドシア ニングリーンクリアランスに伴うKmおよびVmax)(図1AおよびB);(2) 平均動脈圧(MAP)および心拍数(HR)(図2AおよびB);心臓機能{心 拍出量(CO)、1回拍出量(SV)および全末稍抵抗(TPR)(図3A、B およびC)};(4)肝臓、腎臓、脾臓および小腸における微小血管血流(MB F)(それぞれ、図4A、B、CおよびF);および(5)消化管機能(キシロ ース吸収)(図5AおよびB)。図1〜5において、データは、(1)偽(シャ ム)操作(陽性コントロール)、(2)食塩水処理(陰性処理)、(3)ヘパリ ン処理、および(4)NAC処理からなる4つの異なる実験群について示してあ る。 肝細胞の機能はインドシアニングリーンクリアランスの動力学を用いてモニタ ーしたが、その際、KmおよびVmaxはそれぞれ能動輸送の効率およびクリアラン スの速度と相関している。蘇生開始3時間後の最大クリアランス速度(Vmax、 図1)は食塩水群に比べてNAC群では高く、シャムレベルの約85%であった 。その効果は5時間後ではわずかに低かったが、それでも食塩水処理動物の2倍 で あった。3時間におけるヘパリンおよびNAC群についての能動輸送の効率(Km )はシャム群よりも高かった(150〜160%)。5時間ではNAC群はシ ャム近くまで減少したが(125%)ヘパリン群は上昇したままであった。 NAC群の心臓機能は、食塩水処理した陰性コントロール動物およびヘパリン 処理した動物に比べて改善された。食塩水処理した動物およびヘパリン処理した 動物の両方の平均動脈圧(図2A)は70から約75mmHgにわずかに上昇し ただけであったが、NAC群は70から90mmHgに確実に上昇し、シャム群 は約110mmHgに確実に上昇した。NAC群の心拍数(図2B)は蘇生の間 にわずかに高く、ヘパリン処理動物および食塩水処理動物に比べて上昇したまま であったが、シャムよりは低かった。NAC群の心拍出量(図3A)は循環血液 量減少性ショックの後5時間にわたってシャムコントロールを上回るレベルまで 増加したが、ヘパリン群はシャム群の80%を回復した。NAC動物群の1回拍 出量(図3B)は、食塩水群、ヘパリン群およびシャム群よりも高いレベルに増 加した。TPR(図3C)は、食塩水群に比べてNAC群およびヘパリン群で蘇 生後において低かったが、ヘパリン処理動物ではTPRは一層迅速に増加したの に対してNAC群は5時間まで効果が持続した。全体として、これら結果は、N AC群およびヘパリン群において心臓機能が回復されることを支持しているが、 NAC群のみが改善されたCOおよびSVおよびTPRを示す。 微小血管血流(MBF)の測定は、図4A〜Dに示すように蘇生の開始3時間 および5時間後に行った。データはすべて、NAC群が食塩水群に比べてMBF が上昇していること、およびヘパリンと同じかまたはそれよりも高いことを示し ている。一般に、MBFは、NACを用いた場合はシャムの80〜100%内に 回復されたのに対して、食塩水では50〜60%、ヘパリンでは65〜85%で あった。調べた器官のうち、腎臓は回復が最も悪かった。しかしながら、この器 官の場合、回復が遅いのはよくあることである。 消化管機能の測定において、NACヘパリン様物質は食塩水群に比べて100 %の増加を示したが、出血後2時間においてシャム群の55%にすぎなかった。 ヘパリンも同様の効果を有していたが、ヘパラン硫酸の方が効果が大きかった。 蘇生4時間においては、ヘパリン様物質群は吸収レベルを維持したが、ヘパリン およびヘパラン硫酸は2時間のときの値よりも若干減少した。 これら結果は、循環血液量減少性ショックの後の心血管機能の評価において、 2−O−脱硫酸ヘパラン誘導体(NAC)がヘパリンと同等かまたはそれ以上の 効果を示すことを示している。消化管機能の研究において、NACは蘇生2時間 ではわずかに効果が低かったが、4時間では同等の効果であった。ヘパリンと比 べたNACの等価もしくはそれより優れた作用は、化学組成および生物学的活性 が異なることに鑑みると驚くべきことである。特に、天然のヘパリンおよびヘパ リン様分子(すなわち、ヘパラン硫酸)と異なり、化学的に修飾したNACは低 い抗凝血作用および出血作用を有し、それゆえヘパリンに付随する血液学的毒性 が減少し、一層高い投与量を利用することが可能となる。最も重要なことは、循 環血液量減少性ショックモデルに直接関係するNACの生物学的特性が、構造上 の修飾またはその結果としての生物学的活性のスペクトルの変化によって影響さ れないことである。 実施例3 血流力学および肝細胞機能外傷−出血および蘇生(Rs)に対する2−0,3− O脱硫酸NACヘパリン断片の効果 2−0,3−O脱硫酸NACヘパリン断片を、実質的に米国特許第944,80 4号明細書(1992年12月22日出願)の記載に従って製造した。しかしな がら、5kDaの分子量を有する断片の代わりに3〜4kDaの分子量を有する 断片を脱硫酸した。簡単に説明すると、低分子量(5kDa)のブタ粘膜ヘパリ ン(セルサス・ラボラトリーズ(Celsus Laboratories)より入手)(1.0g) を0.1M水酸化ナトリウム溶液(200ml)中に溶解した。この溶液を凍結 させ、凍結乾固して外皮様の黄色残渣を得た。この残渣を水(50ml)中に溶 解し、溶液に20%酢酸溶液を加えてpHを6〜7に調節した。ついで、固体重 炭酸ナトリウムを加えてpHを8〜9とした。この溶液を充分に透析し、凍結乾 燥後、固体生成物(0.77g)として単離した。%抗凝血作用は<2であった 。IdoA2−SおよびGMS2は検出することができず、ヘパリン出発物質は > 95%または99%脱硫酸されたことを示していた。 2−0,3−O脱硫酸NAC処理群(7mg/kg/時)の心臓機能は、食塩 水処理コントロール動物に比べて有意に改善されていた。NAC群の心拍数(図 6A)は、蘇生2時間後ではわずかに高かったが、4時間までにシャムレベルま で減少した。NAC動物群の1回拍出量(図6B)は食塩水群よりも有意に高く はなく、シャム群よりもわずかに低かった。NAC群の心拍出量(図6C)は、 循環血液量減少性ショックの後4時間にわたって、殆どシャムコントロールに等 価なレベルまで増加した。食塩水処理動物およびNAC処理動物の両方の平均動 物圧(図7A)は、約110mmHgのMAPを有するシャム群に比べて約70 〜約75mmHgであった。全末梢抵抗(TPR)(図7B)は、蘇生後に食塩 水処理に比べてNAC群で低く、4時間まで効果が持続した。全体として、これ ら結果は、NAC群およびヘパリン群において心臓機能が回復されることを支持 しているが、NAC群のみが改善されたCOおよびSVおよびTPRを示す。 肝臓、腎臓、脾臓および腸における微小血管血流(MBF)の測定を、それぞ れ図8A〜Dに示すように蘇生の終了2時間および4時間後に行った。データは すべて、NAC処理群が食塩水群に比べてMBFが上昇していること、および試 験したすべての器官においてシャム群とほぼ同等であることを示している。一般 に、MBFは、NACを用いた場合はシャムの80〜100%内に回復されたの に対して、食塩水では60%であった。 肝細胞の機能はインドシアニングリーンクリアランスの動力学を用いてモニタ ーしたが、その際、VmaxおよびKmはそれぞれ能動輸送の効率およびクリアラン スの速度と相関している(それぞれ、図9Aおよび9B)。蘇生終了2時間後の 最大クリアランス速度(Vmax)は食塩水群に比べてNAC群では高く、シャム レベルと等価であった。その効果は4時間後ではわずかに低かったが、それでも シャムの90%であり食塩水処理動物の3倍であった。2時間におけるNAC群 についての能動輸送の効率(Km)はシャム群よりも高かった(〜200%)。 4時間ではNAC群はシャム近くまで減少した(125%)。 消化管機能の測定において(図10)、NACはシャム群に比べて70%増加 したが、食塩水群に対しては55%にすぎなかった。蘇生4時間後に消化管機能 は2時間のときの値よりも若干減少したが、シャム群の約60%であり、食塩水 群はシャム群の40%であった。 実施例4 外傷−出血および蘇生(Rs)後の血流力学および肝細胞機能に対する2−0, 3−O脱硫酸した実質的に完全なNACヘパリンの効果 2−0,3−O脱硫酸ヘパリンを、実質的に米国特許第944,804号明細書 (1992年12月22日出願)の記載に従って製造する。簡単に説明すると、 ブタ粘膜ヘパリン(1.0g)を水(180ml)中に溶解し、1M NaOH (20ml)を加えて0.1M NaOH、および0.5%ヘパリンとした。この 溶液を凍結させ、凍結乾固する。得られた外皮様の黄色残渣を水(50ml)中 に溶解し、20%酢酸溶液を加えてpHを6〜7に調節する。固体重炭酸ナトリ ウムを加えてpHを8〜9とする。この溶液を充分に透析し、凍結乾燥して固体 生成物(0.73g)を得る。 この生成物を、aPTTの決定および二糖分析を含む種々のアッセイに供する 。表示した値はヘパリン出発物質との相対値である。バクスター・ラボラトリー ズ(Baxter laboratories)から得た市販のキットを用いてaPTT値を決定す る。該キットの使用に関する製造業者の指示は以下の通りである。これら値は、 ヘパリンと比べた%aPTTとして表してある。 これらアッセイを用い、上記単離した生成物は以下の%抗凝血作用(aPTT )、IdoA2−S、およびGMS2、それぞれ10.0、1.1、および<1を 示した。 上記実施例で測定した生理学的パラメーターを2−0,3−O脱硫酸した実質 的に完全なNACについても同様に測定する。 心臓機能に関しては、2−0,3−O脱硫酸した実質的に完全なNACで処理 した群(7mg/kg/時)は、食塩水で処理したコントロール群に比べて顕著 な改善を示す。NAC群の心拍数は蘇生2時間後にわずかに高いが、4時間まで にシャムレベルまで減少する。NAC動物群の1回拍出量は食塩水群よりも有意 に高くはなく、シャム群よりもわずかに低い。NAC群の心拍出量は、循環血液 量減少性ショックの後4時間にわたってシャムコントロールとほぼ等価なレベル に増加する。食塩水処理動物およびNAC処理動物の両方の平均動脈圧は、約1 10mmHgのMAPを有するシャム群に比べて約70〜約75mmHgである 。全末梢抵抗(TPR)はNAC群では食塩水処理群に比べて蘇生後に低下し、 4時間まで効果が持続する。全体として、これら結果は、NAC群およびヘパリ ン群において心臓機能が回復されることを支持しているが、NAC群のみが改善 されたCOおよびSVおよびTPRを示す。 肝臓、腎臓、脾臓および腸における微小血管血流(MBF)の測定を、蘇生の 終了2時間および4時間後に行う。データは、NAC処理群が食塩水群に比べて MBFが上昇していること、および試験したすべての器官においてシャム群とほ ぼ等価であることを示している。一般に、MBFは、NACを用いた場合はシャ ムの80〜100%内に回復されるのに対して、食塩水では50〜60%である 。ヘパリンは、シャムMBFの約65〜70%を回復することが知られている。 肝細胞の機能に関しては、蘇生終了2時間後の最大クリアランス速度(Vmax )は食塩水群に比べてNAC群では高く、シャムレベルと同等である。その効果 は4時間ではわずかに低いが、シャムの90%であり、食塩水処理動物の3倍で あった。2時間におけるNAC群についての能動輸送の効率(Km)はシャム群 よりも高い(〜200%)。4時間ではNAC群の値はシャム群の値近くまで減 少する(125%)。 消化管機能に関しては、NACの値はシャム群に比べて70%増加するが、食 塩水群に対しては55%にすぎなかった。蘇生4時間後に消化管機能は2時間の ときの値よりも若干減少するが、シャム群の約60%であり、食塩水群はシャム 群の40%である。
───────────────────────────────────────────────────── 【要約の続き】

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.実質的に非抗凝血性のヘパリン様物質(NAC)組成物の有効量を動物に 投与することを特徴とする、動物における循環血液量減少性ショックの治療方法 。 2.該NAC組成物が実質的に完全なポリマーを含む請求項1に記載の方法。 3.該NAC組成物が該ポリマーの断片を含む請求項2に記載の方法。 4.該組成物を構成する該NAC断片が約2〜6.4kDaの平均分子量を有 する請求項3に記載の方法。 5.該NACが、解重合またはO−脱硫酸によってヘパランまたはヘパリン硫 酸から得られたヘパランまたはヘパリン硫酸よりなる群から選ばれたものである 請求項1に記載の方法。 6.O−脱硫酸によって得られるNACが、実質的に断片化されていない2− O脱硫酸ヘパリンおよび2−O脱硫酸ヘパリン断片よりなる群から選ばれたもの である請求項5に記載の方法。 7.O−脱硫酸によって得られるNACが、実質的に断片されていない2−0 ,3−O脱硫酸ヘパリンおよび2−0,3−O脱硫酸ヘパリン断片よりなる群から 選ばれたものである請求項5に記載の方法。 8.該NACが、2−Oおよび3−O位においてそれぞれ50%〜99%およ び50%〜75%の量で脱硫酸されている請求項7に記載の方法。 9.投与が静脈内投与である請求項1に記載の方法。 10.該NACが、薬理学的に許容しうる賦形剤中にNACを含む注射可能な 医薬組成物として投与される請求項1に記載の方法。 11.該治療を、循環血液量減少性ショックに伴う血管障害を予防するために 行う請求項10に記載の方法。 12.該治療を、循環血液量減少性ショックに伴う器官機能を改善するために 行う請求項10に記載の方法。 13 該治療を、循環血液量減少性ショックに伴う心臓機能を改善するために 行う請求項10に記載の方法。 14.該非抗凝血性ヘパリン様物質の投与を、肝臓、腎臓、脾臓および小腸よ りなる群から選ばれた器官における微小血管血流を改善するに充分な治療学的有 効量にて行う請求項10に記載の方法。 15.該非抗凝血性ヘパリン様物質の投与を該動物を前ヘパリン処理すること なく行う請求項10に記載の方法。
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