JP2001240194A - 給液遮断弁 - Google Patents

給液遮断弁

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(57)【要約】 【課題】 ビールタンクのビールがなくなれば炭酸ガス
の圧力によってビール流路を確実に閉止することができ
る遮断弁を開示する。 【解決手段】 ガス圧によって付勢された液体流路途中
にあって、1次側流路と、2次側流路と、その中間には
弁室を備えると共に、この弁室の前記2次側流路には弁
座、前記弁室内には流路内の液体よりも比重が小さい球
体弁を備え、前記1次側流路の弁室に対する流入部より
も前記弁座を低く位置させた。弁座に球体弁が着座した
ときに、前記球体弁を弁室側に向かって押し込むための
リセット手段をさらに備えた。また、1次側流路よりも
2次側流路の断面積を大きくした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ビールボンベなど
から加圧によって液体をサーバに供給する液ラインの途
中に設けられるもので、ボンベの液体がなくなったとき
には確実かつ素早く閉弁することができる弁装置に関す
るものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】従来から業務用のビー
ルサーバでは、ビールを充填したタンクからビールを供
給する際に炭酸ガスの加圧によってビールをタンクから
押し出す態様である。そして、タンクにビールが残存し
ているうちは炭酸ガスがビールタンクの内液面を押し下
げ、これによってビールは外部に向かって供給される。
【0003】ところで、従来の装置ではビールがタンク
に残っていて正常に機能しているときはよいが、ビール
の残量がなくなったときには泡と炭酸ガスが勢いよくサ
ーバ側に放出されることになり、不都合である。そこ
で、ビールをジョッキなどに注ぐ者はビール残量がなく
なったことを経験的に知覚し、素早くノズルを閉止して
いる。しかしながらビールは1気圧以上の炭酸ガスで加
圧されているので、最後のほうは泡がノズルから多量に
噴出することを回避することは困難である。そのために
ビール残量がなくなった場合には自動的に炭酸ガスの供
給を停止することも考えられるが、弁機構が複雑になっ
てコストが嵩んでしまうという問題がある。
【0004】本発明は上述した従来の課題を解決するこ
とを目的とするもので、ビールタンクのビールがなくな
れば炭酸ガスの圧力によってビール流路を確実に閉止す
ることができる遮断弁を開示する。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明では上述した目的
を達成するために、ガス圧によって付勢された液体流路
途中にあって、1次側流路と、2次側流路と、その中間
には弁室を備える機構を採用した。そして、この弁室の
前記2次側流路には弁座、前記弁室内には流路内の液体
よりも比重が小さい球体弁を備えた。また、1次側流路
の弁室に対する流入部よりも弁座を低く位置させた。弁
室は球体弁の収納部を兼ねている。球体弁は弁座に対し
て着座することにより遮断弁として機能する。さらに球
体弁は弁室内で渦を形成する流体によって一定の位置に
静止することになり、液体が予定通り流れている間は当
該遮断弁は単に流路の一部を形成する。一方、液体残量
がなくなった場合には球体弁は自重によって降下し、ガ
ス圧によって弁座に押し付けられ、遮断弁の機能を発揮
する。1次側流路の弁室に対する流入部よりも弁座を低
く位置させるという手段は、流入部から弁座を介して液
体が2次側流路に直線的に流れるのを阻止するためであ
る。
【0006】さらに、弁座に球体弁が着座したときに、
前記球体弁を弁室側に向かって押し込むためのリセット
手段を備えるという構成も採用した。リセット手段はガ
ス圧によって付勢されながら着座している球体弁を開弁
状態に復帰させる機能を有する。
【0007】また、1次側流路よりも2次側流路の断面
積を大きくする請求項3の手段では、弁室を含む下流側
を減速し、乱流の発生を抑制する作用を行うものであ
る。球体弁を合成樹脂製とする手段では、大量生産時の
各弁の精度を安定することができる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施形態
を、添付した図面に従って説明する。図1は本発明を実
現するための装置全体を示したもので、1はビールタン
ク、2はビールタンク1の内圧に対して加圧するための
炭酸ガスボンベ、3は内部に冷却機構が内蔵された公知
のビールサーバ、4はビールを注ぎだすためのノズルで
ある。そして、5が本発明の給液遮断弁である。給液遮
断弁5は、ビールタンク1およびこれに接続された炭酸
ガスボンベ2の下流に位置している。
【0009】図2〜図4は本発明の本質である給液遮断
弁5の内部機構を示したもので、10は弁のハウジン
グ、11はOリングからなる弁座、12はビールなどの
液よりも比重が軽い球体弁、13は弁の1次側流路、1
4は2次側流路、15は弁室である。16はリセット棒
であって、スプリング17によって常時図示した位置に
付勢され、球体弁12が弁座11に着座した場合にこれ
を離脱させて通常の給液状態に復帰させるためのもので
ある。ハウジング10の素材は自由であるが、量産のた
めには合成樹脂による成形が好ましい。その他の構造的
な条件としては、1次側流路13から弁室15への流入
部18の高さよりも弁座11の高さがより低く位置する
ことによって弁室15内において液体が渦を形成するこ
とを必要とする。また、流入部18よりも2次側流路1
4の流路断面積を大きくして液体の流速を抑えることに
より、過度の乱流が発生しないようにすることを必要と
する。
【0010】続いて上記構成の遮断弁の動作を説明す
る。図2はノズル4を開いてビールが炭酸ガスによって
加圧された状態で流れているところを示している。この
場合、ビールは矢印のように流入部18を通って弁室1
5内に流入し、大きな渦を形成しながら弁座11を介し
て2次側流路14に流れ込み、図1のビールサーバ3に
供給される。球体弁12は液体よりも比重が小さいので
浮力によって弁室15内で浮こうとするが、渦に引き込
まれておよそ図示した位置で回転しながら安定する。弁
室15内に形成された2つの凸部19は、球体弁12の
位置を規制し、かつ渦を安定させるためにあるが、必須
の構成ではない。
【0011】次にノズル4を閉じてビールの供給を一時
停止した場合には、遮断弁の態様は図3に移行する。ノ
ズル4は最終の給液停止弁として機能するが、実施形態
の遮断弁は流路の途中に位置するので、液密の状態で流
体が安定する。そうすると、球体弁12は液体よりも比
重が小さいので、その浮力によって弁室15内の最高位
に浮き上がることになる。流体はノズル4を開くまで安
定した状態を維持するので、球体弁12も図示した位置
で停止する。そして、再びノズル4を開いてビールなど
を供給すれば流体が流路を形成するので、球体弁12が
流路に引き込まれて図2の状態に復帰する。この場合、
前述したが流入部18の高さが弁座11よりも低い位置
にあれば十分高い位置で球体弁12を静止させることが
できず、球体弁12は流れに沿って弁座11に着座する
方向に引き込まれてしまう。従って、流入部18は少な
くとも弁座11よりも高い位置に設定する必要がある。
【0012】続いて、図2の状態を維持している間にビ
ールタンク1の流体残量がなくなった場合、弁室15内
の液体は乱流を形成しながら炭酸ガスによって2次側流
路14に押し出されるが、液位が低下することにしたが
って球体弁12の位置も降下することになる。そして、
さらに炭酸ガスの加圧が継続しているため、球体弁12
は瞬間的に弁座11に押し付けられて着座し、遮断弁の
機能を発揮する。この後は炭酸ガスの加圧が継続してい
るので、球体弁12は弁座11から離脱することがな
い。
【0013】さらに続いて、空のビールタンクを満杯の
タンクに切り替えた場合には、弁室内にビールが充満し
た後に図5に示すようにリセット棒16を矢印方向に押
し込めば、球体弁12は炭酸ガスの加圧に抗して弁座1
1から離脱し、液流が発生する。そして、その後は液流
が安定した時点で図2の状態を再び維持することにな
る。
【0014】なお、本実施形態では球体弁を復帰させる
手段としてリセット棒を開示したが、これに限定する必
要はなく、たとえば炭酸ガス圧よりも高い圧力を下流側
から印加する手段や、カム機構によって実施態様のリセ
ット棒を押す手段など、適宜変更して採用することがで
きるのはいうまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明では上述したように、1次側流路
と2次側流路の中間に弁室を備え、この弁室の2次側流
路には弁座、弁室内には流路内の液体よりも比重が小さ
い球体弁を備え、さらに1次側流路の弁室に対する流入
部よりも弁座を低く位置させたので、液体が流れている
間は球体弁が開弁状態で静止し、ノズル先端などを閉止
した場合には球体弁の浮力によって上方に浮き上がった
状態で安定する。また、液体がなくなればガス圧によっ
て球体弁は弁座に確実に着座することになるので、信頼
性が高い遮断弁とすることができた。
【0016】また、弁座に球体弁が着座したときに、球
体弁を弁室側に向かって押し込むためのリセット手段を
備えたことにより、液体供給タンクを交換した後にこれ
を操作すれば、簡単に球体弁が復帰することになり、確
実なリセット作業を行うことができる。
【0017】さらに、1次側流路よりも2次側流路の断
面積を大きくしたので弁室より下流の流速が遅くなり、
弁室内の乱流の発生を抑制することができる。したがっ
て、球体弁の安定した静止状態を維持することができ
る。さらにまた、球体弁を合成樹脂製とした場合には高
精度の弁機構を量産することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ビール供給装置全体を示す斜視図
【図2】本発明の遮断弁の一例で、給液時を示す断面図
【図3】同、給液停止時を示す断面図
【図4】同、ビール残量がなくなった状態を示す断面図
【図5】リセット手段を操作した状態を示す断面図
【符号の説明】
1 ビールタンク 2 炭酸ガスボンベ 3 ビールサーバ 4 ノズル 5 給液遮断弁 10 ハウジング 11 弁座 12 球体弁 13 1次側流路 14 2次側流路 15 弁室 16 リセット棒 17 スプリング 18 流入部 19 凸部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ガス圧によって付勢された液体流路途中に
    あって、1次側流路と、2次側流路と、その中間には弁
    室を備えると共に、この弁室の前記2次側流路には弁
    座、前記弁室内には流路内の液体よりも比重が小さい球
    体弁を備え、前記1次側流路の弁室に対する流入部より
    も前記弁座を低く位置させたことを特徴とする給液遮断
    弁。
  2. 【請求項2】弁座に球体弁が着座したときに、前記球体
    弁を弁室側に向かって押し込むためのリセット手段をさ
    らに備えた請求項1記載の給液遮断弁。
  3. 【請求項3】1次側流路よりも2次側流路の断面積が大
    きい請求項1記載の給液遮断弁。
  4. 【請求項4】球体弁は合成樹脂製である請求項1〜3の
    いずれか記載の給液遮断弁。
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