JP2001240115A - 乾燥固体食品用プラスチック容器 - Google Patents

乾燥固体食品用プラスチック容器

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JP2001240115A
JP2001240115A JP2000048389A JP2000048389A JP2001240115A JP 2001240115 A JP2001240115 A JP 2001240115A JP 2000048389 A JP2000048389 A JP 2000048389A JP 2000048389 A JP2000048389 A JP 2000048389A JP 2001240115 A JP2001240115 A JP 2001240115A
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Kenichi Hama
浜  研一
Takeshi Kage
鹿毛  剛
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    • B65D1/0215Bottles or similar containers with necks or like restricted apertures, designed for pouring contents characterised by material, e.g. composition, physical features multilayered

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、匂いを有し、酸素によって品質劣
化が生じやすく、さらには湿気により粉末相互間で凝集
しやすい乾燥粉末食品や酸素または湿気によって鋭敏に
品質劣化が生じやすい乾燥固形食品等に使用可能な乾燥
固体食品用プラスチック容器を提供するものである。 【解決手段】 本発明に係る乾燥固体食品用プラスチッ
ク容器は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が
内面に形成されているプラスチック容器であって、水蒸
気透過性が0〜0.006g/容器/日、かつ、酸素透
過性が0〜0.011ml/容器/日であり、上記DL
C膜の組成、密度、膜厚の3つの条件を適切化すること
により得られるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乾燥固体食品、特
に匂いを有し、酸素によって品質劣化が生じやすく、さ
らには湿気を帯びたときに粉末相互間で凝集しやすい乾
燥粉末食品、あるいは、酸素または湿気によって鋭敏に
品質劣化が生じやすい乾燥固形食品の容器として使用可
能な乾燥固体食品用プラスチック容器に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、プラスチック製の容器は、成形
が容易である点、軽量である点および低コストである点
等から、食品や医薬品等の様々な分野であって、充填容
器として広く使用されている。
【0003】しかしながら、プラスチックは、よく知ら
れているように、酸素や二酸化炭素等の低分子ガス分子
を透過させたり、水分子を透過する性質を有する。すな
わち酸素や二酸化炭素等の非極性ガス分子が透過しにく
いプラスチックであっても、水分子等の極性分子は、プ
ラスチック中の透過メカニズムが上記非極性分子のもの
と異なるために透過しやすい。同様に透過メカニズムの
違いから水分子等の極性分子が透過し難いプラスチック
であっても、酸素や二酸化炭素等の非極性ガス分子を透
過しやすい。また、匂い成分を構成する分子を収着した
り透過したりするため、プラスチック容器はガラス容器
等に比べて、その使用対象や使用形態について様々な制
約を受ける。
【0004】したがって、匂い成分の収着が少なく、酸
素や二酸化炭素等の非極性分子と水等の極性分子を共に
透過しにくいプラスチック容器はほとんどなかった。オ
レフィン系のポリプロピレン容器及びポリエチレン容器
は、防湿性を有するが、酸素バリヤ性と保香性が充分で
なかった。一方、PET容器は保香性を有するが、酸素
バリヤ性と防湿性が充分でなく、更なる性能向上が求め
られていた。現在、発明者らが把握している中で酸素お
よび二酸化炭素のガスバリア性を有し、防湿性、さらに
保香性を有しているプラスチック容器は、ポリ塩化ビニ
リデン容器があるのみである。しかしながら、ポリ塩化
ビニリデン容器は、機械適性に劣るという欠点があり、
また、廃棄物として焼却処理する場合には塩素を含むた
めに高温焼却が必要とされた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、乾燥食品は
一般に水分が少なく、その水分含量は6重量%以下であ
るため、微生物汚染は少ないが吸湿が早いという欠点が
あった。したがって、乾燥食品の品質保持にはどうして
も防湿設計が必要である。インスタントコーヒーや粉乳
などの乾燥粉末食品は、匂い成分を有し、酸素によって
品質劣化が生じやすい。さらに粉末状の形態を有するた
めに、より一層に湿気を帯び易く、粉末相互間で凝集し
やすい。そこで、保存剤、乾燥剤などを一切使用せずに
湿気及び酸素を遮断し、またコーヒー等の特有の香りを
逃がさないために、完全密封できるガラス容器や金属缶
容器が使用され、さらに品質劣化を防止するために窒素
充填されることが多かった。
【0006】また、酸素及び湿気によって鋭敏に品質劣
化が生じやすい味付け海苔や焼き海苔については、金属
缶容器やプラスチックフィルム、広口PET容器が使用
されている。味付け海苔や焼き海苔はその水分含量が4
〜6%であり、いずれも生石灰などの防湿剤が容器の中
に入れられ、消費者に届くまでの品質を保持していた。
例えば、広口のPET容器では、容器の大きさ外径φ7
6mm×140mmH(内容量:430ml、PET樹
脂25g)の中に、焼き海苔8切れ48枚(全型6枚
分、4g/枚×6=24g相当)と防湿剤25g(生石
灰用包装の主成分が生石灰のもの)が入れられている。
焼き海苔は乾燥されており、それなりの食感があるが、
焼き海苔が水分を吸湿してしまうと鋭敏に品質劣化(食
感の劣化)が生じる。従って、焼き海苔の包装では、水
分を吸湿しない包装を行うと同時に、水分を吸湿したと
しても防湿剤で再度乾燥状態にすることが必要であっ
た。しかしながら、焼き海苔とほぼ同じ重量の防湿剤を
入れることは無駄であり、しかも使用後は、プラスチッ
クと防湿剤の混合品で分別できにくい製品であるため、
ゴミとしての処理が面倒であった。
【0007】乾燥食品の中で多くの香辛料(胡椒、シナ
モン、ガーリック、ナツメグ、バジル、カレー粉、粉わ
さび、粉山椒)は、ガラス容器または金属缶に充填包装
されていた。特に香り成分は揮発性に富むため、気密容
器を使用して空気に触れないようにすることが不可欠で
あった。また、辛み成分は湿気を嫌い、揮発性のものが
多いため、乾燥状態と気密性を保つことが不可欠であっ
た。
【0008】しかしながら、上記のようにプラスチック
容器は成形の容易性、軽量性および低コスト性等の特性
を有しているので、乾燥固体食品、特に匂いを有し、酸
素によって品質劣化が生じやすく、さらには湿気を帯び
たとき粉末相互間で凝集しやすい乾燥粉末食品、あるい
は、酸素または湿気によって鋭敏に品質劣化が生じやす
い乾燥固形食品の容器として使用できれば非常に便利で
ある。
【0009】特開平8−53117号公報には、酸素と
二酸化炭素について優れたガスバリア性を有し、酸素に
鋭敏な炭酸飲料や発泡飲料に適した容器として、プラス
チック容器の内壁面にDLC(Diamond Lik
e Carbon)膜を形成した容器およびこのような
容器の製造装置が開示されている。
【0010】ここでDLC膜とは、iカーボン膜または
水素化アモルファスカーボン膜(a−C:H)とも呼ば
れる硬質炭素膜のことで、SP結合を主体にしたアモ
ルファスな炭素膜であり、非常に硬くて絶縁性に優れて
いるとともに高い屈折率を有している。このようなDL
C膜をプラスチック容器の内壁面に形成することによ
り、炭酸飲料や発泡飲料の容器として使用可能な容器を
得ている。
【0011】上記公報の発明の容器は、(1)透明性がよ
く,異物検査に支障をきたさない、(2)酸素透過性が少
ない、という特性を備えている。
【0012】また、特開平11−70152号公報で
は、プラスチックフイルムの少なくとも片面に、水素濃
度が50原子%以下であり、かつ、酸素濃度が2〜20
原子%であるダイヤモンド状炭素膜が形成されている薬
品容器用フィルム等について開示されている。当該フィ
ルムは透明性、酸素バリア性と水蒸気バリア性を有した
フィルムである。この公報では、材料特性として水蒸気
バリア性に優れ、酸素を透過しやすいポリプロピレンと
ポリエチレンフィルムについての実施例が示されてい
る。25μmの二軸延伸ポリプロピレンの酸素透過度が
17.3ml/m/日である。また、透湿度は4.5
g/m/日でバリヤ性の向上も2または3倍程度であ
る。
【0013】しかし炭素膜コーティングプラスチック容
器をもってしても、(1)透明性がよく,異物検査に支障
をきたさない、(2)内容物と反応しない、という基本特
性に加え、(3)香気成分のバリア性を有し、(4)水蒸気
透過性が少ない、(5)酸素透過性が少ない、等の要求を
満足できる容器はなかった。
【0014】本発明は、乾燥固体食品、特に匂いを有
し、酸素によって品質劣化が生じやすく、さらには湿気
を帯びたとき粉末相互間で凝集しやすい乾燥粉末食品、
あるいは酸素または湿気によって鋭敏に品質劣化が生じ
やすい乾燥固形食品の容器として使用可能な乾燥固体食
品用プラスチック容器を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載した発明
は、DLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が内面に
形成されているプラスチック容器であって、水蒸気透過
性が0〜0.006g/容器/日、かつ、酸素透過性が
0〜0.011ml/容器/日であることを特徴とする
乾燥固体食品用プラスチック容器である。これにより、
酸素ガスバリア性を有し、かつ防湿性に優れた乾燥固体
食品用プラスチック容器を提供できるため、酸素や湿気
の混入による乾燥固体食品の品質劣化を防止することが
出来る。
【0016】なお、プラスチックに対し、窒素、酸素、
二酸化炭素の非極性分子からなるガス透過性は一般に
1:3.8:24.2の関係があるといわれている(医
薬品の包装設計、杉原正泰編、南山堂275頁)。酸素
ガスバリア性を有している本発明の炭素膜コーティング
プラスチック容器はこの一般の関係に従って炭酸ガスバ
リア性も有していた。
【0017】DLC膜は炭素原子と水素原子からなり、
たとえばポリエチレン樹脂も同様の原子から構成され
る。しかし、ポリエチレンが他のプラスチック樹脂と同
じく、酸素と水蒸気の共に透過性を有するのに対し、本
発明の炭素膜コーティング容器ではどちらのガスも透過
性が非常に低い。本発明者らはこの理由については以下
のように推測している。水素含量が50原子%と多いD
LC膜は、密度も1.2〜1.3で低く、炭素原子と水
素原子がポリマー状になっている。このときDLC膜は
伸縮性をもっているので容器の伸縮に対してクラックが
入ることはないが、緻密な膜でないため、酸素及び水分
が透過しやすいと推測される。一般にプラズマCVD
(化学気相成長)法では、高周波の印加電力を上げると
負の自己バイアスが大きくなるが、負の自己バイアスが
大きくなると正イオンの衝撃を促進することにより、緻
密な膜ができて膜の密度が大きくなる。また、成膜時の
圧力が低いほど負の自己バイアスは大きくなる傾向であ
る。高周波の印加電力が下げると、十分なバイアスが与
えられずに合成されたDLC膜は水素やグラファイト的
なSP2結合を多く含み、ふわふわした膜となるため、膜
の密度も小さい。膜厚が薄すぎると、膜が島状で穴があ
いている状態であり、全体を覆わない。また、膜厚が厚
くなりすぎると、膜自体に圧縮応力が働き、膜にクラッ
クが入り剥離してくる。従って本発明に係る炭素膜は、
炭素膜であるからという理由で酸素および水蒸気に対し
ガスバリア性を有するのではなく、本発明は特に組成、
密度、膜厚の3つの条件を適切化することにより得られ
るものである。
【0018】ここで本発明のDLC膜でいう組成とは、
水素原子%と炭素原子%によって決定される。すなわ
ち、製造条件より理論上、水素と炭素以外の構成原子と
して酸素を含むことがありうるが、その量は非常に少な
い。酸素原子%は0.2原子%以下(X線光電子分光
法、SSX−100型(SSI社製))である。したが
って本発明のDLC膜では、水素原子%が20原子%で
あるならば、炭素原子%は近似的に80原子%である。
また本発明のDLC膜でいう密度とは、かさ密度を意味
するので、膜組成が決まれば必然的に決まるものではな
い。すなわち、同組成でも析出速度を変えれば緻密さが
変わるため、ガスバリア性に影響が及ぶ。本発明では特
にこれらの3つの条件を適切化することにより、本発明
の炭素膜コーティング容器は得られたものである。本発
明では、適切化するためにDLC膜の組成、密度、膜厚
を指標とした。
【0019】実施例で後述するが、酸素バリア性の観点
から、DLC膜の3つの条件は下記の通りである。すな
わち、組成条件は水素原子%としては8〜45原子%、
好ましくは、10〜40原子%である。密度条件は1.
3〜2.2g/cm、好ましくは1.4〜2.0g/
cmである。膜厚条件は150〜450Å、好ましく
は、180〜420Åである。
【0020】水蒸気バリア性の観点から、DLC膜の3
つの条件は下記の通りである。すなわち、組成条件は水
素原子%としては10〜40原子%、好ましくは、15
〜35原子%である。密度条件は1.6〜2.1g/c
、好ましくは1.7〜2.0g/cmである。膜
厚条件は180〜350Å、好ましくは、200〜32
0Åである。
【0021】従って、酸素バリア性及び水蒸気バリア性
を兼ね備えた乾燥固体食品用プラスチック容器を得るた
めには、DLC膜の3つの条件を下記のようにすること
で達成される。すなわち、組成条件は水素原子%として
は10〜40原子%、好ましくは、15〜35原子%で
ある。密度条件は1.6〜2.1g/cm、好ましく
は1.7〜2.0g/cmである。膜厚条件は180
〜350Å、好ましくは、200〜320Åである。こ
のとき、DLC膜が内面に形成されているプラスチック
容器であって、水蒸気透過性が0〜0.006g/容器
/日で、酸素透過性が0〜0.011ml/容器/日で
あることを特徴とする乾燥固体食品用プラスチック容器
が得られる。
【0022】請求項2に記載した発明は、請求項1記載
の乾燥固体食品が、平均粒子直径が50μm〜3mmで
あり、かつ、水分含量が6%以下の乾燥粉末食品である
こと、または水分含量が6%以下の乾燥固形食品である
ことを特徴とする請求項1記載の乾燥固体食品用プラス
チック容器である。これにより、特に乾燥粉末食品であ
って、湿気を帯びたことによる粉末相互間での凝集を防
止することが出来る。また、乾燥固形食品の乾燥状態を
保持することにより、長期に渡って食感を損なうことが
ない。
【0023】請求項3に記載した発明は、請求項2に記
載した乾燥粉末食品が、インスタントコーヒー、香辛
料、または粉乳であることを特徴とする乾燥固体食品用
プラスチック容器である。インスタントコーヒーや粉
乳、香辛料などの乾燥粉末食品は、匂い成分を有し、酸
素によって品質劣化が生じやすい。さらに粉末状の形態
を有するためにより一層に湿気を帯び易く、粉末相互間
で凝集しやすい。したがって本発明容器により、香辛料
などの香りの強い乾燥固形食品について香りを逃がさ
ず、かつ長期的に乾燥を保つことで粉末の凝集を防止す
ることが出来る。
【0024】請求項4に記載した発明は、請求項2に記
載した乾燥固形食品が、乾燥海苔であることを特徴とす
る乾燥固体食品用プラスチック容器である。これによ
り、防湿性が特に要求される焼き海苔などの乾燥固形食
品について長期に渡り乾燥状態を保持でき、さらに、防
湿剤を不要とすることが出来るため、プラスチック容器
と防湿剤の分別も不要となり、使用後の容器の処理も容
易となる効果がある。
【0025】請求項5に記載した発明は、請求項1〜4
に記載したプラスチック容器が、ポリエチレンテレフタ
レート樹脂で形成されていることを特徴とする請求項
1、2、3又は4記載の乾燥固体食品用プラスチック容
器である。プラスチックは、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリ
スチレン樹脂、シクロオレフィンコポリマ樹脂、ポリエ
チレンナフタレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール
共重合樹脂、ポリ−4−メチルペンテン−1樹脂、ポリ
メタクリル酸メチル樹脂、アクリロニトリル樹脂、ポリ
塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、アクリロニ
トリル−スチレン樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン
−スチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹
脂、ポリアセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ
ブチレンテレフタレート樹脂、アイオノマ樹脂、ポリス
ルホン樹脂、または、4弗化エチレン樹脂がよいが、ポ
リエチレンテレフタレートがより好ましく、ポリエチレ
ンテレフタレート製容器にDLC膜を形成させた時に、
優れた性能を発揮する。
【0026】
【発明の実施の形態】まず、本発明の炭素膜コーティン
グプラスチック容器の製造実施形態について説明する。
【0027】図1は、本装置の電極構成等を示す図であ
る。図1に示すように、本装置は基台1と、基台1に取
り付けられた肩部電極2および胴部電極3と、胴部電極
3に対して着脱可能とされた底部電極4とを備える。図
1に示すように、肩部電極2、胴部電極3および底部電
極4は、それぞれプラスチック容器5の外形に即した形
状の内壁面を有し、肩部電極2はプラスチック容器5の
肩部に、胴部電極3はプラスチック容器5の胴部に、底
部電極4はプラスチック容器5の底部に沿って、それぞ
れ配置される。肩部電極2、胴部電極3および底部電極
4は、本装置の外電極を構成する。
【0028】底部電極4を胴部電極3に対して取りつけ
たとき、基台1、肩部電極2、胴部電極3および底部電
極4は、互いに気密的に取り付けられた状態となり、こ
れらはプラスチック容器5を収納する収納部10を備え
る真空チャンバとして機能する。
【0029】図1に示すように、肩部電極2および胴部
電極3の間には絶縁体6が介装され、これにより肩部電
極2と胴部電極3とが互いに電気的に絶縁されている。
また、胴部電極3と底部電極4との間にはOリング7が
介装され、底部電極4が取り付けられた場合に底部電極
4と胴部電極3との問にわずかな間隙が形成される。こ
れにより底部電極4と胴部電極3との間の気密性を確保
しつつ、両電極間を電気的に絶縁するようにしている。
【0030】収納部10には内電極11が設けられてお
り、内電極11は収納部10に収容されたプラスチック
容器5の内部に挿入される。内電極11は電気的にグラ
ンド電位に接続されている。
【0031】内電極11は中空形状(筒状)に形成され
るとともに、その下端には内電極11の内外を連通させ
る1つの吹き出し孔(不図示)が形成されている。な
お、吹き出し孔を下端に設ける代わりに、内電極11の
内外を放射方向に貫通する複数の吹き出し孔(不図示)
を形成してもよい。内電極11には内電極11の内部と
連通される管路12が接続されており、管路12を介し
て内電極11内に送り込まれた原料ガスが、この吹き出
し孔を介してプラスチック容器5内に放出できるよう構
成されている。なお、管路12は金属製であり導電性を
有し、図1に示すように、管路12を利用して内電極1
1がグランド電位に接続されている。また、内電極11
は管路12により支持されている。
【0032】図1に示すように、底部電極4には整合器
8を介して高周波発振器9の出力端が接続されている。
高周波発振器9はグランド電位との間に高周波電圧を発
生させ、これにより内電極11と底部電極4との間に高
周波電圧が印加される。
【0033】次に、本装置を用いてプラスチック容器5
の内壁面にDLC(DiamondLike Carb
on)膜を形成する場合の手順について説明する。
【0034】プラスチック容器5はその底部が底部電極
4の内面に接触するようにセットされ、底部電極4が上
昇することにより、プラスチック容器5は収納部10に
収納される。このとき収納部10に設けられた内電極1
1が、プラスチック容器5の口(上端の開口)を介して
プラスチック容器5の内部に挿入される。
【0035】底部電極4が所定の位置まで上昇して収納
部10が密閉されたとき、プラスチック容器5の外周は
肩部電極2、胴部電極3および底部電極4の内面に接触
した状態となる。次いで、不図示の真空装置により、収
納部10内の空気が基台1の排気口1Aを介して排気さ
れる。収納部10内が必要な真空度に到達するまで減圧
された後、管路12を介して送られた原料ガス(例え
ば、脂肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類等の炭素源ガ
ス)が、内電極11の吹き出し孔からプラスチック容器
5の内部に導入される。
【0036】原料ガスの濃度が所定値になった後、高周
波発振器9を動作させることにより内電極11と外電極
との間に高周波電圧が印加され、プラスチック容器5内
にプラズマが発生する。これによって、プラスチック容
器5の内壁面にDLC膜が形成される。
【0037】すなわち、このプラスチック容器5の内壁
面におけるDLC膜の形成は、プラズマCVD法によっ
て行われ、外電極と内電極11との間に発生したプラズ
マによって絶縁されている外電極の内壁面に電子が蓄積
して、所定の電位降下が生じる。
【0038】これによって、プラズマ中に存在する原料
ガスである炭化水素の炭素および水素がそれぞれプラス
にイオン化される。そして内壁面に蓄積した電子との間
の静電引力により外電極の内壁面に沿って延びるプラス
チック容器5の内壁面に引き寄せられてランダムに衝突
し、近接する炭素原子同士や炭素原子と水素原子との結
合、さらに一旦は結合していた水素原子の離脱(スパッ
タリング効果)によって、プラスチック容器5の内壁面
に極めて緻密なDLCからなる硬質炭素膜が形成され
る。
【0039】上記のように、高周波発振器9の出力端は
整合器8を介して底部電極4のみに接続されている。ま
た、底部電極4と胴部電極3との間には間隙が形成さ
れ、底部電極4と胴部電極3とは互いに電気的に絶縁さ
れている。さらに、胴部電極3と肩部電極2との間には
絶縁体6が介装されており、胴部電極3と肩部電極2と
は互いに電気的に絶縁されている。したがって、胴部電
極3および肩部電極2に印加される高周波電力は底部電
極4に印加される高周波電力よりも小さなものとなる。
ただし、底部電極4と胴部電極3との間、および胴部電
極3と肩部電極2との間は、それぞれの間隙を介して容
量結合しているため、胴部電極3および肩部電極2に対
してもある程度の高周波電力が印加される。
【0040】一般に、ボトル等のプラスチック容器の底
部はその形状が複雑であり、DLC膜の膜厚、組成、お
よび密度が均一に形成されにくい。このため、DLC膜
を形成した後であっても、容器の底部のガスバリア性が
低くなりがちである。
【0041】これに対して、上記実施形態の製造装置に
よれば、プラスチック容器の底部に対し胴部や肩部より
も大きな高周波電力を印加することができるので、ボト
ル全体に所望の膜厚、組成、及び密度のDLC膜を均一
に形成することが可能であり、容器全体としてのガスバ
リア性を効果的に向上させることができる。上記実施形
態では、印加電力は800〜1400Wである。
【0042】上記実施形態では、肩部電極2、胴部電極
3および底部電極4を直流的には完全に絶縁するように
構成しているが、各電極を抵抗性、あるいは容量性の素
子等により互いに接続するようにしてもよい。要は、容
器の各部分に応じて必要な大きさの高周波電力を印加で
きるようにすれば良く、例えば、肩部電極2、胴部電極
3および底部電極4の各電極に対して、それぞれ別個に
高周波電力を印加するように複数の高周波発振器を用意
してもよいし、あるいは単一の高周波発振器の出力を複
数の整合器を介してそれぞれの電極に接続するようにし
てもよい。
【0043】上記実施形態では、外電極を3つの部分に
分割する場合を例示しているが、外電極を2つに分割し
てもよいし、4つ以上の部分に分割してもよい。
【0044】また、上記実施形態では、底部にDLC膜
が形成されにくいような形状の容器について説明した
が、容器の形状に応じて、印加する高周波電力の分布を
調整することにより、容器全体にわたり良好なDLC膜
を形成することが可能となる。
【0045】したがって、底部にDLC膜が形成されや
すい容器形状の場合では、外電極を分割せずに印加する
高周波電力の分布を調整することにより、容器全体にわ
たり良好なDLC膜を形成することも可能である。
【0046】上記実施形態では、高周波プラズマCVD
法を原理とした製造について説明をした。上記実施形態
では、ボトルの形状が複雑でも底部まで所望の組成、密
度、膜厚のDLC膜を生成させることが可能である。そ
の生成条件を後述する実施例に示す3つの条件に調整す
ることにより、所望の特性、すなわち、(1)透明性がよ
く,異物検査に支障をきたさない、 (2)内容物と化学
的に反応しない、という基本特性に加え、(3)香気成分
のバリア性を有し、(4)水蒸気透過性が少ない、(5)酸
素透過性が少ない、等を有する炭素膜コーティングプラ
スチック容器を発明するに至った。
【0047】ただし、DLC膜の形成方法は上記実施形
態の方法に限定されない。たとえば、マイクロ波プラズ
マCVD法を原理とした製造装置等によってDLC膜を
形成させてもよい。
【0048】
【実施例】本発明では、原則として実施例に500ml
PETの容器(重量30g、肉厚0.3mm)を用い、
この容器の内表面積は400cm2/容器である。した
がってガスバリア性は、容器1本あたりについて計算し
ている。これを面積(m)あたりに換算する場合は、
評価で用いた容器の内表面積を勘案して換算すればよ
い。なお、裏蓋からのガス透過はほとんどないため、そ
の面積は考慮に入れない。ただし、この実施例の容器の
容量、形状により本発明が限定されるものではない。ま
た、PET容器は、ポリエチレンテレフタレート樹脂
(日本ユニペット(株)RT543(Intrinsic Viscos
ity(固有粘度)0.77))を使用して成形した。
【0049】−分析法− (1)膜厚測定 Tenchol社alpha−step500の触針式
段差計で厚みを測定した。 (2)表面積 ボトル図面からCADにより計算した。1本あたり約4
00cm2である。 (3)膜重量の測定 PETボトルを細断し、フレーク片をビーカに入れ、常
温の4%NaOH水で10時間反応させ、DLC膜を剥
離させた。この溶液をポリテトラフルオロエチレン製の
ミリポアフィルター(孔径0.5μm)でろ過し、10
5℃で乾燥させ、ろ過前後の重量からDLC膜の重量を
求めた。アルカリ溶液は不純物として残さがあるので、
アルカリ溶液のブランク値も求めて、DLC膜の重量を
補正した。 (4)膜密度の測定 密度は次式から計算で求めた。密度=重量÷(表面積×
厚み) (5)膜水素原子含量の測定 島津IBA−9900EREA(elastic re
coil detection analysis,弾
性反跳粒子検出法) を使用してDLC膜中の水素原子
%(水素原子数の比率)を測定1)した。 1)A.Kimura,Y.Nakatani,K.Y
amada,T.Suzuki,Diamond Rel
at.Mater.8(1999)37. (6)酸素透過度 Modern Control社製Oxtranにて2
2℃×60%RHの条件にて測定した。 (7)水分透過度 Modern Control社製Oxtranにて4
0℃×90%RHの条件にて測定した。
【0050】−炭素膜コーティング容器の酸素透過性と
水蒸気透過性を比較する実施例− −実施例1− アセチレンガスを原料として500mlPET容器内面
に上述の装置を用いてDLC膜を形成させた。表1に本
発明におけるDLC膜の生成条件を示す。表2に表1の
実施例に対応させてDLC膜の膜厚、密度、組成(水素
含量として表示)による容器の諸物性を示す。コーティ
ング条件は、表1の実施例1に記載したように設定し
た。実施例1の膜厚、密度、組成とその膜物性値を表2
に示した。 −実施例2〜19− 同様に生成したDLC膜の膜厚、密度、組成を変えるた
め、表1の実施例2〜19のように設定した。そのとき
の酸素透過度と水蒸気透過度の測定値を同様に表2に示
した。 −参考例1〜13− 実施例のDLC膜の膜厚、密度、組成の3つの条件か
ら、参考例として条件をずらしてDLC膜を形成させ
た。コーティング条件は表1の参考例1〜13のように
設定した。そのときの容器の諸物性を同様に表2に示し
た。
【0051】以下余白
【表1】
【0052】以下余白
【表2】
【0053】本発明の乾燥食品用プラスチック容器につ
いて、酸素バリア性の観点から、DLC膜の3つの条件
は下記の通りである。すなわち、組成条件は水素原子%
としては8〜45原子%、好ましくは、10〜40原子
%である。密度条件は1.3〜2.2g/cm、好ま
しくは1.4〜2.0g/cmである。膜厚が薄すぎ
ると、膜が島状で穴があいている状態であり、全体を覆
わない。また、膜厚が厚くなりすぎると、膜自体に圧縮
応力が働き、膜にクラックが入り剥離してくる。従っ
て、膜厚条件は150〜450Å、好ましくは、180
〜420Åである。
【0054】水蒸気バリア性の観点から、DLC膜の3
つの条件は下記の通りである。すなわち、組成条件は水
素原子%としては10〜40原子%、好ましくは、15
〜35原子%である。密度条件は1.6〜2.1g/c
、好ましくは1.7〜2.0g/cmである。膜
厚条件は180〜350Å、好ましくは、200〜32
0Åである。
【0055】従って、酸素バリア性及び水蒸気バリア性
を兼ね備えた乾燥固体食品用プラスチック容器を得るた
めには、DLC膜の3つの条件を下記のようにすること
で達成される。すなわち、組成条件は水素原子%として
は10〜40原子%、好ましくは、15〜35原子%で
ある。密度条件は1.6〜2.1g/cm、好ましく
は1.7〜2.0g/cmである。膜厚条件は180
〜350Å、好ましくは、200〜320Åである。こ
のとき、DLC膜が内面に形成されているプラスチック
容器であって、水蒸気透過性が0〜0.006g/容器
/日で、酸素透過性が0〜0.011ml/容器/日で
あることを特徴とする乾燥固体食品用プラスチック容器
が得られる。
【0056】−プラスチックフィルムにDLC膜を形成
させ、酸素透過性、水蒸気透過性を比較するための実施
例− 特開平11−70152号公報によると、水素濃度が5
0原子%以下で、かつ、酸素濃度が2〜20原子%であ
るダイヤモンド状炭素膜が紹介されている。25μmの
二軸延伸ポリプロピレンの酸素透過度が17.3ml/
/日であり、透湿度は4.5g/m/日でバリヤ
性の向上も2または3倍程度である。PET容器の内面
を12μm厚のPETフィルムで覆い、表1の実施例1
5の条件にてDLC膜を生成させたときに得られたフィ
ルムを実施例20、表1の17の条件にてDLC膜を生
成させたときに得られたフィルムを実施例21として、
これらのフィルムの諸物性を表3に示す。本発明の12
μmのPETフィルムでは表3の実施例20、21に示
す通りにDLC膜を形成させなかったフィルムに対し、
酸素ガスバリア性が約100倍、水蒸気透過性が約30
倍程向上した。
【0057】以下余白
【表3】
【0058】−炭素膜コーティング容器での乾燥食品
(インスタントコーヒー)の保存性を比較するための実
施例− 容器の大きさは、広口で360ml(内表面積は約32
0cm2)である。表1の実施例4の条件と同等の条件
にてDLC膜を形成させた容器を表4での実施例22と
し、同様に表1の実施例17の条件と同等の条件にてD
LC膜を形成させた容器を表4での実施例23とした。
また、参考例も同様に表1の参考例12の条件と同等の
条件にてDLC膜を形成させた容器を表4での参考例1
6、表1の参考例9の条件と同等の条件にてDLC膜を
形成させた容器を表4での参考例17とした。評価方法
は、次の通りである。 (1)市販のガラスびん入りのインスタントコーヒーを入
手した。製品はできるだけ製造販売直後のものを選択し
た。インスタントコーヒーをガラスびんを含めて各容器
に移し替え、口部はポリエチレンとアルミ箔の積層膜で
密封した。 (2)40℃×75%RHの恒温恒湿室に保管し、1、
3、6カ月後に評価した。 (3)顆粒を攪拌・採取して、105℃で水分含量を測定
した。 (4)香りについては、開封直後に5人のパネルにより、
◎よい、○普通、△やや悪い、×悪いの4段階評価し
た。 (5)外観は密封した状態で横転、倒立させ観察した。 (6)参考例として使用した容器は次の通りである。 ガラス容器(内容量360ml)、広口PET容器(内
容積:360ml、蓋部を除く内表面積は約320cm
2、PET樹脂25g、平均肉厚0.25mm)であ
る。表4に本発明による乾燥固体食品用プラスチック容
器でのコーヒーの保存性評価を示す。
【0059】
【表4】
【0060】実施例22、23では、ガラス容器と同等
の保存性があることが確認できた。したがって、本発明
の乾燥固体食品用プラスチック容器は、インスタントコ
ーヒーなど乾燥粉末食品について粒子相互間の凝集を抑
えるのでそれらを充填包装する容器として適切であると
いえる。
【0061】−炭素膜コーティング容器での乾燥食品
(香辛料)の保存性を比較するための実施例− 容器の大きさは、30ml(蓋部を除く内表面積は、約
50cm2)である。表1の実施例4の条件と同等の条件
にてDLC膜を形成させた容器を表5での実施例24と
し、同様に表1の実施例17の条件と同等の条件にてD
LC膜を形成させた容器を表5での実施例25とした。
また、参考例も同様に表1の参考例12の条件と同等の
条件にてDLC膜を形成させた容器を表5での参考例1
8、表1の参考例9の条件と同等の条件にてDLC膜を
形成させた容器を表5での参考例19とした。
【0062】評価方法は、次の通りである。 (1)市販のガラスびん入りのナツメグを入手した。製品
はできるだけ製造販売直後のものを選択した。胡椒をガ
ラスびんを含めて各容器に移し替え、口部はポリエチレ
ンとアルミ箔の積層膜で密封した。 (2)40℃×75%RHの恒温恒湿室に保管し、1、
3、6ケ月後に評価した。 (3)粉を攪拌・採取して、105℃で水分含量を測定し
た。 (4)香りについては、開封直後に5人のパネルにより、
◎よい、○普通、△やや悪い、×悪いの4段階評価し
た。 (5)参考例として使用した容器は次の通りである。 ガラス容器(内容量30ml)、広口PET容器(内容
積:30ml、蓋部を除く表面積:約50cm2、PE
T樹脂6g、平均肉厚0.25mm)である。表5に本
発明による乾燥固体食品用プラスチック容器について香
辛料(ナツメグ)保存性評価を示す。
【0063】
【表5】
【0064】実施例24、25では、ガラス容器と同等
の保存性があることが確認できた。したがって、本発明
の乾燥固体食品用プラスチック容器は、香辛料などの香
りの強い乾燥固形食品について香りを逃がさず長期的に
乾燥を保って保存できるのでそれらを充填包装する容器
として適切であるといえる。
【0065】−炭素膜コーティング容器での乾燥食品
(海苔)の保存性を比較するための実施例− 容器の大きさは、430ml(蓋部を除く内表面積は、
約380cm)である。表1の実施例4の条件と同等
の条件にてDLC膜を形成させた容器を表6での実施例
26とし、同様に表1の実施例17の条件と同等の条件
にてDLC膜を形成させた容器を表6での実施例27と
した。また、参考例も同様に表1の参考例12の条件と
同等の条件にてDLC膜を形成させた容器を表6での参
考例20、表1の参考例9の条件と同等の条件にてDL
C膜を形成させた容器を表6での参考例21とした。
【0066】評価方法は、次の通りである。 (1)市販の焼き海苔を入手した。製品はできるだけ製造
販売直後のものを選択した。8切れ48枚分の焼き海苔
を各容器に移し替へ、口部はポリエチレンとアルミ箔の
積層膜で密封した。 (2)40℃×75%RHの恒温恒湿室に3ヶ月間保管し
たのちに評価した。 (3)食感については、開封直後に5人のパネルにより、
◎よい、○普通、△やや悪い、×悪いの4段階で評価し
た。 (4)参考例として使用した容器は次の通りである。 防湿剤入り包装は、市販品の状態に準じた。すなわち、
容器の大きさ外径φ76mm×140mmH(内容量:
430ml、PET樹脂25g)の中に、焼き海苔8切
れ48枚(全型6枚分、4g/枚×6=24g相当)と
防湿剤25g(生石灰用包装の主成分が生石灰のもの)
が入っている。また、広口PET容器(内容積:430
ml、蓋部を除く表面積:約380cm2、PET樹脂
25g、平均肉厚0.25mm)の内面にDLC膜をコ
ーティングしていないものを参考例とした。実施例は、
参考例で用いたPET容器にDLC膜を形成させたもの
とした。表6に本発明による乾燥固体食品用プラスチッ
ク容器でについて海苔の保存性試験の評価を示す。
【0067】以下余白
【表6】
【0068】実施例26、27では、防湿剤入り包装と
同等の保存性があることが確認できた。したがって、本
発明の乾燥固体食品用プラスチック容器は、防湿性がよ
り要求される焼き海苔などの乾燥固刑食品について長期
に渡り乾燥状態を保持できるので食感を損なうことがな
い。よってそれらを充填包装する容器として適切である
といえる。さらに、防湿剤を不要とすることが出来るた
め、プラスチック容器と防湿剤の分別も不要となり、使
用後の容器の処理も容易となる効果がある。
【0069】
【発明の効果】本発明によればDLC膜の組成、密度、
膜厚の3つの条件を特に適切化することにより、酸素ガ
スバリア性を有し、かつ防湿性に優れた乾燥固体食品用
プラスチック容器を提供できるため、酸素や湿気の混入
による乾燥固体食品の品質劣化を防止することが出来
る。例えば乾燥粉末食品であって、湿気を帯びたことに
よる粉末相互間での凝集を防止することが出来る。した
がって、インスタントコーヒーや粉乳などの乾燥粉末食
品の容器として適切である。例えば乾燥固形食品、特に
焼き海苔や味付け海苔のような乾燥のりについての包装
では、乾燥固形食品の乾燥状態を保持することにより、
長期に渡って食感を損なうことがない。さらに好ましく
は防湿剤を不要とすることが出来るため、プラスチック
と防湿剤の分別も不要となり、使用後の容器の処理も容
易となる効果がある。例えば香りの強い香辛料などの乾
燥固形食品では、香りを逃がさず長期的に乾燥を保って
保存できるのでそれらを充填包装する容器として適切で
あるといえる。プラスチック容器の素材としてはポリエ
チレンテレフタレート製とした場合により優れた性能を
発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る乾燥固体食品用プラスチック容器
の製造装置の一実施形態を示す図。
【符号の説明】
1,基台 1A,排気口 2,肩部電極 3,胴部電極 4,底部電極 5,プラスチック容器 6,絶縁体 7,Oリング 8,整合器 9,高周波発振器 10,収納部 11,内電極 12,管路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A23L 1/22 A23L 1/22 Z 4B027 1/337 103 1/337 103A 4B047 3/00 101 3/00 101A 4K030 C23C 16/27 C23C 16/27 Fターム(参考) 3E067 AA05 AB23 BB14A BB15A BB16A BB26A CA05 CA06 EE34 GD02 3E086 AD04 BA02 BA15 BA25 BB02 BB05 CA01 CA23 DA01 4B001 AC06 BC99 EC99 4B019 LC04 LE01 LP16 4B021 LA15 LW03 LW05 LW06 LW07 MC03 MC06 4B027 FB22 FC05 FE01 FE02 FE08 FQ17 4B047 LB02 LE06 LG43 LP15 4K030 BA28 CA07 CA11 FA03 LA01 LA24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 DLC(ダイヤモンドライクカーボン)
    膜が内面に形成されているプラスチック容器であって、
    水蒸気透過性が0〜0.006g/容器/日、かつ、酸
    素透過性が0〜0.011ml/容器/日であることを
    特徴とする乾燥固体食品用プラスチック容器。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の乾燥固体食品が、平均粒
    子直径が50μm〜3mmであり、かつ、水分含量が6
    %以下の乾燥粉末食品であること、または水分含量が6
    %以下の乾燥固形食品であることを特徴とする請求項1
    記載の乾燥固体食品用プラスチック容器。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した乾燥粉末食品が、イ
    ンスタントコーヒー、香辛料、または粉乳であることを
    特徴とする乾燥固体食品用プラスチック容器。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した乾燥固形食品が、乾
    燥海苔であることを特徴とする乾燥固体食品用プラスチ
    ック容器。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4に記載したプラスチック容
    器が、ポリエチレンテレフタレート樹脂で形成されてい
    ることを特徴とする請求項1、2、3または4記載の乾
    燥固体食品用プラスチック容器。
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