JP2001239401A - 車輪旋盤における車輪支持方法および車輪旋盤 - Google Patents

車輪旋盤における車輪支持方法および車輪旋盤

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JP2001239401A
JP2001239401A JP2000052682A JP2000052682A JP2001239401A JP 2001239401 A JP2001239401 A JP 2001239401A JP 2000052682 A JP2000052682 A JP 2000052682A JP 2000052682 A JP2000052682 A JP 2000052682A JP 2001239401 A JP2001239401 A JP 2001239401A
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Fujio Machii
冨士雄 町井
Hiroaki Yoshimura
浩明 吉村
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Hitachi Seiki Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軸長に差のある車輪および軸長に差のない車
輪が混在している場合でも、車輪に無理な力をかけるこ
となく車輪のセンタ支持を自動で行うことができる車輪
旋盤における車輪支持方法および車輪旋盤を提供するこ
とを課題とする。 【解決手段】 主軸を各々回転自在に支持する二つの主
軸台と、車輪を両側から支持する車輪支持部材と、各車
輪支持部材を各主軸に対して各々進退移動させる車輪支
持部材駆動手段とを備え、車輪の一対の車輪部を旋削加
工する車輪旋盤における車輪支持方法であって、車輪の
車輪部の端面から輪軸の両端部までの軸部の長さに差が
あるか否かを判断する第1の手順と、第1の手順におい
て差があると判断した場合に、輪軸の両端部を前記車輪
支持部材が同時またはほぼ同時に押圧して支持するよう
に、車輪支持部材駆動手段の起動、停止または移動速度
を制御する第2の手順とを有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電車および機関
車、客貨車等の車輌において、走行により磨耗、変形し
た車輪の削正または成形旋削する車輪旋盤にかかり、特
に、車輪部の反フランジ側のリム部外側面から輪軸の軸
端までの軸長に差のある車輪および軸長に差のない車輪
(軸長がほぼ同じ車輪)が混在している場合でも、車輪
の支持を自動で行うことができる車輪旋盤における車輪
支持方法および車輪旋盤に関する。
【0002】
【従来の技術】電車および機関車、客貨車等の車輌にお
いて、走行により磨耗した車輪の削正または新タイヤの
成形を旋削加工する車輪旋盤がある。この種の車輪旋盤
は、車輪を機械正面(または背面)に敷設した搬送レー
ルより搬入する。搬入後、車輪旋盤は、リフタ装置によ
って車輪を所定の高さ位置まで上昇させる。その後、主
軸台を搬入位置から加工位置に移動させる。さらに、主
軸に進退移動可能に設けられた車輪支持部材を車輪の左
右両側から車輪側に移動させる。そして、両側の車輪支
持部材前端に設けられたセンタを車輪の軸軸の両端に形
成されたセンタ穴に挿入させて車輪を両側から押圧支持
する。支持後、リフタ装置を待機位置に下降させる。さ
らに、回転力伝達手段を車輪の一対の車輪部に係合さ
せ、対向して設けられた主軸台に支持された一対の回転
可能な主軸の回転を車輪に伝達する。そして、軸輪の両
端に設けられた一対の車輪部を一対の刃物台に装着した
工具で加工する。加工後、リフタ装置を所定の位置まで
上昇させた後、支持を解除する。そして、リフタ装置を
下降させ、車輪を機械背面(または正面)に搬出する。
なお、車輪の加工は、予めプログラムされたNCプログ
ラムや倣いモデル等に基づいて行なわれる。
【0003】大部分の車輪は、輪軸の両側に円盤状の一
対の車輪部を備え、左右対称であり、各車輪部のリム部
外側面から輪軸の軸端面までの長さが左右で同一の長さ
を有する。しかし、車輪の中には、減速機を装着する等
のために、輪軸に延長軸部を一体に形成した車輪があ
る。図14に延長軸部を設けた車輪の一例を示す。車輪
Wは、輪軸Waの両側に一対の車輪部Wb,Wbが配設
される。ちなみに、車輪部Wb,Wbのリム部外側面W
e,Weから輪軸Waの各軸端面Wf,Wfまでの各長
さは、長さL1(mm)で同一である。しかし、図14
における左側をA側、右側をB側とすると、B側の輪軸
Waの軸端面Wfには、延長軸Wcが設けられている。
なお、延長軸Wcの長さをL2(mm)とする。そのた
め、車輪WのB側では、車輪部Wbのリム部外側面We
から延長軸Wcの軸端面Wgまでの長さL3が、L1+
L2(mm)となる。そのため、車輪WのA側とB側で
は、車輪部Wb,Wbの各リム部外側面We,Weから
輪軸Waの軸端面Wfまたは延長軸Wcの軸端面Wgま
での各長さは、長さL1と長さL3で異なる。ちなみ
に、車輪Wは、A側の輪軸Waの軸端面Wfに形成され
たセンタ穴CaとB側の延長軸Wcの軸端面Wgに形成
されたセンタ穴Cbが車輪旋盤の一対のセンタと各々係
合してセンタ支持される。
【0004】なお、本発明では、車輪の各車輪部の外側
(リム部外側面We)から各々突出した軸部の軸端面W
f,Wgまでの各長さを軸部の長さ(以下、軸長と記
載)とする。ちなみに、図14の車輪Wでは、A側の軸
長はL1であり、B側の軸長はL3である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来、車輪旋盤には、
軸長に差のある車輪と軸長に差のない車輪とが混在して
いる場合に車輪のセンタ支持を自動で行うことができる
車輪旋盤がなかった。そのため、軸長に差のある車輪と
軸長に差のない車輪が混在している場合、作業者が、加
工対象が軸長に差のある車輪と軸長に差のない車輪とで
切り替わるときに、手動操作で主軸台の位置(軸長に差
のある車輪用位置と軸長に差のない車輪用位置)を調整
した後センタ支持動作を行っていた。そのため、この主
軸台位置調整に作業工数を要し、車輪旋盤の非切削時間
を増加させ、生産性を低下させていた。また、作業者が
手動操作で主軸台の位置調整を行わない場合、車輪旋盤
が車輪支持部材を両側から同時に車輪の軸部側に移動さ
せると、軸長の長い側の車輪のセンタ穴にセンタが先に
当接する。そのため、軸長の短い側の車輪のセンタ穴に
センタが当接するまで、軸長の長い側の車輪の軸部の端
部を車輪旋盤の車輪支持部材が押圧し続け、不必要な力
が車輪に付加される。その結果、リフタ装置あるいは車
輪が変形したり、車輪がリフタから外れてしまい、正常
なセンタ支持動作が行えないという問題点を生じる。
【0006】そこで、本発明の課題は、軸長に差のある
車輪および軸長に差のない車輪が混在している場合で
も、車輪に無理な力をかけることなく車輪の支持を自動
で行うことができる車輪旋盤における車輪支持方法およ
び車輪旋盤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決した本発
明に係る車輪旋盤における車輪支持方法は、ベッド上に
対向して配置され、軸線を同一線上に有する主軸を各々
回転可能に支持する二つの主軸台と、前記主軸の各々
に、前記主軸の軸線と平行な方向に進退移動可能に設け
られ、車輪の輪軸の端部を両側から押圧することにより
前記車輪を支持する車輪支持部材と、前記主軸台に各々
設けられ、前記車輪支持部材を前記主軸に対して進退移
動させる車輪支持部材駆動手段とを備え、前記輪軸の両
側に設けられた一対の車輪部を旋削加工する車輪旋盤に
おける車輪支持方法であって、前記車輪の前記車輪部の
端面から前記輪軸の両端部までの軸部の長さに差がある
か否かを判断する第1の手順と、前記第1の手順におい
て差があると判断した場合に、前記輪軸の両端部を前記
車輪支持部材が同時またはほぼ同時に押圧して支持する
ように、前記車輪支持部材駆動手段の起動、停止または
移動速度を制御する第2の手順とを有し、軸部の長さに
差がある前記車輪および軸部の長さに差の無い前記車輪
を、前記主軸台の位置を変更することなく、前記車輪支
持部材で支持可能にしたことを特徴とする。
【0008】また、前記車輪旋盤における車輪支持方法
において、前記第2の手順は、前記軸部の長さの差と前
記車輪支持部材の移動速度とから、二つの前記車輪支持
部材を移動開始させる時間差を演算する時間差演算手順
と、前記時間差演算手順で演算された時間差に従って、
前記車輪支持部材駆動手段を順次起動させる移動開始制
御手順とを有することを特徴とする。
【0009】また、前記車輪旋盤における車輪支持方法
において、前記第2の手順は、前記軸部の長さの差か
ら、前記車輪支持部材の各々の移動速度を演算する移動
速度演算手順と、前記移動速度演算手順で演算された移
動速度に従って、二つの前記車輪支持部材を前記車輪支
持部材駆動手段によって移動させる移動速度制御手順と
を有することを特徴とする。
【0010】また、前記車輪旋盤における車輪支持方法
において、前記主軸台と前記車輪支持部材との間には、
前記車輪支持部材駆動手段の駆動によって前記車輪支持
部材を前記車輪側に移動させ、前記車輪支持部材が前記
輪軸の端部に当接した状態になったときに第1の信号を
出力する第1の検出手段と、前記車輪支持部材駆動手段
の駆動によって前記車輪支持部材を前記車輪側に移動さ
せ、前記車輪支持部材が前記車輪を支持して加工可能な
押圧支持状態になったときに第2の信号を出力する第2
の検出手段とが設けられ、前記第2の手順は、前記車輪
支持部材駆動手段を起動させることにより、前記車輪支
持部材を各々接近する方向に移動させる第1の移動手順
と、一方の前記第1の検出手段より前記第1の検出信号
が出力されたとき、前記第1の検出信号を出力した一方
の前記車輪支持部材駆動手段の駆動を停止させる第1の
停止手順と、他方の前記第1の検出手段より前記第1の
検出信号が出力されたとき、他方の前記車輪支持部材駆
動手段の駆動を停止させる第2の停止手順と、前記車輪
支持部材駆動手段を再起動させることにより、両方の前
記車輪支持部材を停止状態から同時に移動させる第2の
移動手順と、前記第2の検出手段より前記第2の検出信
号が出力されたとき、前記車輪支持部材駆動手段の駆動
を各々停止させる第3の停止手順とを有することを特徴
とする。
【0011】前記課題を解決した本発明に係る車輪旋盤
は、ベッド上に対向して配置され、軸線を同一線上に有
する主軸を各々回転可能に支持する二つの主軸台と、前
記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸より
突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持する
車輪支持部材と、前記車輪支持部材を前記主軸に対して
進退移動させる車輪支持部材駆動手段と、車輪部の端面
から前記輪軸の両端部までの軸部の長さに関するデータ
が少なくとも記憶される車輪データ記憶手段と、前記車
輪支持部材を移動させる速度が記憶される車輪支持部材
移動速度記憶手段と、少なくとも前記軸部の長さに関す
るデータを入力するためのデータ入力手段と、前記軸部
の長さのデータに差がある場合、前記軸部の長さのデー
タと前記車輪支持部材の移動速度とから、一対の前記車
輪支持部材を各々移動開始させる時間差を演算する時間
差演算手段とを有し、前記車輪を前記車輪支持部材で支
持するとき、前記車輪支持部材駆動手段を前記演算した
時間差分ずらして起動させて前記車輪支持部材を移動さ
せるようにしたことを特徴とする。
【0012】前記課題を解決した本発明に係る車輪旋盤
は、ベッド上に対向して配置され、軸線を同一線上に有
する主軸を各々回転可能に支持する二つの主軸台と、前
記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸より
突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持する
車輪支持部材と、前記車輪支持部材を前記主軸に対して
進退移動させる車輪支持部材駆動手段と、車輪部の端面
から前記輪軸の両端部までの軸部の長さに関するデータ
が少なくとも記憶される車輪データ記憶手段と、少なく
とも前記軸部の長さに関するデータを入力するためのデ
ータ入力手段と、前記軸部の長さのデータに差がある場
合、前記軸部の長さのデータから、二つの前記車輪支持
部材を各々移動させる移動速度を演算する移動速度演算
手段とを有し、前記車輪を前記車輪支持部材で支持する
とき、前記車輪支持部材駆動手段によって前記車輪支持
部材を前記各々演算した移動速度で移動させるようにし
たことを特徴とする。
【0013】前記課題を解決した本発明に係る車輪旋盤
は、ベッド上に対向して配置され、軸線を同一線上に有
する主軸を各々回転可能に支持する二つの主軸台と、前
記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸より
突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持する
車輪支持部材と、前記車輪支持部材を前記主軸に対して
進退移動させる車輪支持部材駆動手段と、前記主軸台と
前記車輪支持部材との間に設けられ、前記車輪支持部材
駆動手段の駆動によって前記車輪支持部材を前記車輪側
に移動させ、前記車輪支持部材が前記輪軸の端部に当接
した状態になったときに第1の検出信号を出力する第1
の検出手段と、前記主軸台と前記車輪支持部材との間に
設けられ、前記車輪支持部材駆動手段を起動させること
により前記車輪支持部材を前記車輪側に移動させ、前記
車輪支持部材が前記車輪を支持して加工可能な押圧支持
状態になったときに第2の検出信号を出力する第2の検
出手段と、前記車輪支持部材駆動手段を起動させること
により前記車輪支持部材を前記車輪側に移動させ、前記
第1の検出手段より前記第1の検出手段が出力されたと
き前記車輪支持部材駆動手段の駆動を各々停止させ、両
方の前記車輪支持部材が停止状態になったとき前記車輪
支持部材駆動手段を同時に再起動させ、前記第2の検出
手段より前記第2の検出信号が出力されたとき前記車輪
支持部材駆動手段の駆動を各々停止させる制御を行う駆
動制御手段とを有することを特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
係る車輪旋盤における車輪のセンタ支持方法および車輪
旋盤の実施の形態を説明する。
【0015】本発明に係る車輪旋盤における車輪支持方
法および車輪旋盤は、軸長に差のある車輪および軸長に
差のない車輪が混在している場合でも、車輪に無理な力
をかけることなく車輪の支持を自動で行うことができ
る。そのために、本発明では、軸長に差のある車輪を支
持する場合、軸部の長さの差に起因する二つの車輪支持
部材が車輪の軸部の各端部に当接するまでの時間差を三
つの方法で解消する。その一つの方法は、車輪の軸部側
への二つの車輪支持部材の移動開始をこの時間差分前後
させることによって解消する。もう一つの方法は、二つ
の車輪支持部材の移動速度を変えることによって解消す
る。さらに、もう一つの方法は、一方の車輪支持部材を
車輪の軸部の端部に当接した状態で他方の車輪支持部材
が車輪の軸部の端部に当接するまで待たせることによっ
て解消する。
【0016】本実施の形態では、前記した三つの方法に
対応する三つの実施の形態の車輪旋盤およびこの各車輪
旋盤による車輪支持方法について説明する。なお、本実
施の形態の車輪旋盤は、NC200(数値制御装置)と
PLC210(プログラマブル ロジック コントロー
ラ)を備えた制御装置またはNCに内蔵されたPLC部
を備えた制御装置によって制御される(図4参照)。ま
た、本実施の形態では、軸長に差のある車輪を図14に
示す車輪とする。
【0017】まず、図1を参照して、本実施の形態の車
輪旋盤WL1,WL2,WL3の全体構成を説明する。
なお、前記したように本実施の形態では三つの実施の形
態の車輪旋盤WL1,WL2,WL3について説明する
が、全体構成については同一の構成を有するので、図1
の車輪旋盤WL1で説明する。本実施の形態に係る車輪
旋盤WL1は、左右対称であり、左右両側に同一の構成
を各々有する。なお、車輪旋盤WL1は、図1における
左側をA側、同右側をB側とする。
【0018】車輪旋盤WL1は、門形構造であり、車輪
旋盤WL1の前方または後方に搬出入レール(図示せ
ず)が敷設される。車輪旋盤WL1は、車輪Wが一方の
搬出入レールから加工領域Sに搬入され、加工領域S内
で所定の加工を行って、他方の搬出入レールから搬出す
る。なお、車輪旋盤WL1は、車輪Wをリフタ装置9で
センタ支持可能な位置と搬出入位置との間で昇降動作さ
せる。
【0019】車輪旋盤WL1のベッド19の上部には、
コラム12,12が設けられ、コラム12,12間には
クロスレール5が設けられている。さらに、ベッド19
には、一対の主軸台1A,1Bが対向して設けられる。
なお、主軸台1A,1Bの間には、車輪Wを加工するた
めの加工領域Sが形成される。主軸台1A,1Bは、ベ
ッド19に設けられた案内面(図示せず)に沿って主軸
3A(図2参照、B側の主軸は図示せず)の軸線方向と
平行な方向に加工領域Sに対して進退移動自在である。
【0020】主軸3Aと図示しないB側の主軸は、同一
軸線上に配設され、主軸台1A,1Bに各々回転可能に
支持される。主軸3A、B側主軸には、センタ2A,2
Bを各々装着したクイル21A,21Bが主軸軸線方向
に進退移動可能に設けられる。センタ支持する際、クイ
ル21A,21Bを主軸3A、B側主軸から車輪W側に
前進させ、センタ2A,2Bを車輪Wの軸部の両端に形
成されたセンタ穴Ca,Cb(図14参照)に各々係合
させる。そして、センタ2A,2Bによって車輪Wの軸
部を両側から加工可能な一定の押圧力でセンタ支持する
ことにより、車輪Wを加工領域Sで芯出しして支持す
る。なお、本実施の形態では、センタ2A,2Bおよび
クイル21A,21B等が特許請求の範囲に記載の車輪
支持部材に相当する。
【0021】また、主軸3A、B側主軸の先端には、円
盤状の面板3a,3aが取り付けられる。さらに、面板
3a,3aには、車輪Wの車輪部Wb,Wbに係合して
主軸3A、B側主軸の回転を車輪Wに伝達する回転伝達
手段4A,4Bが設けられる。回転伝達手段4A,4B
は、同一円周上に均等間隔で複数個(本実施の形態では
3個)設けられ、ジョー4aとジョーボディ4bからな
る。ジョーボディ4bは、面板3aに配設され、圧油等
の圧力流体の供給、排出によってジョー4aを進退移動
させる。すなわち、圧力流体の供給方向を切換弁(図示
せず)で切り換えることによってジョー4aを車輪部W
b側に突出して車輪部Wbに係合する。
【0022】クロスレール5には、主軸3A、B側主軸
の軸線方向と平行な方向であるZ軸方向に移動可能なサ
ドル6A,6Bが設けられる。サドル6A,6Bは、Z
軸サーボモータ5a,5bや図示しないボールねじ等に
よってクロスレール5に設けられた案内面に沿って移動
する。サドル6A,6Bには、Z軸方向に直交するX軸
方向に移動可能なクロススライド7A,7Bが設けられ
る。さらに、クロススライド7A,7Bには、刃物台8
A,8Bが設けられる。刃物台8A,8Bには、刃物台
本体に対して割り出し可能にタレットが設けられる。タ
レットには、複数の工具が装着され、タレットの割り出
し動作により所望の工具T,Tを加工位置に割り出す。
また、クロススライド7A,7Bは、X軸サーボモータ
11A,11Bによって、ボールねじ(図示せず)を介
してサドル6A,6Bに設けられた案内面に沿って移動
する。
【0023】車輪旋盤WL1は、主軸周辺の構成に特徴
を有するので、図2および図3を参照して、主軸3A周
辺の構成について説明する。なお、A側の主軸3A、B
側の主軸等の構成は、A側とB側で同一の構成を有し、
左右対称にA側とB側に配置されている。そこで、A側
の主軸3A等の構成を代表して説明する。ちなみに、主
軸先端側は、第1の実施の形態の車輪旋盤WL1の構成
と他の実施の形態の車輪旋盤WL2,WL3の構成にお
いてほぼ同一の構成を有するので、図2を用いて共通で
説明する。また、主軸後端側は、第1の実施の形態の車
輪旋盤WL1の構成と第2の実施の形態の車輪旋盤WL
2の構成においてほぼ同一の構成を有するので、図3を
用いて共通で説明する。なお、以下の説明において、
「前」は図2および図3の右側を示し、「後」は同左側
を示す。
【0024】主軸3Aは、主軸台1Aの後端側から前端
側まで挿通し、前端側と後端側を軸受18a、18bに
よって主軸台1Aに回転可能に支持される。主軸3A
は、駆動体である主軸用モータ10Aによって回転駆動
される(図1参照)。主軸用モータ10Aの駆動軸と主
軸3Aとは、ベルト−プーリ機構10a、歯車列(図示
せず)を介して回転駆動力が伝達される(図1参照)。
【0025】主軸3Aには、主軸軸線に沿って貫通孔3
bが形成される。貫通孔3bは、前端側の大径部である
クイル摺動孔部3b1と後端側の小径部3b2からなる。
【0026】貫通孔3bのクイル摺動孔部3b1には、
クイル21Aが挿入される。クイル21Aは、外周面が
クイル摺動孔部3b1と摺接し、主軸3Aに対して回転
規制部材(図示せず)によって回転が規制されるととも
に、主軸軸線方向に進退移動可能に支持される。クイル
21Aの前端のテーパ孔21bには、センタ2Aが着脱
可能に装着され、主軸軸線上で保持される。また、クイ
ル21Aの後端には、ナット部材23がボルト23bで
取り付けられる。
【0027】さらに、貫通孔3bには、小径部3b2
らクイル摺動孔部3b1まで挿通するねじ軸24が主軸
軸線上に設けられる。ねじ軸24は、前端側のねじ部2
4a、後端側の軸部24bおよびねじ部24aと軸部2
4bの間に形成されたフランジ部24cから構成され
る。ねじ部24aは、ナット部材23のめねじ23aに
螺入される。軸部24bは、軸受29aによって主軸3
Aに対して回転可能に支持される。なお、軸受29a
は、後記するスライド部材30(なお、車輪旋盤WL3
の場合、スライド部材31)の円筒部30b(なお、車
輪旋盤WL3の場合、円筒部31b)に保持される。ま
た、スライド部材30とフランジ部24cとの間にはス
ラスト軸受28が設けられている。なお、ナット50
は、軸部24bのねじ部に螺着され、軸受29a、スラ
スト軸受28およびスライド部材30をフランジ部24
cとの間に固定している。
【0028】また、貫通孔3bの小径部3b2には、軸
体25が挿入される。軸体25は、ねじ軸24の軸部2
4bが嵌め込まれる嵌合穴25aを有する大径の前端部
25cを有し、主軸軸線上に回転自在に設けられる。ね
じ軸24は、滑りキー26を介して軸部24bが嵌合穴
25aに嵌入されるので、軸体25と一体で回転すると
とともに、軸体25に対して前後に進退移動可能であ
る。勿論、滑りキー26に代えてねじ軸24の軸部24
bをスプライン軸とし、嵌合穴25aをスプライン穴と
して形成してもよい。
【0029】また、軸体25には、フランジ部34aを
有する円筒状のばね保持部材34が外嵌される。そし
て、軸体25は、ばね保持部材34の貫通孔34cに嵌
入された軸受29b,29cによって、ばね保持部材3
4に対して回転可能に支持される。ばね保持部材34の
後端には押え部材54が取り付けられ、軸受29cが貫
通孔34cから抜け出ないように規制する。また、軸体
25の移動は、前端部25c、軸受29b、ばね保持部
材34の本体部34b、軸受29cおよび押え部材54
により規制される。
【0030】さらに、軸体25の後端には、スプロケッ
ト38Aがキー38aを介して取り付けられる。スプロ
ケット38Aは、クイル駆動用モータ60Aに固定され
たスプロケット60aとチェーン61A(図1参照)に
よって連結され、クイル駆動用モータ60Aの駆動によ
って回転する。なお、クイル駆動用モータ60Aは、主
軸台1Aに取付部材(図示せず)を介して固定される。
クイル駆動用モータ60Aの駆動によりスプロケット3
8Aが回転すると、軸体25を介してねじ軸24に伝達
され、ねじ軸24が回転する。クイル駆動用モータ60
Aは、後記する駆動制御手段86(なお、車輪旋盤WL
2の場合、駆動制御手段104)のA側クイル駆動用モ
ータ制御部86a(なお、車輪旋盤WL2の場合、A側
クイル駆動用モータ104a)によって制御される(図
5、図9参照)。なお、本実施の形態では、クイル駆動
用モータ60A,60B、チェーン61A,61Bおよ
びスプロケット38A,38B等が、特許請求の範囲に
記載の車輪支持部材駆動手段に相当する。
【0031】主軸3Aの後端には、スライド部材30が
前後方向に移動自在に設けられる。スライド部材30
は、主軸3Aの貫通孔3bに嵌入された筒状の円筒部3
0bと円筒部30bの後端の外周部側に形成された複数
本(本実施の形態では2本)のフランジ状の係合凸部3
0aから構成される。円筒部30bの後部は、前部より
肉厚であり、ばね保持部材34の本体部34bに外嵌さ
れる。スライド部材30はねじ軸24と一体になって主
軸軸線に沿って前後方向に進退移動する。したがって、
係合凸部30aは、取付部材48に形成された凹部48
a内を進退移動する。また、係合凸部30aの後面は、
傾斜状の当接面30cが形成される。
【0032】ばね保持部材34の本体部34bには、圧
縮コイルばね37が嵌装される。圧縮コイルばね37
は、後端がばね保持部材34のフランジ部34aで受け
止められ、前端がスライド部材30の当接面30cで受
け止められる。つまり、センタ2A,2B間に車輪Wを
保持していない状態では、スライド部材30は、圧縮コ
イルばね37の付勢力により前方に押圧される。
【0033】ばね保持部材34には、外周方向に均等間
隔で複数(本実施の形態では2個)のストッパ47が設
けられる。ストッパ47は、主軸3Aの径方向に移動可
能であり、主軸3Aの中心方向に移動したときスライド
部材30の当接面30cと当接し、スライド部材30が
後退しないように規制する。ストッパ47は、ばね保持
部材34の外周上に均等間隔で配置された2個のシリン
ダ45によって進退移動される。つまり、ばね保持部材
34には圧縮コイルばね37の外側に円筒状の取付部材
48が外嵌され、取付部材48の外周面上にシリンダ4
5であるシリンダ本体45dとシリンダカバー45eと
が突出してボルト45fで固定される。シリンダ45の
シリンダ室45a内にはピストン46が主軸3Aの径方
向に進退移動自在に設けられ、ピストン46から突出す
るピストンロッド46aの先端にストッパ47が取り付
けられる。なお、スライド部材30の当接面30cと対
向するストッパ47の一面は、当接面30cと同一傾斜
の傾斜面として形成される。そして、シリンダ45は、
圧力流体供給部(図示せず)からロータリジョイント
(図示せず)経てシリンダ室45aの一方側45bまた
は他方側45cに供給された圧力流体によってピストン
46を主軸3Aの径方向に進退移動させ、ストッパ47
を進退移動させる。
【0034】固定部である主軸台1Aの後端には、ブラ
ケット73を介して近接スイッチ70が取り付けられ
る。また、スライド部材30の係合凸部30aの前端
に、径方向に突出して円環状の被検出部材32がボルト
40で取り付けられる。近接スイッチ70は、圧縮コイ
ルばね37の付勢力によってセンタ2Aが車輪Wを加工
可能な状態にセンタ支持する位置までスライド部材30
が後退したときに、被検出部材32を検出して検出信号
を出力する。すなわち、クイル駆動用モータ60Aが起
動されると、ねじ軸24が回転する。ねじ軸24の回転
によってクイル21Aが前方に移動すると、やがてセン
タ2Aがセンタ穴Ca(図14参照)に当接する。この
当接によってクイル21Aの前方への移動が規制される
と、ねじ軸24が回転しながら後方へ移動する。する
と、スライド部材30が、圧縮コイルばね37の付勢力
に抗して、ねじ軸24と一体になって後方に移動する。
この後方移動に伴って、被検出部材32が後方に移動す
る。そして、被検出部材32が近接スイッチ70の検出
位置(図3の二点鎖線の位置)に到達すると、近接スイ
ッチ70が検出信号を出力する。つまり、この検出可能
な位置まで圧縮コイルばね37の付勢力に抗してスライ
ド部材30が後退すると、圧縮コイルばね37によりセ
ンタ2Aに付与される付勢力が車輪Wのセンタ支持に必
要な所定の付勢力となる。なお、駆動制御手段86(な
お、車輪旋盤WL2の場合、駆動制御手段104)(図
5、図9参照)は、近接スイッチ70からの検出信号を
受信すると、クイル駆動用モータ60Aの回転を停止さ
せる。また、近接スイッチ70は、圧縮コイルばね37
による付勢力がほぼ所定の値に達したことを検出するも
ので、この付勢力を超える過大な付勢力がセンタ2Aに
付与されるのを防止する。なお、本実施の形態では、近
接スイッチ70が、特許請求の範囲に記載の検出手段で
ある。
【0035】なお、検出手段として近接スイッチを例に
挙げて説明したが、スライド部材30が所定位置まで後
退したことを検出することができるものであればよく、
リミットスイッチや光電スイッチ等であってもよい。ま
た、検出手段は、これらのスイッチ類に限定されるもの
ではない。例えば、クイル駆動用モータ60Aをトルク
制御可能なモータとし、モータのトルク(電流値)等を
検出するものであってもよい。また、クイル21Aの駆
動体を流体圧シリンダとし、圧力を検出するものであっ
てもよい。また、ロードセル等による主軸軸線方向の荷
重検出やトルクメータ等によるトルク検出を行うもので
あってもよい。
【0036】なお、ばね保持部材34のフランジ部34
aと取付部材48には、円周方向に均等間隔で後端側か
ら前端側まで貫通するボルト孔51が形成される。ばね
保持部材34と取付部材48は、ボルト孔51を挿通し
て主軸3Aの後端面のねじ穴53にボルト52によっ
て、主軸3Aの後端に取り付けられる。そのため、ばね
保持部材34と取付部材48は、主軸3Aと一体となっ
て回転する。
【0037】また、検出バー39が、ばね保持部材3
4、取付部材48および主軸3Aを挿通し、主軸3Aの
貫通孔3bのクイル摺動孔部3b1側に突出するととも
に、ばね保持部材34の後端から突出する。検出バー3
9の後端には被検出部材39aが取り付けられ、被検出
部材39aの移動経路に対向して近接スイッチ39bが
ブラケット73に取り付けられる。検出バー39は、ク
イル21Aが原点位置に後退移動したことを確認するも
のであり、ばね39cによって常時前方に付勢される。
すなわち、ナット部材23がクイル21Aと共に所定位
置まで後退すると、ナット部材23が検出バー39を押
圧する。すると、検出バー39の後方への移動に伴っ
て、被検出部材39aが後方に移動する。そして、近接
スイッチ39bが、被検出部材39aを検出し、クイル
21Aが所定位置(原点位置)に移動したことを検出す
る。
【0038】次に、図4および図5を参照して、第1の
実施の形態の車輪旋盤WL1における制御部の車輪のセ
ンタ支持制御を行うための各手段の構成について説明す
る。この各手段は、PLC210、または車輪Wのデー
タ等を管理する車輪データ用パーソナルコンピュータ2
30(以下、車輪データ用パソコン230と記載する)
等に構成される。
【0039】NC200は、CPU201、ROM20
2、RAM203、NCプログラムメモリ204等を有
するものであり、各メモリはバス207に接続されてい
る。また、液晶ディスプレイやCRT等である表示手段
205、キーボード、タッチスイッチ等からなる入力手
段206を有する。さらに、X軸サーボモータ11A,
11B、Z軸サーボモータ5a,5bも軸制御部、サー
ボアンプを介して接続されている。
【0040】PLC210は、CPU211、ROM2
12、RAM213、パラメータメモリ218等を有す
るものであり、各メモリはバス220に接続されてい
る。液晶ディスプレイやCRT等である表示手段21
6、キーボード、タッチスイッチ等からなる入力手段2
17を有する。また、主軸モータ10A,10Bが主軸
モータ制御部を介して、クイル駆動用モータ60A,6
0Bもクイル駆動用モータ制御部86a,86bを介し
て接続されている。PLC210には、操作盤221に
設けられる各種スイッチ類222,223、近接スイッ
チ等検出手段39b,70、切り換え弁のソレノイド2
25等もI/Oを介して接続される。
【0041】NC200とPLC210とは、I/Oを
介して接続され、各種指令、各種信号が送受信される。
【0042】車輪データ用パソコン230は、CPU2
31、ROM232、RAM233、車輪データメモリ
234等各メモリがバス237に接続されている。ま
た、液晶ディスプレイやCRT等である表示手段23
5、キーボード等からなる入力手段226を有する。
【0043】PLC210と車輪データ用パソコン23
0とは、データ通信手段240を介して接続されてお
り、通信用インタフェイス240a,240b、接続ケ
ーブルで接続されている。すなわち、車輪データ用パソ
コン230側で入力され、車輪データメモリ234に記
憶されている軸長差データを少なくとも含む車輪データ
は、データ通信手段240を介してPLC210側に送
信される。送信された軸長差データを少なくとも含む車
輪データは、パラメータメモリ218の所定の番地の記
憶領域に記憶される。
【0044】操作盤221には、手動モードのとき、手
動操作でセンタ支持を指令するためのセンタ支持用操作
スイッチ222、手動操作で軸長差有/無を選択するた
めの軸長差有無用操作スイッチ223、軸長差有無用表
示ランプ224が少なくとも設けられている。軸長差有
無用表示ランプ224は、軸長差データ「有」として入
力されているときに点灯するものであり、作業者が軸長
差「有」「無」のどちらが入力されているかを確認する
ことができる。軸長差有無用操作スイッチ223は、軸
長差がある車輪が搬送されてきたにもかかわらず軸長差
有無用表示ランプ224が点灯しない(軸長差「有」と
入力されていない)場合、軸長差がない車輪が搬送され
てきたにもかかわらず軸長差有無用表示ランプ224が
点灯している(軸長差「無」と入力されていない)場合
に、作業者が軸長差有無の入力状態を変更するための操
作スイッチである。
【0045】軸長差入力手段80は、車輪Wの軸部の長
さに関するデータを入力するための手段であり、車輪デ
ータ用パソコン230またはPLC210に設けられて
いるキーボード等の入力手段236または217からな
る。車輪データ用パソコン230からの入力データとP
LC210に設定した入力データのどちらを使用するの
かは、補助指令コード(Mコード)またはスイッチ等で
選択することができる。軸部の長さに関するデータは、
車輪Wの左右(本実施の形態では、車輪WのA側および
B側)の軸長に関するデータであり、加工する車輪Wや
車輪Wを搬入する際の条件等によって異なる。例えば、
軸長差が単一であり、車輪Wが搬入される際に軸長の長
い側がA側またはB側に固定されている場合には、入力
データとしては、加工する車輪Wの軸長に差があるかな
いかのデータだけである。あるいは、軸長差が複数あ
り、車輪Wが搬入される際に軸長の長い側がA側または
B側に固定されている場合には、入力データとしては、
加工する車輪Wの軸長に差があるかないかのデータと軸
長に差のある場合にはその軸長差寸法のデータ、または
軸長差寸法のデータ(なお、軸長に差のない場合には0
を入力、つまり、加工する車輪Wの軸長に差があるかな
いかは軸長差寸法が0か否かで判断する)である。ある
いは、軸長差が複数あり、車輪Wが搬入される際に軸長
の長い側がA側またはB側に固定されていない場合に
は、入力データとしては、加工する車輪Wの軸長に差が
あるかないかのデータ、軸長に差のある場合にはその軸
長差寸法のデータおよび軸長の長い(あるいは軸長の短
い)側がA側またはB側のデータ、または軸長差寸法の
データおよび軸長の長い(あるいは軸長の短い)側がA
側またはB側のデータである。なお、軸長差が複数ある
場合には、軸長差寸法は、数値を直接入力するのではな
く、予めその複数の軸長差をPLC210あるいは車輪
データ用パソコン230に登録しておいて、この登録さ
れている複数の軸長差のリストを表示し、選択するよう
にしてもよい。図6に軸部の長さに関するデータの入力
するための画面90の一例を示す。入力画面90は、加
工する車輪Wの軸長に差があるかないかのデータ90
a、軸長差寸法のデータ90bおよび軸長の長い側(ま
たは、短い側)がA側またはB側のデータ90cを入力
データとする画面である。ちなみに、図14に示す車輪
Wの場合、加工する車輪Wの軸長に差があるかないかの
データ90aには「有」を入力し、軸長差寸法のデータ
90bには「L2」(mm)を入力し、軸長の長い側が
A側またはB側のデータ90cには「B」を入力する。
【0046】クイル移動速度入力手段81は、クイル2
1A,21Bが車輪W側に移動する速度を入力する手段
であり、PLC210のキーボード等の入力手段217
からなる。クイル移動速度入力手段81から入力された
データは、PLC210のパラメータメモリ218(ク
イル移動速度記憶手段83)に予め記憶させておく。
【0047】軸長差記憶手段82は、軸長差入力手段8
0から入力されたデータを記憶する手段であり、PLC
210のパラメータメモリ218に設けられている。
【0048】時間差演算手段84は、A側のクイル21
A(センタ2A)とB側のクイル21B(センタ2B)
の各移動を開始させる時間差を演算するため演算手段で
ある。時間差演算手段84は、PLC210のCPU2
11、RAM213および時間差演算プログラム215
等からなる。時間差演算手段84は、RAM213に時
間差演算プログラム215がロードされ、CPU211
で時間差演算プログラム215が実行されて演算を行
う。時間差演算手段84は、軸長差記憶手段82に記憶
された軸長差寸法とクイル移動速度記憶手段83に記憶
されたクイル21A,21Bの移動速度を読み取り、こ
の軸長差寸法を移動速度で除算して時間差を演算する。
例えば、図14に示す車輪Wの場合、クイル21A,2
1Bの移動速度をV(mm/s)とすると、時間差
(s)=L2(mm)/V(mm/s)となる。したが
って、車輪旋盤WL1が車輪Wをセンタ支持する際、A
側のクイル21Aの移動を開始させた後、L2/V
(s)経過してからB側のクイル21Bの移動を開始さ
せる。
【0049】センタ支持指令手段85は、車輪旋盤WL
1に車輪Wのセンタ支持動作を開始させるための指令を
入力する手段である。センタ支持指令手段85は、NC
プログラム中に設定されているセンタ支持指令のための
補助指令コード(Mコード)をNC200が実行したと
きに、NC200からPLC210にその旨の指令を出
力するものである。そして、車輪のセンタ支持終了後、
センタ支持完了信号をPLC210はNC200に送信
する。なお、センタ支持指令手段85は、操作盤221
に設けられたセンタ支持用操作スイッチ222であって
もよい。
【0050】駆動制御手段86は、クイル駆動用モータ
60A,60Bを駆動制御するための手段である。駆動
制御手段86は、PLC210のCPU211、RAM
213、タイマ226および車輪センタ支持用シーケン
スプログラム214等からなる。なお、PLC210に
時間差演算手段84を構成する場合、車輪センタ支持用
シーケンスプログラム214に時間差演算プログラム2
15を含めてもよい。駆動制御手段86は、RAM21
3に車輪センタ支持用シーケンスプログラム214(2
15)がロードされ、CPU211で車輪センタ支持用
シーケンスプログラム214(215)が実行されてA
側のクイル駆動用モータ60AおよびB側のクイル駆動
用モータ60Bを同時にまたは別々に制御する。なお、
駆動制御手段86は、A側クイル駆動用モータ制御部8
6aとB側クイル駆動用モータ制御部86bを介してA
側のクイル駆動用モータ60A、B側のクイル駆動用モ
ータ60Bの起動/停止を制御する。
【0051】駆動制御手段86は、センタ支持指令手段
85からセンタ支持指令が入力されと、車輪Wに対する
センタ支持動作を開始する。そして、車輪Wの軸長に差
がある場合には時間差演算手段84に時間差を演算さ
せ、車輪Wの軸長に差がない場合には時間差を0とす
る。
【0052】次に、図7のフローチャートに沿って、車
輪旋盤WL1による車輪のセンタ支持方法について説明
する。また、この車輪のセンタ支持方法に応じて、図8
を参照して車輪旋盤WL1のセンタ支持動作を説明す
る。なお、随時、説明に応じて図1乃至図6を参照す
る。
【0053】車輪Wが車輪旋盤WL1に搬入される前
に、作業者は、軸長差入力手段80から次に加工する車
輪Wのデータとして、車輪Wの軸長に差があるかないか
のデータ、軸長に差のある場合にはその軸長差寸法のデ
ータおよび軸長の長い(あるいは軸長の短い)側がA側
またはB側のデータを入力しておく。なお、必ずしもこ
の3つのデータ全てを入力する必要はなく、必要なデー
タのみ入力する。
【0054】NC200は、NCプログラムを順次実行
する。NCプログラムが車輪搬入指令であると、車輪W
は、搬送レール9a,9a上を転動して加工領域Sに搬
入され、リフタ装置9上に載置される。このとき、クイ
ル21A,21Bは、原点位置まで後退している。NC
プログラムがリフタ上昇指令であると、車輪旋盤WL1
は、リフタ装置用駆動モータ(図示せず)を駆動し、リ
フタ装置9を上昇して車輪Wを所定の位置に持ち上げる
(図8(a))。このとき、車輪Wは、軸輪Wa(軸
部)の中心軸線が主軸軸線と一致またはほぼ一致する高
さまで持ち上げられている。ちなみに、車輪旋盤WL1
は、車輪Wのセンタ支持が終了するまで、リフタ装置9
によってこの位置で車輪Wを保持する。
【0055】NCプログラムがセンタ支持指令である
と、NC200は、PLC210にセンタ支持指令であ
る旨を送信する。PLC210は、NC200から送信
されたデータがセンタ支持指令であるか否かを判断する
(S1)。なお、センタ支持指令でない場合には、他の
処理を行うための指令であり、PLC210は、車輪の
センタ支持の処理を行なわないので、このフローチャー
トの処理を終了する。
【0056】センタ支持指令である場合、センタ支持用
シーケンスプログラム214を実行する。車輪Wに軸長
差データが「有」か否かを判断する(S2)。軸長差デ
ータが「無」の場合、A側のクイル駆動用モータ60A
とB側のクイル駆動用モータ60Bを同時に起動して、
A側のクイル21AとB側のクイル21Bを同時に車輪
Wの軸部側に移動開始させ、ステップS14以降の処理
に移行する(S3)。
【0057】軸長差データが「有」の場合、時間差演算
プログラム215を実行する。すなわち、軸長差記憶手
段82から軸長差寸法を、クイル移動速度記憶手段83
から移動速度を読み取り、軸長差寸法をクイル21A,
21Bの移動速度で除算し、クイル21A,21Bの移
動を開始させる時間差を演算する(S4)。そして、演
算した時間差をタイマ226のタイマデータアドレスに
設定し、時間差演算用プログラム215を終了する。
【0058】時間差演算後、軸長の長い側がA側かB側
かを判断する(S5)。
【0059】軸長の長い側がA側の場合、車輪旋盤WL
1は、軸長の短い側であるクイル駆動用モータ60Bを
起動し、クイル21Bを車輪Wの軸部側に移動させる
(S6)。クイル駆動用モータ60Bの起動開始と同時
に、車輪旋盤WL1は、タイマ226のカウンタ部をリ
セットしてタイマカウントを開始する(S7)。そし
て、演算した時間差とカウントしている時間を比較する
(S8)。そして、カウント時間が演算したタイマデー
タアドレスに設定した時間差以上になると、車輪旋盤W
L1は、軸長の長い側であるクイル駆動用モータ60A
を起動し、クイル21Aを車輪Wの軸部側に移動させる
(S9)。このとき、クイル21Bは、クイル21Aよ
りほぼ軸長差分車輪W側に移動している。
【0060】軸長の長い側がB側の場合(図14に示す
車輪Wの場合)、車輪旋盤WL1は、軸長の短い側であ
るクイル駆動用モータ60Aを起動し、クイル21Aを
車輪Wの軸部側に移動させる(S10)(図8
(b))。クイル駆動用モータ60Aの起動開始と同時
に、タイマ226のカウンタ部をリセットしてタイマカ
ウントを開始する(S11)。そして、演算した時間差
とカウントしている時間を比較する(S12)。カウン
ト時間が演算したタイマデータアドレスに設定した時間
差以上になると、軸長の長い側であるクイル駆動用モー
タ60Bを起動し、クイル21Bを車輪Wの軸部側に移
動させる(S13)(図8(c))。このとき、クイル
21Aは、クイル21Bよりほぼ軸長差分(図14に示
す車輪Wの場合はL2分)車輪W側に移動している。
【0061】ちなみに、クイル駆動用モータ60A(6
0B)が駆動すると、ねじ軸24が回転する。クイル2
1A(クイル21B)は回転が規制されているため、ね
じ軸24の回転によって、クイル21A(21B)が車
輪W側に原点位置より前進する。
【0062】車輪Wに軸長差がある場合には両側のクイ
ル駆動用モータ60A,60Bを時間差分ずらして順次
駆動させるので、車輪Wに軸長差がある場合または車輪
Wに軸長差がない場合共に、両側のセンタ2A,2Bが
車輪Wのセンタ穴にほぼ同時(同時も含む)に当接す
る。当接すると、クイル駆動用モータ60A,60Bが
駆動していても、センタ2A,2Bは、車輪W側への移
動が規制される。すなわち、両側のセンタ2A,2Bが
車輪Wの軸部の各端部にほぼ同時(同時も含む)に当接
することにより、センタ2A,2Bに付与される車輪W
からの反力が、ねじ軸24,24とともにスライド部材
30,30を後退させる。したがって、両側の圧縮コイ
ルばね37,37によりセンタ2A,2Bに付与される
各付勢力は、ほぼ同じ(同じを含む)となる。そして、
この付勢力が所定の値(例えば、19600N(約20
00kgf))になると、近接スイッチ70が被検出部
材32を検出し検出信号を出力する。このとき、車輪W
は、センタ2Aおよびセンタ2Bによって加工可能な付
勢力が付与されてセンタ支持される。
【0063】両側のクイル駆動用モータ60A,60B
が駆動中、車輪旋盤WL1は、A側の近接スイッチ70
aまたはB側の近接スイッチ70bの各検出信号を受信
待ちする(S14)。そして、受信した検出信号が、A
側の近接スイッチ70aかB側の近接スイッチ70bか
を判断する(S15)。
【0064】A側の近接スイッチ70aの検出信号を先
に受信した場合、A側のクイル駆動用モータ60Aの駆
動を停止する(S16)。停止後、A側クランプ用シリ
ンダ45の一方のシリンダ室に圧力流体(例えば、圧
油)を供給してピストンロッド46a、ストッパ47を
前進させ、スライド部材30の当接面30cにストッパ
47を当接させる。すなわち、図示しない圧力流体供給
源(例えば、圧油供給源)とシリンダ45との圧力流体
路に接続されている切換弁(例えば、ソレノイドバル
ブ)の所定の側のソレノイド225を励磁してシリンダ
45を前進させる(S17)。B側の近接スイッチ70
bの検出信号を受信待ちする(S18)。そして、B側
の近接スイッチ70bの検出信号を受信すると、B側の
クイル駆動用モータ60Bの駆動を停止する(S19)
(図8(d))。図示しないB側クランプ用のシリンダ
に圧力流体を供給して、ピストンロッド、ストッパを前
進させ、スライド部材の当接面にストッパを当接させる
(S20)。
【0065】B側の近接スイッチ70bの検出信号を先
に受信した場合、B側のクイル駆動用モータ60Bの駆
動を停止する(S21)。図示しないB側クランプ用の
シリンダに圧力流体を供給して、ピストンロッド、スト
ッパを前進させ、スライド部材の当接面にストッパを当
接させる(S22)。A側の近接スイッチ70aの検出
信号を受信待ちする(S23)。そして、A側の近接ス
イッチ70aの検出信号を受信すると、A側のクイル駆
動用モータ60Aの駆動を停止する(S24)(図8
(d))。A側クランプ用のシリンダ45に圧力流体を
供給して、ピストンロッド46a、ストッパ47を前進
させ、スライド部材30の当接面30cにストッパ47
を当接させる(S25)。PLC210は、NC200
にセンタ支持の完了信号を送信する。NC200は、N
Cプログラムの次の指令であるリフタ下降指令を実行す
る。
【0066】センタ2A,2Bで車輪Wをセンタ支持し
た状態で、リフタ装置9を下降させ、車輪Wを加工可能
な状態とする。そして、ジョー前進指令で回転力伝達手
段4A,4Bのジョー4a,4aがジョーボディ4b,
4bから突出させて車輪Wの車輪部Wb,Wbに係合さ
せ、車輪Wを主軸3A、B側主軸の回転とともに回転可
能な状態とする。
【0067】そして、車輪旋盤WL1は、NCプログラ
ムに従って車輪Wの車輪部Wb,Wbの踏面やフランジ
面等の計測、切削加工を行う(図8(e))。
【0068】この車輪旋盤WL1における車輪支持方法
によれば、軸長の長い側のクイルの移動開始を軸長差に
基づく時間差分遅らせる。そのため、車輪Wに軸長差が
ある場合および車輪Wに軸長差がない場合共に、センタ
支持する際にセンタ2Aとセンタ2Bをほぼ同時(同時
も含む)に車輪Wの軸部の各端部(各センタ穴)に当接
させることができる。その結果、車輪旋盤WL1は、軸
長に差のある車輪Wおよび軸長に差のない車輪Wが混在
している場合でも、車輪Wに不必要な押圧力を付加する
ことなく、車輪のセンタ支持を自動で行うことができ
る。
【0069】次に、第2の実施の形態について説明す
る。第1の実施の形態のセンタ支持制御の構成のみ異な
るので、図9を参照して、車輪旋盤WL2の車輪のセン
タ支持制御を行うための各手段の構成について説明す
る。この各手段は、第1の実施の形態と同様に、PLC
210、車輪データ用パソコン230等に構成される。
なお、説明に応じて、図1乃至図3および図6を参照す
る。なお、第1の実施の形態と同一の構成については、
同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0070】車輪旋盤WL2は、車輪旋盤WL1がクイ
ル21A,21Bを時間差分ずらして移動を開始させる
代わりに、クイル21A,21Bの移動速度を軸長の長
い側を設定されている移動速度より低速にする。そこ
で、車輪旋盤WL2は、車輪Wの軸長に差がある場合
(軸長差データが「有」の場合)には、軸長差からクイ
ル21Aの移動速度とクイル21Bの移動速度の速度差
を演算する。そして、車輪旋盤WL2は、設定移動速度
からこの速度差を減算し、軸長の長い側のクイルの移動
速度とする。
【0071】軸長差入力手段80は、車輪Wの軸部の長
さに関するデータを入力するための手段である。
【0072】軸長差記憶手段82は、軸長差入力手段8
0から入力されたデータを記憶する手段である。
【0073】クイル移動速度演算手段102は、A側の
クイル21A(センタ2A)とB側のクイル21B(セ
ンタ2B)の各移動速度を演算するため演算手段であ
る。なお、クイル移動速度演算手段102は、軸長の短
い側のクイルの移動速度が予め設定されているので、軸
長の長い側のクイルの移動速度を演算する。クイル移動
速度演算手段102は、PLC210のRAM213に
クイル移動速度演算プログラム(図示せず)がロードさ
れ、CPU211でクイル移動速度演算プログラムが実
行されて演算を行う。なお、クイル移動速度演算手段1
02は、軸長差記憶手段82に記憶された軸長差データ
が「無」の場合には、演算を行わない
【0074】なお、PLC210は、軸長差がない場合
のクイルの移動速度および軸長差がある場合の軸長の短
い側のクイルの移動速度を、一定の移動速度と予め設定
し、パラメータメモリ218に記憶している。また、P
LC210は、センタ2A、2Bが車輪Wの各センタ穴
に到達するまでの時間を、一定の到達時間として予め入
力手段217からなる到達時間入力手段81aから入力
し、パラメータメモリ218内の到達時間記憶手段83
aに記憶している。
【0075】クイル移動速度演算手段102は、軸長差
記憶手段82に記憶された軸長差寸法を到達時間で除算
し、軸長の短い側のクイルの移動速度と軸長の長い側の
クイルの移動速度の速度差を演算する。さらに、クイル
移動速度演算手段102は、軸長の短い側のクイルの移
動速度からこの速度差を減算し、軸長の長い側のクイル
の移動速度を演算する。例えば、図14に示す車輪Wの
場合、軸長の短いA側のクイル21Aの移動速度をV1
(mm/s)および軸長の長いB側のクイル21Bの移
動速度をV2(mm/s)とし、到達時間をT1(s)
とする。なお、軸長の短い側のクイル21Aの移動速度
V1は、一定速度として、パラメータメモリ218に記
憶されている。また、到達時間T1は、一定時間とし
て、パラメータメモリ218に記憶されている。また、
L4(mm)は、クイル21Aが原点位置まで後退して
いる場合の輪軸Waの軸端面Wfからセンタ2Aの先端
までの長さである。速度差(mm/s)=V1−V2=
L4/T1−(L4−L2)/T1=L2/T1とな
る。つまり、速度差は、軸長差L2から算出される。さ
らに、V2=V1−L2/T1となる。つまり、軸長の
長い側のクイルの移動速度は、この速度差と軸長の短い
側のクイルの移動速度V1から算出される。なお、到達
時間T1をパラメータメモリ218に記憶していると説
明を行ったが、軸端面Wfからセンタ2Aの先端までの
長さL4を記憶しているものであってもよい。
【0076】センタ支持指令手段85は、車輪Wのセン
タ支持を開始させるための指令を入力する手段である。
【0077】駆動制御手段104は、クイル駆動用モー
タ60A,60Bを制御するための手段である。駆動制
御手段104は、PLC210に構成し、PLC210
のCPU211、RAM213および車輪センタ支持用
シーケンスプログラム214等からなる。なお、PLC
210にクイル移動速度演算手段102を構成する場
合、車輪センタ支持用シーケンスプログラム214にク
イル移動速度演算プログラムを含めてもよい。駆動制御
手段104は、RAM213に車輪センタ支持用シーケ
ンスプログラム214がロードされ、CPU211で車
輪センタ支持用シーケンスプログラム214が実行され
てA側のクイル駆動用モータ60AおよびB側のクイル
駆動用モータ60Bを別々に制御する。なお、駆動制御
手段104は、車輪旋盤WL2内にA側クイル駆動用モ
ータ制御部104aとB側クイル駆動用モータ制御部1
04bを備える。A側クイル駆動用モータ制御部104
aは、駆動制御手段104からの命令によりA側のクイ
ル駆動用モータ60Aの起動/停止を制御するととも
に、クイル21Aの移動速度を制御する。B側クイル駆
動用モータ制御部104bは、駆動制御手段104から
の命令によりB側のクイル駆動用モータ60Bの起動/
停止を制御するとともに、クイル21Bの移動速度を制
御する。なお、クイル駆動用モータが三相誘導電動機の
場合には、クイル駆動用モータ制御部104a,104
bは、インバータ制御可能とし、クイル駆動用モータ6
0A,60Bのモータ回転数を制御するのが好ましい。
また、サーボモータ等速度制御可能な制御モータであれ
ば、モータ制御部で速度制御すればよい。
【0078】駆動制御手段104は、センタ支持指令手
段85からセンタ支持指令が入力されと、車輪Wに対す
るセンタ支持動作を開始する。そして、駆動制御手段1
04は、車輪Wに軸長差がある場合にはクイル移動速度
演算手段102にクイル21A,21Bの各移動速度を
演算させ、車輪Wに軸長差がない場合にはクイル21
A,21Bの移動速度を予め設定された一定の移動速度
とする。駆動制御手段104は、この各移動速度に基づ
いて、クイル駆動用モータ60A,60Bの各モータ回
転数を設定する。そして、駆動制御手段104は、設定
した各モータ回転数に応じてクイル駆動用モータ60
A,60Bを同時に起動し、車輪Wの軸部側にクイル2
1A,21Bを移動させる。
【0079】車輪Wの軸長に差がある場合、軸長差に基
づいて軸長の長い側のクイルの移動速度を軸長の短い側
のクイルの移動速度より低速に設定しているので、セン
タ2Aとセンタ2Bはほぼ同時(同時も含む)に車輪W
のセンタ穴Ca,Cbに各々当接する。また、車輪Wの
軸長に差がない場合、クイルの移動速度は同一速度なの
で、センタ2Aとセンタ2Bはほぼ同時(同時も含む)
に車輪Wの各センタ穴に各々当接する。したがって、軸
長に差のある場合および軸長に差のない場合共に、セン
タ2Aとセンタ2Bは、ほぼ同時(同時も含む)に車輪
Wの各センタ穴に各々当接後(クイル駆動用モータ60
A,60Bを起動させてから到達時間記憶手段83aに
設定された時間が経過した後)、連続して加工可能な状
態まで車輪Wを両側から同じ移動速度で移動して押圧す
る。
【0080】駆動制御手段104は、両側のクイル駆動
用モータ60A,60Bの駆動を開始させた後、両側の
近接スイッチ70a,70bからの検出信号を待つ。A
側の近接スイッチ70aからの検出信号を受信すると、
駆動制御手段104は、A側クイル駆動用モータ制御部
104aによってクイル駆動用モータ60Aの駆動を停
止させる。A側クランプ用シリンダ45によって、スト
ッパ47を前進させ、スライド部材30の当接面30c
に当接させる。また、B側の近接スイッチ70bからの
検出信号を受信すると、駆動制御手段104は、B側ク
イル駆動用モータ制御部104bによってクイル駆動用
モータ60Bの駆動を停止させる。図示しないB側クラ
ンプ用シリンダによって、ストッパを前進させ、スライ
ド部材の当接面に当接させる。両側のクイル駆動用モー
タ60A.60Bの駆動が停止すると、センタ2A,2
Bが車輪Wを両側よりセンタ支持し、車輪Wが加工可能
な状態となる。したがって、車輪旋盤WL2は、搬入さ
れる車輪Wの中に軸長に差のある車輪Wおよび軸長に差
のない車輪Wが混在している場合でも、自動で車輪のセ
ンタ支持を行うことができる。
【0081】次に、第3の実施の形態の構成について説
明する。車輪旋盤WL3は、主軸3Aおよび主軸3A周
辺の構成に特徴を有するので、主軸3Aおよび主軸3A
周辺の構成について説明する。なお、車輪旋盤WL3
は、第1の実施の形態の車輪旋盤WL1と、旋盤全体お
よび主軸先端側等においてほぼ同一の構成を有し、主軸
後端側において車輪のセンタ支持をするために必要な構
成が異なる。そこで、車輪旋盤WL3の構成の説明で
は、車輪旋盤WL1と同一の構成については説明を省略
し、車輪旋盤WL1と構成の異なる部分について詳細に
説明する。それでは、図10を参照して、車輪旋盤WL
3の主軸3Aおよび主軸3A周辺の後端側の構成につい
て説明する。説明に応じて、随時、図1乃至図2を参照
する。なお、主軸3A等の構成は、A側とB側で同一の
構成を有し、左右対称にA側とB側に配置されている。
そこで、A側の主軸3A等の構成を代表して説明する。
また、第3の実施の形態では、図6に示したような軸長
差データの入力の必要はない。なお、以下の説明におい
て、「前」は図10の右側を示し、「後」は同左側を示
す。また、第1の実施の形態の車輪旋盤WL1と同一の
構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を
省略する。
【0082】車輪旋盤WL3は、車輪Wの軸長に差のあ
る場合の車輪のセンタ支持にも対応するために、センタ
2A,2Bが車輪Wのセンタ穴Ca,Cbに当接した状
態とセンタ2A,2Bが車輪Wのセンタ穴Ca,Cbを
加工可能な状態にセンタ支持した状態の二つの状態を検
出する2段階の検出手段を備える。
【0083】主軸3Aの後端には、スライド部材31が
前後方向に移動可能に設けられる。スライド部材31
は、主軸3Aの貫通孔3bに嵌入された筒状の円筒部3
1bと円筒部31bの後端の外周部側に形成された複数
本(本実施の形態では2本)の係合凸部31aからな
る。スライド部材31はねじ軸24と一体になって主軸
軸線に沿って前後方向に進退移動する。したがって、係
合凸部31aは、取付部材48に形成された凹部48a
内を進退移動する。
【0084】ばね保持部材34の本体部34bには、圧
縮コイルばね37が嵌装される。圧縮コイルばね37
は、後端がばね保持部材34のフランジ部34aで受け
止められ、前端がばね保持部材34の前端側から外嵌さ
れたばね受け部材35によって受け止められる。ちなみ
に、ばね受け部材35は、フランジ部35bの外周側の
スライド部材31に対向する部分が凸部35dとなって
おり、係合凸部31aと同様に取付部材48の凹部48
a内を進退移動する。
【0085】ばね受け部材35は、スライド部材31の
円筒部31bの貫通孔内に挿入された円筒状の本体部3
5aと、この本体部35aの後端に形成されたフランジ
部35bからなる。フランジ部35bは、その後面を傾
斜状の当接面35cが形成され、圧縮コイルばね37を
受け止める。ばね受け部材35は、本体部35aがばね
保持部材34の本体部34bに外嵌された後、この本体
部34bの前端側に螺着した二つのナット36,36に
よってばね保持部材34から抜け出ないように位置固定
される。つまり、センタ2A,2B間に車輪Wを保持し
ていない状態では、ばね受け部材35は、圧縮コイルば
ね37の付勢力により常時ナット36,36に押し付け
られている。
【0086】さらに、ばね受け部材35の本体部35a
とスライド部材31の円筒部31bの間に滑りキー33
が設けられ、スライド部材31に対する相対回転を規制
するとともに、ばね受け部材35に対するスライド部材
31の主軸軸線方向の相対移動を可能とする。勿論、滑
りキー33に代えて、ばね受け部材35とスライド部材
31とをスプライン結合として形成してもよい。
【0087】なお、ストッパ47は、主軸3Aの径方向
に移動可能になっており、主軸3Aの中心方向に移動し
たときばね受け部材35の当接面35cと当接し、ばね
受け部材35が後退しないように規制する。そのため、
ばね受け部材35の当接面35cと対向するストッパ4
7の一面は、当接面35cと同一傾斜の傾斜面として形
成されている。
【0088】センタ2A,2Bが車輪Wのセンタ穴C
a,Cbに当接した状態を検出するために、ばね受け部
材35とスライド部材31との間には隙間Lが設けられ
る。そして、この隙間Lに、皿ばね43が主軸軸線と平
行方向に複数個重ね合わせて設けられる。すなわち、皿
ばね43は、複数個(本実施の形態では8個)縦列に並
べられ、中央の孔に挿通されるガイドピン42によって
支持される。さらに、このガイドピン42は、スライド
部材31に取り付けられる。ばね受け部材35のフラン
ジ部35bおよびスライド部材31のフランジ部31a
にはばね受け用の穴41a,41bが各々形成され、皿
ばね43はこの穴41a、41bに嵌装される。さら
に、ばね受け部材35側の穴41aの底部にはガイドピ
ン42が挿入される穴42aが形成され、スライド部材
31がばね受け部材35に対して相対移動する際に、ガ
イドピン42がばね受け部材35に干渉しない。この複
数個からなる皿ばね43による付勢手段は、ばね受け部
材35とスライド部材31との間に円周方向に沿って均
等間隔に複数箇所(例えば、2箇所)設けられる。この
付勢手段による付勢力は、センタ2Aが主軸3Aから突
出して車輪Wの軸部に当接する際に、ねじ部材24およ
びセンタ2Aを介して車輪Wの軸部に付与される。
【0089】ところで、車輪Wの軸長が異なる場合(例
えば、図14の車輪Wの場合)、クイル21A、21B
が同時に車輪W側に移動を開始すると、軸長の長い側で
あるB側においてセンタ2Bが車輪Wのセンタ穴Cbに
先に当接する。そこで、センタCbに先に当接したセン
タ2Bによって車輪Wが押圧される続けることがないよ
うに、皿ばね43による付勢力が十分小さい状態(すな
わち、センタ2Bが車輪Wのセンタ穴Cbに当接した状
態)でセンタ2Bを停止させる。さらに、軸長の短いA
側においても、皿ばね43による付勢力が十分小さい状
態でセンタ2Aを一旦停止させる。つまり、車輪Wの軸
長が異なると、クイル21A,21Bの移動速度が同速
度とすると、センタ2A,2Bが車輪Wのセンタ穴C
a,Cbに各々当接するまでに時間差を生じる。そこ
で、車輪旋盤WL3は、センタ2A,2Bが車輪Wのセ
ンタ穴Ca,Cbに各々当接したときにセンタ2Aとセ
ンタ2Bを別々に停止させることによって、この時間差
による車輪Wへの押圧状態の継続を解消する。
【0090】この皿ばね43の付勢力が前記した十分小
さい状態を検出するために、固定部である主軸台1Aの
後端に、ブラケット73を介して第1近接スイッチ71
が取り付けられる。また、スライド部材31の係合凸部
31aの前端に、径方向に突出して円環状の被検出部材
32がボルト40で取り付けられる。第1近接スイッチ
71は、スライド部材31が皿ばね43の付勢力により
主軸3Aの後端に押し付けられた位置(図10に示す位
置)から皿ばね43の付勢力に抗して若干量後退した位
置(すなわち、前記した例では、皿ばね43による約9
80Nの付勢力でセンタ2Aがセンタ穴Caを押圧して
いる位置)まで移動したとき(つまり、被検出部材32
が図10の一点鎖線32aで示す位置まで移動したと
き)、被検出部材32を検出して第1検出信号を出力す
る。そのために、第1近接スイッチ71は、スライド部
材31の前後方向の移動にともなう被検出手段32の移
動経路に対向して配設される。
【0091】つまり、クイル駆動用モータ60Aが駆動
されると、ねじ軸24が回転する。ねじ軸24の回転に
よってクイル21Aが前方に移動すると、やがてセンタ
2Aがセンタ穴Caに当接する。当接によってクイル2
1Aの前方への移動が規制されると、ねじ軸24が回転
しながら後方へ移動する。すると、スライド部材31
が、皿ばね43の付勢力に抗して、ねじ軸24と一体に
なって後方に移動する。この後方移動に伴って、被検出
部材32が後方に移動する。そして、被検出部材32が
第1近接スイッチ71の検出可能な位置(図10の一点
鎖線の位置32a)に到達すると、第1近接スイッチ7
1が第1検出信号を出力する。つまり、この検出可能な
位置まで皿ばね43の付勢力に抗してスライド部材31
が後退すると、皿ばね43によりセンタ2Aに付与され
る付勢力がセンタ2Aとセンタ穴Caとが当接した状態
の付勢力となっている。なお、駆動制御手段111(図
11参照)は、第1近接スイッチ71の第1検出信号を
受信すると、クイル駆動用モータ60Aの駆動を停止さ
せ、センタ2Aの移動を停止させる。第1近接スイッチ
71は、皿ばね43による付勢力をほぼ一定にするもの
で、この付勢力を超える過大な付勢力がセンタ2Aに付
与されるのを防止する。ちなみに、車輪旋盤WL3のB
側でも同様の検出が行なわれ、図14に示す車輪Wの場
合、センタ2Bはセンタ2Aがセンタ穴Caに当接する
よりも先にセンタ穴Cbに当接する。したがって、B側
の第1近接スイッチ71bがA側より先に第1検出信号
を出力し、駆動制御手段111がクイル駆動用モータ6
0Bの駆動を停止させ、センタ2Bの移動を停止させ
る。すなわち、車輪旋盤WL3は、センタ2A,2Bが
車輪Wの軸部の各端部に各々当接すると、クイル駆動用
モータ60A,60Bの駆動を各々停止させ、センタ2
A(クイル21A)とセンタ2B(クイル21B)を共
に停止させる。さらに、車輪旋盤WL3は、センタ2A
とセンタ2Bを共に停止させた後、クイル駆動用モータ
60Aとクイル駆動用モータ60Bを同時に再駆動す
る。
【0092】さらに、センタ2A,2Bが車輪Wのセン
タ穴Ca,Cbを加工可能な状態にセンタ支持した状態
を検出するために、第2近接スイッチ72が第1近接ス
イッチ71と干渉しない位置かつ第1近接スイッチ71
の後方に設けられる。第2近接スイッチ72は、クイル
駆動用モータ60Aが再駆動されてスライド部材31が
ばね受け部材35に当接した後、所定量移動した位置を
検出する。すなわち、第2近接スイッチ72は、圧縮コ
イルばね37の付勢力でセンタ2Aが車輪Wを加工可能
な押圧力で支持する位置にスライド部材31が移動した
とき(すなわち、被検出部材32が図10の二点鎖線3
2bの位置まで移動したとき)に、被検出部材32を検
出して第2検出信号を出力する。
【0093】すなわち、クイル駆動用モータ60Aが再
駆動されると、スライド部材31がさらに後退してばね
受け部材35に当接する。そして、ばね受け部材35
が、圧縮コイルばね37の付勢力に抗して、ねじ軸24
と一体になって後方に移動する。この後方移動に伴っ
て、被検出部材32が後方に移動する。さらに、被検出
部材32が第2近接スイッチ72の検出可能な(図10
の二点鎖線の位置32b)に到達すると、第2近接スイ
ッチ72が第2検出信号を出力する。つまり、この検出
可能な位置まで圧縮コイルばね37の付勢力に抗してス
ライド部材31およびばね受け部材35が後退すると、
圧縮コイルばね37によりセンタ2Aに付与される付勢
力が車輪Wを加工可能なセンタ支持に必要な一定の付勢
力(例えば、19600N(約2000kgf))とな
っている。なお、駆動制御手段111(図11参照)
は、第2近接スイッチ72の第2検出信号を受信する
と、クイル駆動用モータ60Aの駆動を停止させる。第
2近接スイッチ72は、圧縮コイルばね37による付勢
力をほぼ一定にするもので、この付勢力を超える過大な
付勢力がセンタ2Aに付与されるのを防止する。ちなみ
に、車輪旋盤WL3のB側でも同様の検出が行なわれ
る。前記したようにクイル駆動用モータ60Aとクイル
駆動用モータ60Bは同時に再駆動されるので、ほぼ同
時にセンタ2A,2Bが車輪Wのセンタ穴Ca,Cbを
加工可能な状態にセンタ支持する。すなわち、車輪旋盤
WL3は、A側の第2近接スイッチ72aとB側の第2
近接スイッチ72bが第2検出信号を各々出力すると、
クイル駆動用モータ60A,60Bの駆動を各々停止さ
せ、車輪Wを加工可能な状態でセンタ支持する。
【0094】次に、図11を参照して、第3の実施の形
態の車輪旋盤WL3において車輪のセンタ支持制御を行
うための各手段の構成について説明する。
【0095】センタ支持指令手段85は、車輪旋盤WL
3が車輪Wのセンタ支持を開始させるための指令を入力
する手段である。
【0096】駆動制御手段111は、クイル駆動用モー
タ60A,60Bを制御するための手段である。駆動制
御手段111は、PLC210のCPU211、RAM
213および車輪センタ支持用シーケンスプログラム2
14等からなる。駆動制御手段111は、RAM213
に車輪センタ支持用シーケンスプログラム214がロー
ドされ、CPU211で車輪センタ支持用シーケンスプ
ログラム214が実行されてA側のクイル駆動用モータ
60AおよびB側のクイル駆動用モータ60Bの駆動を
別々に制御する。なお、駆動制御手段111は、A側ク
イル駆動用モータ制御部86aとB側クイル駆動用モー
タ制御部86bが接続される。A側クイル駆動用モータ
制御部86aは、駆動制御手段111からの命令により
A側のクイル駆動用モータ60Aの起動/停止を制御す
る。B側クイル駆動用モータ制御部86bは、駆動制御
手段111からの命令によりB側のクイル駆動用モータ
60Bの起動/停止を制御する。なお、クイル21A,
21Bの各移動速度は、同一速度とする。
【0097】なお、隙間Lに設ける付勢手段として皿ば
ね43を例に挙げて説明したが、スライド部材31を一
定の付勢力で前方側に付勢することができるものであれ
ばよく、他のばね、ゴム、あるいはエアシリンダ等でも
よい。また、第1検出手段および第2検出手段として近
接スイッチを例に挙げて説明したが、スライド部材31
が所定位置まで後退したことを検出することができるも
のであればよく、リミットスイッチや光電スイッチ等で
あってもよい。また、第1検出手段および第2検出手段
は、これらのスイッチ類に限定されるものではない。例
えば、クイル駆動用モータをトルク制御可能なモータと
し、モータのトルク(電流値)等を検出するものであっ
てもよい。また、クイルの駆動体を流体圧シリンダと
し、圧力を検出するものであってもよい。また、ロード
セル等による主軸軸線方向の荷重検出やトルクメータに
よるトルク検出を行うものであってもよい。
【0098】次に、図12のフローチャートに沿って、
車輪旋盤WL3による車輪のセンタ支持方法について説
明する。また、この車輪のセンタ支持方法に応じて、図
13を参照して車輪旋盤WL3の動作を説明する。な
お、随時、説明に応じて図1、図2、図10および図1
1を参照する。
【0099】車輪Wは、搬送レール9a,9a上を転動
して加工領域Sに搬入され、リフタ装置9上に載置され
る。このとき、クイル21A,21Bは、原点位置まで
後退している。すると、リフタ装置用駆動モータ(図示
せず)を駆動し、リフタ装置9を上昇して車輪Wを所定
の位置まで持ち上げる(図13(a))。
【0100】NC200がNCプログラムのセンタ支持
指令のブロックを実行し、NC200からPLC210
にセンタ支持指令が出力されたか否かをPLC210は
判断する(S31)。なお、センタ支持指令でない場合
には、PLC210は、車輪のセンタ支持の処理を終了
する。
【0101】センタ支持指令で有る場合、A側のクイル
駆動用モータ60AとB側のクイル駆動用モータ60B
を同時に起動し、A側のクイル21AとB側のクイル2
1Bを同時に車輪Wの軸部側に移動開始させる(S3
2)(図13(b))。
【0102】ちなみに、クイル駆動用モータ60A(6
0B)が駆動すると、ねじ軸24が回転する。クイル2
1A(クイル21B)は回転が規制されているため、ね
じ軸24の回転によって、クイル21A(21B)が車
輪W側に原点位置より前進する。なお、両側のクイル2
1A,21Bの前進は、ほぼ同時(同時を含む)にかつ
ほぼ同速度(同速度を含む)で行なわれる。そして、セ
ンタ2A、2Bおよびクイル21A,21Bの前進は、
車輪の軸部の端部(センタ穴)に当接することにより停
止する。
【0103】両側のクイル駆動用モータ60A,60B
が駆動中、車輪旋盤WL3は、A側の第1近接スイッチ
71aまたはB側の第1近接スイッチ71bの各第1検
出信号を受信待ちする(S33)。そして、受信した第
1検出信号が、A側の第1近接スイッチ71aかB側の
第1近接スイッチ71bかを判断する(S34)。
【0104】なお、車輪Wの軸部側にA側のクイル21
AとB側のクイル21Bの移動を同時に開始させている
ので、車輪Wに軸長差がない場合には、両側のセンタ2
A,2Bがほぼ同時(同時も含む)に車輪Wの軸部の端
部(センタ穴)に当接する。一方、図14に示すような
車輪Wに軸長差がある場合には、軸長の長いB側のセン
タ2Bが車輪Wの軸部の端部(センタ穴Cb)に当接
し、その後、軸長の短いA側のセンタ2Aが車輪Wの軸
部の端部(センタ穴Ca)に当接する。
【0105】A側の第1近接スイッチ71aの第1検出
信号を先に受信した場合、車輪旋盤WL3は、A側のク
イル駆動用モータ60Aを停止する(S35)。停止
後、B側の第1近接スイッチ71bの第1検出信号を受
信待ちする(S36)。そして、B側の第1近接スイッ
チ71bの第1検出信号を受信すると、B側のクイル駆
動用モータ60Bを停止する(S37)。
【0106】B側の第1近接スイッチ71bの第1検出
信号を先に受信した場合、車輪旋盤WL3は、B側のク
イル駆動用モータ60Bを停止する(S38)(図13
(c))。停止後、車輪旋盤WL3は、A側の第1近接
スイッチ71aの第1検出信号を受信待ちする(S3
9)。そして、A側の第1近接スイッチ71aの第1検
出信号を受信すると、A側のクイル駆動用モータ60A
を停止する(S40)(図13(d))。ちなみに、図
14に示す車輪Wの場合、B側の軸長が長いので、ステ
ップS38からステップS40の処理が実行される。
【0107】前記のように、車輪旋盤WL3は、両側の
センタ2A,2Bが車輪Wの軸部の端部(センタ穴)に
当接した状態(センタ2A,2Bが各センタ穴に軽荷重
で押圧している状態)となる。このように、両側のクイ
ル駆動用モータ60A,60Bを一旦停止させて当接し
た状態を保持することにより、車輪Wに軸長差がある場
合でも、車輪Wの軸長の長い側の軸部の端部がセンタに
よって必要以上に押圧されることがなくなる。すなわ
ち、センタ2A、2Bが車輪Wの軸部の各端部に当接す
ることにより、センタ2A,2Bに各々付与される車輪
Wからの反力が、ねじ軸24と共にスライド部材31を
後退させる。このとき、車輪Wの軸部には皿ばね43の
付勢力が付与されるが、前記したようにこの付勢力が車
輪Wの自重に対して十分小さい付勢力に設定され、この
設定された付勢力を第1近接スイッチ71で検出してい
る。ちなみに、スライド部材31は、ばね受け部材35
に当接しない一定距離だけ後退する。したがって、車輪
Wの軸部の各端部がセンタ2A,2Bによって必要以上
に押圧されることがなくなり、車輪Wを移動させること
もなくなる。さらに、車輪Wに軸長差がある場合でも軸
長差がない場合でも、センタ2Aとセンタ2Bで車輪W
を加工可能な状態でセンタ支持するために、センタ2A
とセンタ2Bが車輪Wの軸部の各端部に当接した状態か
ら同時にクイル駆動用モータ60A,60Bを再駆動す
る。
【0108】両側のクイル駆動用モータ60A,60B
が停止後、A側のクイル駆動用モータ60AとB側のク
イル駆動用モータ60Bを同時に再起動する(S4
1)。
【0109】センタ2A,2Bが車輪Wの各センタ穴に
当接した状態でクイル駆動用モータ60A,60Bが駆
動されると、センタ2A,2Bは、車輪Wの軸部の端部
にしているので、センタ2A(2B)に付与される車輪
Wからの反力が、ねじ軸24とともにスライド部材31
を後退させる。さらに、両側のスライド部材31,31
が後退すると、各ばね受け部材35,35にほぼ同時
(同時を含む)に各々当接し、スライド部材31,31
と共にばね受け部材35,35が後退する。したがっ
て、両側の圧縮コイルばね37,37によりセンタ2
A,2Bに付与される各付勢力は、ほぼ同じ(同じを含
む)付勢力となる。そして、この付勢力が所定の値にな
ると、第2近接スイッチ72a,72bが被検出部材3
2,32を検出し第2検出信号を各々出力し、各クイル
駆動用モータ60A,60Bを停止させる。このとき、
車輪Wは、センタ2Aおよびセンタ2Bによって加工可
能な付勢力が付与されてセンタ支持される。
【0110】両側のクイル駆動用モータ60A,60B
が再駆動中、A側の第2近接スイッチ72aまたはB側
の第2近接スイッチ72bの各第2検出信号を受信待ち
する(S42)。そして、受信した第2検出信号が、A
側の第2近接スイッチ72aかB側の第2近接スイッチ
72bかを判断する(S43)。
【0111】A側の第2近接スイッチ72aの第2検出
信号を先に受信した場合、A側のクイル駆動用モータ6
0Aを停止する(S44)。A側クランプ用のシリンダ
45に圧力流体を供給して、ピストンロッド46a、ス
トッパ47を前進させ、ばね受け部材35の当接面35
cにストッパ47を当接させる(S45)。停止後、B
側の第2近接スイッチ72bの第2検出信号を受信待ち
する(S46)。そして、B側の第2近接スイッチ72
bの第2検出信号を受信すると、B側のクイル駆動用モ
ータ60Bを停止する(S47)。図示しないB側クラ
ンプ用のシリンダに圧力流体を供給して、ピストンロッ
ド、ストッパを前進させ、ばね受け部材の当接面にスト
ッパを当接させる(S48)。
【0112】B側の第2近接スイッチ72bの第2検出
信号を先に受信した場合、B側のクイル駆動用モータ6
0Bを停止する(S49)。図示しないB側クランプ用
のシリンダに圧力流体を供給して、ピストンロッド、ス
トッパを前進させ、ばね受け部材の当接面にストッパを
当接させる(S50)。停止後、A側の第2近接スイッ
チ72aの第2検出信号を受信待ちする(S51)。そ
して、A側の第2近接スイッチ72aの第2検出信号を
受信すると、A側のクイル駆動用モータ60Aを停止す
る(S52)。A側クランプ用のシリンダ45に圧力流
体を供給して、ピストンロッド46a、ストッパ47を
前進させ、ばね受け部材35の当接面35cにストッパ
47を当接させる(S53)。
【0113】すなわち、シリンダ45を駆動してストッ
パ47を主軸軸線側に前進移動させ、ばね受部材35の
当接面35cに押し当ててばね受け部材35の後退を規
制する。したがって、車輪旋盤WL3は、車輪Wを両側
からセンタ2A,2Bでセンタ支持した状態で、センタ
2A,2B等が、切削力が加わった状態でも移動するこ
とはない。また、回転力伝達手段4A,4Bのジョー4
a,4aがジョーボディ4b,4bから突出して車輪W
の車輪部Wb,Wbに係合し、車輪Wを主軸3A、B側
主軸の回転とともに回転可能な状態とする。さらに、リ
フタ装置9を下降し、車輪Wを加工可能な状態とする。
【0114】そして、車輪旋盤WL3は、車輪Wの車輪
部Wbの踏面やフランジ面等の計測および加工を行う
(図13(e))。
【0115】この車輪旋盤WL3における車輪支持方法
によれば、センタ2Aとセンタ2Bが車輪Wの軸部の各
端部に当接した状態でクイル駆動用モータ60A,60
Bを別々に停止させることができる。そのため、軸長差
データを入力する必要がない。したがって、車輪旋盤W
L3は、軸長に差のある車輪Wおよび軸長に差のない車
輪Wが混在している場合でも、車輪Wに不必要な押圧力
を付加することなく、車輪のセンタ支持を自動で行うこ
とができる。なお、軸長に差のない車輪Wの場合、軸長
差の有無のデータを入力可能なものとしておけば、第2
近接スイッチ72が第2検出信号を出力するまで、A
側、B側のクイル駆動用モータ60A,60Bを駆動す
るように制御してもよい。
【0116】なお、第1の実施の形態においては、軸長
差記憶手段82、クイル移動速度記憶手段83、時間差
演算手段84がPLC210にあるものとして説明を行
っているが、軸長差記憶手段82、クイル移動速度記憶
手段83、時間差演算手段84がNC200または車輪
データ用パソコン230に一部または全部があってもよ
い。NC200に上記各手段がある場合には、軸長差入
力手段80、クイル移動速度入力手段81もNC200
にあることが好ましい。この場合には、演算された時間
差データが、センタ支持指令とともにNC200からP
LC210に送信される必要がある。また、車輪データ
用パソコン230に上記各手段がある場合には、軸長差
入力手段80、クイル移動速度入力手段81も車輪デー
タ用パソコン230にあることが好ましい。この場合に
は、演算された時間差データが、軸長差データとしてデ
ータ通信され、PLC210内に記憶されるようにすれ
ばよい。
【0117】また、第2の実施の形態においては、軸長
差記憶手段82、クイル移動速度演算手段102がPL
C210にあるものとして説明を行っているが、軸長差
記憶手段82、クイル移動速度演算手段102がNC2
00または車輪データ用パソコン230に一部または全
部があってもよい。NC200に上記各手段がある場合
には、軸長差入力手段80もNC200にあることが好
ましい。この場合には、演算された速度差データが、セ
ンタ支持指令とともにNC200からPLC210に送
信される必要がある。また、車輪データ用パソコン23
0に上記各手段がある場合には、軸長差入力手段80も
車輪データ用パソコン230にあることが好ましい。こ
の場合には、演算された速度差データが、軸長差データ
としてデータ通信され、PLC210内に記憶されるよ
うにすればよい。
【0118】クイル駆動用モータは、三相誘導電動機や
サーボモータ、ステッピングモータ等の制御モータ等で
あるモータ(電動機)だけでなく、流体圧モータ等であ
ってもよい。クイル駆動用モータの出力軸と軸体との間
で駆動力を伝達する機構は、スプロケット−チェーン機
構だけでなく、歯車列、歯付プーリ−歯付ベルト機構等
他の駆動力伝達機構であってもよい。また、クイル駆動
用モータの出力軸と軸体とをカップリング等連結部材で
連結するものであってもよい。さらに、クイル駆動用モ
ータの出力軸と軸体との間の駆動力伝達経路内に、クラ
ッチ等の連結・分離手段を設けてあるものであってもよ
い。さらに、クイル駆動用モータによる回転方向の運動
を、ねじ機構でクイルの直線運動に変換しているが、ラ
ック・ピニオン機構等他の変換機構であってもよい。ま
た、車輪支持部材駆動手段は、流体圧シリンダによって
車輪支持部材を進退移動させるものであってもよい。こ
の流体圧シリンダは、ロータリジョイントを備えている
ものであればさらによい。
【0119】
【発明の効果】本発明によれば、軸長に差がある車輪の
場合でも、軸長の長い側の軸部の端部を車輪支持部材が
不必要な力で押圧することなく、車輪のセンタ支持を行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る車輪旋盤の全体構成図であ
る。
【図2】図1の車輪旋盤の主軸の構成図にかかり、主軸
先端側を示す一部を省略した断面図である。
【図3】第1の実施の形態および第2の実施の形態に係
る車輪旋盤の主軸の構成図にかかり、主軸後端側を示す
断面図である。
【図4】本実施の形態に係る車輪旋盤の制御部の具体的
な構成の一例である。
【図5】第1の実施の形態に係る車輪旋盤における車輪
のセンタ支持制御のブロック構成図である。
【図6】第1の実施の形態に係る車輪旋盤の軸部の長さ
に関するデータの入力画面である。
【図7】第1の実施の形態に係る車輪旋盤における車輪
のセンタ支持方法の制御フローチャートである。
【図8】第1の実施の形態に係る車輪旋盤における車輪
のセンタ支持方法の動作説明図である。
【図9】第2の実施の形態に係る車輪旋盤における車輪
のセンタ支持制御のブロック構成図である。
【図10】第3の実施の形態に係る車輪旋盤の主軸の構
成図にかかり、主軸後端側の部分拡大断面図である。
【図11】第3の実施の形態に係る車輪旋盤における車
輪のセンタ支持制御のブロック構成図である。
【図12】第3の実施の形態に係る車輪旋盤における車
輪のセンタ支持方法の制御フローチャートである。
【図13】第3の実施の形態に係る車輪旋盤における車
輪のセンタ支持方法の動作説明図である。
【図14】軸部の長さに差がある車輪の正面図である。
【符号の説明】
1A,1B・・・主軸台 2A,2B・・・センタ(車輪支持部材) 3A・・・主軸 19・・・ベッド 21A,21B・・・クイル(車輪支持部材) 38A,38B・・・スプロケット(車輪支持部材駆動
手段) 60A,60B・・・クイル駆動用モータ(車輪支持部
材駆動手段) 61A,61B・・・チェーン(車輪支持部材駆動手
段) 70,70a,70b・・・近接スイッチ 71,71a,71b・・・第1近接スイッチ(第1の
検出手段) 72,72a,72b・・・第2近接スイッチ(第2の
検出手段) 80・・・軸長差入力手段 82・・・軸長差記憶手段 83・・・クイル移動速度記憶手段 84・・・時間差演算手段 86,104,111・・・駆動制御手段 102・・・クイル移動速度演算手段 W・・・車輪 Wa・・・輪軸 Wb・・・車輪部 Wc・・・延長軸 WL1,WL2,WL3・・・車輪旋盤

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベッド上に対向して配置され、軸線を同
    一線上に有する主軸を各々回転可能に支持する二つの主
    軸台と、 前記主軸の各々に、前記主軸の軸線と平行な方向に進退
    移動可能に設けられ、車輪の輪軸の端部を両側から押圧
    することにより前記車輪を支持する車輪支持部材と、 前記主軸台に各々設けられ、前記車輪支持部材を前記主
    軸に対して進退移動させる車輪支持部材駆動手段とを備
    え、 前記輪軸の両側に設けられた一対の車輪部を旋削加工す
    る車輪旋盤における車輪支持方法であって、 前記車輪の前記車輪部の端面から前記輪軸の両端部まで
    の軸部の長さに差があるか否かを判断する第1の手順
    と、 前記第1の手順において差があると判断した場合に、前
    記輪軸の両端部を前記車輪支持部材が同時またはほぼ同
    時に押圧して支持するように、前記車輪支持部材駆動手
    段の起動、停止または移動速度を制御する第2の手順と
    を有し、 軸部の長さに差がある前記車輪および軸部の長さに差の
    無い前記車輪を、前記主軸台の位置を変更することな
    く、前記車輪支持部材で支持可能にしたことを特徴とす
    る車輪旋盤における車輪支持方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の手順は、 前記軸部の長さの差と前記車輪支持部材の移動速度とか
    ら、二つの前記車輪支持部材を移動開始させる時間差を
    演算する時間差演算手順と、 前記時間差演算手順で演算された時間差に従って、前記
    車輪支持部材駆動手段を順次起動させる移動開始制御手
    順と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪旋盤に
    おける車輪支持方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の手順は、 前記軸部の長さの差から、前記車輪支持部材の各々の移
    動速度を演算する移動速度演算手順と、 前記移動速度演算手順で演算された移動速度に従って、
    二つの前記車輪支持部材を前記車輪支持部材駆動手段に
    よって移動させる移動速度制御手順と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪旋盤に
    おける車輪支持方法。
  4. 【請求項4】 前記主軸台と前記車輪支持部材との間に
    は、 前記車輪支持部材駆動手段の駆動によって前記車輪支持
    部材を前記車輪側に移動させ、前記車輪支持部材が前記
    輪軸の端部に当接した状態になったときに第1の信号を
    出力する第1の検出手段と、 前記車輪支持部材駆動手段の駆動によって前記車輪支持
    部材を前記車輪側に移動させ、前記車輪支持部材が前記
    車輪を支持して加工可能な押圧支持状態になったときに
    第2の信号を出力する第2の検出手段と、 が設けられ、 前記第2の手順は、 前記車輪支持部材駆動手段を起動させることにより、前
    記車輪支持部材を各々接近する方向に移動させる第1の
    移動手順と、 一方の前記第1の検出手段より前記第1の検出信号が出
    力されたとき、前記第1の検出信号を出力した一方の前
    記車輪支持部材駆動手段の駆動を停止させる第1の停止
    手順と、 他方の前記第1の検出手段より前記第1の検出信号が出
    力されたとき、他方の前記車輪支持部材駆動手段の駆動
    を停止させる第2の停止手順と、 前記車輪支持部材駆動手段を再起動させることにより、
    両方の前記車輪支持部材を停止状態から同時に移動させ
    る第2の移動手順と、 前記第2の検出手段より前記第2の検出信号が出力され
    たとき、前記車輪支持部材駆動手段の駆動を各々停止さ
    せる第3の停止手順と、 を有することを特徴とする請求項1に記載の車輪旋盤に
    おける車輪支持方法。
  5. 【請求項5】 ベッド上に対向して配置され、軸線を同
    一線上に有する主軸を各々回転可能に支持する二つの主
    軸台と、 前記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸よ
    り突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持す
    る車輪支持部材と、 前記車輪支持部材を前記主軸に対して進退移動させる車
    輪支持部材駆動手段と、 車輪部の端面から前記輪軸の両端部までの軸部の長さに
    関するデータが少なくとも記憶される車輪データ記憶手
    段と、 前記車輪支持部材を移動させる速度が記憶される車輪支
    持部材移動速度記憶手段と、 少なくとも前記軸部の長さに関するデータを入力するた
    めのデータ入力手段と、 前記軸部の長さのデータに差がある場合、前記軸部の長
    さのデータと前記車輪支持部材の移動速度とから、一対
    の前記車輪支持部材を各々移動開始させる時間差を演算
    する時間差演算手段とを有し、 前記車輪を前記車輪支持部材で支持するとき、前記車輪
    支持部材駆動手段を前記演算した時間差分ずらして起動
    させて前記車輪支持部材を移動させるようにしたことを
    特徴とする車輪旋盤。
  6. 【請求項6】 ベッド上に対向して配置され、軸線を同
    一線上に有する主軸を各々回転可能に支持する二つの主
    軸台と、 前記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸よ
    り突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持す
    る車輪支持部材と、 前記車輪支持部材を前記主軸に対して進退移動させる車
    輪支持部材駆動手段と、 車輪部の端面から前記輪軸の両端部までの軸部の長さに
    関するデータが少なくとも記憶される車輪データ記憶手
    段と、 少なくとも前記軸部の長さに関するデータを入力するた
    めのデータ入力手段と、 前記軸部の長さのデータに差がある場合、前記軸部の長
    さのデータから、二つの前記車輪支持部材を各々移動さ
    せる移動速度を演算する移動速度演算手段とを有し、 前記車輪を前記車輪支持部材で支持するとき、前記車輪
    支持部材駆動手段によって前記車輪支持部材を前記各々
    演算した移動速度で移動させるようにしたことを特徴と
    する車輪旋盤。
  7. 【請求項7】 ベッド上に対向して配置され、軸線を同
    一線上に有する主軸を各々回転可能に支持する二つの主
    軸台と、 前記主軸の各々に進退移動可能に設けられ、前記主軸よ
    り突出して車輪の輪軸の端部を両側より押圧して支持す
    る車輪支持部材と、 前記車輪支持部材を前記主軸に対して進退移動させる車
    輪支持部材駆動手段と、 前記主軸台と前記車輪支持部材との間に設けられ、前記
    車輪支持部材駆動手段の駆動によって前記車輪支持部材
    を前記車輪側に移動させ、前記車輪支持部材が前記輪軸
    の端部に当接した状態になったときに第1の検出信号を
    出力する第1の検出手段と、 前記主軸台と前記車輪支持部材との間に設けられ、前記
    車輪支持部材駆動手段を起動させることにより前記車輪
    支持部材を前記車輪側に移動させ、前記車輪支持部材が
    前記車輪を支持して加工可能な押圧支持状態になったと
    きに第2の検出信号を出力する第2の検出手段と、 前記車輪支持部材駆動手段を起動させることにより前記
    車輪支持部材を前記車輪側に移動させ、前記第1の検出
    手段より前記第1の検出手段が出力されたとき前記車輪
    支持部材駆動手段の駆動を各々停止させ、両方の前記車
    輪支持部材が停止状態になったとき前記車輪支持部材駆
    動手段を同時に再起動させ、前記第2の検出手段より前
    記第2の検出信号が出力されたとき前記車輪支持部材駆
    動手段の駆動を各々停止させる制御を行う駆動制御手段
    と、 を有することを特徴とする車輪旋盤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN103521786A (zh) * 2013-09-13 2014-01-22 齐齐哈尔大学 采用计算机程序控制的轮对精确定位方法
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