JP2000052193A - 工作物の切削加工方法及び該方法を達成する櫛刃形旋盤における刃物台装置 - Google Patents

工作物の切削加工方法及び該方法を達成する櫛刃形旋盤における刃物台装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は,軸状の工作物に対して高精度の円
筒度(真円,真直,平行)を確保できる切削加工方法及
び該方法を達成する櫛刃形旋盤における刃物台装置を提
供する。 【解決手段】 この切削加工方法は,主軸台2と心押台
3との間に回転可能に設定された軸状の工作物4を回転
中心軸に沿って平行方向と直交方向に移動する刃物6で
切削加工する。工作物4を荒加工した後に一次仕上加工
をする。一次仕上加工によって切削された工作物4の切
込み量の切削状態を検出し,一次仕上加工の切込み量の
切削状態に応じて二次仕上加工で目標切込み量に切削す
るため,工作物4に対する刃物6の直交方向の移動量を
補正し,二次仕上加工を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は,旋盤の主軸台と
心押台との間に回転可能に設置された軸状の工作物を切
削する工作物の切削加工方法及び該方法を達成する櫛刃
形旋盤における刃物台装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来,複数個の刃物台が刃物台ベース上
に櫛状構造に固定された櫛刃形旋盤と呼称されるものが
知られている。該櫛刃形旋盤は,旋盤主軸台の正面に設
けられたチャックやクランプ装置等の工作物把持手段に
回転可能に配置された工作物を刃物で切削するものであ
り,工作物把持手段に正対する位置に配置された工作物
の軸方向即ち旋盤主軸台方向(Z軸)に移動するサドル
を備えた往復台,該往復台上でZ軸の直交方向(X軸)
に移動するスライドベース,スライドベース上に固着さ
れた刃物台ベース,及び刃物台ベースに刃物を着脱可能
に固着する刃物台を備えている。
【0003】また,櫛刃形旋盤には,複数の刃物台の中
から適時,刃物台に替えて計測機器や清掃機器等の付帯
装置を固定することもでき,場合によっては,往復台の
Z軸方向の移動に替えて主軸台が往復台に対してZ軸方
向に移動することもできる。櫛刃形旋盤は,Z軸方向と
X軸方向の移動はNC制御され,精密加工を目的とした
小物工作物を対象とする正面旋盤の形式をとり,心押台
を必要としないチャックワーク専用機に構成されてい
る。また,本出願人が開発した精密旋盤における12台
装置(例えば,実用新案登録第2524484号公報)
を,櫛刃形旋盤に用いれば,工作物に対して高精度な加
工ができるので,該櫛刃形旋盤を用いて軸状の工作物を
加工することに着眼したが,櫛刃形旋盤は,チャックワ
ーク専用に構成されているので,上記心押台装置を用い
ただけでは軸状の工作物を高精度に切削するものとして
使用するには無理が生じる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の櫛刃形旋盤は,
刃物台ベース上に複数個の刃物台が固定されているの
で,刃物台に取り付けられた刃物と刃物台ベースとは相
対的に可動する機構が採用されておらず,高精度に工作
物を加工することができるが,複数個の刃物を用いる切
削(旋削)については,各刃物の配列を考慮せねばなら
ない。櫛形に配置した複数個の刃物のうち,所定の刃物
が工作物を切削しているとき,他の刃物が旋盤主軸によ
り駆動されているので,チャックを含む工作物や回転体
に干渉しないように,各刃物の間隔や出入りを考慮して
刃物の位置を決定しなければならない。従って,上記櫛
刃形旋盤は,工作物の大きさに比べて隣接する刃物との
間隔にも余裕を持たせることから,一番外側の刃物間の
寸法が広くなり,工作物の切削直径に比べてX軸方向の
ストロークも十分な長さが必要になる。
【0005】上記櫛刃形旋盤について,上記の問題点を
考慮し,櫛刃形に替えて刃物台ベース上にターレット形
刃物台を配置する旋盤も知られているが,該ターレット
形刃物台は,6角又は8角の各面に刃物を取り付けるこ
とによって,所定の刃物が切削を実施しているときで
も,他の面に取り付けられた刃物は回転体から離れてお
り,干渉することも無く,従って,X軸のストロークも
櫛刃形旋盤よりも短くて済むというものである。しかし
ながら,従来のターレット形旋盤は,所定の刃物から次
の刃物に変換するとき,まず,刃物台ベース上にクラン
プされている6角又は8角のターレット形刃物台をアン
クランプし,浮かせる動作が必要となり,次いで,目的
とする刃物の位置が工作物に正対するまで,ターレット
形刃物台を回転させる割出動作を行い,最後に,再度ク
ランプするという一連の操作工程を必要とする。しか
も,ターレット形旋盤は,刃物の交換の度に,刃物台ベ
ースから浮き上がって動くことは,復元性を考慮した機
構が採用されているとはいえ,刃物の刃先が常に同じ位
置にくるとは限らず,工作物に対する高精度な加工を維
持することができない。このように,ターレット形旋盤
は,ターレット形刃物台のアンクランプ,回転及びクラ
ンプの3種の操作工程を必要とすることから,刃物の交
換の時間が長くなり,当然のことながら,これらの動作
のため,限られたスペースにクランプ機構と回転機構を
組込まねばならず,それを制御する機能も必要になって
くる。
【0006】また,一般的な機械部品や荒加工では許容
範囲の精度であっても,電子部品,光学部品又は自動車
に用いられる燃料噴射関連の部品では,ミクロン又はサ
ブミクロン単位の精度が要求されるので,仕上げ刃物が
基準位置から動く方式のものには大きな問題を残すこと
になる。ところで,近年,自動車技術の発達はめざまし
く,なかでもエンジンや車体等の主機の他に,各種装置
類を装備するための補機が多数設けられている。補機
は,電子回路で構成されたコンピュータで制御されるも
のが多く,電子回路以外は機械部品に変わりは無く,電
子回路から発せられる信号に速やかに応答するには,軸
部品についても加工精度も高精度が要求されると共に,
小型化の傾向がある。そこで,軸部材としての軸状の工
作物は,焼入れ硬化処理されたスチール材で作られた補
機装置に関連する部品で,JISに規定する精度表示で
円筒度2μの加工精度を要求される。また,環境に優し
く,よりクリーンなエンジンとなれば,燃料噴射部品の
精度は大きな責任を負うことになるし,安全に直結する
ブレーキやステアリング関連の部品にいたっても同じく
高精度が要求されている。
【0007】軸状工作物の円筒度2μという加工精度に
なれば,旋盤の静的精度を越える加工精度であり,本来
はグラインダ加工の領域であるが,グラインダ加工を実
施するには大きな課題が残されてしまう。ここで,円筒
度とは,円筒形態を二つの同軸の幾何学的円筒で挟んだ
とき,両円筒面の間隔が最小となる場合の両円筒面の半
径の差で表す。円筒度は,円筒の表面に適用される真円
度,真直度及び平行度の組合わされたものであり,円筒
度によって真円度,真直度,および平行度を規制するこ
とは便利な方法であるが,定義に基づいて円筒度を検査
することはかなり困難をともなう。そのため,円筒度を
規制する場合,できるだけ真円度,真直度及び平行度に
分けて公差値を指示する方が管理し易い。
【0008】例えば,図6に示す部品即ち工作物4の形
状は,軸部5と軸部5の一端に形成されるフランジ34
から成り,加工精度が要求される主要部位は,軸部5の
外径,フランジ34の内側端面,フランジ34の外径で
ある。この形状の工作物4をセンタ穴16と軸部5の端
部34Eで支持し,工作物4を低速で回転させながら高
速度で回転している砥石を接触させ,回転軸方向に移動
させながら研削する従来の円筒研削盤を使用するグライ
ンダ加工方法で仕上げるには,加工時間が長くコストア
ップになってしまう。
【0009】また,砥石を回転軸方向に送り移動させず
に,工作物の形状に合致するように砥石を成形して工作
物に接触させるプランジカット研削法もあり,外径のみ
ならず端面の加工も一度にできるメリットもあるが,今
回のように工作物の各加工部位のリミットが異なる場
合,寸法を管理する上では砥石の成形には大変な労力が
必要になる。また,砥石の切れ味が低下すれば砥石が工
作物に接触する面をドレッサーで修正する作業が必要に
なるが,苦労して成形した砥石が工作物に接触する面
を,修正によりリミットが崩れると使い物にならない。
また,工作物を軸部とフランジ部に分割し,それぞれを
加工後に組立てる案も考えられるが,組立部位の加工精
度と組立て誤差による累積誤差が発生し,組み立てるた
めに部品強度の不足のため大形化せねばならぬようであ
れば,小型化,軽量化の流れに逆らうばかりでなく,設
計の自由を奪うことになる。
【0010】
【課題を解決するための手段】この発明の目的は,上記
課題を解決することであり,軸状の工作物の加工を高精
度の加工ができる櫛刃形旋盤を用いて,刃物台ベース上
に4基の刃物台と検測装置を設け,工作物の荒加工の後
に,一次仕上加工と最終の二次仕上加工を行い,一次仕
上加工における工作物の切込み量の切削状態を検出し,
該切削状態に応じて刃物の切込み量の加工条件を変更し
て二次仕上加工を行なって高精度の円筒度(真円,真
直,平行)を確保する工作物の切削加工方法を提供する
と共に,該工作物の切削加工方法を達成する櫛刃形旋盤
における刃物台装置を提供することである。
【0011】この発明は,主軸台と心押台との間に回転
可能に位置設定された軸状の工作物をその回転中心軸に
沿って平行方向と直交方向とに移動する刃物で切削加工
する工作物の切削加工方法において,前記工作物に沿っ
て移動する前記刃物で前記工作物に対して荒加工した後
に一次仕上加工をし,前記一次仕上加工によって前記工
作物を軸方向に沿って切削した切込み量の切削状態を検
出し,前記一次仕上加工で切削された前記切込み量に応
じて,前記工作物に対する前記刃物の前記直交方向の移
動量を補正して前記工作物を目標の切込み量に切削する
ため前記工作物に対して二次仕上加工を行うことを特徴
とする工作物の切削加工方法に関する。
【0012】この工作物の切削加工方法は,前記工作物
の外周面を真円で且つ軸方向に平行に切削加工するた
め,前記一次仕上加工によって切削された軸方向に沿っ
ての検出テーパ量のテーパ発生方向を打ち消す方向に,
前記刃物を前記直交方向に移動させて前記工作物に対す
る切込み量を補正して前記工作物に前記二次仕上加工を
行い,前記工作物を前記真円で且つ軸方向に平行となる
前記目標切込み量に切削加工する。
【0013】また,この発明は,主軸台と心押台との間
に回転可能に位置設定された軸状の工作物の回転中心軸
に沿って平行方向に移動する往復台,前記往復台上で前
記工作物の前記回転中心軸に対して直交方向に移動する
スライドベース,前記スライドベースに固着された刃物
台ベース,前記刃物台ベース上に前記工作物の前記回転
中心軸を挟んで正対して配置され且つ前記スライドベー
スの移動方向と同一方向に摺動する摺動式刃物台,前記
工作物の前記回転中心軸を挟んで正対して前記刃物台ベ
ース上に配置され且つ前記摺動式刃物台に併設された配
置位置を任意に変更可能な固定式刃物台,前記固定式刃
物台に設けられ且つ前記工作物の切削加工状態を検出す
る検出装置,及び前記検出装置による前記切削加工状態
の検出値に応答して前記刃物台ベースの直角方向の移動
を変更して前記工作物に対する切込み量を補正するコン
トローラ,から成る櫛刃形旋盤における刃物台装置に関
する。
【0014】また,前記摺動式刃物台は,それをそれぞ
れ独立して摺動させて配置位置を任意に変更させる駆動
装置を備え,更に,前記駆動装置は,前記コントローラ
の指令で作動されるものである。
【0015】前記固定式刃物台は,前記摺動式刃物台よ
りも前記旋盤主軸台側に配置されている。
【0016】この櫛刃形旋盤は,上記のように,刃物台
ベース上に主軸中心とする心押台のセンタ中心で構成さ
れる工作物回転中心軸を挟んで,2基の摺動式刃物台を
正対して配置し,2基の摺動式刃物台が各々独立してX
軸方向と平行方向に摺動できるように構成し,2基の摺
動式刃物台に併設する別の固定式刃物台が前記工作物回
転中心軸を挟んで2基正対して固定され,内1基の固定
式刃物台には検出装置が取り付けられ,一次仕上加工と
二次仕上加工の工作物に対する切削加工状態を検出する
ので,刃物をX軸方向に移動させるだけで,刃物の交換
ができ,別のチェンジ機構や制御装置を必要とせず,ま
た,刃物を刃物台ベースに一度セットすれば固定された
ままであり,工作物に対する繰返し高精度な仕上げ加工
を維持できる。
【0017】ところで,旋盤加工に用いられる刃物の発
達は,著しく,従来では切削が困難とされていた焼入鋼
等のRc60(ロックウェル・Cスケール 60)程度
の硬度まで切削可能な刃物が開発されている。しかしな
がら,従来の切削加工では,所望の精度を確保できな
い。そこで,心押台装置として,例えば,実用新案登録
第2524484号に開示されたものを使用し,同じく
スライドベース上に固着する刃物台ベースには,工作物
回転中心軸を挟むように2基の摺動式刃物台と,それに
併設して工作物回転中心軸を挟むように2基の固定式刃
物台を配置した。摺動式刃物台は工作物回転中心軸方向
にそれぞれ独立して摺動し,1基の摺動式刃物台には荒
加工用刃物が取り付けられ,他の摺動式刃物台には溝加
工用刃物が取り付けられる。
【0018】通常,高精密加工が可能な旋盤を用いれば
真円度,真直度は確保できるが,工作物に発生するテー
パは免れない。そこで,本発明は,軸状工作物の切削の
精度として,テーパを0にするのではなくて,発生した
テーパ量と方向を検出し,その検出値による補正計算を
行い,発生したテーパ量とは逆方向に,意図的にテーパ
の指令を与え,工作物を二次仕上加工すれば,双方が打
消し結果として真円度で且つ平行度を確保できることに
なる。即ち,1基の固定式刃物台には仕上加工用の刃物
が取り付けられ,他の固定式刃物台には検出装置が取り
付けられ,加工後の工作物の切削加工状態を検出し,そ
の検出状態に応じてコントローラの指令によって摺動式
刃物台の二次仕上加工用の刃物をX軸方向に移動させ,
工作物の真円度の高精度加工を確保する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下,図面を参照して,この発明
による工作物の切削加工方法の一実施例及び該方法を達
成する櫛刃形旋盤における刃物台装置の一実施例につい
て説明する。図1はこの発明による櫛刃形旋盤における
刃物台装置の一実施例を示す平面図,図2は図1の刃物
台装置の右側側面図,図3は図1の刃物台装置の左側側
面図,図4は図1の心押台側から見た刃物台装置の正面
図,図5は図1の主軸台側から見た刃物台装置の背面
図,図6は軸状工作物に対する切削加工方法を説明する
ための軸状工作物の平面図,並びに図7,図8及び図9
は軸状工作物を主軸台と心押台とによって支持した支持
状態の各例を示す軸状工作物の平面図である。
【0020】図1には,この発明による櫛刃形旋盤にお
ける刃物台装置の一実施例を示し,刃物台装置1は実線
で示され,主軸台2及び心押台3は点線で示され,ま
た,主軸台2と心押台3とによって支持されている工作
物4は実線で示されている。刃物台装置1は,ローディ
ング装置が工作物4を主軸台2と心押台3との間に設定
した後,ローディング装置が上昇して工作物4に対する
旋削即ち切削加工がスタートする状態,或いは,旋削即
ち切削加工が終了した後に,アンローディング装置が加
工済みの工作物4を引き取る状態を示している。
【0021】櫛刃形旋盤において,軸状の工作物4が主
軸台2と心押台3との間に取り付けられた状態は,例え
ば,図7,図8及び図9に示された状態が想定される。
図7には,工作物4は,その軸心即ち回転中心軸14に
主軸台2の主軸中心即ちチャック爪12の中心と心押台
3の支持センタ13の中心とが位置し,JISで定めら
れた機械の静的精度内に納まった高精度に装着された状
態が示されている。図8には,主軸台2の主軸中心と心
押台3のセンタ13の中心は静的精度内に位置している
が,工作物4の端面に穿設されたセンタ穴16が二点鎖
線で示すようにずれている状態が示されている。図8に
示す場合には,工作物4は回転に連れて工作物4の外周
のふれ(ふれ量F)が発生し,一回転毎に切削の削り代
が変化し,刃物6にかかる負担が変化する。その結果,
刃物6が振動し,工作物4の加工面にびびり,うねり等
の加工精度を低下させる状態が発生し,工作物4の真円
度が低下し,精度管理が困難になる。又は,図9には,
主軸台2の主軸中心と心押台3の支持センタ13の中心
とがずれた状態(ずれ量t)で位置し,工作物4が主軸
台2のチャック爪12と心押台3の支持センタ13との
間に装着当初から傾いて取り付けられた状態が示されて
いる。この場合には,工作物4は回転に連れて工作物4
の外周にふれ(ふれ量F)が発生することがないが,刃
物台装置1に取り付けられた刃物6がZ軸に平行に切削
移動したにもかかわらず,工作物4の外周面はテーパに
切削されることになる。一般的に,工作物4に対する切
削加工は,主軸台2側が太く,心押台3が細くなる状態
になる。従って,図8に示す状態と図9に示す状態とが
同時に発生した時には,工作物4の加工精度は大きく低
下することになる。
【0022】この発明による工作物の切削加工方法は,
櫛刃形旋盤の主軸台2と心押台3との間に回転可能に位
置設定された軸状の工作物4をその回転中心軸14に沿
って平行方向と直交方向に移動する刃物6で切削加工す
るものである。工作物4に対して移動する刃物6で工作
物4に対して荒加工をした後に一次仕上加工を行う。一
次仕上加工によって工作物4を切削した軸方向に沿って
の切込み量(荒加工面40の外径D1から一次仕上加工
面41の外径D2の差)の切削状態を検出し,次いで,
検出された切り込み量の切削状態に応じて工作物4に目
標切込み量(二次仕上加工面42の外径D3)を切削す
る二次仕上加工即ち最終仕上加工をするため,工作物4
に対する刃物6の直交方向の移動量を補正して二次仕上
加工を行なうものである。本発明の工作物4の切削加工
方法は,工作物4の外周面を軸方向に沿って真円で平行
に加工するため,検出された一次仕上加工によって切削
された軸方向に沿うテーパ量に基づいて,該テーパ量を
打ち消す方向に刃物6の直交方向の移動量を補正して二
次仕上加工し,真円,真直で平行となる目標切込み量を
確保する。
【0023】この工作物の切削加工方法では,一次及び
二次仕上加工は同一の切削条件で行なわれ,同一の刃物
6を使用し,切削周速度即ち工作物4の回転速度と切削
送り速度を同一にし,同一仕上がりを求めるものであ
る。この工作物の切削加工方法は,図6に示すように,
荒加工された寸法から最終の仕上がり寸法までの略1/
2の切込み量に設定して一次仕上げを行なう。工作物4
に対する荒加工後の荒加工面40の外径をD1,一次仕
上加工後の一次仕上加工面41の外径をD2,及び二次
仕上加工後の二次仕上加工面42の外径をD3とする。
また,工作物4に対する検出位置を,第1検出位置38
と第2検出位置39との二点の二点間の長さLで行う。
工作物4に対する荒加工後と一次仕上加工との後に,検
出装置8によって工作物4のφD1とφD2から工作物
4に切削された切込み量によってテーパ量及びテーパ方
向を検出する。この時,テーパ量Tは(D1−D2)/
Lであり,テーパ方向はφD1とφD2との大小で検出
することができる。工作物4に対する一次仕上加工でテ
ーパ加工の指令を与えていないにもかかわらず,工作物
4にテーパが発生したのであれば,二次仕上加工を行な
う時に,一次仕上加工とは逆のテーパ加工を工作物4に
行なうようにコントローラに指令を与え,刃物6をX軸
方向に移動させて切込み量を変更し,最終径になるよう
に目標仕上加工を確保するようにする。二次仕上加工の
後に,工作物4の二次仕上加工面42の外径D3の検出
を行なって良品か又は不良品をチェックすればよい。
【0024】櫛刃形旋盤は,主軸台2,主軸台2に対向
して配置された心押台3,及び主軸台2と心押台3との
間に配置されているベッド上を往復運動するサドルを備
えた往復台に配置された刃物台装置1から構成されてい
る。主軸台2は,主軸43に取り付けられたチャック2
4に設けられたチャック爪12によって工作物4が回転
可能に支持される。心押台3は,工作物4に形成された
センタ穴16に整合する回転自在なセンタ13を備えて
いる。
【0025】刃物台装置1は,往復台を構成し且つ工作
物4の回転中心軸14に沿って平行方向(Z軸方向)に
移動するサドルから成る往復台,往復台上で工作物4の
回転中心軸14に対して直交方向(X軸方向)に移動す
るスライドベース,スライドベースに固着された刃物台
ベース9,刃物台ベース9上に工作物4の回転中心軸1
4を挟んで正対して配置され且つスライドベースの移動
方向と同一方向に摺動する2基の摺動式刃物台10,及
び工作物4の回転中心軸14を挟んで正対して刃物台ベ
ース9上に配置され且つ摺動式刃物台10に併設された
配置位置を任意に変更可能な2基の固定式刃物台11か
ら構成されている。
【0026】刃物台ベース9には,あり32を備えたベ
ース7が固定ボルト33によって固定されている。ベー
ス7の上面には,あり32が長手方向に延びている。ベ
ース7の中央には,基準金25がセットボルト44で固
定されている。基準金25には,上面にセットねじ35
と,両側に延びる調整ねじ27がそれぞれ設けられてい
る。ベース7に固定した基準金25の両側には,あり3
2に嵌合したあり溝31を備えた摺動テーブル23がベ
ース7上で摺動可能に配置されている。
【0027】摺動式刃物台10は,刃物台ベース9に固
定されたベース7上で摺動可能に配置された摺動テーブ
ル23,摺動テーブル23をベース7に対して独立して
摺動移動させる駆動装置のシリンダ装置22,及び摺動
テーブル23上に固定ねじ28で固定された摺動支持体
(ホルダベース)18Sを備えている。シリンダ装置2
2におけるシリンダブラケット48は,ベース7に固定
ボルト47で固定されている。摺動テーブル23は,ベ
ース7上をシリンダ装置22の作動によってシリンダロ
ッド17を介して配置位置を任意に変更可能に摺動する
ように構成されている。シリンダ装置22の駆動によっ
て摺動テーブル23をベース7に対して構成されてい
る。摺動支持体18Sには,基準金25に設けた調整ね
じ27に対向するように当接片26が設けられている。
摺動支持体18Sには,刃物取付溝45を備えた摺動刃
物支持体(バイトホルダ)36が上下方向に摺動可能に
取り付けられている。摺動支持体18Sに対する摺動刃
物支持体36の上下方向の調整後には,刃物6は刃物高
さ調整ねじ29で所定の高さにセットされる。
【0028】固定式刃物台11は,摺動式刃物台10よ
りも旋盤の主軸台2側に配置されている。固定式刃物台
11は,刃物台ベース9に固定された固定支持体18R
と,固定支持体(ホルダベース)18Rに上下方向に摺
動可能な摺動刃物支持体(バイトホルダ)37とを有し
ている。摺動刃物支持体37には,刃物又は検出装置8
等の部品を取り付ける部品取付溝46が設けられてい
る。固定支持体18Rに対する摺動刃物支持体37の上
下方向の調整後には,刃物6は刃物高さ調整ねじ29で
所定の高さにセットされ,また検出装置8は刃物高さ調
整ねじ30で所定の高さにセットされる。固定支持体1
8Rには,その下面にボルト21が固着され,ボルト2
1が刃物台ベース9に形成されたあり溝19に突出し,
角ナット20がボルト21に緊締することによって刃物
台ベース9の所定の位置に固定される。従って,固定式
刃物台11は,切削される工作物4に応じて刃物台ベー
ス9の適正な位置に固定される。また,固定式刃物台1
1のうち1基には,工作物4の切削加工状態を検出する
検出装置8を備えている。櫛刃形旋盤において,検出装
置8は,工作物6の切削加工状態を検出した検出値によ
る信号に応答して刃物台ベース9の直角方向の移動を変
更して補正加工を実施することから成る。
【0029】刃物台装置1は,上記のように構成されて
おり,例えば,次のようにして作動できる。まず,ロー
ディング装置(図示せず)が工作物4を把持し,工作物
4の回転中心軸14にまで下降し,そこで停止する。ロ
ーディング装置は,工作物4を旋盤の主軸台2に設けた
チャック爪12内に遊挿状態に位置させる。心押台3の
センタ13が主軸台2の方向へ前進して工作物4を押し
付け,工作物4の端面をチャック爪12間の基準金15
に当接させる。ローディング装置は,工作物4を開放
し,次の工作物4を主軸台2と心押台3との間に装填す
るため原位置に上昇して待機すると共に,チャック爪1
2が工作物4をクランプする。主軸43が起動し,工作
物4が回転を開始する。工作物4は,上記の切削加工方
法によって切削され,仕上加工が完了する。
【0030】工作物4に対する切削加工は,次のように
して行なわれる。まず,サドルが加工原点まで早移動
し,刃物台装置1がZ軸方向に移動する。1基の摺動式
刃物台10,例えば,荒加工刃物6がセットされた摺動
式刃物台10が工作物4に対して前進端までX軸方向に
移動し,荒加工刃物6が工作物4を荒切削する。工作物
4に対する荒加工の後に,荒加工刃物6をセットした摺
動式刃物台10が後退端までX軸方向に移動する。他の
摺動式刃物台10,例えば,溝加工刃物6をセットした
摺動式刃物台10が工作物4に対して前進端までX軸方
向に移動する。この時,摺動式刃物台10が動くことに
よって工作物4に対する加工精度への影響が発生する。
即ち,摺動式刃物台10は,工作物4の最終仕上げ精度
に影響を及ぼさない対策がなされている。摺動式刃物台
10には,荒加工用刃物6を取り付ける。また,他の1
基には加工精度の緩い溝加工用刃物6を取り付ける。図
示していないが,摺動式刃物台10は,切削反力に十分
耐える推力が与えられ,工作物4の切削中には,各刃物
台が基準金に当接された状態である。
【0031】工作物4に対して溝加工刃物6が溝49
(図6)の切削を行なう。工作物4への溝切削が終了し
た時点で,溝加工刃物6をセットした摺動式刃物台10
が後退端までX軸方向に移動する。主軸台2の主軸の回
転が停止し,工作物4の回転が停止する。そこで,心押
台3のセンタ13は,工作物4に対する押圧力を瞬間消
勢し,再度,工作物4に対して押圧力を付勢する。工作
物4が焼入れ硬化されたスチール材を対象とした加工方
法であり,このような手順を踏んでいるが,この理由
は,一般的に,スチール材を焼入れ硬化処理した場合,
材料内部に応力が発生し蓄積される,これに切削などの
外力を与え材料の形状が変化すると,そのバランスが崩
れ,加工後に機械に取り付けられている時は加工精度を
保っていても,機械から取外した時,製品の歪みとして
現れ不良品になる懸念があり,このようなステップをと
った。特に,本発明による加工は高精度が要求され製品
で切削熱の対策が重要な課題である。荒加工にあっては
切込み量も多く,従って切削熱による影響が材料の伸び
として働くので,センタ軸を瞬間消勢することで材料の
伸びを助け,別の意味では材料を一旦歪ませ,再度付勢
するものである。
【0032】一次仕上加工の切削後に,上記の処置をと
らない理由は,一次仕上切削では切込み量も僅かであ
り,切削熱の発生も無視できること,また,センタ軸を
瞬間消勢することで別の悪影響を懸念するからである。
現在は焼入れ技術も進み内部応力の発生が少ない処理方
法もある,例えば,真空炉を用いた熱処理焼入れにあっ
ては内部応力の発生が少ないとのこと,これらの処理を
実施した材料にあっては,上記のステップの工程でなく
てもよい。いずれにしろ実験を重ね動作手順を決定する
方が良い。
【0033】主軸台2の主軸が起動し,工作物4が回転
を開始する。仕上加工刃物6をセットした1基の固定式
刃物台11が工作物4を一次仕上切削を行なう。工作物
4に対する一次仕上切削が終了した後,主軸台2の主軸
の回転が停止し,工作物4が回転が停止する。検出装置
8がセットされた他の固定式刃物台11が工作物4の外
径を二箇所で検測する。図6に示すように,工作物4に
対する外径二箇所の検測については,一次仕上切削後の
工作物4にどのようなテーパが発生しているものか知る
ことにある。工作物4のテーパ量,テーパ方向を,セン
タ13側とチャック爪12側の二箇所で工作物4の直径
を測り,二箇所の測定間距離で求めればテーパの発生状
態を知ることができる。
【0034】本来の加工はストレート加工すなわちX軸
に送りを与えない加工であったにも関わらずテーパが発
生したことは,機械の静的精度,工作物4に前加工され
ているセンタ穴16の精度,機械が稼働直後で安定して
いない状態,刃物6の切れ味の鈍化等が考えられる。そ
こで,一次仕上切削のストレート加工で発生したテーパ
量と同じだけ,最終仕上切削のとき,一次仕上切削とは
逆の方向に意図的につけることで解決できる。一次仕上
切削も最終仕上切削も同一刃物6で,且つ,同一切削条
件(切削回転速度,同一切込量,同一送り速度)でなけ
ればならない。従って,荒加工を実施する意義がここに
ある。最終仕上がり寸法までの取り代を残し荒加工を施
された工作物4は,一次仕上切削の時,取り代の半分の
量だけ切込まれ,残りの半分は最終仕上切削の時に切り
込まれる。
【0035】この切削加工方法は,検測値をNC装置へ
フィードバックし,NC装置補正計算を行なう。主軸4
3の起動によって工作物4が回転を開始する。仕上加工
刃物6をセットした固定式刃物台11が工作物4を補正
値により最終仕上切削を行なう。工作物4への二次切削
加工が終了すると,主軸43の回転が停止し,工作物4
の回転が停止する。計測センサを取り付けた他の固定式
刃物台11が工作物4の外径を最終検測する。動作ステ
ップでは加工済み全数を検測するようになっているが,
これに限るものでは無い。これらの加工は,製品に対し
て抜き取りで行なってもよく,刃物6を取替えた時,旋
盤の休止後に,再稼働して加工を行なう場合に,加工が
安定するまで,行なうように設定することができる。ま
た,リミットを外れた不良品発生の場合は各装置に警報
を出すなど,不良品が次工程に流れぬようアンローディ
ング装置は廃棄箱などに不良品を投入させるなどの対策
が必要である。
【0036】往復台のサドルが待機原点まで早移動でZ
軸方向に移動する。アンローディング装置(図示せず)
が工作物4の回転中心軸14まで下降し,工作物4を把
持し,次いで,主軸台2のチャック爪12が工作物4を
解放すると共に,心押台3のセンタ13が後退する。ア
ンローディング装置が工作物4を旋盤のチャック爪12
内から引き抜き,アンローディング装置が工作物4を把
持し,上昇して停止する。この工作物の切削加工方法
は,以上のように,プログラムされた手順によりNC装
置の指令に基づいて実施される。
【0037】この発明による切削加工方法は,上記のよ
うに構成されているので,機械が稼働直後は各所に給油
される油温も上がらず,どちらかと言えば機械は不安定
な状況下におかれている,稼働の経過につれ機械は安定
するので高精度加工を要求される時は,実切削前に機械
の暖機運転を施し機械が安定してから製品加工に着手し
ている。本発明を用いれば暖機運転を短縮や省略するこ
とも可能であり,時間当りの生産量にも寄与できること
になる。また,刃物は消耗品でありいずれは取替する
が,折損などの不測の事態は別として切削時間の経過に
比例して切れ味が鈍化しても,製品の精度に影響が現れ
ない限りそのまま使用されている。切れ味が鈍化してく
ればテーパの発生状態も変わってくるが,本発明ではそ
の都度個々にテーパの発生状態を検測定しており,製品
個々に補正を実施することで不良品になるものを防止し
ている。
【0038】
【発明の効果】この発明による工作物の切削加工方法及
び該方法を達成する櫛刃形旋盤における刃物台装置は,
上記のように,工作物回転中心軸の両側に2基の摺動式
刃物台と2基の固定式刃物台を刃物台ベースし,摺動式
刃物台に設けた刃物を工作物に対する切込み量に応じて
工作物の回転中心軸に対して直角方向に移動可能に構成
したので,工作物を一旦一次仕上加工の捨て加工を行な
った後,工作物に対する切込み量を検出即ち計測し,次
いで,検出された切込み量の情報から目標切込み量に成
る取り代とテーパ量を考慮して二次仕上加工の加工条件
を変更設定し,所望の目標切込み量に加工し,工作物に
対して高精度な仕上加工を達成できる。
【0039】また,この刃物台装置は,少なくとも3本
以上の刃物と検出装置とを配置できるため,工作物に対
する加工範囲を拡げることができる。この刃物台装置を
用いれば,長尺で小径の工作物に対して高精度の円筒度
と平行度の加工を確保することができる。櫛刃形旋盤に
おける刃物台装置には,左右に配置された摺動式刃物台
と固定式刃物台とを設け,固定式刃物台には検出装置即
ち工作物の外径測定器を設けることによってコントロー
ラによる工作物に対する自動計測及び自動補正を行なっ
て切削加工を行なうことができ,また,工作物に対する
仕上加工後に,検出装置で実測測定によって工作物の加
工精度をチェックすることができ,製品の信頼性を大幅
にアップできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明による櫛刃形旋盤における刃物台装置
の一実施例を示す平面図である。
【図2】図1の刃物台装置の右側側面図である。
【図3】図1の刃物台装置を示し,シリンダ装置の省略
した刃物台装置の左側側面図である。
【図4】図1の心押台側から見た刃物台装置を示し,固
定式刃物台を省略した刃物台装置の正面図である。
【図5】図1の主軸台側から見た刃物台装置を示し,摺
動式刃物台を省略した刃物台装置の背面図である。
【図6】軸状工作物に対する切削加工方法を説明するた
めの軸状工作物の平面図である。
【図7】軸状工作物を主軸台と心押台とによって支持し
た支持状態の一例を示す軸状工作物の平面図である。
【図8】軸状工作物を主軸台と心押台とによって支持し
た支持状態の別の例を示す軸状工作物の平面図である。
【図9】軸状工作物を主軸台と心押台とによって支持し
た支持状態の更に別の例を示す軸状工作物の平面図であ
る。
【符号の説明】
1 刃物台装置 2 主軸台 3 心押台 4 工作物 6 刃物 7 ベース 8 検出装置 9 刃物台ベース 10 摺動式刃物台 11 固定式刃物台 14 回転中心軸 22 シリンダ装置(駆動装置) 23 摺動テーブル 40 荒加工面 41 一次仕上加工面 42 二次仕上加工面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 主軸台と心押台との間に回転可能に位置
    設定された軸状の工作物をその回転中心軸に沿って平行
    方向と直交方向とに移動する刃物で切削加工する工作物
    の切削加工方法において,前記工作物に沿って移動する
    前記刃物で前記工作物に対して荒加工した後に一次仕上
    加工をし,前記一次仕上加工によって前記工作物を軸方
    向に沿って切削した切込み量の切削状態を検出し,前記
    一次仕上加工で切削された前記切込み量に応じて,前記
    工作物に対する前記刃物の前記直交方向の移動量を補正
    して,前記工作物を目標の切込み量に切削するため前記
    工作物に対して二次仕上加工を行うことを特徴とする工
    作物の切削加工方法。
  2. 【請求項2】 前記工作物の外周面を真円で且つ軸方向
    に平行に切削加工するため,前記一次仕上加工によって
    切削された軸方向に沿っての検出テーパ量を打ち消す方
    向に,前記刃物を前記直交方向に移動させて前記工作物
    に対する切込み量を補正して前記工作物に前記二次仕上
    加工を行い,前記工作物を前記真円で且つ軸方向に平行
    となる前記目標切込み量に切削加工することを特徴とす
    る請求項1に記載の工作物の切削加工方法。
  3. 【請求項3】 主軸台と心押台との間に回転可能に位置
    設定された軸状の工作物の回転中心軸に沿って平行方向
    に移動する往復台,前記往復台上で前記工作物の前記回
    転中心軸に対して直交方向に移動するスライドベース,
    前記スライドベースに固着された刃物台ベース,前記刃
    物台ベース上に前記工作物の前記回転中心軸を挟んで正
    対して配置され且つ前記スライドベースの移動方向と同
    一方向に摺動する摺動式刃物台,前記工作物の前記回転
    中心軸を挟んで正対して前記刃物台ベース上に配置され
    且つ前記摺動式刃物台に併設された配置位置を任意に変
    更可能な固定式刃物台,前記固定式刃物台に設けられ且
    つ前記工作物の切削加工状態を検出する検出装置,及び
    前記検出装置による前記切削加工状態の検出値に応答し
    て前記刃物台ベースの直角方向の移動を変更して前記工
    作物に対する切込み量を補正するコントローラ,から成
    る櫛刃形旋盤における刃物台装置。
  4. 【請求項4】 前記摺動式刃物台はそれをそれぞれ独立
    して摺動させて配置位置を任意に変更させる駆動装置を
    備え,前記駆動装置は前記コントローラの指令で作動さ
    れることから成る請求項3に記載の櫛刃形旋盤における
    刃物台装置。
  5. 【請求項5】 前記固定式刃物台は,前記摺動式刃物台
    よりも前記旋盤主軸台側に配置されていることから成る
    請求項3又は4に記載の櫛刃形旋盤における刃物台装
    置。
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