JP3759253B2 - ピストンリングの加工装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は内外周面の曲線形状が異なるピストンリングの内外周面を同時に加工することのできるピストンリングの加工装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来カムやピストン、ピストンリングのように加工面が自由曲線により形成された非円形曲線を有するワークを精度よく加工する加工装置として例えば特開昭54−21691号公報や、特公平6−75814号(特開昭62−44353号)公報などに記載されたものが公知である。
【0003】
上記特開昭54−21691号公報に記載の加工装置は、積層されたピストンリング集合体が取付けられた工作軸と、ピストンリングの非円形曲線の度合に応じて径方向に変位し得る工具支持手段と、コンピュータにより制御され、かつその作動方向に前後して設置された少なくとも2以上の電気機械的ステップ駆動手段とを有していることを特徴とするもので、工作軸を介してピストンリング集合体を回転させながら、コンピュータによりステップ駆動手段を制御することにより、自由曲線により形成された非円形曲線を有するワークの内外周面を同時に精度よく加工できるように構成されている。
【0004】
一方特公平6−75814号公報に記載の数値制御旋盤は、リニアモータによりワークの接離方向に進退自在なキャリッジに、ワークを切削するための切削工具が取付けられており、上記リニアモータをコンピュータにより数値制御することにより、ピストンのようなワークのスカート外周を切削加工するようにしたもので、キャリッジの往復動を支承するガイド部に複数組の回転部材と、偏倚装置を設けて、ワークを切削加工している間に工具に生じる反力を回転部材と偏倚装置に支持するようにしたので、ガタツキやブレが全くない状態でキャリッジを往復動させることができることから、精度の高い切削加工が可能になるなどの効果を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし前者公報の加工装置では、積層したピストンリング集合体を水平方向に設けられた工作軸に取付けて回転させ、切削工具によりピストンリング集合体の内外周を同時に切削加工する構成となっているため、内周を切削した際に発生した切粉がワーク内に停滞して、切粉を排出する手段が必要となると共に、切粉を排出せずに加工を続けた場合、切粉により加工精度が低下したり、ワークの温度が上昇して、加工精度に悪影響を及ぼすなどの不具合がある。
【0006】
またピストンリング集合体を両端側より加圧してピストンリングを一体化するのに通常10トン程度の加圧力を必要とするが、前者公報の加工装置のようにワークを横置きした場合、水平方向に加えられた加圧力を支持するための強固な構造が必要となって、装置が大型かつ高価となる不具合がある。
【0007】
さらにワークがピストンリングなどの場合、切削加工後、次の工程で切割り加工を行うため、加工の終了したワークの位相関係を保持した状態でワークを搬出する必要がある。
【0008】
このため従来ではハンドキャリヤ治具によりワークの両端をクランプしてワークの搬出を行っているが、ワークが横方向に積層されている場合、ハンドキャリヤ治具の脱着性が悪いと共に、ワークの積層方向が重力と直交する方向のため、ワークをクランプして搬出する際、ワークの位相がずれやすいなどの不具合がある。
【0009】
一方後者公報の数値制御旋盤では、ワークの内外周面を同時に加工することができないため生産性が悪いと共に、内周と外周を別の機械で加工した場合、内外周の同心度が損なわれるなど、加工精度も悪い不具合がある。
この発明はかかる従来の不具合を改善するためになされたもので、非円形曲線を有するピストンリングの内外周面が同時に加工できるピストンリングの加工装置を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明は、内外周面が非円形曲線で形成されたピストンリングの内外周面を加工する加工装置において、
上記複数のピストンリングを、軸心方向に積層して、円筒状のワーク16を形成し、
装置本体1に上下方向に移動自在に設けたZ軸スライド2と、
このZ軸スライド2を上下方向に移動するZ軸駆動手段3と、
上記Z軸スライド2に、上下方向に離隔して回転自在に設けられ、軸心をほぼ垂直にした上記ワーク16を上下方向からクランプする上部ワーク支持手段10、下部ワーク支持手段11と、
上記上部ワーク支持手段10と下部ワーク支持手段11を同方向へ同期回転するC軸駆動手段18と、
上記装置本体1に、上記ワーク16の軸心と直交するX軸方向に移動自在に設けられ、かつ上記ワーク16の外周面を加工する外周加工手段24と、
上記装置本体1に、上記X軸と平行するU軸方向に移動自在に設けられ、かつ上記下部ワーク支持手段11内を通って上記ワーク16内に挿入された工具33により上記ワーク16の内周面を加工する内周加工手段25とを具備し、
前記下部ワーク支持手段11は、Z軸スライド2に回転自在に支承された円筒状の下部スピンドル11aを備え、
この下部スピンドル11aをC軸駆動手段18で回転駆動し、
前記内周加工手段25の工具33が下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に挿入されるようにしたことを特徴とするピストンリングの加工装置である。
【0011】
第1の発明によれば、複数のピストンリングを軸心方向に積層して円筒状のワーク16とし、そのワーク16を軸心をほぼ垂直に支持した状態で内周加工手段25の工具33をワーク16内に挿入して内周面を加工するので、内周面の切削中に発生した切粉は、下方へ落下してワーク16内に停滞することがないため、切粉により加工精度が低下することがないと共に、切粉を排出する手段を別に設ける必要がないため、構成も簡単にできる。
また、ワーク16の外周面を外周加工手段24で加工しながら、そのワーク16の内周面を内周加工手段25で加工でき、内外周面を同時に加工できる。
また、複数のピストンリングを、軸心方向に積層して円筒状のワーク16とし、そのワーク16の外周面、内周面を加工することで、それぞれのピストンリングの外周面、内周面を加工するので、ピストンリングの内外周面を効率良く加工できる。
【0012】
また複数のピストンリングを軸心方向に積層してワーク16とし、そのワーク16を上下方向より上部・下部ワーク支持手段10,11でクランプしてワーク16を保持するようにしたことから、ワーク16を横方向よりクランプする場合に比べてそのワーク支持手段を支持する装置本体1を小型化できる上、構造も簡単となるため、装置のコストダウンが図れるようになる。
【0013】
さらに上下方向に堆積された状態で複数のピストンリングの搬入出が行えるため、その搬入出時積層された複数のピストンリングの位相がずれる虞がないと共に、複数のピストンリングの搬入出をロボットなどのワーク搬入出装置で自動的に行うことができるため、加工の自動化や無人化が図れるようになる。
また、円筒状の下部スピンドル11aでワーク16を支持し、その下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に工具33を挿入して内周面を加工できる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明において、上部ワーク支持手段10は、Z軸スライド2に、上下動及び回転自在に支承された上部スピンドル10aを備え、
この上部スピンドル10aをC軸駆動手段18で回転駆動すると共に、油圧シリンダ12と圧縮ばね10eにより上部スピンドル10aを上下方向に移動するようにしたピストンリングの加工装置である。
【0015】
第2の発明によれば、上部スピンドル10aを油圧シリンダ12と圧縮ばね10eで上下方向に移動できるから、ワーク16をクランプしたり、クランプを解除したりできる。
【0018】
第3の発明は、第1又は第2の発明において、内周加工手段25は、U軸方向に移動自在なU軸スライド25aと、このU軸スライド25aの先端部にほぼ垂直に取付けられ、かつZ軸スライド2の下部及び下部ワーク支持手段11を通ってワーク16内に挿入されたボーリングバー25bと、このボーリングバー25bに設けた工具33より構成したピストンリングの加工装置である。
【0019】
第3の発明によれば、軸線をほぼ垂直にして上下方向よりクランプされたワークの内周面を工具33により精度よく加工することができると共に、ワーク16の長さが種々変っても、ボーリングバー25bを交換するだけで対応することができるため汎用性も高い。
【0020】
第4の発明は、第1の発明において、ワーク16の回転に同期させ、かつワーク16の内周面と外周面を同時に加工するように外周加工手段24と内周加工手段25を別個に制御する制御手段を設けたピストンリングの加工装置である。
【0021】
第4の発明によれば、内外周面の形状が異なるピストンリングを複数積層したワーク16であっても、内周加工手段25と外周加工手段24を別個に制御することにより、ワーク16の内外周面が同時に加工できるため、生産性が向上すると共に、ワーク16の内外周面を加工する工具が平行して移動するため、ワーク16の内外周の径が変化しても位相がずれることがなく、これによって精度の高い加工が可能になる。
【0022】
【発明の実施の形態】
この発明の実施の形態を図面を参照して詳述する。
図において1は加工装置本体で、ベッド1a上にコラム1bが設置されており、コラム1bの前側にZ軸駆動手段3により上下動方向(Z軸方向)へ移動自在なZ軸スライド2が設けられている。
上記Z軸スライド2は、コラム1bの前面にZ軸方向に布設されたボール式リニアガイドよりなるガイドレール1cに支承されていて、コラム1bの上部に設置されたサーボモータよりなるZ軸モータ4により上下動されるようになっている。
【0023】
すなわち上記Z軸モータ4の回転軸4aには、図4に示すようにボールねじよりなるねじ軸5が接続されていて、このねじ軸5にZ軸スライド2に固着されたナット部材5aが螺合されており、Z軸モータ4によりねじ軸5と正逆回転させることにより、ガイドレール3に沿ってZ軸スライド2が上下動できるようになっていると共に、Z軸スライド2の上部にワイヤロープなどの索条6の一端が結着されている。
索条6の中間部は、コラム1bの上記に回転自在に支承されたプーリ7を迂回されていると共に、索条6の他端側には、コラム1bの後側に設けられたカウンタウエイト8が吊り下げられていて、小容量のZ軸モータ4により上記Z軸スライド2が上下動できるようになっている。
【0024】
また上記Z軸スライド2には、上下方向に離間して、上部ワーク支持手段10と、下部ワーク支持手段11が設けられている。
上部ワーク支持手段10は、図5に示すように、Z軸スライド2の上部に設けられた油圧シリンダ12の下方に設けられていて、油圧シリンダ12の上部に収容されたピストン12aの下方に、上部スピンドル10aを有している。
【0025】
上記上部スピンドル10aは円筒状をなしていて、複数の軸受け13を介して油圧シリンダ12の下部に上下動及び回転自在に支承されていると共に、上部スピンドル10aの外周部に嵌合されたリング10bの上面に、上記ピストン12aの下面側がスラスト軸受け14を介して当接されていて、油圧シリンダ12の油圧室12bへ油圧を供給することにより、ピストン12aを介して上部スピンドル10aを下方へ加圧できるようになっている。
上記油圧シリンダ12の中心部には、上端が油圧シリンダ12の上面に固着された固定軸10cが設けられている。
この固定軸10cの下端側はピストン12aを貫通して上部スピンドル10aの中心部に達しており、下端部に設けられたばね座10d上には、軸受け14を介して上部スピンドル10aを上方へ付勢する圧縮ばね10eが複数設けられている。
【0026】
また上部スピンドル10aの下部には、下部ワーク支持手段11に設けられた下部クランプヘッド11fの間でワーク16をクランプする上部クランプヘッド10fが設けられていると共に、上部スピンドル10aの外周部には、C軸駆動手段18を構成するギヤ列18aの従動ギヤ18bがキー止めされている。
上記C軸駆動手段18は、図4に示すようにコラム1bの上部にサーボモータよりなるC軸モータ19を有して、このC軸モータ19は減速機20の入力軸20aに接続されている。
上記入力軸20aには、加工時ワーク16に回転ムラが発生しないよう回転を安定させるフライホィール20bが取付けられていると共に、減速機20の出力軸20cは、スプライン軸よりなる駆動軸18cの上端にスプライン係合されていて、上記C軸モータ19により減速機20を介して駆動軸18cが正逆回転できるようになっている。
【0027】
上記駆動軸18cはワーク16の軸心と平行するよう上下方向に回転自在に支承されていて、中間部と下端部に上部ワーク支持手段10及び下部ワーク支持手段11にそれぞれ設けられたギヤ列18aの駆動ギヤ18dがスプライン係合されている。
これら駆動ギヤ18dは中間ギヤ18eを介して上部スピンドル10aの外周部及び下部スピンドル11aの外周部に設けられた従動ギヤ10bに噛合されていて、C軸モータ19により駆動軸18c及びギヤ列18aを介して上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同方向へ同期回転できるようになっている。
【0028】
上記下部スピンドル11aも、上部スピンドル10aと同様に円筒状に形成されていて、軸受け21を介してZ軸スライド2側に回転自在に支承されていると共に、Z軸スライド2と、下部スピンドル11aの外周部にキー止めされた従動ギヤ18bの間にスラスト軸受け22が介在されている。
そして上記下部スピンドル11aの上部に、上部スピンドル10aに取付けられた上部クランプヘッド10fの間でワーク16をクランプするクランプヘッド1fが設けられている。
【0029】
なお、C軸モータ19により上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aを同期させて回転駆動する際、駆動軸18cのスプラインやギヤ列18aのバックラッシュにより、上下スピンドル10a,11aに回転ムラが発生して位相ずれが生じる。
これを防止するため、ワーク16の加工時には、上下ギヤ列のバックラッシュを除去した状態でロックタイトなどのロック手段(図示せず)で下部スピンドル11aのプレート11gが固定できるようになっている。
【0030】
一方上記コラム1bのほぼ中間部には、ワーク16の外周面を加工する外周加工手段24が、そしてベッド1a上には、ワーク16の内周面を外周面と同時に加工する内周面加工手段25が設置されている。
外周加工手段24は図6に示すように、コラム1bに水平に固着された筒状のガイド部材24a内にボールスプライン24aを介して工具支持部材24cがX軸方向に移動自在に支承されている。
【0031】
上記工具支持部材24cのワーク16側端部には、ワーク16の外周面を切削加工する工具26が工具取付け部材24dを介して着脱自在に取付けられていると共に、工具支持部材24cの反対側の端部には、ナット部材27aが固着されていて、このナット部材27aにボールねじよりなるねじ軸27の一端側が螺挿されている。
上記ねじ軸27の他端側は、ブラケット28を介してコラム1bに取付けられたサーボモータよりなるX軸モータ29に接続されていて、このX軸モータ29によりねじ軸27を正逆回転されることにより、工具26をワーク16の接離方向へ移動できるようになっている。
【0032】
またワーク16の内周面を加工する内周加工手段25は、図7ないし図9に示すように、ベッド1a上に上記X軸と平行するU軸方向に布設されたローラ式リニアガイドよりなるガイドレール31上に支承されたU軸スライド25aを有している。
上記U軸スライド25aの上部は切粉が排出されやすいように屋根形のカバー25cにより覆われていると共に、U軸スライド25aの下部とベッド1aの上面間には、U軸スライド25aをU軸方向へ駆動するリニアサーボモータよりなるU軸モータ32が設置されている。
【0033】
上記U軸スライド25aの先端側は下部スピンドル11aの下方に達していて、先端部にほぼ垂直に設けられたボーリングバー25bの下端が固着されている。
上記ボーリングバー25bの上端側は、下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に達しており、上端部にワーク16の内周を切削する工具33が着脱自在に取付けられている。
【0034】
なお図8中34はU軸スライド25aの原点位置を検出するU軸原点検出手段、35はU軸スライド25aの位置を検出するリニアスケールなどのスライド位置検出手段で、これら検出手段34,35により検出された信号はZ軸モータ4、C軸モータ19、X軸モータ29、U軸モータ32などをNC制御するNC装置(図示せず)へ入力されるようになっている。
【0035】
次に上記構成された加工装置によりピストンリングのようなワーク16を加工する作用を説明する。
ピストンリングのようなワーク16は図10に示すように、外周と内周の非円形曲線の形状が異なるため、外周加工手段24、内周加工手段25を別個にNC制御する必要がある。
【0036】
またワーク16をC軸モータ19により回転させて、ワーク16の内外周を同時に加工するため、C軸モータ10の回転に同期させてX軸モータ29、U軸モータ32、Z軸モータ4をNC制御する必要があり、通常の加工サイクルでは、移動データの処理に時間がかかって加工が困難である。
そこでこの実施の形態では、NC機能の高速サイクル加工かDNC運転を選択して加工を行う。
【0037】
またNC機能の高速サイクル加工で加工を行う場合、基本処理時間当りの移動量に換算したデータとそのサイクルの繰返し回数等をNCの高速加工データ領域やヘッダ部に登録して、加工メインプログラムにより高速サイクル加工を行うようにする。
加工に当っては複数のピストンリングを位相を揃えて積層することにより円筒状のワーク16を形成し、図示しないハンドキャリヤ治具により上下方向よりクランプして、その状態を保持したまま加工装置本体1へ搬入し、上部スピンドル10a及び下部スピンドル11aのクランプヘッド10f,11fの間にセットする。
【0038】
そしてこの状態で油圧シリンダ12の油圧室12bに油圧を供給して、ピストン12aとともに上部スピンドル10aを下降させ、上部スピンドル10aのクランプヘッド10fと、下部スピンドル11aのクランプヘッド11fの間で、ワーク16の中心線が上下スピンドル10a,11aの中心と一致するようにクランプする。
【0039】
次にこの状態でワーク16の位相割出しをしたら、C軸モータ19によりC軸駆動手段18を介して上下スピンドル10a,11aを同期回転させて、ワーク16を回転させると共に、外周加工手段24に設けた工具26をワーク16の例えば下端側よりワーク16の外周面を切削加工し、同時に内周加工手段25の工具33によりワーク16の内周面を下端側より切削加工する。
【0040】
またワーク16の内外周面は、異なる自由曲線により形成されているため、C軸の回転に同期させてX軸モータ29及びU軸モータ32を別個にNC制御してワーク16の内外周面を加工すると共に、加工の進行とともにZ軸モータ4によりZ軸スライド2を下降させて、ワーク16の全長に亘って内外周を切削加工するもので、ワーク16の内周加工中に発生した切粉は下部スピンドル11a内を通って下方へ落下するため、切粉がワーク16内に停滞することがなく、これによって切粉により加工面が損傷されたり、ワーク16と工具33の間に切粉が食み込んで、工具が破損したり、工具寿命が早期に低下することがないと共に、これらの原因で加工精度が低下するなどの心配もない。
【0041】
以上のようにしてワーク16の加工が完了したら、U軸モータ29及びU軸モータ32によりX軸スライド2及びU軸スライド25aを元の位置まで後退させ、またZ軸モータ4によりZ軸スライド2を元の位置まで上昇させた後、油圧シリンダ12の油圧室12bの油圧を排出して、圧縮ばね10eの作用で上部スピンドル10aを上昇させ、ワーク16をアンクランプする。
その後ハンドキャリヤ治具により各ピストンリングの位相がずれないようにワーク16を上下方向よりクランプして、各クランプヘッド10f,11fの間よりワーク16を搬出するもので、新たなワーク16を加工する場合は上記動作を繰返せばよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の形態になる加工装置の正面図である。
【図2】この発明の実施の形態になる加工装置の側面図である。
【図3】この発明の実施の形態になる加工装置の要部の拡大図である。
【図4】この発明の実施の形態になる加工装置のC軸及びZ軸駆動手段の断面図である。
【図5】この発明の実施の形態になる加工装置のワーク支持手段の断面図である。
【図6】この発明の実施の形態になる加工装置の外周加工手段の断面図である。
【図7】この発明の実施の形態になる加工装置の内周加工手段の平面図である。
【図8】この発明の実施の形態になる加工装置の内周加工手段の側面図である。
【図9】図8のA方向からの矢視図である。
【図10】この発明の実施の形態になる加工装置により加工するワークの平面図である。
【符号の説明】
3…Z軸駆動手段
10…上部ワーク支持手段
11…下部ワーク支持手段
16…ワーク
18…C軸駆動手段
24…外周加工手段
25…内周加工手段
25a…U軸スライド
25b…ボーリングバー
32…リニアモータ
33…工具
Claims (4)
- 内外周面が非円形曲線で形成されたピストンリングの内外周面を加工する加工装置において、
上記複数のピストンリングを、軸心方向に積層して、円筒状のワーク16を形成し、
装置本体1に上下方向に移動自在に設けたZ軸スライド2と、
このZ軸スライド2を上下方向に移動するZ軸駆動手段3と、
上記Z軸スライド2に、上下方向に離隔して回転自在に設けられ、軸心をほぼ垂直にした上記ワーク16を上下方向からクランプする上部ワーク支持手段10、下部ワーク支持手段11と、
上記上部ワーク支持手段10と下部ワーク支持手段11を同方向へ同期回転するC軸駆動手段18と、
上記装置本体1に、上記ワーク16の軸心と直交するX軸方向に移動自在に設けられ、かつ上記ワーク16の外周面を加工する外周加工手段24と、
上記装置本体1に、上記X軸と平行するU軸方向に移動自在に設けられ、かつ上記下部ワーク支持手段11内を通って上記ワーク16内に挿入された工具33により上記ワーク16の内周面を加工する内周加工手段25とを具備し、
前記下部ワーク支持手段11は、Z軸スライド2に回転自在に支承された円筒状の下部スピンドル11aを備え、
この下部スピンドル11aをC軸駆動手段18で回転駆動し、
前記内周加工手段25の工具33が下部スピンドル11a内を通ってワーク16内に挿入されるようにしたことを特徴とするピストンリングの加工装置。 - 上部ワーク支持手段10は、Z軸スライド2に、上下動及び回転自在に支承された上部スピンドル10aを備え、
この上部スピンドル10aをC軸駆動手段18で回転駆動すると共に、油圧シリンダ12と圧縮ばね10eにより上部スピンドル10aを上下方向に移動するようにした請求項1記載のピストンリングの加工装置。 - 内周加工手段25は、U軸方向に移動自在なU軸スライド25aと、このU軸スライド25aの先端部にほぼ垂直に取付けられ、かつZ軸スライド2の下部及び下部ワーク支持手段11を通ってワーク16内に挿入されたボーリングバー25bと、このボーリングバー25bに設けた工具33より構成した請求項1又は2記載のピストンリングの加工装置。
- ワーク16の回転に同期させ、かつワーク16の内周面と外周面を同時に加工するように外周加工手段24と内周加工手段25を別個に制御する制御手段を設けた請求項1記載のピストンリングの加工装置。
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Cited By (1)
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1996
- 1996-09-20 JP JP24957296A patent/JP3759253B2/ja not_active Expired - Fee Related
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