JP2001239363A - 斜板式圧縮機の斜板における皮膜形成方法及び斜板 - Google Patents

斜板式圧縮機の斜板における皮膜形成方法及び斜板

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学 杉浦
Kazuaki Iwama
和明 岩間
Naohiko Isomura
直彦 磯村
Shigeki Kawachi
繁希 河内
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    • F04B27/00Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders
    • F04B27/08Multi-cylinder pumps specially adapted for elastic fluids and characterised by number or arrangement of cylinders having cylinders coaxial with, or parallel or inclined to, main shaft axis
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    • F04B27/1036Component parts, details, e.g. sealings, lubrication
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Abstract

(57)【要約】 【課題】斜板のシューとの摺接面に対する金属材料皮膜
の形成技術としての汎用性に優れ、且つ作業現場での作
業環境の良好維持、並びに、作業の手間、時間及びコス
トの効果的な削減が可能な皮膜形成方法を提供する。 【解決手段】斜板10においてシュー20A,20Bと
の摺接面30A,30Bに対し、被覆アーク溶接肉盛り
法を用いて皮膜31A,31Bを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば空調装置の
冷凍サイクルを構成する斜板式圧縮機に用いられ、シュ
ーを介してピストンを連結する構成の斜板に関し、特に
シューとの摺接面に対して金属材料よりなる皮膜を形成
するための皮膜形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】斜板式圧縮機の内部機構を構成する斜板
とシューとの間の潤滑は、通常、その内部に保持された
潤滑オイルを圧縮機の運転に伴って流通するガス(例え
ばフロンガス等の冷媒ガス)でミスト化し、そのミスト
化したオイルを斜板とシューとの摺動部位に搬送するこ
とでまかなわれている。
【0003】しかし、圧縮機を運転停止状態で長時間放
置した後に再起動するような場合には、前記摺動部位に
付着していた潤滑オイルが冷媒ガスによって洗い流され
ていることが多い。このため、圧縮機の起動後で冷媒ガ
スが圧縮機に帰還してオイルのミスト化がすすむまでの
期間(1分程度)が、圧縮機の運転中にもかかわらず潤
滑が必要な斜板とシューとの摺動部位がオイル不十分な
状態に陥る期間となる。
【0004】このようなオイル不十分な期間においても
斜板とシューとの間における最低限の潤滑を確保するた
めに、斜板においてシューとの摺接面にコーティングを
施す(皮膜を形成する)技術が従来より提案されてい
る。そして、斜板摺接面にコーティングを施す技術に限
ってみても種々の態様がある。特許文献のみならず製品
(斜板)に実用化されているコーティング技術として
は、スズ等の電解又は無電解メッキや、銅系又はアルミ
ニウム系合金等の溶射技術がある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、スズ等
の電解又は無電解メッキでは数μm程度の極薄の皮膜を
形成する分にはさほどの困難はないが、数十μm以上と
いった比較的厚膜な皮膜を形成するのは必ずしも容易で
はない。又、メッキを実現するためには母材金属と付着
金属との電気化学的関係が問題となり常に採用できる手
法ではない。
【0006】他方、粉末状の金属材料等を溶融状態とし
て火炎とともに被加工面に吹き付ける溶射技術によれ
ば、厚膜化とか電気化学的相性といった点での困難はあ
まりないが、それでも以下の(イ)及び(ロ)に掲げる
ような作業上の問題を本質的に内在している。
【0007】(イ)多くの場合、溶射を施す前に、斜板
摺接面に対しショットブラスト等による事前の粗化処理
を行う必要がある。かかる前処理の手間が必要なこと及
び粗化処理に用いる硬質粒子(副材料)の費用がかかる
ことは、溶射加工における時間とコストを上昇させる一
因となっている。又、粗化処理時にはかなりの騒音が発
生し、作業環境を悪化させている。
【0008】(ロ)溶射に際しては、溶射加工の不要な
部分へのマスキングを行う必要があり、そのことが時間
とコストを更に上昇させる一因となっている。このよう
に溶射技術は、金属被加工面に対する金属皮膜の形成技
術としては高い汎用性を備えるものの、上述のように作
業現場での作業環境の悪化、並びに、作業の手間、時間
及びコストといった面で多くの問題を残している。
【0009】本発明の目的は、斜板のシューとの摺接面
に対する金属材料皮膜の形成技術としての汎用性に優れ
るとともに、作業現場での作業環境の良好維持、並び
に、作業の手間、時間及びコストの効果的な削減が可能
となる斜板式圧縮機の斜板における皮膜形成方法、及び
この皮膜形成方法を用いてシューとの摺接面に皮膜が形
成された斜板を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1の発明では、斜板式圧縮機に用いられ、シュ
ーを介してピストンを連結し、このシューとの摺接面に
金属材料よりなる皮膜を有する斜板において、前記皮膜
の形成に溶接肉盛り法を用いたことを特徴とする斜板式
圧縮機の斜板における皮膜形成方法である。
【0011】この方法によれば、斜板摺接面に対して溶
融金属材料を直接肉盛ることで皮膜を形成してゆくこと
となり、溶射技術のように金属材料の大きな吹き付け音
を発生することがないし、この吹き付けの際に粉末の金
属材料が周囲に飛び散って材料の歩留まりの悪化や作業
環境の悪化を引き起こすこともない。
【0012】請求項2の発明は請求項1において、前記
溶接肉盛り法はアーク溶接肉盛り法であることを特徴と
している。前記アーク溶接法は現在最も一般的な溶接手
法であり、溶接肉盛り法を用いた皮膜形成を斜板式圧縮
機の斜板に対して実現するのに、皮膜形成装置の導入コ
ストやノウハウ等の観点から現時点で最も適している。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2に記載
の皮膜形成方法を用いてシューとの摺接面に皮膜が形成
された斜板である。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を空調装置に用いら
れる斜板式圧縮機の斜板における皮膜形成方法に具体化
した一実施形態について説明する。
【0015】(斜板式圧縮機)図1に示すように斜板式
圧縮機は、シリンダブロック1と、その前端に接合され
たフロントハウジング2と、シリンダブロック1の後端
に弁形成体3を介して接合されたリヤハウジング4とを
備え、これらは相互に接合固定されて圧縮機のハウジン
グを構成する。
【0016】前記ハウジング内には、クランク室5、吸
入室6及び吐出室7が区画されている。シリンダブロッ
ク1には複数のシリンダボア1a(一つのみ図示)が形
成され、各ボア1aには片頭型のピストン8が往復動可
能に収容されている。吸入室6及び吐出室7は、弁形成
体3に設けられた各種フラッパ弁を介して各ボア1aと
選択的に連通可能となっている。
【0017】前記クランク室5内には駆動軸9が回転可
能に支持され、又、カムプレートたる斜板10が収容さ
れている。斜板10の中央部には挿通孔10aが貫設さ
れ、この挿通孔10aに駆動軸9が挿通されている。こ
の斜板10は、ヒンジ機構13及びラグプレート11を
介して駆動軸9に作動連結され、駆動軸9と同期回転可
能且つ駆動軸9の軸線方向への摺動を伴いながら駆動軸
9に対し傾動可能となっている。そして、斜板10の外
周部が前後一対のシュー20A,20Bを介して各ピス
トン8の端部に摺動自在に係留されることで、全てのピ
ストン8が斜板10に作動連結されている。
【0018】前記駆動軸9とともに所定角度に傾斜した
斜板10が回転すると、各ピストン8が斜板10の傾角
に対応したストロークで往復動され、各ボア1aでは、
吸入室6(吸入圧Ps領域)からの冷媒ガスの吸入、圧
縮、吐出室7(吐出圧Pd領域)への圧縮冷媒ガスの吐
出が順次繰り返される。
【0019】前記斜板10は、傾角減少バネ14によっ
てシリンダブロック1に接近する方向(傾角減少方向)
に付勢されている。ただし、例えば駆動軸9上に固定さ
れたサークリップ15で斜板10の傾角減少方向への傾
動を規制することで斜板10の最小傾角θmin(例え
ば3〜5°)が制限される。他方、斜板10の最大傾角
θmaxは、例えば斜板10のカウンタウェイト部10
bがラグプレート11の規制部11aに当接することで
制限される。
【0020】前記斜板10の傾角は、斜板回転時の遠心
力に基づく回転運動のモーメント、傾角減少バネ14の
付勢作用に基づくバネ力によるモーメント、ピストン8
の往復慣性力によるモーメント、ガス圧によるモーメン
ト等の各種モーメントの相互バランスに基づいて決定さ
れる。ガス圧によるモーメントとは、シリンダボア1a
の内圧とピストン8の背圧にあたるクランク室5の内圧
(クランク圧Pc)との相互関係に基づいて発生するモ
ーメントであり、クランク圧Pcに応じて傾角減少方向
にも増大方向にも作用する。
【0021】図1の斜板式圧縮機では、詳述しない制御
弁16を用いてクランク圧Pcを調節することで前記ガ
ス圧によるモーメントを適宜変更し、斜板10の傾角を
最小傾角θminと最大傾角θmaxとの間の任意の角
度θに設定できるようになっている。
【0022】(斜板)図1及び図2に示すように、前記
斜板10の外周部のフロント側及びリヤ側にはそれぞれ
環状の摺接面30A,30Bが形成されている。フロン
ト側及びリヤ側の環状摺接面30A,30Bは、前記一
対のシュー20A,20Bとそれぞれ摺接する。
【0023】前記斜板10には、斜板回転時の遠心力に
基づく回転運動のモーメントを適正に発生させるために
比較的重い鉄系材料(例えばFCD700等の鋳鉄)が
用いられる。他方、シュー20A,20Bには、その機
械的強度等を配慮して同じく鉄系材料(例えば軸受鋼)
が用いられる。同種の金属材料からなる二つの部材(こ
の場合は斜板10とシュー20A,20B)を過酷な条
件で摺接させると、いわゆる「ともがね現象」による焼
き付きを生じてしまうので、この実施形態では、図2に
示すように斜板10の少なくとも前記摺接面30A,3
0B上に、シュー20A,20Bとの接触摺動性を改善
するための摺動層としての皮膜31A,31Bが形成さ
れている。
【0024】各皮膜31A,31Bは、斜板10の母材
やシュー20A,20Bを構成する鉄系材料とは種類の
異なる金属材料からなっている。皮膜31A,31Bを
構成する金属材料としては、例えば珪素含有のアルミニ
ウム合金やアルミニウムと珪素との金属間化合物(以下
両者を含めて「Al−Si系金属材料」と呼ぶ)があげ
られる。アルミニウム系材料としてのAl−Si系金属
材料では、珪素含有量に応じて材料としての硬度や融点
等の物性が種々変化するが、ここで使用するAl−Si
系金属材料は、珪素含有量が10〜20重量%(好まし
くは約17重量%)のものである。
【0025】かかるAl−Si系金属材料からなる皮膜
31A,31Bを形成することで、前記ともがね現象に
よる焼き付きが防止されるのみならず、斜板10とシュ
ー20A,20Bとの接触摺動性が改善される。即ち、
皮膜31A,31Bの形成によって、斜板10とシュー
20A,20Bとの間にはオイルレス環境下においても
一定の潤滑性が確保される。
【0026】なお、斜板10やシュー20A,20Bに
用いられている鉄系材料が非常に硬くて融点も千数百度
以上と比較的高いのに対し、皮膜31A,31Bを構成
する前記Al−Si系金属材料は、前記鉄系材料に比し
て相対的に柔らかく且つ融点も600〜700℃程度と
前記鉄系材料に比して低い。Al−Si系金属材料の前
記鉄系材料との物性上の差異が、斜板10とシュー20
A,20Bとの接触摺動性の改善に寄与していることは
間違いない。
【0027】(皮膜形成方法)前記斜板10のリヤ側摺
接面30Bへの皮膜形成手順について具体的に説明す
る。
【0028】図3は、皮膜形成装置を模式的に示す図で
ある。この皮膜形成装置は、回転保持機構51(二点鎖
線で概念的に示す)及び被覆アーク溶接手段を備えてい
る。回転保持機構51はモータMに作動連結されてお
り、このモータMの駆動力に基づいて、保持した斜板1
0を軸線Lを中心として低速回転させる(例えば1〜1
0rpm)。斜板10を回転保持機構51にセットした
状態では、環状の摺接面30Bは前記軸線Lを取り囲む
とともにその軸線Lに直交する面として存在する。
【0029】前記被覆アーク溶接手段は、溶接棒52及
びこの溶接棒52と斜板10との間に電圧を印加するた
めの溶接電源53からなっている。溶接棒52は、前記
Al−Si系金属材料からなる心線52aの外周面にフ
ラックス(被覆剤)52bが塗布されてなる。溶接棒5
2は昇降保持機構54(二点鎖線で概念的に示す)に保
持されるとともに、この昇降保持機構54は昇降手段5
5に作動連結されている。
【0030】前記溶接棒52は、昇降保持機構54にセ
ットされた状態では、回転保持機構51にセットされた
斜板10の軸線Lに対して偏心位置に配置され、斜板摺
接面30Bの一部に対してその上方で対向する。昇降保
持機構54は昇降手段55の動作によって、保持した溶
接棒52とともに図面上下方向に昇降され、従って溶接
棒52が斜板摺接面30Bの一部に対して近接及び離間
される。
【0031】さて、前記昇降手段55によって、溶接棒
52を斜板摺接面30Bの一部に下降(近接)させると
ともに、溶接電源53を起動させると、溶接棒52と斜
板10との間にアークが発生する。このアーク熱によっ
て、溶接棒52(心線52a)の金属材料の一部が溶融
して斜板摺接面30B上に滴下される(言い換えれば肉
盛られる)。斜板摺接面30Bに滴下した溶接棒52の
金属材料は、同じくアーク熱によって溶融した斜板摺接
面30Bの金属材料と融合されることとなる。さらにモ
ータMの作動により回転保持機構51が斜板10ととも
に回転し、斜板摺接面30B上における溶接棒52の対
応位置(金属材料の溶融滴下位置)が、環状摺接面30
Bの周方向に順次連続的に変化する。
【0032】斜板10が少なくとも1回転すれば、環状
摺接面30B全体に対して溶接棒52からの金属材料の
溶融滴下(肉盛り)が一通り行われ、この摺接面30B
全体には必要膜厚(例えば50μm)に後加工での削り
代(例えば20〜50μm)を加味した膜厚(例えば7
0〜100μm)のAl−Si系金属材料からなる皮膜
31Bが形成される。
【0033】以上のようにして摺接面30B全体に皮膜
31Bが形成された後には、モータM及び溶接電源53
が停止され、さらには昇降保持機構54とともに溶接棒
52が斜板摺接面30Bから上昇(離間)される。
【0034】前記皮膜31Bの必要膜厚は、上述した溶
接肉盛り法によって形成された皮膜を、後加工として切
削加工あるいは研磨加工を施すことにより調節される。
なお、斜板10のフロント側摺接面30Aに対しても、
前記と同様の手順でのAl−Si系金属材料からなる皮
膜31Aが形成される。
【0035】上記構成の本実施形態においては、次のよ
うな効果を奏する。 (1)本実施形態の皮膜形成方法によれば、簡便な手順
で短時間のうちに、斜板10の摺接面30A,30Bに
対してAl−Si系金属材料からなる皮膜31A,31
Bを効率的に形成することができる。
【0036】(2)溶射技術とは異なり、斜板10の摺
接面30A,30Bに対して特段の前処理(粗面処理や
マスキング)を必要としない。このため、作業に必要な
手間、時間およびコストを大幅に低減することができ
る。
【0037】(3)この方法では、摺接面30A,30
Bに対する皮膜31A,31Bの付与は、第一義的には
金属同士の融合による物理接着であり、厳格な化学的親
和性が要求されないため、皮膜の形成技術としての汎用
性に優れている。
【0038】(4)この方法によれば、斜板摺接面30
A,30Bに対して金属材料を直接肉盛ることで皮膜3
1A,31Bを形成してゆくこととなり、溶射技術のよ
うに金属材料の大きな吹き付け音を発生することがない
し、この吹き付けの際に粉末の金属材料が周囲に飛び散
って材料の歩留まりの悪化や作業環境の悪化を引き起こ
すこともない。
【0039】(5)この方法によれば、棒状の金属材料
(溶接棒52)を用いて皮膜形成(溶接肉盛り)を行な
うため、溶射技術のように粉末加工に起因して高価であ
る金属材料を用いる必要がない。また、棒状の金属材料
は粉末と比較して取り扱いが容易であり、皮膜形成作業
の効率化や作業環境の向上につながる。
【0040】(6)アーク溶接法は現在最も一般的な溶
接手法であり、溶接肉盛り法を用いた皮膜形成を斜板式
圧縮機の斜板10に対して実現するのに、皮膜形成装置
の導入コストやノウハウ等の観点から現時点で最も適し
ている。
【0041】なお、本発明の趣旨から逸脱しない範囲
で、以下の態様でも実施できる。 ・被覆アーク溶接以外のアーク溶接としては、ガスシー
ルドアーク溶接、サブマージアーク溶接等が挙げられ
る。ガスシールドアーク溶接としては、MIG溶接、M
AG溶接、TIG溶接等が挙げられる。このいずれかの
溶接法を用いて、斜板摺接面30A,30Bに対する皮
膜形成(溶接肉盛り)を行なうようにしてもよい。
【0042】・溶接棒52(心線52a)として、アル
ミニウム系材料に代えて、銅系材料を使用してもよい。 ・鉄系材料ではなく、アルミニウム系材料よりなる斜板
10においてその皮膜形成方法に具体化すること。
【0043】上記実施形態から把握できる技術的思想に
ついて記載すると、請求項1又は2に記載の皮膜形成方
法において、或いは請求項3の斜板において、シューと
の摺接面上に形成された金属材料からなる皮膜は、シュ
ーとの接触摺動性を改善するためのものであること。
【0044】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の方法によれ
ば、斜板のシューとの摺接面に対する金属材料皮膜の形
成技術としての汎用性に優れるとともに、作業現場での
作業環境の良好維持、並びに、作業の手間、時間及びコ
ストの効果的な削減が可能となるという優れた効果を奏
する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 容量可変型斜板式圧縮機の縦断面図。
【図2】 シューと接する斜板の外周部付近を拡大して
示す断面図。
【図3】 皮膜形成装置を概念的に示す図。
【符号の説明】
10…斜板、30A,30B…斜板においてシューとの
摺接面、31A,31B…皮膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 磯村 直彦 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 河内 繁希 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3H076 AA06 BB17 BB26 BB50 CC20 CC33 4E081 YD10 YX05 YX07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 斜板式圧縮機に用いられ、シューを介し
    てピストンを連結し、このシューとの摺接面に金属材料
    よりなる皮膜を有する斜板において、 前記皮膜の形成に溶接肉盛り法を用いたことを特徴とす
    る斜板式圧縮機の斜板における皮膜形成方法。
  2. 【請求項2】 前記溶接肉盛り法はアーク溶接肉盛り法
    である請求項1に記載の斜板式圧縮機の斜板における皮
    膜形成方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2に記載の皮膜形成方法を
    用いてシューとの摺接面に皮膜が形成された斜板。
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