JP2001239346A - シャフトの成形型及びシャフトの成形方法 - Google Patents

シャフトの成形型及びシャフトの成形方法

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JP2001239346A
JP2001239346A JP2000053450A JP2000053450A JP2001239346A JP 2001239346 A JP2001239346 A JP 2001239346A JP 2000053450 A JP2000053450 A JP 2000053450A JP 2000053450 A JP2000053450 A JP 2000053450A JP 2001239346 A JP2001239346 A JP 2001239346A
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mold
shaft
shaped material
die
forming
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JP2000053450A
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English (en)
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Norifumi Yokota
典史 横田
Akio Iwai
昭男 岩井
Tomoo Yoshida
朋夫 吉田
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Aisin Keikinzoku Co Ltd
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Aisin Keikinzoku Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 第1金型と第2金型との位相合わせが直接的
に行われるシャフトの成形型を提供すること。また、第
1金型と第2金型との位相合わせが直接的に行われた状
態にした後で、第1金型と第2金型との位相関係を固定
し、その後に、軸状素材からシャフトを成形することが
可能なシャフトの成形方法を提供すること。 【解決手段】 ダイセットの下型プレート21に下型ホ
ルダー23を介して固設された第1金型24の圧接面に
対し、第2金型14の圧接面を重ね合わせた状態にして
から、第2金型14をダイセットの上型プレート11に
上型ホルダー13を介して固設する。このとき、第1金
型24の圧接面に設けられた第1位置決め孔56と第2
金型14の表側圧接面に設けられた第2位置決め孔66
とを、位置決めピン34を介して連接させ、その後にお
いて、第2金型14をダイセットの上型プレート11に
上型ホルダー13を介して固設する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸状素材からシャ
フトを冷間鍛造で成形するためのシャフトの成形型、及
び、軸状素材からシャフトを冷間鍛造で成形するシャフ
トの成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、自動車などで使用されるシャ
フトには、その一端部分がスプライン歯形の溝部となっ
ている一方で、その他端部分が所定形状に成形されたも
のが多く存在する。そして、このようなシャフトの成形
方法に対しては、例えば、特公昭58−8931号公報
に記載されたスプラインシャフトの冷間成形方法のよう
に、冷間鍛造技術が広く適用されている。
【0003】特に、特公昭58−8931号公報に記載
されたスプラインシャフトの冷間成形方法の第3工程で
は、汎用油圧式プレスのラムに固設した上ダイズと、汎
用油圧式プレスの基台に固設した下ダイズとにおいて、
中間材の下部段付部を下ダイズに挿入した後に、上ダイ
ズを下降させており、これにより、中間材の上部端部及
び下部段付部に成形圧を同時的に作用させことができる
ので、中間材の両端部分にスプライン歯形の溝部を同時
的に成形することが可能である。
【0004】また、ここでは、上ダイズを汎用油圧式プ
レスのラムに固設するとともに下ダイズを汎用油圧式プ
レスの基台に固設することにより、上ダイズと下ダイズ
の位相合わせを行うと同時に、上ダイズと下ダイズの位
相関係を固定した状態にしており、その後において、中
間材の上部端部及び下部段付部に成形圧を同時的に作用
させている。従って、シャフトの両端部分に成形された
スプライン歯形の溝部同士の位相関係(以下、「シャフ
トの位相関係」という)は常に一定であり、中間材から
シャフトを成形する毎に「シャフトの位相関係」が変動
することはない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上ダイ
ズと下ダイズの位相合わせ及び位相関係の固定は、汎用
油圧式プレスのラムや基台を介して、間接的に行わなけ
ればならないので、「シャフトの位相関係」が設計どお
りにならない場合が生ずることがあった。そして、この
ような場合には、汎用油圧式プレスのラムに対する上ダ
イズの固設位置の誤差、汎用油圧式プレスの基台に対す
る下ダイズの固設位置の誤差など、様々な原因を探し当
てて、改善しなければならないので、上ダイズと下ダイ
ズの位相関係の修正には多大な労力を要するという、問
題点があった。
【0006】そこで、本発明は上述した問題点を解決す
るためになされたものであり、第1金型と第2金型との
位相合わせが直接的に行われるシャフトの成形型を提供
することを課題とする。また、第1金型と第2金型との
位相合わせが直接的に行われた状態にした後で、第1金
型と第2金型との位相関係を固定し、その後に、軸状素
材からシャフトを成形することが可能なシャフトの成形
方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に成された請求項1に係る発明は、一端部分の第1形状
と他端部分の第2形状とに位相関係があるシャフトを軸
状素材から成形するためのシャフトの成形型であって、
前記第1形状を冷間鍛造するための第1金型と、前記第
2形状を冷間鍛造するための第2金型とを有し、前記第
1金型に設けられた第1位相合わせ手段と、前記第2金
型に設けられた第2位相合わせ手段とを組み合わせるこ
とによって、前記第1金型と前記第2金型との位相合わ
せが行われること、を特徴としている。
【0008】また、請求項2に係る発明は、請求項1に
記載するシャフトの成形型において、前記軸状素材から
前記シャフトを成形する際に前記第2金型が圧接する前
記第1金型の圧接面に対し前記第1位相合わせ手段を設
けるとともに、前記軸状素材から前記シャフトを成形す
る際に前記第1金型が圧接する前記第2金型の圧接面に
対し前記第2位相合わせ手段を設けたこと、を特徴とし
ている。
【0009】また、請求項3に係る発明は、請求項2に
記載するシャフトの成形型において、前記第1位相合わ
せ手段として第1位置決め孔を前記第1金型の圧接面に
設けるとともに、前記第2位相合わせ手段として第2位
置決め孔を前記第2金型の圧接面に設け、位置決めピン
の一端部分を前記第1位置決め孔に嵌入させるととも
に、前記位置決めピンの他端部分を前記第2位置決め孔
に嵌入させることによって、前記第1位置決め孔と前記
第2位置決め孔とを組み合わせること、を特徴としてい
る。
【0010】このような特徴を有する本発明のシャフト
の成形型は、第1金型と第2金型とを有するものであっ
て、軸状素材からシャフトを成形する際に使用されるも
のである。そして、本発明のシャフトの成形型により、
軸状素材からシャフトを成形する際には、軸状素材の一
端部分に第1形状が第1金型で冷間鍛造されるととも
に、その軸状素材の他端部分に第2形状が第2金型で冷
間鍛造され、これにより、軸状素材からシャフトが成形
される。このとき、第1形状と第2形状との間には位相
関係が存在するので、その軸状素材からシャフトを成形
する以前において、第1金型と第2金型との位相合わせ
を行う必要がある。
【0011】そこで、請求項1に係る発明であるシャフ
トの成形型では、軸状素材の一端部分に第1形状を冷間
鍛造するための第1金型に第1位相合わせ手段を設ける
とともに、軸状素材の他端部分に第2形状を冷間鍛造す
るための第2金型に第2位相合わせ手段を設けており、
第1位相合わせ手段と第2位相合わせ手段とによって、
第1金型と第2金型との位相合わせが行われる。このと
き、第1位相合わせ手段と第2位相合わせ手段とを組み
合わせるので、第1金型と第2金型との位相合わせは直
接的に行われる。
【0012】また、本発明のシャフトの成形型により、
軸状素材からシャフトを成形する際には、第1金型の圧
接面に第2金型が圧接するとともに、第2金型の圧接面
に第1金型が圧接するので、第1金型の圧接面と第2金
型の圧接面とは互いに対向して圧接する関係にあり、ひ
いては、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とは互い
に接面する関係にある。従って、本発明のシャフトの成
形型では、軸状素材からシャフトを成形する以前におい
て、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とを容易に重
ね合わせることができる。
【0013】そこで、請求項2に係る発明であるシャフ
トの成形型では、軸状素材からシャフトを成形する際に
互いに対向して圧接する第1金型の圧接面と第2金型の
圧接面とに対して、第1金型の圧接面には第1位相合わ
せ手段を設けるとともに、第2金型の圧接面には第2位
相合わせ手段を設けており、第1金型の圧接面と第2金
型の圧接面とを重ね合わせて、第1位相合わせ手段と第
2位相合わせ手段とを組み合わせることによって、第1
金型と第2金型との位相合わせが直接的に行われる。こ
のとき、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とを容易
に重ね合わせることができるので、第1位相合わせ手段
と第2位相合わせ手段とを簡便に組み合わせることがで
きる。
【0014】また、請求項3に係る発明であるシャフト
の成形型では、第1金型の圧接面に設けた第1位相合わ
せ手段が第1位置決め孔であるとともに、第2金型の圧
接面に設けた第2位相合わせ手段が第2位置決め孔であ
り、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とを重ね合わ
せたときに、位置決めピンの一端部分を第1位置決め孔
に嵌入させるとともに、その位置決めピンの他端部分を
第2位置決め孔に嵌入させて、第1位置決め孔と第2位
置決め孔とを簡便に組み合わせることによって、第1金
型と第2金型との位相合わせが直接的に行われる。この
とき、位置決めピンの両端部分は、第1位置決め孔及び
第2位置決め孔において、遊びのない状態で嵌め入れら
れているので、第1金型と第2金型との位相合わせは高
精度で行われる。
【0015】尚、本発明のシャフトの成形型は、所謂
「ダイセット方式」と呼ばれるタイプの型でもよいし、
所謂「プレス直付け方式」と呼ばれるタイプの型でもよ
い。
【0016】また、上述した課題を解決するために成さ
れた請求項4に係る発明は、第1金型と前記第1金型に
対向する第2金型との位相関係を固定した下で、前記第
1金型の成形穴に軸状素材の一端を配置するとともに、
前記第2金型の成形穴に前記軸状素材の他端を配置し、
前記第1金型と前記第2金型とを圧接させてから離間さ
せ、前記第1金型の成形穴又は前記第2金型の成形穴か
ら前記軸状素材を突き出すことにより、前記軸状素材の
一端部分を第1形状に冷間鍛造するとともに前記軸状素
材の他端部分を第2形状に冷間鍛造して、前記軸状素材
からシャフトを成形するシャフトの成形方法において、
前記第1金型に設けられた第1位相合わせ手段と、前記
第2金型に設けられた第2位相合わせ手段とを組み合わ
せることによって、前記第1金型と前記第2金型との位
相合わせが行われた状態にした後、前記第1金型と前記
第2金型との位相関係を固定すること、を特徴としてい
る。
【0017】また、請求項5に係る発明は、請求項4に
記載するシャフトの成形方法において、前記第2金型が
圧接する前記第1金型の圧接面に対し前記第1位相合わ
せ手段を設けるとともに、前記第1金型が圧接する前記
第2金型の圧接面に対し前記第2位相合わせ手段を設け
たこと、を特徴としている。
【0018】また、請求項6に係る発明は、請求項5に
記載するシャフトの成形方法において、前記第1位相合
わせ手段として第1位置決め孔を前記第1金型の圧接面
に設けるとともに、前記第2位相合わせ手段として第2
位置決め孔を前記第2金型の圧接面に設け、位置決めピ
ンの一端部分を前記第1位置決め孔に嵌入させるととも
に、前記位置決めピンの他端部分を前記第2位置決め孔
に嵌入させることによって、前記第1位置決め孔と前記
第2位置決め孔とを組み合わせること、を特徴としてい
る。
【0019】また、請求項7に係る発明は、請求項4乃
至請求項6のいずれか1つに記載するシャフトの成形方
法において、前記軸状素材の一端部分に冷間鍛造される
第1形状がスプライン溝部又はセレーション溝部である
こと、を特徴としている。また、請求項8に係る発明
は、請求項4乃至請求項6のいずれか1つに記載するシ
ャフトの成形方法において、前記軸状素材の他端部分に
冷間鍛造される第2形状がスプライン溝部又はセレーシ
ョン溝部であること、を特徴としている。
【0020】また、請求項9に係る発明は、請求項4乃
至請求項8のいずれか1つに記載するシャフトの成形方
法において、前記軸状素材の一端を前記第1金型の成形
穴の段差部に緩嵌させることにより、前記軸状素材の一
端を前記第1金型の成形穴に配置するとともに、前記軸
状素材の他端を第2金型の成形穴の段差部に緩嵌させる
ことにより、前記軸状素材の他端を前記第2金型の成形
穴に配置すること、を特徴としている。
【0021】また、請求項10に係る発明は、請求項4
乃至請求項9のいずれか1つに記載するシャフトの成形
方法において、前記第1金型と前記第2金型とを圧接さ
せた際には、前記軸状素材の一端部分が前記第1金型の
成形穴の絞部に押し込まれると同時に前記軸状素材の他
端部分が前記第2金型の成形穴の絞部に押し込まれる状
態を経由して、前記軸状素材の一端部分が前記第1金型
の成形穴の成形部に押し込まれ、前記軸状素材の他端部
分が前記第2金型の成形穴の成形部に押し込まれるこ
と、を特徴としている。
【0022】このような特徴を有する本発明のシャフト
の成形方法は、第1金型と第2金型とを圧接させてから
離間させることにより、軸状素材からシャフトを成形す
るものである。そして、本発明のシャフトの成形方法に
より、軸状素材からシャフトを成形する際には、軸状素
材の一端部分に第1形状が第1金型で冷間鍛造されると
ともに、その軸状素材の他端部分に第2形状が第2金型
で冷間鍛造され、これにより、その軸状素材からシャフ
トが成形される。このとき、第1形状と第2形状との間
には位相関係が存在するので、その軸状素材からシャフ
トを成形する以前において、第1金型と第2金型との位
相合わせを行い、第1金型と第2金型との位相関係を固
定する必要がある。
【0023】そこで、請求項4に係る発明であるシャフ
トの成形方法では、軸状素材の一端部分に第1形状を冷
間鍛造するための第1金型に第1位相合わせ手段を設け
るとともに、軸状素材の他端部分に第2形状を冷間鍛造
するための第2金型に第2位相合わせ手段を設けてお
り、第1位相合わせ手段と第2位相合わせ手段とによっ
て、第1金型と第2金型との位相合わせが行われた状態
にした後、第1金型と第2金型との位相関係を固定す
る。このとき、第1位相合わせ手段と第2位相合わせ手
段とを組み合わせるので、第1金型と第2金型との位相
合わせが直接的に行われた状態にした後で、第1金型と
第2金型との位相関係を固定し、その後に、軸状素材か
らシャフトを成形することが可能となる。
【0024】また、本発明のシャフトの成形方法によ
り、軸状素材からシャフトを成形する際には、第1金型
の圧接面に第2金型が圧接するとともに、第2金型の圧
接面に第1金型が圧接するので、第1金型の圧接面と第
2金型の圧接面とは互いに対向して圧接する関係にあ
り、ひいては、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面と
は互いに接面する関係にある。従って、本発明のシャフ
トの成形方法では、軸状素材からシャフトを成形する以
前において、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とを
容易に重ね合わせることができる。
【0025】そこで、請求項5に係る発明であるシャフ
トの成形方法では、軸状素材からシャフトを成形する際
に互いに対向して圧接する第1金型の圧接面と第2金型
の圧接面とに対して、第1金型の圧接面には第1位相合
わせ手段を設けるとともに、第2金型の圧接面には第2
位相合わせ手段を設けており、第1金型の圧接面と第2
金型の圧接面とを重ね合わせて、第1位相合わせ手段と
第2位相合わせ手段とを組み合わせる。これによって、
第1金型と第2金型との位相合わせが直接的に行われた
状態にした後、第1金型と第2金型との位相関係を固定
し、その後に、軸状素材からシャフトを成形することを
可能とする。このとき、第1金型の圧接面と第2金型の
圧接面とを容易に重ね合わせることができるので、第1
位相合わせ手段と第2位相合わせ手段とを簡便に組み合
わせることができる。
【0026】また、請求項6に係る発明であるシャフト
の成形方法では、第1金型の圧接面に設けた第1位相合
わせ手段が第1位置決め孔であるとともに、第2金型の
圧接面に設けた第2位相合わせ手段が第2位置決め孔で
あり、第1金型の圧接面と第2金型の圧接面とを重ね合
わせたときに、位置決めピンの一端部分を第1位置決め
孔に嵌入させるとともに、その位置決めピンの他端部分
を第2位置決め孔に嵌入させて、第1位置決め孔と第2
位置決め孔とを簡便に組み合わせる。これによって、第
1金型と第2金型との位相合わせが直接的に行われた状
態にした後、第1金型と第2金型との位相関係を固定
し、その後に、軸状素材からシャフトを成形することを
可能とする。このとき、位置決めピンの両端部分は、第
1位置決め孔及び第2位置決め孔において、遊びのない
状態で嵌め入れられているので、第1金型と第2金型と
の位相合わせは高精度で行われる。
【0027】また、シャフトの一端部分の第1形状とそ
の他端部分の第2形状との間に位相関係がある場合に、
シャフトの一端部分の第1形状、又は、その他端部分の
第2形状が、スプライン溝部又はセレーション溝部であ
るときは、シャフトの一端部分の第1形状とその他端部
分の第2形状との間の位相関係に対する精度への要求が
厳しい。
【0028】従って、請求項7に係る発明であるシャフ
トの成形方法では、軸状素材の一端部分に冷間鍛造され
る第1形状がスプライン溝部又はセレーション溝部であ
るので、上述した効果をより大きく発揮させることがで
きる。同様にして、請求項8に係る発明であるシャフト
の成形方法では、軸状素材の他端部分に冷間鍛造される
第2形状がスプライン溝部又はセレーション溝部である
ので、上述した効果をより大きく発揮させることができ
る。
【0029】そして、本発明のシャフトの成形方法で
は、上述したようにして、第1金型と第2金型との位相
合わせが直接的に行われた状態にした後で、第1金型と
第2金型との位相関係を固定すると、その後に、軸状素
材の一端を第1金型の成形穴に配置し、さらに、その軸
状素材の他端を第2金型の成形穴に配置し、第1金型と
第2金型とを圧接、離間させて、その軸状素材からシャ
フトを成形するので、第1金型の成形穴及び第2金型の
成形穴とその軸状素材との間の心出しを行う必要があ
る。
【0030】そこで、請求項9に係る発明であるシャフ
トの成形方法では、軸状素材の一端を第1金型の成形穴
の段差部に緩嵌させることにより、その軸状素材の一端
を第1金型の成形穴に配置し、さらに、その軸状素材の
他端を第2金型の成形穴の段差部に緩嵌させることによ
り、その軸状素材の他端を第2金型の成形穴に配置す
る。このとき、その軸状素材の一端は第1金型の成形穴
の段差部にぴったりと嵌まった状態にあり、さらに、そ
の軸状素材の他端は第2金型の成形穴の段差部にぴった
りと嵌まった状態にあることから、第1金型の成形穴及
び第2金型の成形穴とその軸状素材との間の心出しが精
度良く行われるとともに、その軸状素材を第1金型の成
形穴及び第2金型の成形穴に対し動かないように配置さ
せることができる。さらに、第1金型と第2金型とを圧
接させるために、圧力を加えながら第1金型と第2金型
とを近づけても、第1金型の成形穴及び第2金型の成形
穴とその軸状素材との間で心ずれが生じることはないの
で、その軸状素材が座屈する危険度を助長させるような
事態は起こらない。
【0031】そして、本発明のシャフトの成形方法で
は、第1金型と第2金型とを圧接させるために、圧力を
加えながら第1金型と第2金型とを近づけていくと、第
1金型の成形穴により、その軸状素材の一端部分が第1
形状へと変形するとともに、第2金型の成形穴により、
その軸状素材の他端部分が第2形状へと変形し、その軸
状素材の軸方向には、大きな圧縮(成形)荷重が作用す
ることになる。従って、その軸状素材の座屈荷重が最も
大きくなる条件において、圧力を加えながら第1金型と
第2金型とを近づけていくことが望ましい。
【0032】そこで、請求項10に係る発明である本発
明のシャフトの成形方法では、第1金型と第2金型とを
圧接させるために、圧力を加えながら第1金型と第2金
型とを近づけていくと、直ぐに、その軸状素材の一端部
分が第1金型の成形穴の絞部に押し込まれると同時に、
その軸状素材の他端部分が第2金型の成形穴の絞部に押
し込まれた状態にし、その軸状素材の両端の支持条件を
「自由端」から「固定端」にして、その軸状素材の座屈
荷重が最も大きくなる条件としている。そして、その軸
状素材の座屈荷重が最も大きくなる条件において、その
軸状素材の一端部分が第1金型の成形穴の成形部に押し
込まれて、その軸状素材の一端部分が第1形状へと変形
するとともに、その軸状素材の他端部分が第2金型の成
形穴の成形部に押し込まれて、その軸状素材の他端部分
が第2形状へと変形するので、その軸状素材が座屈する
危険度が低減することになる。
【0033】尚、その軸状素材の座屈荷重が最も大きく
なる条件の下では、その軸状素材の一端部分が第1金型
の成形穴の成形部に押し込まれて、その軸状素材の一端
部分が第1形状へと変形することが、先に行われてもよ
いし、その軸状素材の他端部分が第2金型の成形穴の成
形部に押し込まれて、その軸状素材の他端部分が第2形
状へと変形することが、先に行われてもよい。
【0034】そして、本発明のシャフトの成形方法で
は、第1金型と第2金型とを圧接させた後に、第1金型
と第2金型とを離間させると、その軸状素材は、第1金
型の成形穴又は第2金型の成形穴に食いついた状態とな
るので、第1金型の成形穴又は第2金型の成形穴から、
その軸状素材を突き出す。このとき、その軸状素材に
は、その一端部分に第1形状が冷間鍛造されており、ま
た、その他端部分に第2形状が冷間鍛造されていること
から、一端部分が第1形状であり他端部分が第2形状で
あるシャフトを、その軸状素材から成形することができ
る。
【0035】尚、本発明のシャフトの成形方法では、第
1金型と第2金型との位相合わせが直接的に行われた状
態にした後で第1金型と第2金型との位相関係を固定す
ることを、所謂「ダイセット方式」において行ってもよ
いし、所謂「プレス直付け方式」において行ってもよ
い。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照にして説明する。本実施の形態のシャフトの成形
装置は、第1金型と第2金型とをプレス機で圧接・離間
させることにより、軸状素材(直径18mm程のアルミ
ニウム合金製の丸棒)からインターメディエイト・シャ
フトを成形するものである。
【0037】ここで、成形品であるインターメディエイ
ト・シャフトについて説明する。インターメディエイト
・シャフトは自動車の部品として使用されるものであ
る。また、図11の正面図で示すように、インターメデ
ィエイト・シャフト2は、その一端部分3にセレーショ
ン溝部(第1形状に相当するもの)が形成されたもので
ある。また、図12の側面図でも示すように、インター
メディエイト・シャフト2は、その他端部分4の断面が
六角形(第2形状に相当するもの)に形成されたもので
ある。尚、図11や図12に示すように、インターメデ
ィエイト・シャフト2には、一端部分3と他端部分4と
の間に、鍛造自由形状の領域5が存在する。
【0038】次に、第1金型について説明する。第1金
型は、インターメディエイト・シャフト2の一端部分3
をセレーション溝部に成形するものである(図11、図
12参照)。図14の正面図で示すように、第1金型2
4は、成形穴53を設けたセレーションダイズ52が型
枠51に焼きばめされたものである。そして、型枠51
の裏側には、下型ホルダー23(図1参照)に対する位
置決め孔54が等ピッチで4つ設けられている。また、
型枠51の表側(圧接面)には、下型ホルダー23(図
1参照)へ固設するためのボルト穴55が等ピッチで4
つ設けられている。さらに、型枠51の表側(圧接面)
には、第2金型に対する第1位置決め孔56(第1位相
合わせ手段に相当するもの)が等ピッチで4つ設けられ
ている。
【0039】また、図15の断面図で示すように、第1
金型24のセレーションダイズ52の成形穴53におい
ては、その入口部分に、段差部57が設けられている。
この段差部57は、軸状素材の一端を緩やかに嵌めるこ
とが可能な大きさを持つ。また、段差部57の奥には、
段差部57の径を少し小さくした絞部58が連設されて
いる。さらに、絞部58の奥には、セレーション溝部に
変形させるための成形部59が連設されている。尚、図
15の断面図では、成形部59の歯形は簡略されて示し
てある。
【0040】次に、第2金型について説明する。第2金
型は、インターメディエイト・シャフト2の他端部分4
の断面を六角形に成形するものである(図11、図12
参照)。図16の正面図で示すように、第2金型14
は、その中央に成形穴63が設けられたものである。そ
して、第2金型14の裏側には、上型ホルダー13(図
1参照)へ固設するためのボルト穴65が等ピッチで4
つ設けられている。また、第2金型14の表側(圧接
面)には、第1金型24に対する第2位置決め孔66
(第2位相合わせ手段に相当するもの)が等ピッチで4
つ設けられている。従って、この第2位置決め孔66の
配置は、第1金型24の第1位置決め孔56の配置と同
じである。
【0041】また、図17の断面図で示すように、第2
金型14の成形穴63においては、その入口部分に、段
差部67が設けられている。この段差部67は、軸状素
材の他端を緩やかに嵌めることが可能な大きさを持つ。
また、段差部67の奥には、段差部67を少し小さくし
た絞部68が連設されている。さらに、絞部68の奥に
は、断面を六角形に変形させるための成形部69が連設
されている。尚、図17の断面図では、段差部67、絞
部68、成形部69のいずれも簡略されて示してある。
【0042】次に、本実施の形態のシャフトの成形装置
での、第1金型24と第2金型14の組付手順について
説明する。図1は、本実施の形態のシャフトの成形装置
の型組付体1の断面を示した概念図である。図1に示す
ように、本実施の形態のシャフトの成形装置の型組付体
1では、第1金型24と第2金型14は、下型ホルダー
23、上型ホルダー13を介して、ダイセットの上型プ
レート11とダイセットの下型プレート21にそれぞれ
組み付けられ、この型組付体1が図示せぬプレス機のラ
ムと基台の間に取り付けられる。尚、型組付体1は、
「シャフトの成形型」に相当するものであり、所謂「ダ
イセット方式」と呼ばれるタイプの型である。
【0043】そのためには、先ず、ダイセットの上型プ
レート11に対し、位置決めピン31と締付ボルト41
とを用いて、上型ホルダー13を所定位置に正確に固設
しておく。さらに、ダイセットの下型プレート21に対
し、位置決めピン32と締付ボルト42とを用いて、下
型ホルダー23を所定位置に正確に固設しておく。
【0044】次に、下型ホルダー23の側からノックア
ウトピン25を取付けるとともに、下型ホルダー23に
おいて位置決めピン33を縦立させる。その後は、下型
ホルダー23の位置決めピン33を第1金型24の位置
決め孔54(図14参照)に嵌入させながら、下型ホル
ダー23の上に第1金型24を配置する。そして、第1
金型24のボルト穴55(図14参照)へ締付ボルト4
3を挿入してねじ込むことによって、下型ホルダー23
に対し、第1金型24を所定位置に正確に固設する。こ
れにより、第1金型24は、下型ホルダー23を介し
て、ダイセットの下型プレート21に固設される。
【0045】次に、第1金型24の表側(圧接面)にお
いて、第1金型24の第1位置決め孔56(図14参
照)へ位置決めピン34を嵌入して縦立させる。その後
は、第1金型24の位置決めピン34を第2金型14の
第2位置決め孔66(図16参照)に嵌入させながら、
第1金型24の表側(圧接面)の上に第2金型14を配
置する。これにより、第1金型24に対し、第2金型1
4を所定位置に正確に重ね合わせる。このとき、第1金
型24の第1位置決め孔56(図14参照)と第2金型
14の第2位置決め孔66(図16参照)は、位置決め
ピン34を介して、互いに連接する。
【0046】さらに、第2金型14の裏側において、ス
トッパー15を成形穴63(図16参照)に嵌め込む。
そして、ガイドポスト12とガイドブッシュ22とで案
内させながら、ダイセットの上型プレート11をダイセ
ットの下型プレート21の方へ移動させ、第2金型14
の裏側に上型ホルダー13を接面させる。その後は、ダ
イセットの上型プレート11と上型ホルダー13の間で
連通するボルト穴へ、調節ボルト44を挿入し、第2金
型14のボルト穴65(図16参照)にねじ込む。これ
により、上型ホルダー13に対し、第2金型14を所定
位置に固設する。よって、第2金型14は、上型ホルダ
ー13を介して、ダイセットの上型プレート11に固設
される。この時点で、第1金型24と第2金型14との
位相関係が固定される。その後は、この型組付体1を図
示せぬプレス機のラムと基台との間に取り付け、プレス
機にセットする。
【0047】次に、本実施の形態のシャフトの成形装置
での、インターメディエイト・シャフト2(図11、図
12参照)の成形方法について説明する。先ず、図2に
示すように、第1金型24と第2金型14とを離間させ
た後、第1金型24において、成形穴53の段差部57
(図15参照)に軸状素材の一端を遊嵌させる。尚、説
明の便宜上、図2〜図7においては、軸状素材の符号を
インターメディエイト・シャフトと同じ「2」とする。
そして、ガイドポスト12とガイドブッシュ22とで案
内しながら、ダイセットの上型プレート11をダイセッ
トの下型プレート21の方へ移動させ、第2金型14に
おいて、成形穴63の段差部67(図17参照)に軸状
素材2の他端を遊嵌させる。
【0048】次に、プレス機を作動させ、図3〜図7の
順で、第2金型14を第1金型24に対して圧接・離間
させる。これにより、図2の軸状素材2から図7のイン
ターメディエイト・シャフト2が成形される。ここで
は、そのメカニズムについて説明する。先ず、第2金型
14が第1金型24の方へ移動を開始すると、図3に示
すようになり、第1金型24においては、軸状素材2の
一端が成形穴53の段差部57から絞部58へ押し込ま
れる(図15参照)。同時に、第2金型14において
は、軸状素材2の他端が成形穴63の段差部67から絞
部68へ押し込まれ、さらに、軸状素材2の他端が成形
穴63の絞部68から成形部69へ押し込まれていく
(図17参照)。尚、この成形過程は、図8のストロー
ク領域Aに相当する。
【0049】さらに、第2金型14が第1金型24の方
へ移動すると、図4に示すようになり、第1金型24に
おいては、軸状素材2の一端が成形穴53の絞部58か
ら成形部59へ僅かに押し込まれる(図15参照)。一
方、第2金型14においては、軸状素材2の他端が成形
穴63の成形部69の奥へ押し込まれ(図17参照)、
ストッパー15にまで到達する。尚、この成形過程は、
図8のストローク領域Bに相当する。
【0050】さらに、第2金型14が第1金型24の方
へ移動して、第2金型14が第1金型24に圧接する
と、図5に示すようになり、第1金型24においては、
軸状素材2の一端が成形穴53の成形部59の奥へ押し
込まれ(図15参照)、ノックアウトピン25にまで到
達する。一方、第2金型14においては、軸状素材2の
他端がストッパー15にまで到達した状態を維持しなが
ら、第1金型24の方へ移動し圧接する。尚、この成形
過程は、図8のストローク領域Cに相当する。
【0051】その後に、第2金型14を第1金型24か
ら離間させると、図6に示すようになり、第1金型24
においては、成形穴53に軸状素材2が食いついた状態
となる(図15参照)。一方、第2金型14において
は、成形穴63から軸状素材2の他端が抜き出た状態と
なる(図17参照)。そして、この状態で、ノックアウ
トピン25を作動させると、図7に示すようになり、第
1金型24において、成形穴53から軸状素材2が飛び
出して、インターメディエイト・シャフト2として取り
出される。
【0052】尚、図2の軸状素材2から図7のインター
メディエイト・シャフト2が成形されるまでの成形過程
を上述したように説明できるのは、以下の理由による。
すなわち、図2〜図7で示したように、インターメディ
エイト・シャフト2の一端部分3をセレーション溝部に
成形するとともに、インターメディエイト・シャフト2
の他端部分4の断面を六角形に成形する場合には、軸状
素材2に作用する成形荷重とプレス機のストロークの関
係は図8に示すようになる。
【0053】この点、仮に、インターメディエイト・シ
ャフト2の他端部分4の断面を六角形に成形する一方
で、第1金型24の成形穴53を段差部57のみとし
(図15参照)、インターメディエイト・シャフト2の
一端部分3を軸状素材2のままにする場合には、軸状素
材2に作用する成形荷重とプレス機のストロークの関係
は図9に示すようになる。そして、図8と比べてみる
と、図8のストローク領域Bの成形荷重と図9の成形荷
重とは概ね等しいことがわかる。従って、図8のストロ
ーク領域Bでは、軸状素材(インターメディエイト・シ
ャフト)2の他端部分4の断面を六角形に成形している
ことがわかる。
【0054】また、仮に、インターメディエイト・シャ
フト2の一端部分3をセレーション溝部に成形する一方
で、第2金型14の成形穴63を段差部67のみとし
(図17参照)、インターメディエイト・シャフト2の
他端部分4を軸状素材2のままにする場合には、軸状素
材2に作用する成形荷重とプレス機のストロークの関係
は図10に示すようになる。そして、図8と比べてみる
と、図8のストローク領域Cの成形荷重と図10の成形
荷重とは概ね等しいことがわかる。従って、図8のスト
ローク領域Cでは、軸状素材(インターメディエイト・
シャフト)2の一端部分3をセレーション溝部に成形し
ていることがわかる。
【0055】さらに、図8、図9、図10を比較する
と、図8のストローク領域Aの成形荷重の立ち上がり
が、図9、図10と比べ、なだらかである。従って、図
8のストローク領域Aでは、第1金型24において、軸
状素材2の一端が成形穴53の段差部57から絞部58
へ押し込まれること(図15参照)と、第2金型14に
おいて、軸状素材2の他端が成形穴63の段差部67か
ら絞部68へ押し込まれること(図17参照)とが、同
時に進行していることがわかる。
【0056】以上詳細に説明したように、本実施の形態
において、図1の型組付体1は、第1金型24と第2金
型14とを有するものであって、軸状素材2からインタ
ーメディエイト・シャフト2を成形する際に使用される
ものである。そして、本実施の形態の型組付体1によ
り、軸状素材2からインターメディエイト・シャフト2
をを成形する際には、軸状素材2の一端部分3がセレー
ション溝部が第1金型24で冷間鍛造されるとともに、
その軸状素材2の他端部分4の断面が六角形に第2金型
14で冷間鍛造され、これにより、軸状素材2からイン
ターメディエイト・シャフト2が成形される。このと
き、一端部分3のセレーション溝部と他端部分4の断面
の六角形との間には位相関係が存在するので、その軸状
素材2からインターメディエイト・シャフト2を成形す
る以前において、第1金型24と第2金型14との位相
合わせを行う必要がある。
【0057】そこで、本実施の形態の型組付体1では、
軸状素材2の一端部分3にセレーション溝部を冷間鍛造
するための第1金型24に第1位置決め孔56を設ける
とともに、軸状素材2の他端部分4の断面を六角形に冷
間鍛造するための第2金型14に第2位置決め孔66を
設けており、第1位置決め孔56と第2位置決め孔66
とによって、第1金型24と第2金型14との位相合わ
せが行われる。このとき、位置決めピン34を介して、
第1位置決め孔56と第2位置決め孔66とを組み合わ
せるので(図1参照)、第1金型24と第2金型14と
の位相合わせは直接的に行われる。
【0058】従って、ダイセットの下型プレート21に
対する第1金型24の固設位置の誤差、ダイセットの上
型プレート11に対する第2金型14の固設位置の誤差
などを配慮することなく、第1金型24と第2金型14
との位相合わせやその修正を行うことができる(図1参
照)。
【0059】また、本実施の形態の型組付体1により、
軸状素材2からインターメディエイト・シャフト2を成
形する際には、第1金型24の表側(圧接面)に第2金
型14が圧接するとともに、第2金型14の表側(圧接
面)に第1金型24が圧接するので、第1金型24の表
側(圧接面)と第2金型14の表側(圧接面)とは互い
に対向して圧接する関係にあり、ひいては、第1金型2
4の表側(圧接面)と第2金型14の表側(圧接面)と
は互いに接面する関係にある(図5参照)。従って、本
実施の形態の型組付体1では、軸状素材2からインター
メディエイト・シャフト2を成形する以前において、第
1金型24の表側(圧接面)と第2金型14の表側(圧
接面)とを容易に重ね合わせることができる。
【0060】そこで、本実施の形態の型組付体1では、
軸状素材2からインターメディエイト・シャフト2を成
形する際に互いに対向して圧接する第1金型24の表側
(圧接面)と第2金型14の表側(圧接面)とに対し
て、第1金型24の表側(圧接面)には第1位置決め孔
56を設けるとともに、第2金型14の表側(圧接面)
には第2位置決め孔66を設けており、第1金型24の
表側(圧接面)と第2金型14の表側(圧接面)とを重
ね合わせて、位置決めピン34を介して、第1位置決め
孔56と第2位置決め孔66とを組み合わせることによ
って(図1参照)、第1金型24と第2金型14との位
相合わせが直接的に行われる。このとき、第1金型24
の表側(圧接面)と第2金型14の表側(圧接面)とを
容易に重ね合わせることができるので、第1位置決め孔
56と第2位置決め孔66とを簡便に組み合わせること
ができる。
【0061】また、本実施の形態の型組付体1では、第
1金型24の表側(圧接面)に設けた第1位相合わせ手
段が第1位置決め孔56であるとともに、第2金型14
の表側(圧接面)に設けた第2位相合わせ手段が第2位
置決め孔66であり、第1金型24の表側(圧接面)と
第2金型14の表側(圧接面)とを重ね合わせたとき
に、位置決めピン34の一端部分を第1位置決め孔56
に嵌入させるとともに、その位置決めピン34の他端部
分を第2位置決め孔66に嵌入させて、第1位置決め孔
56と第2位置決め孔66とを簡便に組み合わせること
によって、第1金型24と第2金型14との位相合わせ
が直接的に行われる。このとき、位置決めピン34の両
端部分は、第1位置決め孔56及び第2位置決め孔66
において、遊びのない状態で嵌め入れられているので、
第1金型24と第2金型14との位相合わせは高精度で
行われる。
【0062】また、本実施の形態のシャフトの成形装置
で行われるシャフトの成形方法は、第1金型24と第2
金型14とを圧接させてから離間させることにより、軸
状素材2からインターメディエイト・シャフト2を成形
するものである。そして、本実施の形態のシャフトの成
形装置で行われるシャフトの成形方法により、軸状素材
2からインターメディエイト・シャフト2を成形する際
には、軸状素材2の一端部分3にセレーション溝部が第
1金型24で冷間鍛造されるとともに、その軸状素材2
の他端部分4の断面を六角形に第2金型14で冷間鍛造
され、これにより、その軸状素材2からインターメディ
エイト・シャフト2が成形される。このとき、一端部分
3のセレーション溝部と他端部分4の断面の六角形との
間には位相関係が存在するので、その軸状素材2からイ
ンターメディエイト・シャフト2を成形する以前におい
て、第1金型24と第2金型14との位相合わせを行
い、第1金型24と第2金型14との位相関係を固定す
る必要がある。
【0063】そこで、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、軸状素材2の一
端部分3にセレーション溝部を冷間鍛造するための第1
金型24に第1位置決め孔56を設けるとともに、軸状
素材2の他端部分4の断面を六角形に冷間鍛造するため
の第2金型14に第2位置決め孔66を設けており、第
1位置決め孔56と第2位置決め孔66とによって、第
1金型24と第2金型14との位相合わせが行われた状
態にした後、第1金型24と第2金型14との位相関係
を固定する。このとき、位置決めピン34を介して、第
1位置決め孔56と第2位置決め孔66とを組み合わせ
るので(図1参照)、第1金型24と第2金型14との
位相合わせが直接的に行われた状態にした後で、第1金
型24と第2金型14との位相関係を固定し、その後
に、軸状素材2からインターメディエイト・シャフト2
を成形することが可能となる。
【0064】また、本実施の形態のシャフトの成形装置
で行われるシャフトの成形方法により、軸状素材2から
インターメディエイト・シャフト2を成形する際には、
第1金型24の表側(圧接面)に第2金型14が圧接す
るとともに、第2金型14の表側(圧接面)に第1金型
24が圧接するので、第1金型24の表側(圧接面)と
第2金型14の表側(圧接面)とは互いに対向して圧接
する関係にあり、ひいては、第1金型24の表側(圧接
面)と第2金型14の表側(圧接面)とは互いに接面す
る関係にある(図1参照)。従って、本実施の形態のシ
ャフトの成形装置で行われるシャフトの成形方法では、
軸状素材2からインターメディエイト・シャフト2を成
形する以前において、第1金型24の表側(圧接面)と
第2金型14の表側(圧接面)とを容易に重ね合わせる
ことができる。
【0065】そこで、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、軸状素材2から
インターメディエイト・シャフト2を成形する際に互い
に対向して圧接する第1金型24の表側(圧接面)と第
2金型14の表側(圧接面)とに対して、第1金型24
の表側(圧接面)には第1位置決め孔56を設けるとと
もに、第2金型14の表側(圧接面)には第2位置決め
孔66を設けており、第1金型24の表側(圧接面)と
第2金型14の表側(圧接面)とを重ね合わせて、位置
決めピン34を介して、第1位置決め孔56と第2位置
決め孔66とを組み合わせる(図1参照)。これによっ
て、第1金型24と第2金型14との位相合わせが直接
的に行われた状態にした後、第1金型24と第2金型1
4との位相関係を固定し、その後に、軸状素材2からイ
ンターメディエイト・シャフト2を成形することを可能
とする。このとき、第1金型24の表側(圧接面)と第
2金型14の表側(圧接面)とを容易に重ね合わせるこ
とができるので、第1位置決め孔56と第2位置決め孔
66とを簡便に組み合わせることができる。
【0066】また、本実施の形態のシャフトの成形装置
で行われるシャフトの成形方法では、第1金型24の表
側(圧接面)に設けた第1位相合わせ手段が第1位置決
め孔56であるとともに、第2金型14の表側(圧接
面)に設けた第2位相合わせ手段が第2位置決め孔66
であり、第1金型24の表側(圧接面)と第2金型14
の表側(圧接面)とを重ね合わせたときに、位置決めピ
ン34の一端部分を第1位置決め孔56に嵌入させると
ともに、その位置決めピン34の他端部分を第2位置決
め孔66に嵌入させて、第1位置決め孔56と第2位置
決め孔66とを簡便に組み合わせる。これによって、第
1金型24と第2金型14との位相合わせが直接的に行
われた状態にした後、第1金型24と第2金型14との
位相関係を固定し、その後に、軸状素材2からインター
メディエイト・シャフト2を成形することを可能とす
る。このとき、位置決めピン34の両端部分は、第1位
置決め孔55及び第2位置決め孔56において、遊びの
ない状態で嵌め入れられているので、第1金型24と第
2金型14との位相合わせは高精度で行われる。
【0067】特に、インターメディエイト・シャフト2
が自動車部品として使用されることもあって、インター
メディエイト・シャフト2の一端部分3のセレーション
溝部とその他端部分4の断面の六角形との間の位相関係
に対する精度への要求が厳しい。
【0068】従って、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、インターメディ
エイト・シャフト(軸状素材)2の一端部分3にセレー
ション溝部が冷間鍛造されるので、上述した効果をより
大きく発揮させることができる。
【0069】そして、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、上述したように
して、第1金型24と第2金型14との位相合わせが直
接的に行われた状態にした後で、第1金型24と第2金
型14との位相関係を固定すると、その後に、軸状素材
2の一端を第1金型24の成形穴53に配置し、さら
に、その軸状素材2の他端を第2金型14の成形穴63
に配置し、第1金型24と第2金型14とを圧接、離間
させて、その軸状素材4からインターメディエイト・シ
ャフト2を成形するので(図2〜図7)、第1金型24
の成形穴53及び第2金型14の成形穴63とその軸状
素材2との間の心出しを行う必要がある。
【0070】そこで、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、軸状素材2の一
端を第1金型24の成形穴53の段差部57に緩嵌させ
ることにより(図15参照)、その軸状素材2の一端を
第1金型24の成形穴53に配置し、さらに、その軸状
素材2の他端を第2金型14の成形穴63の段差部67
に緩嵌させることにより(図17参照)、その軸状素材
2の他端を第2金型14の成形穴63に配置する。この
とき、その軸状素材2の一端は第1金型24の成形穴5
3の段差部57にぴったりと嵌まった状態にあり、さら
に、その軸状素材2の他端は第2金型14の成形穴63
の段差部67にぴったりと嵌まった状態にあることか
ら、第1金型24の成形穴53及び第2金型14の成形
穴63とその軸状素材2との間の心出しが精度良く行わ
れるとともに、その軸状素材2を第1金型24の成形穴
53及び第2金型14の成形穴63に対し動かないよう
に配置させることができる。さらに、第1金型24と第
2金型14とを圧接させるために、圧力を加えながら第
1金型24と第2金型14とを近づけても(図2〜図5
参照)、第1金型24の成形穴53及び第2金型14の
成形穴63とその軸状素材4との間で心ずれが生じるこ
とはないので、その軸状素材2が座屈する危険度を助長
させるような事態は起こらない。
【0071】そして、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、第1金型24と
第2金型14とを圧接させるために、圧力を加えながら
第1金型24と第2金型14とを近づけていくと、第1
金型24の成形穴53により、その軸状素材4の一端部
分3がセレーション溝部へと変形するとともに、第2金
型14の成形穴63により、その軸状素材2の他端部分
4の断面が六角形へと変形し、その軸状素材2の軸方向
には、大きな圧縮(成形)荷重が作用することになる。
従って、その軸状素材2の座屈荷重が最も大きくなる条
件において、圧力を加えながら第1金型24と第2金型
14とを近づけていくことが望ましい。
【0072】そこで、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、第1金型24と
第2金型14とを圧接させるために、圧力を加えながら
第1金型24と第2金型14とを近づけていくと、直ぐ
に、その軸状素材2の一端部分3が第1金型24の成形
穴53の絞部58に押し込まれると同時に(図15参
照)、その軸状素材2の他端部分4が第2金型14の成
形穴63の絞部68に押し込まれた状態にし(図17参
照)(図8のストローク領域A)、その軸状素材2の両
端の支持条件を「自由端」から「固定端」にして、その
軸状素材2の座屈荷重が最も大きくなる条件としてい
る。そして、その軸状素材2の座屈荷重が最も大きくな
る条件において、その軸状素材2の一端部分3が第1金
型24の成形穴53の成形部59に押し込まれて(図1
5参照)、その軸状素材2の一端部分3がセレーション
溝部へと変形するとともに(図8のストローク領域
C)、その軸状素材2の他端部分4が第2金型14の成
形穴63の成形部69に押し込まれて(図17参照)、
その軸状素材2の他端部分4の断面が六角形へと変形す
るので(図8のストローク領域B)、その軸状素材2が
座屈する危険度が低減することになる。
【0073】尚、この点を厳密に言えば、本実施の形態
では、軸状素材2の他端部分4が第2金型14の成形穴
63の成形部69に押し込まれて(図17参照)、軸状
素材2の他端部分4の断面が六角形へと変形した後に
(図8のストローク領域B)、軸状素材2の一端部分3
が第1金型24の成形穴53の成形部59に押し込まれ
て(図15参照)、軸状素材2の一端部分3がセレーシ
ョン溝部へと変形する(図8のストローク領域C)。
【0074】しかし、その軸状素材2の座屈荷重が最も
大きくなる条件の下では、その軸状素材2が座屈する危
険度が低減されているので、その軸状素材2の一端部分
3が第1金型24の成形穴53の成形部59に押し込ま
れて(図15参照)、その軸状素材2の一端部分3がセ
レーション溝部へと変形することが(図8のストローク
領域C)、先に行われてもよいし、本実施の形態のよう
に、その軸状素材2の他端部分4が第2金型14の成形
穴63の成形部69に押し込まれて(図17参照)、そ
の軸状素材2の他端部分4の断面が六角形へと変形する
ことが(図8のストローク領域B)、先に行われてもよ
い。
【0075】そして、本実施の形態のシャフトの成形装
置で行われるシャフトの成形方法では、第1金型24と
第2金型14とを圧接させた後に、第1金型24と第2
金型14とを離間させると、その軸状素材2は、第1金
型24の成形穴53に食いついた状態となるので(図6
参照)、第1金型24の成形穴53から、ノックアウト
ピン25により、その軸状素材2を突き出す。このと
き、その軸状素材2には、その一端部分3にセレーショ
ン溝部が冷間鍛造されており、また、その他端部分4の
断面が六角形に冷間鍛造されていることから、一端部分
3がセレーション溝部であり他端部分4の断面が六角形
であるインターメディエイト・シャフト2を、その軸状
素材2から成形することができる。
【0076】そして、インターメディエイト・シャフト
2の鍛造自由形状の領域5(図11参照)は、第1金型
24の成形穴53の絞部58と(図15参照)、第2金
型14の成形穴63の絞部68とに(図17参照)、軸
状素材2の中央部分が押し込まれることによって成形さ
れる。
【0077】尚、本発明は上記実施の形態に限定される
ものでなく、その趣旨を逸脱しない範囲で様々な変更が
可能である。例えば、本実施の形態の型組付体1は、所
謂「ダイセット方式」と呼ばれるタイプの型であり、本
実施の形態のシャフトの成形装置で行われるシャフトの
成形方法では、第1金型24と第2金型14との位相合
わせが直接的に行われた状態にした後で第1金型24と
第2金型14との位相関係を固定することを、所謂「ダ
イセット方式」において行っていた。
【0078】よって、本実施の形態の型組付体1は、以
下の手段により、第1金型24と第2金型14との位相
合わせが直接的に行われるものと言うことができる。す
なわち、本実施の形態の型組付体1は、「一端部分の第
1形状と他端部分の第2形状とに位相関係があるシャフ
トを軸状素材から成形するためのシャフトの成形型であ
って、前記第1形状を冷間鍛造するための第1金型と、
前記第1金型が固設される下型ダイセットと、前記第2
形状を冷間鍛造するための第2金型と、前記第2金型が
固設される上型ダイセットとを有し、前記第1金型を前
記下型ダイセットに固設してから、前記第2金型を前記
上型ダイセットに固設する前に、前記第1金型に設けら
れた第1位相合わせ手段と、前記第2金型に設けられた
第2位相合わせ手段とを組み合わせることによって、前
記第1金型と前記第2金型との位相合わせが行われるこ
と、」を特徴としている。
【0079】また、本実施の形態のシャフトの成形装置
で行われるシャフトの成形方法は、以下の手段により、
第1金型24と第2金型14との位相合わせが直接的に
行われた状態にした後で第1金型24と第2金型14と
の位相関係を固定することを行うものと言うことができ
る。すなわち、本実施の形態のシャフトの成形装置で行
われるシャフトの成形方法は、「第1金型を下型ダイセ
ットに固設するとともに第2金型を上型ダイセットに固
設した後に、前記第1金型の成形穴に軸状素材の一端を
配置するとともに、前記第2金型の成形穴に前記軸状素
材の他端を配置し、前記第1金型と前記第2金型とをプ
レス機で圧接させてから離間させ、前記第1金型の成形
穴又は前記第2金型の成形穴から前記軸状素材を突き出
すことにより、前記軸状素材の一端部分を第1形状に冷
間鍛造するとともに前記軸状素材の他端部分を第2形状
に冷間鍛造して、前記軸状素材からシャフトを成形する
シャフトの成形方法において、前記第1金型を前記下型
ダイセットに固設してから、前記第1金型の圧接面に対
して前記第2金型の圧接面を重ね合わせ、前記第1金型
に設けられた第1位相合わせ手段と前記第2金型に設け
られた第2位相合わせ手段とを組み合わせて、前記第1
金型と前記第2金型との位相合わせをし、その後に前記
第2金型を前記上型ダイセットに固設することにより、
前記第1金型と前記第2金型との位相関係を固定するこ
と、」を特徴としている。
【0080】しかしながら、所謂「プレス直付け方式」
と呼ばれるタイプの型であっても、第1金型と第2金型
との位相合わせが直接的に行われた状態にした後で第1
金型と第2金型との位相関係を固定することを行うこと
は可能である。そこで、所謂「プレス直付け方式」と呼
ばれるタイプの型をシャフトの成形装置に取り付ける方
法について、図18に基づいて説明する。
【0081】図18に示すように、所謂「プレス直付け
方式」と呼ばれるタイプの型をシャフトの成形装置に取
り付けるには、先ず、プレス機のラム101に対して上
型取付プレート102を複数の締付ボルト103で取り
付けるとともに、プレス機のボルスタ104に対して下
型取付プレート105を複数の締付ボルト106で取り
付ける。次に、下型取付プレート105に対して第2金
型107を複数の締付ボルト108で取り付けた後、第
2金型107の成形穴109の側からノックアウトピン
110を取り付ける。尚、第2金型107の成形穴10
9には、軸状素材2の一端が緩嵌される段差部、軸状素
材2の一端部分3をセレーション溝部へと変形させる成
形部、段差部と成形部との間にある絞部が設けられてい
る。
【0082】そして、第2金型107の表側(圧接面)
に対して、第1金型111の表側(圧接面)を重ね合わ
せる。このとき、第2金型107の表側(圧接面)に形
成された四角形の凹部113へ、第1金型111の表側
(圧接面)を嵌入させる(図19、図20参照)。これ
により、第1金型111と第2金型107との位相合わ
せが行われる。次に、第1金型111の成形穴112に
対してストッパー114を取り付けた後、プレス機のラ
ム101をプレス機のボルスタ104の方向に移動させ
て、上型取付プレート102に対して第1金型111を
複数の締付ボルト115で取り付ける。これにより、第
1金型111と第2金型107との位相関係が固定され
る。尚、第1金型111の成形穴112には、軸状素材
2の他端が緩嵌される段差部、軸軸状素材2の他端部分
4の断面を六角形へと変形させる成形部、段差部と成形
部との間にある絞部が設けられている。
【0083】以上より、所謂「プレス直付け方式」と呼
ばれるタイプの型であっても、第2金型107の表側
(圧接面)に形成された四角形の凹部113へ第1金型
111の表側(圧接面)を嵌入させることによって、第
1金型111と第2金型107との位相合わせが直接的
に行われる。また、第1金型111と第2金型107と
の位相合わせが直接的に行われた状態にした後で、第1
金型111と第2金型107との位相関係を固定し、そ
の後に、軸状素材2からインターメディエイト・シャフ
ト2を成形することが可能である。
【0084】尚、所謂「ダイセット方式」と呼ばれるタ
イプの型であろうと、所謂「プレス直付け方式」と呼ば
れるタイプの型であろうとも、第1金型の表側(圧接
面)と第2金型の表側(圧接面)とを重ね合わせたとき
に、第1金型の表側(圧接面)と第2金型の表側(圧接
面)とが、圧接面の段差などで、ぴったり組み合ってず
れないようにすれば、第1金型と第2金型との位相合わ
せを直接的に行こなうことは可能である。
【0085】また、本実施の形態のシャフトの成形装置
では、図1に示すようにして、第1金型24と第2金型
14とをプレス機に固定していたが、第1金型24と第
2金型14の位相関係の固定(位相合わせ)を正確に行
うことが可能ならば、図13に示すようにして、第1金
型24と第2金型14とをプレス機に固定してもよい。
そこで、図13の組付手順について説明すると、先ず、
ダイセットの上型プレート11に対し、位置決めピン3
1と締付ボルト41とを用いて、上型ホルダー13を所
定位置に正確に固設しておく。さらに、ダイセットの下
型プレート21に対し、位置決めピン32と締付ボルト
42とを用いて、下型ホルダー23を所定位置に正確に
固設しておく。
【0086】次に、下型ホルダー23側からノックアウ
トピン25を取付けるとともに、下型ホルダー23にお
いて位置決めピン33を縦立させる。その後は、下型ホ
ルダー23の位置決めピン33を第1金型24の位置決
め孔54(図14参照)に嵌入させながら、下型ホルダ
ー23の上に第1金型24を配置する。そして、第1金
型24のボルト穴55(図14参照)へ締付ボルト43
を挿入してねじ込むことによって、下型ホルダー23に
対し、第1金型24を所定位置に正確に固設する。これ
により、第1金型24は、下型ホルダー23を介して、
ダイセットの下型プレート21に固設される。
【0087】一方、上型ホルダー13においても位置決
めピン34を縦立させる。その後は、上型ホルダー13
の位置決めピン34を第2金型14の位置決め孔(図1
6では図示されていないもの)に嵌入させながら、上型
ホルダー13の上に第2金型14を配置する。そして、
第2金型14のボルト穴(図16では図示されていない
もの)へ締付ボルト45を挿入してねじ込むことによっ
て、上型ホルダー13に対し、第2金型14を所定位置
に正確に固設する。これにより、第2金型14は、上型
ホルダー13を介して、ダイセットの上型プレート11
に固設される。以上より、第1金型24と第2金型14
の位相関係の固定(位相合わせ)を正確に行いながら、
第1金型24と第2金型14とをプレス機に固定させ
る。
【0088】また、本実施の形態では、インターメディ
エイト・シャフト(軸状素材)2の一端部分3にセレー
ション溝部を冷間鍛造するとともに、インターメディエ
イト・シャフト(軸状素材)2の他端部分4の断面を六
角形に冷間鍛造していたが、それとは逆に、インターメ
ディエイト・シャフト(軸状素材)2の一端部分3の断
面を六角形に冷間鍛造するとともに、インターメディエ
イト・シャフト(軸状素材)2の他端部分4にセレーシ
ョン溝部を冷間鍛造してもよい。
【0089】また、本実施の形態では、インターメディ
エイト・シャフト(軸状素材)2の一端部分3にセレー
ション溝部を冷間鍛造していたが、スプライン溝部を冷
間鍛造してもよい。また、インターメディエイト・シャ
フト(軸状素材)2の他端部分4の断面を六角形に冷間
鍛造していたが、その他の多角形、楕円形などに冷間鍛
造してもよい。さらに、インターメディエイト・シャフ
ト(軸状素材)2の一端部分3と他端部分4の両方に、
セレーション溝部やスプライン溝部を冷間鍛造してもよ
いし、多角形、楕円形などの断面に冷間鍛造してもよ
い。
【0090】
【発明の効果】本発明のシャフトの成形型では、第1金
型に設けた第1位相合わせ手段と第2金型に設けた第2
位相合わせ手段とを組み合わせることによって、第1金
型と第2金型との位相合わせが行われるので、第1金型
と第2金型との位相合わせを直接的に行うことができ
る。
【0091】また、シャフトの成形方法では、第1金型
に設けた第1位相合わせ手段と第2金型に設けた第2位
相合わせ手段とを組み合わせることによって、第1金型
と第2金型との位相合わせが行われるので、第1金型と
第2金型との位相合わせが直接的に行われた状態にした
後で、第1金型と第2金型との位相関係を固定し、その
後に、軸状素材からシャフトを成形することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1金型と第2金型の位相合わせ及び位相関係
の固定の方法を示した概念図である。
【図2】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図3】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図4】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図5】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図6】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図7】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の成形過程の1つを示した概念図で
ある。
【図8】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の、軸状素材に作用する成形荷重と
プレス機のストロークの関係を示した図である。
【図9】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷間
鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角形
に冷間鍛造する場合の、軸状素材に作用する成形荷重と
プレス機のストロークの関係を示した図である。
【図10】軸状素材の一端部分をセレーション溝部に冷
間鍛造するとともに、軸状素材の他端部分の断面を六角
形に冷間鍛造する場合の、軸状素材に作用する成形荷重
とプレス機のストロークの関係を示した図である。
【図11】インターメディエイト・シャフトの正面図で
ある。
【図12】インターメディエイト・シャフトの側面図で
ある。
【図13】第1金型と第2金型の位相合わせ及び位相関
係の固定の方法を示した概念図である。
【図14】第1金型の正面図である。
【図15】第1金型の成形穴の部分断面図である
【図16】第2金型の正面図である。
【図17】第2金型の成形穴の部分断面図である
【図18】第1金型と第2金型の位相合わせ及び位相関
係の固定の方法の、その他の一例を示した概念図であ
る。
【図19】図18の第1金型の正面図である。
【図20】図18の第2金型の正面図である。
【符号の説明】
1 型組付体 2 インターメディエイト・シャフト(軸状素材) 3 インターメディエイト・シャフト(軸状素材)の一
端部分 4 インターメディエイト・シャフト(軸状素材)の他
端部分 11 ダイセットの上型プレート 21 ダイセットの下型プレート 14 第2金型 24 第1金型 34 位置決めピン 53 第1金型の成形穴 56 第1金型の位置決め孔 57 第1金型の成形穴の段差部 58 第1金型の成形穴の絞部 59 第1金型の成形穴の成形部 63 第2金型の成形穴 66 第2金型の位置決め孔 67 第2金型の成形穴の段差部 68 第2金型の成形穴の絞部 69 第2金型の成形穴の成形部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 岩井 昭男 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属株式会社内 (72)発明者 吉田 朋夫 富山県新湊市奈呉の江12番地の3 アイシ ン軽金属株式会社内 Fターム(参考) 4E087 AA10 BA04 CA12 CA19 CB03 EA12 EC01 ED22 EE02 HA01 HA31 HA82

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一端部分の第1形状と他端部分の第2形
    状とに位相関係があるシャフトを軸状素材から成形する
    ためのシャフトの成形型であって、 前記第1形状を冷間鍛造するための第1金型と、 前記第2形状を冷間鍛造するための第2金型とを有し、 前記第1金型に設けられた第1位相合わせ手段と、前記
    第2金型に設けられた第2位相合わせ手段とを組み合わ
    せることによって、前記第1金型と前記第2金型との位
    相合わせが行われること、 を特徴とするシャフトの成形型。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載するシャフトの成形型に
    おいて、 前記軸状素材から前記シャフトを成形する際に前記第2
    金型が圧接する前記第1金型の圧接面に対し前記第1位
    相合わせ手段を設けるとともに、前記軸状素材から前記
    シャフトを成形する際に前記第1金型が圧接する前記第
    2金型の圧接面に対し前記第2位相合わせ手段を設けた
    こと、 を特徴とするシャフトの成形型。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載するシャフトの成形型に
    おいて、 前記第1位相合わせ手段として第1位置決め孔を前記第
    1金型の圧接面に設けるとともに、前記第2位相合わせ
    手段として第2位置決め孔を前記第2金型の圧接面に設
    け、 位置決めピンの一端部分を前記第1位置決め孔に嵌入さ
    せるとともに、前記位置決めピンの他端部分を前記第2
    位置決め孔に嵌入させることによって、前記第1位置決
    め孔と前記第2位置決め孔とを組み合わせること、 を特徴とするシャフトの成形型。
  4. 【請求項4】 第1金型と前記第1金型に対向する第2
    金型との位相関係を固定した下で、前記第1金型の成形
    穴に軸状素材の一端を配置するとともに、前記第2金型
    の成形穴に前記軸状素材の他端を配置し、前記第1金型
    と前記第2金型とを圧接させてから離間させ、前記第1
    金型の成形穴又は前記第2金型の成形穴から前記軸状素
    材を突き出すことにより、前記軸状素材の一端部分を第
    1形状に冷間鍛造するとともに前記軸状素材の他端部分
    を第2形状に冷間鍛造して、前記軸状素材からシャフト
    を成形するシャフトの成形方法において、 前記第1金型に設けられた第1位相合わせ手段と、前記
    第2金型に設けられた第2位相合わせ手段とを組み合わ
    せることによって、前記第1金型と前記第2金型との位
    相合わせが行われた状態にした後、前記第1金型と前記
    第2金型との位相関係を固定すること、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載するシャフトの成形方法
    において、 前記第2金型が圧接する前記第1金型の圧接面に対し前
    記第1位相合わせ手段を設けるとともに、前記第1金型
    が圧接する前記第2金型の圧接面に対し前記第2位相合
    わせ手段を設けたこと、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載するシャフトの成形方法
    において、 前記第1位相合わせ手段として第1位置決め孔を前記第
    1金型の圧接面に設けるとともに、前記第2位相合わせ
    手段として第2位置決め孔を前記第2金型の圧接面に設
    け、 位置決めピンの一端部分を前記第1位置決め孔に嵌入さ
    せるとともに、前記位置決めピンの他端部分を前記第2
    位置決め孔に嵌入させることによって、前記第1位置決
    め孔と前記第2位置決め孔とを組み合わせること、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  7. 【請求項7】 請求項4乃至請求項6のいずれか1つに
    記載するシャフトの成形方法において、 前記軸状素材の一端部分に冷間鍛造される第1形状がス
    プライン溝部又はセレーション溝部であること、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  8. 【請求項8】 請求項4乃至請求項6のいずれか1つに
    記載するシャフトの成形方法において、 前記軸状素材の他端部分に冷間鍛造される第2形状がス
    プライン溝部又はセレーション溝部であること、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  9. 【請求項9】 請求項4乃至請求項8のいずれか1つに
    記載するシャフトの成形方法において、 前記軸状素材の一端を前記第1金型の成形穴の段差部に
    緩嵌させることにより、前記軸状素材の一端を前記第1
    金型の成形穴に配置するとともに、前記軸状素材の他端
    を第2金型の成形穴の段差部に緩嵌させることにより、
    前記軸状素材の他端を前記第2金型の成形穴に配置する
    こと、 を特徴とするシャフトの成形方法。
  10. 【請求項10】 請求項4乃至請求項9のいずれか1つ
    に記載するシャフトの成形方法において、 前記第1金型と前記第2金型とを圧接させた際には、前
    記軸状素材の一端部分が前記第1金型の成形穴の絞部に
    押し込まれると同時に前記軸状素材の他端部分が前記第
    2金型の成形穴の絞部に押し込まれる状態を経由して、
    前記軸状素材の一端部分が前記第1金型の成形穴の成形
    部に押し込まれ、前記軸状素材の他端部分が前記第2金
    型の成形穴の成形部に押し込まれること、 を特徴とするシャフトの成形方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003120006A (ja) * 2001-10-05 2003-04-23 Nippon Steel Metal Prod Co Ltd フリーアクセスフロアパネル支持脚
CN102240733A (zh) * 2011-05-09 2011-11-16 徐州广厦机电科技制造厂 电动三轮车差速器空心半轴的车轮联接轴头冷压模
JP2018030385A (ja) * 2016-08-22 2018-03-01 アイシン精機株式会社 車両のステアリング装置
CN118455447A (zh) * 2024-07-09 2024-08-09 江苏南洋中京科技有限公司 中间轴类锻件制造成型装置

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