JP2001237507A - 高誘電率複合材料及びそれを用いたプリント配線板並びに多層プリント配線板 - Google Patents

高誘電率複合材料及びそれを用いたプリント配線板並びに多層プリント配線板

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JP2001237507A
JP2001237507A JP2000047236A JP2000047236A JP2001237507A JP 2001237507 A JP2001237507 A JP 2001237507A JP 2000047236 A JP2000047236 A JP 2000047236A JP 2000047236 A JP2000047236 A JP 2000047236A JP 2001237507 A JP2001237507 A JP 2001237507A
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dielectric
dielectric constant
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English (en)
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Yasuhiko Inui
靖彦 乾
Toshifumi Kojima
敏文 小嶋
Masahiko Okuyama
雅彦 奥山
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Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 優れた耐熱衝撃性と十分な誘電率を兼備した
高誘電率複合材料及びそれを用いたプリント配線板及び
多層プリント配線板を安価に提供すること。 【構成】 以下の(a)乃至(d)の構成を具備するこ
とを特徴とする高誘電率複合材料を用いる。 (a)熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとを少なくとも含
む。 (b)該誘電体フィラーが2種の平均長径を有する。 (c)該高誘電率複合材料のラップ研磨面に露出する大
きい平均長径を有する誘電体フィラーの粒子形状が、略
三角状及び略長方形状を主体とする。 (d)該高誘電率複合材料100体積%中に含まれる該
誘電体フィラーが65〜90体積%である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、プリント配線板に用い
る高誘電率複合材料に関する。ICパッケージ、モジュ
ール基板、電子部品等に一体化した高誘電体層を形成す
るのに好適である。特には、多層型のプリント配線板の
内層キャパシタ層を形成するのに好適である。
【0002】
【従来の技術】IC(集積回路)のデーターエラーの原
因の一つとして、電気的雑音の影響の問題がある。電気
的雑音の影響を抑えるために、プリント配線板に容量の
大きなキャパシタを設けて電気的雑音(特に高周波雑
音)を取り除く方法が知られている。
【0003】プリント配線板にキャパシタを設ける方法
として、チップコンデンサ等の外部キャパシタをプリン
ト配線板に取り付ける方法の他、誘電体フィラーをプリ
ント配線板の内層に用いてプリント配線板自体にキャパ
シタの機能を持たせる方法がある。近年の電子製品の小
型化を考慮すると、誘電体フィラーを内層に用いてキャ
パシタにする後者の方法が望ましい。
【0004】熱可塑性樹脂と誘電体フィラーとを混合し
た複合材料を内層キャパシタに用いたプリント配線板が
特開平5−57851号公報、特開平5−57852号
公報に開示されている。また、熱硬化性樹脂と誘電体フ
ィラーとを混合した複合材料を内層キャパシタに用いた
プリント配線板が特開平7−9609号公報に開示され
ている。
【0005】しかし、従来の熱可塑性樹脂または熱硬化
性樹脂と誘電体フィラーとを混合した複合材料系で得ら
れる内層キャパシタの誘電率の値は20未満(6〜1
6)と低い問題があった。単に誘電体フィラーの添加量
を増やすだけでは、十分な誘電率(10以上、望ましく
は60以上、更に望ましくは100以上)に上げるのは
困難であった。
【0006】上記の複合材料系の誘電率が上がらないの
は、Newnham等の論文(R.E.Newnham
et.al.,Mat.Res.Bull.vol1
3,p.525〜536.,1978.)に記載されて
いる理由によると考えられる。すなわち、樹脂中に誘電
体フィラーが分散している複合材料を等価回路で考えた
とき、誘電体フィラーの容量成分と誘電体フィラー間を
埋める樹脂成分の容量成分が直列的につながった、いわ
ゆる「直列モデル」回路に近くなる。したがって、複合
材料系としての誘電率は、樹脂成分の誘電率に大きく影
響されるため、いくら高い静電容量を持った誘電体フィ
ラーを多量に添加してもあまり効果が無いものと思われ
る。
【0007】複合材料の誘電率を上げるには、誘電体フ
ィラーの容量成分と誘電体フィラー間を埋める樹脂成分
の容量成分が並列的につながった、いわゆる「並列モデ
ル」回路に近づければ良いが、単に添加量や誘電体フィ
ラーの粒子径等を変更するだけでは十分な効果は得られ
なかった。そこで、用いる誘電体フィラーとして、2種
以上の粒度分布、すなわち、2種以上の平均粒径を有す
る粉末を用いて高充填化する方法が、特開昭53−88
198号公報に開示されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、熱硬化性樹脂
と誘電体フィラーとを少なくとも含む高誘電率複合材料
を用いてプリント配線板に内層キャパシタを形成した場
合、耐熱衝撃試験において誘電体層にクラックが発生す
る問題がある。この問題は、特に多層プリント配線板を
形成した場合において顕在化する。本発明は、優れた耐
熱衝撃性と、十分な誘電率を兼備した高誘電率複合材料
及びそれを用いたプリント配線板及び多層プリント配線
板を安価に提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、以下
の(a)乃至(e)の構成を具備することで耐熱衝撃性
を向上した高誘電率複合材料を要旨とする。各構成要件
について、以下に分説する。
【0010】(a)熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとを
少なくとも含むこと。熱硬化性樹脂と誘電体フィラーを
ベースとした高誘電率複合材料とすることで、プリント
配線板上での誘電体層の形成を容易に行うことができ
る。得られた誘電体層は熱硬化されているため、熱可塑
性樹脂を用いた場合のようにハンダリフロー(最高温度
260℃以上)時の熱変形等の問題が発生することはな
い。高誘電率複合材料を用いて誘電体層を形成するに
は、シート状にしてラミネートしたり、ワニス状にして
スクリーン印刷したりといった公知の形成方法を用いる
ことができる。
【0011】前記熱硬化性樹脂の硬化収縮率が3〜20
%であるとよい。硬化収縮の大きな樹脂を用いて誘電体
フィラー同士を強制的に接触し合うようにすると、三次
元的に連続な高誘電体成分が形成される。この状態の等
価回路は、従来の「直列モデル」から理想的な「並列モ
デル」に近づき、よって複合材料全体の誘電率は上昇す
るものと推察される。
【0012】熱硬化性樹脂の硬化収縮率は3〜20%の
範囲であればよいが、好ましくは3〜10%、特には3
〜7%である。熱衝撃試験後の誘電体層の容量値の変化
率を小さく抑えることができるからである。熱硬化性樹
脂の硬化収縮率を所定の範囲に設定することで、誘電体
フィラーに圧縮応力がかかって誘電体フィラー間の接触
状態が良好に保たれるとともに、誘電体層自体の熱応力
に対する耐久性(特には、耐熱衝撃性)を高めることが
できる。
【0013】(b)誘電体フィラーが2種の平均長径を
有すること。2種の平均長径を有する、いわゆる「バイ
モーダル」の誘電体フィラーを用いることで、高誘電率
複合材料中の誘電体フィラーの充填量及び充填密度を効
果的に向上できる。その結果、誘電体フィラー同士の接
触状態が良好になり、誘電率εを高くすることができ
る。ここにいう「平均長径」の測定は、高誘電率複合材
料のラップ断面(いわゆる鏡面研磨面)の組織観察する
のがよい。例えば、倍率500倍のSEM像を撮影した
写真を用いて確認するのが簡便でよい。長径は、一つの
誘電体フィラー粒子の最も離れた2点間を直線で結び、
その長さを採るのがよい。上記のSEM像の写真1枚あ
たりから任意に10の誘電体フィラー粒子を抽出し、そ
の平均値を採る。一つの試料については、少なくとも3
個所以上の場所について同様の作業を行い、その総合平
均値を誘電体フィラー粒子の平均長径として採る。
【0014】(c)高誘電率複合材料のラップ研磨面に
露出する大きい平均長径を有する誘電体フィラーの粒子
形状が、略三角状及び略長方形状を主体とすること。大
きい平均長径を持つ誘電体フィラーの形状を略三角状及
び略長方形状を主体とすることで、球状粒子を用いるこ
となく高誘電率複合材料中の誘電体フィラーの充填状態
を良好にすることができる。更に、小さい平均長径の誘
電体フィラーが、大きい誘電体フィラーの隙間に充填さ
れることにより、さらなる充填量及び粒子同士の接触性
の向上が可能となる。その結果、それまで独立で存在し
ていた誘電体フィラーの接触性も向上し、誘電率εが更
に向上できる。「主体とする」であるから、他の不定形
状の誘電体フィラーとの混合物になっていてもよい。小
さい平均長径の誘電体フィラーは特には限定されない
が、略球状であることが充填性及び誘電特性の向上のた
めに特に好ましいが、他に不定形状、或いはこれらの混
合物であってもよい。
【0015】略三角状及び略長方形状の誘電体フィラー
粒子の平均長径の関係としては、(略三角状粒子の平均
長径≧略長方形状粒子の平均長径)の関係になるように
調整するのがよい。特には、(略三角状粒子の平均長径
>略長方形状粒子の平均長径)の関係になるように調整
するのがよい。小さい平均長径の誘電体フィラーが、大
きい平均長径の誘電体フィラーの隙間により容易に充填
されることにより、充填量及び粒子同士の接触性の向上
が更に良好にできるからである。ここにいう「平均長
径」の測定は、高誘電率複合材料のラップ断面(いわゆ
る鏡面研磨面)の組織観察するのがよい。例えば、倍率
500倍のSEM像を撮影した写真を用いて確認するの
が簡便でよい。長径は、一つの誘電体フィラー粒子の最
も離れた2点間を直線で結び、その長さを採るのがよ
い。上記のSEM像の写真1枚あたりから任意に10の
誘電体フィラー粒子を抽出し、その平均値を採る。一つ
の試料については、少なくとも3個所以上の場所につい
て同様の作業を行い、その総合平均値を誘電体フィラー
粒子の平均長径として採る。
【0016】本発明において「略三角状」とは、高誘電
率複合材料のラップ研磨面に露出する大きい平均長径を
有する誘電体フィラーの粒子形状を、電子顕微鏡や光学
顕微鏡観察下で三角形と認識できる形状のことをいう。
また、「略長方形状」とは、高誘電率複合材料のラップ
研磨面に露出する大きい平均長径を有する誘電体フィラ
ーの粒子形状を、電子顕微鏡や光学顕微鏡観察下で長方
形と認識できる形状のことをいう。ここにいう「長方形
と認識できる」とは、正長方形状のみならず、菱形状、
平行四辺形状になっているものも含む概念である。
【0017】ここにいう「認識できる」とは、必ずしも
厳密な三角形や長方形ではなくても、第三者がその輪郭
形状を社会通念上分類するとすれば、三角形及び長方形
と判断できるものであればよいことを示す。例えば、厳
密に角部の数が3つ及び4つで無くても、第三者が分類
上、三角形及び長方形と判断できるものであればよい。
また、辺に凹凸や多少の湾曲を有する形状や、角部を丸
く面取りした形状であってもよい。つまり、辺の一部を
観察すれば厳密には三角形及び長方形ではないが、全体
として観察した場合に三角形及び長方形と分類認識され
るものであればよい。必ずしも正三角形や正長方形でな
くてもよい。
【0018】図1は高誘電率複合材料のラップ断面の具
体例(実施例9)のSEM写真像である。図2は図1の
SEM写真像を模式的に表わした説明図である。図2
中、30a〜30jは略三角状の誘電体フィラーの粒子
を示し、40a〜40gは略長方形状の誘電体フィラー
の粒子を示す。ここに例示するように、各粒子は必ずし
も厳密な三角形及び長方形ではないが、第三者がその輪
郭形状を社会通念上分類するとすれば、三角形及び長方
形と判断できるものであることがわかる。
【0019】(d)該高誘電率複合材料100体積%中
に含まれる該誘電体フィラーが65〜90体積%である
こと。誘電体フィラーの添加量は、高誘電率複合材料全
体(100体積%)の65〜90体積%がよい。かかる
範囲に規定する理由は以下のようである。誘電体フィラ
ーの添加量が65体積%以上であれば、誘電体フィラー
同士の接触性が向上して、従来の直列モデルから理想的
な並列モデルに近づくため、誘電率εが急激に上昇する
からである。一方、90体積%以上では高誘電率複合材
料の成形性が悪くなり、ボイドやクラックが発生しやす
くなってしまうので好ましくない。
【0020】請求項1の発明は、大きい平均粒子径を有
する誘電体フィラーの平均長径と、小さい平均長径を有
する誘電体フィラーの平均長径とを所定の範囲に特定し
た高誘電率複合材料であるとよい。
【0021】大きいフィラーの平均長径は5〜50μm
で、最大長径が80μm以下であり、小さいフィラーの
平均長径は0.5〜3μmであるとよい。この範囲以外
であると、樹脂混連の際に増粘してしまい、誘電体フィ
ラーの高充填が難しくなるからである。すなわち、平均
長径の差は最小でも1μm以上必要であるとよい。
【0022】大きいフィラーの平均長径が50μm以上
で最大が80μmを越えると内層キャパシタとしてシー
ト状に形成するときの成形性が悪くなり、ボイドが発生
してしまう。また、小さいフィラーの平均長径が0.5
μm以下であると、樹脂混連の際に増粘してしまい、誘
電体フィラーの高充填が難しくなる。
【0023】高誘電率複合材料100質量%中に含まれ
る大きい平均粒子径を有する誘電体フィラーと、小さい
平均粒子径を有する誘電体フィラーの各配合率の関係を
特定した高誘電率複合材料であると尚よい。各誘電体フ
ィラーの配合率としては、大きい平均粒子径を有する誘
電体フィラーが80〜95質量%、小さい平均粒子径を
有する誘電体フィラーが5〜20質量%がよい。この範
囲外では、大きい誘電体フィラーの隙間を小さい誘電体
フィラーが充分に埋めることができず、高充填化できな
いからである。また、小さい誘電体フィラー所定の範囲
よりも多いと、増粘により高充填できない。
【0024】請求項2の発明は、前記熱硬化性樹脂の硬
化収縮率が3〜20%である高誘電率複合材料を要旨と
する。用いる熱硬化性樹脂の硬化収縮率を所定の範囲に
規定することにより高誘電率複合材料の誘電率が上昇す
る理由の詳細は不明であるが、熱硬化性樹脂の硬化収縮
により高誘電率複合材料に含まれる高誘電率フィラー同
士が強制的に接触し合うためと推察される。硬化収縮の
大きな樹脂を用いて誘電体フィラー同士を強制的に接触
し合うようにすると、三次元的に連続な高誘電体成分が
形成される。この状態の等価回路は、従来の「直列モデ
ル」から理想的な「並列モデル」に近づき、よって複合
材料全体の誘電率は上昇するものと推察される。
【0025】熱硬化性樹脂の硬化収縮率は3〜20%の
範囲であればよいが、好ましくは3〜10%、特には3
〜7%である。熱衝撃試験後の誘電体層の容量値の変化
率を小さく抑えることができるからである。熱硬化性樹
脂の硬化収縮率を所定の範囲に設定することで、誘電体
フィラーに圧縮応力がかかって誘電体フィラー間の接触
状態が良好に保たれるとともに、誘電体層自体の熱応力
に対する耐久性(特には、耐熱衝撃性)を高めることが
できる。一方、熱硬化性樹脂の硬化収縮率が範囲外にな
ると、誘電体層の信頼性が低下する傾向である。硬化収
縮率が3%以下であると、高誘電率フィラー同士を引き
寄せて連続的に接触させる力が小さいため高誘電率フィ
ラー同士の接触が少なくなり、複合材料の誘電率が小さ
くなる。硬化収縮率が20%以上であると熱硬化時に発
生する内部応力が大きくなり、複合材料にクラックが発
生することがある。
【0026】ここにいう「硬化収縮率」とは、以下の方
法により求めたものをいう。すなわち、型(φ83mm
のテフロン製シャーレ)に熱硬化性樹脂単体を流し込
み、150℃×5時間の条件にて加熱硬化させ、得られ
た硬化体の寸法と型の寸法から以下の数式1を用いて算
出する。
【0027】
【数1】硬化収縮率={1−(硬化後の樹脂寸法/型寸
法)}×100(%)
【0028】請求項3の発明は、以上説明した高誘電率
複合材料からなる誘電体層を有するプリント配線板を要
旨とする。高性能な誘電体層を容易に内蔵可能である。
コンデンサ内蔵配線基板を得るのに好適である。
【0029】高性能な誘電体層を内層キャパシタ等に用
いれば、プリント配線板の小型化、高性能化を図ること
ができる。係るプリント配線板は、ICパッケージ、高
周波用途のモジュール基板、電子部品等に適用可能であ
る。特には、電気的雑音(高周波雑音等)の影響を受け
やすい用途に好適である。
【0030】具体的な構成としては、例えば図3及び図
4の構造が挙げられる。図3は樹脂層3及び樹脂層4で
誘電体層2を挟んだラミネート法の例である。誘電体層
2を第1キャパシタ用配線層6及び第2キャパシタ用配
線層7で挟んだ部分がキャパシタを構成している。ま
た、図4はコア基板8の上に誘電体層18を形成した例
である。誘電体層18を第1キャパシタ用配線層17及
び第2キャパシタ用配線層20で挟んだ部分がキャパシ
タを構成している。
【0031】本発明は図3及び図4に示す具体的構成や
製造方法にのみ限定されるものではなく、内層キャパシ
タとしての機能を有効に発揮できる構成であればよい。
プリント配線板の構成は、片面のみに形成する型でも両
面に形成する型でも利用できる。必要に応じて感光性の
永久レジストを保護膜として形成するのがよい。
【0032】請求項4の発明は、以上説明した高誘電率
複合材料からなる誘電体層を有する多層プリント配線板
を要旨とする。高性能な誘電体層を容易に内蔵可能であ
るとともに、高密度配線化及び高容量化に対応したコン
デンサ内蔵配線基板を得るのに好適である。特には、層
間接続用のビアホールやスルーホールをレーザーを用い
て多層プリント配線板を形成する場合(いわゆるレーザ
ービアプロセス)に好適である。高誘電率複合材料に用
いる熱硬化性樹脂に感光性を持たせる必要がないので、
プレッシャークッカーバイアス試験等に対して高い信頼
性を得ることができるからである。
【0033】高性能な誘電体層を多層化技術を用いて内
層キャパシタ等として内蔵すれば、プリント配線板のよ
り一層の小型化、高性能化を図ることができる。係るプ
リント配線板は、多層ICパッケージ、高周波用途の多
層モジュール基板、多層電子部品等に適用可能である。
特には、電気的雑音(高周波雑音等)の影響を受けやす
い用途に好適である。
【0034】具体的な構成としては、例えば図5及び図
6の構造が挙げられる。図5はビルドアップ法の一例を
示す。スルーホール内を充填材9で充填したコア基板8
上に第1樹脂絶縁層10を形成し、フォトリソグラフィ
技術とメッキ技術を用いて第1ビア配線層11及び第1
キャパシタ用配線層12を形成する。次いで高誘電体層
13を形成し、その上にレーザービア技術とメッキ技術
を用いて第2ビア配線層14及び第2キャパシタ用配線
層15を形成する。更にその上に第2樹脂絶縁層16を
形成する。図6もビルドアップ法による例である。スル
ーホール内を充填材9で充填したコア基板8上にフォト
リソグラフィ技術とメッキ技術を用いて第1キャパシタ
用配線層17を形成する。次いで高誘電体層18を形成
し、その上にレーザービア技術とメッキ技術を用いて第
2ビア配線層19及び第2キャパシタ用配線層20を形
成する。更にその上に樹脂絶縁層21を形成する。
【0035】本発明は図5及び図6に示す具体的構成や
製造方法にのみ限定されるものではなく、内層キャパシ
タとしての機能を有効に発揮できる構成であればよい。
多層プリント配線板の構成は、片面積層型でも両面積層
型でも利用できる。多層化には、ラミネート法、ビルド
アップ法等の公知技術を用いて形成できる。必要に応じ
て感光性の永久レジストを保護膜として形成するのがよ
い。
【0036】
【実施例】(1)高誘電率複合材料の作製 樹脂及び誘電体フィラーを、表1に示す混合比で混合
し、3本ロールミルにて混練を行い、高誘電率複合材料
を作製する。用いる樹脂及び誘電体フィラーの詳細を以
下に示す。尚、「バイモーダル」は誘電体フィラーが2
種の平均粒子径を有する実施例の場合をいい、一方、
「シングルモード」は誘電体フィラーが単一の平均粒子
径を有する比較例の場合をいう。
【0037】表1中の表記において、 樹脂A;エポキシ樹脂(油化シェル製、YL983U)95質量% イミダゾール系硬化剤(四国化成製、2E4MZ−CN)5質量% 樹脂B;エポキシ樹脂(油化シェル製、E−828)100質量% イミダゾール系硬化剤(四国化成製、2E4MZ−CN)5質量% 酸無水物硬化剤(日本化薬製、カヤハードMCD)85質量% 樹脂C;エポキシ樹脂(油化シェル製、E−828)100質量% 酸無水物硬化剤(日本化薬製、カヤハードMCD)85質量% トリフェニルフォスフィン 1質量% フィラー:チタン酸バリウム(焼結体後、粉砕、分級したもの) バイモーダル:20μm(90質量%)+2μm(10質量%) シングルモード:20μm である。
【0038】これら樹脂成分の硬化収縮率は、以下の方
法により求める。すなわち、型(φ83mmのテフロン
シャーレ)に上記樹脂成分を流し込み、150℃×5時
間の条件にて加熱硬化させ、得られた硬化体の寸法と金
型の寸法から前記の数式1を用いて算出する。これら樹
脂成分の硬化収縮率は、樹脂Aでは6.4%、樹脂Bで
は2.5%、樹脂Cでは1.0%である。
【0039】(2)高誘電率複合材料の硬化体の誘電率
の測定 厚み0.8mmの銅基板上に(1)で作製した高誘電率
複合材料を厚さ300μmに塗布し、150℃×5時間
で硬化させ、高誘電率複合材料の硬化体を作製する。上
記硬化体の1MHzにおける誘電率をインピーダンスア
ナライザ(ヒューレットパッカード製、HP4194
A)を用いて、JIS K 6911に準じて測定す
る。結果を表1に示す。
【0040】(3)耐熱衝撃試験 上記(2)で誘電率を測定した試料をタバイエスペック
製熱衝撃試験機に入れ、−55〜+125℃の条件で1
000サイクル行う。試験終了後の試料を再び上記
(2)と同じ条件で誘電率を測定し、その変化率を求め
た。結果を表1に併記する。
【0041】
【表1】
【0042】表1の結果より、本発明によれば、誘電率
が8から180までの広い範囲の高誘電率複合材料が得
られることがわかる。誘電体フィラーの含有量を65体
積%以上にすることで、誘電率が50以上の優れた高誘
電率複合材料が得られることがわかる。特に、誘電体フ
ィラーの含有量を70体積%以上にすることで、誘電率
が90以上の極めて優れた高誘電率複合材料が得られる
ことがわかる。
【0043】表1の結果より、本発明によれば、広い範
囲の誘電率を有する高誘電率複合材料が得られることが
わかる。誘電体フィラーの含有量を65体積%以上にす
ることで、誘電率が50以上の優れた高誘電率複合材料
が得られることがわかる。特に、誘電体フィラーの含有
量を70体積%以上にすることで、誘電率が85以上の
極めて優れた高誘電率複合材料が得られることがわか
る。図7に試料番号1〜試料番号9までの誘電体フィラ
ーの含有量に対する誘電率εの変化を表わすグラフを示
す。誘電体フィラーの含有量が65質量%を越えると、
誘電率εが急激に上昇することがわかる。
【0044】表1の結果より、熱硬化性樹脂の硬化収縮
率が3%未満では、熱衝撃試験後の変化率が大きくなる
ことがわかる。熱硬化性樹脂の硬化収縮率を3%以上に
設定することで、誘電体フィラーに圧縮応力がかかるこ
とで、誘電体フィラー間の接触状態が良好に保たれると
ともに、誘電体層自体が熱応力に対して耐久性が高まっ
ていることがわかる。
【0045】
【発明の効果】本発明の高誘電率複合材料は、熱硬化性
樹脂と高誘電率粒子との混合物を主成分としながらも高
い誘電率を発現できる。係る高誘電率複合材料からなる
高誘電率層は、MPU用プラスチック製ICパッケージ
等で問題となる電気的雑音(特に高周波雑音)を除去す
る為の、内層キャパシタとして用いることができる。係
る高性能な高誘電率層を内層キャパシタ等に用いたプリ
ント配線板は、小型化、高性能化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例9の高誘電率複合材料のラップ研磨面の
SEM写真像。
【図2】実施例9の高誘電率複合材料のラップ研磨面の
SEM写真像の説明図。
【図3】誘電体層を有するプリント配線板の一実施例の
構造図。
【図4】誘電体層を有するプリント配線板の一実施例の
構造図。
【図5】誘電体層を有する多層プリント配線板の一実施
例の構造図。
【図6】誘電体層を有する多層プリント配線板の一実施
例の構造図。
【図7】誘電体フィラーの含有量に対する誘電率εの変
化を示すグラフ。
【符号の説明】
1 多層プリント配線板 2 高誘電体層 3 樹脂絶縁層 4 樹脂絶縁層 5 銅配線層 6 キャパシタ用銅配線層 7 キャパシタ用銅配線層 30 略三角状の誘電体フィラー 40 略長方形状の誘電体フィラー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 23/12 301 H05K 3/46 T 23/14 H01B 3/00 A H05K 3/46 H05K 1/16 D // H01B 3/00 H01L 23/12 B H05K 1/16 N 23/14 R Fターム(参考) 4E351 BB03 BB30 BB31 BB35 DD41 EE02 EE06 EE16 GG06 4J002 AA021 CD031 CD051 DE186 FA116 FD016 FD206 GQ05 5E346 CC21 GG28 HH01 5G303 AA05 AB06 BA12 CA01 CA09 CB03 CB35

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 以下の(a)乃至(d)の構成を具備す
    ることを特徴とする高誘電率複合材料。 (a)熱硬化性樹脂と誘電体フィラーとを少なくとも含
    む。 (b)該誘電体フィラーが2種の平均長径を有する。 (c)該高誘電率複合材料のラップ研磨面に露出する大
    きい平均長径を有する誘電体フィラーの粒子形状が、略
    三角状及び略長方形状を主体とする。 (d)該高誘電率複合材料100体積%中に含まれる該
    誘電体フィラーが65〜90体積%である。
  2. 【請求項2】 前記熱硬化性樹脂の硬化収縮率が3〜2
    0%であることを特徴とする請求項1に記載の高誘電率
    複合材料。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載の高誘電率
    複合材料からなる誘電体層を有するプリント配線板。
  4. 【請求項4】 請求項1又は請求項2に記載の高誘電率
    複合材料からなる誘電体層を有する多層プリント配線
    板。 【課題を解決するための手段】
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