JP2001237149A - 電気二重層キャパシタ用活性炭 - Google Patents

電気二重層キャパシタ用活性炭

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JP2001237149A
JP2001237149A JP2000382122A JP2000382122A JP2001237149A JP 2001237149 A JP2001237149 A JP 2001237149A JP 2000382122 A JP2000382122 A JP 2000382122A JP 2000382122 A JP2000382122 A JP 2000382122A JP 2001237149 A JP2001237149 A JP 2001237149A
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layer capacitor
electric double
double layer
electrode
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Minoru Noguchi
実 野口
Naohiko Oki
尚彦 沖
Manabu Iwaida
学 岩井田
Tomoyuki Aida
智之 会田
Aisaku Nagai
愛作 永井
Yukio Ichikawa
幸男 市川
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Honda Motor Co Ltd
Kureha Corp
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Honda Motor Co Ltd
Kureha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性に優れた電気二重層キャパシタ用活性
炭、この活性炭を用いて形成された活性炭電極、及びこ
の活性炭電極を分極性電極として備え、耐久性が顕著に
改善された電気二重層キャパシタを提供することにあ
る。 【解決手段】 窒素吸着法によるαS−プロットでのF
S(Filling Swing) 量が27cm3/gSTP以下であ
る電気二重層キャパシタ用活性炭。該活性炭を用いて形
成された活性炭電極。該活性炭電極を分極性電極として
備えた電気二重層キャパシタ

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐久性に優れた電
気二重層キャパシタ用活性炭に関し、さらに詳しくは、
それにより電気二重層キャパシタの分極性電極を構成し
た場合に、高い静電容量と低い抵抗を示し、しかも耐久
性試験後の静電容量保持率と抵抗保持率が共に優れた電
気二重層キャパシタを与えることができる電気二重層キ
ャパシタ用活性炭に関する。また、本発明は、このよう
な優れた耐久性を示す活性炭を用いて形成された活性炭
電極、並びに、該活性炭電極を分極性電極として備えた
電気二重層キャパシタに関する。
【0002】
【従来の技術】電気二重層キャパシタは、大容量かつ長
寿命で、急速充電が可能、充・放電が容易、二次電池に
比べてサイクル特性に優れている、二次電池の中で最も
信頼性の高いNi−Cd電池に比べて安価であるといっ
た特徴を有するため、新たなエネルギーデバイスとし
て、多くの分野で機能的な応用が期待されるようになっ
ている。電気二重層キャパシタは、電子機器のバックア
ップ電源などの小電力用から、電気自動車やハイブリッ
ドカーの補助電源などの大電力分野への応用も検討され
ている。それに伴って、分極性電極に対しても、さらな
る高性能化が求められている。
【0003】電気二重層キャパシタは、分極性電極と電
解質との界面に生じる電気二重層に蓄積される容量を利
用する大容量のキャパシタである。分極性電極には、比
表面積や嵩密度が大きく、電気化学的に不活性であっ
て、電気抵抗が低いことが要求される。活性炭は、これ
らの要求を満たす電極材料として注目されており、既に
活性炭を用いて形成された分極性電極を備えた電気二重
層キャパシタが開発されている。
【0004】分極性電極を形成する活性炭としては、ヤ
シ殻、石油ピッチ、石油コークス、フェノール樹脂、ポ
リ塩化ビニリデン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂などの
種々の炭素質原料から得られる活性炭を用いることが提
案されている。活性炭は、一般に、炭素質原料を炭化
し、次いで、賦活して多孔質化することにより製造され
ている。活性炭は、細孔と呼ばれる小孔が無数に開いて
いて、大きな表面積(比表面積という)をもっており、
その大きな表面積が分極性電極として利用されている。
【0005】このように、活性炭は、電気二重層キャパ
シタの分極性電極の材料として好適な特性を有してい
る。しかしながら、従来提案されている活性炭は、分極
性電極とした場合に、耐久性の点で十分ではなかった。
すなわち、従来の活性炭を用いて形成した分極性電極を
備えた電気二重層キャパシタは、初期特性が良好であっ
ても、使用中に静電容量の低下や抵抗の上昇などによ
り、性能が劣化するという問題を有していた。電気二重
層キャパシタの分極性電極材料には、作動電圧領域に分
極されていても、電解質または電解液溶媒と電気化学的
反応を起こさず、同時に、電極材料自体の酸化還元反応
が起こらないことが要求される。電気二重層キャパシタ
は、例えば、バックアップ電源として機器中に搭載され
た場合、常に電圧が印加された状態に保持されるため、
このような反応が僅かでも起こると、長期間の使用にお
いて、性能劣化が著しくなる。
【0006】活性炭は、その細孔の分布、細孔の容積、
表面官能基量などの表面物性が、電気二重層キャパシタ
の分極性電極として用いた場合に、その特性に大きな影
響を及ぼすことが知られている。従来、電圧印加に対す
る長期信頼性を改良する方法として、表面官能基量を低
減する方法が提案されている〔Hiratsuka et al. DENKI
KAGAKU, vol.59, No.7, p.607-613(1991)〕。具体的に
は、該文献によれば、表面官能基量の尺度として元素分
析法による活性炭中の酸素量に着目し、酸素量の少ない
活性炭から形成した分極性電極ほど、電圧印加に対する
性能劣化が少ない関係にあることが解明されている。同
様に、表面の酸性官能基の濃度を低減した炭素材料から
なる分極性電極(特公平6−56827号公報)、還元
剤で処理して表面酸化物を除去した活性炭からなる分極
性電極(特開平5−101980号公報、特開平7−2
01674号公報)などを使用することにより、電気二
重層キャパシタの長期信頼性を向上させる方法が提案さ
れている。
【0007】しかしながら、これらの従来技術により改
質された活性炭からなる分極性電極を用いても、電気二
重層キャパシタの耐久性は、未だ十分ではなく、長期間
の使用中に静電容量の低下と抵抗の上昇により性能が劣
化するという問題があった。また、単に活性炭の比表面
積を調整する方法では、耐久性を改善することはできな
い。したがって、年々高まっていく電気二重層キャパシ
タに対する高性能化の要求の下では、さらなる大幅な改
良が求められている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、耐久
性に優れた電気二重層キャパシタ用活性炭を提供するこ
とにある。また、本発明の目的は、この活性炭を用いて
形成された活性炭電極を提供することにある。さらに、
本発明の目的は、この活性炭電極を分極性電極として備
え、耐久性が顕著に改善された電気二重層キャパシタを
提供することにある。
【0009】本発明者らは、前記目的を達成するために
鋭意研究した結果、活性炭に対する窒素吸着法によるα
S−プロットでのFS(Filling Swing) 量に着目し、こ
のFS量が一定値以下の活性炭を用いて分極性電極を形
成することにより、長期間の使用によっても、初期の静
電容量と抵抗が十分に保持され、耐久性が顕著に改善さ
れた電気二重層キャパシタの得られることを見いだし
た。本発明は、これらの知見に基づいて、完成するに至
ったものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】かくして本発明によれ
ば、窒素吸着法によるαS−プロットでのFS(FillingS
wing) 量が27cm3/gSTP以下である電気二重層
キャパシタ用活性炭が提供される。また、本発明によれ
ば、該活性炭を用いて形成された活性炭電極が提供され
る。さらに、本発明によれば、該活性炭電極を分極性電
極として備えた電気二重層キャパシタが提供される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の活性炭は、窒素吸着法に
よるαS −プロットでのFS(Filling Swing) 量が27
cm3/gSTP以下であることが必須である。本発明
において窒素吸着法によるαS−プロットでのFS量と
は、Setoyama et al. Carbon, vol.36,No.10, p.1459-1
467(1998)に開示されている方法に従って、活性炭に対
する窒素αS−プロット(nitrogen αS-plots for activ
ated carbons)を図1に示すように作成した場合、αS
1.0未満の位置における、全表面積を与える原点を通
る直線からのずれ(deviation) の面積として定義される
ものである。
【0012】一般に、気体吸着法によれば、多孔質炭素
材料の比表面積、細孔容量などの知見が得られる。吸着
測定は、温度一定の条件で行われ、吸着等温線〔縦軸=
吸着量、横軸=相対圧(P/P0)〕とよばれる平衡圧
力と吸着量との関係が求められる。測定は、吸着分子の
沸点で行われるのが一般的であり、プローブとして代表
的な窒素分子吸着の場合には、77Kで測定される。
【0013】標準等温線におけるP/P0=0.4での
吸着量で、各相対圧での吸着量を割った値がαS値と定
義される。P/P0表示をαS表示に変換すると、試料の
吸着等温線を標準等温線と比較できる。比較対象となる
等温線の各測定点での吸着量を各P/P0に対応したαS
値に対してプロットすると、αSプロットが作成でき
る。
【0014】図1に示す原点からの直線の勾配から全表
面積が求められる。高圧部からの外挿直線(点線)の勾
配から外表面積が求められる。図1において、外挿直線
から測定点がずれる領域があるが、これは細孔内で高め
られた表面−分子間または分子間相互作用の寄与による
ものであり、F−スイング(FS)と濃縮スイング(C
−スイング:図1の場合には現れていない)とに分類さ
れる。本発明では、図1に示すFSに着目したものであ
る。
【0015】αS−プロットの縦軸を吸着量cm3/gS
TPで表示すれば、横軸αSは無次元数なので、FS量
の単位は、cm3/gSTPで与えられる。上記文献に
おいて、FSは、非常に小さな細孔表面からの強い分子
吸着場により生じ、主として径0.7nm以下の細孔に
より支配されると説明されている。したがって、FS量
が27cm3/gSTP超過の活性炭を用いて分極性電
極とした場合、強い分子吸着場を作る細孔内に電解液溶
媒や電解質(イオン)などが強く束縛され、電極材料自
体の酸化や還元などの反応を起こす確率が高くなるた
め、耐久性が劣るものと推定される。一方、FS量が2
7cm3/gSTP以下の活性炭は、強い分子吸着場を
作る細孔が少ないため、溶媒やイオンなどとの反応が少
なくなり、耐久性に優れるものと推定される。
【0016】本発明の活性炭において、FS量は、好ま
しくは25cm3/gSTP以下、より好ましくは23
cm3/gSTP以下である。FS量の下限は、特に限
定されない。本発明の活性炭は、FS量が多くの場合1
0〜25cm3/gSTP、とりわけ15〜23cm3
gSTPの範囲にあると、良好な結果を発揮することが
できる。ここで、STPとは、標準状態(温度=0℃、
圧力=1気圧)を意味する。
【0017】活性炭原料としては、例えば、ヤシ殻、石
油ピッチ、石炭ピッチ、石油コークス、フェノール樹
脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂など
の炭素質原料を使用することができる。活性炭の製造方
法としては、活性炭原料を炭化及び/または賦活する方
法を挙げることができる。賦活方法としては、例えば、
ガス賦活法、薬品賦活法などを挙げることができる。
【0018】炭化方法としては、窒素ガス、二酸化炭
素、ヘリウム、アルゴン、キセノン、ネオン、一酸化炭
素、燃焼排ガス、これらの混合ガスなどの不活性ガスを
使用して、活性炭原料を300〜850℃の比較的低温
で焼成する方法が挙げられる。ガス賦活法では、一般
に、活性炭原料を炭化した後、700〜1500℃の温
度で、水蒸気、一酸化炭素、酸素、燃焼排ガスの混合ガ
スと接触反応させて賦活させる。ガス賦活法は、ヤシ殻
やピッチ原料などに好適である。
【0019】薬品賦活法では、塩化亜鉛、水酸化ナトリ
ウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、ほう酸、り
ん酸、硫酸、塩酸などの存在下に、活性炭原料を炭化及
び/または賦活させる。炭化・賦活条件は、通常、40
0〜1100℃程度であるが、薬品の種類によって、温
度条件等は変動する。例えば、塩化亜鉛を用いて炭化・
賦活を行う場合には、塩化亜鉛の沸点(732℃)以下
の温度で行う。ポリ塩化ビニリデン樹脂を塩化亜鉛を用
いて炭化及び賦活を行うことが好ましい。
【0020】活性炭原料や炭化・賦活法の種類によって
は、炭化のみでもよいが、通常は炭化と賦活の両方を行
うことが好ましい。また、炭化・賦活処理の後、得られ
た活性炭を、必要に応じて、2次賦活以上の高次の賦活
処理に付することもできる。
【0021】本発明の活性炭は、FS量が27cm3
gSTP以下であればよく、その原料や製造方法などに
格別の限定はないが、例えば、薬品賦活法では、ポリ塩
化ビニリデン系樹脂と塩化亜鉛を用い、樹脂に対する塩
化亜鉛の使用量を少なめに設定したり、水の量を加減し
たり、炭化・賦活温度を塩化亜鉛の沸点近傍の高温に設
定したり、あるいはこれらを組み合わせるなどの条件を
選択することにより、FS量を所望の範囲に調整するこ
とができる。ただし、本発明は、このような特定の方法
により得られる活性炭に限定されるものではない。
【0022】本発明の活性炭の表面酸素量は、特に限定
されないが、耐久性の観点から、通常、5%以下、さら
には4.5%以下程度に調整することが好ましい。本発
明の活性炭は、より優れた耐久性を達成するためには、
表面酸素量を3%未満とすることがより好ましい。活性
炭の表面酸素量は、X線光電子分光法で測定することが
できる。活性炭の表面酸素量は、2%以下とすることが
特に好ましい。表面酸素量の下限は、特に限定されない
が、通常、0.1%程度である。活性炭の表面酸素量を
小さくするには、例えば、炭化及び/または賦活により
得られた炭化物を窒素気流中で高温で処理する方法が挙
げられる。
【0023】本発明の活性炭は、静電容量の観点から、
窒素吸着BET法による比表面積が500〜5000m
2/gであることが好ましく、800〜4000m2/g
であることがより好ましい。この比表面積は、多くの場
合1000〜2000m2/g、とりわけ1100〜1
600m2/gの範囲にあることによって、良好な結果
を得ることができる。
【0024】本発明の活性炭電極は、本発明の活性炭を
用いて形成される。活性炭電極を製造するには、通常、
活性炭とバインダー、必要に応じて、導電性アセチレン
ブラックなどの添加剤とを混練し、所定の電極形状に賦
形すればよい。バインダーとしては、例えば、ポリテト
ラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)などが挙げられる。より具体的に、活性
炭電極の製造方法としては、活性炭、導電材、バインダ
ーなどからなる混合物に溶剤を添加して混合スラリーと
したものを集電体に塗布または浸漬し、乾燥する方法
(例えば、特開平10−64765号公報)、活性炭、
導電材、溶剤に不溶のバインダーなどからなる混合物に
溶剤を添加して混練り成形し、乾燥して得たシートを集
電体表面に導電性接着剤等を介して接合した後、プレス
及び熱処理乾燥する方法などを例示することができる。
【0025】本発明の電気二重層キャパシタは、本発明
の活性炭電極を分極性電極として備えた電気二重層キャ
パシタであれば特に限定されない。電気二重層キャパシ
タの具体例としては、図3に示す構造のものがある。図
3は、単セル型の電気二重層キャパシタの一例の断面図
である。この電気二重層キャパシタは、2つの分極性電
極1,1によりセパレーター2を挟み、それをさらに集
電板(集電極)3,3で挟んだ構造のものを、電解液を
入れたケース4,4内に、パッキング5を介して封入し
たものである。電解液としては、非水溶媒系及び水系の
いずれでもよい。非水溶媒系では、有機溶媒に電解質を
溶解したものが用いられる。非水溶媒系電解液の代表的
なものとしては、例えば、(C254NBF4のプロピ
レンカーボネート溶液を挙げることができる。
【0026】本発明の活性炭を用いて形成された活性炭
電極は、特に電気二重層キャパシタの分極性電極として
好適であり、優れた耐久性を示す。より具体的に、本発
明の活性炭電極を分極性電極として備えた電気二重層キ
ャパシタは、温度70℃、電圧2.5Vで12時間の耐
久試験において、好ましくは80〜110%、より好ま
しくは85〜105%の静電容量保持率、並びに好まし
くは90〜125%、より好ましくは95〜120%の
抵抗保持率を示すことができる。本発明の活性炭電極を
分極性電極として備えた電気二重層キャパシタは、特に
好ましい場合、静電容量保持率及び抵抗保持率が共に9
5〜105%という高度の耐久性を示すことができる。
【0027】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明に
ついてより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施
例によって限定されるものではない。特性の評価方法
は、以下のとおりである。 (1)FS量 高速比表面積・細孔分布測定装置〔島津製作所製ASA
P2000〕を使用して、77Kでの活性炭の窒素吸着
等温線を測定し、得られた吸着等温線から Carbon, vo
l.36, No.10, p.1459-1467(1998) に開示されている方
法に従って、αS−プロットを作成し、その際、図1に
示すように、全表面積を与える原点を通る直線からのず
れの面積としてFS(Filling Swing) 量(cm3/gS
TP)を求めた。
【0028】(2)表面酸素量 活性炭の表面酸素量は、X線光電子分光法により測定し
た。 (3)耐久性 活性炭を用いて分極性電極を作製し、次いで、この分極
性電極を備えた電気二重層キャパシタを作製して、静電
容量及び抵抗を測定した。静電容量及び抵抗の測定は、
初期値と、温度70℃、電圧2.5Vで12時間処理後
の値を求め、各保持率を算出した。保持率(%)は、
(処理後物性値/処理前物性値)×100として表し
た。保持率が100%に近いほど、耐久性に優れること
を示す。
【0029】(4)静電容量 電気二重層キャパシタの放電曲線(放電電圧−放電時
間)から放電エネルギー(放電電圧×電流)の時間の積
分値として合計放電エネルギー(W・s)を求めて、次
式から静電容量を求めた。 静電容量(F)=〔2×合計放電エネルギー(W・s)〕/
〔放電開始電圧(V)〕2 (5)抵抗 放電曲線(放電電圧−放電時間)において、電圧が放電
開始電圧の75%及び50%になる2点で直線を引き、
放電開始0分に外挿して電位を求める。外挿により求め
た電位を放電開始電圧2.3Vより差し引き、放電開始
時の電圧降下とした。次に、電圧降下を放電電流で除し
て、抵抗値とした。
【0030】(6)比表面積 BETの式から誘導された近似式:Vm=1/〔V(1
−x)〕を用いて液体窒素温度における窒素吸着による
1点法(相対圧力x=0.3)によりVmを求め、次式
により活性炭の窒素吸着BET法による比表面積を求め
た。 比表面積=4.35×Vm (m2/g) ここで、Vm は、試料表面に単分子層を形成するのに必
要な吸着量(cm3/g)、Vは、実測される吸着量
(cm3/g)、xは、相対圧力である。具体的には、M
ICROMERITICS 社製 Flow Sorb II 2300を用いて、以下
のようにして液体窒素温度における活性炭への窒素の吸
着量を測定した。粒子径約5〜50μmに粉砕した活性
炭を試料管に充填し、窒素ガスを30モル%濃度で含有
するヘリウムガスを流しながら、試料管を−196℃に
冷却し、活性炭に窒素を吸着させる。次に、試料管を室
温に戻す。このとき試料から脱離してくる窒素量を熱伝
導型検出器で測定し、吸着ガス量Vとした。
【0031】[実施例1]ポリ塩化ビニリデン粉末と塩
化亜鉛と水とを重量比で100/40/10の割合で混
合後、窒素気流中、730℃まで100℃/分の昇温速
度で昇温し、そして、730℃で12時間保持して、ポ
リ塩化ビニリデン粉末の炭化と賦活を行った。得られた
炭化物を水洗した後、130℃で乾燥した。乾燥した炭
化物を150メッシュ以下の粒径になるまで粉砕して、
粉末状の活性炭を得た。このようにして得られた活性炭
を用いて、以下のようにして活性炭電極と電気二重層キ
ャパシタを作製した。 (i)活性炭の乾燥 活性炭を減圧乾燥器中150℃で1分間乾燥させた後、
サンプル瓶に入れ、蓋をシールテープを巻いて密封し
た。このサンプル瓶をシリカゲル入りデシケータに入れ
て、活性炭を常温になるまで冷却した(その間、約15
分間)。
【0032】(ii)活性炭の混練 導電性アセチレンブラック10重量部を乳鉢ですりつぶ
した。乾燥した活性炭をサンプル瓶から取り出して速や
かに80重量部計量し、乳鉢に入れて導電性アセチレン
ブラックと良く混練した。次に、ポリテトラフルオロエ
チレン(PTFE)粉末10重量部を乳鉢に入れて良く
攪拌した後、乳棒で混練し、全体をガム状にまとめた。
このガム状物を薬包紙に包み、1時間大気中に放置し
て、電極用試料を調製した。 (iii)活性炭電極の作製 上記ガム状の電極用試料を剃刀の刃で刻み、円形の金型
に入れ、200MPaの圧力下で5分間加圧成形して、
活性炭電極を作製した。活性炭電極の厚みを厚み計で測
定し、体積を算出した。
【0033】(iv)電気二重層キャパシタの作製 2枚のアルミニウム製集電板のそれぞれの片面に、導電
性カーボンブラックとヒドロキシメチルセルロースと水
との混合物からなる導電性ペーストを塗った。導電性ペ
ースト層が半乾きの状態である間に、その上から活性炭
電極を貼り付けた。このようにして、集電板/活性炭電
極からなる積層体を調製した。次に、ガラス繊維製フィ
ルター(ADVANTEC社製、GA−200)をセパ
レーターとし、これを2つ積層体の活性炭電極面で挟
み、これをPTFE製セル内に組み込んだ。これを減圧
乾燥器中で150℃で3時間乾燥した後、露点−90℃
以下のグローブボックス内で放冷した。次いで、PTF
E製セル内に電解液を添加して単セル型電気二重層キャ
パシタを組み上げた。電解液としては、(C254
BF4/プロピレンカーボネート(1mol/L)溶液
を用いた。特性の評価結果を表1に示す。
【0034】[実施例2]実施例1において、炭化物を
150メッシュ以下の粒径になるまで粉砕した後、窒素
気流中700℃で2時間処理したこと以外は同様にし
て、粉末状の活性炭を得た。得られた活性炭を使用し
て、実施例1と同様にして活性炭電極と電気二重層キャ
パシタを作製し、特性を評価した。結果を表1に示す。
【0035】[実施例3]石油ピッチを260℃で1時
間空気酸化した後、窒素気流中500℃で1時間保持し
て炭化し、次いで、900℃の水蒸気で賦活を行った。
得られた炭化物を150メッシュ以下の粒径になるまで
粉砕し、次いで、窒素気流中700℃で2時間処理し
て、粉末状の活性炭を得た。得られた活性炭を使用し
て、実施例1と同様にして活性炭電極と電気二重層キャ
パシタを作製し、特性を評価した。結果を表1に示す。
【0036】[実施例4]ポリ塩化ビニリデン粉末と塩
化亜鉛と水とを重量比で100/100/5の割合で混
合後、窒素気流中、730℃まで100℃/分の昇温速
度で昇温し、そして、730℃で12時間保持して、ポ
リ塩化ビニリデンの炭化と賦活を行った。得られた炭化
物を水洗した後、130℃で乾燥した。乾燥した炭化物
を150メッシュ以下の粒径になるまで粉砕した後、窒
素気流中700℃で2時間処理して、粉末状の活性炭を
得た。得られた活性炭を使用して、実施例1と同様にし
て活性炭電極と電気二重層キャパシタを作製し、特性を
評価した。結果を表1に示す。
【0037】[比較例1]ポリ塩化ビニリデン粉末と塩
化亜鉛とを重量比で100/100の割合で混合後、窒
素気流中、730℃まで100℃/分の昇温速度で昇温
し、そして、730℃で12時間保持して、ポリ塩化ビ
ニリデンの炭化と賦活を行った。得られた炭化物を水洗
した後、130℃で乾燥した。乾燥した炭化物を、15
0メッシュ以下の粒径になるまで粉砕した後、窒素気流
中700℃で2時間処理して、粉末状の活性炭を得た。
得られた活性炭を使用して、実施例1と同様にして電気
二重層キャパシタを作成し、特性を評価した。結果を表
1に示す。
【0038】
【表1】
【0039】表1の実験データの内、酸素量の少ない実
施例2〜4及び比較例1の結果を図2に示した。表1及
び図2に示されるように、FS量と耐久性試験での物性
保持率は、非常に良い対応関係にある。また、比較例1
のように、酸素量が少なくてもFS量が多い活性炭で
は、耐久性に劣るのに対して、実施例1のように、酸素
量が比較的あってもFS量が少ない活性炭は、耐久性に
優れている。以上のように、FS量が27cm3/gS
TP以下の活性炭は、優れた耐久性を示すことがわか
る。
【0040】
【発明の効果】本発明によれば、電気二重層キャパシタ
の分極性電極を構成した場合に、高い静電容量と低い抵
抗を示し、しかも耐久性試験後の静電容量保持率と抵抗
保持率が共に優れた電気二重層キャパシタを与えること
ができる耐久性に優れた電気二重層キャパシタ用活性炭
が提供される。また、本発明によれば、当該活性炭を用
いて形成された活性炭電極、並びに、当該活性炭電極を
分極性電極として備えた電気二重層キャパシタが提供さ
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】窒素吸着法によるαS−プロットとFS(fillin
g swing) 量との関係を説明するグラフである。
【図2】各実施例及び比較例で得られた電気二重層キャ
パシタの静電容量保持率及び抵抗保持率と、FS量との
関係を示すグラフである。
【図3】単セル型電気二重層キャパシタの一例を示す断
面図である。
【符号の説明】
1:分極性電極 2:セパレーター 3:集電板(集電極) 4:電解液を入れたケース 5:パッキング
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沖 尚彦 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 岩井田 学 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 会田 智之 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦総合研究所内 (72)発明者 永井 愛作 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦総合研究所内 (72)発明者 市川 幸男 福島県いわき市錦町落合16 呉羽化学工業 株式会社錦総合研究所内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 窒素吸着法によるαS−プロットでのF
    S(Filling Swing)量が27cm3/gSTP以下である
    電気二重層キャパシタ用活性炭。
  2. 【請求項2】 表面酸素量が5%以下である請求項1記
    載の電気二重層キャパシタ用活性炭。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の活性炭を用い
    て形成された活性炭電極。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の活性炭電極を分極性電極
    として備えた電気二重層キャパシタ。
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