JP2001234963A - 油圧緩衝器 - Google Patents

油圧緩衝器

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JP2001234963A
JP2001234963A JP2000048129A JP2000048129A JP2001234963A JP 2001234963 A JP2001234963 A JP 2001234963A JP 2000048129 A JP2000048129 A JP 2000048129A JP 2000048129 A JP2000048129 A JP 2000048129A JP 2001234963 A JP2001234963 A JP 2001234963A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 油圧緩衝器において、リザーバから油室への
油の流れを許容するチェック弁装置の開閉に伴う衝撃力
を小さくし、且つ減衰力特性も向上すること。 【解決手段】 リザーバ25からピストン側の油室15
Bへの油の流れを許容するチェック弁装置(第2バルブ
33)を設けてなる油圧緩衝器10において、チェック
弁装置33が、連通路31を開閉するベンディングディ
スク51と、ベンディングディスク51を連通路31の
閉じ方向に付勢するスプリング52とからなり、スプリ
ング52のセット荷重をベンディングディスク51のベ
ンディングによる開弁圧より大きく設定し、連通路31
の小流量時にはベンディングディスク51をベンディン
グさせて開き、大流量時にはスプリング52の縮み変形
によりベンディングディスク51をスライドさせて開く
もの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は油圧緩衝器に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、油圧緩衝器として、シリンダにピ
ストンを摺動自在に挿入してピストンの両側に油室を画
成し、ピストンに連結したピストンロッドの出入に伴う
シリンダ内の油量変化を補償するリザーバを設け、シリ
ンダ内でピストンロッドを収容していないピストン側の
油室にリザーバをつなぐ連通路を設け、この連通路にリ
ザーバからピストン側の油室への流れを許容するチェッ
ク弁装置を設けてなるものがある。このとき、上述のチ
ェック弁装置は、油圧緩衝器の伸長時にピストンロッド
がシリンダから退出する容積に相当する油量を補償する
ため、リザーバから油室への油の引き込みを許容するも
のであり、図7のスライド式と、図8のベンディング式
とがある。
【0003】図7のスライド式チェック弁装置は、シリ
ンダ1の底部に設けたボトムピース2に、油室3とリザ
ーバ4をつなぐ連通路5を設け、この連通路5を開閉可
能とするスライドディスク6をボルト6Aにスライド可
能にしてこれをスプリング7により閉じ方向に付勢する
ものである。スライドディスク6は、油圧緩衝器の伸長
時に油室3とリザーバ4の差圧がスプリング7のセット
荷重を超えることによりスライドして連通路5を開き、
リザーバ4から油室3へ油を引き込み可能とする。
【0004】図8のベンディング式チェック弁装置は、
上述の連通路5を開閉可能とするベンディングディスク
8の基部をボルト8Aにより固定し、これをベンディン
グ可能にしたものである。ベンディングディスク8は、
油圧緩衝器の伸長時に油室3とリザーバ4の差圧により
ベンディングして連通路5を開き、リザーバ4から油室
3へ油を引き込み可能とする。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】然しながら、従来技術
には以下の問題点がある。 スライド式チェック弁装置では、流量が少ないときに
もスライドディスクの開口面積が大きく、開弁から閉弁
したときの油室の圧力変動が大きく、ピストンロッドに
作用する衝撃力(ロッドG)が過大となって乗り心地を
損なう。
【0006】ベンディング式チェック弁装置では、ベ
ンディングディスクのベンディングにより開弁するもの
であるが、該ベンディングディスクを構成する材料の弾
性たわみ量の限界からベンディング量を大きくとること
に困難があり、開口面積を大きくとりにくく、小流量の
ときには良いが、ピストン速度VPが高速作動する大流
量では、流量がとれないのでこれが絞りとなって(ピス
トン側油室は負圧傾向になる)伸びの減衰力が過大にな
るし(図6(B))、伸長から圧縮に転換したときには
伸び時にピストン側油室に生じている上述の負圧傾向に
起因して瞬間的に減衰力が発生しない虞がある(図6
(B))。ベンディングディスクのベンディング量を大
きくとると、ベンディングディスクの発生応力が大きく
なって寿命が短く割れの虞もある。
【0007】本発明の課題は、油圧緩衝器において、リ
ザーバから油室への油の流れを許容するチェック弁装置
の開閉に伴う衝撃力を小さくし、且つ減衰力特性も向上
することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の本発明
は、シリンダにピストンを摺動自在に挿入してピストン
の両側に油室を画成し、ピストンに連結したピストンロ
ッドの出入に伴うシリンダ内の油量変化を補償するリザ
ーバを設け、シリンダ内でピストンロッドを収容してい
ないピストン側の油室にリザーバをつなぐ連通路を設
け、この連通路にリザーバからピストン側の油室への油
の流れを許容するチェック弁装置を設けてなる油圧緩衝
器において、前記チェック弁装置が、連通路を開閉する
ベンディングディスクと、該ベンディングディスクを連
通路の閉じ方向に付勢するスプリングとからなり、スプ
リングのセット荷重をベンディングディスクのベンディ
ングによる開弁力より大きく設定し、連通路の流量が少
ないときにはベンディングディスクをベンディングさせ
て開き、流量が多いときにはスプリングの縮み変形によ
りベンディングディスクをスライドさせて開くようにし
たものである。
【0009】請求項2に記載の本発明は、アウタチュー
ブ内にダンパシリンダを配置し、ダンパシリンダにピス
トンを摺動自在に挿入してピストンの両側に油室を画成
し、ピストンに連結したピストンロッドをダンパシリン
ダの一端側のロッドガイドに摺動自在に支持し、ピスト
ンにピストン側の油室からピストンロッド側の油室への
作動油の流れのみを許容する第1バルブを設け、アウタ
チューブとダンパシリンダの間に、ピストンロッド側の
油室からの作動油を流す循環通路と、ピストンロッドの
出入に伴うダンパシリンダ内の油量変化を補償するリザ
ーバを設け、アウタチューブ内で、ダンパシリンダの他
端側の底部を閉塞するボトムピースを設け、このボトム
ピースは、電磁減衰弁を備えるとともに、リザーバをピ
ストン側の油室につなぐ第1連通路と、循環通路を電磁
減衰弁を介してリザーバにつなぐ第2連通路が形成され
るとともに、第1連通路はリザーバからピストン側の油
室への作動油の流れのみを許容する第2バルブを介して
ピストン側の油室とつながり、電磁減衰弁により減衰力
を調整可能にしてなる減衰力調整式油圧緩衝器におい
て、前記第2バルブが、第1連通路を開閉するベンディ
ングディスクと、該ベンディングディスクを第1連通路
の閉じ方向に付勢するスプリングとからなり、スプリン
グのセット荷重をベンディングディスクのベンディング
による開弁力より大きく設定し、第1連通路の流量が少
ないときにはベンディングディスクをベンディングさせ
て開き、流量が多いときにはスプリングの縮み変形によ
りベンディングディスクをスライドさせて開くようにし
たものである。
【0010】
【作用】請求項1の発明によれば下記〜の作用があ
る。 リザーバから油室への連通路の油の流れを許容するチ
ェック弁装置を構成するベンディングディスクをスプリ
ングにより閉じ方向に付勢し、このスプリングのセット
荷重をベンディングディスクのベンディングによる開弁
力より大きく設定し、小流量時にはベンディングディス
クをベンディングさせて開き、大流量時にはスプリング
の縮み変形によりベンディングディスクをスライドさせ
て大きく開くようにした。
【0011】上述により、小流量時にベンディング
ディスクのベンディングにより連通路の開口面積を小さ
く、大流量時にはベンディングディスクのスライドによ
り連通路の開口面積を大きくできるから、小流量〜大流
量の全流量域で、開弁から閉弁したときの油室の圧力変
動を小さくし、ピストンロッドに作用する衝撃力(ロッ
ドG)を小さく乗り心地を向上できる。
【0012】上述により、ベンディングディスクの
スライドによってチェック弁装置を大流量化でき、ピス
トン速度VPが高速作動する大流量時にも、ベンディン
グディスクにより開かれる連通路が絞りにならずピスト
ン側油室が負圧化傾向となることがないから、伸びの減
衰力の過大化を回避できる。また、伸長から圧縮に転換
したときには、伸び時のピストン側油室に負圧化傾向を
生じていないから、瞬間的に減衰力が発生しないことも
回避できる。
【0013】上述により、ベンディングディスクの
スライドにより大流量を確保できるから、大流量確保の
ためにベンディングディスクのベンディング量を大きく
とる必要がなく、ベンディングディスクの発生応力を小
さくして寿命を長く耐久性を向上できる。
【0014】ストラット系油圧緩衝器では、ピストン
ロッドが太いために伸長時のロッド容積補償量が大き
く、リザーバから油室への連通路を流れる油の流量が大
きくなるから、上述〜の作用が特に顕著になる。
【0015】請求項2の発明によれば下記の作用があ
る。 伸側と圧側の両行程の流路を一方向とする油圧緩衝器
では、伸長時にリザーバから油室への連通路を流れる油
の流量が大きくなり、上述〜の作用が特に顕著にな
る。
【0016】
【発明の実施の形態】図1は油圧緩衝器を示す断面図、
図2は図1のチェック弁装置を示す断面図、図3はチェ
ック弁装置の小流量時の開弁状態を示す断面図、図4は
チェック弁装置の大流量時の開弁状態を示す断面図、図
5は油圧緩衝器のピストンロッドに作用する衝撃力を示
す線図、図6は油圧緩衝器のピストン速度と減衰力の関
係を示す線図、図7は従来のスライド式チェック弁装置
を示す模式図、図8は従来のベンディング式チェック弁
装置を示す模式図である。
【0017】油圧緩衝器10は、図1に示す如く、アウ
タチューブ11の内部に、バイパスチューブ12とダン
パシリンダ13を同軸的に配置した3重管構造からな
る。
【0018】油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ13に
ピストン14を摺動自在に挿入してピストン14の両側
に油室15A、15Bを画成し、ピストン14に連結し
たピストンロッド16をダンパシリンダ13の上端側の
ロッドガイド17に摺動自在に支持してある。18はオ
イルシール、19はエンドプレート、20はキャップで
ある。
【0019】油圧緩衝器10は、ストラット系をなし、
ダンパシリンダ13から突出するピストンロッド16の
上端部にマウントラバー101を介して結合される車体
側取付ブラケット102を備えるとともに、ダンパシリ
ンダ13の下端部に不図示の車輪側取付ブラケットを備
える。そして、油圧緩衝器10は、車体側取付ブラケッ
ト102に上スプリングシート103を、ダンパシリン
ダ13の中間外周部に下スプリングシート104を備
え、両スプリングシート103、104の間に懸架スプ
リング105を備える。
【0020】油圧緩衝器10は、ピストン14に油室1
5Aと油室15Bを連通する流路21を備え、ピストン
14の側の油室15Bからピストンロッド16の側の油
室15Aへの作動油の流れのみを許容し、その逆方向の
流れを阻止する、換言すれば縮時にのみ開く第1バルブ
22(チェック弁装置)をピストン14における流路2
1の出口側に設けてある。
【0021】油圧緩衝器10は、ダンパシリンダ13と
バイパスチューブ12の間に循環通路23を形成してあ
る。循環通路23は、ダンパシリンダ13の上端部の周
方向複数位置(例えば4位置)に切欠き形成した連通路
24を介してピストンロッド16の側の油室15Aにつ
ながる。また、アウタチューブ11とバイパスチューブ
12の間にはリザーバ25を形成してある。リザーバ2
5は、ピストンロッド16の出入に伴うダンパシリンダ
13内の油量変化を補償する。リザーバ25の上部空間
は加圧ガス室とされている。
【0022】油圧緩衝器10は、ダンパチューブ11内
でバイパスチューブ12とダンパシリンダ13の他端側
の底部を閉塞するボトムピース26を有する。ボトムピ
ース26は、有底筒状のダンパチューブ11のテーパ状
縮径部11Aと、ダンパシリンダ13の他端部との間に
挟持される鍛造製等のボトムケース27(ボトムシート
100を備える)を備え、ボトムケース27の空間部3
9に電磁減衰弁28を組込んで構成されている。
【0023】このとき、ボトムケース27は有天筒状を
なし、ボトムケース27の下端内径部には電磁減衰弁2
8の雄ねじ部28Aが螺着されるとともに、ボトムケー
ス27の下端面には電磁減衰弁28のフランジ28Bが
衝合される位置決め状態で、電磁減衰弁28が締結され
ている。そして、ボトムケース27の上端側のテーパ部
に設けた小径段部27Aにはダンパシリンダ13が液密
に圧入され、大径段部27Bにはバイパスチューブ12
が液密に圧入され、結果として、ボトムケース27と電
磁減衰弁28からなるボトムピース26にバイパスチュ
ーブ12、ダンパシリンダ13を組付けたサブ組立体が
構成される。ボトムピース26はバイパスチューブ1
2、ダンパシリンダ13を組付けた上述のサブ組立体に
おいては、バイパスチューブ12、ダンパシリンダ13
の上端部にロッドガイド17を圧入できる。即ち、ロッ
ドガイド17の小径段部17Aにはダンパシリンダ13
を液密に圧入し、大径段部17Bにはバイパスチューブ
12を液密に圧入できる。このサブ組立体においては、
ダンパシリンダ13の両端部がロッドガイド17の小径
段部17Aとボトムケース27の小径段部27Aとの間
に軸方向で隙間なく挟持されるとき、バイパスチューブ
12の例えば上端部はロッドガイド17の大径段部17
Bに対し軸方向でギャップg(不図示)を形成する。
【0024】油圧緩衝器10にあっては、アウタチュー
ブ11の上端開口から上述のサブ組立体を挿入し、ボト
ムケース27の外周溝部に装着してあるOリング29を
アウタチューブ11の内周に液密に封着し、ボトムケー
ス27のテーパ状拡径部27Cを前述のアウタチューブ
11のテーパ状縮径部11Aに衝合する。そして、サブ
組立体を構成しているロッドガイド17の上面側にオイ
ルシール18、エンドプレート19を装填し、アウタチ
ューブ11の上端内径部にキャップ20を螺着すること
により、キャップ20とアウタチューブ11の縮径部1
1Aとの間に上述のサブ組立体を挟持固定化する。この
とき、キャップ20が付与する軸力は、上述のバイパス
チューブ12のギャップgの存在により、ロッドガイド
17から、ダンパシリンダ13、ボトムケース27を介
して確実に縮径部11Aに担持される。尚、電磁減衰弁
28のリード線30はアウタチューブ11の底部に設け
た通線口11Bから延出される。
【0025】ボトムピース26は、図2に示す如く、リ
ザーバ25をピストン14の側の油室15Bにつなぐ第
1連通路31と、循環通路23を電磁減衰弁28を介し
てリザーバ25につなぐ第2連通路32をボトムケース
27に形成するとともに、ボトムケース27に上述の如
くに電磁減衰弁28を組込む。第1連通路31はリザー
バ25からピストン14の側の油室15Bへの作動油の
流れのみを許容し、その逆方向の流れを阻止する、換言
すれば伸び時にのみ開く第2バルブ33(チェック弁装
置)を介して、リザーバ25をピストン14の側の油室
15Bにつなぐ。第2連通路32は、循環通路23を、
ボトムケース27の空間部39が電磁減衰弁28の弁ケ
ース40が仕切る上部空間39A、電磁減衰弁28の吸
入口、弁機構部、吐出口41、ボトムケース27の下部
空間39B、連通口39Cを介してリザーバ25につな
ぐ。
【0026】ボトムピース26は、電磁減衰弁28の第
2連通路32が接続される吸入口にフィルタ42を備え
る。フィルタ42は、樹脂フレームにメッシュを貼った
テーパ籠状をなし、弾性パッキン43を開して弁ケース
40に係着され、ボトムケース27の上部空間39Aの
内部でボトムケース27と弁ケース40の間に隙間なく
装填され、第2連通路32から電磁減衰弁28への油の
流れが必ずフィルタ42を通るようにしている。
【0027】電磁減衰弁28は、比例的に減衰力を調整
可能とするものであり、励磁電流に応じて減衰弁の開度
を調整可能とするものである。従って、電磁減衰弁28
は、油圧緩衝器10の伸縮両行程で、車両の運転条件に
応じてソレノイドの励磁電流を制御し、ダンパシリンダ
13の油室15Aから循環通路23、第2連通路32を
介して電磁減衰弁28を通り、リザーバ25に至る作動
油経路で、電磁減衰弁28の弁機構を構成する例えばス
プール弁の開弁面積を制御することにより、油圧緩衝器
10の減衰力を調整する。
【0028】然るに、油圧緩衝器10にあっては、前述
のピストン14の側の油室15Bにリザーバ25をつな
ぐ第1連通路31に介装される第2バルブ33を以下の
如く構成している。即ち、第2バルブ33は、図2に示
す如く、第1連通路31を開閉するベンディングディス
ク51と、ベンディングディスク51を第1連通路31
の閉じ方向に付勢するスプリング52とを有し、スプリ
ング52のセット荷重をベンディングディスク51のベ
ンディングによる開弁圧より大きく設定してある。これ
により、第2バルブ33は、ピストン速度VPが小さく
第1連通路31の流量が少ないときには図3に示す如
く、ベンディングディスク51をベンディングさせて開
き(ΔL1)、ピストン速度VPが大きく第1連通路3
1の流量が多いときには図4に示す如く、スプリング5
2の縮み変形によりベンディングディスク51をスライ
ドさせて大きく開く(ΔL2)。
【0029】第2バルブ33は、具体的には、図2
(B)に示す如く、ボトムケース27の上端面に螺着し
たボルト53とボトムシュート100との間にカラー5
4を固定し、ボルト53の頭部にバックアップされる前
述のスプリング52により、カラー54まわりにスライ
ド可能に装着されているワッシャ56、リテーナ57、
2枚のベンディングディスク51A、51B(51)の
積層体を加圧し、ベンディングディスク51Aをボトム
ケース27の上端面の第1連通路31まわりに設けたシ
ート面38に圧接している。これにより、第1連通路3
1の流量が少ないときには、ベンディングディスク51
A、51Bがリテーナ57を支点としてワッシャ56ま
でベンディングして開き、第1連通路31の流量が多い
ときには、ベンディングディスク51A、51Bがリテ
ーナ57、ワッシャ56を介する状態でスプリング52
を縮めカラー54まわりをスライドして大きく開く。
【0030】尚、油圧緩衝器10にあっては、ダンパシ
リンダ13の横断面積からピストンロッド16の断面積
を差し引いた伸側受圧面積Aと、ピストンロッド16の
断面積に等しい圧側受圧面積Bを同一としている。更
に、油圧緩衝器10にあっては、第2バルブ33のベン
ディングディスク51Aに第1連通路31とピストン1
4の側の油室15Bとを連絡するスリット状オリフィス
58(又は第2バルブ33のシート面38に設けた第1
連通路31と油室15Bとを連絡するスリット状オリフ
ィス)を備える。
【0031】以下、油圧緩衝器10の減衰動作について
説明する。 (1)伸側行程 ピストン14に設けてある第1バルブ22が閉じてお
り、ダンパシリンダ13の伸側受圧面積(A)分の油
(流量Qa)が、ピストンロッド16の側の油室15A
から循環通路23を経て第2連通路32から電磁減衰弁
28を通り、リザーバ25へと流れ、電磁減衰弁28は
伸側受圧面積(A)分の流量Qaに相当する減衰力Fa
を発生させる。尚、油室15Bにはリザーバ25から第
1連通路31、第2バルブ33を通り、ピストンの移動
量に相当するシリンダの体積分の油量が補償される。こ
の第2バルブ33を通る油量は、ピストン速度VPの微
速時にはオリフィス58を通る微流量、低速時にはベン
ディング状態のベンディング51を通る小流量、中高速
時にはスライド状態のベンディングディスク51を通る
大流量となる。
【0032】(2)圧側行程 ボトムピース26のボトムケース27に設けてある第2
バルブ33のオリフィス58が開いており、ダンパシリ
ンダ13の圧側受圧面積(B=A)分の油(流量Qb)
からオリフィス51を通ってリザーバ25へ逃げる油
(流量Q2)を減じた油(流量Q1=Qb−Q2)が、ピ
ストン14の側の油室15Bから第1バルブ22を経て
ピストンロッド16の側の油室15Aを通り、更に循環
通路23を経て第2連通路32から電磁減衰弁28を通
り、リザーバ25へと流れ、電磁減衰弁28はその油の
流量Q1に相当する減衰力Fbを発生させる。
【0033】上述(1)、(2)において、Qa=Qb、Qa
>Q1であるから、図6(A)に示す如く、Fa>Fb
となり、圧側減衰力Fbを伸側減衰力Faに比して下げ
ることができる。従って、オリフィス58を備える油圧
緩衝器10では、伸側と圧側で油圧緩衝器10の減衰力
可変巾Famax、Fbmaxを互いに、Famax>Fbmaxに
異ならせることができる。そして、電磁減衰弁28のソ
レノイドの通電励磁により制御せしめられる伸側と圧側
の減衰力比Fa/Fbを容易に設定替えできる(制御電
流当たりの変化量ΔFa>ΔFb)。
【0034】従って、本実施形態によれば、以下の作用
がある。 リザーバ25から油室15Bへの第1連通路31の油
の流れを許容する第2バルブ33(チェック弁装置)を
構成するベンディングディスク51をスプリング52に
より閉じ方向に付勢し、このスプリング52のセット荷
重をベンディングディスク51のベンディングによる開
弁力より大きく設定し、小流量時にはベンディングディ
スク51をベンディングさせて開き、大流量時にはスプ
リング52の縮み変形によりベンディングディスク51
をスライドさせて大きく開くようにした。
【0035】上述により、小流量時にベンディング
ディスク51のベンディングにより第1連通路31の開
口面積を小さく、大流量時にはベンディングディスク5
1のスライドにより第1連通路31の開口面積を大きく
できるから、小流量〜大流量の全流量域で、開弁から閉
弁したときの油室15Bの圧力変動を小さくし、ピスト
ンロッド16に作用する衝撃力(ロッドG)を小さく乗
り心地を向上できる。
【0036】上述により、ベンディングディスク5
1のスライドによって第2バルブ33(チェック弁装
置)を大流量化でき、ピストン速度VPが高速作動する
大流量時にも、ベンディングディスク51により開かれ
る第1連通路31が絞りにならずピストン側油室15B
が負圧化傾向となることがないから、伸びの減衰力の過
大化を回避できる。また、伸長から圧縮に転換したとき
には、伸び時のピストン側油室15Bに負圧化傾向を生
じていないから、瞬間的に減衰力が発生しないことも回
避できる。
【0037】上述により、ベンディングディスク5
1のスライドにより大流量を確保できるから、大流量確
保のためにベンディングディスク51のベンディング量
を大きくとる必要がなく、ベンディングディスク51の
発生応力を小さくして寿命を長く耐久性を向上できる。
【0038】ストラット系油圧緩衝器10では、ピス
トンロッド16が太いために伸長時のロッド容積補償量
が大きく、リザーバ25から油室15Bへの第1連通路
31を流れる油の流量が大きくなるから、上述〜の
作用が特に顕著になる。
【0039】伸側と圧側の両行程の流路を一方向とす
る油圧緩衝器10では、伸長時にリザーバから油室15
Bへの第1連通路31を流れる油の流量が大きくなり、
上述〜の作用が特に顕著になる。
【0040】図5、図6は本発明に係る油圧緩衝器10
の実験結果である。この実験に供した油圧緩衝器10に
おいて、第2バルブ33を構成するベンディングディス
ク51の諸元は、0.3mmベンディング時の単位面積当た
りの荷重が0.000603kg/cm2、受圧面積が494.8mm2であ
り、このベンディングディスク51を0.3mm撓ませると
きの力が0.3kgとなる。このベンディングディスク51
を2枚(51A、51B)重ねて使用し、それらの合力
が0.3×2=0.6kgになるので、スプリング52のセット
荷重を0.6kgより大きな0.85kgとした。
【0041】図5は、油圧緩衝器10のピストンロッド
16に作用する衝撃力(ロッドG)の周波数解析結果で
あり、本発明例の衝撃値Aは、従来のベンディング式
(図8)の衝撃値Bと同等にでき、従来のスライド式
(図7)の衝撃値Cに比して格段に小さく、前述の作
用が実験的に認められた。
【0042】図6は、油圧緩衝器10のピストンストロ
ークSTに対する伸側減衰力Faと圧側減衰力Fbの変
化を、各ピストン速度VP(1.0m/s、1.3m/s、1.4m/s)
について調査したものであり、図6(A)は本発明例の
結果、図6(B)は従来のベンディング式(図8)の結
果である。本発明例において、伸側減衰力Faの過大化
を防止でき、伸側から圧側に転換したときに圧側減衰力
Fbが瞬間的に発生しなくることを回避でき、前述の
作用が実験的に認められた。従来のベンディング式(図
8)の例では、伸側減衰力Faが過大となり、伸側から
圧側に転換したときに圧側減衰力Fbが瞬間的に発生し
なくなることが認められる。
【0043】以上、本発明の実施の形態を図面により詳
述したが、本発明の具体的な構成はこの実施の形態に限
られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の
設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、本
発明は、図1の伸側と圧側の両行程の流路を一方向とす
る油圧緩衝器に限らず、伸側と圧側で流れ方向が異なる
ものとなる油圧緩衝器にも適用できる。また、本発明
は、伸側と圧側の減衰力を電磁減衰弁によって得るもの
に限らず、伸側と圧側の減衰力をピストンに設けた減衰
弁により得るものにも適用できる。また、本発明の実施
においては、チェック弁装置を構成するベンディングデ
ィスクにスリット状オリフィスを備えることを必須とし
ない。
【0044】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、油圧緩衝
器において、リザーバから油室への油の流れを許容する
チェック弁装置の開閉に伴う衝撃力を小さくし、且つ減
衰力特性も向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は油圧緩衝器を示す断面図である。
【図2】図2は図1のチェック弁装置を示す断面図であ
る。
【図3】図3はチェック弁装置の小流量時の開弁状態を
示す断面図である。
【図4】図4はチェック弁装置の大流量時の開弁状態を
示す断面図である。
【図5】図5は油圧緩衝器のピストンロッドに作用する
衝撃力を示す線図である。
【図6】図6は油圧緩衝器のピストン速度と減衰力の関
係を示す線図である。
【図7】図7は従来のスライド式チェック弁装置を示す
模式図である。
【図8】図8は従来のベンディング式チェック弁装置を
示す模式図である。
【符号の説明】
10 油圧緩衝器 11 アウタチューブ 12 バイパスチューブ 13 ダンパシリンダ 14 ピストン 15A、15B 油室 16 ピストンロッド 17 ロッドガイド 22 第1バルブ 23 循環通路 24 連通路 25 リザーバ 26 ボトムピース 27 ボトムケース 28 電磁減衰弁 31 第1連通路 32 第2連通路 33 第2バルブ(チェック弁装置) 51 ベンディングディスク 52 スプリング

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリンダにピストンを摺動自在に挿入し
    てピストンの両側に油室を画成し、ピストンに連結した
    ピストンロッドの出入に伴うシリンダ内の油量変化を補
    償するリザーバを設け、シリンダ内でピストンロッドを
    収容していないピストン側の油室にリザーバをつなぐ連
    通路を設け、この連通路にリザーバからピストン側の油
    室への油の流れを許容するチェック弁装置を設けてなる
    油圧緩衝器において、 前記チェック弁装置が、連通路を開閉するベンディング
    ディスクと、該ベンディングディスクを連通路の閉じ方
    向に付勢するスプリングとからなり、スプリングのセッ
    ト荷重をベンディングディスクのベンディングによる開
    弁力より大きく設定し、連通路の流量が少ないときには
    ベンディングディスクをベンディングさせて開き、流量
    が多いときにはスプリングの縮み変形によりベンディン
    グディスクをスライドさせて開くことを特徴とする油圧
    緩衝器。
  2. 【請求項2】 アウタチューブ内にダンパシリンダを配
    置し、 ダンパシリンダにピストンを摺動自在に挿入してピスト
    ンの両側に油室を画成し、ピストンに連結したピストン
    ロッドをダンパシリンダの一端側のロッドガイドに摺動
    自在に支持し、ピストンにピストン側の油室からピスト
    ンロッド側の油室への作動油の流れのみを許容する第1
    バルブを設け、 アウタチューブとダンパシリンダの間に、ピストンロッ
    ド側の油室からの作動油を流す循環通路と、ピストンロ
    ッドの出入に伴うダンパシリンダ内の油量変化を補償す
    るリザーバを設け、 アウタチューブ内で、ダンパシリンダの他端側の底部を
    閉塞するボトムピースを設け、このボトムピースは、電
    磁減衰弁を備えるとともに、リザーバをピストン側の油
    室につなぐ第1連通路と、循環通路を電磁減衰弁を介し
    てリザーバにつなぐ第2連通路が形成されるとともに、
    第1連通路はリザーバからピストン側の油室への作動油
    の流れのみを許容する第2バルブを介してピストン側の
    油室とつながり、 電磁減衰弁により減衰力を調整可能にしてなる減衰力調
    整式油圧緩衝器において、 前記第2バルブが、第1連通路を開閉するベンディング
    ディスクと、該ベンディングディスクを第1連通路の閉
    じ方向に付勢するスプリングとからなり、スプリングの
    セット荷重をベンディングディスクのベンディングによ
    る開弁力より大きく設定し、第1連通路の流量が少ない
    ときにはベンディングディスクをベンディングさせて開
    き、流量が多いときにはスプリングの縮み変形によりベ
    ンディングディスクをスライドさせて開くことを特徴と
    する油圧緩衝器。
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JP2015163801A (ja) * 2014-02-28 2015-09-10 日立オートモティブシステムズ株式会社 緩衝器
DE102016104595A1 (de) 2016-03-14 2017-09-14 Festo Ag & Co. Kg Rückschlagventil
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CN113383178A (zh) * 2019-03-08 2021-09-10 日立安斯泰莫株式会社 压力缓冲装置

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