JP2001234640A - 車輌停止位置検知装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車輌を車庫内の最適な位置に容易に停車させ
ることができ、しかも車庫出入り口を閉鎖状態にした場
合には、庫内に障害物となるような物体を存在させな
い。 【解決手段】出入り口に車庫用ドアが設置された車庫に
おいて、該車庫用ドアのドア体上部には、先端側に位置
決め体が固定された紐体の基端部を取着するとともに、
該紐体を天井側に設けたフックを介して垂下し、前記位
置決め体を所定位置に懸吊した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、出入り口開口部に
車庫用ドアが設置された車庫内の最適な位置に車輌を停
止させることができる車輌停止位置検知装置の技術分野
に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、車輌を保管するための車庫の出入
り口開口部には、ドア体を開口部に沿う閉鎖姿勢と車庫
内天井部に沿う収納姿勢とに変姿せしめるよう構成した
オーバーヘッドドアやスイングアップドア等の車庫用ド
アを設けたものがある。そして、このような車庫の中に
は、庫内の駐車スペースが小さいものが多数存在し、と
りわけ車庫内の奥行き寸法の短かさと近年の車輌の長大
化とが相俟って、車庫に車輌を停止させる場合において
は、車輌を車庫奥壁の至近距離まで接近させて停車させ
ないと車庫用ドアを閉鎖させる際にドア体下端部が車輌
部に接当して完全に閉鎖できないこととなってしまいこ
れを避けるために車庫床上の所定位置に車止めを設け
て、車体が車庫の奥壁に衝突しないようにしている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記のよう
な車止めは、車庫の床面上に突設して設けられるもので
あるから車輌を車庫内に駐車していない場合等において
は邪魔になったり、またそれにつまずいたりして安全上
も好ましいものではないものであるばかりか、床面に固
定する必要があり、そのための取り付け工事を伴うもの
であって、その設置には手間を要するものであった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記の如く実
情に鑑みて、これらの課題を解決することを目的として
創作されたものであって、出入り口に設けたドア体を、
開口部に沿う閉鎖姿勢と庫車内天井部に沿う収納姿勢と
に変姿せしめる車庫用ドアの、上記ドア体上部には、先
端側に位置決め体が固定された紐体の基端部を取着する
とともに、該紐体を天井側に設けたフックを介して垂下
し、前記位置決め体を所定位置に懸吊したことを特徴と
するものである。

【０００５】また、上記フックは、車庫の奥行き方向位
置調整可能に構成したことを特徴とするものである。そ
して、本発明は、この構成により車庫の床面に障害物を
突出させることなく、天井部から懸吊させた位置決め体
が車体のフロントガラスまたはリヤガラスに当接した位
置で車輌を停車させれば所定位置に停車させることがで
き、しかも位置決め体は出入り口に設けた車庫用ドア体
の開放時に垂下し、閉鎖時には天井近傍位置に上動する
ので、車輌が入庫していないドア体閉鎖時においても邪
魔になることがないものである。

【０００６】

【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を図１
〜図３に示す図面に基づいて説明する。図面において、
１はオーバーヘッドドアを構成するドア体であって、該
ドア体１は複数のパネル体１ａを蝶番１ｂを介して上下
方向に一連状に連結して形成されているが、ドア体１の
左右両側縁部の上下方向複数箇所には取り付け部材２が
固定され、これら取り付け部材２にガイドローラ３が軸
承されている。一方、４は車庫の駆体開口部に建付けら
れ、前記ガイドローラ３が嵌合案内されるガイドレール
であって、該ガイドレール４は、開口部両側部に沿う縦
レール部４ａと車庫天井部に沿う水平レール部４ｂとで
略逆Ｌ字状に構成されている。また、車庫開口部上部に
は、巻装装置５が配設されており、該巻装装置５に基端
部が巻装されるワイヤ６の先端部はドア体１の最下端パ
ネル体１ａに連結され、これによってドア体１を吊持す
るようになっている。ここで、巻装装置５は、左右両側
に位置しワイヤ６が連結される左右一対のワイヤドラム
５ａ、これらワイヤドラム５ａを連動連結する巻き取り
軸５ｂ、巻き取り軸５ｂに弾装されてドア体１の荷重に
バランスすべく蓄勢されるバランス弾機５ｃ等の部材装
置で構成されている。そして、縦レール部４ａに位置し
て車庫開口部を閉鎖する閉鎖姿勢のドア体１を軽く上方
へ押しやる操作でワイヤ６は、ワイヤドラム５ａに巻き
取られこれによってドア体１は、前記閉鎖姿勢から水平
レール部４ｂ側に移動して開口部を開放する開放姿勢に
変姿するよう設定されている。これに対し、ドア体１の
開放姿勢から閉鎖姿勢への変姿は、ドア体１に設けられ
た図示しない操作ひもを軽く引き操作することでなさ
れ、これによってワイヤ６がワイヤドラム５ａから繰り
出されてドア体１は閉鎖するように設定されている。こ
こで、本実施の形態のドア体１は、前述したように手動
操作により作動する構成になっているが、前記巻装装置
５に電動モータを連動連結し、該電動モータの駆動力に
よってワイヤドラム５ａを駆動させる構成にしても勿論
よいものである。

【０００７】７は車輌位置検知具７であって、該車輌位
置検知具７の詳細を示した図４において、８はリング状
のフックであり、該フック８は基部側が断面略コ字状の
フック支持金具９に固定されている。また、フック支持
金具９の開口先端部は所定角度を有して折り曲げられて
互いに対向する係止片９ａ，９ａが形成されているもの
であるが、係止片９ａ，９ａの先端間距離ｍは、後述の
支持金具取り付け部材１２の幅寸法Ｍより小さく設定し
てある。１０は、前後２個のフック９，９に挿通された
紐体であり、該紐体１０の基端側はオーバーヘッドドア
を構成するパネル体１の最上段パネル１ａに固定されて
いるが、先端側にはゴム等の緩衝機能を有した材料で形
成された球状の位置決め体１１が固定されている。

【０００８】また、１２は、車庫の天井部にビスやアン
カーボルト等の固定手段を用いて取り付けられる支持金
具取り付け部材であり、該支持金具取り付け部材１２は
上面部１２ａと該上面部１２ａの両端側を対向状に折曲
してなる側面部１２ｂ，１２ｂとで断面略コ字状に形成
され、両側面部には所定間隔を存して複数の係止孔１２
ｃが対向して長手方向一直線状に穿設してある。なお、
係止孔１２ｃは、上記フック支持金具９の係止片９ｃが
嵌入係止可能な大きさに設定されている。上記２個のフ
ック支持金具９，９は、支持金具取り付け部材１２に係
止されるものであるが、図４（Ａ）に示すようにフック
支持金具９を矢印方向に移動して係止片９ａを支持金具
取り付け部材１２の側面部１２ｂに外嵌させると、係止
片９ａ，９ａ間距離ｍは支持金具取り付け部材１２の幅
Ｍより小さく設定されているので係止片９ａ，９ａ間は
弾力的に拡開し、その後係止片９ａ，９ａ先端が支持金
具取り付け部材１２の係止孔１２ｃに嵌入することによ
り係止されることとなる。

【０００９】そして、図２、図３に示すように支持金具
取り付け部材１２の両側面部１２ｂ，１２ｂのいずれも
が車庫の奥行き方向に位置するよう車庫の天井部に固定
するとともに、紐体１０の基端側を車庫開口部に設けた
オーバーヘッドドアのドア体１の最上段パネル体１ａに
取り付け、一旦車輌を車庫内の最適な位置に停車させて
位置決め体１１が車輌のフロントガラスまたはリヤガラ
ス面に接当するようにあらかじめ支持金具取り付け部材
１２とフック支持金具９との係止位置を調節することに
よりフック９の位置を設定し、位置決め体１１の最適な
懸吊位置と懸吊高さが設定してある。

【００１０】なお、フック８を位置調整するための手段
は、上述の如く支持金具取り付け部材１２にフック支持
金具９を係止させるものに限られるものではなく、例え
ば支持金具取り付け部材１２に複数の螺子孔を一直線状
に穿設し、フック８の基部側に形成した螺子部を螺入す
ることによりフック８の位置を変更可能に構成する等他
の手段を採用することができる。

【００１１】つぎに、本発明にかかる車輌停止位置検知
装置の作用を説明する。まず、図２に示す車庫開口部が
閉鎖された状態においては、紐体１０が取り付けられた
最上段パネル体１ａが開口部側に位置しているため、紐
体１０は天井面に対して略一直線状に張設されており位
置決め体１１は、支持金具取り付け部材１２を介して天
井側に取り付けられたフック９の近傍位置に懸吊されて
いる。この状態からオーバーヘツドドアのドア体１を上
方に持ち上げて開口部を開放すると、図３に示すように
最上段パネル体１ａが水平レール部４ｂに案内されて車
庫の奥側に移動し、これに伴って紐体１０がフック９か
ら次第に繰り出されて垂下するので紐体１０の先端に固
定された位置決め体１１も所定位置まで降下して懸吊さ
れることとなる。そして、車輌を車庫内に移動して位置
決め体１１がフロントガラスに接当した位置で停車すれ
ば、車輌は車庫内の所定位置に容易に納めることができ
る。その後、オーバーヘッドドアのドア体１を引き下げ
て開口部を閉鎖すれば最上段パネル体１ａの移動に連動
して位置決め体１１は再び車庫天井近傍位置まで上昇し
て停止することとなる。

【００１２】したがって、車輌を入庫するために開口部
を開放した状態では、位置決め体１１が所定位置に懸吊
した位置決め姿勢にあり、開口部を閉鎖した状態では、
位置決め体１１は天井近傍位置に上昇した収納状態とな
るため車庫内に障害物が存在することがなく、また安全
上も全く問題がない。

【００１３】フック９は、所定位置に入庫した車輌のフ
ロントガラスに位置決め体１１が接当するように設定し
た位置に１個のみ固定して設けてもよいものであるが、
上記の実施の形態に示したように、フック９を車庫奥行
き前後方向に２個並設して位置調整可能に構成した場合
には、車庫の奥側のフック９を移動することにより位置
決め体１１の懸吊位置の調整を、また開口部側のフック
９の移動により位置決め体１１の懸吊高さを調整するこ
とができ、車種に応じて最適な位置に位置決め体１１を
懸吊させることができて都合がよい。なお、車輌を後進
させて入庫する場合には、リアガラスに位置決め体１１
が接当するものであることは言うまでもない。また、位
置決め体１１は、車輌のガラス面に接当させるものであ
るから緩衝機能を有する材料で形成するのが望ましいも
のであるが、本実施の形態に示すようなゴムの他、発泡
樹脂で成形したり表面に布を被覆したもの等であっても
よく、その形状は問わないものである。さらに、本発明
における車庫用ドアとしては、前記実施の形態に示した
オーバーヘッドドアのほかスイングアップドア等、閉鎖
時には天井部に沿って収容される形式の種々ドアが含ま
れるものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】車庫に設置したオーバーヘッドドアの全体正面
図である。

【図２】車庫に設置したオーバーヘッドドアの閉鎖時に
おける全体側面図である。

【図３】車庫に設置したオーバーヘッドドアの開放時に
おける全体側面図である。

【図４】（Ａ） 車輌位置検知具の分解斜視図である。 （Ｂ） 同上組み立て斜視図である。

【符号の説明】

１ ドア体 １ａ パネル体 ７ 車輌位置検知具 ８ フック ９ フック支持金具 １０ 紐体 １１ 位置決め体 １２ 支持金具取り付け部材

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 出入り口に設けたドア体を、開口部に沿
   う閉鎖姿勢と庫車内天井部に沿う収納姿勢とに変姿せし
   める車庫用ドアの、上記ドア体上部には、先端側に位置
   決め体が固定された紐体の基端部を取着するとともに、
   該紐体を天井側に設けたフックを介して垂下し、前記位
   置決め体を所定位置に懸吊したことを特徴とする車輌停
   止位置検知装置。
2. 【請求項２】 上記フックは、車庫の奥行き方向位置調
   整可能に構成してあることを特徴とする請求項１記載の
   車輌停止位置検知装置。