JP2001234420A - ケナフを含む繊維、糸及びそれらの製造方法 - Google Patents

ケナフを含む繊維、糸及びそれらの製造方法

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JP2001234420A JP2000040187A JP2000040187A JP2001234420A JP 2001234420 A JP2001234420 A JP 2001234420A JP 2000040187 A JP2000040187 A JP 2000040187A JP 2000040187 A JP2000040187 A JP 2000040187A JP 2001234420 A JP2001234420 A JP 2001234420A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 衣料用に使用できる糸の原料として、優れた
ケナフ繊維材料を得る。 【解決手段】 ケナフ靭皮精練品乾燥重量100kg
に、水100kg、オイル7kgを含浸させた後、ブレ
ーカーにかけ、夾雑物を除き、繊維のもつれを分離した
後、スプレッダーを使用してスライバーを得た。このス
ライバーを繰り返しスプレッダーを使用し合計6回スプ
レッダーにかけたスライバーを得た。このスライバーの
平均繊維長は110mmであった。次にこのスライバー
をロータリーカッターで切断して、混紡用ケナフ繊維を
製造した。この混紡用ケナフ繊維の平均繊維長は38m
m、平均繊維幅は55μm、平均繊度は30dtexであっ
た。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、衣料用(タオル、
ハンカチ、レース、カーテン等、ニットや布帛の生活用
品を含む)に使用されるケナフ糸、ケナフ混紡糸、それ
らの糸の原料として使用されるケナフ繊維、及びそれら
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ケナフはジュートの代用として、
ロープ、網、粗布、麻袋等産業用の繊維材料として利用
されてきた。一般に麻類は、亜麻、ラミーを除いて、強
度は優れているが柔軟性に乏しく、粗剛でケバ立ちやす
く、衣料用に不向きであるとされていた。特にケナフ
は、ジュート以上に粗剛であるため、最近では紙などの
繊維産業以外の分野に使用されるようになってきてい
る。ケナフは特に粗剛であるという理由から、これまで
ケナフを衣料用の糸の原料に用いるという試みはなされ
てこなかった。
【0003】ケナフ以外の麻と他の衣料用繊維との複合
糸はすでに実用化されており、また例えば、特開平8−
246278号公報、特開平8−296133号公報な
どにも記載されている。しかし、これらの公知の方法で
は、原料の繊維として3d(3.3dtex)以下の平均繊度が
必要であり、この条件を満たす麻は、単繊維(繊維細
胞)の非常に長いものに限定される。すなわち、単繊維
長20〜200mmのラミー、単繊維長20〜30mm
のリネン等であり、これらの麻は古くから高級衣料用と
して利用されてきている。しかし、ケナフの単繊維長は
2〜6mmであり、単繊維による紡績は不可能である。
産業用のケナフ糸は、多数の単繊維が集束した繊維束を
紡績したものであり、その繊度は通常、70〜80dtex
である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の第1の目的
は、衣料用に使用できる糸の原料として、優れたケナフ
繊維材料を提供することである。本発明の第2の目的
は、衣料用に使用できるケナフ単独又は他の衣料用繊維
との混紡糸を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ケナフ靭
皮の開繊繊維も処理の条件によってはケナフ単独でも衣
料用の糸になりうることを見いだした。すなわち、ケナ
フ単独の衣料用ケナフ糸の原料となる本発明のケナフ繊
維は、ケナフ靭皮を精練し開繊して平均繊維幅20〜6
0μm又は平均繊度10〜40dtexとしたものである。
【0006】また、意外にもケナフ靭皮の開繊繊維が綿
繊維その他の衣料用繊維に材質的になじみの良いことを
見いだし、まずケナフ繊維を綿の形状に近づけること
で、綿繊維との混紡を可能にした。さらに、ケナフ繊維
を麻用の櫛梳機に繰り返しかけることにより、ケナフ繊
維がより好ましい形態に細分化し、また柔軟化し、衣料
用繊維との混紡に適した混紡用ケナフ繊維を得た。すな
わち、本発明の混紡用ケナフ繊維は、ケナフ靭皮を精練
し開繊した繊維を切断したものであり、平均繊維長が2
0〜60mm、平均繊維幅が20〜120μm、平均繊
度が10〜60dtexの繊維である。
【0007】本発明のケナフ繊維の製造には、一般のケ
ナフ又はジュートの紡績工場設備が使用される。一般の
ケナフ又はジュートの紡績工程では、まず靭皮繊維を浸
水精練(レッティング)により精練し、精練品に水と油
を加えて柔らかくし、通常ブレーカーという機械によ
り、爽雑物を除き繊維のもつれを分離する。次いで、櫛
梳機として主にスプレッダーを使用して長麻をけずりス
ライバーにする。スライバーは一般にロールホーマーに
よりコイル状に巻き取られる。そしてギルという練条機
でダブリングとドラフトを数回繰り返した後、粗紡・精
紡を経て単糸が作られる。
【0008】本発明の混紡用ケナフ繊維は、上記紡績工
程の中間品すなわち櫛梳機を通した後のスライバーを繊
維用切断機で20〜60mm、好ましくは30〜45m
mにカットすることによって得られる。切断機として
は、ロータリーカッター、ギロチンカッター等あらゆる
ものが使用可能であるが、均一の長さに切断できるもの
が好ましい。ケナフ繊維は、ケナフ単独の糸に紡績され
る前、又は他の衣料用繊維との混紡のために切断される
前に麻紡績用練条機を通してもよい。この操作によりケ
ナフ繊維にウエーブがかかり、紡績した後の糸の品質が
向上する。
【0009】以上は、本発明のケナフ繊維の基本的製法
であるが、本発明において特に好ましい製法は、前記櫛
梳機にて長麻をけずる工程を繰り返し行うことである。
従来、ケナフやジュート紡績では櫛梳の工程は1回だけ
であり、繰り返して行うことは考えられないことであっ
た。それは、櫛梳の繰り返しによって、繊維長は短く、
繊維幅は細く、剛性は低くなり、麻糸・麻ロープに本来
要求される強度が弱くなるからである。本発明において
は、それと反対の発想で、櫛梳の繰り返しにより、繊維
の剛性を低くし逆に柔軟性を出すことによって、衣料用
に適した繊維材料にすることに着目した。
【0010】かかる本発明の製造法では、ケナフ繊維の
スライバーの平均繊維長が60〜250mmになるまで
櫛梳を繰り返すのが好ましく、さらに80〜150mm
になるまで櫛梳を繰り返すのがより好ましい。櫛梳の回
数は使用する櫛梳機の種類によって異なるが、一般のス
プレッダーを使用した場合、1回だけであればケナフ繊
維のスライバーの平均繊維長は300〜400mmであ
るのに対し、ケナフ繊維のスライバーの好ましい平均繊
維長60〜250mmにするには2〜20回櫛梳を繰り
返せばよく、より好ましい平均繊維長80〜150mm
にするには4〜10回櫛梳を繰り返せばよい。櫛梳の繰
り返しによって平均繊維長が短くなるのに伴い、平均繊
維幅も短くなり、平均繊度も低くなる。
【0011】上記のケナフ繊維のスライバーは単独でも
衣料用の糸の原料となる。この場合は、繊維長が長い方
が良品質の糸が得られるので、切断せずそのまま練条、
粗紡、加撚の工程を経て糸にするのが好ましい。また、
本発明においては、かかるケナフ繊維のスライバーを混
紡用ケナフ繊維として使用するのがより好ましく、その
場合、スライバーを繊維用切断機で20〜60mm、好
ましくは30〜45mmに切断する。
【0012】本発明のケナフ単独の糸用のケナフ繊維
は、平均繊維長60〜250mm、好ましくは80〜1
50mmである。また、本発明の混紡用ケナフ繊維は、
平均繊維長20〜60mm、好ましくは30〜45mm
である。ケナフ平均繊維長が20mm未満であったり、
又は60mmを超えると、衣料用繊維の平均繊維長38
mmから離れすぎ混紡が困難である。
【0013】本発明のケナフ繊維の平均繊維幅は20〜
120μm、好ましくは20〜80μm、より好ましく
は20〜60μmである。ケナフ繊維の断面は、一般に
細長い楕円形をしている。本発明における繊維幅とは、
その断面の長径と短径の和を2で割った値をいう。ま
た、平均繊維幅とは、本発明の工程ででき上がる繊維の
集合の、各繊維の繊維幅の平均値をいう。平均繊維幅が
120μmを超えるものは、太すぎて衣料用繊維にはな
りにくいし、他の衣料用繊維との混紡も困難となる。ま
た、平均繊維幅が20μm未満のものは、単繊維又はそ
れに近い状態になってしまうので目的とする繊維長が得
られない。
【0014】本発明のケナフ繊維の平均繊度は10〜6
0dtex、好ましくは10〜40dtexである。平均繊度が
60dtexを超えるものは、太すぎて衣料用繊維にはなり
にくいし、他の衣料用繊維との混紡も困難となる。ま
た、平均繊度が10dtex未満のものは、単繊維又はそれ
に近い状態になってしまうので目的とする繊維長が得ら
れない。本発明のケナフ糸はケナフ単独の糸であり、上
に記載した本発明のケナフ繊維が紡績されてなる繊維束
からなるものである。本発明のケナフ混紡糸は、上に記
載した本発明の混紡用ケナフ繊維と他の衣料用繊維とが
混紡されてなる繊維束からなるものである。この場合、
他の衣料用繊維は1種類であってもよく、2種類以上で
あってもよい。
【0015】ケナフ繊維と他の衣料用繊維との混合割合
は、ケナフ:他の衣料用繊維=5:95重量%〜70:
30重量%、好ましくは10:90重量%〜70:30
重量%である。本発明の混紡用ケナフ繊維はあらゆる衣
料用繊維との混紡が可能である。本発明の混紡用ケナフ
繊維と混紡するのに適する衣料用繊維の1つは天然繊維
であり、特に綿である。ケナフ繊維と綿との混紡糸は、
吸水性に優れ、柔らかく、肌に優しい。
【0016】本発明の混紡用ケナフ繊維と混紡するのに
適する衣料用繊維の他の例はポリエステルである。ケナ
フ繊維とポリエステルとの混紡糸は、強力である。本発
明の混紡用ケナフ繊維と混紡するのに適する衣料用繊維
のさらに他の例はレーヨンである。ケナフ繊維とレーヨ
ンとの混紡糸は、吸水性に優れ、柔らかい。ケナフ繊維
と2種類以上の他の衣料用繊維とを混紡した本発明のケ
ナフ混紡糸の例としては、ケナフと綿の組合せを基本と
して、それにポリエステル、レーヨン、アクリルなど綿
と混紡するのに適した衣料用繊維の1種類又は2種類以
上を組み合わせて混紡したものを挙げることができる。
【0017】本発明のケナフ単独の糸は、以下の工程
(A)から(E)を備えている。 (A)平均繊維幅20〜60μm又は平均繊度10〜4
0dtexのケナフ繊維に除塵、混綿作用を施す混綿混紡工
程、(B)前記混綿混紡工程で得られた繊維に梳綿作用
を施し、ひも状のスライバーにする梳綿工程、(C)梳
綿工程で得られた複数のスライバーにダブリングとドラ
フトを施す練条工程、(D)練条工程で得られた均整な
スライバーをさらに引き伸ばして巻き取る粗紡工程、
(E)粗紡工程を経た繊維束をドラフトして加撚し糸に
する精紡工程。
【0018】また、本発明のケナフ混紡糸は、以下の工
程(A)から(E)を備えている。(A)本発明の混紡
用ケナフ繊維と他の衣料用繊維とを混合する混綿混紡工
程、(B)混合された繊維に梳綿作用を施し、ひも状の
スライバーにする梳綿工程、(C)梳綿工程で得られた
複数のスライバーにダブリングとドラフトを施す練条工
程、(D)練条工程で得られた均整なスライバーをさら
に引き伸ばして巻き取る粗紡工程、(E)粗紡工程を経
た繊維束をドラフトして加撚し糸にする精紡工程。
【0019】本発明のケナフ単独の糸及びケナフ混紡糸
を製造する紡績機械として綿紡績機械を使用する。混綿
混紡工程は、原料供給コンベアーラチス上でケナフ繊維
と他の衣料用繊維とを混合する工程である。ケナフ単独
の糸を製造する場合には他の衣料用繊維との混合は行わ
ない。梳綿工程は、梳綿機により繊維に梳綿作用を施し
ながら、夾雑物や紡出に不適当な未熟繊維、短繊維、繊
維塊などを除去し、繊維をある程度平行状態にする工程
である。練条工程は、複数本のスライバーを併合して引
き伸ばし均整にして繊維の縮みをなくし、平行に揃える
工程である。
【0020】本発明のケナフ混紡糸を製造する方法で
は、混綿混紡工程の前に、ケナフ繊維に対してのみ、平
均繊維長が38±7mm、平均繊度が20〜40dtexに
なるまで衣料用繊維紡績用に好ましくない繊維との分離
及び除塵を行う分離・除塵工程を施すことが好ましい。
分離・除塵工程の一例は、次の通りである。 原料供給コンベアーラチス→ミキシング・開繊用ホッパ
ー(有スパイク)→開繊、除塵用ビーター(有ピンシリ
ンダー)→送綿ファン(空気搬送)→梳綿機(ウエブ
状)→送綿ファン(空気搬送)→集綿機→計量器 分離・除塵工程における分離及び除塵作用により、繊維
長が38±7mm内に均一化するだけでなく、繊度もよ
り小さくなる。
【0021】混綿混紡工程では、ケナフ繊維と綿その他
の繊維との混ざりを良くするために、ホッパーとビータ
ーをそれぞれ2以上備えた製造ラインを使用するのが好
ましい。好ましい混綿混紡ラインは、1ラインにおいて
ホッパー、クリーナー、ファンコンデンサー及びビータ
ーをそれぞれ2つ備えている。これに対して、紡績用の
綿混紡ラインは、通常、ホッパー1基、クリーナー2
基、ファンコンデンサー1基及びビーター2基を備えて
いる。本発明における好ましい混綿混紡ラインは、ケナ
フ繊維と他の繊維との混ざりを良くするために、通常の
綿の混紡ラインよりも、1ラインあたりホッパー1基と
ファンコンデンサー1基を多く備えている。練条工程は
少なくとも3頭通し、すなわち少なくとも3回繰り返す
のが好ましい。
【0022】
【作用】本発明の混紡用ケナフ繊維が衣料用繊維との混
紡に優れた性能を発揮する理由は、すべて解明されたわ
けではないが、以下のように考えられる。図1に示す写
真(A),(B)は櫛梳機に1回通した場合のケナフ繊
維の顕微鏡による側面写真と断面写真である。写真
(A)を見ると、ケナフの繊維の表面が一部剥がれて細
い繊維が飛び出している。これは櫛梳機により繊維が引
っ掻かれたためにできたものと考えられるが、実際に多
く見られる。このようなものが紡績の際、ケナフ繊維ど
おし、又はケナフ繊維と他の衣料用繊維との絡みつきを
容易にするように作用していると考えられる。写真
(B)を見るとケナフ繊維が20〜30個ほど単繊維の
繊維束になっているのがよくわかる。1つの孔の周囲が
1個の単繊維(繊維細胞)である。
【0023】図2の写真(A),(B)は櫛梳機に6回
通したときの本発明のケナフ繊維の顕微鏡による側面写
真である。写真(A)を見ると、繊維束が偏平な形で剥
がれていくように見える。写真(B)は繊維がねじれた
部分であるが、これを見ると明らかに偏平な形をしてい
る。ケナフの単繊維の幅は10〜20μmである。ねじ
れの白く見えるところがちょうど単繊維1個分の大きさ
に等しい。この繊維は単繊維が3〜5個並んだ構造にな
っていると考えられる。
【0024】以上のことから、ケナフ繊維は蜂の巣のよ
うな構造の繊維束であるのが、櫛梳機に繰り返しかけら
れることにより、単繊維が並んだ偏平な形に細分化され
るものと考えられる。これにより、繊維長は一定の長さ
を保ちつつ、繊維幅と繊度は最小限まで下げられ、より
混紡に適した形となり、また単繊維の並んだ偏平な形に
なることで面を折り曲げる方向での柔軟性が出、全体と
して繊維が柔らかくなるものと考えられる。
【0025】
【発明の実施の形態】次に実施例により本発明をさらに
詳しく説明するが、本発明はこれによって限定されるも
のではない。実施例では、ケナフ繊維の製造において、
ケナフ靭皮精練品としてレッティングしたものを使用
し、夾雑物を除き、繊維のもつれを分離する機械として
ブレーカーを、また櫛梳機としてスプレッダーを、スラ
イバーの切断機としてロータリーカッターを使用した。
また、ケナフ混紡糸の製造は、このケナフ繊維と綿とを
用い、前記記載の好ましい設備、工程により分離・除塵
工程、混綿混紡工程、梳綿工程、練条工程、粗紡工程及
び精紡工程を通すことにより行った。
【0026】(実施例1)ケナフ靭皮精練品乾燥重量1
00kgに、水100kg、オイル7kgを含浸させた
後、ブレーカーにかけ、夾雑物を除き、繊維のもつれを
分離した後、スプレッダーを使用してスライバーを得
た。このスライバーの平均繊維長は360mmであっ
た。次に、このスライバーをロータリーカッターで切断
して、混紡用ケナフ繊維を製造した。この混紡用ケナフ
繊維の平均繊維長は38mm、平均繊維幅は90μm、
平均繊度は50dtexであった。
【0027】(実施例2)実施例1と同じ方法で得たス
ライバーを繰り返しスプレッダーを使用し合計6回スプ
レッダーにかけたスライバーを得た。このスライバーの
平均繊維長は110mmであった。次にこのスライバー
をロータリーカッターで切断して、混紡用ケナフ繊維を
製造した。この混紡用ケナフ繊維の平均繊維長は38m
m、平均繊維幅は55μm、平均繊度は30dtexであっ
た。
【0028】(実施例3)実施例1のケナフ繊維と綿と
を原料とした。ケナフ繊維には分離・除塵工程により分
離及び除塵作用を施した。その結果、ケナフ繊維の歩止
まりは60%で平均繊度が40dtexとなった。分離・除
塵工程を経た後のケナフ繊維を綿とともに混打綿機に通
し、ついで梳綿機に通し、練条機3回通しを施し、粗紡
機、精紡機を通してケナフ混紡糸を得た。
【0029】(実施例4〜7)実施例2のケナフ繊維と
綿とを原料とした。ケナフ繊維には分離・除塵工程によ
り分離及び除塵作用を施した。その結果、ケナフ繊維の
歩止まりは75%で平均繊度が20dtexとなった。分離
・除塵工程を経た後のケナフ繊維を綿とともに混打綿機
に通し、ついで梳綿機に通し、練条機3回通しを施し、
粗紡機、精紡機を通してケナフ混紡糸を得た。
【0030】(比較例)比較例として、従来から衣料用
混紡糸として用いられている、綿とリネン、ラミーなど
との混紡糸を示す。比較例の1つは、綿50%、リネン
25%、ラミー25%となるように混紡された麻混紡糸
である。実施例3〜7及び比較例の結果を表1にまとめ
て示す。
【0031】
【表1】
【0032】比較例は綿50%との混紡糸であるので、
それらと物性の比較を行うために、同じく綿50%との
混紡糸で、太さもほぼ同じ番手である実施例3,4を取
り上げて比較する。物理的特性であるmg変動率、水分
率、撚数、単糸強力、強力変動率、単糸伸度のそれぞれ
を比較すると、これらの実施例のケナフ混紡糸は衣料用
麻混紡糸として用いられている比較例の麻混紡糸に近い
物性を備えていることがわかる。すなわち、これまでケ
ナフは衣料用途には不向きで、ケナフ単独の糸にしても
混紡糸にしても、衣料用の糸を製造することは困難であ
ったが、本発明によりこれまでの衣料用麻混紡糸に近い
物性のものを製造することが可能になったことを示して
いる。
【0033】また、実施例3,4のウースターU%、I
PIシン、シック及びネックの数値が比較例より大きい
ことから、本発明の混紡糸の方がムラ感が大きいことが
わかる。これは、本発明の混紡糸では、ケナフ原料の特
性から、特殊な紡績技術を用いなくても自然なムラ感が
出るためである。このことから、本発明の混紡糸を使用
して製作した衣料は、肌に接触する面積が少なくなって
冷涼感が増し、さらに視覚的にも清涼感が出るため、夏
衣や作業衣に好適な素材となる。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果があ
る。 (1)ケナフ靭皮を精練し開繊して、平均繊維幅20〜
60μm又は平均繊度10〜40dtexのケナフ繊維とし
たので、衣料用のケナフ単独の糸を製造することができ
るようになった。 (2)そのケナフ繊維を切断して平均繊維長20〜60
mmとすることにより、綿を初めとする衣料用繊維と混
紡して、リネン、ラミーとの衣料用麻混紡糸に近い物性
を備えた衣料用のケナフ混紡糸を製造することができる
ようになった。 (3)ケナフ繊維は熱の良導体であって体温を奪って冷
感を伴い、しかも糸にした場合にムラ感が大きくなるた
め、本発明のケナフ繊維、ケナフ単独の糸及び混紡紡績
糸は、夏衣の好適な素材となる。 (4)ケナフ繊維は多孔質で水分の吸収発散が速いの
で、本発明のケナフ繊維、ケナフ単独の糸及び混紡紡績
糸は、タオル、衣料、ハンカチ等の好適な原料となる。 (5)ケナフ繊維は多孔質で吸音性に優れており、本発
明のケナフ繊維、ケナフ単独の糸及び混紡紡績糸は、自
動車の内装やカーテンなど防音効果を要求される布地の
好適な原料となる。 (6)ケナフ繊維は、ラミー、リネンなどの従来の衣料
用繊維に比べてはるかに安価であり、また綿繊維に比べ
ても安価であり、コストの削減になる。 (7)ケナフは二酸化炭素の吸収能力が非常に高い植物
であり、ケナフ繊維を使用することにより地球温暖化の
防止に頁献する。
【図面の簡単な説明】
【図1】櫛梳機に1回通したときのケナフ繊維の顕微鏡
による写真であり、(A)は側面写真、(B)は断面写
真である。
【図2】櫛梳機に6回通したときのケナフ繊維の顕微鏡
による写真であり、(A),(B)はともに側面写真で
ある。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中村 稔 愛媛県北条市北条1005番地 倉敷紡績株式 会社北条工場内 (72)発明者 大西 浩一 愛媛県北条市北条1005番地 倉敷紡績株式 会社北条工場内 (72)発明者 藤尾 宜範 大阪府大阪市中央区久太郎町2丁目4番31 号 倉敷紡績株式会社大阪本社内 Fターム(参考) 3B151 AA02 AA16 AA18 CA01 CA15 CB06 4L036 MA08 MA09 MA35 MA39 PA31 PA33

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケナフ靭皮を精練し開繊した繊維を切断
    したものであって、平均繊維長が20〜60mmであ
    り、かつ平均繊維幅が20〜120μmであるか又は平
    均繊度が10〜60dtexであることを特徴とする混紡用
    のケナフ繊維。
  2. 【請求項2】 前記平均繊維幅が20〜80μmである
    請求項1に記載のケナフ繊維。
  3. 【請求項3】 前記平均繊維幅が20〜60μmである
    請求項2に記載のケナフ繊維。
  4. 【請求項4】 前記平均繊度が10〜40dtexである請
    求項1から3のいずれかに記載のケナフ繊維。
  5. 【請求項5】 平均繊維幅20〜60μm又は平均繊度
    10〜40dtexのケナフ繊維からなる繊維束からなるこ
    とを特徴とするケナフ糸。
  6. 【請求項6】 平均繊維長が20〜60mmであり、か
    つ平均繊維幅が20〜120μmであるか又は平均繊度
    が10〜60dtexであるケナフ繊維と1種類又は複数種
    類の他の衣料用繊維とが混紡されてなる繊維束からなる
    ことを特徴とするケナフ混紡糸。
  7. 【請求項7】 ケナフと他の衣料用繊維との混合割合
    は、ケナフ:他の衣料用繊維=5:95重量%〜70:
    30重量%である請求項6に記載のケナフ混紡糸。
  8. 【請求項8】 他の衣料用繊維は綿である請求項6又は
    7に記載のケナフ混紡糸。
  9. 【請求項9】 他の衣料用繊維はポリエステルである請
    求項6又は7に記載のケナフ混紡糸。
  10. 【請求項10】 他の衣料用繊維はレーヨンである請求
    項6又は7に記載のケナフ混紡糸。
  11. 【請求項11】 ケナフ靭皮を精練した後、夾雑物を除
    き繊維のもつれを分離する機械にかけたケナフ繊維を平
    均繊維幅20〜120μm又は平均繊度10〜60dtex
    になるまで櫛梳機にかけたスライバーを切断機で切断し
    て平均繊維長20〜60mmとすることを特徴とする混
    紡用のケナフ繊維の製造方法。
  12. 【請求項12】 ケナフ靭皮を精練した後、夾雑物を除
    き繊維のもつれを分離する機械にかけたケナフ繊維をス
    ライバーの平均繊維長が60〜250mmになるまで櫛
    梳機に繰り返しかけ、そのスライバーを切断機で切断し
    て平均繊維長20〜60mmとすることを特徴とする混
    紡用のケナフ繊維の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記スライバーの平均繊維長が80〜
    150mmになるまで繰り返し櫛梳機にかける請求項1
    2に記載の製造方法。
  14. 【請求項14】 以下の工程(A)から(E)を備えて
    ケナフ糸を得る製造方法。 (A)平均繊維幅20〜60μm又は平均繊度10〜4
    0dtexのケナフ繊維に除塵、混綿作用を施す混綿混紡工
    程、 (B)前記混綿混紡工程で得られた繊維に梳綿作用を施
    し、ひも状のスライバーにする梳綿工程、 (C)梳綿工程で得られた複数のスライバーにダブリン
    グとドラフトを施す練条工程、 (D)練条工程で得られた均整なスライバーをさらに引
    き伸ばして巻き取る粗紡工程、 (E)粗紡工程を経た繊維束をドラフトして加撚し糸に
    する精紡工程。
  15. 【請求項15】 以下の工程(A)から(E)を備えて
    ケナフ混紡糸を得る製造方法。 (A)平均繊維長20〜60mm、平均繊維幅20〜1
    20μm、平均繊度10〜60dtexのケナフ繊維と他の
    衣料用繊維とを混合する混綿混紡工程、 (B)混合された繊維に梳綿作用を施し、ひも状のスラ
    イバーにする梳綿工程、 (C)梳綿工程で得られた複数のスライバーにダブリン
    グとドラフトを施す練条工程、 (D)練条工程で得られた均整なスライバーをさらに引
    き伸ばして巻き取る粗紡工程、 (E)粗紡工程を経た繊維束をドラフトして加撚し糸に
    する精紡工程。
  16. 【請求項16】 前記混綿混紡工程の前に、ケナフ繊維
    に対し、平均繊維長が38±7mm、平均繊度が20〜
    40dtexになるまで衣料用繊維紡績用に好ましくない繊
    維との分離及び除塵を行う分離・除塵工程を施す請求項
    14又は15に記載の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記混綿混紡工程はホッパー、クリー
    ナー、ファンコンデンサー及びビーターをそれぞれ2以
    上備えた製造ラインを使用して行う請求項14から16
    のいずれかに記載の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記練条工程は少なくとも3回繰り返
    す請求項14から17のいずれかに記載の製造方法。
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