JP2001234139A - 複合された糊料及びそれに使用される低分子糊料 - Google Patents

複合された糊料及びそれに使用される低分子糊料

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JP2001234139A
JP2001234139A JP2000046074A JP2000046074A JP2001234139A JP 2001234139 A JP2001234139 A JP 2001234139A JP 2000046074 A JP2000046074 A JP 2000046074A JP 2000046074 A JP2000046074 A JP 2000046074A JP 2001234139 A JP2001234139 A JP 2001234139A
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Japan
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average molecular
gum
less
low
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JP2000046074A
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Takehiko Sakai
武彦 酒井
Masaaki Kojima
正明 小島
Yuji Uzuhashi
祐二 埋橋
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INA Food Industry Co Ltd
Original Assignee
INA Food Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶解性に優れた高粘性の複合された糊料及びそ
れに使用される糊料を提供することである。 【解決手段】 平均分子量10万以上、500万以下で
あるローカストビーンガム、平均分子量10万以上、1
200万以下であるグアーガム、平均分子量10万以
上、400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均
分子量10万以上、700万以下であるタラビーンガム
のいずれか1以上からなる低分子糊料と、キサンタンガ
ム又はカラギナンと、を含むことを特徴とする複合され
た糊料である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶解性に優れた高
粘性の複合された糊料及びそれに使用される低分子糊料
に関する。
【0002】
【従来の技術】キサンタンガムは、微生物であるキサン
トモナス・キャンペストリスの菌体外に産生される天然
の多糖類であり、グルコース,マンノース及びグルクロ
ン酸により構成されている。キサンタンガムを製造する
には一般に、ブドウ糖や澱粉培地でキサントモナス・キ
ャンペストリスを純粋培養して粘質物を生産させ、これ
をアルコール沈澱により回収して精製・乾燥・粉砕す
る。
【0003】キサンタンガムは、冷水に溶解して粘性を
示すが、水溶液に外力が加わっている状態と外力が加わ
っていない静置状態とで大きく粘度が異なるという性
質、いわゆるシュード・プラスチック(pseodo-plasti
c)性(擬可塑性)を示し、また耐塩性、耐酸性及び耐
熱性に優れているため、ドレッシング,ケチャップ,マ
ヨネーズ,塩辛,佃煮等、多くの食品の増粘剤として利
用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、キサンタンガ
ムは、グアーガム等と比較して粘度が低く、高粘度のも
のが望まれている。特開平10−33125には、キサ
ンタンガムに酸や熱を加えることにより、水素結合によ
る架橋構造とし、これによりキサンタンガムの粘性を高
くすることが記載されているが、このような架橋構造に
すると、自由な水素基が減少するため、溶解性に劣ると
いう欠点がある。
【0005】また、水溶性コロイドであるカラギナン
も、多くの食品の増粘剤、ゲル化剤として利用されてい
るが、キサンタンガムと同様に他の糊料と比較して粘度
が低く、高粘度のものが望まれている。
【0006】そこで、本発明は、溶解性に優れた高粘性
の複合された糊料及びそれに使用される低分子糊料を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成するた
め、本発明は、平均分子量10万以上、500万以下で
あるローカストビーンガム、平均分子量10万以上、1
200万以下であるグアーガム、平均分子量10万以
上、400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均
分子量10万以上、700万以下であるタラビーンガム
のいずれか1以上からなる低分子糊料と、キサンタンガ
ムと、を含むことを特徴とする複合された糊料である。
【0008】通常の平均分子量のローカストビーンガム
などの糊料とキサンタンガムを併用すると、高分子複合
物を作ってゲル化してしまうが、本発明によれば、上記
の平均分子量の低分子糊料が通常の平均分子量のローカ
ストビーンガムなどの糊料の主鎖を切断したものなの
で、この低分子糊料とキサンタンガムの複合によりゲル
構造を構成することなく、キサンタンガムの粘性を増加
させることができる。また、本発明によれば、粘性の
質、例えば曵糸性を少なくすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】キサンタンガムと通常のローカス
トビーンガムなどの糊料との反応は、キサンタンガムの
分子が水に溶解して構成するダブルへリックス構造と、
ローカストビーンガムのマンノースの直鎖部分が複合し
て、強固にネットワーク構造を形成し、ゼリー状態とな
る。これに対して、本願発明において用いられる平均分
子量10万以上、500万以下のローカストビーンガム
などの低分子糊料は、通常の平均分子量のローカストビ
ーンガムの分子鎖を切断したものであり、キサンタンガ
ムが構成するダブルへリックス構造と強固に複合する直
鎖部分がないため、広く分散してキサンタンガムの網目
構造に入り込み、キサンタンガムと多く接することにな
る。キサンタンガムのこれら低分子糊料との接点が多く
なると、上記平均分子量のローカストビーンガムのよう
な低分子糊料の短分子鎖があたかもキサンタンガムに側
鎖として結合したように働き、これによりキサンタンガ
ムの粘性構造が変化して増粘するとともに、曵糸性を少
なくなるよう粘性の質が変わるものと考えられる。
【0010】このようにキサンタンガムを増粘させる低
分子糊料としては、平均分子量10万以上、500万以
下であるローカストビーンガムの他に平均分子量10万
以上、1200万以下であるグアーガム、平均分子量1
0万以上、400万以下であるコンニャクマンナン、及
び平均分子量10万以上、700万以下であるタラビー
ンガムなどを用いることができる。
【0011】また、キサンタンガムと併用する低分子糊
料は、平均分子量30万以上、300万以下であるロー
カストビーンガム、平均分子量50万以上、700万以
下であるグアーガム、平均分子量20万以上、200万
以下であるコンニャクマンナン及び平均分子量30万以
上、400万以下であるタラビーンガムなどが特に好ま
しい。
【0012】このような平均分子量の低分子糊料とキサ
ンタンガムの割合は、1:1〜400、特に1:5〜1
00であることが好ましい。
【0013】このような複合された糊料は、例えば、以
下のような方法で得ることができる。先ず、通常の平均
分子量のローカストビーンガムなどの上記糊料を水に加
熱溶解させた後、酸または酵素を添加し、主鎖を切断し
て、分子量の調整を行い、次いで中和又は酵素の除去・
失活することにより上記平均分子量の低分子糊料を得
る。その後、この低分子糊料に規定量のキサンタンガム
水溶液と混同し、スプレードライ、フリーズドライなど
により乾燥することにより粉末状の複合された糊料を得
ることができる。また、上述のように平均分子量の低分
子糊料を得た後、それをスプレードライなどによって乾
燥して粉末状とし、これに粉末状のキサンタンガム所定
量を加えて混合することによっても粉末状の複合された
糊料を得ることができる。さらに、粉末状態の通常の平
均分子量の上記糊料に酸を加えて加熱処理後中和するこ
とによって粉末状態で上記平均分子量の低分子糊料を得
て、この低分子糊料に粉末状のキサンタンガム所定量を
加えて混合することによっても粉末状の複合された糊料
を得ることができる。
【0014】また、本発明は、平均分子量10万以上、
500万以下であるローカストビーンガム、平均分子量
10万以上、1200万以下であるグアーガム、平均分
子量10万以上、400万以下であるコンニャクマンナ
ン、及び平均分子量10万以上、700万以下であるタ
ラビーンガムのいずれか1以上からなる低分子糊料と、
カラギナンと、を含むことを特徴とする複合された糊料
である。
【0015】本発明によれば、上記の平均分子量の低分
子糊料とカラギナンの複合によりゲル構造を構成するこ
となく、カラギナンの粘性を増加させることができる。
カラギナンは、キサンタンガムと同様に水に溶解してダ
ブルへリックス構造を形成するので、平均分子量10万
以上、400万以下のローカストビーンガムなどの低分
子糊料が、広く分散してカラギナンの網目構造に入り込
み、カラギナンと多く接することになる。カラギナンの
これら低分子糊料との接点が多くなると、上記平均分子
量のローカストビーンガムのような低分子糊料の短分子
鎖があたかもカラギナンに側鎖として結合したように働
き、これによりカラギナンの粘性構造が変化して増粘す
るとともに、曵糸性を少なくなるよう粘性の質が変わる
ものと考えられる。
【0016】このようにカラギナンを増粘させる低分子
糊料としては、平均分子量10万以上、500万以下で
あるローカストビーンガムの他平均分子量10万以上、
1200万以下であるグアーガム、平均分子量10万以
上、400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均
分子量10万以上、700万以下であるタラビーンガム
などを用いることができる。
【0017】また、カラギナンと併用する低分子糊料
は、平均分子量30万以上、300万以下であるローカ
ストビーンガム、平均分子量50万以上、700万以下
であるグアーガム、平均分子量20万以上、200万以
下であるコンニャクマンナン及び平均分子量30万以
上、400万以下であるタラビーンガムなどが特に好ま
しい。
【0018】さらに、これら低分子糊料と併用するカラ
ギナンとしては、ナトリウム型のカラギナンが特に好ま
しい。ナトリウム型のカラギナンは、増粘剤として利用
する場合が多く、これら糊料との反応により、より良い
効果を発揮することができる。
【0019】このような平均分子量の低分子糊料とカラ
ギナンの割合は、1:1〜400、特に1:5〜100
であることが好ましい。
【0020】このような複合された糊料は、例えば、以
下のような方法で得ることができる。先ず、通常の平均
分子量のローカストビーンガムなどの上記糊料を水に加
熱溶解させた後、酸または酵素を添加し、主鎖を切断し
て、分子量の調整を行い、次いで中和又は酵素の除去・
失活することによって上述のように平均分子量の低分子
糊料を得る。その後、この低分子糊料に規定量のカラギ
ナンを加熱溶解した水溶液と混同し、スプレードライ、
フリーズドライなどにより乾燥することにより粉末状の
複合された糊料を得ることができる。また、上記平均分
子量の糊料を得た後、それをスプレードライなどによっ
て乾燥して粉末状とし、これに粉末状のカラギナン所定
量を加えて混合することによっても粉末状の複合された
糊料を得ることができる。さらに、粉末状態の通常の平
均分子量の上記糊料に酸を加えて加熱処理後中和するこ
とによって粉末状態で上記平均分子量の低分子糊料を得
て、この低分子糊料に粉末状のカラギナン所定量を加え
て混合することによっても粉末状の複合された糊料を得
ることができる。
【0021】さらに、本発明は、平均分子量10万以
上、4000万以下である低分子キサンタンガム、好ま
しくは平均分子量20万以上、500万以下の低分子キ
サンタンガムと、ローカストビーンガム、グアーガム、
コンニャクマンナン、タラビーンガム、及びカシアガム
のいずれか1以上からなる糊料と、を含むことを特徴と
する複合された糊料である。
【0022】本発明によれば、上記の平均分子量の低分
子キサンタンガムと、上記いずれか1以上の糊料の複合
によりゲル構造を構成することなく、キサンタンガムの
粘性を増加させることができる。平均分子量10万以
上、4000万以下の低分子キサンタンガムは、水に溶
解してもダブルへリックス構造を形成することがないの
で、広く分散して、ローカストビーンガムなど糊料のマ
ンノースの直鎖部分に絡み合い、糊料の分子と多く接す
ることになる。低分子キサンタンガムの糊料との接点が
多くなると、低分子キサンタンガムがローカストビーン
ガムのような糊料の直鎖部分にあたかも側鎖として結合
したように働き、これによりキサンタンガムの粘性構造
が変化して増粘するとともに、曵糸性を少なくなるよう
粘性の質が変わるものと考えられる。
【0023】このように平均分子量10万以上、400
0万以下の低分子キサンタンガムを増粘させる糊料とし
ては、ローカストビーンガムの他にグアーガム、コンニ
ャクマンナン、タラビーンガム、カシアガムなどを用い
ることができる。
【0024】平均分子量10万以上、4000万以下の
低分子キサンタンガムと上記糊料との割合は、1:1〜
400、特に1:5〜100であることが好ましい。
【0025】このような複合された糊料は、例えば、以
下のような方法で得ることができる。先ず、通常の平均
分子量のキサンタンガムを水に溶解さえた後、酸を加え
加熱し主鎖を切断して、分子量の調整を行い、次いで中
和することにより上記平均分子量の低分子キサンタンガ
ムを得る。その後、この低分子キサンタンガムに規定量
の上記糊料の水溶液を混合し、スプレードライ、フリー
ズドライなどにより乾燥することにより、粉末状の複合
された糊料を得ることができる。また、上述のように平
均分子量の低分子キサンタンガムを得た後、これをスプ
レードライなどによって乾燥して粉末状とし、これに粉
末状の上記糊料を所定量加えて混合することによっても
粉末状の複合された糊料を得ることができる。さらに、
粉末状態の通常の平均分子量のキサンタンガムに酸を加
えて加熱処理後中和することによって粉末状態で上記平
均分子量の低分子キサンタンガムを得て、この低分子キ
サンタンガムに粉末状の上記糊料を所定量加えて混合す
ることによっても粉末状の複合された糊料を得ることが
できる。
【0026】またさらに、本発明は、平均分子量10万
以上、900万以下である低分子カラギナンと、ローカ
ストビーンガム、グアーガム、コンニャクマンナン、タ
ラビーンガム、及びカシアガムのいずれか1以上からな
る糊料と、を含むことを特徴とする複合された糊料であ
る。
【0027】本発明によれば、平均分子量10万以上、
900万以下の低分子カラギナンと、上記いずれか1以
上の糊料の複合によりゲル構造を構成することなく、カ
ラギナンの粘性を増加させることができる。平均分子量
10万以上、900万以下の低分子カラギナンは、水に
溶解してもダブルへリックス構造を形成することがない
ので、広く分散して、ローカストビーンガムなど糊料の
マンノースの直鎖部分に絡み合い、糊料の分子と多く接
することになる。低分子カラギナンの糊料との接点が多
くなると、低分子カラギナンがローカストビーンガムの
ような糊料の直鎖部分にあたかも側鎖として結合したよ
うに働き、これによりカラギナンの粘性構造が変化して
増粘するとともに、曵糸性を少なくなるよう粘性の質が
変わるものと考えられる。
【0028】このように平均分子量10万以上、900
万以下の低分子カラギナンを増粘させる糊料としては、
ローカストビーンガムの他にグアーガム、コンニャクマ
ンナン、タラビーンガム、カシアガムなどを用いること
ができる。
【0029】平均分子量10万以上、900万以下の低
分子カラギナンと上記糊料との割合は、1:1〜40
0、特に1:5〜100であることが好ましい。
【0030】このような複合された糊料は、例えば、以
下のような方法で得ることができる。先ず、通常の分子
量のカラギナンを水に溶解させた後、加熱または酸を加
えて主鎖を切断して、分子量の調整を行い、酸を加えた
場合、次いで中和することにより上記平均分子量の低分
子カラギナンを得る。その後、この低分子カラギナンに
規定量の上記糊料の水溶液を混合し、スプレードライ、
フリーズドライなどにより乾燥することにより、粉末状
の複合された糊料を得ることができる。また、上述のよ
うに平均分子量の低分子カラギナンを得た後、それをス
プレードライなどによって乾燥して粉末状とし、これに
粉末状の上記糊料を所定量加えて混合することによって
も粉末状の複合された糊料を得ることができる。さら
に、粉末状態の通常の平均分子量のカラギナンに酸を加
えて加熱処理後中和することによって粉末状態で上記平
均分子量の低分子カラギナンを得て、これに粉末状の上
記糊料を所定量加えて混合することによっても粉末状の
複合された糊料を得ることができる。
【0031】また、本発明は、平均分子量10万以上、
500万以下であるローカストビーンガム、平均分子量
10万以上、1200万以下であるグアーガム、平均分
子量10万以上、400万以下であるコンニャクマンナ
ン、及び平均分子量10万以上、700万以下であるタ
ラビーンガムのいずれか1以上からなる低分子糊料と、
平均分子量10万以上、4000万以下である低分子キ
サンタンガム又は平均分子量10万以上、900万以下
である低分子カラギナンと、を含むことを特徴とする複
合された糊料である。このような平均分子量の低分子糊
料と、低分子キサンタンガム又は低分子カラギナンと、
含む複合された糊料は、上述した複合された糊料と同様
に溶解性に優れ、かつ高い粘性を得ることができる。こ
のような複合された糊料は、酸分解又は酵素分解によっ
て低分子糊料を得るとともに、酸分解又は熱分解によっ
て低分子キサンタンガム又は低分子カラギナンを得て、
これらを上述のように液体状態又は粉末状態で混合する
ことによって得ることができる。
【0032】さらに、本発明は、平均分子量10万以
上、500万以下であるローカストビーンガム、平均分
子量10万以上、1200万以下であるグアーガム、平
均分子量10万以上、400万以下であるコンニャクマ
ンナン、及び平均分子量10万以上、700万以下であ
るタラビーンガムのいずれか1以上からなる低分子糊料
である。このような平均分子量の低分子糊料とキサンタ
ンガム又はカラギナンを混合することにより、溶解性に
優れた高粘性の複合された糊料を得ることができる。こ
のような低分子糊料は、酸分解又は酵素分解によって得
ることができる。
【0033】またさらに、本発明は、平均分子量10万
以上、4000万以下である低分子キサンタンガム又は
平均分子量10万以上、900万以下である低分子カラ
ギナンである。このような平均分子量の低分子キサンタ
ンガム又は低分子カラギナンとローカストビーンガム、
グアーガム、コンニャクマンナン、及びタラビーンガム
を混合することにより、溶解性に優れた高粘性の複合さ
れた糊料を得ることができる。このような低分子キサン
タンガム又は低分子カラギナンは、酸分解又は熱分解に
よって得ることができる。
【0034】なお、本発明における平均分子量は、プル
ランを標準物質としたGPC法によって測定した値であ
る。
【0035】
【実施例】次に、本発明に係る複合された糊料の実施例
について説明する。先ず、本実施例に使用される平均分
子量2,073,000のローカストビーンガム(以
下、「ローカストビーンガム1」という)、平均分子量
1,641,000のローカストビーンガム(以下、
「ローカストビーンガム2」という)、及び平均分子量
557,000のローカストビーンガム(以下、「ロー
カストビーンガム3」という)並びに平均分子量6,2
00,000のグアーガム(以下、「グアーガム1」と
いう)、平均分子量1,600,000(以下、「グア
ーガム2」という)及び平均分子量520,000のグ
アーガム(以下、「グアーガム3」という)を製造し
た。
【0036】これらローカストビーンガム1乃至3、並
びにグアーガム1乃至3は、酸分解又は酵素分解によっ
て製造した。酸における分解方法は、以下のとおりであ
る。平均分子量4,333,000のローカストビーン
ガム(以下、「通常のローカストビーンガム」という)
粉末200g又は平均分子量11,500,000のグ
アーガム(以下、「通常のグアーガム」という)粉末2
00gに水20gを添加後、表1に示すリン酸を添加
し、90℃で5時間加熱処理を行った。中和は、炭酸ナ
トリウムを使用した。
【0037】
【表1】
【0038】次に、キサンタンガムとローカストビーン
ガム1乃至3を表2の割合で粉末同士を混合し配合した
実施例1乃至9を調製した。
【0039】
【表2】
【0040】また、比較例1乃至6として、キサンタン
ガム単体と、キサンタンガムと通常のローカストビーン
ガムを表3の割合で粉末同士を混同し配合したものを調
製した。
【0041】
【表3】
【0042】次に、実施例1、2、5乃至9、並びに比
較例1、2、4乃至6の貯蔵粘弾性(G')及び損失粘
弾性(G")をストレインスイープ試験(フレック1.0
°Hz)によって測定した。これらの試験は、動的粘弾
性測定装置アレス(レオメトリック社製)を用いること
によって行った。その結果を表4に示す。表4に示すよ
うに、キサンタンガムとローカストビーンガムの配合比
が同じである場合、実施例1、2、5乃至9の方が比較
例1乃至6に比しtan deltaの値が小さく、分
子間の架橋数が多いことを示していることが分かる。
【0043】
【表4】
【0044】次に、実施例2乃至4、及び6乃至8、並
びに比較例3及び5について粘弾性の測定を行った。粘
弾性の測定は、これら実施例及び比較例と水を1:99
の割合で配合し、沸騰状態まで加熱して溶解し、放冷
後、レオメーター(サン科学社製 COMPAC−10
0)を用いて20℃において行った。その結果を表5に
示す。表5に示すように、キサンタンガムとローカスト
ビーンガムの配合比が同じである場合、これら実施例の
方がこれら比較例に比し強い粘性を有することが分かっ
た。
【0045】
【表5】
【0046】次に、キサンタンガムとグアーガム1乃至
3を表6の割合で粉末同士を混合し配合した実施例10
乃至12を調製した。また、比較例7として、キサンタ
ンガムと通常のグアーガムを表6の割合で粉末同士を混
合し配合したものを調製した。
【0047】
【表6】
【0048】次に、実施例10乃至12、並びに比較例
7について粘弾性の測定を行った。粘弾性の測定は、こ
れら実施例及び比較例と水を1:99の割合で配合し、
沸騰状態まで加熱して溶解し、放冷後、レオメーター
(サン科学社製 COMPAC−100)を用いて20
℃において行った。その結果を表7に示す。表7に示す
ように、実施例10乃至12の方が比較例7に比し強い
粘性を有することが分かった。
【0049】
【表7】
【0050】次に、κ―カラギナンとローカストビーン
ガム1及び3を表8の割合で粉末同士を混合し配合した
実施例13及び14を調製した。また、比較例8及び9
として、κ―カラギナン単体と、κ―カラギナンと通常
のローカストビーンガムを表8の割合で粉末同士を混合
し配合したものを用意した。
【0051】
【表8】
【0052】次に、実施例13及び14並びに比較例8
及び9の貯蔵粘弾性(G')及び損失粘弾性(G")をス
トレインスイープ試験(フレック1.0°Hz及びスト
レイン10°%)によって測定した。これらの試験は、
動的粘弾性測定装置アレス(レオメトリック社製)を用
いることによって行った。その結果を表9及び10に示
す。表9及び10に示すように、実施例13及び14の
方が比較例8及び9に比しtan deltaの値が小
さく、分子間の架橋数が多いことを示していることが分
かる。
【0053】
【表9】
【0054】
【表10】
【0055】
【発明の効果】以上のように、本発明に用いられる低分
子糊料とキサンタンガム又はカラギナンは、強固な複合
によりゲル構造を構成することないので、溶解性に優れ
た高粘性の複合された糊料及びそれに使用される糊料を
提供することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 埋橋 祐二 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4B041 LC04 LD03 LE01 LH07 LH08 LH10 LH16 LP08 LP22 LP25 4J040 BA141 BA142 LA01 LA08 LA11

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】平均分子量10万以上、500万以下であ
    るローカストビーンガム、平均分子量10万以上、12
    00万以下であるグアーガム、平均分子量10万以上、
    400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均分子
    量10万以上、700万以下であるタラビーンガムのい
    ずれか1以上からなる低分子糊料と、キサンタンガム又
    はカラギナンと、を含むことを特徴とする複合された糊
    料。
  2. 【請求項2】平均分子量10万以上、4000万以下で
    ある低分子キサンタンガム又は平均分子量10万以上、
    900万以下である低分子カラギナンと、ローカストビ
    ーンガム、グアーガム、コンニャクマンナン、タラビー
    ンガム、及びカシアガムのいずれか1以上からなる糊料
    と、を含むことを特徴とする複合された糊料。
  3. 【請求項3】平均分子量10万以上、500万以下であ
    るローカストビーンガム、平均分子量10万以上、12
    00万以下であるグアーガム、平均分子量10万以上、
    400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均分子
    量10万以上、700万以下であるタラビーンガムのい
    ずれか1以上からなる低分子糊料と、平均分子量10万
    以上、4000万以下である低分子キサンタンガム又は
    平均分子量10万以上、900万以下である低分子カラ
    ギナンと、を含むことを特徴とする複合された糊料。
  4. 【請求項4】平均分子量10万以上、500万以下であ
    るローカストビーンガム、平均分子量10万以上、12
    00万以下であるグアーガム、平均分子量10万以上、
    400万以下であるコンニャクマンナン、及び平均分子
    量10万以上、700万以下であるタラビーンガムのい
    ずれか1以上からなる低分子糊料。
  5. 【請求項5】平均分子量10万以上、4000万以下で
    ある低分子キサンタンガム。
  6. 【請求項6】平均分子量10万以上、900万以下であ
    る低分子カラギナン。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007110983A (ja) * 2005-10-21 2007-05-10 Taiyo Kagaku Co Ltd 粘度発現性を改良した増粘用組成物
JP2007306900A (ja) * 2006-05-15 2007-11-29 Marine Science Co Ltd カラギナンの溶解温度と同程度の温度で溶解するカシアガム含有ゲル化剤の製造法。
JP2012139161A (ja) * 2010-12-28 2012-07-26 Ina Food Industry Co Ltd 溶液親和性多糖類、高粘性キサンタンガム、高吸水性キサンタンガム、易溶性ローカストビーンガム及び易溶性ペクチン

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