JP2001231563A - 改変したダニアレルゲン(システイン変異体)及びその製造方法 - Google Patents

改変したダニアレルゲン(システイン変異体)及びその製造方法

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JP2001231563A
JP2001231563A JP2000040930A JP2000040930A JP2001231563A JP 2001231563 A JP2001231563 A JP 2001231563A JP 2000040930 A JP2000040930 A JP 2000040930A JP 2000040930 A JP2000040930 A JP 2000040930A JP 2001231563 A JP2001231563 A JP 2001231563A
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Toshiro Takai
敏朗 高井
Toyoichi Yokota
豊一 横田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、例えばアレルゲン特異的免疫療法用
に期待される、IgE結合活性が低減した、ヒョウヒダニ
Dermatophagoides属)のグループ2アレルゲンに変異
を導入した変異アレルゲン、およびそれらをコードする
遺伝子を提供する。 【解決手段】Dermatophagoides属のグループ2アレルゲ
ンの、2組(21位-27位と73位-78位)または3組(8位-11
9位、21位-27位と73位-78位)のSS結合の破壊によって
アレルゲン活性を低減した変異体。それらの製造法。そ
れらをコードする遺伝子。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遺伝子工学により
ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)のグループ2アレ
ルゲンを改変した改変アレルゲンに関する。さらに具体
的には、Dermatophagoides属のグループ2アレルゲン
の、2組(21位-27位と73位-78位)または3組(8位-119
位、21位-27位と73位-78位)のSS結合の破壊のいずれか
によってアレルゲン活性を低減した変異体、その誘導
体、それらの製造法、それらをコードする遺伝子、さら
には該変異体あるいは該遺伝子を有効成分とする製剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】免疫系は生体防御に重要な役割を担って
いるが、アレルギーなどの好ましくない反応を引き起こ
すことがある。アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、
アトピー性皮膚炎、食物アレルギーなどのI型アレルギ
ーは大きな社会問題となっている。I型アレルギーの原
因となる抗原はハウスダスト、花粉や食物などであり、
アレルゲンと呼ばれる (Moffatt ら、1994年、Lance
t、343巻、1597-1600頁)。
【0003】アレルギー患者では、アレルゲンに特異的
なIgE抗体の血中濃度が上昇している。IgEは組織の肥満
細胞や血液中の好塩基球の表面に発現している高親和性
IgE受容体に結合する。アレルゲンに暴露されることに
より、IgE受容体が多価のアレルゲンとIgEにより架橋さ
れると、細胞が活性化され、ヒスタミンをはじめとする
種々の化学伝達物質が放出されて即時型反応が誘導され
る。時間をおいてサイトカインの発現が誘導され、好酸
球の集積による遅発型反応が誘導される(高井ら、1995
年、内科、76巻、4号、761-766頁)。
【0004】アレルゲン特異的免疫療法はアレルゲンを
長期間繰り返し患者に投与するアレルギー治療法であ
り、今世紀初頭より効果的な治療法として実施されてき
た(Noon、1911年、Lancet 、1巻、1572-1573頁)。一
般にアレルゲンの粗エキスが投与されており、品質およ
び量に限界があったが、1990年代に様々なアレルゲン遺
伝子がクローニングされ、高純度かつ大量のリコンビナ
ント・アレルゲンが供給可能となりつつある(Valenta
ら、1995年、Curr. Opin. Immunol.、7巻、751-756
頁)。
【0005】ハウスダストは様々なアレルギー疾患に関
わる、最も重要なアレルゲンである。その実体はハウス
ダスト中に生息するDermatophagoides属のヒョウヒダニ
(コナヒョウヒダニ:Dermatophagoides farinaeおよび
ヤケヒョウヒダニDermatophagoides pteronyssinus
である。さらに、ほとんどのダニアレルギー患者がグル
ープ1アレルゲン(Der f 1およびDer p 1)およびグルー
プ2アレルゲン(Der f 2およびDer p 2)に対して皮膚テ
スト陽性かつ血清中の特異的IgE抗体陽性であり、これ
らの主要ダニアレルゲンに強く感作されていることが知
られている(Platts-Millsら、1987年、J. Allergy Cli
n. Immunol.、80巻、755-775頁)。これらのダニ主要ア
レルゲンの遺伝子は現在までに既にクローニングされて
いる(Derf 1:Dilworthら、1991年、Clin. Exp. Aller
gy、21巻、25-32頁。Der p 1:Chuaら、1988年、J. Ex
p. Med.、167巻、175-182頁。Der f 2:Yuukiら、1990
年、アレルギー(Jpn. J. Allergol.)、39巻、557-561
頁。Der p 2:Chuaら、Int.Arch. Allergy Appl. Immun
ol.、1990年、91巻、118-123頁)。
【0006】アレルゲン特異的免疫療法の抱える主要な
問題点はアナフィラキシー反応である。これを解決する
手段として、T細胞エピトープを含む合成ペプチド(Hoy
neら、1995年、Curr. Opin. Immunol.、7巻、757-761
頁)、プロテアーゼ消化によりペプチド断片化したアレ
ルゲン(Litwinら、1991年、Clin. Exp. Allergy、21
巻、457-465頁)、化学修飾によりアレルゲン活性を低
下させたアレルゲン(Mistrelloら、1996年、Allergy、
51巻、8-15頁)、遺伝子工学的手法によりアレルゲン活
性を低下させた変異アレルゲン(Takaiら、1997年、Nat
ure Biotechnology、15巻、754-758頁)などが提案され
ている。
【0007】D. farinaeのグループ2アレルゲンであるD
er f 2と、D. pteronyssinusのグループ2アレルゲンで
あるDer p 2はアミノ酸配列において非常に高い相同性
を有している。これらのグループ2アレルゲンについて
はダニ抽出物より精製したものと同等の活性を保持した
リコンビナント・アレルゲンを調製することが可能とな
っている(Der f 2:Nishiyamaら、1994年、Int.Arch.
Allergy Immunol.、105巻、62-69頁。Der p 2:Hakkaar
tら、1998年、Clin. Exp. Allergy、28巻、45-52
頁。)。本発明者らのグループにより、グループ2アレ
ルゲンの3組の分子内SS結合の位置(8位-119位、21位-2
7位、73位-78位)(Nishiyamaら、1993年、Int.Arch. A
llergy Immunol.、101巻、159-166頁。)、および、グ
ループ2アレルゲンの立体構造(Ichikawaら、1998年、
J. Biol. Chem.、273巻、356-360頁)が決定された。さ
らに、本発明者らをはじめとする複数のグループによっ
て、遺伝子工学的手法によりグループ2アレルゲンの活
性を低下させた変異体が作製されている(Takaiら、199
7年、Nature Biotechnology、15巻、754-758頁)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、アレルゲン分
子上のエピトープを認識する患者血清中のIgEはポリク
ローナルな集団であり、アレルゲン分子上の各エピトー
プの各々の重要性の程度は全ての患者間で完全に一致し
ているわけではない。よって、変異アレルゲンを用いて
アレルギー特異的免疫療法を行う場合、アナフィラキシ
ーショックのリスクを回避して安全性を向上させるため
には、これまでに作製されたDermatophagoides属のグル
ープ2アレルゲンの変異体よりもさらにアレルゲン活性
を低減した新規な変異体が必要である。
【0009】本発明の目的は、これまでに作製されたDe
rmatophagoides属のグループ2アレルゲンの変異体より
もさらにアレルゲン活性を低減した新規な変異体、その
誘導体、それらの製造法、それらをコードする遺伝子、
さらには該変異体あるいは該遺伝子を有効成分とする治
療薬、予防薬、および検査薬を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らはDermatopha
goides farinaeのグループ2アレルゲンの解析により、3
組の分子内SS結合全てがIgE結合能に影響を及ぼすこ
と、3組のSS結合の中では8位-119位と73位-78位のSS結
合の寄与が大きいことを見いだした(特開平6-253851。
Takaiら、1997年、Nature Biotechnology、15巻、754-7
58頁。)。
【0011】このような状況下において、本発明者らは
複数のSS結合を破壊した変異体では1組のSS結合を破壊
した変異体よりもさらにIgE結合能が低下するのではな
いかと考え、本発明に着手した。
【0012】本発明者らは、Dermatophagoides farinae
のグループ2アレルゲンの、2組(21位-27位と73位-78
位)または3組(8位-119位、21位-27位と73位-78位)の
SS結合の破壊によってアレルゲン活性を低減した変異体
の作製に成功した。本発明における、配列表の配列番号
3及び4をそのアミノ酸配列の代表的なものとして有する
Dermatophagoides属のグループ2アレルゲンへの変異の
導入は合目的な任意の方法で行うことができるが、部位
特異的変異および制限酵素認識部位の利用による遺伝子
組換えの方法が望ましい。複数の患者血清中IgEとの反
応性、野生型Der f 2へのIgEの結合を阻害する活性、ア
レルギー患者好塩基球からのヒスタミン遊離刺激活性を
測定することにより、作製した変異体のアレルゲン活性
を評価した。2組(21位-27位と73位-78位)または3組
(8位-119位、21位-27位と73位-78位)のSS結合を破壊
した変異体はいずれも野生型Der f 2と比較してIgE結合
活性またはアレルゲン活性が大幅に低下していることが
判明し、本発明を完成することができた。
【0013】本発明のDermatophagoides属のグループ2
アレルゲンの変異体とは、配列表の配列番号3及び4をそ
のアミノ酸配列の代表的なものとして有するDermatopha
goides属のグループ2アレルゲンの、2組(21位-27位と7
3位-78位)または3組(8位-119位、21位-27位と73位-78
位)のSS結合を破壊した変異体、あるいは配列表の配列
番号1および2のアミノ酸配列を有する変異体であること
を特徴とする。
【0014】本発明のDer f 2の変異体とは配列表の配
列番号3をそのアミノ酸配列の代表的なものとして有す
Dermatophagoides farinaeのグループ2アレルゲンDer
f 2の、2組(21位-27位と73位-78位)または3組(8位-
119位、21位-27位と73位-78位)のSS結合を破壊した変
異体、あるいは配列表の配列番号1および2のアミノ酸配
列を有する変異体であることを特徴とする。
【0015】本発明の誘導体とは、上記の変異体にさら
なるアミノ酸変異、欠失、他のタンパク質・生体高分子
・化学物質などとの融合化、等の修飾を、遺伝子工学的
手法あるいは物理化学的手法により行って得られる物質
であることを特徴とする。
【0016】本発明のDermatophagoides属のグループ2
アレルゲンの変異体またはDer f 2の変異体の製造法と
は該変異体を作製し、それらを宿主細胞に導入して変異
体を生産する細胞を得、その細胞を培養することによっ
て変異体を生産することを特徴とする。
【0017】本発明の治療薬、予防薬、または検査薬用
組成物は、上記の変異体を含有し、アレルギーの治療
薬、予防薬、検査薬であることを特徴とする。本組成物
をヒトまたは哺乳類に投与する方法としては、注射、点
鼻、経口、吸入、塗布、点眼などのいずれでもよい。
【0018】本発明の変異アレルゲンをコードする遺伝
子DNA、RNA、その誘導体、およびそれらを含有する治療
薬とは、遺伝子ワクチン療法(Razら、1996年、Proc. N
atl.Acad. Sci. USA、93巻、5141-5145頁)に用いられ
ることを特徴とする。本組成物をヒトまたは哺乳類に投
与する方法としては、静脈内投与、経口投与、点鼻、吸
入、点眼、皮膚への塗布、ジーンガンによる投与などの
いずれでもよい。
【0019】ここで配列番号について、以下に説明す
る。 配列番号1: Der f 2 clone 11の変異体△Cのアミノ酸
配列。6個のシステイン残基(8、21、27、73、78、11
9)が全てセリン残基に置換されている。分子内ジスル
フィド結合が全て破壊されている。 配列番号2: Der f 2 clone 11の変異体8C-119Cのアミ
ノ酸配列。4個のシステイン残基(21、27、73、78)が
全てセリン残基に置換されている。1組のジスルフィド
結合(Cys8-Cys119)だけを保存している。 配列番号3: Der f 2 のアミノ酸配列。代表的なもの
として結城らのクローニングしたclone 11の配列を示し
た。 配列番号4: Der p 2のアミノ酸配列。代表的なものと
してChuaらがクローニングしたクローンの配列を示し
た。
【0020】
【発明の実施の形態】1.ヒョウヒダニ(Dermatophago
ides属)のグループ2アレルゲンの変異体の発現プラス
ミドの構築 ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)のグループ2アレ
ルゲンの変異体の発現プラスミドの構築の主要な操作は
野生型グループ2アレルゲンの発現ベクター内の野生型
グループ2アレルゲンに部位特異的変異を導入すること
である。部位特異的変異はPCR法、市販のキットの使
用、既にある変異体遺伝子の制限酵素断片との置換、な
どにより行うことができる。PCR法と既にある変異体遺
伝子の制限酵素断片を利用した、システイン変異体の発
現ベクター構築の具体例を実施例1に示す。
【0021】2.ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)
のグループ2アレルゲンの変異体の発現、精製 変異体の大腸菌での発現に用いるベクターは、大腸菌で
安定的に存在するプラスミドベクターならば任意である
が、例えばpGEMEX1(Promega社製)を用いるのが便利であ
る。本ベクターは発現プロモーターにT7プロモーターを
用いており、その発現量が非常に多く、組換え蛋白は大
腸菌中で封入体として蓄積する。封入体を変性剤存在下
で可溶化し、再生操作を行った後、種々のカラムクロマ
トグラフィーにより、高純度の変異体タンパク質を精製
することが可能である。具体例を実施例2に示す。
【0022】また、変異体はそれぞれの宿主細胞に適当
なベクターを用いれば、大腸菌以外の細菌、Saccharomy
ces cerevisiae.やPichia pastorisなどの酵母、SF9な
どの昆虫細胞、CHOなどの哺乳動物細胞などにより発現
させることもできる。
【0023】3.ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属
のグループ2アレルゲンの変異体のアレルゲン活性の比
較 変異体のアレルゲン活性は、アレルギー患者血清中IgE
との結合能と、アレルギー患者末梢血中好塩基球からの
ヒスタミン遊離活性で評価した。ウエスタンブロットや
RAST-EIA法により変異体とアレルギー患者血清中IgEと
の結合能を調べることができる。アレルギー患者末梢血
中好塩基球を用いて、変異体のヒスタミン遊離活性を調
べることができる。具体例を実施例3,4,5に示す。
【0024】4.ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)
のグループ2アレルゲンの変異体あるいはそれをコード
する遺伝子の投与経路と投与形態 本発明で得られた変異体を投与する場合、静脈内投与、
経口投与、点鼻、吸入、点眼、あるいは皮膚への塗布等
が行われ、さらに、投与形態としては投与経路により注
射剤、内服剤、点鼻剤、吸入剤、点眼剤、塗布液、軟膏
剤、あるいはクリーム剤などのいずれかが選ばれる。さ
らに、賦形剤としては、これらの剤形に通常用いられる
賦形剤の中から選ばれる。本発明で得られた変異体をコ
ードする遺伝子DNA、 RNAあるいはその誘導体をリニア
ーな遺伝子あるいはその誘導体、哺乳類細胞内で発現可
能なベクターに組み込んだもの、あるいはそれらを適当
な担体に結合あるいは包含させたもの、などの形で投与
することによる遺伝子ワクチン療法を行う場合もある。
その場合、静脈内投与、経口投与、点鼻、吸入、点眼、
皮膚への塗布、ジーンガンによる移入等が行われ、さら
に、投与形態としては投与経路により注射剤、内服剤、
点鼻剤、吸入剤、点眼剤、塗布液、軟膏剤、クリーム
剤、あるいは担体粒子などのいずれかが選ばれる。
【0025】
【実施例】以下、実施例で本発明を説明する。実施例に
はDer f2のクローン clone 11 (配列番号3)を用いた変
異体の製造例を記載したが、Der f 2には多型が知られ
ており、使用できるクローンは clone 11 に限定されな
い。また、相同性の非常に高い Der p 2についても同様
の方法で配列番号4に代表されるクローンを用いて、変
異体を製造でき、同様の効果が期待できる。
【0026】実施例1 Der f 2の変異体の発現プラスミ
ドの構築 2個所のシステインをセリンに置換した clone 11の変
異体C21/27S(Takaiら、1997年、Nature Biotechnolog
y、15巻、754-758頁)の発現ベクターpFLT11-C21/27Sの
ClaI/HindIII断片と同変異体C73/78S(Takaiら、1997
年、Nature Biotechnology、15巻、754-758頁)の発現
ベクターpFLT11-C73/78SのClaI/HindIII断片をライゲイ
ションし、21, 27, 73, 78番目のCys残基がSer残基に置
換されたDerf 2変異体C21/27/73/78S (8C-119C)の発現
ベクターを作製した。これをpFLT11-8C-119Cと命名し
た。
【0027】pFLT11-C21/27SのClaI/HindIII断片、pFLT
11-C73/78SのClaI/HincII断片、そしてC8/119S(Takai
ら、1997年、Nature Biotechnology、15巻、754-758
頁)pFLT11-C8/119SのHincII/HindIII断片をライゲイシ
ョンし、21, 27, 73, 78, 119番目のCys残基がSer残基
に置換されたDer f 2変異体C21/27/73/78/119S (8C)
(図1)の発現ベクターを作製した。これをpFLT11-8Cと
命名した。
【0028】NdeIサイト、開始コドンを含み、8番目の
アミノ酸残基に対応するコドンがSer残基のコドンに変
異させてあるプライマーと、Der f 2のC末端領域に対応
し、HindIIIサイトを含むプライマーとによって、 pFLT
11-8Cを鋳型としてPCRを行い、全てのCys残基のコドン
がSer残基のコドンに変更された変異体の遺伝子断片を
取得した。これをNdeI, HindIIIで消化し、pGEMEX-I-DN
deIのNdeI/HindIII断片とライゲイションし、全てのCys
残基をSer残基に置換した変異体 (ΔC)(図1)の発現ベ
クターを作製した。これをpFLT11-ΔCと命名した。
【0029】実施例2 Der f 2の変異体の発現、精製 大腸菌BL21(DE3)株のコンピテントセル(Stratagene
社)を各変異体の発現ベクターで形質転換した。50μg/
mlのアンピシリンを含むLB寒天培地のに形質転換株を展
開し、30℃一晩培養した。生じた新鮮なコロニーを50μ
g/mlのアンピシリンを含むLB培地に植菌し、30℃一晩振
とう培養した。この培養液を50-100倍の容積の50μg/ml
のアンピシリンを含むLB培地に植菌し、坂口フラスコで
30℃で激しく振とう培養した。波長600nmでの吸光度が
0.4-0.6に達したら、IPTGを最終濃度が0.4mMになるよう
に添加して発現誘導を開始した。30℃で4時間振とう培
養した。顕微鏡で封入体の形成を確認した後、遠心によ
り菌体を回収した。野生型Der f 2 及びその変異体はい
ずれも封入体として菌体内に蓄積した。還元下のSDS-PA
GEにより、著量に発現していることを確認した。菌体を
ミリQ水で洗浄後、凍結融解した。菌体に 100mM TrisC
l, 10mM EDTA (pH7.4)を添加懸濁し、超音波破砕を行っ
た。遠心して封入体を回収した。さらに洗浄を行った
後、遠心して封入体を回収した。
【0030】封入体を8M 尿素, 20mM TrisCl (pH8.5)に
懸濁溶解した。封入体可溶化液を20mM TrisCl (pH8.5)
に希釈することによりリフォールディングを行った。リ
フォールディング中に生じた不溶化画分を遠心、0.45ミ
クロンのフィルターを通すことにより除去した。次いで
陰イオン交換カラムクロマトグラフィーにより変異アレ
ルゲンの精製を行った。これにはFPLCシステム(Pharma
cia社)を利用し、陰イオン交換体としてQ-sepharoseお
よびDEAE-sepharoseを用いた。溶出画分をSDS-PAGEに供
し、分子量約14,000から16,000付近に単一バンドが確認
された画分を精製標品とした(図2)。
【0031】実施例3 ウエスタンブロッティングによ
るDer f 2の変異体のIgE結合能の比較 2-メルカプトエタノール存在下で可溶化した菌体をSDS-
PAGE(18%)に供した後、ニトロセルロース膜にブロッテ
ィングした。患者血清中IgEとの反応の検出ではブロッ
キング、洗浄、化学発光反応にBM Chemiluminescence B
lotting Substrate(Boehringer Mannheim)を用いた。
ニトロセルロース膜を1/50倍に希釈した患者血清と反応
させ、1/1000倍に希釈したパーオキシダーゼ標識抗ヒト
IgE抗体(Biosource)で膜上のIgEを検出した。
【0032】6名の患者血清を用いてウエスタンブロッ
ティングによりIgE反応性を比較した(図3)。Cys変異
体については全ての患者血清で同じ傾向がみられた:Δ
C, 8C,8C-119Cは C8/119Sとともに顕著な低反応性を示
した。
【0033】実施例4 RAST-EIA法によるDer f 2の変異
体のIgE結合能の比較 臭化シアン活性化濾紙と0.1Mホウ酸緩衝液 (pH8.5)に希
釈した抗原溶液(濾紙1枚当たり50μl、Cys変異体のIg
E結合実験では600ng/ml、それ以外では100ng/ml)を室
温で一晩反応させ、抗原を濾紙へ固定化した。液を除去
後、濾紙を0.1MNaHCO3溶液(濾紙1枚当たり500μl)で
1回洗浄し、1Mアミノメタノール(pH9.0) (濾紙1枚当
たり250μl)を加え、室温で3時間静置し、濾紙上の未
反応の活性部位をブロッキングした。インキュベイショ
ン・バッファ(50mMリン酸バッファ, 0.9% NaCl, 0.1%
Tween20, 0.3% BSA, 0.05% NaN3, PH7.4)で2-8倍希釈
したヒト血清(濾紙1枚当たり50μl)と37℃で3時間
反応させた。血清溶液を除去後、1%Tween20を含有するP
BS(濾紙1枚当たり2.5ml)を加え室温で10分間静置し
た後、液を除去した。この洗浄操作を合計3回行った。
インキュベイション・バッファで1/2倍に希釈したRAST
-FEIAキットに添付のβ−ガラクトシダーゼ溶液(濾紙
1枚当たり50μl)と室温で一晩反応させた。1%Tween20
を含有するPBSによる洗浄操作を合計3回行った。1mM M
gCl2を含有するPBSで1/2倍に希釈したRAST-FEIAキット
に添付の基質溶液(濾紙1枚当たり200μl)と遮光下、
37℃で振とうし酵素反応を行った。20-60分間反応後にR
AST-FEIAキットに添付の反応停止液を添加混合(濾紙1
枚当たり250μl)した後、400ulを蛍光測定用プレート
のウェルに移し、励起波長355nm、測定波長460nmでの蛍
光強度を測定した(ICN,Titertek Fluoroskan)。抗原
を固定化していない濾紙と血清溶液をインキュベイトし
た場合の蛍光強度をバックグラウンドとして差し引いた
値をデータとした。
【0034】18名の患者血清を用いてCys変異体のRAST-
EIAを行った(図4)。 全ての患者についてCys変異体の
うちでΔCで最も活性が低下しており、 8C-119Cがこれ
に次いでいた。ΔCと8C-119Cはこれまでで最も低反応性
であったC8/119も大幅に下回る活性であることが確認で
きた。
【0035】実施例5 Der f 2の、アレルギー患者末
梢血中好塩基球からのヒスタミン遊離刺激活性の比較 0.5mlの 100mM EDTAで内壁を処理した20mlのシリンジ
に、アレルギー患者より20mlの血液を採取した。生理食
塩水に硫酸デキストラン(Sigma社)を溶解して調製し
た4.5%硫酸デキストラン溶液5mlを、採血に用いたシリ
ンジに吸い込み、おだやかに混和した。シリンジをたて
て室温で30-60分間静置した。50ml遠心管に白血球を含
む上層を回収した。30mlの氷冷したカルシウム及びマグ
ネシウムイオンを含まないタイロードバッファ(36.9g/
L NaCl, 1.50g/L KCl, 436mg/L KH2PO4, 5g/L glucose,
0.03% HSA, 1mM CaCl2, 0.6mM MgCl2)を加えおだやか
に混和し、4℃1200rpm5-10分間遠心し、細胞を回収し
た。細胞を10mlの氷冷したカルシウム及びマグネシウム
を含まないタイロードバッファに懸濁し、遠心し洗浄し
た。細胞をタイロードバッファに懸濁し、37℃温浴で5
分間インキュベイトした。この細胞懸濁液をおだやかに
混和した後、タイロードバッファに希釈した抗原溶液(5
0μl/vial)に200μlづつ添加、混合した。37℃温浴で40
分間インキュベイトし、ヒスタミン遊離反応を行った。
反応終了後、氷浴上におき、反応停止させた後、4℃で
1500rpmで3分間遠心し、200μlの上清を回収して96穴プ
レートに移した。さらに4℃で2000rpmで3分間遠心し、
残存した細胞や沈殿物を除去した上清を回収した。この
上清中のヒスタミン濃度を測定キット(ICN, Histamine
-ELISA)を用いて測定した。細胞懸濁液を0.1%Triton X
100を含むタイロードバッファで可溶化し、遠心後の上
清中のヒスタミン濃度に対する割合をヒスタミン遊離率
とした(図5、図6)。
【0036】図5,図6中のそれぞれのカーブを比較す
るとシステイン変異体はいずれもヒスタミン遊離活性が
低下しており、ΔCと8C-119Cで最も活性が低下しており
(野生型Der f 2の1/1000程度)、C8/119S(1/100程
度)、C73/78S(1/10程度)、C21/27S(1/10程度)より
も活性低下の程度が大きかった。
【0037】
【発明の効果】本発明により、野生型グループ2ダニア
レルゲンに比べて、大幅にアレルゲン活性、IgE結合能
が低減されたグループ2ダニアレルゲン変異体が提供さ
れた。ダニアレルギーの治療、予防診断に本発明の変異
体を利用できる。
【0038】
【配列表】 SEQUENCE LISTING <110> Asahi Breweries, LTD <120> Engineered house dust mite allergens (cysteine mutants) and method s for their preparation <130> <160> 4 <210> 1 <211> 129 <212> PRT <213> Artificial sequence <220> <223> Der f 2 mutant, substitution of 8th, 21th, 27th, 73th, 78th and 11 9th cysteines to serines <400> 1 Asp Gln Val Asp Val Lys Asp Ser Ala Asn Asn Glu Ile Lys Lys Val 1 5 10 15 Met Val Asp Gly Ser His Gly Ser Asp Pro Ser Ile Ile His Arg Gly 20 25 30 Lys Pro Phe Thr Leu Glu Ala Leu Phe Asp Ala Asn Gln Asn Thr Lys 35 40 45 Thr Ala Lys Ile Glu Ile Lys Ala Ser Leu Asp Gly Leu Glu Ile Asp 50 55 60 Val Pro Gly Ile Asp Thr Asn Ala Ser His Phe Met Lys Ser Pro Leu 65 70 75 80 Val Lys Gly Gln Gln Tyr Asp Ala Lys Tyr Thr Trp Asn Val Pro Lys 85 90 95 Ile Ala Pro Lys Ser Glu Asn Val Val Val Thr Val Lys Leu Val Gly 100 105 110 Asp Asn Gly Val Leu Ala Ser Ala Ile Ala Thr His Ala Lys Ile Arg 115 120 125 Asp 129 <210> 2 <211> 129 <212> PRT <213> Artificial sequence <220> <223> Der f 2 mutant, substitution of 21th, 27th, 73th and 78th cysteine s to serines <400> 2 Asp Gln Val Asp Val Lys Asp Cys Ala Asn Asn Glu Ile Lys Lys Val 1 5 10 15 Met Val Asp Gly Ser His Gly Ser Asp Pro Ser Ile Ile His Arg Gly 20 25 30 Lys Pro Phe Thr Leu Glu Ala Leu Phe Asp Ala Asn Gln Asn Thr Lys 35 40 45 Thr Ala Lys Ile Glu Ile Lys Ala Ser Leu Asp Gly Leu Glu Ile Asp 50 55 60 Val Pro Gly Ile Asp Thr Asn Ala Ser His Phe Met Lys Ser Pro Leu 65 70 75 80 Val Lys Gly Gln Gln Tyr Asp Ala Lys Tyr Thr Trp Asn Val Pro Lys 85 90 95 Ile Ala Pro Lys Ser Glu Asn Val Val Val Thr Val Lys Leu Val Gly 100 105 110 Asp Asn Gly Val Leu Ala Cys Ala Ile Ala Thr His Ala Lys Ile Arg 115 120 125 Asp 129 <210> 3 <211> 129 <212> PRT <213> House dust mite (Dermatophagoides farinae ) <300> <301> Yuuki, T., Okumura, Y., Ando, T., Yamakawa, H., Suko, M., Haida, M ., and Okudaira, H. <302> Cloning and sequencing of cDNAs corresponding to mite major allerg en Der f II. <303> Japanese Journal of Allergology <304> 39 <306> 557-561 <307> 1990 <400> 3 Asp Gln Val Asp Val Lys Asp Cys Ala Asn Asn Glu Ile Lys Lys Val 1 5 10 15 Met Val Asp Gly Cys His Gly Ser Asp Pro Cys Ile Ile His Arg Gly 20 25 30 Lys Pro Phe Thr Leu Glu Ala Leu Phe Asp Ala Asn Gln Asn Thr Lys 35 40 45 Thr Ala Lys Ile Glu Ile Lys Ala Ser Leu Asp Gly Leu Glu Ile Asp 50 55 60 Val Pro Gly Ile Asp Thr Asn Ala Cys His Phe Met Lys Cys Pro Leu 65 70 75 80 Val Lys Gly Gln Gln Tyr Asp Ala Lys Tyr Thr Trp Asn Val Pro Lys 85 90 95 Ile Ala Pro Lys Ser Glu Asn Val Val Val Thr Val Lys Leu Val Gly 100 105 110 Asp Asn Gly Val Leu Ala Cys Ala Ile Ala Thr His Ala Lys Ile Arg 115 120 125 Asp 129 <210> 4 <211> 129 <212> PRT <213> House dust mite (Dermatophagoides pteronyssinus ) <300> <301> Chua, K.Y., Doyle, C. R., Simpson R. J., Turner, K. J., Stewert, G . A., and Thomas, W. R. <302> Isolation of cDNA coding for the major mite allergen Der p II by I gE plaque immunoassay <303> International archives of allergy and applied immunology <304> 91 <306> 118-123 <307> 1990 <400> 4 Asp Gln Val Asp Val Lys Asp Cys Ala Asn His Glu Ile Lys Lys Val 1 5 10 15 Leu Val Pro Gly Cys His Gly Ser Glu Pro Cys Ile Ile His Arg Gly 20 25 30 Lys Pro Phe Gln Leu Glu Ala Val Phe Glu Ala Asn Gln Asn Thr Lys 35 40 45 Thr Val Lys Ile Glu Ile Lys Ala Ser Ile Asp Gly Leu Glu Val Asp 50 55 60 Val Pro Gly Ile Asp Pro Asn Ala Cys His Tyr Met Lys Cys Pro Leu 65 70 75 80 Val Lys Gly Gln Gln Tyr Asp Ile Lys Tyr Thr Trp Asn Val Pro Lys 85 90 95 Ile Ala Pro Lys Ser Glu Asn Val Val Val Thr Val Lys Val Met Gly 100 105 110 Asp Asp Gly Val Leu Ala Cys Ala Ile Ala Thr His Ala Lys Ile Arg 115 120 125 Asp 129
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1において、発現産物として期待される
変異型Der f 2タンパク質の概念図である。
【図2】実施例2において、精製された野生型及び変異
型Der f 2の精製度をSDS-PAGE法により確認した結果を
示す説明図である。
【図3】実施例3において、野生型Der f 2及びシステ
イン変異体のヒトIgE結合能をウエスタン・ブロッティ
ング法により比較した結果を示す説明図である。
【図4】実施例4において、野生型Der f 2及びシステイ
ン変異体のヒトIgE結合能をRAST-EIA法により比較した
結果を示す説明図である。
【図5】実施例5において、野生型Der f 2及びシステイ
ン変異体のヒト末梢血中好塩基球からのヒスタミン遊離
刺激活性を比較した結果を示す説明図である。
【図6】同様に実施例5において、野生型Der f 2及びシ
ステイン変異体のヒト末梢血中好塩基球からのヒスタミ
ン遊離刺激活性を比較した結果を示す説明図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/53 A61K 39/395 D // A61K 39/395 N C12N 15/00 ZNAA Fターム(参考) 4B024 AA01 AA11 BA31 CA04 DA06 EA04 GA11 HA01 HA15 4B064 AG31 CA02 CA19 CC24 DA01 DA13 4C085 AA06 BA99 CC05 CC32 DD62 EE01 4H045 AA10 AA11 AA20 AA30 BA10 CA50 DA86 EA22 EA50 FA74 GA01 GA15 GA23 HA05

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】配列表の配列番号3または4に代表される
    ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)のグループ2アレ
    ルゲンのアミノ酸配列のうち、2組(21位-27位と73位-
    78位)または3組(8位-119位、21位-27位と73位-78
    位)のSS結合の破壊を導く変異のいずれかを導入したア
    ミノ酸配列を有し、アレルゲン活性を低減している変異
    体。
  2. 【請求項2】配列表の配列番号3または4に代表される
    ヒョウヒダニ(Dermatophagoides属)のグループ2アレ
    ルゲンのアミノ酸配列のうち、21位、27位、73位、78位
    のシステイン残基をセリン残基に置換した配列、または
    8位、21位、27位、73位、78位、119位のシステイン残基
    をセリン残基に置換した配列を有し、アレルゲン活性を
    低減している変異体。
  3. 【請求項3】配列表の配列番号3に代表されるコナヒョ
    ウヒダニ(Dermatophagoides farine)のグループ2ア
    レルゲンであるDer f 2のアミノ酸配列のうち、2組(21
    位-27位と73位-78位)または3組(8位-119位、21位-27
    位と73位-78位)のSS結合の破壊を導く変異のいずれか
    を導入したアミノ酸配列を有し、アレルゲン活性を低減
    している変異体。
  4. 【請求項4】配列表の配列番号3に代表されるコナヒョ
    ウヒダニ(Dermatophagoides farine)のグループ2アレ
    ルゲンであるDer f 2のアミノ酸配列のうち、21位、27
    位、73位、78位のシステイン残基をセリン残基に置換し
    た配列、8位、21位、27位、73位、78位、119位のシステ
    イン残基をセリン残基に置換した配列を有し、アレルゲ
    ン活性を低減している変異体。
  5. 【請求項5】配列表の配列番号3のコナヒョウヒダニ
    Dermatophagoides farine)のグループ2アレルゲン
    であるDer f 2のclone 11のアミノ酸配列のうち、2組
    (21位-27位と73位-78位)または3組(8位-119位、21位
    -27位と73位-78位)のSS結合の破壊を導く変異のいずれ
    かを導入したアミノ酸配列を有し、アレルゲン活性を低
    減している変異体。
  6. 【請求項6】配列表の配列番号3のコナヒョウヒダニ(D
    ermatophagoides farine)のグループ2アレルゲンであ
    るDer f 2のclone 11のアミノ酸配列のうち、21位、27
    位、73位、78位のシステイン残基をセリン残基に置換し
    た配列、あるいは8位、21位、27位、73位、78位、119位
    のシステイン残基をセリン残基に置換した配列を有し、
    アレルゲン活性を低減している配列表の配列番号1ある
    いは2のアミノ酸配列を有する変異体。
  7. 【請求項7】請求項1ないし6のいずれか1項記載の変
    異体から誘導された誘導体。
  8. 【請求項8】請求項1ないし6のいずれか1項記載の変
    異体を発現させるためのプラスミドを作製し、それらを
    宿主細胞に導入して変異アレルゲンを生産する細胞を
    得、その細胞を培養することによって変異アレルゲンを
    生産することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか
    1項記載の変異体または誘導体の製造方法。
  9. 【請求項9】宿主細胞が大腸菌であることを特徴とする
    請求項8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】請求項1ないし7のいずれか1項記載の
    変異体または誘導体を含有する治療薬用、予防薬用また
    は検査薬用組成物。
  11. 【請求項11】請求項1ないし6のいずれか1項記載の
    変異体をコードする遺伝子DNA、RNAまたはその誘導体。
  12. 【請求項12】請求項11記載の変異体をコードする遺
    伝子DNA、RNAまたはその誘導体を含有する治療薬用また
    は予防薬用組成物。
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