JP4573772B2 - 改変ダニ主要アレルゲンの精製方法 - Google Patents

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Description

本願発明は、大腸菌を宿主として遺伝子組換え技術により得られた改変ダニ主要アレルゲンの精製方法に関する。より詳細には、▲1▼MF膜を用いた改変ダニ主要アレルゲン含有封入体の洗浄・回収、▲2▼当該封入体の溶解/リフォールディング、▲3▼限外濾過膜処理、▲4▼陰イオン交換体処理による非吸着画分の回収、▲5▼疎水ゲル処理による吸着画分の回収及び▲6▼陰イオン交換体処理による吸着画分の回収の各工程を含む改変ダニ主要アレルゲンの精製方法及び当該精製方法により得られる、高度に精製した改変ダニ主要アレルゲンに関する。
アレルギー性喘息、アレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎あるいはアレルギー性結膜炎などのアレルギー疾患の治療には抗アレルギー剤や抗ヒスタミン剤が用いられることが多いが、対症療法であり、アレルギーを根治することはできない。原因抗原を注射する減感作療法はアレルギー性疾患の唯一の根治療法と考えられている。減感作療法とはアレルギー患者にその原因となっているアレルゲンを少量づつ注射し、生体のアレルギー反応をなくす治療法である。その有効率は70%以上といわれている。
現在、ダニアレルゲン製剤は、ハウスダストアレルゲンだけである。ハウスダストアレルゲンは、室内埃よりアレルゲンを抽出する方法で製造されている。このため、当該方法により製造されたダニアレルゲン製剤はダニ以外の例えばカビや細菌など種々の抗原を含んでおり、その生物活性(力価)を明確に定義することができない。また、原料が限られており大量のアレルゲンを安定供給することが困難であることも問題である。
アレルゲン製剤は、免疫誘導を目的に、主に皮下に投与される。アレルゲン製剤に不純物が混入していると、目的としない不純物に対して生体が免疫応答し、不純物に対する感作が成立する可能性がある。つまり、不純物に対するアレルギーを新たに誘導し、重篤な副作用を引き起こす可能性がある。したがって、アレルゲン製剤の安全性を確保するには、高度に精製された製剤を供給する必要がある。
しかしながら、アレルゲン製剤が高度に精製されたとしても、アレルゲンを投与することでアナフィラキシーショックを起こす危険性がある。すなわち、アナフィラキシーショックに代表されるI型アレルギーは、アレルゲンがIgE抗体と結合することで起こることが知られており、アレルゲンの投与には常にアナフィラキシーショックを惹起する危険性が潜在する。
近年、ダニアレルゲンの研究が進み、すでにいくつかのダニ主要アレルゲンが同定されている(例えば、Platts−MillsらJ.Allergy Clin.Immunol.80 755−775,1987);参照のため本明細書中に引用する)。例えば、ダニ主要アレルゲンDer f 2をコードする遺伝子及びその製造方法は、結城らにより開示されている(アレルギー(Japanese J.Allergology)、39巻、557頁、1990年;参照のため本明細書中に引用する)。このダニ主要アレルゲンを用いたアレルギー疾患の減感作療法は、上記の問題のいくつかを解決することができ、非常に有効であると考えられる。しかしながら、なお、アレルゲン投与によるアナフィラキシーショックの危険性を排除することはできない。
遺伝子組換え技術により、ダニアレルゲンの立体構造の一部を破壊して、IgE抗体との結合性を低下させた、改変型のダニ主要アレルゲン(以下、「改変ダニ主要アレルゲン」と称することもある)が作出されている(例えば、特開平6−253851号公報(特願平5−139793);参照のため本明細書中に引用する)。この改変ダニ主要アレルゲンは、ダニ主要アレルゲンDer f 2のシステイン残基をセリン残基に置換したもので、アナフィラキシーショックを惹起することなく、安全に減感作して、アレルギーを治療できる薬剤として期待できる。しかしながら、工業的製造レベルで製造した遺伝子操作由来のダニ主要アレルゲンを、医薬品グレードにまで精製したという報告は未だない。
組換えダニ主要アレルゲンDer f 2は、Der f 2をコードする遺伝子を含む発現ベクターで原核生物または真核生物を形質転換し、得られた形質転換体を培養し、培養物からこれを精製することにより調製されている。上記特開平6−253851号公報に開示された方法では、培養物からの精製は、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー工程により行われている。しかしながら、かくして精製されたダニ主要アレルゲンDer f 2の純度は、試薬グレードでしかなく、また改変ダニ主要アレルゲンのリフォールディングを透析法により行うため、大量に処理することが困難である。
(発明が解決しようとする技術的課題)
本願発明の目的は、遺伝子操作により作製された改変ダニ主要アレルゲンを医薬品グレードまで精製する方法を提供することにある。
本願発明の他の目的は、本願発明の精製方法により得られる、宿主由来成分等の夾雑成分を含まない高純度の改変ダニ主要アレルゲンを提供することにある。
(その解決方法)
本願発明者らは、上記目的を達成するために、鋭意研究を進めた結果、▲1▼遺伝子操作により得られる改変ダニ主要アレルゲン含有封入体をMF膜で洗浄・回収する工程、▲2▼当該封入体を溶解後、リフォールディングする工程、▲3▼改変ダニ主要アレルゲン含有液を限外濾過膜で濃縮すると同時に低分子成分を除去する工程、▲4▼弱陰イオン交換体で改変ダニ主要アレルゲンを非吸着画分に回収する工程、▲5▼疎水ゲルで改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程、▲6▼強陰イオン交換体で改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程を実施することにより、改変ダニ主要アレルゲン産生宿主の培養物から改変ダニ主要アレルゲンが効率よく精製されることを見出し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本願発明は、
▲1▼MF膜を用いて、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲン含有封入体を洗浄・回収する工程、
▲2▼当該封入体を溶解後、リフォールディングする工程、
▲3▼限外濾過膜を用いて、改変ダニ主要アレルゲン含有液の濃縮と低分子成分の除去を行う工程、
▲4▼陰イオン交換体を用いて、改変ダニ主要アレルゲンを非吸着画分に回収する工程、
▲5▼疎水ゲルを用いて、改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程、及び
▲6▼陰イオン交換体を用いて、改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程
の精製工程を含むことを特徴とする、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンの精製方法に関する。
とりわけ、本願発明は、
▲1▼脱イオン水とMF膜を用いて、培養して発現誘導を行った改変ダニ主要アレルゲン産生大腸菌の破砕液の希釈と濃縮を繰り返すことにより、改変ダニ主要アレルゲン含有封入体を洗浄・回収する工程、
▲2▼当該封入体を還元剤及び変性剤を含有する溶液で溶解した後、変性剤を希釈または除去することにより、リフォールディングする工程、
▲3▼分画分子量6000〜10000の限外濾過膜を用いて、改変ダニ主要アレルゲン含有液の濃縮と低分子成分の除去を行う工程、
▲4▼弱陰イオン交換体カラムを用いて、pH8〜9、0.03〜0.1Mの塩濃度の条件下に、改変ダニ主要アレルゲンを非吸着画分に回収する工程、
▲5▼疎水カラムを用いて、改変ダニ主要アレルゲンをpH7〜8、2〜3M塩化ナトリウムの条件下に吸着させた後、0〜1Mの塩濃度で溶出させることにより、当該改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程、及び
▲6▼強陰イオン交換体カラムを用いて、改変ダニ主要アレルゲンをpH8.5〜9.5、1〜3M尿素の条件下に吸着させた後、塩濃度を0〜0.1Mに直線的に変化させて溶出させることにより、当該改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程
の精製工程を含むことを特徴とする、上記精製方法を提供する。
本願発明はさらに、上記精製方法により得られる、精製した改変ダニ主要アレルゲンに関する。
とりわけ、本願発明は、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンが、ダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2である場合に、上記精製方法により得られる、約15kDの分子量及びpI6.6〜7.2の等電点を有し、
(1)SDS−PAGE分析で単一バンドである、
(2)宿主由来の不純蛋白質含量が1%以下である、
(3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が10%以下である、
(4)立体構造の異なるダニ主要アレルゲン含量が10%以下である、
(5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲン溶液のエンドトキシン含量が、0.25EU/ml以下である
の特徴を有する、さらに詳細には、
(1)SDS−PAGE分析で単一バンドである、
(2)宿主由来の不純蛋白質含量が0.004〜1%である、
(3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が0.005〜10%である、
(4)立体構造の異なるダニ主要アレルゲン含量が0.03〜10%である、
(5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲン溶液のエンドトキシン含量が、0.002〜0.25EU/mlである。
の特徴を有する、改変ダニ主要アレルゲンDer f 2及び当該改変ダニ主要アレルゲンを主成分とする組成物に関する。
(従来技術より有効な効果)
本願発明の方法によれば、遺伝子操作により得られる改変ダニ主要アレルゲンを効率よく、かつ大量に精製することができるので、改変ダニ主要アレルゲンの工業生産に適しており、安定して、単一の改変ダニ主要アレルゲン製剤を供給できる。また、強陰イオン交換体カラムによる精製工程を尿素の存在下に行うことにより、目的とする改変ダニ主要アレルゲンの純度を効果的に上げることができる。
とりわけ、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンが、ダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2である場合、当該改変ダニ主要アレルゲンは、ネイティブダニ主要アレルゲンとは異なり、立体構造の一部を破壊してIgE抗体との結合性を低下させているので、当該改変ダニ主要アレルゲンを本願発明の方法により精製することによって、アナフィラキシーショックを惹起する危険性が低減された改変ダニ主要アレルゲン製剤を提供できる。当該改変ダニ主要アレルゲンは、本願発明の方法によれば、(1)SDS−PAGE分析で単一バンド、(2)宿主由来の不純蛋白質量が0.1%以下、(3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が検出限界以下、(4)立体構造の異なる改変ダニ主要アレルゲン含量が10%以下、(5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲンのエンドトキシン含量が、注射用水の規格である0.25EU/ml未満(第十四改正 日本薬局方)を満たす高純度の改変ダニ主要アレルゲンが提供される。すなわち、本願発明の方法によれば、宿主由来の夾雑物を実質的に除去することができ、該夾雑物に対する重篤な副作用を回避することができるので、安全な改変ダニ主要アレルゲン製剤が提供される。
図1は、発現ベクターpWU11−C8/119Sの構築方法を示す。
図2は、ファーメンタ培養時の菌体の増殖曲線を示す。
図3は、ファーメンタ培養して増殖させた組換え大腸菌を経時的にサンプリングし、超音波破砕処理し、SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。レーン1:37℃温度シフト前、レーン2:37℃温度シフト1時間後、レーン3:温度シフト3時間後、レーン4:温度シフト5時間後、レーン5:温度シフト7時間後、レーン6:温度シフト9時間後、レーン7:温度シフト12時間後。
図4は、抗Der f 2モノクローナル抗体を用いた、ウェスタンブロットの結果を示す。レーン1:精製改変ダニ主要アレルゲンの非還元処理、レーン2:精製改変ダニ主要アレルゲンの還元処理。
図5は、各精製段階での改変ダニ主要アレルゲンの純度をSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。レーン1:リフォールディング、レーン2:弱陰イオン交換クロマト、レーン3:精製改変ダニ主要アレルゲン。
図6は、精製改変ダニ主要アレルゲンをSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。レーン1:精製改変ダニ主要アレルゲンの非還元処理、レーン2:精製改変ダニ主要アレルゲンの還元処理。
図7は、精製改変ダニ主要アレルゲンをゲル濾過HPLC分析して得られたクロマトパターンを示す。
図8は、精製改変ダニ主要アレルゲンを逆相HPLC分析して得られたクロマトパターンを示す。
図9は、精製改変ダニ主要アレルゲン(3ロット)を等電点電気泳動にかけた結果を示す。レーン1:SF−01、レーン2:FP−020、レーン3:FP−021。
図10は、従来品の精製Der f 2(アサヒビール薬品)及び本発明の精製改変ダニ主要アレルゲンをポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけた結果を示す。レーン1:Der f 2、レーン2:改変ダニ主要アレルゲンFP−020、レーン3:改変ダニ主要アレルゲンFP−021。
本願発明の精製方法は、▲1▼遺伝子操作により得られる改変ダニ主要アレルゲン含有封入体をMF膜で洗浄・回収する工程、▲2▼当該封入体を溶解後、リフォールディングする工程、▲3▼改変ダニ主要アレルゲン含有液を限外濾過膜で濃縮すると同時に低分子成分を除去する工程、▲4▼陰イオン交換体で改変ダニ主要アレルゲンを非吸着画分に回収する工程、▲5▼疎水ゲルで改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程、及び▲6▼陰イオン交換体で改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程を含むことを特徴とする。
以下、各工程について詳述する。
遺伝子組換えによる改変ダニ主要アレルゲン含有培養物の調製
本願発明の精製方法の対象となる遺伝子組換えにより得られる改変ダニ主要アレルゲンとしては、これまでに同定されたDer f 2、Der p 2などのダニ主要アレルゲン遺伝子を用いて調製したものが挙げられる。各ダニ主要アレルゲンDer f 2及びDer p 2の全体のアミノ酸配列(Chua K.Y.,Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.91(2),118−123(1990))のホモロジーは80%以上であり、いずれもS−S結合の位置は同じである。従って、これらのダニ主要アレルゲンのいずれの遺伝子を含む核酸断片であっても、その塩基配列を一部変異させることにより改変ダニ主要アレルゲンを得ることができる。
本願発明に使用できる改変ダニ主要アレルゲンの具体例として、例えば、特開平6−253851号公報に記載されている、ダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2が挙げられるが、これ以外にも、ダニ主要アレルゲンの立体構造を改変してIgE抗体との結合性を低下させた他の改変型ダニ主要アレルゲンを使用することもできる。
ダニ主要アレルゲン遺伝子、その一部の塩基配列を置換した改変ダニ主要アレルゲン遺伝子は、ダニから抽出したmRNAまたはゲノムDNAを出発材料として、Sambrookらが述べている一般的な遺伝子組換え技術(Molecular Cloning,A Laboratory Manual Second Edition.Cold Spring Harbor Laboratory Press,N.Y.,1989)に従って調製することができる。
実際には、市販のキットが使用される。例えば、RNAの抽出には、TRIzol試薬(インビトロジェン社)、ISOGEN(ニッポンジーン社)、StrataPrep Total RNA Purification Kit(東洋紡)などの試薬、mRNAの精製には、mRNA Purification Kit(アマシャムバイオサイエンス社)、Poly(A)Quick mRNA Isolation Kit(東洋紡)、mRNA Separator Kit(クロンテック社)などのキット、cDNAへの変換には、SuperScript plasmid system for cDNA synthesis and plasmid cloning(インビトロジェン社)、cDNA Synthesis Kit(宝酒造)、SMART PCR cDNA Synthesis & Library Construction Kits(クロンテック社)、Directionary cDNA Library Construction systems(ノバジェン社)などが使用される。
より具体的には、改変ダニ主要アレルゲン遺伝子は、特開平6−253851号公報に記載の方法に従って、改変ダニ主要アレルゲンのcDNAを保持しているプラスミドを作製し、これを鋳型としてPCR法を実施することにより取得することができる。
改変ダニ主要アレルゲンは、かかる改変ダニ主要アレルゲン遺伝子を適当な宿主に導入することによって生産することができる。このような宿主として、例えば、動物細胞、植物細胞、昆虫細胞または大腸菌、酵母、枯草菌などの微生物が挙げられる。また、動物工場と称される大小動物に生産させることも可能である。
本願発明に使用される改変ダニ主要アレルゲン含有物は、遺伝子操作を経て調製されたものであれば特に限定されず、既に文献等に開示され公知となっているものの他、今後開発されるものであっても適宜利用することができる。例えば、上記の改変ダニ主要アレルゲンを生産する宿主の培養物あるいは組換え大小動物の体液、分泌物が挙げられる。好ましくは、改変ダニ主要アレルゲン産生大腸菌の培養物である。
更に好ましくは、インドール酢酸(IAA)、イソプロピルチオ−ベータ−D−ガラクトシド(IPTG)などの発現誘導剤を使用しない方法で発現誘導を行った改変ダニ主要アレルゲン産生大腸菌の培養物が使用される。このような発現誘導剤を含有しない改変ダニ主要アレルゲン含有培養物は、例えば、特願2003−58992に記載の方法により取得することができる。
より具体的には、トリプトファンプロモーターとpUC由来の複製開始点で構成される発現プラスミドに改変ダニ主要アレルゲン遺伝子を組み込み、該発現プラスミドで大腸菌を形質転換し、改変ダニ主要アレルゲンを発現する組換え大腸菌を得、グリセリンストックを作製する。該グリセリンストックを種菌として二段階の培養を行う。先ず、低温(25℃〜32℃)で十分に培養して菌体を増殖させ、次に培養温度を高温(37℃〜38℃)にシフトして改変ダニ主要アレルゲンを発現させる。このような二段階培養を行うことにより、発現誘導剤を含まない改変ダニ主要アレルゲン含有培養物を取得することができる。
培養期間は、培養温度及びダニ主要アレルゲンの製造スケールに依存するが、低温培養は、組換え大腸菌が対数増殖期の中期に達するまで行われる。また、高温培養は、ダニ主要アレルゲンの量がピークに達するまで行われる。例えば、実施例1で得た組換え大腸菌(pWU11−C8/119S/HB101)のグリセリンストック10mlを約1Lの培地に接種し、32℃で6〜10時間培養した後、これを200〜300Lの培地に接種し、25℃で12〜17時間培養する。その後、37℃で8〜16時間培養することにより、改変ダニ主要アレルゲンからなる封入体が、湿重量で約7〜10g/L生産される。
改変ダニ主要アレルゲンの精製
(i)封入体の回収
先ず、培養液をMF膜(旭化成社製)を用いて濃縮して菌体を回収する。ここで使用するMF膜のサイズは、0.1〜0.25μmが好ましい。回収した菌体を適切な方法で破砕し、改変ダニ主要アレルゲンからなる封入体を菌体外に放出させる。菌体の破砕には、例えば、化学物質、界面活性剤、酵素などで溶解させる方法またはフレンチプレスや超音波処理などの物理的処理による方法が取られるが、何れの方法でもよい。これらの方法をいくつか組合せることにより、より効果的に菌体を破砕することができる。例えば、MF膜で回収した菌体を脱イオン水で希釈濃縮して残存する培地成分及び菌体の代謝産物等を除去した後、適当な緩衝液及びリゾチームを加え、低温(4〜15℃)で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解し、この菌体処理液を、500〜600kg/cmの条件でフレンチプレス(マントンゴーリン社製)にかけ、菌体を破砕する。緩衝液の種類は、トリス緩衝液などリゾチームが作用するpH範囲(7.5〜9)で緩衝能力を有するものであれば特に制限されない。当該緩衝液の濃度は、一般に緩衝液として使用される範囲(10〜50mM)で使用すればよい。リゾチームは、0.3〜1.0g/Lの濃度で使用される。例えば、20mMのpH8.5のトリス緩衝液を加え、リゾチーム(0.6g/L)を添加し、4℃で一晩静置して菌体の細胞壁を溶解する。フレンチプレスで菌体を破砕した後、脱イオン水とMF膜でこの破砕液の希釈と濃縮を繰り返すことにより大部分の菌体成分が除去される。封入体は、濃縮した封入体含有溶液を遠心分離することにより、沈殿として回収される。
(ii)リフォールディング
回収した封入体は、一旦、還元剤及び変性剤を含有する溶液で溶解される。かかる還元剤として、システイン、グルタチオン、ジチオスレイトール及び2−メルカプトエタノールなどを使用することができる。これらは幾つかを組合わせて使用してもよい。還元剤の濃度は、溶解する封入体の量に依存するが、10〜100mMの範囲で使用される。好ましくは、10〜50mMの範囲である。変性剤として、尿素、グアニジン塩酸塩などを用いることができるが、好ましくは、尿素である。かかる尿素及びグアニジン塩酸塩は、それぞれ4〜8M及び2〜6Mの濃度範囲で使用される。本願発明においては、8M尿素を使用するのが好ましい。変性剤及び還元剤を溶解する際には、pH7〜11の緩衝液が用いられる。好ましくは、pH8〜9である。緩衝液は、上記のpH範囲で緩衝能力を有するリン酸緩衝液、トリス緩衝液、グリシン緩衝液、炭酸緩衝液など何れを使用してもよいが、好ましくは、(i)封入体の回収で述べたものと同様の緩衝液が使用される。より具体的には、封入体は、20mMシステインと8M尿素を含有するpH8.5のトリス緩衝液に溶解される。溶解時の温度は、40℃以下であれば特に制限する必要はない。溶解時間は、封入体の溶解状況を見ながら設定すればよく、通常、30分〜1時間攪拌される。
次に、封入体の溶解液に、当該溶解液に対して10〜20倍量の酸化還元緩衝液を加えることにより、改変ダニ主要アレルゲンのリフォールディング、すなわち、酸化的条件下でSS結合を再構成して正常な立体構造の構築が行われる。この時使用する還元剤としてシステイン、酸化剤としてシスチンが使用される。システイン及びシスチンは、それぞれ1mM〜10mM及び0.1mM〜1mMの濃度範囲で使用される。システインに対して1/10量のシスチンを使用するのが好ましい。
リフォールディングするときの緩衝液の種類及び濃度は、封入体を溶解するときと同じものを使用すればよい。緩衝液のpHは、7.5〜9の範囲で使用される。より具体的には、3mMのシステインと0.3mMのシスチンを含むpH8.5の20mMトリス緩衝液を用いて、変性剤を希釈または除去することによりリフォールディングが行われる。変性剤を除去する場合は、透析、ゲルろ過等が用いられる。リフォールディング時の温度は、室温以下であれば特に制限する必要はない。リフォールディングは、1〜7日間、好ましくは、3〜4日間、静置することにより行われる。
リフォールディング反応は、酢酸、塩酸などの酸性緩衝液を添加し、反応液のpHを中性にすることにより終了させる。より具体的には、反応の停止は、リフォールディング反応液を30%酢酸でpH7に滴定することにより行われる。
(iii)限外濾過
リフォールディング処理後の改変ダニ主要アレルゲン含有液は、濃縮と低分子成分の除去のために、分画分子量6000〜10000の限外濾過膜処理に供される。得られた濃縮液に、終濃度が30〜100mMとなるように塩化ナトリウムを加えた後、アルカリ溶液でpHを8〜9に調整する。このとき生じる沈殿物は、φ0.45μmのフィルターで除去される。好ましくは、終濃度が50mMになるように塩化ナトリウムを添加し、5Nの水酸化ナトリウム水溶液でpH8.5に調整する。当該限外濾過処理は、室温以下で行われる。改変ダニ主要アレルゲン含有溶液は、次の精製工程に供される。
(iv)陰イオン交換体処理による非吸着画分の回収
限外濾過処理後の改変ダニ主要アレルゲン含有溶液を陰イオン交換体カラムに通し、素通り画分に改変ダニ主要アレルゲンを回収する。当該操作は、5〜10℃で行われる。陰イオン交換体として、ジエチルアミノエチル(DEAE)基型、四級アミノエチル(QAE)基型等が例示される。DEAE基型としては、DEAE−アガロース(商品名DEAE−セファロース、アマシャム社製)、DEAE−デキストラン(商品名DEAE−セファデックス、アマシャム社製)、DEAE−ポリビニル(商品名DEAE−トヨパール、東ソー社製)等が例示される。また、QAE基型としては、QAE−アガロース(商品名QAE−セファロース、アマシャム社製)、QAE−ポリビニル(商品名QAE−トヨパール、東ソー社製)等が例示される。本工程においては、支持体について特に制限する必要はないが、官能基は弱陰イオン交換体を使用するのが好ましい。当該陰イオン交換に使用する緩衝液の種類については特に制限されないが、改変ダニ主要アレルゲンをカラムに接触させるときのpHは、7〜10の範囲、好ましくはpH8〜9が使用される。塩濃度は、0.03M〜0.1Mの範囲で使用できるが、好ましくは、30〜60mMである。本精製工程で、大部分の不純蛋白質は除去される。
(v)疎水クロマトゲル処理による吸着各分の回収
前記の陰イオン交換体の素通り画分を、塩化ナトリウムを含む緩衝液にバッファー交換した後、同緩衝液で平衡化した疎水カラムに接触させ、改変ダニ主要アレルゲンを吸着させる。当該塩化ナトリウムの濃度は、2〜3Mの範囲で使用されるが、好ましくは、3Mである。緩衝液の種類については特に制限されないが、濃度は、5〜50mMの範囲、好ましくは、10〜20mMの範囲、pHは、7〜8の範囲で使用される。疎水ゲルとして、フェニル基型、ブチル基型、オクチル基型等が例示される。支持体としては、アガロース(アマシャム社製)、デキストラン(アマシャム社製)、ポリビニル(東ソー社製)等が例示される。本精製工程において支持体に係る制限は特にないが、官能基は、ブチル基型を使用するのが好ましい。
次に、平衡化に用いたのと同じ緩衝液でカラムを十分に洗浄した後、塩濃度を下げることにより、改変ダニ主要アレルゲンを疎水カラムから溶出させる。当該塩濃度を下げる方法として、濃度勾配を使用する方法及び段階的に塩濃度を下げる方法(ステップワイズ)が挙げられるが、何れの方法を使用してもよい。また、塩濃度を変える物質として、塩化ナトリウムの他に、硫酸アンモニウム、酢酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム、酢酸カリウム、塩化カリウム、酢酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどが挙げられるが、何れも使用可能である。本願発明では、ステップワイズ法が用いられる。溶出時の塩濃度は、0〜1M、好ましくは、0Mである。疎水クロマト処理における一連のカラム操作は、5〜10℃で行われる。
(vi)陰イオン交換体処理による吸着画分の回収
前記の疎水カラムの溶出画分を、尿素を含む緩衝液にバッファー交換した後、同緩衝液で平衡化した陰イオン交換体カラムに接触させ、改変ダニ主要アレルゲンを吸着させる。尿素を緩衝液に含有させることで改変ダニ主要アレルゲンの凝集を抑制することができる。当該尿素の濃度は、0.5〜5Mの範囲で使用されるが、好ましくは、1〜3Mである。緩衝液の種類については特に制限されないが、濃度は、5〜50mMの範囲、好ましくは、10〜20mMの範囲、pHは、8〜10の範囲、好ましくは8.5〜9.5の範囲で使用される。本精製工程においても支持体に係る制限は特にないが、官能基は、強陰イオン交換体を使用するのが好ましい。
次に、平衡化に用いたのと同じ緩衝液でカラムを十分に洗浄した後、塩濃度を上げることにより、改変ダニ主要アレルゲンを陰イオン交換体カラムから溶出させる。当該塩濃度を上げる方法として、濃度勾配を使用する方法及び段階的に塩濃度を上げる方法(ステップワイズ)が挙げられるが、何れの方法を使用しても良い。また、塩濃度を変える物質として、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウムなどが挙げられるが、何れも使用可能である。本願発明では、濃度勾配法が用いられ、斯かる濃度勾配は、カラムの平衡化に用いたのと同じ緩衝液中に塩化ナトリウムを溶解して調製される。溶出時の塩濃度勾配は、0〜0.5M、好ましくは、0〜0.1Mである。陰イオン交換体処理における一連のカラム操作は、5〜10℃で行われる。改変ダニ主要アレルゲンを含有する溶出液は、PBSに透析した後、φ0.22μmのフィルターで無菌濾過して、改変ダニ主要アレルゲンとして保存される。
改変ダニ主要アレルゲンの分析
各精製段階及び精製後の改変ダニ主要アレルゲンの性状は、一般に、蛋白質の分析に使用される方法、例えば、特異抗体を用いるEIA及びウェスタンブロット、還元・非還元状態におけるSDS−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、エンドトキシン試験、吸光度測定、等電点電気泳動などの分析手法により明らかにすることができる。
本願発明の精製方法により得られる精製した改変ダニ主要アレルゲンは、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンとしてダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2を用いた場合には、分子量約15kDで等電点pI6.6〜7.2なる特徴を有し、且つ(1)SDS−PAGE分析で単一バンド、(2)宿主由来の不純蛋白質量が0.1%以下、(3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が検出限界以下、(4)立体構造の異なる改変ダニ主要アレルゲン含量が10%以下、(5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲン溶液のエンドトキシン含量が、注射用水の規格である0.25EU/ml未満(第十四改正日本薬局方)を満たす高純度に精製された組換え蛋白質として得られる。
製剤化
得られた精製改変ダニ主要アレルゲンは、一般に用いられる添加剤、例えば、安定化剤、界面活性剤、緩衝剤などを添加し、無菌濾過、分注、凍結乾燥等の処理を行い製剤化される。こうして調製された改変ダニ主要アレルゲン製剤は注射剤としてあるいは経粘膜的に投与(経鼻、経口、舌下)される製剤としてダニアレルゲンエキスやハウスダストエキスと同様に、アレルギー性疾患の治療薬を目的とした臨床製剤として用いることができる。
以下に、実施例を挙げて本願発明を具体的に説明する。
なお、以下の実施例では遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンとしてダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2を用いて当該改変ダニ主要アレルゲンを精製しているが、本願発明はこれら実施例に何等限定されるものではない。
実施例1:改変ダニ主要アレルゲン産生組換え大腸菌の作製
先ず、Trpプロモーターの下流に改変ダニ主要アレルゲン(ダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2)遺伝子断片(C8/119S)を結合した遺伝子断片を以下のように構築した。
Trpプロモーターを含む遺伝子断片は、Ikeharaら(Proc.Natl.Acad.Sci.USA Vol.81,pp.5956−5960,1984)が報告した方法に従って調製した。得られたトリプトファンプロモーター遺伝子断片の5’及び3’末端にEcoRIリンカー(TaKaRa社製)を結合した後、pBR322のEcoRIサイトに挿入し、組換えベクターpWを作製した。
次に、改変ダニ主要アレルゲン遺伝子(C8/119S)を含む核酸断片を、当該改変ダニ主要アレルゲン遺伝子を保持しているプラスミドpFLT11−C8/119S(特開平6−253851号公報)を鋳型として、5’末端に制限酵素切断部位NspVを含む合成プライマー(配列表の配列番号1)及び3’末端に制限酵素切断部位NruIを含む合成プライマー(配列表の配列番号2)を用いて、PCR法を実施することにより取得した。
この核酸断片を制限酵素NspV及びNruIで完全消化して得られる断片と制限酵素ClaI及びNruIで完全消化した組換えベクターpWとをT4リガーゼ(TaKaRa社製)で連結して、発現ベクターpW11−C8/119Sを作製した。
次に、発現量を増加させる目的で、pW11−C8/119Sに含まれるpBR322由来の複製開始点をpUC18由来の複製開始点に置換した。プラスミドpUC18を、制限酵素PvuI及びPvuIIで完全消化して、複製開始点を含む遺伝子断片を得た。一方で、プラスミドpW11−C8/119SをNdeIで完全消化し、粘着末端を埋めた後、PvuIで完全消化して、改変ダニ主要アレルゲン遺伝子(C8/119S)を含む核酸断片を得た。調製した二つの核酸断片をT4リガーゼで連結して、発現プラスミドpWU11−C8/119Sを得た(図1)。
得られた発現プラスミドpWU11−C8/119Sで大腸菌HB101を形質転換して改変ダニ主要アレルゲン発現株pWU11−C8/119S/HB101を得、これを生産株とし、グリセリンストックを作製した。
実施例2:改変ダニ主要アレルゲンの精製
(1)培養液の前処理(封入体の回収)
生産株のグリセリンストック10mlを1.5LのLB培地に接種し、35℃で8時間振盪培養して菌液を調製した。この菌液を250LのLB培地に接種し、25℃で一晩通気培養した。37℃に温度を上げて、菌体の増殖に合わせてアミノ酸、グルコースを添加しながら、さらに8〜12時間通気培養して改変ダニ主要アレルゲンを菌体内に封入体として生産させた(図2及び図3)。
約300Lの培養液をMF膜(マイクローザ;旭化成社製)で約100Lまで濃縮して回収した。回収した大腸菌は、脱イオン水で4倍希釈した後、MF膜で約100Lまで濃縮した。同様に脱イオン水で希釈、MF膜濃縮を合計3回繰り返して、培地成分を除去した。更に、20mMのpH8.5のトリス緩衝液で1回希釈濃縮してバッファー交換した。これに、終濃度が0.6g/Lになるようにリゾチームを添加して、30分間攪拌した後、低温作業室(10℃以下)に移して、一晩静置して菌体の細胞壁を溶解した。リゾチーム処理液は、粘性がなくなるまでフレンチプレス(マントンゴーリン社製)にかけて菌体を破砕した。破砕時は発熱するため、処理液は熱交換器を用いて18℃以下になるように冷却した。菌体破砕液は、菌体成分を除去するために脱イオン水で400Lまで希釈した後、MF膜で100Lまで濃縮する操作を3回繰り返した。濃縮した封入体溶液を3000rpmで3時間遠心して、封入体を沈殿させて回収した。回収した封入体量は湿重量を測定したところ、2.5kgであった。
(2)リフォールディング処理
封入体約100gを、10Lの8Mの尿素と10mMのシステインを含むpH8.5の20mMトリス緩衝液に投入し、室温で30分間攪拌して溶解した。この溶解液を150Lの3mMのシステインと0.3mMのシスチンを含むpH8.5のトリス緩衝液に希釈した。希釈液は、低温作業室に移して、4日間静置して、リフォールディング反応させた。
(3)限外濾過
前記溶液は、30%酢酸でpH7に滴定して、反応を停止させた。この溶液を、分画分子量10000の限外濾過膜(ザルトリウス社製)を用いて約10Lまで濃縮した。濃縮した溶液は、終濃度が50mMになるように塩化ナトリウムを添加した。その後、5Nの水酸化ナトリウム水溶液を用いてpH8.5に滴定した。φ0.45μmのフィルター(ザルトリウス社製)で不溶性物質等を除去して、リフォールディング液とした。
(4)弱陰イオン交換クロマトグラフィー
2LのDEAEトヨパール650M(東ソー社製)を詰めたφ14cmのカラム(アミコン社製)を、50mMの塩化ナトリウムを含むpH8.5の20mMトリス緩衝液で平衡化した後、リフォールディング液をカラムに通液し、素通り画分を約10L回収した。線速は60cm/時以下に設定した。この工程で不純タンパク質のほとんどが除去された。回収した素通り画分は、3Mの塩化ナトリウムを含むpH7.2の20mMリン酸緩衝液にバッファー交換した後、φ0.45μmのフィルターで濾過した。
(5)疎水クロマトグラフィー
2Lのブチル−セファロースFF(ファルマシア社製)を詰めたφ14cmのカラム(アミコン社製)を、3Mの塩化ナトリウムを含むpH7.2の20mMリン酸緩衝液で平衡化した後、前記濾過液をカラムに通液して、改変ダニ主要アレルゲンを吸着させた。平衡化に使用した緩衝液でカラムを充分洗浄した後、pH7.2の20mMリン酸緩衝液で改変ダニ主要抗原を溶出させ、溶出画分約2Lを分取した。線速は60cm/時以下に設定した。回収した溶出画分は、2Mの尿素を含むpH8.5の20mMトリス緩衝液にバッファー交換した後、φ0.22μmのフィルターで濾過した。
(6)強陰イオン交換クロマトグラフィー
1LのQAEトヨパール550C(東ソー社製)を詰めたφ14cmのカラム(アミコン社製)を、2Mの尿素を含むpH8.5の20mMトリス緩衝液で平衡化した後、前記濾過液をカラムに通液して、改変ダニ主要アレルゲンを吸着させた。平衡化に使用した緩衝液でカラムを充分洗浄した後、塩化ナトリウムの線形濃度勾配(0→100mM、20カラムボリューム)をかけて、改変ダニ主要抗原を溶出させ、溶出画分約3Lを分取した。線速は60cm/時以下に設定した。
改変ダニ主要アレルゲン溶出画分を140mMの塩化ナトリウムを含むpH7.2の10mMのリン酸緩衝液(PBS)に透析した後、φ0.22μmのフィルター(ミリポア社製)で無菌濾過して精製改変ダニ主要アレルゲン溶液(約500μg/mlで約4L)を得た(ロットNo.:SF−01、FP−020、FP−021)。
実施例3:改変ダニ主要アレルゲンの分析
(1)ウエスタンブロット分析
改変ダニ主要アレルゲンの検出には、ウェスタンブロット法を用いた。サンプルは注射用水で適当な濃度に希釈し、非還元状態及び2−メルカプトエタノールで還元処理して、SDS−ポリアクリルアミドゲル(フナコシ社製)に添加して電気泳動した。この泳動ゲルをトランス泳動緩衝液(10%メタノールを含む10mM CAPS)に5分間浸漬した後、PVDF膜にトランスウェスタン泳動転写装置を用いて泳動ゲルの蛋白質を転写した。転写が終了したPVDF膜は2%ウシ血清アルブミンと0.1%Tween20と0.5M塩化ナトリウムを含む10mMトリス緩衝液に浸漬し、37℃で2時間ブロッキングした。続いて5μg/mlの抗Der f 2モノクローナル抗体を添加し、37℃で2時間反応させた。0.1%Tween20と0.5M塩化ナトリウムを含む10mMトリス緩衝液(以下、「TNT緩衝液」と略す)で合計5回洗浄した後、20000倍に希釈した、HRP標識抗マウスIgG抗体溶液を添加し、37℃で2時間反応させた。TNT緩衝液で5回洗浄した後、0.05%DAB溶液を添加して発色反応させて、改変ダニ主要アレルゲンを検出した(図4)。
(2)ELISA分析
(i)各工程サンプルに含まれる改変ダニ主要アレルゲン量の定量
ELISAプレート(Nunc社製)を5μg/mlのマウス抗Der f 2モノクローナル抗体を各ウェルに100μlずつ添加し、4℃一晩コートした。プレートは0.05%のTween20を含有するPBS(以下、「PBST」と略す)で合計3回洗浄した後、1%ウシ血清アルブミンを含むPBSを200μlずつ添加して、37℃で1時間ブロッキング処理した。PBSTで合計3回洗浄した後、プレートに標準溶液及びサンプル溶液を適当に希釈して100μlずつ添加して、37℃で2時間静置した。PBSTで合計3回洗浄した後、2000倍に希釈したウサギ抗C8/119Sポリクローナル抗体を100μlずつ添加して37℃で1時間静置した。PBSTで合計3回洗浄した後、ワサビペルオキシダーゼ標識ロバ抗ウサギIgG抗体を100μlずつ添加して37℃で1時間静置した。PBSTで合計3回洗浄した後、TMB溶液(シグマ社製)を100μlずつ添加して遮光して15〜30分間反応させた。1Nの硫酸100μlを添加して反応を停止し、450nmの吸光度を測定して改変ダニ主要アレルゲン量を計算した。その結果を表1に示した。
Figure 0004573772
(ii)改変ダニ主要アレルゲンに含まれる宿主由来夾雑成分含量の測定
ELISAプレート(Nunc社製)を10μg/mlのモルモット抗宿主由来夾雑成分ポリクローナル抗体で4℃、一晩コートした。0.05%のTween20を含有するPBS(PBST)で合計3回洗浄した後、ブロックエース(大日本試薬社製)を200μlずつ添加して37℃で1時間ブロッキング処理した。PBSTで合計3回洗浄した後、このプレートに最終精製工程の改変ダニ主要アレルゲンのサンプル溶液を適当に希釈して100μlずつ添加して、37℃で2時間静置した。プレートはPBSTで合計3回洗浄した後、1μg/mlのウサギ抗宿主由来夾雑成分ポリクローナル抗体を100μlずつ添加して37℃で1時間静置した。PBSTで合計3回洗浄した後、ワサビペルオキシダーゼ標識ロバ抗ウサギIgG抗体を100μlずつ添加して37℃で1時間静置した。PBSTで合計3回洗浄した後、TMB溶液(シグマ社製)を100μlずつ添加して遮光して10分間反応させた。0.3Nの硫酸100μlを添加して反応を停止し、450nmの吸光度を測定して宿主由来夾雑成分を計算した。宿主由来タンパク質の含量を表2に示した。本ELISA系の検出限界は、0.004%であった。
Figure 0004573772
(3)SDS−PAGE分析
改変ダニ主要アレルゲンに含まれる不純蛋白質の分析は、各精製工程のサンプルを2−メルカプトエタノールで還元処理して、レーン当り、改変ダニ主要アレルゲンタンパク量で2μg相当量をSDS−ポリアクリルアミドゲル(フナコシ社製)に添加して電気泳動し、クマシーブリリアントブルーで染色して確認した。泳動条件はメーカー添付資料に従った。精製工程が進むにつれ、不純蛋白質のバンドが少なくなることが確認できた(図5)。
最終精製工程のサンプルについては、非還元及び還元処理後、上記と同じ条件でSDS−PAGEを行った。その結果、改変ダニ主要アレルゲンは、分子量約15kDのバンドとして確認された(図6)。
(4)HPLC分析
最終精製工程における改変ダニ主要アレルゲンの純度をHPLC法により測定した。ゲル濾過クロマトグラフィーで改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量を測定し、逆相クロマトグラフィーでSS結合の掛け違い等から生じる立体構造の異なる改変ダニ主要アレルゲン含量を測定した。
(i)ゲル濾過クロマトグラフィー
分析カラムは、G3000SWXL(東ソー社製)を用いた。移動相には、0.1%TFAを含む60%のアセトニトリル溶液を使用した。流速は1ml/分とし、分析時間は20分間とした。サンプル量は、約500μg/mlの試料を100μl添加して分析した。分析の12分以降は、溶媒由来のピークが検出されるために、解析時間は12分までとし、12分間の積分値から重合体含量比を算出した。改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量は検出限界以下であった(図7)。本ゲル濾過クロマトグラフィーの検出限界は、0.005%であった。
(ii)逆相クロマトグラフィー
分析カラムは、CAPCELL PAK C1(資生堂社製)を使用した。移動相は、A緩衝液に0.1%TFAを、B緩衝液に0.1%TFAを含む70%アセトニトリル溶液を用いた。分析条件は、流速1ml/分で、60分間にB緩衝液の混合率を28.6%から50%まで変化させる線形濃度勾配とした。サンプル量は、約500μg/mlの試料を100μl添加して分析した。分析開始直後は、ノイズが検出されるために、解析時間は13分から60分までとし、積分値から主ピーク含量比を算出した。目的とする改変ダニ主要アレルゲンの含量比は90%以上、すなわち、立体構造の異なるダニ主要アレルゲン含量は10%以下であった(図8)。本逆相クロマトグラフィーの検出限界は、0.03%であった。
(5)エンドトキシン試験
最終精製工程の改変ダニ主要アレルゲンのエンドトキシン含量を測定した。測定には生化学工業社製の測定試薬キットを使用し、測定方法は試薬添付の説明資料に従って実施した。その結果を表3に示す。改変ダニ主要アレルゲン溶液(500μg/ml)のエンドトキシン含量は、注射用水の規格である0.25EU/ml未満(第十四改正日本薬局方)を満たす品質であった。本エンドトキシン試験の検出限界は、0.002EU/mlであった。
Figure 0004573772
(6)等電点電気泳動分析
最終精製工程の改変ダニ主要アレルゲン(ロットNo.:SF−01、FP−020、FP−021)を注射用水で150μg/mlに希釈し、ファーストシステム(ファルマシア社製)を用いて等電点電気泳動を行った。泳動操作は、添付のマニュアルに従って実施し、泳動後のゲルは銀染色した。その結果、精製改変ダニ主要アレルゲンの等電点は、pI6.6〜7.2と推測された(図9)。
(7)ポリアクリルアミドゲル電気泳動分析
最終精製工程の改変ダニ主要アレルゲン(ロットNo.:FP−020、FP−021)及び従来品の精製Der f 2(アサヒビール薬品)を生理食塩液で200μg/mLに希釈し、1レーン当り1μg添加してSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動した。泳動したゲルは、銀染色キット(第一化学社製)を用いて染色した(図10)。

Claims (5)

  1. 下記(I)から(VI)の精製工程からなることを特徴とする、遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンの精製方法:
    (I)脱イオン水とMF膜を用いて、培養して発現誘導を行った改変ダニ主要アレルゲン産生大腸菌の破砕液の希釈と濃縮を繰り返すことにより、改変ダニ主要アレルゲン含有封入体を洗浄・回収する工程、
    (II)当該封入体を還元剤及び変性剤を含有する溶液で溶解した後、変性剤を希釈または除去することにより、リフォールディングする工程、
    (III)分画分子量6000〜10000の限外濾過膜を用いて、改変ダニ主要アレルゲン含有液の濃縮と低分子成分の除去を行う工程、
    (IV)弱陰イオン交換体カラムを用いて、pH8〜9、0.03〜0.1Mの塩濃度の条件下に、改変ダニ主要アレルゲンを非吸着画分に回収する工程、
    (V)疎水カラムを用いて、改変ダニ主要アレルゲンをpH7〜8、2〜3M塩化ナトリウムの条件下に吸着させた後、0〜1Mの塩濃度で溶出させることにより、当該改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程、ついで
    (VI)強陰イオン交換体カラムを用いて、改変ダニ主要アレルゲンをpH8.5〜9.5、1〜3M尿素の条件下に吸着させた後、塩濃度を0〜0.1Mに直線的に変化させて溶出させることにより、当該改変ダニ主要アレルゲンを吸着画分に回収する工程。
  2. 遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンが、Der f 2またはDer p 2から選ばれるダニ主要アレルゲンからの改変ダニ主要アレルゲンである、請求項1に記載の精製方法。
  3. 遺伝子組換え技術により得られる改変ダニ主要アレルゲンが、ダニ主要アレルゲンDer f 2の8位及び119位のシステイン残基をともにセリン残基に置換した改変ダニ主要アレルゲンDer f 2である、請求項2に記載の精製方法。
  4. 請求項3に記載の精製方法により得られる、精製した改変ダニ主要アレルゲンが、約15kDの分子量及びpI6.6〜7.2の等電点を有し、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを充足することを特徴とする、請求項3に記載の精製方法:
    (1)SDS-PAGE分析で単一バンドである、
    (2)宿主由来の不純蛋白質含量が1%以下である、
    (3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が10%以下である、
    (4)立体構造の異なるダニ主要アレルゲン含量が10%以下である、
    (5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲン溶液のエンドトキシン含量が、0.25EU/ml以下である。
  5. 請求項3に記載の精製方法により得られる、精製した改変ダニ主要アレルゲンが、下記(1)〜(5)の少なくとも一つを充足することを特徴とする、請求項3または4記載の精製方法:
    (1)SDS-PAGE分析で単一バンドである、
    (2)宿主由来の不純蛋白質含量が0.004〜1%である、
    (3)改変ダニ主要アレルゲンの重合体含量が0.005〜10%である、
    (4)立体構造の異なるダニ主要アレルゲン含量が0.03〜10%である、
    (5)500μg/ml改変ダニ主要アレルゲン溶液のエンドトキシン含量が、0.002〜0.25EU/mlである。
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