JPH09510083A - 家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der pIIIをコードしている核酸、およびそれらの使用 - Google Patents

家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der pIIIをコードしている核酸、およびそれらの使用

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JPH09510083A JP7516316A JP51631695A JPH09510083A JP H09510083 A JPH09510083 A JP H09510083A JP 7516316 A JP7516316 A JP 7516316A JP 51631695 A JP51631695 A JP 51631695A JP H09510083 A JPH09510083 A JP H09510083A
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ブルース・エル ロジヤース,
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イミユロジク・フアーマシユーチカル・コーポレーシヨン
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Abstract

(57)【要約】 デルマトファゴイデス・プテロニッシナス(Derma tophagoides pteronyssinu )のアレルゲン、Der IIIをコードしている単離された核酸が、開示される。また、Der III活性および推定分子量24,985ダルトンをもつペプチドをコードしているcDNAが、開示される。その核酸は、サンプル中にDer III核酸の存在を検出するためのプローブとして使用できるか、Der IIIの活性をもつペプチドの組み換え体作製のために使用できる。Der IIIの活性をもつペプチドは、薬物学的投与に適切な組成物、または家庭のちりのダニに対する感受性を診断する方法に使用できる。

Description

【発明の詳細な説明】 家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der pIIIをコードしている核酸、 およびそれらの使用 発明の背景 人口のほぼ10%は、種々の環境起源からの抗原に対する被曝により、過敏性 (アレルギー性)になる。即時型および/または遅延型過敏症を誘起するこれら の抗原は、アレルゲンとして知られている(King,T.P.,(1976)Adv.Immunol. ,23: 77-105)。アレルゲンは、草、木、雑草、動物の毛の鱗屑、昆虫、食物、 薬物、および化学薬品の生産物を含むことができる。個人の遺伝的素質が、アト ピーやアナフィラキシー(その兆候は、枯草熱、ぜんそく、および蕁麻疹を含む )のような即時的アレルギー応答(Young,R.P.et al.,(1990)Clin.Sci.,7 9 :19)の発現においてある種の役割を演じていると信じられている。 アトピー性アレルギーに随伴する抗体は、主として、免疫グロブリンのクラス IgEに属する。IgEは、特異的な高親和性レセプターFcεRIを介して好 塩基球、肥満細胞および樹状突起細胞に結合する(Kinet,J.P.,(1990)Curr.O pin.Immunol.2:499-505)。同族のレセプターIgEと、リガンドとして働く アレルゲンとの組み合わせにおいて、IgEに結合されたFcεRIは、細胞表 面に架橋され、IgE−アレルゲン相互作用の生理的徴候をもたらす。これらの 生理的作用は、数ある物質の中でも、ヒスタミン、セロトニン、ヘパリン、好酸 球に対する走化性因子および/またはロイコトリエンC4、D4およびE4の放 出 を含み、それらは、気管支の平滑筋細胞の長引く収縮を引き起こす(Hood,L.E.et al .,Immunology(2nd ed.),The Benjamin/Cumming Publishing Co.,Inc.( 1984))。それ故、アレルゲンとIgEとの相互作用の最終結果は、前記仲介物 質の放出によって引き起こされるアレルギー症状である。そのような症状は、抗 原の侵入経路および肥満細胞や好塩基球へのIgEの沈着パターンに応じて、現 実には全身的でも局所的でもあり得る。局所症状は、一般には、アレルゲンの侵 入部位における上皮表面で起きる。全身症状は、循環する(血管内の)抗原に対 するIgE−好塩基球応答に起因するアナフィラキシー(アナフィラキシーショ ック)を誘起する。 精製アレルゲンを用いる研究では、ダニ、デルマトファゴイデス・プテロニッ シナス(Dermatophagoides pteronyssinus)に アレルギー性の患者の約80%が、Der pIおよびDer pIIに反応するIgEを 産生することを示した(Chapman M.D.et al.,J.Immunol.(1980)125:587-92 ; Lind P.,J.Allergy Clin.Immunol.(1985)76:753-61); Van der Zee J.S .et al.,J.Allergy Clin. Immunol.(1988)81:884-95)。約半数の患者につ いて、これらの特異性は、IgE抗ダニ抗体の50%を構成する。アレルゲンDe r pIIIは、近年トリプシンと同定されたが(Stewart G.A.et al.,Immunolo gy (1992)75:29-35)、これは同じかより高い頻度で反応する(Stewart G.A.e t al .,前出;Ford S.A.et al.,Clin.Exp.Allergy(1989)20:27-31)。しか しながら、今日まで報告された唯一の定量的研究では、研究者らは、Der pII Iに結合するIgEレベルが、Der pIについてよりもかなり低いことを決定し た。電気泳動技術(Ford et al.,前出 ;Bengtsson et al.,Int.Arch.Allergy Appl.Immunol.(1986)80:383-90; Lind et al.,Scand.J.Immunol.(1989)17:263-73; Tovey E.R.et al.,J .Allergy Clin.Immunol .(1987)79:93-102)では、ほとんどの血清が、他の アレルゲンを認識するIgEを含むことを示した。 Der pIIIに対するIgE反応性の意義は、不確かなままである。このグル ープのアレルゲンの反応性は、流体相アッセイ(Heymann et al.,J.Allergy C lin.Immunol .(1989)83:1055-1067)を用いて16%の低さであり、そしてR ASTアッセイ(Stewart et al.,Immunology(1992)75:29-35)を用いて10 0%の高さであると報告されてきた。数人の他の研究者らは、60〜83%の間 のIgE反応性を報告した(Tovey et al.,J.Allergy Clin.Immunol.(1987 )79:93-102;Thomas et al.,Exp Appl Acarol(1992)16:153-164; Yasueda e t al .,Clin Exp Allergy(1993)23:384-390)。グループIIIアレルゲンへ のIgE反応性の頻度における相違は、研究されたアレルゲン標品の純度の違い か、使用されたアッセイ技術の感度の違いかに因るのであろう。アレルギー反応 における特定の特異性の重要性を決定するためには、定量的IgE結合試験、お よびアレルゲンへのT細胞応答の頻度とリンホカイン・プロフィルの研究を可能 にする、多量の純粋なアレルゲンが必要である。 家庭のちりのダニ・アレルゲンに感受性をもつ多くの患者は、現在では、家庭 のちりのダニ抽出物の少量づつを徐々に増加する用量の投与によって治療される 。これらの抽出物の使用は、治療中の潜在的アナフィラキシー、ならびに十分な 寛容性と臨床症状の有意な減退を築くためのしばしば数年間にわたる継続治療の 必要性、を含む多数の欠点をもつ。 家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der pIIIの組成物の代替能は、いくらかの これらの欠点を克服するであろう。かくして、家庭のちりのダニ抽出物に伴う欠 点を克服するであろう診断用もしくは治療用薬剤、および治療法としての使用の ために、多量に供給できる純粋なアレルゲンの給源が、高く期待される。 発明の概要 本発明は、Der pIII、種デルマトファゴイデス・プテロニッシナス(De rmatophagoides pteronyssinus )(家庭のちりダ ニ)のアレルゲンの少なくとも1つの生物学的活性をもつペプチドをコードして いる単離された核酸を提供する。好適な核酸は、図1Aおよび1B(配列番号: 1)に示されたヌクレオチド配列をもつcDNAである。また、本発明は、その ようなcDNA(配列番号:1)の全部または一部分によってコードされ、そし てDer pIIIの少なくとも1つの生物学的活性をもつペプチドにも関する。ま た、高い緊縮条件(例えば、Tm以下20−27℃および1MNaClに相当す る)下で、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたヌクレオチド配列をも つ核酸にハイブリダイズするか、あるいは図1Aおよび1B(配列番号:2)の アミノ酸配列の全部または一部分を含むペプチドをコードしている、単離された 核酸も意図される。Der pIIIの活性をもち、そして図1Aおよび1B(配列 番号:2)に示された配列と少なくとも50%の相同性をもつペプチドをコード している核酸も、また特徴付けられる。本発明の核酸の組み換え発現によって産 生されるDer pIII活性をもつペプチド、および化学合成によって調製されるD er pIII活性をもつペプチドも、また本発明において主要な役割を担っている 。好 適なペプチドは、T細胞刺激(例えば、T細胞増殖もしくはサイトカイン分泌に よって測定される)、あるいはT細胞非応答性(すなわち、そのペプチドまたは 抗原提示細胞のMHC分子とペプチド複合体との接触が、刺激シグナルに対して 非応答になるか、または増殖不能になるようにT細胞を誘導する)を含むことが できるT細胞応答の誘導能をもつ。T細胞応答の誘導能とは別でも、またそれに 加えてもよいその他の好適なペプチドは、家庭のちりダニにアレルギー性の患者 の特異的IgEに対する結合能力をもつ。そのようなペプチドは、患者において 家庭のちりダニに対する感受性を診断するのに有用である。T細胞応答の誘導能 とは別でも、またそれに加えてもよいなおその他のペプチドは、有意に低下され たか不能にされた、家庭のちりダニのアレルギー性IgEとの結合能力をもつ。 そのようなペプチドは、治療剤として特に有用である。 その他の適切なペプチドは、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたア ミノ酸配列を含む。一つの実施態様では、Der pIII活性をもち、そして図1 Aおよび1B(配列番号:2)のアミノ酸配列の一部分を含むペプチドは、少な くとも長さがアミノ酸約8−30個、好ましくは長さがアミノ酸約10−20個 、もっとも好ましくは長さがアミノ酸約10−16個である。 本発明のその他の態様は、Der pIII活性をもつペプチドと特異的に反応す る抗体に特徴がある。Der pIIIの活性をもつペプチドは、薬学的投与に適切 な組成物中で使用できる。例えば、そのような組成物は、患者の家庭のちりダニ に対するアレルギー反応を治療または予防するために、家庭のちりダニ抽出物と 同様な方法で使用できる。また、本発明の核酸およびDer pIIIの活性をもつ ペプチドは、家庭のちりダ ニに対する患者の感受性を診断するためにも使用できる。 図の簡単な説明 図1Aおよび1Bは、Der pIIIクローンの完全なヌクレオチド(配列番号 :1)および推定アミノ酸(配列番号:2)配列を示す。 図2Aおよび2Bは、Der pIII(配列番号:2)およびザリガニからのト リプシンタンパク質(配列番号:3)のアミノ酸配列を示す。 図3は、種々の濃度の組み換えDer pIII(列1,4.3μg;列2,8. 7μg;列3,13.8μg;列4,17.4μg;マーカーは、Mで指示され る)のSDS−PAGE分析の結果を示す。 発明の詳細な記述 本発明は、Der pIII、デルマトファゴイデス・プテロニッシナス(Der matophagoides pteronyssinus )種のグループII Iアレルゲンの少なくとも1つの生物学的活性をもつペプチドをコードしている 単離された核酸に関する。好ましくは、核酸は、図1Aおよび1B(配列番号: 1)に示されたヌクレオチド配列を含むcDNAである。 図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたcDNAは、63から149ま でのヌクレオチドによってコードされた予測アミノ酸残基29個のプレプロ領域 を含むDer pIIIペプチドをコードしている。このリーダー配列は、150か ら845までのヌクレオチドによってコードされる成熟Der pIIIには見いだ されない。また、このcDNAに基づく推定アミノ酸配列は、図1Aおよび1B (配列番号:2)に示される。cDNAは、7個のシステイン残基を含む推定分 子量24,985ダルトンをもつ232残基の成熟ペプチドをコードしている。 最終塩基 の後のポリアデニル化シグナル配列のヌクレオチド179個が、cDNA中に存 在する(図1Aおよび1B、参照)。Der pIIIをコードしているcDNAを 含む発現ベクターによりトランスフェクションされたE.コリ(E.coli) の培養株は、ブダペスト条約下、アメリカン・タイプ・カルチャー・コレクショ ン(American Type Culture Collection)に 、1993年10月15日に寄託され、受託番号69472が推定された。 したがって、本発明の一つの態様は、Der pIIIをコードしているヌクレオ チド配列を含む単離された核酸、Der pIIIの少なくとも1つの生物学的活性 をもつペプチドをコードしているその断片および/またはそのような核酸の等価 物に関する。本明細書に使用される用語、「核酸」は、そのような断片および等 価物を含むことを意図する。用語、「等価物(equivalent)」は、De r pIIIの活性をもつ機能的に等価のDer pIIIペプチドをコードしているヌ クレオチド配列を含むことを意図する。ここに定義されたように、Der pIII の活性をもつペプチドは、Der pIIIアレルゲンの少なくとも1つの生物学的 活性をもつ。同等のヌクレオチド配列は、対立遺伝子の改変体のように1つ以上 のヌクレオチド置換、付加もしくは欠失によって異なっている配列を含み、そし て遺伝コードの縮重により、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたDer p IIIをコードしているヌクレオチド配列とは異なる配列を含む。等価物は、 緊縮条件(すなわち、融解温度(Tm)以下約20−27℃および約1MNaC lに相当する)下で、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたDer pII Iのヌクレオチド配列にハイブリダイズするヌクレオチド配列を含む。 Der pIIIの活性をもつか、Der pIII活性をもつような本明細書で言及さ れるペプチドは、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたDer pIIIの アミノ酸配列の全部または一部分に対応するアミノ酸配列をもつペプチドとして 本明細書では定義される。例えば、Der pIIIの活性をもつペプチドは、刺激 (例えば、T細胞増殖もしくはサイトカイン分泌)のようなDer pIII限定T 細胞における応答を誘導するか、またはT細胞非応答を誘導する能力をもっても よい。また、それに加えて、Der pIIIの活性をもつペプチドは、家庭のちり ダニにアレルギー性の患者の免疫グロブリンE抗体に結合する(によって認識さ れる)能力をもってもよい。IgEを結合するペプチドは、患者のDer pIII に対するアレルギー感受性を検出する方法において有用である。IgEに結合し ないか、IgEを結合する精製された生来のDer pIIIタンパク質よりも弱い 程度で結合するペプチドは、治療剤として特に有用である。 1つの実施態様では、核酸は、Der pIIIの活性をもつペプチドをコードし ているcDNAである。好ましくは、核酸は、図1Aおよび1B(配列番号:1 )に示されたDer pIIIをコードするヌクレオチド配列の少なくとも一部分を 含むcDNA分子である。図1Aおよび1B(配列番号:1)のcDNA分子の 好適な一部分は、その分子のコーディング領域を含む。 その他の実施態様では、本発明の核酸は、Der pIIIの活性をもち、そして 図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配列を含むペプチドをコ ードしている。好適な核酸は、Der pIII活性をもち、そして図1Aおよび1 B(配列番号:2)に示された配列と、少なくと も約50%の相同性、より好ましくは、少なくとも約60%の相同性、もっとも 好ましくは、少なくとも約70%の相同性をもつペプチドをコードしている。De r pIII活性をもち、そして図1Aおよび1B(配列番号:2)に示された配 列と、少なくとも約90%、より好ましくは、少なくとも約95%、もっとも好 ましくは、少なくとも約98−99%の相同性をもつペプチドをコードしている 核酸もまた、本発明の範囲内にある。相同性は、Der pIIIの活性をもつ2種 のペプチド間、または2種の核酸分子間の配列類似性を言う。相同性は、比較す るために一列に並べられてもよい各配列の位置を比較することによって決定でき る。比較される配列の位置が、同じ塩基もしくはアミノ酸で占められている場合 には、その分子は、その位置において相同である。配列間の相同性の程度は、配 列によって分担される合致する位置または相同な位置の数の関数である。 本発明のその他の態様は、高もしくは低緊縮条件下で、図1Aおよび1B(配 列番号:2)に示されるアミノ酸配列の全部または一部分をもつペプチドをコー ドしている核酸にハイブリダイズする核酸を提供する。例えば、約45℃におけ る6.0x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)と、それに続く50 ℃での2.0xSSCの洗浄によって、DNAハイブリダイゼーションを促進す る適当な緊縮条件は、当業者には既知であるか、またはCurrent Protocols in M olecular Biology ,John Wiley &Sons,N.Y.(1989),6.3.1-6.3.6に見いだせる 。例えば、洗浄段階の塩濃度は、50℃で約2.0xSSCの低い緊縮度から5 0℃で約0.2xSSCの高い緊縮度まで選ぶことができる。その上、洗浄段階 の温度は、室温、約22℃での低い緊縮条件から、約65℃での高 い緊縮条件まで増大することができる。 本明細書に記載されるように、Der pIIIの活性をもち、遺伝コードの縮重 により、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたヌクレオチド配列とは異 なる配列をもつペプチドをコードしている単離された核酸は、また本発明の範囲 内である。図1Aおよび1B(配列番号:1)の配列とは配列において異なるそ のような核酸は、機能的に等価のペプチド(すなわち、Der pIIIの活性をも つペプチド)をコードしているが、遺伝コードの縮重に因っている。例えば、数 種のアミノ酸は、1種を超えるトリプレットで指定示される。同じアミノ酸を特 定するコドン、または同義コドン(例えば、CAUとCACはヒスチジンについ て同義コドンである)は、Der pIIIタンパク質のアミノ酸配列に影響しない 「サイレント(silent)」変異をもたらすであろう。しかしながら、Der p IIIのアミノ酸配列における変化へと導くDNA配列の多型性が、家庭のち りダニ集団内に存在するであろうと考えられる。当業者は、Der pIIIの活性 をもつペプチドをコードしている核酸の1個以上のヌクレオチド(ヌクレオチド の約3−4%まで)におけるこれらの変異が、自然の対立遺伝子変異により、個 々の家庭のちりダニに存在するであろうということは認識するであろう。いずれ かおよびすべてのそのようなヌクレオチド変異、そして得られるアミノ酸の多型 性は、本発明の範囲内である。さらに、Der pIIIの1種以上のイソ型または 関連する交差反応性ファミリーのメンバーも存在するであろう。そのようなイソ 型またはファミリーメンバーは、機能においてDer pIIIに関連するタンパク 質およびアミノ酸として定義されるが、しかし異なる座の遺伝子によってコード されている。 また、Der pIIIをコードしている核酸の断片も、本発明の範囲内である。 ここで使用されるように、Der pIIIをコードしている核酸の断片は、Der pI IIタンパク質の全アミノ酸配列をコードしている核酸配列よりも少ないヌクレ オチドをもち、そして本明細書記載のDer pIIIの活性をもつペプチド(すな わち、Der pIIIアレルゲンの少なくとも1つの生物学的活性をもつペプチド )をコードしている核酸配列を指す。 好適な核酸断片は、少なくとも長さがアミノ酸残基10個、好ましくは長さが アミノ酸残基約10−20個、もっとも好ましくは長さがアミノ酸残基約10− 16個のペプチドをコードしている。また、少なくとも長さが約アミノ酸残基3 0個、少なくとも長さがアミノ酸残基約40個、少なくとも長さが約アミノ酸残 基約60個、少なくとも長さが約アミノ酸残基80個、少なくとも長さがアミノ 酸残基約100個、少なくとも長さが約アミノ酸残基約200個もしくはそれ以 上、のDer pIII活性をもつペプチドをコードしている核酸断片も本発明の範囲内 である。 本発明の範囲内の核酸断片は、Der pIIIと交差反応性であるDer pIIIま たはアレルゲンを検出するスクリーニング法に使用するため、他の動物種からの 核酸と、高もしくは低緊縮下でハイブリダイズできるものを含む。一般に、Der p IIIの活性をもつペプチドをコードしている核酸は、成熟タンパク質をコー ドしている塩基から選ばれるであろうが、ある場合には、本発明の核酸のリーダ ー配列部分からのペプチドの全部または一部分を選ぶことが望ましいこともある 。また、本発明の範囲内の核酸は、制限エンドヌクレアーゼ部位が改変されたリ ンカー配列、およびDer pIIIの活性をもつ組み換えペプチドの分子クローニ ング、発現または精製のために有用な他の配列を含んでもよい。 Der pIIIの活性をもつペプチドをコードしている核酸は、デルマトファゴ イデス・プテロニッシナス種の家庭のちりダニに存在するmRNAから得ること もできる。また、デルマトファゴイデス・プテロニッシナスのゲノムDNAから 、Der pIIIをコードしている核酸を得ることもできる。例えば、Der pIII をコードしている遺伝子は、本明細書に記載の方法にしたがって、cDNAかゲ ノムライブラリーのいずれからもクローン化できる。Der pIIIをコードして いるcDNAは、デルマトファゴイデス・プテロニッシナスから全てのmRNA を単離することによって得ることができる。二本鎖cDNAは、次いで、全mR NAから調製できる。続いて、cDNAは、多くの既知技術のどれか1つを用い て、適切なプラスミドか、バクテリオファージベクター中に挿入できる。また、Der pIIIをコードしている遺伝子は、本発明によって提供されるヌクレオチ ド配列情報にしたがって、確立されているポリメラーゼ連鎖反応技術を用いて、 クローン化できる。本発明の核酸は、DNAであってもRNAであってもよい。 好適な核酸は、図1Aおよび1B(配列番号:1)に描かれた配列をもつDer p IIIをコードしているcDNAである。 また、本発明は、少なくとも1個の調節配列に操作可能に連結されたDer pI IIの活性をもつペプチドをコードしている核酸を含む発現ベクターを提供する 。「操作可能」とは、核酸配列が、ヌクレオチド配列の発現を可能とする態様で 、調節配列に連結されていることを意味するように意図されている。調節配列は 、技術上認識されており、トランスフェクションされた宿主細胞によって、Der p IIIの活性をもつペプ チドの発現を命令するように選ばれる。したがって、用語、「調節配列」は、プ ロモーター、エンハンサーおよび他の発現調節因子を含む。そのような調節配列 は、Goeddel,Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185,Acad emic Press,San Diego,CA(1990)に記載されている。発現ベクターのデザイン は、形質転換されるべき宿主細胞および/または発現が望まれるタンパク質の種 類の選択のようなファクターに依存する。1つの実施態様では、発現ベクターは 、Der pIIIの活性をもつペプチドをコードしているDNAを含む。そのよう な発現ベクターは、細胞をトランスフェクションするために使用され、それによ って本明細書に記載の核酸によってコードされる融合タンパク質もしくはペプチ ドを含む、タンパク質もしくはペプチドを産生することができる。 さらに、本発明は、Der pIIIの活性をもつペプチドを発現するように、ト ランスフェクションされた宿主細胞に関する。宿主細胞は、どんな原核生物もし くは真核生物細胞でもよい。例えば、Der pIIIの活性をもつペプチドは、E .コリのような細菌細胞、昆虫細胞(バクロウイルス)、酵母、またはチャイニ ーズハムスター卵巣細胞(CHO)のような哺乳動物細胞中で発現されてもよい 。他の適切な宿主細胞は、Goeddel(1990),前出、に言及されており、または当 業者には既知である。 哺乳動物、酵母もしくは昆虫細胞のような真核生物細胞での発現は、組み換え ペプチド産物の部分的か完全なグリコシル化および/または適切な鎖内または鎖 間のジスルフィド結合の形成に導くことができる。酵母サッカロミセス・セレビ シエ(Saccharomyces cerevisiae)における発現のた めのベクターの例は、pYepSe cI(Baldari et al.,(1987)Embo J. 6:229-234)、pMFa(Kurjan and H erskowitz,(1982)Cell 30:933-943)、pJRY88(Schultz et al.,(1987 )Gene 54:113-123)およびpYES2(Invitrogen Corporation,San Diego, CA)を含む。培養昆虫細胞(SF9細胞)におけるタンパク質の発現に利用でき るバクロウイルスベクターは、pAcシリーズ(Smith et al.,(1983)Mol.Ce ll Biol.3 :2156-2165)およびpVLシリーズ(Lucklow,V.A.,and Summers, M.D.,(1989)Viology 170:31-39)を含む。一般に、COS細胞(Gluzman,Y., (1981)Cell 23:175-182)は、哺乳動物細胞における一過性増殖および/また は発現のためのpCDM8(Aruffo,A.and Seed,B.,(1987)Proc.Natl.Ac ad.Sci.USA 84:8573-8577)のようなベクターとの連結において使用されるが 、一方、CHO(dhfr -hinese amster vary)細 胞は、哺乳動物細胞における安定な増殖/発現のためのpMT2PC(Kaufman et al .,(1987),EMBO J. 6:187-195)のようなベクターとともに使用される。 ベクターDNAは、リン酸カルシウムもしくは塩化カルシウム同時沈殿、DEA E−デキストラン仲介トランスフェクション、またはエレクトロポレーションの ような慣用の技術により、哺乳動物細胞中に導入できる。宿主細胞を形質転換す るための適切な方法は、Sambrook et al.(Molecular Cloning: A Laboratory M anual ,2nd Edition,Cold Spring Harbor Laboratory press(1989))およびそ の他の実験書に見いだされる。 原核生物における発現は、融合か非融合かいずれかの誘導発現ベクターを用い て、E.コリでもっともしばしば実施される。融合ベクターは、通常、発現され る標的遺伝子に、若干のNH2末端アミノ酸を加える。 これらのNH2末端アミノ酸類は、しばしばレポーター基と言われる。そのよう なレポーター基は、普通には、2つの目的:1)標的の組み換えタンパク質の溶 解度を増加するため;そして2)アフィニティー精製においてリガンドとして働 くことによって標的の組み換えタンパク質の精製を助けるために役立つ。しばし ば、融合発現ベクターにおいて、タンパク分解的切断部位が、レポーター基と標 的の組み換えタンパク質の結合点に導入されて、融合タンパク質の精製に続いて 、レポーター基からの標的組み換えタンパク質の分割を可能にする。そのような 酵素、およびそれらの同族の認識配列は、ファクターXa、トロンビンおよびエ ンテロキナーゼを含む。典型的な融合発現ベクターは、標的の組み換えタンパク 質に、それぞれグルタチオンS−トランスフェラーゼ、マルトースE結合タンパ ク質、またはプロティンAを融合するpGEX(Amrad Corp.,Melbourne,Aust ralia)、pMAL(New England Biolabs,Beverly,MA)およびpRIT5(P harmacia,Piscataway,NJ)を含む。好適なレポーター基は、組み換え融合タン パク質を、金属キレートクロマトグラフィーによって容易に精製できるようにす るポリ(His)である。 誘導非融合発現ベクターは、pTrc(Amann et al.,(1988)Gene 69:301-3 15)およびpET11d(Studier et al.,Gene Expression Technology; Meth ods in Enzymology 185 ,Academic Press,San Diego,California(1990)60-89 )を含む。標的遺伝子発現は、pTrcのハイブリッドtrp−lac融合プロ モーターからの宿主RNAポリメラーゼ転写によるのに対して、pET11d中 に挿入された標的遺伝子の発現は、同時発現されたウイルスRNAポリメラーゼ (T7gn1)に よって仲介されるT7gn10−lac0融合プロモーターからの転写による。 このウイルスポリメラーゼは、lacUV5の転写調節下で、T7gn1を担持 する常在性λプロファージから、宿主菌株BL21(DE3)もしくはHMS1 74(DE3)によって供給される。 E.コリにおいて組み換えDer pIII発現を最大にする1つの戦略は、組み 換えタンパク質のタンパク分解的切断能を弱められた宿主細菌中で、タンパク質 を発現することである(Gottesman,S.,Gene Expression Technology; Methods in Enzymology 185 ,Academic Press,San Diego,California(1990)119-128 )。その他の戦略は、各アミノ酸の個々のコドンが、高度に発現されるE.コリ ・タンパク質において優先的に利用されるコドンであるように、発現ベクター中 に挿入されるべきDer pIIIをコードしている核酸を改変することである(Wad a et al.,(1992)Nuc.Acids Res,20:2111-2118)。本発明の核酸のそのよう な改変は、標準DNA合成技術によって実施できる。 また、本発明の核酸は、標準技術を用いて、化学的に合成できる。ポリデオキ シヌクレオチドを化学的に合成する種々の方法は、既知であり、ペプチド合成の ように、市販のDNAシンセサイザーにおける完全に自動化された固相合成を含 む(例えば、引用によって本明細書に組み入れられるItakura et al.,米国特許 第4,598,049号、Caruthers et al.,同第4,458,066号;およびItakura 同第4,40 1,796号および同第4,373,071号、参照)。 さらに、本発明は、Der pIIIの活性をもつペプチドを生産する方法に関す る。例えば、Der pIIIの活性をもつペプチドをコードしている核酸配列の発 現を支配する核酸ベクターによってトランスフェクショ ンされた宿主細胞は、ペプチドを生産させる適当な条件下で培養できる。ペプチ ドは、分泌され、そしてペプチドを含む細胞と培地の混合液から単離されてもよ い。あるいはまた、ペプチドは、細胞質に保持され、そしてその細胞が、回収さ れ、溶菌され、そしてタンパク質が単離されてもよい。細胞培養物は、宿主細胞 、培地および他の副生物を含む。細胞培養用の適切な培地は、技術的に既知であ る。本発明のペプチドは、細胞培養液、宿主細胞、または両方から、イオン交換 クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、およ びそのようなペプチドに特異的な抗体を用いるイムノアフィニティー精製を含む 、タンパク質精製のための既知技術を用いて単離される。 本発明のその他の態様は、Der pIIIの活性をもつ単離されたペプチドに関 する。Der pIIIの活性をもつペプチドは、Der pIIIアレルゲンの少なくと も1つの生物学的活性をもつ。例えば、Der pIIIの活性をもつペプチドは、 刺激(T細胞増殖もしくはサイトカイン分泌)のようにDer pIII特異的T細 胞における応答を誘導しても、T細胞非応答性を誘導する能力をもっていてもよ い。1つの実施態様では、Der pIIIの活性をもつペプチドは、例えば、T細 胞増殖もしくはサイトカイン分泌によって例証されるように、T細胞を刺激する 。その他の実施態様では、Der pIII活性をもつペプチドは、T細胞非応答性 を誘導し、その場合には、T細胞は、ペプチドへの被曝に続いてのDer pIII ペプチドもしくは生来のDer pIIIタンパク質によるその後のチャレンジにも 応答しない。なおその他の実施態様では、Der pIII活性をもつペプチドは、 精製された生来のDer pIIIタンパク質に較べて、減少されたIgE結合活性 をもつ。Der pIIIの活性をもつペ プチドは、図1Aおよび1B(配列番号:2)に描かれたDer pIII配列とは 、アミノ酸配列で異なってもよいが、そのような相違は、生来のDer pIIIタ ンパク質と同じか類似の方法で機能するか、またはDer pIIIタンパク質の同 じか類似の特徴をもつ、改変されなタンパク質を生じる。これらのものや、他の 機能的に等価のペプチドを生産するためのDer pIIIタンパク質の種々の改変 は、本明細書に詳細に記述される。ここに使用される用語、「ペプチド」は、ペ プチド、タンパク質およびポリペプチドを言う。 ペプチドは、例えば、1種以上のアミノ酸残基の置換、付加または欠失による 、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたDer pIIIタンパク質のアミ ノ酸配列の改変によって生産できる。そのような改変は、ペプチドの生物学的活 性に関与しないアミノ酸残基に向けられるか、あるいは改変が、特定の生物学的 活性を増進するか、除去するために、そのようなアミノ酸残基に向けられてもよ い。本発明のペプチドは、少なくとも長さがアミノ酸残基約8個、好ましくは長 さがアミノ酸残基約10−20個、もっとも好ましくは長さがアミノ酸残基約1 0−16個である。少なくとも長さが約アミノ酸残基30個、少なくとも長さが アミノ酸残基約40個、少なくとも長さが約アミノ酸残基約60個、少なくとも 長さが約アミノ酸残基80個、少なくとも長さがアミノ酸残基約100個、およ び少なくとも長さが約アミノ酸残基約200個もしくは長さそれ以上のDer pI IIの活性をもつペプチドも、また本発明の範囲内である。 本発明のその他の実施態様では、デルマトファゴイデス・プテロニッシナス種 の関連するグループIIIアレルゲン、Der IIIからの ペプチドが提供される。そのようなペプチドは、精製された生来のDer I IIタンパク質から単離され、そして配列: IVGGVKAKAGDSPYQISLQSSSHFXGGSILD (配列番号:15)、 N末端配列;MICGGDVANGGVDSEQGD(配列番号:10)、中間部ペプチド; そして MTLDQTNAKPVPLPTS(配列番号:12)、中間部ペプチド を含む。 本発明のなおその他の実施態様は、Der pIIIの活性をもつペプチドの実質 的に純粋な調製物を提供する。そのような調製物は、本ペプチドが、細胞中でも 、細胞によって分泌されても、ともに自然に生じるタンパク質とペプチド(すな わち、他の家庭のちりダニペプチド)を実質的に含有しない。 ここに使用される用語、「単離された」は、実質的に、組み換えDNA技術に よって生産された場合には、細胞材料もしくは培養培地を含有しないか、または 化学的に合成された場合には、他の化学前駆物質もしくは他の化学薬剤を含有し ない核酸もしくはペプチドを称する。また、そのようなペプチドは、すべての他 の家庭のちりダニタンパク質を含有しないのが特徴である。したがって、Der p IIIの活性をもつ単離されたペプチドは、組み換え的にも、合成的にも生成さ れ、そして実質的に、細胞材料および培養培地を含有しないか、または実質的に 、化学前駆物質もしくは他の化学薬剤を含有せず、さらに他の家庭のちりダニタ ンパク質を含有しない。また、単離された核酸は、その核酸が得られた生物にお いて、自然にはその核酸に隣接する配列(すなわち、核酸の5’および3’末端 に位置する配列)も含有しない。 Der pIIIの活性をもつペプチドは、例えば、そのようなペプチド をコードしているDer pIIIの核酸の対応する断片から、組み換えによって作 製されたペプチドをスクリーニングすることによって得られる。さらに、断片は 、慣用のメリフィールド固相f−Mocもしくはt−Bocのような技術上既知 の技術を用いて、化学的に合成できる。例えば、Der pIIIタンパク質は、重 複断片のない目的の長さの断片中に任意に分配されても、または好ましくは、目 的の長さの重複する断片中に分配されてもよい。その断片を、作製し(組み換え 的もしくは化学合成によって)、そして試験して、Der pIII活性をもつそれ らのペプチドを同定することができる。すなわち、T細胞刺激(T細胞増殖、サ イトカイン分泌)のようなT細胞応答性か、またはT細胞非応答性の誘導能、そ して/または低下されたIgE結合活性をもつかについて試験される。 1つの実施態様では、Der IIIの活性をもつペプチドは、T細胞を刺 激するか、T細胞非応答性を誘導するペプチドの能力によって同定できる。例え ば、T細胞増殖もしくはサイトカイン分泌によって決定されるように、T細胞を 刺激するペプチドは、少なくとも1種のT細胞エピトープを含むものとして、本 明細書では定義されている。T細胞エピトープは、アレルギーの臨床症状に関わ るタンパク質アレルゲンに対する免疫応答の開始および持続に必要であると信じ られる。これらのT細胞エピトープは、抗原提示細胞の表面の適当なHLA分子 に結合することによって、Tヘルパー細胞のレベルにおける初期の現象を引き起 こすと考えられ、それによって、そのエピトープに関連するT細胞レセプターを もつT細胞サブ集団を刺激する。これらの出来事は、T細胞増殖、リンホカイン 分泌、局所炎症反応、抗原/T細胞相互作用の部位への付加的な免疫細胞の補充 、およびB細胞カスケードの活性化をもたら し、そして抗体産生にいたる。これらの抗体、IgEの1種のイソ型は、アレル ギー症状の亢進に基本的に重要であり、そしてその産生は、分泌されたリンホカ インの性質によって、Tヘルパー細胞レベルでの現象のカスケードにおいて、初 期に影響される。T細胞エピトープは、T細胞レセプターによる認識の基礎因子 または最小単位であり、そのエピトープは、レセプター認識に必須のアミノ酸を 含有する。T細胞エピトープの配列を模し、タンパク質アレルゲンへのアレルギ ー反応を改変するアミノ酸配列は、本発明の範囲内である。 本明細書に記載されるようなDer III活性を保持するものについて、 ペプチドをスクリーニングすることは、数種の異なるアッセイ法の1種以上を用 いて達成できる。例えば、イン・ビトロで、Der IIIのT細胞刺激活性 は、Der III活性をもつことが既に知られているかまたは予測されるペ プチドを、T細胞培養において適当なMHC分子を提示する抗原提示細胞と接触 させることによってアッセイされる。必要な同時刺激に関連して、T細胞に対す る好適なMHC分子と共同でのDer III活性をもつペプチドの提示は、 増大したレベルのサイトカイン、特にインターロイキン−2およびインターロイ キン−4の産生を誘導するT細胞へのシグナルの伝達という効果をもつ。培養上 澄液が得られ、インターロイキン−2もしくは他の既知のサイトカインについて アッセイすることができる。例えば、適切な部分が、引用によって本明細書に組 み入れられるProc.Natl.Acad.Sci.USA,86:1333(1989)に記載のアッセイ法 のようなインターロイキン−2についての数種の慣用アッセイ法のどれか1つが 用いられる。また、インターフェロンの産生に関するアッセイ用キットは、Genz yme Corporation(Ca mbridge,MA)から入手される。 あるいはまた、T細胞増殖の普通のアッセイ法は、トリチウム化チミジン取り 込みの測定を伴う。T細胞の増殖は、培養細胞の複製するDNA中に取り込まれ た3H−標識チミジンの量を測定することによって、イン・ビトロで測定できる 。それ故、DNA合成の速度、そして順に、細胞分裂の速度が定量できる。 その他の実施態様では、Der III活性をもつペプチドが、T細胞非応 答性を誘導する能力についてスクリーニングされる。T細胞を刺激して、精製さ れた生来のDer IIIもしくはその一部分の活性を阻害するか完全に妨げ 、そして非応答性の状態を誘導する既知ペプチドの能力(1種以上の上記アッセ イ法によって決定される)は、Der III活性をもつペプチドに被曝され た後、生来のDer III、またはDer III活性をもつペプチドを提 示する抗原提示細胞による、その後のT細胞刺激における試験を用いて決定でき る。もし、T細胞が、インターロイキン−2合成および/またはT細胞増殖によ って決定されるように、その後の活性化試験に応答しないならば、非応答性の状 態が誘導されている。本発明によるアッセイ法の基礎として使用できるアッセイ 系については、Gimmi,et al.,(1993)Proc.Natl.Acad.Sci.USA,90:6856- 6590; およびSchwartz(1990)Science,248:1349-1356参照。 なおその他の実施態様では、Der III活性をもつペプチドは、IgE 結合活性によって同定される。治療目的のためには、本発明のペプチドは、好ま しくは、家庭のちりダニ・アレルゲンに特異的なIgEと結合しないか、あるい は精製された生来の家庭のちりダニ・アレルゲ ンが、そのようなIgEと結合するよりも実質的に低い程度にそのようなIgE と結合する。低下されたIgE結合活性は、精製された生来のDer III タンパク質の活性よりも低いIgE結合活性をいう。もし、Der III活 性をもつペプチドが、診断試薬として使用されようとする場合には、そのペプチ ドが、生来のDer IIIアレルゲンに比較して低下されたIgE結合活性 をもつことは必要ではない。ペプチドのIgE結合活性は、例えば、生来のDe IIIアレルゲンに予め被曝された患者(すなわち、アレルギー性患者) から得られる血清を用いて、例えば、酵素結合イムノソルベントアッセイ(IL ISA)によって決定できる。簡単には、Der III活性をもつと予測さ れるペプチドが、ミクロタイタープレートのウェル上に塗布される。そのウェル を洗浄し、ブロックした後、Der III活性をもつと思われるペプチドに 被曝されたアレルギー患者の血漿からなる抗体溶液が、ウェル中でインキュベー トされる。血漿は、インキュベート前に、一般にIgGを枯渇される。標識され た第2の抗体が、ウェルに添加され、インキュベートされる。次いで、IgE結 合量が、定量され、精製された生来のDer IIIタンパク質により結合さ れたIgE量と比較される。あるいはまた、ペプチドのIgE結合活性は、ウエ スタンブロット分析によって決定できる。例えば、Der III活性をもつ と予測されるペプチドが、SDS−PAGEを用いるポリアクリルアミドゲル上 で泳動される。次いで、ペプチドは、ニトロセルロースに転写され、続いて、ア レルギー患者からの血清とともにインキュベートされる。標識された第2の抗体 とインキュベート後、IgE結合量が測定され、定量される。 ペプチドのIgE結合活性を決定するために使用されるその他のアッセイ法は 、競合ELISAアッセイ法である。簡単に言えば、IgE抗体プールが、直接 ELISAによって発見されている家庭のちりダニアレルギー患者からの血漿と 合わせることによって、生来のDer IIIと反応性のIgEをもつように 作製される。このプールが、生来のDer IIIと、Der III活性を もつと予測されるペプチドのIgE結合を比較するために、ELISA競合アッ セイに使用される。生来のDer IIIと、Der III活性をもつと予 測されるペプチドについてのIgE結合が決定され、定量される。 もし、Der IIIの活性をもつペプチドが、IgEを結合し、そして治 療剤として使用されるならば、そのような結合は、肥満細胞もしくは好塩基球か らのメディエーター(例えば、ヒスタミン)の放出をもたらさないことが好まし い。IgEを結合するペプチドが、メディエーターの放出をもたらすかどうかを 決定するために、ヒスタミン放出アッセイが、Amac,Inc.(Westbrook,ME)から 得られる標準試薬とプロトコールを用いて実施される。簡単に言えば、Der III活性をもつと思われるペプチドのバッファー溶液が、アレルギー患者か らのヘパリン処理全血の等量と一緒にされる。混合し、インキュベート後、細胞 が沈殿され、そして上澄液が処理され、放出されたヒスタミン量を決定するため に、ラジオイムノアッセイを用いて分析される。 治療剤として使用されるべきDer IIIの活性をもつペプチドは、好ま しくは、家庭のちりダニアトピーの哺乳動物モデル、例えば、Tamura et al.,( 1989)Microbiol.Immunol.30:883-896 又は米国特許第4,939,239号に開示され たマウスモデル、あるいはChiba et al.,(1 990)Int.Arch.Allergy Immunol.93:83-88に開示された霊長類モデルにおい て試験される。Der IIIの活性をもつペプチドに結合するIgEについ ての最初のスクリーニングは、実験動物もしくはヒトのボランティアにおける掻 爬試験もしくは皮内皮膚試験によるか、またはRAST、RAST阻害、ELI SAアッセイ、RIA(ラジオイムノアッセイ)もしくは前記ヒスタミン放出ア ッセイのようなイン・ビトロ系で行われてもよい。 溶解度の増加、治療もしくは予防効果、または安定性(例えば、エックス・ビ ボでの貯蔵寿命およびイン・ビボでのタンパク分解に対する抵抗性)の向上のよ うな目的のために、Der IIIの活性をもつペプチドの構造を改変するこ とが可能である。そのような改変されたペプチドは、本明細書に記載のDer IIIの活性をもつペプチドの機能的等価物と考えられる。アミノ酸配列が、 例えば、アミノ酸置換、欠失もしくは付加によって、免疫原性を改変し、そして /またはアレルギー原性を低下するように変えられたか、あるいはある成分が同 じ目的のために加えられた改変ペプチドが、作製できる。 例えば、Der IIIの活性をもつペプチドは、それが、強い増殖応答や 、または可能ならば、免疫原性型で投与された時でもどんな増殖応答も誘導する 能力なくT細胞非応答性を誘導し、そしてMHCタンパク質を結合する能力を維 持するように改変することができる。この場合は、T細胞レセプター機能に対す る臨界結合残基が、既知の技術を用いて決定される(例えば、各残基の置換およ びT細胞反応性の存在または不在の決定)。T細胞レセプターとの相互作用に必 須であることが示されたそれらの残基は、必須のアミノ酸を、その存在が、T細 胞反応性 を増進したり、減少するが除去しない、またはそれに影響しないことが分かって いるその他のアミノ酸、好ましくは類似のアミノ酸残基により置換することによ って改変できる。その上、T細胞レセプター相互作用に必須ではないそれらのア ミノ酸残基は、その組み入れが、T細胞反応性を増進したり、減少するが除去し ない、またはそれに影響しないであろうが、しかしその組み込みが、関連したM HCへの結合を排除しないその他のアミノ酸により置換されることによって改変 できる。 さらに、Der IIIの活性をもつペプチドは、MHCタンパク質複合体 との相互作用に必須であることが示されたアミノ酸を、その存在が、T細胞反応 性を増進したり、減少するが除去しない、またはそれに影響することが分かって いるその他のアミノ酸、好ましくは類似のアミノ酸残基(保存的置換)により置 換することによって改変できる。その上、MHCタンパク質複合体との相互作用 に必須ではないが、なおMHCタンパク質複合体を結合するアミノ酸残基は、そ の組み込みが、T細胞反応性を増進したり、それに影響しない、または減少する が除去しないであろうその他のアミノ酸により置換されることによって改変でき る。必須でないアミノ酸についての好適なアミノ酸置換は、アラニン、グルタミ ン酸もしくはメチルアミノ酸による置換を含むが、それに限定されない。 Der IIIの活性をもつペプチドの改変のその他の例は、ジスルフィド 結合を通しての二量体化を最小にするための、好ましくは、アラニン、セリン、 スレオニン、ロイシンもしくはグルタミン酸残基によるシステイン残基の置換で ある。さらに、本発明のペプチドのアミノ酸側鎖は、化学的にも改変できる。そ の他の改変は、ペプチドの環化であ る。 安定性および/または反応性を増進するために、Der IIIの活性をも つペプチドは、すべての自然の対立遺伝子変異から得られるタンパク質アレルゲ ンのアミノ酸配列に、1種以上の多型性を組み入れるように改変できる。さらに 、D−アミノ酸、非天然アミノ酸、非アミノ酸同族体が、本発明の範囲内の改変 タンパク質を作製するために、置換されるか付加されてもよい。さらにまた、 er IIIの活性をもつペプチドは、A.Sehon および共同研究者(Wie et a l .,前出)の方法にしたがって、ポリエチレングリコール(PEG)を用いて改 変し、PEGに結合されたタンパク質を作製できる。Der IIIの活性を もつペプチドのその他の改変は、還元/アルキル化(Tarr,Methods of Protein Microcharacterization ,J.E.Silvered.,Humana Press,Clifton NJ 155-194 (1986));アシル化(Tarr,前出);適当な担体への化学的結合(Mishell and Shiigi,eds.,Selected Methods in Cellular Immunology,WH Freeman,San F rancisco,CA(1980),米国特許第4,939,239号);または弱いホルマリン処理(M arsh(1971),Int.Arch.of Allergy and Appl.Immunol,41:199-215)を含む 。 精製を容易にし、Der IIIの活性をもつペプチドの溶解度を潜在的に 増大するために、ペプチド骨格へアミノ酸融合部分を付加することが可能である 。例えば、ヘキサ−ヒスチジンが、固定化金属イオンアフィニティークロマトグ ラフィー(Hochuli,E.et al.,(1988)Bio/Technology 6:1321-1325)による 精製のために、タンパク質に付加される。さらに、不適切な配列を含まないペプ チドの単離を容易にするために、特異的エンドプロテアーゼ切断部位が、融合部 分とペプチドの配 列の間に導入される。Der IIIタンパク質または関連するアレルゲンに 対して、成功裏に患者を脱感作するためには、そのタンパク質に官能基を付加す るか、またはタンパク質の疎水性領域を除くことによって、タンパク質の溶解度 を増大することが必要である。 Der III内のT細胞エピトープの適当な抗原プロセッシングを潜在的 に助けるために、正規のプロテアーゼ感受性部位が、組み換えまたは合成法を通 して少なくとも1個のT細胞エピトープに含まれる各領域間で加工されてもよい 。例えば、KKもしくはRRのような荷電アミノ酸対が、その組み換え体構築の 間に、タンパク質または断片内の領域間に導入される。得られるペプチドは、1 個以上のT細胞エピトープを含むタンパク質の部分を作るであろうカテプシンお よび/またはトリプシン様酵素による切断に対して、感受性にされる。さらに、 そのような荷電アミノ酸残基は、ペプチドの溶解度を増大させることにもなる。 Der IIIの活性をもつペプチドをコードしている核酸の部位特異的変 異誘発は、技術上既知の方法によってペプチドの構造を改変するために使用でき る。そのような方法は、その他の中でも、1つ以上の変異を担持するオリゴヌク レオチドプライマーを用いるポリメラーゼ連鎖反応(PCR)(Ho et al.,(19 89)Gene 77:51-59)または変異遺伝子の全合成(Hostomsky,Z.et al.,(1989 )Biochem.Biophs.Res.Comm 161:1056-1063)を含む。組み換えタンパク質発 現を増進するために、前記方法が、本発明のcDNA配列に存在するコドンを、 組み換えタンパク質が発現される宿主細胞によって優先的に利用されるコドンに 変えるために応用できる(Wada et al.,前出)。 本発明のその他の態様は、Der IIIの活性をもつペプチドと 特異的に反応する抗体に関する。本発明の抗体は、アレルゲン抽出物を標準化す るためか、あるいは天然に存在するか生来の形のDer IIIを単離するた めに使用できる。例えば、Der IIIのcDNA配列に基づくDer I IIの活性をもつペプチドを用いることによって、抗タンパク質/抗ペプチド抗 血清もしくはモノクローナル抗体が、標準的方法を用いて作成できる。マウス、 ハムスターもしくはウサギのような哺乳動物は、ペプチドの免疫原性形(例えば 、Der IIIタンパク質もしくは抗体応答を引き出すことができる抗原断 片)を用いて免疫される。タンパク質もしくはペプチドに免疫原性を与える技術 は、担体への共役を含むか、または他の技術は、技術上周知である。Der IIIの活性をもつペプチドは、アジュバントの存在下で投与される。免疫化の 進展は、血漿もしくは血清における抗体価の検出によって追跡できる。標準EL ISAもしくは他のイムノアッセイは、抗体レベルを評価するために、抗原とし ての免疫原を用いて使用できる。 免疫化に続いて、抗Der III抗血清が得られ、そしてもし望まれるな らば、ポリクローナル抗Der III抗体が、血清から単離されてもよい。 モノクローナル抗体を作製するために、抗体産生細胞(リンパ球)が、免疫動物 から採取され、骨髄腫細胞のような不死化細胞を用いる標準の体細胞融合操作に よって融合させて、ハイブリドーマ細胞を得ることができる。そのような技術は 、技術上既知であり、例えば、ハイブリドーマ技術は、ヒトB細胞ハイブリドー マ技術(Kozbar et al.,Immunology Today(1983)4:72)およびヒトモノクロ ーナル抗体を生産するためのEBV−ハイブリドーマ技術(Cole et al.,Monoc lonal Antibodies and Cancer Therapy (1985)Alan R.Liss,Inc.pp. 77-96)のような他の技術と同様に、Kohler and Milstein,(Nature(1975)25 6 :495-497)によって初めて開発された。ハイブリドーマ細胞は、Der II Iの活性をもつペプチドと特異的に反応する抗体の生産のために、免疫化学的に 選択でき、そしてモノクローナル抗体が単離される。 ここに使用される用語、「抗体」は、また、Der IIIの活性をもつペ プチドと特異的に反応するそれらの断片を含むことを意図する。抗体は、慣用の 技術を用いて断片化でき、その断片が、全抗体について先に記した同じ方法での 利用のためにスクリーニングされる。例えば、F(ab’)2断片は、抗体をペ プシンにより処理することによって作製できる。得られるF(ab’)2断片は 、ジスルフィド架橋を還元して、Fab’断片を生産できる。本発明の抗体は、 さらに、抗Der III部分をもつ二重特異性キメラ分子を含むことを意図 する。 本発明のその他の態様では、Der IIIの活性をもつペプチドと特異的 に反応するT細胞クローンおよび可溶性T細胞レセプターを提供する。モノクロ ーナルT細胞集団(すなわち、互いに遺伝的に同一なT細胞および発現する同一 なT細胞レセプター)は、Der IIIに感受性の患者から得られ、その後 、MHC適合抗原提示細胞の存在下で、Der IIIタンパク質またはDe IIIの活性をもつペプチドによるイン・ビトロの反復した刺激を受ける 。次いで、単一のDer IIIMHC反応性細胞が、限界希釈によってクロ ーン化され、永久細胞系が、拡大され、そして周期的なイン・ビトロの再刺激に よって維持される。あるはまた、Der III特異性T−Tハイブリドーマ は、B細胞ハイブリドーマ作製に類似する技術によって作製できる。 例えば、マウスのような哺乳動物が、Der IIIの活性をもつペプチドに より免疫化され、その哺乳動物からのT細胞が精製され、そして自律的に成長す るT細胞腫瘍細胞系と融合される。得られるハイブリドーマから、Der I IIの活性をもつペプチドに応答する細胞が選択され、クローン化される。モノ クローナルT細胞集団を増殖させる操作は、Cellular and Molecular Immunolog y (Abul K.Abbas et al.,ed.),W.B.Saunders Company,Philadelphia,PA(1 991)page 139に記載されている。Der IIIの活性をもつペプチドと特異 的に反応する可溶性T細胞レセプターは、Immunology; A Synthesis(Second Edi tion),Edward S.Golub et al.,Sinauer Associates,Inc.,Sunderland,MA (1991)page 366-369に記載のように、T細胞レセプターに対する抗体を用いる 免疫沈降によって得ることができる。 Der IIIの活性をもつペプチドと特異的に反応するT細胞クローンは 、適切なT細胞レセプターをコードしている遺伝子を単離し、分子的にクローン 化するために使用できる。その上、Der IIIの活性をもつペプチドと特 異的に反応する可溶性T細胞レセプターは、例えば、Der IIIに感受性 の患者への投与によって、適切なT細胞サブ集団の抗原依存性活性化を妨げたり 、または阻害するために使用できる。そのようなT細胞レセプターに特異的に反 応する抗体は、本明細書に記載の技術により生産できる。そのような抗体は、M HCによって提示されたペプチドとT細胞の相互作用を、阻止するか妨害するた めに使用できる。 Der IIIの活性をもち、またT細胞刺激活性をもつペプチドに対する アレルギー患者の被曝が、適当なT細胞サブ集団を、それぞれ のタンパク質アレルゲンに対して非応答性にさせる(例えば、そのような被曝に よる免疫応答を刺激できなくする)。その上、そのような投与は、自然に存在す るタンパク質アレルゲンもしくはその部分への被曝と比較して、リンホカイン分 泌のプロフィルを改変するであろう(例えば、IL−4の減少とIL−2の増加 になる)。さらにまた、T細胞刺激活性をもっているDer IIIの活性を もつペプチドへの被曝は、これらのT細胞が、アレルゲンへの通常の被曝部位( 例えば、鼻粘膜、皮膚および肺)から、タンパク質もしくはそれに由来する断片 の治療的投与部位へそらされるように、アレルゲンへの応答に正常に関与するT 細胞サブ集団に影響する。T細胞サブ集団のこの再分布は、アレルゲンへの通常 の被曝部位における普通の免疫応答を刺激する患者の免疫系の能力を改良したり 低下させて、アレルギー症状の緩和にいたるであろう。 家庭のちりダニに感受性の患者に投与された場合、Der IIIの活性を もつペプチドは、アレルゲンに対する患者のB細胞応答、T細胞応答、またはB 細胞とT細胞の両応答を改変することができる。ここに使用されるように、家庭 のちりダニ・アレルゲンに対する患者のアレルギー性応答の改変は、標準の臨床 方法(例えば、Varney et al.,(1990)British Medical Jounal 302:265-269 、参照)によって決定されるように、家庭のちりダニに誘起される喘息症状を含 むアレルゲンに対する症状における非応答性もしくは緩和として定義できる。こ こに言及されるように、症状の緩和は、本発明のペプチドを用いる治療計画の後 、アレルゲンに対する患者のアレルギー性応答におけるすべての低下を含む。こ の症状にける緩和は、標準の皮膚テストを用いるように、患者においても臨床的 にも決定されるであろう。 また、本発明のペプチドもしくは抗体は、Der IIIに対する感受性を 検出および診断するために使用できる。例えば、これは、感受性を評価すべき患 者から得られた血液もしくは血液産物を、ペプチドと血液中の成分(例えば、抗 体、T細胞、B細胞)の結合に好適な条件下で、Der IIIの活性をもつ ペプチドと一緒にし、そしてそのような結合が生じる程度を測定することによっ て行われる。本発明のペプチドもしくは抗体が使用できるアレルギー疾患のその 他の診断方法は、ラジオ−アレルゴソルベント試験(RAST)、ペーパー・ラ ジオイムノソルベント試験(PRIST)、酵素結合イムノソルベント検定法( ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、免疫放射線検定法(IRMA ),蛍光免疫検定法(LIA)ヒスタミン放出検定法およびIgEイムノブロッ トを含む。 その他のアッセイでは、Der IIIに特異的なIgEの患者における存 在、およびDer IIIのT細胞エピトープに対する患者のT細胞の応答能 力が、各々アレルゲンに特異的なIgEを結合するDer IIIの活性をも つペプチドを利用するか、Der IIIの活性をもつペプチドの改変形を利 用して、即時型過敏症試験および/または遅延型過敏症試験(例えば、Immunolo gy (1985)Roitt,I.M.,Brostoff,J.,Male,D.K.(eds.),C.V.Mosby Co.,G ower Medical Publishing,London,NY,pp.19.2-19.18; pp.22.1-22.10、参照 )を患者に適用することによって決定できる。同じ患者が、即時型過敏症試験の 適用前か、それと同時か、またはその後に、遅延型過敏症試験を適用される。勿 論、もし、即時型過敏症試験が、遅延型過敏症試験の前に適用される場合には、 遅延型過敏症試験は、特異的な即時型過敏症反応を示す 患者に対して行われるであろう。遅延型過敏症試験は、実質的なパーセンテージ (例えば、少なくとも約75%)のアレルゲン感受性の患者集団において、ヒト T細胞刺激活性をもち、アレルゲンに特異的なIgEを結合しないDer I IIの活性をもつペプチドを利用する。特異的な即時型過敏症反応と特異的な遅 延型過敏症反応の両方をもつことが分かったそれらの患者は、薬物学的投与に適 切な組成物の一定量を投与される。その組成物は、遅延型過敏症試験に使用され るDer IIIの活性をもつペプチド、および薬物学的に許容できるキャリ ヤーもしくは賦形剤を含む。 Der IIIの活性をもつペプチドは、家庭のちりダニ・アレルゲンまた は交差反応性タンパク質アレルゲンに対するアレルギー反応を、治療および予防 する方法に使用できる。したがって、本発明は、少なくとも1種のDer I IIの活性をもつペプチドの一定量および薬物学的に許容できるキャリヤーを含 む薬物学的投与に適する組成物を提供する。脱感作されるべき患者への本発明の 組成物の投与は、家庭のちりダニに対する患者の感受性を低下(すなわち、アレ ルギー応答の減少)させるのに効果的な用量および期間において、既知の方法を 用いて実施される。用語、「患者(subject)」は、免疫応答が誘起でき る生きている生物、例えば、哺乳動物を含むことを意図する。患者の例は、ヒト 、イヌ、ネコ、マウス、ラットおよびそれらのトランスジェニック種を含む。治 療効果を達成するために必要な少なくとも1種のDer IIIの活性をもつ ペプチドの一定量は、家庭のちりダニに対する患者の感受性の程度、年令、性別 および患者の体重、そして患者において抗原反応を引き出すDer IIIの 活性をもつペプチドの能力のよ うなファクターに応じて変化してもよい。投与方法は、最適な治療上の応答を提 供するように調節される。例えば、数回に分割された用量が、1日に投与されて もよく、またはその用量が、治療状況の危急性によって示されるように、比例し て減少されてもよい。 活性化合物(すなわち、少なくとも1種のDer IIIの活性をもつペプ チド)は、注射(皮下、静脈内など)、経口投与、吸入、経皮適用または肛門内 投与によるような慣用法で投与されてもよい。投与経路により、活性化合物は、 その化合物を不活化するかもしれない酵素、酸および他の自然条件の作用から化 合物を保護するために、材料中にコーティングされてもよい。 非経口投与以外によってDer IIIの活性をもつペプチドを投与するた めに、その不活化を防ぐ材料でペプチドをコーティングするか、その材料とペプ チドを同時に投与することが必要である。例えば、Der IIIの活性をも つペプチドは、好適なキャリヤー、希釈剤もしくはアジュバントとともに、酵素 阻害剤と同時投与で、またはリポソームのような好適なキャリヤーに入れて、患 者に投与されてもよい。薬物学的に許容できる希釈剤は、生理食塩水およびバッ ファー水溶液を含む。アジュバントは、もっとも広義に使用され、インターフェ ロンのようなすべての免疫刺激化合物を含む。ここで考えられるアジュバントは 、レゾルシノール、ポリオキシエチレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシ ルポリエチレンエーテルのような非イオン界面活性剤を含む。酵素阻害剤は、膵 臓トリプシン阻害剤、ジイソプロピルフルオロリン酸(DEP)およびトラシロ ールを含む。リポソームは。水中油中水のCGF乳液、ならびに慣用のリポソー ム(Strejan et al.,(1984)J.Neuroi mmunol.7 :27)を含む。T細胞非応答性を誘導するために、本組成物は、好まし くは、非免疫原性形、例えば、アジュバントを含まない形態で投与される。 また、活性化合物は、非経口的にも、腹腔内にも投与されてもよい。また、分 散液は、グリセロール、液体ポリエチレングリコールおよびそれらの混合液中、 およびオイル中で調製されてもよい。貯蔵および使用の普通条件下では、これら の調製物は、微生物の増殖を防ぐために保存剤を含有する。 注射使用に適切な医薬組成物は、無菌水溶液剤(水溶性の場合)または分散剤 、および無菌注射用液剤および分散剤の即席調合ための無菌散剤を含む。すべて の場合に、組成物は、滅菌されねばならず、容易に注射器で扱える程度に流動し なければならない。それは、製造および貯蔵条件下で安定であらねばならず、細 菌および真菌類のような微生物の汚染作用に対して防御されねばならない。キャ リヤーは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロ ピレングリコール、および液体ポリエチレングリコール等)、それらの適切な混 合液、および植物油を含む溶媒もしくは分散媒体である。適当な流動性は、例え ば、レシチンのようなコーティング剤の使用によって、分散剤の場合に要求され る粒子サイズの維持によって、そして界面活性剤の使用によって保つことができ る。微生物の働きを防御することは、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パ ラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサール等によ って達成される。多くの場合、組成物中に、等張化剤、例えば、糖類、塩化ナト リウム、またはマニトールおよびソルビトールのようなポリアルコールを含むこ とが好ましいであろう。 注射用組成物の吸収持続性は、吸収を長引かせる薬剤、例えば、モノステアリン 酸アルミニウムもしくはゼラチンを組成物中に含ませることによってもたらされ る。 無菌の注射液剤は、必要ならば先に列挙された成分の1種もしくは組み合わせ とともに、好適な溶媒中必要な量において活性化合物(すなわち、少なくとも1 種のDer IIIの活性をもつペプチド)を組み入れ、続いて、無菌濾過に よって調製されてもよい。一般に、分散剤は、基礎分散媒と、先に列挙した他の 必要な成分を含む無菌媒体中に活性化合物を組み入れることによって調製される 。無菌注射液剤の調製のための無菌散剤の場合には、好適な調製方法は、活性化 合物(すなわち、少なくとも1種のDer IIIの活性をもつペプチド)と 、添加が望まれるいずれかの成分との粉末を、それらの予め無菌濾過された溶液 から得るための真空乾燥および凍結乾燥である。 Der IIIの活性をもつペプチドが、上記のように適切に保護される場 合には、ペプチドは、例えば、不活性な希釈剤もしくは同化できる食用キャリヤ ーとともに、経口的に投与されてもよい。また、ペプチドおよび他の成分は、硬 質もしくは軟質ゼラチンカプセル殻中に封入しても、錠剤中に圧縮しても、また は患者の食物中に直接組み入れられてもよい。経口的治療用投与のためには、活 性化合物は、添加物とともに組み入れられ、摂取できる錠剤、バッカル錠剤、ト ローチ剤、カプセル剤、エリキシル剤、懸濁剤、シロップ剤、ウエファー剤等の 剤形で使用されてもよい。組成物および調製物中の活性成分のパーセンテージは 、勿論変えることができ、単位重量の約5〜約80%の間が好都合であろう。そ のような治療上有用な組成物中の活性化合物の量は、適切な用量 が得られるように決められる。 ここで使用されるように、「薬物学的に許容できるキャリヤー」は、どれか、 すべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、抗菌および抗真菌剤、等張剤および 吸収遅延剤等を含む。薬物学的に活性な物質のためのそのような媒体および薬剤 の使用は、技術的に既知である。慣用の媒体もしくは薬剤の内、活性化合物と不 適合であるすべてのものを除いては、薬物学的投与に適切な組成物におけるその 使用が考えられる。また、補充的な活性化合物が、組成物中に組み入れられても よい。 投与を容易にし用量を均一にするために、非経口組成物を、用量単位剤形に製 剤化することが、特に有利である。ここに使用されるような単位用量剤形は、治 療されるべき哺乳動物患者に対して、単位毎の用量に見合う物理的に区別された 単位剤形を指す;各単位は、必要な医薬キャリヤーと連携して目的の治療効果を 生むように、計算された予定量の活性化合物を含む。本発明の単位用量剤形の仕 様は、(a)活性化合物の独特の性質と、達成されるべき特定の治療効果、およ び(b)患者の感受性を治療するために、そのような活性化合物を調合する技術 に固有の制約、によって指定され、そして直接的にはそれに依存する。 また、本発明は、各々T細胞刺激活性をもつ、少なくとも2種のDer I IIの活性をもつペプチド(例えば、少なくとも2種のペプチドの物理的混合物 )を含む組成物を提供する。あるいは、各々T細胞刺激活性をもつ、少なくとも 2種の領域をもつペプチド(すなわち、各々の領域が、少なくとも1種のT細胞 抗原決定基を含む)が、アレルギー患者に投与できる。各々T細胞刺激活性をも つ、Der IIIの活性をもつ2種のペプチドの組成物、または少なくとも 2種の領域をもつ 2種のペプチドの組成物は、前記の薬物学的に許容できるキャリヤーとの組成物 の形で患者に投与できる。1種以上のそのような組成物の一定量が、家庭のちり ダニ・アレルゲンに感受性の患者に対して、そのような感受性を治療するために 、同時に、または連続して投与できる。 Der IIIの活性をもつペプチドをコードしているcDNA(または逆 転写の間、鋳型として役立つmRNA)は、すべての変種または型の動物におい て類似の核酸を同定するために使用でき、したがって、Der IIIの活性 をもつペプチドをコードしているcDNAにハイブリダイズするのに十分な配列 の相同性をもつ遺伝子を分子的にクローン化するために使用できる。かくして、 本発明は、Der IIIの活性をもつペプチドのみならず、また、本発明の DNAにハイブリダイズするDNAによってコードされるアレルゲンであっても よい他のタンパク質をも含む。 既に同定されたもの以外に、例えば、抗体交差反応性またはT細胞交差反応性 によって、免疫学的にDer IIIに関連する単離されたペプチドは、本発 明の範囲内である。そのようなペプチドは、本発明のタンパク質およびペプチド に特異的な抗体を結合するか、本発明のタンパク質およびペプチドに特異的なT 細胞を刺激する。 Der IIIの活性をもつペプチド(すなわち、組み換え的または化学合 成によって作製されたDer III)は、すべて他の家庭のちりダニタンパ ク質を含有せず、したがって、家庭のちりダニ過敏症の診断および治療のための キー試薬であるアレルゲン抽出物の標準化に有用である。その上、そのようなペ プチドは、治療目的(例えば、家庭のちりダニに感受性の患者のアレルギー反応 を改変するために)で投与 されるであろう調製物における使用のためには、一貫した十分確定された組成と 生物学的活性をもっている。また、そのようなペプチドは、D.プテロニッシナ ス・アレルギーの免疫治療のメカニズムを研究するため、そして免疫治療におい て有用な改変された誘導体もしくは同族体をデザインするためにも使用すること ができる。 他の研究者による仕事は、高用量のアレルゲン抽出物が、一般に、免疫治療の 間に最良の成績(すなわち、最良の症状軽減)を生むことを示した。しかしなが ら、多くの患者は、これらの調製物の中のアレルゲンおよび他の成分によって引 き出される全身反応によって、そのような大用量の抽出物を許容することができ ない。Der IIIの活性をもつペプチドは、すべての他のダニタンパク質 を含まないという利点をもつ。したがって、そのようなペプチドは、ほとんど心 配される副作用もなく治療目的に投与できる。 また、家庭のちりダニ・アレルゲンが、感受性患者におけるアレルギー反応を 誘起する能力を阻止または阻害できる因子もしくは薬物をデザインすることが、 ここに可能になる。そのような因子は、例えば、それらが、関連する抗Der III・IgE分子に結合し、それによりIgE−アレルゲン結合と、続いて の肥満細胞/好塩基球脱顆粒を防ぐような仕組みでデザインできる。あるいはま た、そのような因子は、免疫系の細胞成分に結合して、家庭のちりダニ・アレル ゲンに対するアレルギー応答の抑制または脱感作をもたらす。これの非限定の例 は、Der IIIのBもしくはT細胞エピトープを含むペプチド、または er IIIのcDNAタンパク質構造に基づくその改変体を使用して、家庭 のちりダニ・アレルゲンに対するアレルギー応答を抑えること である。これは、家庭のちりダニ・アレルゲンに対して感受性の患者からの血液 成分を用いるイン・ビトロの研究において、BおよびT細胞の機能に影響するB およびT細胞エピトープをコードしている断片の構造を明らかにすることによっ て実施できるであろう。 さらに、本発明は、次の実施例によって具体的に説明されるが、それは、本発 明をさらに限定するものとして解釈されるべきでない。本明細書を通して引用さ れるすべての参考文献および公開された特許明細書の内容は、引用によって本明 細書に組み入れられる。 次の方法論は、実施例を通して使用された。 実施例 材料および方法 D.プテロニッシナス培養株 すべてのダニは、Commonwealth Serum Laboratories,Parkville,Australia から購入され、スペント(spent)培地は、同所から贈られた。 Heymann ら(Heymann et al.,J Allergy Clin Immunol(1989)83:1055-1067) からの改良された方法を用いて、D.プテロニッシナスのスペント増殖培地の5 0〜80%飽和硫酸アンモニウム沈殿物15mlを、PBSで平衡化された上方 流動する2cmx90cmのポリアクリルアミドP−100カラム(Pharmacia ,LKB Biotechnology,Uppsala,Sweden)に適用した。流出された5mlの画分 のタンパク質含量を、光学濃度(A280nm)を測定することによって決定し 、そしてSDS−PAGEによって分析した。30kDa領域に顕著なバンドを 含むそれ らの画分をプールし、ポリエチレングリコール6000(BDH Chemicals,Aust .PTY.Ltd.Kilsyth,Vic.Aust)によって濃縮し、PBSに対して透析し、そ して再びカラムを通過させた。これを2回繰り返した結果、SDS−PAGEに よる分析で、検出される唯一のバンドがほぼ分子量30kDaのダブレットであ ると決定された。 タンパク質配列の分析 アフィニティー精製された生来のDer IIIおよびDer IIIタン パク質を、12%カラムシステムを用いるHPEC(Applied Biosystem,Foste r City,CA)にかけた。次に、アフィニティー精製されたタンパク質もしくは好 適な分子量のHPEC画分を、オン・ラインのフェニルチオヒダントイン誘導体 分析器(モデル120)を装着したApplied Biosystemモデル 477A気相配列決定装置を用いるタンパク質配列分析にかけた。あるいはまた 、アフィニティー精製されたタンパク質を、まず、SDS−PAGE(BioRad) によって分別し、Problot(Applied Biosystem)に移し、そしてBec kmanモデルLF3000を用いて配列決定した。タンパク質の初期配列分析 の後、o−フタルアルデヒドを、プロリン(Der IIIの位置13)をも つもの以外のN−末端をブロックするために適用して、混入しているペプチド配 列を除去し、そしてN−末端配列を明白に伸長した。アフィニティー精製された タンパク質を、70%(w/v)ギ酸中2%(w/v)CNBrで切断すること によって、CNBrペプチドを作製した。消化されたペプチドを、精製のために HPECにかけ、次いで、ペプチド断片を配列分析にかけた。 好適なコドン使用 成熟タンパク質Der I(Dilworth et alClin Exp Allergy(1991)21: 25-32)、Der II(Trudinger et alClin Exp Allergy(1991)21:33-3 7)、Der I(Chua et alJ Exp Med(1988)167:175-182)およびDer II(Chua et alInt Arch Allergy Appl Immunol(1990)91:118-123)の コドン使用の偏りを決定した。各アミノ酸についての各トリプレットコドンの平 均使用パーセントを、これらの4種のデルマトファゴイデスのタンパク質の各々 について決定し、結果を表1に記した。 D.プテロニッシナスλgt10cDNAライブラリーの構築 ポリアデニル化mRNA(10μg)を、キット(Amersham International, Aylesburg,U.K.)を使用するRNAseH法(Gubler et alGene(1983)25: 263-269)によってcDNAを合成するために使用した。EcoRI制限酵素リ ンカー(New England Biolabs,Beverly,U.S.A.)の付加の後、cDNAを、ア ルカリホスファターゼ処理されたλgt10アーム(Promega Biotec,Madison ,Wisc.)に連結した。組み換えファージDNAを、パッケージし、そしてE. コリJP777に広げて、5x105の組み換え体ライブラリーを作製した。 オリゴヌクレオチドのキナーゼ末端標識 オリゴヌクレオチドを、Applied Biosystem PCRメート (Applied Biosystem,Foster City,CA)を用いて合成した。オリゴヌクレオチ ドDNAの20ピコモルを、T4ポリヌクレオチドキナーゼ(Promega Corp.,M adison,Wisc.)を用いて(γ−32P)ATPにより末端標識した(Maniatis,T .,Fritsch,E.F.and Sambrook,J.Molecular Cloning: A Laboratory Manual ,2nd Ed.Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。標識されたオリゴ ヌクレオチドを、15%ポリアクリルアミドゲル電気泳動によって精製し、続い て、無菌蒸留水中に溶出した。 ライブラリーのスクリーニングを、グループIIIアレルゲンについて前記の ように得られたN−末端および中間部タンパク質配列データの両方を用いてデザ インされた2種のプローブによって実施した。第1の プローブ、P3フォワード3(P3F3)は、次のヌクレオチド配列5′TCAGAAA AAGCTTTGGCTGGTGAATCACCATATCAAAT3′(配列番号:8)をもつ長さ38量体(3 8mer)であった。第2のプローブ、P3リバース4(P3R4)は、次のヌ クレオチド配列5′GAATCAACACCACCATTAGCAACATCACCACCGCAAATCAT3′(配列番号 :9)をもつ長さ41量体であった。ライブラリーを、150mmペトリ皿当た り25,000pfuでプレーティングし、ファージを、ニトロセルロース(Sc hleider & Schnell,Dassel,Germany)上に釣取した。各プレートからの重複フ ィルターリフト(lift)を変性し、そして2種のプローブの異なる1種との ハイブリダイゼーションのためにベーク(bake)した(Maniatis,T.,Frit sch,E.F.and Sambrook,J.Molecular Cloning: A Laboratory Manual,2nd E d.Cold Spring Harbor Laboratory Press,1989)。ハイブリダイゼーションは 、ハイブリダイゼーション混合液(6x塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウムp H7.0(SSC)、0.1%デンハート液,変性ニシン精子DNA100μg /ml)中42℃で、106cpm/mlの標識プローブを用いて一夜行った。 フィルターを、42℃20分間3回、次いで、50℃10分間、6xSSC,0 .1%TritonX−100を含む洗浄液400ml中で洗浄した。 Der IIIクローンからのファージDNAを、ポリエチレングリコール 沈殿法(Chua et alJ Exp Med(1988)167:175-182)を用いて調製した。 サブクローニングおよび配列決定 精製Der IIIファージDNAを、EcoRI制限酵素(Toyob o)を用いて消化し、遊離した断片を、EcoRI制限酵素消化したM13mp 19配列決定ベクター(Messing,Meth.Enzymol.(1983)101:20-78)に連結 した。組み換えDNAを、E.コリTG−1を用いて形質転換し、そして配列決 定を、ジオキシヌクレオチド連鎖終結法およびシークェナーゼ(U.S.Biochemica ls)を用いて行う(Sanger et al.,Proc Natl Acad Sci USA(1977)74:5463-5 467)。配列決定に使用されたオリゴヌクレオチドプライマーは、ユニバーサル プライマー、17量体シークェンシングプライマー(-40)5′CAGCACTGACCCTTTTG3 ′(配列番号:4)および16量体リバースシークェンシングプライマー(-24)5 ′AACAGCTATGACCATG3′(配列番号:5)、ライブラリースクリーニングに使用 された2種のインターナルプライマー(配列番号:8および9)、そして2種の インターナルプライマーP3フォワード5(P3F5)5′AAAGCTGTTGGATTACCA3 ′(配列番号:6)およびP3リバース5(P3R5)5′TACATCCGATCCTTTTGC3 ′(配列番号:7)、そしてP3F45′GCGGATCCATTGTTGGTGGT3′(配列番号: 18)を含んだ。2種のインターナルプローブを、ヌクレオチド残基456〜4 73(P3F5)および491〜474(P3R5)(図1Aおよび1B)に対 応するためにデザインした。プライマーを、両方の向きに単離されたクローンを 配列決定するために使用した。 DNAおよびタンパク質配列解析 配列解析は、MAC VECTORソフトウエアー(IBI,New Haven,U.S.A. )を用いて行った。他のタンパク質との配列相同性の比較は、BLASTネット ワークサービスを用いてNCBIにおいて行った。使用されたBLASTのバー ジョンは、BLAST1.3.1OMP(7- Jul-93)であった。 実施例1:生来のグループIIIアレルゲンの配列 タンパク質単離法により、SDS−PAGE分析で分子量30と28kをもつ ダブレットとして泳動するDer IIIサンプルを作製した。両バンドは、 既報(Thomas et al.,Exp.Appl.Acadrol.(1992)16:153-164)の種間交差反 応性にしたがって、ポリクローナルマウス抗Der IIIと反応した。5A 12モノクローナル抗体(Heymann et al.,J Allergy Clin Immunol(1989)83 :1055-1067)カラムから単離されたDer IIIは、類似の特徴を示した。 混入しているタンパク質配列を除去するためにo−フタルアルデヒドを用いて、 生来のDer IIIおよびDer IIIの両方のN−末端配列を修正し、 既知Der III配列に伸長し、そしてDer III配列に伸長した。 er IIIN−末端配列を、IVGGEKALAGQSPYQISLQSSSHFSGGTIL(配列番号: 16)に伸長した。Der IIIN−末端配列を、IVGGVKAKAGDSPYQISLQSSSH FXGGSILD(配列番号:15)に伸長した。ここに示したデータとグループIII アレルゲンについてのStewartら(Immunology(1992)75:29-35)およびHeymann ら(J Allergy Clin Immunol(1989)83:1055-1067)により報告された配列デー タの比較では、公表された配列において若干の誤りを指摘した。特に、残基8に おける陽荷電のリジンから非極性疎水性ロイシンへの非同類変換が見られた( er III、Heymann et al.,J Allergy Clin Immunol(1989)83:1055-106 7)。Der IIIの2種の中間部ペプチドを、天然のタンパク質、MICGGDVA NGGVDSEQGD(配列番号:10)およびMTLDQTNAKPVPLPTS(配列番号:12)のC NBr消化の後に、HPECによって単離し た。 実施例1に記載のようにして得られたタンパク質配列情報を、好適なコドン使 用データ(表1)と一緒に使用して、2種のオリゴヌクレオチドプローブを構築 した。これらのオリゴヌクレオチドを、Der IIIクローンのヌクレオチ ド残基159−196および残基688−648(図2Aおよび2B)にハイブ リダイズするようにデザインした。両プローブと強くハイブリダイズする唯一の クローンは、λgt10cDNAライブラリーから単離した。P3WS1クロー ンについて得られるヌクレオチド配列およびその演繹されるアミノ酸配列を、図 1Aおよび1Bに示した。完全なヌクレオチド配列は、長さ1059bpであっ た。これは、62bpの5’非コーディング領域、211bpの3’非翻訳領域 およびヌクレオチド残基846−848において終止コドン(TGA)をもつ7 86bpのオープン読み枠を含む。ポリAテールを含まないが、ポリアデニル化 シグナル(AATAAA)であると考えられる。オープン読み枠は、アミノ酸2 9個のプレプロ領域を含むタンパク質、およびN−末端イソロイシンで始まり、 計算分子量24,985と8.5のpIをもつ232個のアミノ酸残基の成熟タ ンパク質をコードしている。アミノ酸位置−29のメチオニン残基(ATG)は 、もっとも可能性のある翻訳開始部位である。この開始部位の選択は、顕著に疎 水的な残基の存在をもつアミノ酸残基18個のクラシカルなシグナルペプチドを コードする、メチオニンに続く配列の存在に一部分基づいた。その上、このAT Gコドンの前の隣接配列、5’GAAAGATG3’は、位置−3における決定 的なプリン(ほとんどの場合A)をもつ真核生物 の翻訳開始部位のKozak共通配列(CCACCATG)に、弱く適合する( Kozak,Nucleic Acid Research(1984)12:857-872)。 実施例1記載のDer IIIのタンパク質配列決定データは、残基11に おけるGlu/Glnの置換および残基17における可能なCys/Ser置換 の結果として、P3WS1クローンのcDNAから演繹されるアミノ酸配列とは 異なる。これらの置換は、異なるイソ型におけるDer IIIの存在による かもしれない。Der IIIP3WS1について演繹されたタンパク質配列 の解析により、Der IIICNBrペプチド1(MI(C)GGDVANGGVDS(E)QGD) (配列番号:10)の位置が、アミノ酸残基177−183に由来し、そしてこ の領域における組み換え配列、MICGGDVANGGKDSCQD(配列番号:11)と88% の一致をもつと、正確に予測されたことを確認した。興味あることには、生来のDer IIIペプチド配列が、P3WS1クローン配列と一列に並べられる 場合存在する2つの同一な非同類変化がある。Der IIIにおける178 (図1Aおよび1Bの番号にしたがい)の非極性疎水性バリンから、P3WS1 クローン配列における陽荷電のリジン残基への変化がある。その他の変化は、P 3WS1クローン配列におけるシステイン残基について置換されたDer I II中の181におけるグルタミン酸残基である。システインは、これらと、ほ とんどの他のトリプシンタンパク質の両方においてジスルフィド架橋の1つを形 成する。CNBr消化により作製された第二のDer IIIペプチドの予測 される列、(M)TLDQTNA(K)PVPL(P)(T)(S)(配列番号:12)は、アミノ酸残基9 5−110(MKLNQKNAKAVGLPAK)(配列番号:13)から得られた。この領域で はP3WS1クローンと63%の相同性がある。Der IIIとDer IIIタンパク質配列の間のこれらの相違は、De IとDer I、およびDer IIとDer IIのようなこの種か らの他の同類のアレルゲン間に見られる20%の配列変異と一致する。 Der IIIP3WS1クローンの完全な配列は、アミノ酸319個のタ ンパク質をコードしている。Der IIIは、すべての既知トリプシンのよ うに、プレプロチモーゲンとして合成される。シグナルペプチドの切断部位は、 Von Heijine(Von Heijine,Eur J Biochem(1983)133:17-21)によって概説さ れるアミノ酸拘束に適合するこの部位周辺の残基として、アミノ酸残基−12と −11の間にあると主張される。Von Heijineは、少量の中性アミノ酸が、De III遺伝子に見られるアラニンおよびチロシンのような切断部位より位 置−1および−3において強く優先されることを提案した。プロリン残基は、位 置+1〜−3においては決して発見されず、したがってどんな他の部位も排除す る。ほとんどの哺乳動物トリプシンタンパク質は、15または16個のプレもし くはシグナルペプチドをもつと報告されている。Der IIIペプチドは、 長さアミノ酸18個である。長さの相違が比較的小さいにもかかわらず、シグナ ルペプチドの長さは、トリプシンが由来する種の系統的多様性に寄与できるであ ろうと思われる。これは、32個のアミノ酸のプレペプチドをもつストレプトミ セス・グリセウス(Streptomyces griseus)においてもっ とも明白である(Kim et al.,Biochem Biophys Res Commun(1991)181:707-71 3)。また、哺乳動物トリプシンに関して、シグナルペプチドが、2種の特定の クラスター2個、次いで疎水性残基4個を含むことが報告されている (Mac Donald et al.,J Biol Chem(1982)257:9724-9732; Le Huerou et al. ,Eur J Biochem(1990)193:767-73)。Der III遺伝子のこの領域内に は疎水性残基が豊富であるが、それらは、高度に保存されたクラスター中には配 置されない。同じことは、ドロソフィラ・メランガスター(Drosophil a Melangastor )(Davis et al.,Nucleic Acid Research(1988 )13:6605-6615)およびS.グリセウス(Kim et al.,Biochem Biophys Res Co mmun (1991)181:707-713)の両方のシグナルペプチドについても真実である。 それ故、疎水性残基の高度に保存されたクラスターは、すべてのトリプシンの特 徴ではなくて、むしろ哺乳動物のトリプシンの特徴である。 シグナルペプチドからの下流は、アミノ酸残基−11〜−1からの残基11個 のプレ活性化ペプチドである。このプロ領域と、種々の種のトリプシンからの他 のプロ領域との比較では、Der IIIプロペプチドが異常であることを示 す。脊椎動物および無脊椎動物トリプシンの両方とも、−1位置のリジン残基へ 続く4個の隣接するアスパルチル残基をもつオクタペプチドおよびまたはヘキサ ペプチドプロ領域をもつことが分かっている(Le Huerou et al.,Eur J Bioche m (1990)193:767-73)。それは、トリプシノーゲンのトリプシンへの活性化の 間に切断されるこのリジン残基のカルボキシル領域である。Der IIIは 、このポリアスパルチル−リジン配列を欠く。それ故、トリプシノーゲンは、通 常のメカニズムによっては活性化できない。これに関してDer IIIに類 似する若干の他のトリプシン、D.メランガスター(Davis et al.,Nucleic Ac id Research (1988)13:6605-6615)、S.グリセウス(Kim et al.,Biochem B iophys Res Commun (1991)181:707-71 3)、およびもっとも興味あることには、ラット膵臓からの32kDaの陰イオ ン性トリプシン(Gendry and Laenay,Biochemica et Biophysica Acta(1988)955 :243-249)がある。このグループは、エンテロキナーゼ、トリプシンタンパ ク質におけるポリアスパルチル−リジン残基への高い特異的親和力をもつ酵素が 、それらが単離したトリプシンには作用しないことを示した。それ故、彼らは、 異なるメカニズムが、活性化過程に使用されたことを示唆した。Der II Iプロ酵素領域と、すべての既知の配列とのいかなる相同性をも欠くことは、独 特の活性化メカニズムを暗示するであろう。 タンパク質データベースの検索は、Der IIIP3WS1が、脊椎動物 および無脊椎動物両方のトリプシンに相同であることを明確にした。Der IIIアレルゲンは、N−末端タンパク質配列の比較により、それらが、50% もの多さで異なることを示したので、ダニのキモトリプシン(Gendry and Laena y,Biochemica et Biophysica Acta(1988)955:243-249)ではない。図2Aお よび2Bは、Der IIIP3WS1とザリガニトリプシン(配列番号:2 および3)のアミノ酸配列の比較を示す。ザリガニは、Der IIIと44 %の相同性をもつ。7個のシステイン残基があり、これらの残基の6個が、ジス ルフィド架橋、54−70、181−198および210−236(図2Aおよ び2B)を形成することは、既知である(Hartley,Phil Trans Roy Soc Lond B (1970)257:77-87)。もっとも重要なことには、Der IIIタンパク質は 、トリプシンタンパク質の触媒活性と基質特異性に関与する高い保存性残基を含 む。保存されたHis40およびSer185(図1Aおよび1B)は、トリプ シン酵素の活性触媒部位を 含む電荷リレー系を表す。179における陽荷電のアスパラギン酸残基は、トリ プシン特異性部位を表す。ほとんどのセリンプロテーゼは、この部位に中性アミ ノ酸をもつ(Keil,The Enzymes.Academic Press,New York,1971,pages 249 -279)。179におけるアスパラギン酸との組み合わせにおける206および2 11のグリシン残基は、リジンとアルギニンの大きな陽荷電側鎖、トリプシンに よって切断される基質残基を調節することに関与している。アミノ酸残基179 −185および202−206(図1Aおよび1B)は、トリプシン分子への基 質の結合に必要なS1結合ポケットを形成する。これらの重要な残基のすべてを 隣接して取り囲む領域は、Der IIIタンパク質のもっとも保存性の高い 領域である。これら全結果は、異なる種からのトリプシンタンパク質の中で、構 造的変異が、触媒活性に重要ではない分子のそれらの領域に起きるという事実と 一致している(Vithayathil et al.,Arch Biochem Biophys(1961)92:532-540 )。 ほとんどのトリプシンタンパク質は、一般に、システイン残基の通常の対をな して、このグループのタンパク質に独特であるこれらの2種の架橋、Cys15 −145およびCys117−218を含む6個のジスルフィド架橋を形成する 。ザリガニ(Titani et al.,Biochemistry(1983)22:1459-1465)およびS. グリセウスの両方に似ているDer IIIは、これら2種の独特な結合を失 っているが、より重要なのは、Der IIIは、それが、対にならないシス テイン残基を外に含むので独特である。この残基は、Cys145、117およ び218と違って、ダニ・トリプシンの進化の分岐の間に除去されなかったウシ ・トリプシンにおけるCys15に相当するであろう。 グループIIIアレルゲン、Der IIIに関するヌクレオチド配列をコ ードしている遺伝子の単離は、デルマトファゴイデス・アレルゲンのこのグルー プについて最初の一次配列の決定である。基質結合実験を考慮して、他の脊椎動 物および無脊椎動物セリンプロテアーゼとの配列の比較(Stewart et al.,Immu nology (1992)75:29-35; Ando et al.,Arerugi(1992)41:704-707)は、グル ープIIIアレルゲンが、トリプシンタンパク質であることを示す。トリプシン タンパク質は、すべての脊椎動物および無脊椎動物種の膵臓小胞細胞によってプ レプロチモーゲンとして分泌される。無脊椎動物トリプシンは、分子量範囲20 〜30kDaをもつと報告された(Graf et al.,Insect Biochem(1985)15:61 1-618)。Der IIIP3WS1トリプシノーゲンは、計算された分子量2 8kDaをもち、そして対応する成熟タンパク質は、分子量24,985kDa であり、一方、生来の精製タンパク質は、SDS−PAGEによって評価される ように28と30kDaの二重体(duplicate)として存在した。Der III(Thomas et al.,Exp Appl Acarol(1992)16:153-164)およびDe III(Stewart et al.,Immunology(1992)75:29-35)両方については 、単離された多重タンパク質バンドという他の報告があった。トリプシンタンパ ク質が、数種のイソ型で存在することが知られているので、これらの結果は、異 常ではない。GendryとLaaunay(1988)は、ラット膵臓から陰イオン性トリプシ ン様タンパク質の二重タンパク質バンドを単離した。彼らは、より高い32kD aバンドが不活性のトリプシンを表し、そしてより低い30kDaが、32kD aバンドの切断を自己触媒できるトリプシンの活性形を表すことを示唆した。そ れ故、30kDaバンドが、 不活性なトリプシノーゲンを表し、そして28kDaバンドが活性トリプシンを 表す可能性もある。無脊椎動物トリプシンに関するイソ酵素の数は、1〜12の 範囲と報告されている(MacDonald et al.,J Biol Chem(1982)257:9724-9732 )。Stewartら(1992)は、pIの範囲4〜>8をもって存在するDer II Iの9個の主要なイソ型を示した。 Der IIIをコードしている相補的DNA挿入断片(図1Aおよび1B )を、EcoRIにより消化し、pU19中に挿入した。非翻訳5’配列ならび に推定の疎水性リーダーの1部分を除去するために、cDNAを、MscIで切 断し、EcoRIリンカーを付加した。続いて、端を切り取ったDer II I断片を、EcoRI消化し、発現ベクターpET11d(Studier et al.,Ge ne Expression Technology: Methods in Enzymology 185 ,Academic Press,San Diego,California(1990)60-89)中にサブクローン化した。配列と読み枠を 、DNA配列決定によって実証した。Der IIIをコードする配列は、終 止コドンに残基13を含んだ(図1Aおよび1B、参照)。発現ベクターpET 11dDer IIIを、E.コリ宿主株BL21(DE3)中に形質転換し 、アンピシリン150μg/mlを含むプレート上で選択した(Studier et al. ,Gene Expression Technology: Methods in Enzymology 185,Academic Press ,San Diego,California(1990)60-89)。単一の形質転換株コロニーを、アン ピシリン150μg/mlを含むBHIB培地2ml容中で、37℃で約6時間 増殖させた。この培養液10mlを、選択プレート上に塗布し、37℃で一夜増 殖させた。細菌叢を、培地2mlに採取し、BHIB培地(アンピシリン150 μ g/ml)500mlに添加し、37℃でA600=1.0まで増殖させた。組み 換え体発現を、IPTGを最終濃度1mMまで添加して誘導した。2時間増殖後 、細胞を回収し、溶菌し、そしてタンパク質を、ブタクサの組み換えアレルゲン 、AmbaI.1およびAmbaIIについて既に記載のように(Rogers,et a l .(1991)J.Immunol.147:2547-2552)、100mM2−MEを含む6Mグア ニジンHClバッファー中で可溶化した。 Der IIIを含むグアニジンHCl溶菌液を、8M尿素中の変性条件下 でNi2+金属イオン・アフィニティークロマトグラフィーにかけた(Hochuli,E .et al.,(1988)Bio/Technology 6:1321-1325)。Ni2+キレート支持体から の溶出後、組み換えDer IIIタンパク質調製物を、SDS−PAGE分 析にかけた(図3)。 組み換えDer IIIは、252個のアミノ酸に、精製tag(MGHH HHHHEF(配列番号:17))として使用されたアミノ酸を加えたものにつ いて予測されたように、期待される分子量約27kDaをもった。pET11d 発現系およびNi2+メチルイオン・アフィニティークロマトグラフィー法により 、増殖培地1リットル当たり約12mgの組み換えDer III(A280測定 で推定)を生産した。この発現および精製スキムにより、クーマシーブルー染色 によって可視化されたSDS−PAGE(図3)により評価されるように、90 %を超える純度をもつタンパク質調製物を得た。観察された見かけの分子量約3 2kDaは、一次構造(図1Aおよび1B、および上記)から予測されたものよ りやや高い。図3において、Der III調製物の濃度増加は、純度を実証 するために試験された(列1,4.3μg;列2, 8.7μg;列3,13.8μg;列4,17.4μg;マーカーをMで示した )。 等価物 当業者は、明細書とともに記載の特定の態様に対する種々の等価物を認識する であろうし、また日常の実験以外のものを用いて確認することもできるであろう 。そのような等価物は、本発明の範囲内にあると考えられ、そして次の請求の範 囲によって包含される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI C07H 21/04 9356−4H C07K 14/435 C07K 14/435 9356−4H 16/18 16/18 9637−4B C12P 21/02 C C12P 21/02 9637−4B 21/08 21/08 0276−2J G01N 33/53 Q G01N 33/53 9051−4C A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ),AM, AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,CH,C N,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE ,HU,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK, LR,LT,LU,LV,MD,MG,MN,MW,N L,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SD,SE ,SI,SK,TJ,TT,UA,UZ,VN (72)発明者 チユア, カウ−ヤン 台湾・タイペイ100・フアーストセクシヨ ン・ジエン−アイロード1・ナシヨナルタ イワンユニバーシテイ・カレツジオブメデ イシン・グラジユエイトインステイテユー トオブイミユノロジー (72)発明者 ロジヤース, ブルース・エル アメリカ合衆国マサチユセツツ州01890ベ ルモント・リチヤードソンロード54 (72)発明者 クオ, メイ−チヤング アメリカ合衆国マサチユセツツ州01890ウ インチエスター・コツクスロード5

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつペプチ ドをコードしているヌクレオチド配列を含む単離された核酸。 2. cDNA配列である、請求の範囲1の単離された核酸。 3. cDNAが、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたヌクレオチ ド配列を含む、請求の範囲2の単離された核酸。 4. cDNAが、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたヌクレオチ ド配列のコーディング領域を含む、請求の範囲2の単離された核酸。 5. ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配 列を含む、請求の範囲1の単離された核酸。 6. ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示された配列のアミ ノ酸残基1−232を含む、請求の範囲5の単離された核酸。 7. ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配 列を含む配列と少なくとも50%相同である、請求の範囲1の単離された核酸。 8. ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配 列を含むペプチドをコードしている核酸に、高くも低くも緊縮条件下でハイブリ ダイズする核酸によってコードされる、請求の範囲1の単離された核酸。 9. ペプチドが、長さ、アミノ酸残基少なくとも約10−20個である、請 求の範囲1の単離された核酸。 10.ペプチドが、長さ、アミノ酸残基少なくとも約10−16個である、請 求の範囲1の単離された核酸。 11.長さ、アミノ酸残基少なくとも約10−16個またはそれ以上のペプチ ドをコードし、そして図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配 列と少なくとも約50%の相同性をもつヌクレオチド配列を含む単離されたDN A。 12.請求の範囲1の核酸を含む組み換え発現ベクター。 13.核酸がcDNAである、請求の範囲12の組み換え発現ベクター。 14.cDNAが、図1Aおよび1B(配列番号:1)に示されたヌクレオチ ド配列を含む、請求の範囲13の組み換え発現ベクター。 15.Der IIIの活性をもつペプチドの発現を指令することができる 請求の範囲12の組み換え発現ベクターを用いて、トランスフェクションされた 宿主細胞。 16.真核生物細胞である、請求の範囲15の宿主細胞。 17.Der IIIの活性をもつペプチドの発現を指令することができる 請求の範囲13の組み換え発現ベクターを用いて、トランスフェクションされた 宿主細胞。 18.真核生物細胞である、請求の範囲17の宿主細胞。 19.Der IIIの活性をもつペプチドの発現を指令することができる 請求の範囲14の組み換え発現ベクターを用いて、トランスフェクションされた 宿主細胞。 20.真核生物細胞である、請求の範囲19の宿主細胞。 21.培地中で請求の範囲15の宿主細胞を培養してペプチドを発現させ、そ して培養物からペプチドを単離することを含むDer IIIの活性をもつペ プチドを生産する方法。 22.請求の範囲1の核酸の組み換え発現によって生産される、家庭のちりの ダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ単離されたペプチド。 23.請求の範囲3の核酸の組み換え発現によって生産される、家庭のちりの ダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ単離されたペプチド。 24.請求の範囲4の核酸の組み換え発現によって生産される、家庭のちりの ダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ単離されたペプチド。 25.請求の範囲11のDNAの組み換え発現によって生産される、家庭のち りのダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ単離されたペプチド。 26.化学合成によって生産される、家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ単離されたペプチド。 27.長さ、アミノ酸残基少なくとも約10−20個である、請求の範囲26 の単離されたペプチド。 28.長さ、アミノ酸残基少なくとも約10−16個である、請求の範囲26 の単離されたペプチド。 29.Der IIIの活性をもつ改変されたペプチド。 30.図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたDer IIIアミノ 酸配列に存在する少なくとも1個のシステイン残基が、その他のアミノ酸によっ て置換されている、請求の範囲29の改変されたペプチド。 31.図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたDer II Iアミノ酸配列に存在する少なくとも1個のシステイン残基が、セリン残基によ って置換されている、請求の範囲30の改変されたペプチド。 32.少なくとも1個のリジン残基が、ペプチドのアミノもしくはカルボキシ 末端か、またはアミノおよびカルボキシ両末端かのいずれかに付加されている、 請求の範囲29の改変されたペプチド。 33.家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつペプチ ドの実質的に純粋な調製物。 34.家庭のちりのダニ・アレルゲン、Der IIIの活性をもつ少なく とも1種のペプチドおよび薬物学的に許容できるキャリアーを含む、薬物学的投 与に適切な組成物。 35.ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)のアミノ酸配列を含む 、請求の範囲34の組成物。 36.ペプチドが、図1Aおよび1B(配列番号:2)に示されたアミノ酸配 列のアミノ酸残基1−232を含む、請求の範囲35の組成物。 37.請求の範囲34の組成物を患者に投与することを含む、家庭のちりのダ ニ・アレルゲンに感受性の患者におけるそのアレルゲンに対する感受性を治療す る方法。 38.ペプチドと血液成分との結合に適する条件下で、請求の範囲22のペプ チドと患者から得られた血液サンプルを合わせ、そしてそのような結合が生じる 程度を測定することを含む、患者における家庭のちりのダニ・アレルゲンに対す る感受性を検出する方法。 39.結合が生じる程度が、T細胞機能、T細胞増殖、B細胞機能、血液中に 存在する抗体へのタンパク質の結合、またはそれらの組み合わせ現象を評価する ことによって測定される、請求の範囲38の方法。 40.請求の範囲22のペプチドと特異的に反応する抗体。 41.モノクローナル抗体である請求の範囲40の抗体。 42.請求の範囲25のペプチドと特異的に反応する抗体。 43.モノクローナル抗体である請求の範囲42の抗体。 44.請求の範囲22のペプチドと特異的に反応するT細胞クローン。 45.請求の範囲22のペプチドと特異的に反応する可溶性T細胞レセプター 。 46.請求の範囲45のT細胞レセプターと特異的に反応する抗体。 47.抗体がモノクローナル抗体である、請求の範囲46の抗体。
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