JP2001231176A - 燃料電池電源装置 - Google Patents

燃料電池電源装置

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JP2001231176A
JP2001231176A JP2000041657A JP2000041657A JP2001231176A JP 2001231176 A JP2001231176 A JP 2001231176A JP 2000041657 A JP2000041657 A JP 2000041657A JP 2000041657 A JP2000041657 A JP 2000041657A JP 2001231176 A JP2001231176 A JP 2001231176A
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Masanori Yabuki
正徳 矢吹
Masato Watanabe
政人 渡邉
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Toshiba Corp
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
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    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/50Fuel cells

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 負荷へ供給する電力の品質低下および燃料電
池の特性低下を防ぐと共に、安定した電力供給が可能な
燃料電池電源装置を提供する。 【解決手段】 燃料電池1には直流−直流変換器6が接
続されている。この直流−直流変換器6は、通常の運転
状態で負荷が必要とする通常必要電力よりも大きな一定
値を出力するように構成されている。また、直流−直流
変換器6の出力側には直流−直流変換器6の出力電流を
計測する電流計測器9および出力電力を計測する電力計
測器11が接続されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、燃料電池および直
流蓄電装置を備えた燃料電池電源装置に係り、特に、燃
料電池からの直流電力の電圧を調節する直流−直流変換
器を有する燃料電池電源装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、燃料電池と直流蓄電装置とを
直流電源として備え、両者を併用して負荷に電力を供給
する燃料電池電源装置が提案されている。図5は例えば
特開平1−234024号公報に示された従来の燃料電
池電源装置の構成図である。1は燃料ガスと酸化剤ガス
の電気化学反応により直流電力を発生させる燃料電池、
2はバッテリーまたはコンデンサーから成り直流電力を
蓄える直流蓄電装置、3は直流電力を交流電力に変換し
負荷4へ電力を供給する電力供給装置である。これらの
部材1、2、3は全て直流母線5により接続されてい
る。
【0003】このような燃料電池電源装置によれば、負
荷4が小さいときには、燃料電池1が負荷4に対して電
力を供給すると同時に余剰分を直流蓄電装置2に蓄電す
る。一方、負荷4が大きくなった場合には、直流蓄電装
置2からも負荷4へ電力を供給し、負荷4への電力供給
を補償することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
燃料電池電源装置においては、負荷4が燃料電池1の出
力よりも大きければ直流蓄電装置2が負荷4に電力を供
給するため、直流蓄電装置2の残存容量が徐々に低下す
る。そして、負荷4の大きい状態が長時間継続すると、
燃料電池1から直流蓄電装置2への充電が行われないの
で、直流蓄電装置2の残存容量を回復することができ
ず、負荷4への電力供給が不足することとなる。このよ
うな状態では、負荷4へ供給する電力の電圧低下などの
電力品質の低下が生じた。また、接続されている負荷4
に悪い影響を及ぼしかねない。さらに、燃料電池1は過
負荷状態となり、燃料電池1が発生される直流電力の電
圧が低くなるといった燃料電池の特性低下を招いてい
た。
【0005】一方、負荷4が燃料電池1の出力よりも小
さいと、余剰分を直流蓄電装置2に蓄電するが、この状
態が長く続くと、直流蓄電装置2が飽和状態となり、蓄
電特性が低下するおそれがあった。また、負荷4が燃料
電池1の出力よりも小さい状態が長く続く場合、直流母
線5の電圧が過度に上昇して直流母線5に接続される機
器の性能劣化を引き起こす要因となっていた。
【0006】本発明は、以上の問題点を解決するために
提案されたものであり、その主たる目的は、負荷へ供給
する電力の品質低下および燃料電池の特性低下を防ぐと
共に、安定した電力供給が可能な燃料電池電源装置を提
供することにある。本発明の他の目的は、直流母線に接
続される機器の性能劣化および直流蓄電装置の蓄電特性
低下を防止する優れた燃料電池電源装置を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応により直流電
力を発生させる燃料電池と、前記直流電力の電圧を調節
する直流−直流変換器と、前記直流電力を蓄える直流蓄
電装置と、前記直流電力を交流電力に変換して負荷に供
給する電力供給装置と、それらを全て接続する直流母線
とが設けられた燃料電池電源装置において、次のような
技術的な特徴を有している。
【0008】請求項1の発明は、前記直流−直流変換器
は、通常の運転状態で負荷が必要とする通常必要電力よ
りも大きな一定値を出力するように構成されたことを特
徴とするものである。
【0009】以上の請求項1の発明によれば、直流−直
流変換器の出力設定値を、負荷の通常必要電力よりも大
きな値としたので、負荷が通常の場合には直流母線の電
圧が上昇して電力余剰状態となる。そのため、直流蓄電
装置は蓄電状態となり、直流蓄電装置の残存容量が不足
することがない。一方、負荷の変動により負荷が燃料電
池の出力を上回った場合には、直流母線の電圧が低下
し、残存容量が十分な直流蓄電装置から不足電力分を確
実に負荷に供給する。その結果、負荷の大小に関係な
く、安定した電力を負荷に供給することができる。ま
た、直流−直流変換器の出力値が一定であるため、燃料
電池の出力を一定とすることが可能となり、過負荷によ
る燃料電池の電圧低下などの特性低下を防ぐことができ
る。
【0010】請求項2の発明は、請求項1記載の燃料電
池電源装置において、前記直流蓄電装置には該直流蓄電
装置の充電電力を計測する充電電力計測器が接続され、
前記直流−直流変換器は、負荷の増加状態が所定の時間
以上継続した場合に、前記負荷の通常必要電力に前記充
電電力を加えた値を出力するように構成されたことを特
徴としている。
【0011】以上の請求項2の発明では、充電電力計測
器が直流蓄電装置の充電電力を計測し、負荷の増加状態
が所定の時間以上継続した場合に、直流−直流変換器の
出力設定値として負荷の通常必要電力に直流蓄電装置へ
の充電電力を加えた値を用いている。そのため、負荷の
増加が続いても直流蓄電装置は充電状態を維持すること
ができ、残存容量の不足を解消することができる。
【0012】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の燃料電池電源装置において、前記直流母線には該直流
母線の電圧を計測する電圧計測器が接続され、前記直流
−直流変換器は、前記直流母線の電圧が前記直流母線に
接続される機器の上限値を逸脱する場合に、前記負荷の
通常必要電力よりも小さい値を出力するように構成され
たことを特徴とする。
【0013】以上の請求項3の発明では、負荷の変動に
より負荷が燃料電池の出力を下回った場合に、直流母線
の電圧が上昇するが、このとき、電圧計測器が直流母線
の電圧を計測しており、直流母線の電圧が直流母線に接
続される機器の上限値を逸脱すると、直流−直流変換器
は負荷の通常必要電力よりも小さい値を出力する。この
ため、直流蓄電装置は放電状態となり、直流母線の電圧
が下がって直流母線に接続される機器の性能劣化を防ぐ
ことができる。
【0014】請求項4の発明は、請求項1、2または3
記載の燃料電池電源装置において、前記直流蓄電装置に
は該直流蓄電装置の充電電流を計測する充電電流計測器
が接続され、前記直流−直流変換器は、前記充電電流が
前記直流蓄電装置の充電電流の上限値を逸脱する場合
に、前記負荷の通常必要電力よりも小さい値を出力する
ように構成されたことを特徴とする。
【0015】以上の請求項4の発明では、負荷の変動に
より負荷が燃料電池の出力を下回ると、直流母線の電圧
が上昇して直流蓄電装置の充電電流が増加する。このと
き、充電電流計測器が直流蓄電装置の充電電流を計測し
ており、充電電流が直流蓄電装置の充電電流の上限値を
逸脱する場合には、直流−直流変換器は負荷の通常必要
電力よりも小さい値を出力する。したがって、直流蓄電
装置への充電電流を減少させることができ、直流蓄電装
置の特性低下を防止することができる。
【0016】請求項5の発明は、請求項1、2、3また
は4記載の燃料電池電源装置において、前記直流−直流
変換器の出力を変化させる場合、その出力変化率を制限
させる変化率制限手段が設けられたことを特徴とする。
【0017】以上の請求項5の発明では、変化率制限手
段により直流−直流変換器の出力値を緩やかに変化させ
ることができる。そのため、直流−直流変換器の出力を
変化させる場合でも燃料電池の出力変化は緩やかとな
り、燃料電池の電圧低下など特性低下を防ぐことができ
る。また、燃料電池の運転が安定したものとなり、安定
した電力供給が可能となる。
【0018】請求項6の発明は、前記直流−直流変換器
は、前記燃料電池の発電出力の最大値を出力するように
構成され、前記直流母線には交流系統と電力の授受する
直流−交流双方向変換器が接続され、この直流−交流双
方向変換器は、前記直流母線の電圧を一定とするように
構成されたことを特徴とする。
【0019】以上の請求項6の発明では、直流−交流双
方向変換器が直流母線の電圧を一定とするように交流系
統との電力授受を調節するため、負荷が燃料電池の出力
より小さい場合には余剰電力分を直流−交流双方向変換
器から交流系統へ送出する。逆に、負荷が燃料電池の出
力より大きい場合には不足電力分を直流−交流双方向変
換器により交流系統から受電する。したがって、燃料電
池は最も効率のよい最大出力運転を維持したまま、負荷
への電力供給を継続することができる。
【0020】請求項7の発明は、請求項6記載の燃料電
池電源装置において、前記交流系統には交流系統への送
電電力を計測する送電電力計測器が接続され、前記負荷
には負荷への供給電力を計測する供給電力計測器が接続
され、前記2つの電力計測器の計測値と買電価格とから
前記燃料電池の発電コストを導き、この発電コストが前
記買電価格よりも上回る場合に、前記交流系統への電力
の送出を停止するように構成されたことを特徴とする。
【0021】以上の請求項7の発明では、燃料電池の発
電コストが買電価格を下回る場合には燃料電池は最も効
率の良い発電状態を継続し、前述したように負荷が燃料
電池の出力より小さいときには余剰電力分を直流−交流
双方向変換器から交流系統へ送出する。しかし、燃料電
池の発電コストの方が買電価格を上回る場合には直流−
交流双方向変換器から交流系統への電力の送出を停止す
る。これにより、常に発電コストの最も低い状態で電力
の供給を行うことができる。
【0022】請求項8の発明は、請求項6記載の燃料電
池電源装置において、前記交流系統には交流系統への送
電電力を計測する送電電力計測器が接続され、前記負荷
には負荷への供給電力を計測する供給電力計測器が接続
され、前記2つの電力計測器の計測値と買電価格とから
前記燃料電池の発電コストを導き、この発電コストが前
記買電価格を上回る場合に、前記燃料電池および直流−
直流変換器を停止し前記交流系統から電力の供給を受け
て前記負荷に電力を供給するように構成されたことを特
徴とする。
【0023】以上の請求項8の発明では、燃料電池の発
電コストが買電価格を下回る場合には燃料電池は最も効
率の良い発電状態を継続する。しかし、燃料電池の発電
コストが買電価格を上回る場合、つまり燃料電池を運転
して発電するよりも交流系統から電力を得た方が安い場
合には、燃料電池および直流−直流変換器を停止し、交
流系統から電力の供給を受けて負荷に電力を供給する。
このような請求項8の発明によれば、常に最も経済的な
運転状態で負荷への電力供給を行うことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】(1)第1の実施の形態 以下、請求項1、2、3、4記載の発明に対応する第1
の実施の形態について、図1を参照して具体的に説明す
る。図1は第1の実施の形態を示す構成図であり、図5
に示した従来技術と同様の部分は同一の符号を付して説
明は省略する。
【0025】[構成]燃料電池1には燃料電池1の直流
電力の電圧を調節する直流−直流変換器6が接続されて
いる。直流−直流変換器6の出力側には直流−直流変換
器6の出力電流および出力電力を計測する電流計測器9
および電力計測器11が接続されると共に、直流母線5
の電圧を計測する電圧計測器10が接続されている。ま
た、直流蓄電装置2の入出力部分には直流蓄電装置2の
充電電流および充電電力を計測する充電電流計測器7お
よび充電電力計測器8が接続されている。
【0026】直流−直流変換器6は、次のような出力制
御がなされている。通常状態では負荷4が通常の運転状
態で必要とする負荷4の通常必要電力よりも大きな一定
値を出力する。また、負荷4の増加状態が所定の時間以
上継続した場合には、負荷4の通常必要電力に充電電力
計測器8が計測した充電電力を加えた値を出力する。さ
らに、電圧計測器10が計測した電圧が直流母線5に接
続される機器の上限値を逸脱する場合、ならびに、充電
電流計測器7が計測した充電電流が直流蓄電装置2の充
電電流の上限値を逸脱する場合には、負荷4の通常必要
電力よりも小さい値を出力する。
【0027】[作用]以上の構成を有する第1の実施の
形態では、燃料電池1は直流−直流変換器6の出力設定
に応じて直流電力を出力する。直流−直流変換器6はそ
の直流電力の電圧を調節して直流母線5へ出力する。こ
の出力値は、上記の計測器7、8、9、10および11
の計測値に基づいて設定される。負荷4が変動し、直流
−直流変換器6の出力電力を上回った場合には、直流蓄
電装置2は放電して電力供給装置3に不足電力分を供給
する。反対に、負荷4が直流−直流変換器6の出力電力
を下回った場合には直流蓄電装置2に余剰電力が蓄えら
れることになる。
【0028】負荷4の増加状態が長時間継続した場合に
は直流蓄電装置2の残存容量が少なくなることがある
が、第1の実施の形態では、電力計測器8により直流蓄
電装置2の充電電力を計測しており、負荷4の増加状態
が所定の時間以上継続すると、直流−直流変換器6は出
力値を負荷4の通常必要電力に充電電力を加えた値に変
更する。
【0029】反対に、負荷4の減少状態が長時間継続し
た場合、直流蓄電装置2が飽和状態になって上昇した
り、直流母線5の電圧が過度に上昇したりすることがあ
るが、第1の実施の形態では、電圧計測器10により直
流母線5の電圧を計測し、充電電流計測器7により直流
蓄電装置2の充電電流を計測しており、これらの計測値
が所定の上限値を逸脱すると直流−直流変換器6の出力
値を減少させている。
【0030】[効果]以上のような第1の実施の形態の
効果は次の通りである。すなわち、直流−直流変換器6
の出力設定値を負荷4が通常必要とする電力よりも大き
な一定の値に設定することにより、燃料電池1の出力を
一定値とすることが可能になり、負荷4の変動によらず
燃料電池1は常に一定出力の安定した運転を行うことが
できる。また、負荷4が増加した場合には負荷4への供
給電力が不足し、直流母線5の電圧が低下するため、直
流蓄電装置2は不足電力分を自動的に負荷4に供給す
る。したがって、電力の供給不足とはならず電力の安定
供給が可能である。反対に、負荷4が減少した場合には
余剰電力により、直流母線5の電圧が上昇するため、直
流蓄電装置2は余剰電力を自動的に貯える。この結果、
直流蓄電装置2の残存容量が減少することなく、信頼性
の高い燃料電池電源装置を実現することができる。
【0031】また、第1の実施の形態においては、負荷
4の増加状態が所定の時間以上継続すると直流−直流変
換器6の出力値が負荷4の通常必要電力に充電電力を加
えた値に変わるので、直流蓄電装置2の残存容量が少な
くなることがない。このように直流−直流変換器6の出
力値を変更した場合、燃料電池1の出力変動の大きさは
直流蓄電装置2の充電電流分だけに抑えられ、大きな出
力変動を防ぐことができる。その結果、燃料電池1の電
圧低下などの特性低下を防ぐと同時に、直流蓄電装置2
の蓄電特性低下も防止することができ、常に安定した電
力を負荷4に供給することが可能となる。
【0032】さらに、第1の実施の形態では、負荷4の
減少状態が続いて直流母線5の電圧が上昇し、直流母線
5の電圧が直流母線5に接続される機器の上限値を逸脱
する場合、ならびに充電電流計測器7の充電電流が直流
蓄電装置2の充電電流の上限値を逸脱する場合には、直
流−直流変換器6の出力値を、通常の運転状態で負荷4
が必要とする電力よりも小さい値に変化させている。こ
のため、燃料電池1の出力の余剰分をなくして直流蓄電
装置2を放電状態とすることができ、直流母線5の電圧
低減が可能となる。これにより、直流母線5に接続され
た機器の性能劣化および直流蓄電装置2の蓄電特性の低
下を防止することができる。
【0033】(2)第2の実施の形態 続いて、請求項5記載の発明に対応する第2の実施の形
態を、図2および図3に従って説明する。図2は第2の
実施の形態の制御設定値変化特性図、図3は第2の実施
の形態の制御ブロック図である。
【0034】[構成]第2の実施の形態の構成上の特徴
は、図3に示すように直流−直流変換器6のの出力変化
率を制限させる変化率制限手段16が設けられた点にあ
る。この変化率制限手段16は、直流−直流変換器6の
出力電流および出力電力を取り入れて制御設定値の演算
を行い、新しい制御設定値を導くようになっている。図
2では、前記第1の実施の形態で説明した直流−直流変
換器6の制御設定値の変化を点線Aで示し、第2の実施
の形態による制御設定値の変化を実線Bおよび破線Cで
示している。
【0035】[作用]前述した第1の実施の形態では、
直流−直流変換器6の制御設定値は図2のA(点線)の
ようにステップ状に変化することがある。このとき、設
定値の変化が急であったり、大きかったり、頻度が高い
場合には、その変化に応じて燃料電池1の出力が変化
し、長期的には燃料電池1の電圧低下など、燃料電池1
の特性低下を引き起こす可能性がある。これに対して第
2の実施の形態では、変化率制限手段16の働きにより
B(実線)のような一定レート変化や、C(破線)のよ
うな一次遅れ関数のように設定値を緩やかに変化させる
ことができる。
【0036】[効果]このような第2実施の形態によれ
ば、変化率制限手段16を設けるという簡単な構成によ
り直流−直流変換器6の制御設定値を緩やかに変化させ
ることができ、燃料電池1の出力に急激な変化や頻繁な
変化が回避できる。したがって、燃料電池1の特性低下
を防止し、安定した電力供給を実現することができる。
【0037】(3)第3の実施の形態 次に請求項6、7、8記載の発明に対応する第3の実施
の形態について、図4に用いて説明する。なお、図4は
第3の実施の形態の構成図であり、図5に示した従来技
術および図1に示した第1の実施の形態と同様の部分は
同一の符号を付して説明は省略する。
【0038】[構成]第3の実施の形態では、直流−直
流変換器6は、燃料電池1の発電出力の最大値を出力す
るように構成されている。また、直流母線5には直流−
交流双方向変換器12が接続されている。さらに、直流
−交流双方向変換器12の出力側には商用の交流系統1
3および交流系統13への送電電力を計測する送電電力
計測器14が接続されている。直流−交流双方向変換器
12は交流系統13との電力授受を調節するもので直流
母線5の電圧を一定とするように構成されている。な
お、負荷4には負荷4への供給電力を計測する供給電力
計測器15が接続されている。
【0039】また、第3の実施の形態は、2つの電力計
測器14、15の計測値と買電価格とから燃料電池1の
発電コストを導き、この発電コストが買電価格を上回る
場合に、交流系統13への電力の送出を停止する、ある
いは燃料電池1および直流−直流変換器6を停止し交流
系統13から電力の供給を受けて負荷4に電力を供給す
るようになっている。
【0040】[作用]以上の構成を有する第3の実施の
形態において、負荷4が変動し負荷4が直流−直流変換
器6の出力を上回った場合には、直流母線5の電圧は低
下する。このとき、直流−交流双方向変換器12は直流
母線5の電圧を上げるように動作する。すなわち、直流
−交流双方向変換器12は正変換動作をして交流系統1
3の交流電力を直流電力に変換し、不足電力分を直流母
線5を介して負荷4に供給する。なお、負荷4が直流−
直流変換器6の出力を上回った状態で直流−交流双方向
変換器12が停止している場合には、直流蓄電装置2が
負荷4に不足電力分を供給する。
【0041】反対に、負荷4が直流−直流変換器6の出
力を下回った場合には、直流母線5の電圧は上昇する。
このとき、直流−交流双方向変換器12は直流母線5の
電圧を下げるように動作する。すなわち、直流−交流双
方向変換器12が逆変換動作をして直流母線5の余剰電
力を交流電力に変換し、余剰電力を交流系統13へ送出
する。なお、負荷4が直流−直流変換器6の出力を下回
った状態で直流−交流双方向変換器12が停止した場合
には、直流−直流変換器6の制御設定値を負荷4の消費
電力に合わせている。
【0042】また、第3の実施の形態では2つの電力計
測器14、15の計測値と買電価格とから燃料電池1の
発電コストを導いている。そして、この発電コストが買
電価格を上回ると、交流系統13への電力の送出を停止
するか、燃料電池1および直流−直流変換器6を停止し
ている。前者の場合には燃料電池1の発電電力を電力供
給装置3を用いて負荷4へだけ供給する。一方の後者の
場合には直流−交流双方向変換器12により交流系統1
3の交流電力を直流電力へ変換し、その直流電力を直流
母線5および電力供給装置3を通して負荷4へ供給す
る。
【0043】[効果]以上のような第3の実施の形態の
効果は次の通りである。すなわち、直流−直流変換器6
が燃料電池1の出力を常に最大となるように制御するた
め、常に効率の良い状態で燃料電池1の運転を継続する
ことができる。このとき、燃料電池1の出力が一定なの
で、負荷4が変動して直流−直流変換器6の出力を上回
ることがあるが、その場合には直流−交流双方向変換器
12により交流系統13からか、あるいは直流蓄電装置
2から不足電力分を得ることができる。したがって、負
荷4への給電が常に不足することなく安定した電力供給
が可能である。
【0044】一方、負荷4が変動して直流−直流変換器
6の出力電力を下回った場合には、直流−交流双方向変
換器12が直流母線5の余剰電力を交流系統13へ送出
するため、直流母線5の電圧が上昇することなく、負荷
4への給電が安定する。また、負荷4が直流−直流変換
器6の出力電力を下回った状態で直流−交流双方向変換
器12が停止したときには、直流−直流変換器6の制御
設定値を負荷4の消費電力に合わせることにより、余剰
電力をなくして安定した電力供給が可能である。さら
に、燃料電池1が停止した場合には、直流蓄電装置2か
ら不足電力分を供給することができる。このように負荷
4に対しては常に安定した電力を供給することが可能で
あり、高い信頼性を獲得することができる。
【0045】また、第3の実施の形態によれば、発電コ
ストが買電価格を上回るとき、交流系統13への電力の
送出を停止して最も経済的な運転状態で負荷4へ電力を
供給することができる。さらに、発電コストが買電価格
を上回り、燃料電池1を運転して発電するよりも交流系
統13から電力を得た方が安く済む場合には、燃料電池
1および直流−直流変換器6の停止して、交流系統13
からのみ負荷4に電力を供給して優れた経済性を確保す
ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
燃料電池の出力を一定とし、負荷が大きい場合には直流
蓄電装置または商用系統から不足分の電力を供給し、負
荷が小さい場合には余剰分の電力を直流蓄電装置へ貯蔵
するか商用系統へ送出することができるので、燃料電池
の特性を低下させることなく、安定した電力を負荷に供
給することが可能な燃料電池電源装置を得ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の構成図。
【図2】本発明の第2の実施の形態の制御設定値変化特
性図。
【図3】本発明の第2の実施の形態の制御ブロック図。
【図4】本発明の第3の実施の形態の構成図。
【図5】従来の技術の構成図。
【符号の説明】
1…燃料電池 2…直流蓄電装置 3…電力供給装置 4…負荷 5…直流母線 6…直流−直流変換器 7…充電電流計測器 8…充電電力計測器 9…電流計測器 10…電圧計測器 11…電力計測器 12…直流−交流双方向変換器 13…交流系統 14…送電電力計測器 15…供給電力計測器 16…変化率制限手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 3/32 H02J 3/32 7/34 7/34 D Fターム(参考) 5G003 AA01 AA05 BA01 CA01 CA11 DA06 DA16 GB03 GB06 5G066 BA03 CA09 DA08 HB07 HB09 JA07 JA13 JB03 5H027 AA02 DD03 KK51 MM26 MM27

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応に
    より直流電力を発生させる燃料電池と、前記直流電力の
    電圧を調節する直流−直流変換器と、前記直流電力を蓄
    える直流蓄電装置と、前記直流電力を交流電力に変換し
    て負荷に供給する電力供給装置と、それらを全て接続す
    る直流母線とが設けられた燃料電池電源装置において、 前記直流−直流変換器は、通常の運転状態で負荷が必要
    とする負荷の通常必要電力よりも大きな一定値を出力す
    るように構成されたことを特徴とする燃料電池電源装
    置。
  2. 【請求項2】 前記直流蓄電装置には該直流蓄電装置の
    充電電力を計測する充電電力計測器が接続され、 前記直流−直流変換器は、負荷の増加状態が所定の時間
    以上継続した場合に、前記負荷の通常必要電力に前記充
    電電力を加えた値を出力するように構成されたことを特
    徴とする請求項1記載の燃料電池電源装置。
  3. 【請求項3】 前記直流母線には該直流母線の電圧を計
    測する電圧計測器が接続され、 前記直流−直流変換器は、前記直流母線の電圧が前記直
    流母線に接続される機器の上限値を逸脱する場合に、前
    記負荷の通常必要電力よりも小さい値を出力するように
    構成されたことを特徴とする請求項1または2記載の燃
    料電池電源装置。
  4. 【請求項4】 前記直流蓄電装置には該直流蓄電装置の
    充電電流を計測する充電電流計測器が接続され、 前記直流−直流変換器は、前記充電電流が前記直流蓄電
    装置の充電電流の上限値を逸脱する場合に、前記負荷の
    通常必要電力よりも小さい値を出力するように構成され
    たことを特徴とする請求項1、2または3記載の燃料電
    池電源装置。
  5. 【請求項5】 前記直流−直流変換器の出力を変化させ
    る場合、その変化率を制限させる変化率制限手段が設け
    られたことを特徴とする請求項1、2、3または4記載
    の燃料電池電源装置。
  6. 【請求項6】 燃料ガスと酸化剤ガスの電気化学反応に
    より直流電力を発生させる燃料電池と、前記直流電力の
    電圧を調節する直流−直流変換器と、前記直流電力を蓄
    える直流蓄電装置と、前記直流電力を交流電力に変換し
    て負荷に供給する電力供給装置と、それらを全て接続す
    る直流母線とが設けられた燃料電池電源装置において、 前記直流−直流変換器は、前記燃料電池の発電出力の最
    大値を出力するように構成され、 前記直流母線には交流系統と電力の授受する直流−交流
    双方向変換器が接続され、 この直流−交流双方向変換器は、前記直流母線の電圧を
    一定とするように構成されたことを特徴とする燃料電池
    電源装置。
  7. 【請求項7】 前記交流系統には交流系統への送電電力
    を計測する送電電力計測器が接続され、 前記負荷には負荷への供給電力を計測する供給電力計測
    器が接続され、 前記2つの電力計測器の計測値と買電価格とから前記燃
    料電池の発電コストを導き、この発電コストが前記買電
    価格を上回る場合に、前記交流系統への電力の送出を停
    止するように構成されたことを特徴とする請求項6記載
    の燃料電池電源装置。
  8. 【請求項8】 前記交流系統には交流系統への送電電力
    を計測する送電電力計測器が接続され、 前記負荷には負荷への供給電力を計測する供給電力計測
    器が接続され、 前記2つの電力計測器の計測値と買電価格とから前記燃
    料電池の発電コストを導き、この発電コストが前記買電
    価格を上回る場合に、前記燃料電池および直流−直流変
    換器を停止し前記交流系統から電力の供給を受けて前記
    負荷に電力を供給するように構成されたことを特徴とす
    る請求項6記載の燃料電池電源装置。
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