JP2001226449A - 液晶スペーサー用感光性樹脂および感光性樹脂組成物 - Google Patents

液晶スペーサー用感光性樹脂および感光性樹脂組成物

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JP2001226449A JP2000374847A JP2000374847A JP2001226449A JP 2001226449 A JP2001226449 A JP 2001226449A JP 2000374847 A JP2000374847 A JP 2000374847A JP 2000374847 A JP2000374847 A JP 2000374847A JP 2001226449 A JP2001226449 A JP 2001226449A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 大型の液晶表示装置において、長期間、液晶
セルの面状体の間隔を一定に制御・維持し得る柱状スペ
ーサーを提供することを目的として、高い光硬化性を有
し、機械的強度等の特性に優れた液晶スペーサーを作る
ことができ、しかも、光硬化性を犠牲にすることなくア
ルカリ現像性を付与することのできる感光性樹脂および
組成物の開発を課題としている。 【解決手段】 一定間隔で離間した2枚の面状体間に液
晶組成物が封入された液晶セルにおいて、これらの面状
体の離間間隔を一定に維持する液晶スペーサーを形成す
るために用いられる樹脂であって、1分子中に3個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を
反応させて得られることを特徴とする液晶スペーサー用
感光性樹脂である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液晶表示装置内の
液晶セルにおいて、この液晶セルの2枚の対向する面状
体の離間間隔を高精度に制御すると共に一定に維持する
ための液晶スペーサー形成用樹脂および組成物に関し、
より詳細には、従来公知のビーズ型のスペーサーではな
く、フォトリソグラフィーを利用した柱状スペーサーを
形成するための感光性樹脂および組成物に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】液晶表示装置内において、液晶組成物
は、数μm程度の間隔を開けて対向する2枚の面状体
(対向基板)の間であって、四方の端縁部がエポキシ樹
脂等で封止されて形成されたセルの中に封入されてい
る。このとき、対向基板同士の間隔が正確に一定に保持
されていないと、液晶層が厚み勾配を持つことになるた
め、色むらやコントラスト異常等の不良品が発生する。
このことから、均一な粒径分布を持つガラスまたはポリ
マービーズを液晶スペーサーとして液晶セル内に配し、
基板の間隔を一定に保つようにしていた。
【0003】近年、液晶表示装置の大型化、縦型化に伴
い、ビーズ以外のスペーサーが要求されている。例え
ば、特開平11−174464号には、カルボキシル基
を有するポリマーのカルボキシル基の一部に、グリシジ
ル(メタ)アクリレート等を反応させて(メタ)アクリ
ロイル基を導入した感光性樹脂から、フォトリソグラフ
ィーを利用して柱状スペーサーを作成する技術が開示さ
れている。
【0004】しかし、この技術では、カルボキシル基の
一部を(メタ)アクリロイル基に置換しているため、光
硬化性を高めるために(メタ)アクリロイル基の導入量
を増やすと、アルカリ現像性を発現させるために必要な
カルボキシル基量が確保できない、ということとなり、
光硬化性とアルカリ現像性とのバランスを取ることが難
しいという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明では、
大型の液晶表示装置において、長期間、液晶セルの面状
体の間隔を一定に制御・維持し得る柱状スペーサーを提
供することを目的として、高い光硬化性を有して機械的
強度等の特性に優れた液晶スペーサーを作ることがで
き、しかも、光硬化性を犠牲にすることなくアルカリ現
像性を付与することのできる感光性樹脂および組成物の
開発を課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の感光性樹脂は、
例えば、一定間隔で離間した2枚の面状体間に液晶組成
物が封入された液晶セルにおいて、面状体の離間間隔を
一定に維持する液晶スペーサーを形成するために用いら
れる樹脂であって、1分子中に3個以上のエポキシ基を
有するエポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一塩基酸を反
応させて得られるものであるところに要旨を有する。こ
のエポキシ樹脂から誘導されたビニルエステルは、1分
子中に(メタ)アクリロイル基等のラジカル重合性(光
硬化性)二重結合を多数有しているので、光硬化性が高
く、しかも、機械的強度等の特性に優れた液晶用スペー
サーを作ることができる。
【0007】上記感光性樹脂が、エポキシ基および/ま
たはヒドロキシル基との反応性を有する官能基を2個以
上有する鎖延長剤によって鎖延長されたものである構成
は、本発明の感光性樹脂の好ましい実施態様である。露
光前のタックフリー性に優れるからである。
【0008】上記感光性樹脂が、さらに、エポキシ基に
対してアルコール性ヒドロキシル基を有するフェノール
化合物のフェノール性ヒドロキシル基を反応させて導入
したアルコール性ヒドロキシル基を有するものであって
もよく、ヒドロキシル基の存在によって柱状スペーサー
の面状体への密着性がより一層良好になる。また、この
フェノール化合物をエポキシ基に反応させることによ
り、結果的に感光性樹脂中の光重合性二重結合の量が低
減することとなるが、エポキシ樹脂中のエポキシ基の全
てに不飽和一塩基酸を反応させると、二重結合量が多く
なりすぎて脆くなる場合に、このフェノール化合物の付
加が効果的である。
【0009】上記感光性樹脂が、さらに、エポキシ樹脂
と不飽和一塩基酸、鎖延長剤あるいは上記フェノール化
合物との反応によって生成したアルコール性ヒドロキシ
ル基および/または上記フェノール化合物由来のアルコ
ール性ヒドロキシル基に対して、多塩基酸無水物を反応
させて導入したカルボキシル基を有しているものである
と、アルカリ現像性が発現する。光硬化性二重結合の導
入によって生じたヒドロキシル基に対する反応でカルボ
キシル基を導入する場合は、アルカリ現像性を付与して
も二重結合が消費されないため、光硬化性が低減するこ
とはない。なお、上記感光性樹脂が、導入された上記カ
ルボキシル基との反応性を有する官能基を2個以上有す
る鎖延長剤によって鎖延長されたものである構成もま
た、露光前の良好なタックフリー性を達成し得る点で、
本発明の好ましい実施態様である。
【0010】
【発明の実施の態様】本発明では、液晶スペーサーを形
成するための感光性樹脂組成物の主成分となる感光性樹
脂として、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエ
ポキシ樹脂から誘導されたビニルエステルを用いるとこ
ろに最大の特徴を有する。
【0011】本発明の感光性樹脂の出発原料となるエポ
キシ樹脂としては、1分子中に平均して3個以上のエポ
キシ基を有する公知のエポキシ樹脂であれば特に限定さ
れずに用いることができる。例えば、テトラグリシジル
アミノジフェニルメタン等の多官能性グリシジルアミン
樹脂;テトラフェニルグリシジルエーテルエタン等の多
官能性グリシジルエーテル樹脂;フェノールノボラック
型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹
脂;フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、ナ
フトール等のフェノール化合物とフェノール性ヒドロキ
シル基を有する芳香族アルデヒドとの縮合反応により得
られるポリフェノール化合物と、エピクロロヒドリンと
の反応物;フェノール化合物とジビニルベンゼンやジシ
クロペンタジエン等のジオレフィン化合物との付加反応
により得られるポリフェノール化合物と、エピクロロヒ
ドリンとの反応物;フェノール化合物とキシリレンジク
ロライド、キシリレンジメチルエーテル、キシリレング
リコール等との縮合反応により得られるポリフェノール
化合物と、エピクロロヒドリンとの反応物;4−ビニル
シクロヘキセン−1−オキサイドの開環重合物を過酸で
エポキシ化したもの;トリグリシジルイソシアヌレート
等の複素環を有するエポキシ樹脂等が挙げられる。特に
露光硬化後のスペーサーの機械的強度が向上するため、
芳香環部分を、平均して4個以上有しているエポキシ樹
脂が好ましい。
【0012】上記エポキシ樹脂のエポキシ基に不飽和一
塩基酸のカルボキシル基を反応させて、樹脂中に光硬化
性(ラジカル重合性)不飽和二重結合を導入することに
より、本発明の感光性樹脂、いわゆるビニルエステルが
生成する。不飽和一塩基酸とは、1個のカルボキシル基
と1個以上のラジカル重合性不飽和結合を有する一塩基
酸である。具体例としてはアクリル酸、メタクリル酸、
クロトン酸、ケイ皮酸、β−アクリロキシプロピオン
酸、1個のヒドロキシル基と1個の(メタ)アクリロイ
ル基を有するヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
と二塩基酸無水物との反応物、1個のヒドロキシル基と
2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する多官能(メ
タ)アクリレートと二塩基酸無水物との反応物等が挙げ
られる。これらの不飽和一塩基酸は、1種または2種以
上を用いることができる。中でも好ましいのは、アクリ
ル酸、メタクリル酸等の(メタ)アクリロイル基を有す
るものである。
【0013】エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応
は、後述するラジカル重合性モノマーや溶媒等の希釈剤
の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノンや酸素等
の重合禁止剤、およびトリエチルアミン等の三級アミ
ン、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド等の4
級アンモニウム塩、2−エチル−4−メチルイミダゾー
ル等のイミダゾール化合物、トリフェニルフォスフィン
等のリン化合物、金属の有機酸塩または無機酸塩あるい
はキレート化合物等の反応触媒の共存下、通常80〜1
30℃で行えばよい。
【0014】エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応に
よって、エポキシ樹脂は感光性樹脂となる。この感光性
樹脂は、そのまま、本発明の感光性樹脂組成物の主成分
として使用可能であるが、鎖延長剤を用いて多量体化し
た後、用いることもできる。
【0015】感光性樹脂を得る場合に、エポキシ樹脂中
のエポキシ基を全て不飽和一塩基酸と反応させてもよ
く、また、エポキシ基との反応性を有する官能基を2個
以上有する化合物(鎖延長剤)や、後述するアルコール
性ヒドロキシル基を有するフェノール化合物をエポキシ
基に対して反応させてもよい。エポキシ樹脂、不飽和一
塩基酸、上記鎖延長剤、上記フェノール化合物の反応
は、これらを同時に反応させる方法や任意の順序で段階
的に反応させる方法等があり、いずれも採用可能であ
る。
【0016】上記鎖延長剤を用いることにより、予め感
光性樹脂を高分子量化しておくことができ、これにより
露光前の塗膜のタックフリー性や露光時の光感度が向上
する。エポキシ基と反応し得る官能基を有する鎖延長剤
としては、例えば下記に示すような多塩基酸、多価フェ
ノール、多官能アミノ化合物、多価チオール等が挙げら
れる。
【0017】多塩基酸は、1分子中にカルボキシル基を
2個以上有するものであり、中でも多量体化の際にゲル
化を起こしにくい二塩基酸が好ましく使用できる。例え
ばコハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、
フマル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が挙げられる
が、柱状スペーサーの硬度と強靭性をよりバランス良く
付与するという点からは、多塩基酸として、酸基に含ま
れる以外の炭素原子の合計が18個以上の長鎖二塩基酸
を用いることが特に好ましい。
【0018】この長鎖二塩基酸の具体的な例として、
1,18−オクタデカンジカルボン酸、1,16−(6
−エチルヘキサデカン)−ジカルボン酸、1,18−
(7,12−オクタデカジエン)−ジカルボン酸、リノ
ール酸等から得られるダイマー酸、水添ダイマー酸、両
末端カルボキシル基含有液状ポリブタジエン、両末端カ
ルボキシル基含有液状ブタジエン−アクリロニトリル共
重合体、両末端カルボキシル基含有液状ポリアクリル酸
ブチル等が挙げられる。
【0019】多価フェノールは1分子中に2個以上のフ
ェノール基を有するものであり、ビスフェノールA、テ
トラブロモビスフェノールA、ビスフェノールF、ビス
フェノールS、ビスフェノールフルオレン、レゾルシ
ン、ハイドロキノン等が挙げられる。
【0020】多官能アミノ化合物は、1分子中に2個以
上のアミノ基を有するものであり、中でも多量化の際に
ゲル化を起こしにくい第二級のアミノ基からなる多官能
アミノ化合物が好ましく、ピペラジン、1,3−ジ−
(4−ピペリジル)−プロパン、ホモピペラジン、ピペ
ラジン末端変性ブタジエン−アクリロニトリル共重合体
等が挙げられる。
【0021】多価チオールは1分子中に2個以上のチオ
ール基を有するものであり、2,2−ジメルカプトジエ
チルエーテル、1,2−ジメルカプトプロパン、1,3
−ジメルカプトプロパノール−2、ビス(2−メルカプ
トエチル)スルフィド、チオグリコール酸と多価アルコ
ールとのエステル化物等が挙げられる。
【0022】鎖延長剤が多塩基酸や多価フェノール等の
ように比較的低温で反応が進行しにくい場合には、後述
の希釈剤の存在下あるいは非存在下で、ハイドロキノン
や酸素等の重合禁止剤および三級アミンや三級ホスフィ
ン等反応触媒の共存下、80〜130℃で行う。また、
鎖延長剤が、多価アミノ化合物や多価チオール化合物等
のように比較的低温で反応が進行しやすい場合には、常
温〜80℃で、後述の希釈剤の存在下、ハイドロキノン
や酸素等の重合禁止剤の共存下で反応させることができ
る。
【0023】本発明の感光性樹脂においては、出発原料
であるエポキシ樹脂中のエポキシ基の開環によって生成
したヒドロキシル基や、アルコール性ヒドロキシル基を
有するフェノール化合物との反応によって導入されたヒ
ドロキシル基に対する反応性を有する官能基を2個以上
持つ化合物を鎖延長剤として用い、鎖延長させることも
できる。このような鎖延長剤としては、多官能イソシア
ネート化合物や四塩基酸二無水物等が挙げられる。
【0024】多官能イソシアネート化合物としては、1
分子中に2個以上のイソシアネート基を有するものが使
用でき、p−フェニレンジイソシアネート、2,4−あ
るいは2,6−トルエンジイソシアネート、キシリレン
ジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネー
ト、ヘキサメチレンジイソシアネート、4,4’−ジフ
ェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート、イソホロンジイソシアネート等のジイソシアネー
ト類;トリフェニルメタントリイソシアネート、1,
3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート等のトリイ
ソシアネート類を挙げることができる。
【0025】四塩基酸二無水物の具体例としては、ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物、ナフタレンテトラカ
ルボン酸二無水物、ジフェニルエーテルテトラカルボン
酸二無水物、ブタンテトラカルボン酸二無水物、シクロ
ペンタンテトラカルボン酸二無水物、無水ピロメリット
酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の脂肪
族あるいは芳香族四カルボン酸二無水物等が挙げられ
る。
【0026】鎖延長剤が多官能イソシアネート化合物の
場合には、錫化学物や鉛化合物等のウレタン化触媒の共
存下で、室温〜130℃で反応を行い、また鎖延長剤が
四塩基酸二無水物の場合には80〜130℃で反応させ
ることにより、鎖延長反応を遂行することができる。
【0027】本発明の感光性樹脂として、アルコール性
ヒドロキシル基が導入されているものを用いることもで
きる。このアルコール性ヒドロキシル基の導入反応は、
エポキシ基に対しアルコール性ヒドロキシル基を有する
フェノール化合物のフェノール性ヒドロキシル基を反応
させることによって行う。フェノール化合物がフェノー
ル性ヒドロキシル基とアルコール性ヒドロキシル基を有
していると、エポキシ基は優先的にフェノール性ヒドロ
キシル基と反応する。従って、この部分には、エポキシ
基開環によって、フェノキシ基を介したアルコール性ヒ
ドロキシル基が導入されることとなる。一方、他のエポ
キシ基のところには不飽和一塩基酸由来の二重結合が導
入されており、この部分が光重合硬化時に架橋点とな
る。この結果、硬化物の架橋点から、芳香環によって隔
てられて(フェノキシ基を介して)フェノール化合物由
来のアルコール性ヒドロキシル基が位置することにな
る。このため、このヒドロキシル基は架橋構造からの拘
束を受けにくく、スペーサーの密着性向上に有効に働き
得る。
【0028】アルコール性ヒドロキシル基を有するフェ
ノール化合物としては、フェノール化合物の芳香環の炭
素に結合した水素原子が、アルコール性ヒドロキシル基
が結合している有機基(アルキル基、シクロアルキル
基、芳香環等)と置換したものであり、芳香環にアルコ
ール性ヒドロキシル基が有機基を介して間接的に結合し
たものである。なお、このフェノール化合物は、複数の
アルコール性ヒドロキシル基またはフェノール性ヒドロ
キシル基を持っていてもよい。またアルコール性ヒドロ
キシル基とフェノール性ヒドロキシル基以外に、他の置
換基を有していてもよく、さらに、アルコール性ヒドロ
キシル基を有するナフトール等も含まれるものとする。
【0029】このようなフェノール化合物の具体例とし
ては、(ビス)ヒドロキシメチルフェノール、(ビス)
ヒドロキシメチルクレゾール、ヒドロキシメチル−ジ−
t−ブチルフェノール、p−ヒドロキシフェニル−2−
エタノール、p−ヒドロキシフェニル−3−プロパノー
ル、p−ヒドロキシフェニル−4−ブタノール、ヒドロ
キシエチルクレゾール等のヒドロキシアルキルフェノー
ルまたはヒドロキシアルキルクレゾール;ヒドロキシ安
息香酸、ヒドロキシフェニル安息香酸、ヒドロキシフェ
ノキシ安息香酸等のカルボキシル基含有フェノール化合
物と、エチレングリコール、プロピレングリコール、グ
リセロール等とのエステル化物;ビスフェノールのモノ
エチレンオキサイド付加物、ビスフェノールのモノプロ
ピレンオキサイド付加物等が挙げられ、これらの1種ま
たは2種以上を用いることができる。
【0030】エポキシ樹脂とフェノール化合物との反応
は、不飽和一塩基酸との反応条件と同様に行えばよい。
また、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応、必要に
より行われる鎖延長反応およびフェノール化合物の付加
反応は、それぞれの反応が可能な限り、いずれを先に行
っても、またすべてを同時に行ってもかまわない。
【0031】エポキシ樹脂、不飽和一塩基酸、鎖延長
剤、アルコール性ヒドロキシル基を有するフェノール化
合物については、エポキシ樹脂のエポキシ基1化学当量
に対し、不飽和一塩基酸と鎖延長剤およびアルコール性
ヒドロキシル基を有するフェノール化合物に含まれるエ
ポキシ基と反応し得る官能基の化学当量の合計が0.8
〜1.1モルとなるように反応させることが好ましい。
0.8モル未満では、感光性樹脂の感光性やタックフリ
ー性、あるいは硬化後のスペーサーの機械的強度等が不
充分となるため好ましくない。また、1.1モルを超え
て反応系に添加しても、未反応物が増えることとなり、
硬化物の特性低下を引き起こす可能性があるため、好ま
しくない。なお、エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸のみを
反応させる場合、0.8〜1.1モルの範囲内で用いる
とよい。優れた光硬化性が発現するからである。
【0032】エポキシ基と反応し得る鎖延長剤を用いる
ときは、鎖延長反応前の樹脂中のエポキシ基1化学当量
に対して、鎖延長剤中のエポキシ基と反応し得る官能基
が0.01〜0.5モルになるように、また、出発原料
のエポキシ樹脂1モルに対して鎖延長剤が0.02〜
0.8モルの範囲となるように用いることが好ましい。
ヒドロキシル基と反応し得る鎖延長剤を用いるときも、
出発原料のエポキシ樹脂1モルに対して鎖延長剤が0.
02〜0.8モルとなるように反応させることが好まし
い。
【0033】アルコール性ヒドロキシル基を有するフェ
ノール化合物を用いる場合、エポキシ樹脂中のエポキシ
基1化学当量に対して、0.01〜0.6モルの範囲と
することが好ましい。なお、エポキシ基と反応し得る鎖
延長剤および/または上記フェノール化合物を用いると
きには、不飽和一塩基酸を0.4モル以上反応させるこ
とが好ましい。不飽和一塩基酸が少ないと硬化性が不充
分となるからである。
【0034】エポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させ
る際に、長鎖アルキル基、芳香環を含む置換基等を有す
るフェノール化合物(アルコール性ヒドロキシル基は有
さない)や、酢酸、プロピオン酸、乳酸、12−ヒドロ
キシステアリン酸、ジメチロールプロピオン酸等のラジ
カル重合性二重結合を有さない一塩基酸を併用してもよ
い。これらの化合物の種類や使用量は硬化物の物性等の
各要求特性に応じて適宜選択されるが、エポキシ樹脂中
のエポキシ基1化学当量に対し、不飽和一塩基酸は0.
4モル以上用いると共に、不飽和一塩基酸とこれらの化
合物中のエポキシ基との反応性を有する官能基との合計
が、エポキシ基1化学当量に対して0.8〜1.1化学
当量となるように反応させるのが好ましい。
【0035】本発明の感光性樹脂にアルカリ現像性を付
与するには、エポキシ樹脂と不飽和一塩基酸との反応に
よって生成したヒドロキシル基および/または前記フェ
ノール化合物の付加によって導入されたアルコール性ヒ
ドロキシル基に対し、多塩基酸無水物を反応させる。酸
無水物基が開環し、エステル結合を介してカルボキシル
基が導入される。本発明ではヒドロキシル基に対して酸
無水物基を付加させるため二重結合量を自由に制御する
ことができ、感光性を犠牲にすることなくアルカリ現像
性を付与することができる。良好なアルカリ現像性を発
現させるためには、感光性樹脂1gあたりの酸価を30
mgKOH/g以上にすることが好ましく、多塩基酸無
水物を反応対象樹脂中のヒドロキシル基1化学当量に対
し0.1〜1.1モル反応させるとよい。
【0036】酸無水物としては、無水フタル酸、無水コ
ハク酸、無水マレイン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、
ヘキサヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フ
タル酸、3,6−エンドメチレンテトラヒドロ無水フタ
ル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロ無水フタル
酸、テトラブロモ無水フタル酸、トリメリット酸等の二
塩基酸無水物あるいは前述の脂肪族あるいは芳香族四カ
ルボン酸二無水物等の四塩基酸二無水物等が挙げられ、
これらの1種または2種以上を使用することができる。
反応条件は希釈剤の存在下あるいは非存在下に、ハイド
ロキノンや酸素等の重合禁止剤および必要により三級ア
ミン等の開環反応触媒の共存下、80〜130℃の条件
で反応させることができる。
【0037】アルカリ現像に使用できるアルカリとして
は、例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化ナト
リウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属化合物;水酸
化カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;アンモニ
ア;モノメチルアミン、ジメチルアミン、トリメチルア
ミン、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミン、モノプロピルアミン、ジメチルプロピルアミ
ン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリ
エタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリ
アミン、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ポリエ
チレンイミン等の水溶性有機アミン類が挙げられ、これ
らの1種または2種以上を使用することができる。
【0038】なお、アルカリ現像性を阻害しない範囲
で、カルボキシル基と反応し得る官能基を2個以上有す
る鎖延長剤を用いて、カルボキシル基が導入された感光
性樹脂の鎖延長反応を行ってもよい。このようにして高
分子量化することにより、露光前の塗膜のタックフリー
性や露光時の光感度をより向上させることができる。こ
のような鎖延長剤としてはエポキシ化合物やオキサゾリ
ン化合物等が挙げられる。具体的には、本発明の感光性
樹脂の出発原料として上に列記した1分子中に3個以上
のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の他、ビスフェノー
ルA型、テトラブロモビスフェノールA型、ビスフェノ
ールS型、ビスフェノールF型等のビスフェノール型エ
ポキシ樹脂;脂環式エポキシ樹脂;ジグリシジルエステ
ル型エポキシ樹脂;ジグリシジルエーテル型エポキシ樹
脂;ジグリシジルアミン型エポキシ樹脂;ビフェニル型
エポキシ樹脂;フェニレン型エポキシ樹脂等の2官能エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。また、樹脂中に存在する官
能基を利用して、さらに二重結合導入反応を行ってもよ
い。
【0039】本発明の液晶スペーサー用樹脂組成物は、
以上説明した感光性樹脂と共に、光重合開始剤と、必要
に応じて希釈剤が配合されているものである。なお、本
発明の液晶スペーサー用樹脂組成物を100質量部とし
た時の感光性樹脂の含有量は5〜95質量部である。光
重合開始剤としては公知のものを使用でき、具体的には
ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエ
チルエーテル等のベンゾインとそのアルキルエーテル
類;アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニ
ルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン等
のアセトフェノン類;2−メチルアントラキノン、2−
アミルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノ
ン、1−クロロアントラキノン等のアントラキノン類;
2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジイソプロ
ピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチ
オキサントン類;アセトフェノンジメチルケタール、ベ
ンジルジメチルケタール等のケタール類;ベンゾフェノ
ン等のベンゾフェノン類;2−メチル−1−[4−(メ
チルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−プロパン−1
−オンや2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4
−モルホリノフェニル)−ブタノン−1;アシルホスフ
ィンオキサイド類およびキサントン類等が挙げられる。
【0040】これらの光重合開始剤は1種または2種以
上の混合物として使用され、感光性樹脂と、後述するラ
ジカル重合性化合物を用いる場合は両者の合計の100
質量部に対し、0.5〜30質量部用いるとよい。光重
合開始剤の量が少ない場合には、光照射時間を増やさな
ければならなかったり、光照射を行っても重合が起こり
にくかったりするため、適切な硬度が得られなくなる。
また、光重合開始剤を30質量部を超えて配合しても、
メリットはない。
【0041】希釈剤としては、溶媒または光重合反応に
参加できるラジカル重合性化合物を1種または2種以上
混合して使用することができる。感光性樹脂100質量
部に対し5〜500質量部を塗工方法の最適粘度に応じ
て配合することが好ましい。
【0042】溶媒としてはトルエン、キシレン等の炭化
水素類;セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ
類;カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトー
ル類;酢酸セロソルブ、酢酸カルビトール、(ジ)プロ
ピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエ
ステル類;メチルエチルケトン等のケトン類;(ジ)エ
チレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類等が
挙げられる。
【0043】ラジカル重合性化合物には、オリゴマーと
モノマーがある。ラジカル重合性オリゴマーとしては、
不飽和ポリエステル、ウレタンアクリレート、ポリエス
テルアクリレート等が使用でき、ラジカル重合性モノマ
ーとしては、スチレン、α−メチルスチレン、α−クロ
ロスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼン、ジア
リルフタレート、ジアリルベンゼンホスホネート等の芳
香族ビニル系モノマー;酢酸ビニル、アジピン酸ビニル
等のビニルエステルモノマー;メチル(メタ)アクリレ
ート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)ア
クリレート、β−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレー
ト、(2−オキソ−1,3−ジオキソラン−4−イル)
−メチル(メタ)アクリレート、(ジ)エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メ
タ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メ
タ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メ
タ)アクリレート、トリス(ヒドロキシエチル)イソシ
アヌレートのトリ(メタ)アクリレート等の(メタ)ア
クリル系モノマー;トリアリルシアヌレート等が使用可
能である。これらは1種または2種以上用いることがで
きる。
【0044】本発明の感光性樹脂組成物中には、さらに
必要に応じて、タルク、クレー、硫酸バリウム等の充填
材、染料、顔料、消泡剤、カップリング剤、レベリング
剤、増感剤、離型剤、滑剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外
線吸収剤、難燃剤、重合抑制剤、増粘剤等の公知の添加
剤を添加してもよい。また、ノボラック型エポキシ樹
脂、ビスフェノール型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹
脂、トリグリシジルイソシヌレート等のエポキシ樹脂
や、ジシアンジアミド、イミダゾール化合物等のエポキ
シ硬化剤、あるいはジオキサゾリン化合物等を配合して
もよい。
【0045】本発明の液晶スペーサー用感光性樹脂組成
物は、液晶表示装置内の液晶組成物が封入された液晶セ
ルの対向する2枚の面状体(対向基板)の間隔を正確に
制御・維持するための柱状スペーサーを形成するために
用いられる。すなわち、パターニング、露光・現像を経
て、スペーサーを形成するものである。
【0046】液晶スペーサーは、次のように製造する。
液晶スペーサーを形成すべき面状体上に、本発明の感光
性樹脂組成物を、乾燥後に所望のスペーサーの高さとな
るような厚みに塗工・乾燥する。塗工方法は特に限定さ
れず公知の方法の採用が可能である。
【0047】次いで、柱状スペーサーを設けるべき部分
に光が通過するようにパターン形成されたフォトマスク
(パターニングフィルム)を、上記塗膜の上に接触状態
でまたは非接触状態で載せ、露光する。フォトマスクに
は、柱状スペーサーの断面形状に応じた、すなわち、円
形、多角形等の開口を設ける。スペーサーの数、間隔、
大きさ、形状、設置密度等は用途に応じて適宜変更す
る。
【0048】露光後はフォトマスクを取り除き、溶剤ま
たはアルカリ水溶液で現像する。本発明の感光性樹脂組
成物からなる塗膜は、露光前であってもタックフリー性
に優れているので、フォトマスクを接触状態で裁置して
いても、容易に剥離することができ、パターンの再現を
正確に行える。現像後、必要に応じて加熱を行ってもよ
い。なお、溶剤現像に際しては、前記した溶剤やトリク
ロロエタン等のハロゲン系溶剤が使用可能である。
【0049】また、感光性樹脂組成物を直接面状体上に
塗布するのではなく、予めポリエチレンテレフタレート
等の基材フィルムに塗布して乾燥させたドライフィルム
(保護フィルムが貼り合わされていてもよい)の形態で
使用することもできる。この場合、ドライフィルムを面
状体上に積層して、露光前または露光後に基材フィルム
を剥離すればよい。
【0050】面状体としては、ガラス基板、プラスチッ
クフィルムが用いられ、シリコンやポリイミドからなる
配向膜や、保護膜、透明電極等が形成されていてもよ
い。
【0051】本発明の感光性樹脂組成物およびその硬化
物であるスペーサーは、ガラスやプラスチックフィルム
にも優れた密着性を示す。また、組成物中の感光性樹脂
は、1分子中に3個以上のエポキシ基を有するエポキシ
樹脂から誘導されていることから重合による収縮が少な
いため、寸法精度に優れたスペーサーを得ることができ
ると共に、硬化物(液晶スペーサー)の機械的強度が高
くなり、二重結合の量をコントロールすることによって
スペーサーが脆くなるのを防ぐこともできる。
【0052】従って、液晶組成物を封入する際の応力や
面状体同士に挟まれることによる圧力にも、割れ等の不
都合を起こさずに、長期間、スペーサーとして面状体同
士の間隔を一定に制御することができる。
【0053】
【実施例】以下、本発明を実施例により、具体的に説明
する。なお実施例中の部および%は質量基準である。
【0054】合成例1 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂EOCN104S
(日本化薬製、エポキシ当量220)220部に、アク
リル酸(不飽和一塩基酸)72部、エチルカルビトール
アセテート122部、トリフェニルホスフィン1.5部
およびメチルハイドロキノン0.2部を加え、110℃
で10時間反応させ、反応物(溶媒なども含めた組成
物)の酸価が5.4になったことを確認後、テトラヒド
ロ無水フタル酸74部を加え、さらに100℃で5時間
反応させ、カルボキシル基含有感光性樹脂(酸価81)
を75%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−
1)を得た。
【0055】合成例2 合成例1において用いたものと同じクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂220部に、アクリル酸63部、テト
ラブロモビスフェノールA36部(鎖延長剤)、エチル
カルビトールアセテート133部、トリフェニルホスフ
ィン1.6部およびメチルハイドロキノン0.3部を加
え、110℃で12時間反応させ、反応物(溶媒なども
含めた組成物)の酸価が3.2になったことを確認後、
テトラヒドロ無水フタル酸81部を加え、さらに100
℃で5時間反応させ、カルボキシル基含有感光性樹脂
(酸価79)を75%含むエチルカルビトールアセテー
ト溶液(A−2)を得た。
【0056】合成例3 クレゾールノボラック型エポキシ樹脂YDCN−703
(東都化成製、エポキシ当量200)400部に、アク
リル酸120部、p−ヒドロキシフェニル−2−エタノ
ール(アルコール性ヒドロキシル基を有するフェノール
化合物)55部、エチルカルビトールアセテート246
部、トリフェニルホスフィン3部およびメチルハイドロ
キノン0.5部を加え、110℃で12時間反応させ、
感光性樹脂(酸価9)を70%含むエチルカルビトール
アセテート溶液(A−3)を得た。
【0057】合成例4 合成例3で得られた溶液(A−3)400部に、テトラ
ヒドロ無水フタル酸66部を加え、100℃で5時間反
応させ、カルボキシル基含有感光性樹脂(酸価79)を
74%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−
4)を得た。
【0058】合成例5 合成例4で得られた溶液(A−4)200部に、ビスフ
ェノールA型エポキシ樹脂GY−250(チバガイギー
製、エポキシ当量185、鎖延長剤)4部を加え、11
0℃で5時間反応させ、カルボキシル基含有感光性樹脂
(酸価69)を75%含むエチルカルビトールアセテー
ト溶液(A−5)を得た。
【0059】合成例6 フェノールノボラック型エポキシ樹脂EPPN−201
(日本化薬製、エポキシ当量187)400部に、p−
ヒドロキシフェニル−2−エタノール59部、アクリル
酸64部、メタクリル酸76部、エチルカルビトールア
セテート237部、トリフェニルホスフィン3部および
メチルハイドロキノン0.5部を加え、110℃で12
時間反応させ、反応物(溶媒なども含めた組成物)の酸
価が6.6になったことを確認後、テトラヒドロ無水フ
タル酸65部および無水コハク酸43部を加え、さらに
100℃で5時間反応させ、反応物(溶媒なども含めた
組成物)の酸価が57.3になったことを確認した。続
いて、出発原料として用いたフェノールノボラック型エ
ポキシ樹脂5部を加え(鎖延長剤)、110℃で5時間
反応させ、カルボキシル基含有感光性樹脂(酸価71)
を75%含むエチルカルビトールアセテート溶液(A−
6)を得た。
【0060】比較合成例 合成例5で用いたビスフェノールA型エポキシ樹脂18
5部に、アクリル酸72部、エチルカルビトールアセテ
ート108部、トリフェニルホスフィン1.3部および
メチルハイドロキノン0.2部を加え110℃で10時
間反応させ、反応物(溶媒なども含めた組成物)の酸価
が4.6になったことを確認後、テトラヒドロ無水フタ
ル酸66部をを加え、さらに100℃で5時間反応さ
せ、比較用カルボキシル基含有感光性樹脂(酸価81)
を75%含むエチルカルビトールアセテート溶液(B−
1)を得た。
【0061】実施例1〜6および比較例1 得られた各溶液を用い、表1に示す配合組成に従って、
感光性樹脂組成物を調製し、以下の方法で評価を行っ
た。
【0062】[タックフリー性]各組成物を、乾燥後の
塗膜厚が5μmになるように、ガラス板上に均一に塗布
し、熱風循環式乾燥炉中で80℃で30分乾燥したもの
と、60分乾燥したものについて、タックフリー性を指
触によって評価した。実施例1の場合、30分乾燥でわ
ずかにタックが感じられたが、60分乾燥によって、タ
ックは全く認められなくなった。実施例2〜6では、3
0分、60分いずれの場合もタックは認められなかっ
た。比較例は、60分乾燥後においても、顕著にタック
が認められた。
【0063】[現像性]タックフリー性評価のときと同
様にして乾燥塗膜(乾燥時間60分)を形成した。実施
例1、2、4〜6および比較例1については、30℃の
1%Na2CO3水溶液を用いて、また実施例3について
は20℃のトリクロロエタンを用いて、各々2.1kg
/cm2の圧力下、80秒間現像を行った。実施例およ
び比較例とも、ガラス板上に樹脂塗膜は残存せず、良好
な現像性を示した。
【0064】[解像度]タックフリー性評価のときと同
様にして乾燥塗膜(乾燥時間60分)を形成し、10μ
m×10μmパターンのフォトマスクを介して、1kW
の超高圧水銀灯で500mJ/cm2の光量を照射し、
塗膜を硬化させた。現像性評価のときと同様の条件で現
像し、解像度を評価した。実施例1では、得られた柱状
パターンの1割程度に一部欠損(角が丸くなる)が認め
られたが、実用上問題ない程度であった。また実施例2
〜6では、全てのパターンに異常は認められなかった。
一方、比較例では、パターンが一部欠損したものおよび
パターン自体がガラス板から剥離してしまったものが、
パターン中半数以上を占めていた。
【0065】[均一性]解像度評価のときと同様にパタ
ーンを露光・硬化させた後、150℃で30分間ポスト
べークをした。得られたパターンの膜厚のバラツキを評
価したところ、実施例1〜6ではバラツキが±0.1μ
m以内であり、液晶スペーサーとして充分な均一性を示
していた。比較例は、±0.1μmを超えてバラツキが
認められ、スペーサーとしては不適である。
【0066】[硬化塗膜強度]解像度評価のときと同様
にパターンを露光・硬化させた後、150℃で30分間
ポストベークした。得られた硬化塗膜の強度を、島津微
小硬度試験機で測定し、表1に結果を併記した。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明は、1分子中に3個以上のエポキ
シ基を有するエポキシ樹脂から誘導される感光性樹脂を
主成分とする組成物を用いて、液晶セルを構成する面状
体上に柱状の液晶スペーサーを固定形成するものであ
る。この組成物は、優れた感光性を有すると共に、アル
カリ現像も可能である。また、硬化物の機械的物性にも
優れているので、液晶スペーサーを形成した後に、加圧
時に割れなどの不都合を起こすことはない。従って、大
型の液晶表示装置においても、長期間、液晶セルの面状
体の間隔を一定に制御・維持することができるようにな
った。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一定間隔で離間した2枚の面状体間に液
    晶組成物が封入された液晶セルにおいて、面状体の離間
    間隔を一定に維持する液晶スペーサーを形成するために
    用いられる樹脂であって、1分子中に3個以上のエポキ
    シ基を有するエポキシ樹脂に不飽和一塩基酸を反応させ
    て得られることを特徴とする液晶スペーサー用感光性樹
    脂。
  2. 【請求項2】 上記感光性樹脂が、エポキシ基および/
    またはヒドロキシル基との反応性を有する官能基を2個
    以上有する鎖延長剤によって鎖延長されたものである請
    求項1に記載の液晶スペーサー用感光性樹脂。
  3. 【請求項3】 上記感光性樹脂が、エポキシ基に対して
    アルコール性ヒドロキシル基を有するフェノール化合物
    のフェノール性ヒドロキシル基を反応させることにより
    導入したアルコール性ヒドロキシル基を有するものであ
    る請求項1または2に記載の液晶スペーサー用感光性樹
    脂。
  4. 【請求項4】 上記感光性樹脂が、アルコール性ヒドロ
    キシル基に対して多塩基酸無水物を反応させることによ
    り導入したカルボキシル基を有するものである請求項1
    〜3に記載の液晶スペーサー用感光性樹脂。
  5. 【請求項5】 上記感光性樹脂が、カルボキシル基との
    反応性を有する官能基を2個以上有する鎖延長剤によっ
    て鎖延長されたものである請求項4に記載の液晶スペー
    サー用感光性樹脂。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかに記載の液晶ス
    ペーサー用感光性樹脂を主成分として含むことを特徴と
    する液晶スペーサー用感光性樹脂組成物。
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