JP2001225433A - 白色ポリエステルフィルム並びに光反射用シート及び印刷・記録用シート - Google Patents

白色ポリエステルフィルム並びに光反射用シート及び印刷・記録用シート

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JP2001225433A
JP2001225433A JP2000037435A JP2000037435A JP2001225433A JP 2001225433 A JP2001225433 A JP 2001225433A JP 2000037435 A JP2000037435 A JP 2000037435A JP 2000037435 A JP2000037435 A JP 2000037435A JP 2001225433 A JP2001225433 A JP 2001225433A
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white polyester
film
polyester film
white
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Yasushi Sasaki
靖 佐々木
Koji Yamada
浩二 山田
Katsuya Ito
勝也 伊藤
Mutsuo Nishi
睦夫 西
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Toyobo Co Ltd
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Toyobo Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フィルムの第1面側が高い光反射率を有し、
また、照明光の入射面側への選択的な光の拡散、反射が
可能である白色ポリエステルフィルムを提供し、また、
この白色ポリエステルフィルムを用いた液晶ディスプレ
イの背面反射板などとして好適な光反射用シート、優れ
た意匠性と明るさを有する印刷・記録用シートを提供す
ること。 【解決手段】 第1面の波長450nmの光における光
反射率が98%以上であり、かつ、第2面の波長450
nmの光における光反射率よりも大きいことを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白色ポリエステル
フィルム並びにこの白色ポリエステルフィルムを用いた
光反射用シート及び印刷・記録用シートに関し、さらに
詳しくは高い光反射率を有する白色ポリエステルフィル
ム並びにこの白色ポリエステルフィルムを用いた液晶デ
ィスプレイの背面反射板などに用いた場合により明るい
画面を得ることができる光反射率の優れた光反射用シー
ト及び優れた意匠性と明るさを有する印刷・記録用シー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】白色ポリエステルフィルムは包装材料、
光反射用シート、印刷・記録用シートなどとして多くの
用途に用いられる。その中でも光反射用シートは液晶デ
ィスプレイの背面反射板として好適に用いられる。この
液晶ディスプレイの背面照明方式としては、一般に直下
型バックライト方式と導光板エッジライト方式に大別さ
れる。導光板エッジライト方式は、ディスプレイ装置全
体を小型薄肉化できる点や、輝度ムラが少ないといった
利点により、ノート型パソコンなどを中心に広く用いら
れている。
【0003】上記の液晶ディスプレイの照明方法におけ
る導光板エッジライト方式では、透明アクリル板などの
導光板のエッジ部に配置された冷陰極管から照明光を導
光板内部に導き、導光板のバック面(液晶ディスプレイ
背面)に印刷された散乱反射ドットによって照明光が均
一に分散されて均一な輝度の画面が得られる。
【0004】また、導光板エッジライト方式では、照明
光の画面背面への散逸を防ぎ、より明るい画面を得るた
めに、導光板バック面に印刷された散乱反射ドットの背
面に光反射用シートが設置される。この光反射用シート
としては、シートの薄さと高い光反射率が要求されるこ
とから、フィルム内部に空洞を含有する白色ポリエステ
ルフィルムが一般に用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の白
色ポリエステルフィルムは、光反射率(波長450nm
の光における光反射率、以下同じ)がいまだ満足でき
ず、特に、より明るく、より小型・省電力の液晶ディス
プレイを製造するためには光反射効率が満足できないと
いう問題点があった。本発明は、上記従来の白色ポリエ
ステルフィルムの有する問題点を解決し、フィルムの第
1面側が高い光反射率を有し、また、照明光の入射面側
への選択的な光の拡散、反射が可能である白色ポリエス
テルフィルムを提供し、また、この白色ポリエステルフ
ィルムを用いた液晶ディスプレイの背面反射板などとし
て好適な光反射用シート、優れた意匠性と明るさを有す
る印刷・記録用シートを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の白色ポリエステルフィルムは、第1面の波
長450nmの光における光反射率が98%以上であ
り、かつ、第2面の波長450nmの光における光反射
率よりも大きいことを特徴とする。
【0007】上記の構成からなる本発明の白色ポリエス
テルフィルムは、高い光反射率を有し、照明光の入射面
側への選択的な光の拡散、反射が可能である。
【0008】この場合、白色ポリエステルフィルムの第
1面の平均光移動距離が0.15mm以上であり、か
つ、第2面の平均光移動距離が0.15mm未満である
ことが好ましい。
【0009】また、この場合、白色ポリエステルフィル
ムの見かけ密度が1.2g/cm3以下であることが好
ましい。
【0010】また、この場合、少なくとも2層構成から
なる白色ポリエステルフィルムであって、ポリエステル
樹脂中に微粒子状に分散したポリエステル樹脂に非相溶
の熱可塑性樹脂に起因する空洞を層内に多数含有する、
第1面を形成する空洞含有ポリエステル層及び酸化チタ
ン微粒子を10重量%以上含有する、第2面を形成する
白色ポリエステル層を有することが好ましい。
【0011】また、この場合、第2面を形成する白色ポ
リエステル層の厚みが白色ポリエステルフィルムの厚み
の3〜50%であることが好ましい。
【0012】また、この場合、光反射用シートが前記白
色ポリエステルフィルムを用いたものであることができ
る。
【0013】さらにまた、この場合、印刷・記録用シー
トが前記白色ポリエステルフィルムを用いたものである
ことができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の白色ポリエステル
フィルム及びこの白色ポリエステルフィルムを用いた光
反射用シート、印刷・記録用シートの実施の形態を説明
する。
【0015】本発明の白色ポリエステルフィルムは、第
1面の光反射率が98%以上であり、かつ、第2面の光
反射率よりも大きいフィルムである。まず、本発明のフ
ィルムを形成するポリエステルとは、テレフタル酸、イ
ソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などの芳香族ジカ
ルボン酸又はそのエステルとエチレングリコール、ジエ
チレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4
−ブタンジオール、ネオペンチルグリコールなどのグリ
コールとを重縮合させて製造されるポリエステルであ
る。これらのポリエステルは芳香族ジカルボン酸とグリ
コールとを直接反応させる方法のほか、芳香族ジカルボ
ン酸のアルキルエステルとグリコールとをエステル交換
反応させた後重縮合させるか、あるいは芳香族ジカルボ
ン酸のジグリコールエステルを重縮合させるなどの方法
によって製造することができる。かかるポリエステルの
代表例としてはポリエチレンテレフタレート、ポリトリ
メチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート
あるいはポリエチレン−2,6−ナフタレートなどが挙
げられる。このポリエステルはホモポリマーであっても
よく、第三成分を共重合したものであってもよい。いず
れにしても本発明のフィルムを形成するポリエステルと
しては、エチレンテレフタレート単位、トリメチレンテ
レフタレート単位あるいはエチレン−2,6−ナフタレ
ート単位が70モル%以上、好ましくは80モル%以
上、さらに好ましくは90モル%以上であるポリエステ
ルが好ましい。
【0016】次に、本発明の白色ポリエステルフィルム
は、その第1面の光反射率が98%以上であり、かつ、
第2面の光反射率よりも大きい値である。ここで、第1
面とは、フィルムに光が入射する側の面であって、フィ
ルムを光反射用シートとして用いる場合の光反射面、ま
た、印刷・記録用シートとして用いる場合の印刷・記録
面に相当する。また、第2面とは、前記第1面とは反対
側の面すなわち、フィルムに光が入射する側の面の反対
側の面であり、フィルムを光反射用シートとして用いる
場合、あるいは印刷・記録用シートとして用いる場合の
背面に相当する
【0017】そして、フィルムの第1面の光反射率が第
2面の光反射率と同等又はそれ以下、あるいは第1面の
波長450nmの光反射率が98%未満である場合に
は、一般に用いられている空洞含有フィルムと同程度の
光反射率しか得られない。
【0018】次に、本発明フィルムにおいて上記の光反
射率を達成する上で、フィルムの第1面の平均光移動距
離が0.15mm以上であることが好ましく、0.20
mm以上、さらに0.25mm以上であるのが好まし
い。フィルムの第1面の平均光移動距離が0.15mm
未満では、光反射率が必ずしも十分ではなく、従来、一
般に用いられている空洞含有フィルムと同等の光反射率
しか得られないおそれがある。これは、フィルムに光が
入射して、フィルム内部で照明光が拡散する場合に光吸
収が大きくなり、反射光が弱くなるためである。
【0019】一方、フィルムの第1面の平均光移動距離
の上限は特に制限されないが、0.60mmを超える場
合には、フィルム内部での照明光の拡散が不十分となっ
て光反射率が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0020】次に、本発明の白色ポリエステルフィルム
の第2面の光反射率は第1面の光反射率よりも低い値で
あるが、平均光移動距離が0.15mm未満であること
が好ましく、より好ましくは0.12mm未満、さらに
好ましくは0.10mm未満である。そしてフィルムの
第2面の平均光移動距離が0.15mm以上である場合
には、照明光のフィルム背面への逃げが大きくなり、第
1面側への光反射率が小さくなるので好ましくない。一
方、フィルムの第2面の平均光移動距離の下限は特に定
めないが、0.001mm以上であることが好ましく、
さらには0.01mm以上であることが好ましい。
【0021】そして、好ましくは前述のように表裏の平
均光移動距離を制御することにより、第1面への選択的
な照明光の拡散・反射が可能となり、第1面の光反射率
を大幅に向上させることができる。また、表裏の平均光
移動距離を前述の範囲に制御する方法は任意であり何ら
制限されるものではないが、例えば以下のようにすれば
よい。
【0022】すなわち、白色ポリエステルフィルムを少
なくとも2層構成とし、ポリエステル樹脂中に微粒子状
に分散したポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂に
起因する空洞を層内に多数含有する空洞含有ポリエステ
ル層と、酸化チタン微粒子を10重量%以上含有する白
色ポリエステル層との複合構造とすればよい。なお、上
記空洞含有ポリエステル層側の表面は前記の第1面であ
り、白色ポリエステル層側の表面は前記の第2面に相当
する。
【0023】ここで、ポリエステル樹脂に非相溶の熱可
塑性樹脂としては、何ら制限されるものではないが、ポ
リプロピレンやポリメチルペンテンに代表されるポリオ
レフィン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリアクリル系
樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリスルホン系樹脂、セ
ルロース系樹脂、ポリフェニレンエーテル系樹脂などが
例示される。
【0024】これらの、ポリステル樹脂に非相溶の熱可
塑性樹脂は単独で用いてもよく、また複数の熱可塑性樹
脂を組合せて用いてもよい。これら非相溶性の熱可塑性
樹脂の好ましい添加量は、空洞含有ポリエステル層を形
成する樹脂中3〜20重量%、さらに好ましいのは5〜
15重量%である。そして、非相溶性の熱可塑性樹脂の
添加量が空洞含有ポリエステル層を形成する樹脂中3重
量%未満ではフィルム内部に形成される空洞含有量が少
なすぎ、第1面の平均光移動距離を3mm未満とするこ
とが困難となるので好ましくない。逆に、非相溶性の熱
可塑性樹脂の添加量が空洞含有ポリエステル層を形成す
る樹脂中20重量%を超える場合にはフィルム製造工程
での破断が多発するために好ましくない。本発明の白色
ポリエステルフィルムにおける空洞含有ポリエステル層
の好ましい空洞含有率は10〜50体積%、より好まし
くは20〜40体積%である。
【0025】本発明の白色ポリエステルフィルムにおけ
る空洞含有ポリエステル層におけるその他の成分として
は、蛍光増白剤や紫外線吸収剤、無機粒子などを任意に
添加することが可能であるが、空洞含有ポリエステル層
には白色無機顔料を極力添加しないことが好ましい。こ
こでいう白色無機顔料とは、酸化チタン、炭酸カルシウ
ム、硫酸バリウムから選ばれる粒子である。これらの顔
料を空洞含有ポリエステル層に添加する場合に好ましい
添加量は5重量%以下、より好ましくは2重量%以下、
さらには1重量%以下である。
【0026】そして、空洞含有ポリエステル層中の白色
無機顔料の混合比率が5重量%を超えると、添加した無
機顔料による照明光の吸収が増大するおそれがあり、そ
の結果、第1面の平均光移動距離を0.15mm以上と
することが困難となって、従来知られている空洞含有フ
ィルムと同等の光反射率しか得られないおそれがあるの
で好ましくない。
【0027】次に、前記空洞含有ポリエステル層に接合
可能な白色ポリエステル層は、酸化チタン微粒子を10
重量%以上含有することが好ましく、より好ましくは2
0重量%以上、さらに好ましくは25重量%以上、最も
好ましくは30〜50重量%含有する。そして、白色ポ
リエステル層中に含まれる酸化チタン量が10重量%未
満では、フィルムの第2面の平均光移動距離が0.15
mm以上となって照明光のフィルム背面への逃げが大き
くなるおそれがあるので好ましくない。
【0028】なお、白色ポリエステル層は空洞含有ポリ
エステル層の補助反射層として形成することが好まし
く、その厚みを空洞含有ポリエステル層の厚みよりも薄
くすることによって、白色ポリエステル層の接合効果が
最大限発揮される。そして白色ポリエステル層の厚みが
空洞含有ポリエステル層よりも厚い場合には、照明光の
フィルム背面への逃げは小さくなるが、白色ポリエステ
ル層中での照明光の吸収が大きくなって、第1面側の光
反射率が低下するおそれがあるので好ましくない。
【0029】一方、白色ポリエステルフィルムにおける
白色ポリエステル層の厚み下限も制限されるものではな
いが、フィルム全体厚みの3%以上の厚みで形成するこ
とが好ましく、より好ましくは5%以上、さらには7%
以上の厚みで形成することが好ましい。そして、白色ポ
リエステル層の厚みが白色ポリエステルフィルム全体の
厚みの3%未満である場合は、照明光のフィルム背面へ
の逃げが大きくなるおそれがあるので好ましくない。
【0030】なお、本発明の白色ポリエステルフィルム
全体の厚みは制限されず任意であるが、光反射用シート
として用いる場合には90〜400μmであることが好
ましく、より好ましくは120〜360μm、さらに好
ましくは140〜260μm、最も好ましくは150〜
200μmである。また、印刷・記録用シートとして用
いる場合には、10〜500μmであることが好まし
く、さらには20〜260μmであることが好ましい。
【0031】本発明の白色ポリエステルフィルムを製造
する場合の延伸方法は任意であるが、前記組成からなる
混合物をフィルム状に積層成形して未延伸フィルムとし
た後、該未延伸フィルムを延伸・配向するという一般的
な方法を用いることができる。上記の未延伸シートを延
伸・配向処理する条件は、フィルム中への空洞の生成と
密接に関係する。以下では、最も好んで用いられる逐次
2軸延伸方法、特に未延伸シートを長手方向次いで幅方
向に延伸する方法を例にとり、延伸・配向条件を説明す
る。まず、第1段の縦延伸工程では、周速が異なる2本
あるいは多数本のロール間で延伸する。このときの加熱
手段としては、加熱ロールを用いる方法でも非接触の加
熱方法を用いる方法でもよく、それらを併用してもよ
い。ただし、ポリエステル樹脂と非相溶性樹脂との界面
に空洞を多数発現させるためには、延伸温度をポリエス
テルの2次転移温度Tg+50℃以下の温度で、3〜5
倍延伸する。次いで、得られた1軸延伸フィルムをテン
ターに導入し、幅方向にポリエステルの融点Tm−10
℃以下の温度で、2.5〜5倍に延伸する。
【0032】このようにして得られた2軸延伸フィルム
に対し、必要に応じて熱処理を施す。熱処理はテンター
中で行うのが好ましく、ポリエステルの融点Tm−50
℃〜Tmの範囲の温度で行うのが好ましい。
【0033】また、本発明の白色ポリエステルフィルム
は、少なくともそのいずれか一方の表面に塗布層を有し
ていても構わない。そして、塗布層を設けることによ
り、インキやコーティング剤などの濡れ性や接着性を改
良することができる。塗布層を構成する化合物として
は、ポリエステル系樹脂が好ましいが、この他にも、ポ
リエーテルウレタン樹脂、ポリエステルウレタン樹脂、
アクリル系樹脂など通常のポリエステルフィルムの接着
性を向上させる手段として開示されている化合物などが
適用可能である。
【0034】また上記の塗布層を設ける方法としては、
グラビアコート方式、キスコート方式、ディップ方式、
スプレイコート方式、カーテンコート方式、エアナイフ
コート方式、ブレードコート方式、リバースロールコー
ト方式など通常用いられている方法が適用できる。塗布
層を形成する段階としては、フィルムの延伸前に塗布す
る方法、縦延伸後に塗布する方法、配向処理の終了した
フィルム表面に塗布する方法などのいずれの方法も可能
である。
【0035】このようにして得られた白色ポリエステル
フィルムは、従来用いられている空洞含有フィルムより
も光反射性に優れ、小型・省電力の液晶ディスプレイな
どの背面反射板材料として優れた特性を有している。
【0036】本発明の白色ポリエステルフィルムの第1
面(光入射側面)の好ましい光反射率(波長450n
m)は98%以上、さらに好ましくは100%以上であ
る。また、光反射率が大きいので、印刷・記録用フィル
ムとしても優れている。
【0037】
【実施例】次に本発明の実施例及び比較例を示す。な
お、本明細書中に用いる測定・評価方法を以下に示す。
【0038】1)平均光移動距離(Kp) 黒色プレート上に、被測定面が上になるように試験フィ
ルムを置く。その上に、下記の方法で製造した、ドット
面積率が異なる12種のドットスクリーンを重ねる。次
に、下記の測定装置を用いて、ドットスクリーンを重ね
た試験フィルムの光反射率(Rp)を、12種のドット
スクリーン全てについて求める。次に、得られた光反射
率の測定値(Rp)を、用いたドットスクリーンのドッ
ト面積率(F)に対してプロットし、最小2乗法を用い
て下記式(1)にカーブフィッティングし、その係数K
pを求め、この値を平均光移動距離とした。なお、測定
機、条件などは以下のとおりとした。
【0039】(ドットスクリーンの作成)市販の写真フ
ィルムを用い、ドット面積率が異なる12水準(0%、
10%、20%、30%、40%、50%、60%、7
0%、80%、90%、95%、100%)のドットス
クリーンを作成した。なお、ドット面積率はAMハーフ
トーン方式で制御し、その空間解像度は2.54cyc
le/mm(65dot/inch)とした。
【0040】(光反射率の測定)Edmund Scientific社
製:InfiviverビデオマイクロスコープからCCDカメ
ラ(ソニー社製:XC−78)にて画像を取り込む。こ
のとき拡大率は14インチテレビモニタにて横幅が2m
mとなるようにする。画像は512×384ピクセルに
分解し、各点での光反射率(酸化アルミニウム白板を基
準とする)を求め、光反射率の度数分布を作成する。次
に、度数が最大となる光反射率を求め、各ドット面積率
での光反射率Rpを求めた。なお画像解析ソフトはIMAG
ELAB(WernerFrei Associates社製)を用いたが、機能を
満たせば他のソフトでも構わない。
【0041】 Rp=Rg[1−F{1−(1−F)W+(1−FW)}]・・・(1) ただし、 W=1−exp(−A・Kp・f) Rg:ドット面積率=0のときの光反射率 Rp:各ドット面積率に対応して求めた光反射率 F:ドット面積率(0〜1) A:装置定数(本ケースでは0.810) f:ドットスクリーンの空間解像度(2.54cycl
e/mm)
【0042】なお、前記定数Aはサンプルの性状に依存
しない装置定数であって、均質な標準サンプルを用い
て、装置固有の定数として決定することができる。な
お、本試験では標準サンプルとして、酸化チタンを5%
含有した厚み100μmのポリエステルフィルムを用い
た。
【0043】標準サンプルを用いて装置定数Aを求める
方法は以下のとおりである。まず、J.C.Dainy著、Imagi
ng Science(Academic Press)p244記載の方法に従い、
標準サンプルのMTF(Modulation Transfer Factor)
を求め、次に下式(2)に最も近似するKpを求める。
【0044】 MTF(ω)=1/{1+(Kp・ω)2}・・・(2) Kp:標準サンプルの平均光移動距離 ω:MTFを測定した空間周波数
【0045】このようにして求めた標準サンプルの光反
射率を測定することにより、式(1)の関係から装置定
数を求めることができる。なお、本試験で用いた装置の
Aは、0.810であった。
【0046】2)見かけ密度 フィルムを10cm×10cmの正方形に正確に切り出
し、その厚みを50点測定して平均厚みt(単位μm)
を求める。次にサンプルの重量を0.1mgまで測定
し、w(単位g)とする。そして、下式によって見かけ
比重を計算した。見かけ密度(g/cm3)=(w/
t)×100・・・(3)
【0047】3)光反射率 JIS−A5759−1982に従い、波長450nm
での光反射率を測定した。
【0048】(実施例1) (1)空洞形成剤含有マスターペレット(A)の調整 原料として、メルトフローレート2.0のポリスチレン
樹脂(三井東圧社製:トーポレックス570−57U)
20重量%、メルトフローレート1.7のポリプロピレ
ン樹脂(三井東圧社製:ノーブレンFO−50F)20
重量%及びメルトフローレート180のポリメチルペン
テン樹脂(三井石油化学社製:TPX,DX−820)
60重量%をペレット混合し、2軸押出機に供給して十
分に混練りし、ストランドを冷却、切断して空洞形成剤
含有マスターペレット(A)を調整した。
【0049】(2)酸化チタン含有マスターペレット
(B)の調整 原料として、極限粘度0.62のポリエチレンテレフタ
レート樹脂49.5重量%に平均粒径0.3μm(電顕
法)のアナタース型二酸化チタン(富士チタン社製:T
A−300)50重量%及び蛍光増白剤(イーストマン
ケミカル社製:OB−1)0.5重量%を混合したもの
をベント式2軸押出機に供給して予備混練りした後、溶
融ポリマーを連続的にベント式単軸混練り機に供給して
混練りして酸化チタン含有マスターペレット(B)を調
整した。
【0050】(3)未延伸フィルムの製造 前記空洞形成剤含有マスターペレット(A)10重量%
と極限粘度0.62のポリエチレンテレフタレート樹脂
90重量%とをペレット混合して真空乾燥を施し、空洞
含有ポリエステル層の原料とした。一方、前記酸化チタ
ン含有マスターペレット(B)60重量%と極限粘度
0.75のポリエチレンテレフタレート樹脂40重量%
とをペレット混合して真空乾燥を施し、白色ポリエステ
ル層の原料とした。これらの原料を別々の押出機に供給
し、未延伸フィルムにおける空洞含有ポリエステル層
と、白色ポリエステル層との厚み比率が85対15とな
るようにフィードブロックで接合し、Tダイから30℃
に調節された冷却ドラム上に押し出し、厚み約1.6m
mで2層構成の未延伸フィルムを製造した。このとき、
白色ポリエステル層が冷却ドラム面となるようにした。
【0051】(4)2軸延伸フィルムの製造 得られた未延伸フィルムを、加熱ロールを用いて65℃
に均一加熱し、周速が異なる2対のニップロール(低速
ロール:1m/min.、高速ロール=3.4m/mi
n.)間で3.1倍に延伸した。このとき、フィルムの
補助加熱装置として、ニップロール中間部に金反射膜を
備えた赤外線加熱ヒータ(定格20W/cm)をフィル
ムの両面に対向して設置(フィルム表面から1cmの距
離)、加熱した。このとき、第1面側は定格の100%
で加熱し、第2面側は定格の40%(電流値)で加熱し
た。このようにして得られた1軸延伸フィルムをテンタ
ーに導き、150℃に加熱して3.7倍に横延伸し、幅
固定して220℃で30秒間の熱処理を施し、さらに2
10℃で幅方向に4%緩和させることにより、厚み18
8μmの白色ポリエステルフィルム(実施例1)を得
た。
【0052】(実施例2)白色ポリエステル層の原料と
して、前記酸化チタン含有マスターペレット(B)40
重量%と極限粘度0.75のポリエチレンテレフタレー
ト樹脂60重量%とをペレット混合して用いること及び
未延伸フィルムにおける空洞含有ポリエステル層と白色
ポリエステル層との厚み比率を75対25と変更するこ
と以外は、実施例1と同様の方法で、厚み188μmの
白色ポリエステルフィルム(実施例2)を得た。
【0053】(比較例1)空洞含有ポリエステル層の原
料単独で未延伸フィルムを製造すること及び赤外線加熱
ヒータの出力を両面ともに定格の80%(電流値)で加
熱すること以外は、実施例2と同様の方法で、白色ポリ
エステルフィルム(比較例1)を得た。
【0054】(比較例2)赤外線加熱ヒータの出力を両
面ともに定格の90%(電流値)で加熱すること以外
は、実施例2と同様の方法で、白色ポリエステルフィル
ム(比較例2)を得た。
【0055】このようにして得られた白色ポリエステル
フィルムの特性を表1に示す。表1から、以下のように
考察することができる。本発明の要件を満足する実施例
1及び実施例2の白色ポリエステルフィルムでは、光反
射率が優れていることがわかる。これに対し、第1面の
光反射率と第2面の光反射率が同じである比較例1の白
色ポリエステルフィルムは、第1面の光反射率が不十分
であることがわかる。また、第1面の光反射率が98%
に満たない比較例2の白色ポリエステルフィルムにおい
ては、たとえ第1面の光反射率が第2面の光反射率以上
であっても、高光反射率を得るという初期の目的が達成
できない。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明の白色ポリエステルフィルムによ
れば、第1面側が高い光反射率を有し、また、照明光の
入射面側への選択的な照明光の拡散・反射をすることが
でき、この白色ポリエステルフィルムを用いた光反射用
シートは、液晶ディスプレイの背面反射板などとして用
いた場合により明るい画面を得ることができ、また、こ
の白色ポリエステルフィルムを用いた印刷・記録用シー
トは優れた意匠性と明るさを有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 勝也 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 (72)発明者 西 睦夫 滋賀県大津市堅田二丁目1番1号 東洋紡 績株式会社総合研究所内 Fターム(参考) 4F074 AA02 AA24 AA26 AA32 AA48 AA65 AA70 AA77 AA87 AC17 CA03 DA59 4F100 AA21B AA21H AK01A AK07 AK08 AK12 AK41A AK41B AK42 AL05 BA02 CA13A CA13B DE01A DE01B DJ10A GB41 GB90 HB00A HB00B JA13A JA13B JB04A JB16A JL10A JL10B JN06A JN06B YY00A YY00B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1面の波長450nmの光における光
    反射率が98%以上であり、かつ、第2面の波長450
    nmの光における光反射率よりも大きいことを特徴とす
    る白色ポリエステルフィルム。
  2. 【請求項2】 第1面の平均光移動距離が0.15mm
    以上であり、かつ、第2面の平均光移動距離が0.15
    mm未満であることを特徴とする請求項1記載の白色ポ
    リエステルフィルム。
  3. 【請求項3】 見かけ密度が1.2g/cm3以下であ
    ることを特徴とする請求項1又は2記載の白色ポリエス
    テルフィルム。
  4. 【請求項4】 少なくとも2層構成からなる白色ポリエ
    ステルフィルムであって、ポリエステル樹脂中に微粒子
    状に分散したポリエステル樹脂に非相溶の熱可塑性樹脂
    に起因する空洞を層内に多数含有する、第1面を形成す
    る空洞含有ポリエステル層及び酸化チタン微粒子を10
    重量%以上含有する、第2面を形成する白色ポリエステ
    ル層を有することを特徴とする請求項1、2又は3記載
    の白色ポリエステルフィルム。
  5. 【請求項5】 第2面を形成する白色ポリエステル層の
    厚みが白色ポリエステルフィルムの厚みの3〜50%で
    あることを特徴とする請求項4記載の白色ポリエステル
    フィルム。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4又は5記載の白色
    ポリエステルフィルムを用いてなることを特徴とする光
    反射用シート。
  7. 【請求項7】 請求項1、2、3、4又は5記載の白色
    ポリエステルフィルムを用いてなることを特徴とする印
    刷・記録用シート。
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