JP2001224654A - 人体局部洗浄器 - Google Patents

人体局部洗浄器

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JP2001224654A
JP2001224654A JP2000369871A JP2000369871A JP2001224654A JP 2001224654 A JP2001224654 A JP 2001224654A JP 2000369871 A JP2000369871 A JP 2000369871A JP 2000369871 A JP2000369871 A JP 2000369871A JP 2001224654 A JP2001224654 A JP 2001224654A
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chloride
water
washing
washing water
supply unit
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JP2000369871A
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English (en)
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Masahiro Tokida
昌広 常田
Koji Oshima
功治 大島
Kenji Sakamoto
健二 坂元
Shigeru Ando
茂 安藤
Eriko Abe
エリ子 阿部
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水道原水を浄化するとともに塩化物を添加し
て、洗眼時等に刺激や異物感のない洗眼等に適した清浄
な水を簡便に供給することのできる人体局部洗浄器を提
供すること。 【解決手段】 人体局部洗浄器において、洗浄水に塩化
物を添加する塩化物供給部を設けた。これにより、体液
(涙液)に近い塩化物濃度の水であるため、洗眼時等の
刺激、異物感がなく洗浄できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘膜により保護さ
れている人体の局部を洗浄する人体局部洗浄器に関する
ものであり、好適には目の洗浄を行う洗眼器に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】洗眼は通常、上方向に吐水口が向いた水
栓を使用して、水道水により行われている。
【0003】しかし、水道原水には長時間滞留した場合
に繁殖した微生物や配管に発生した錆などの微粒子が存
在している場合があり、この原水にて直接洗眼すること
は目を洗浄するという目的に反して眼内に異物である微
粒子が混入するおそれがあった。
【0004】また、水道原水には残留塩素や塩素殺菌に
よる消毒副生成物が溶解しているため、洗眼に適した水
とは言えない。
【0005】この問題に対し、水栓に連結、水道水を浄
化し、粒子成分や残留塩素を除去した水を生成し、さら
に眼病予防や眼病治療を目的とした薬剤を添加する装置
を連結した洗眼器がいくつか開示されている。(特開平
7−290049、特開平9−108294)
【0006】また、洗眼水栓の原水入口側に浄水器を取
り付け、上方向に吐水するることにより、洗眼に適した
水を供給することのできる浄水器付き洗眼用水栓も開示
されている。(特開平9−215978)
【0007】さらに、排水タンクと収納部とにより構成
される容器と、該容器内に収容された洗浄液ボトルとに
より構成され、排水タンクの中央部に形成されたシャワ
ー部に導水管が接続され、前記収納部にはモーター部と
該モーター部により動作する送風ポンプとが配設され、
該送風ポンプには送風管が接続された携帯可能な洗眼器
も開示されている。(特開平9−225003)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような方法で水道原水を浄化した水や眼病予防や治療を
目的として薬剤を添加した水で洗眼した場合、目に刺激
や異物感がある。そのため、刺激や異物感を我慢した状
態で洗眼しなければならない。また、刺激や異物感があ
るため、十分な洗眼が行われない。
【0009】洗眼時の刺激や異物感は、目の保護をして
いる涙液の塩化物濃度と洗眼水の塩化物濃度が異なるた
めである。水道水、上記の方法で浄化した水、および薬
剤を添加した水を洗浄水に使用した場合、塩化物濃度は
0.01〜0.1wt%程度である。それに対し涙液を含
む体液の塩化物濃度は1wt%程度であるため、洗眼時、
洗浄水と涙液が混合されるため、眼内の涙液の塩化物濃
度が低下する。体細胞壁は半透膜であるため、塩化物濃
度が等しくなるように塩化物濃度の低い側から高い側へ
溶媒である水の移動が起こる。この結果、結膜の細胞壁
を通って水が浸透し、通常涙液で保護されている結膜に
刺激や異物感が発生する。
【0010】本発明はこのような問題を解決するために
なされたものであり、水道原水を浄化するとともに塩化
物を添加して、洗眼時に刺激や異物感のない洗眼等の粘
膜により保護されている人体局部の洗浄に適した清浄な
水を簡便に供給することのできる人体局部洗浄器を提供
することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段および作用・効果】上記課
題を解決するためになされた請求項1は、洗浄水に塩化
物を添加する塩化物供給部を備えたことを特徴とする人
体局部洗浄器を提供する。
【0012】本発明の人体局部洗浄器により、涙液等の
粘膜(体液)に近い塩化物濃度の水を供給吐水できる。
この結果、体液に近い塩化物濃度の水であるため、洗眼
時等の刺激、異物感がなく洗浄できる。
【0013】請求項2は、洗浄水に塩化物を添加する塩
化物供給部と洗浄水中の濁質を除去するろ過部を備えた
ことを特徴とする人体局部洗浄器を提供する。
【0014】本発明の人体局部洗浄器により、涙液等の
粘膜(体液)に近い塩化物濃度の水であり、かつろ過部
により洗浄水中の濁質を除去した水を調整できる。この
結果、体液に近い塩化物濃度の水であるため、洗眼時等
の刺激、異物感がなく洗浄でき、かつ洗浄に適した清浄
な水を供給吐水できる。
【0015】請求項3は、洗浄水に塩化物を添加する塩
化物供給部と洗浄水中の有害物質を除去する吸着部と洗
浄水中の濁質を除去するろか部を備えたことを特徴とす
る人体局部洗浄器を提供する。
【0016】本発明の人体局部洗浄器により、涙液等の
粘膜(体液)に近い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部
により洗浄水中の有害物質を除去し、ろ過部により濁質
を除去した浄化水を調整できる。この結果、体液に近い
塩化物濃度の水であるため、洗眼時等の刺激、異物感が
なく洗浄でき、かつ洗浄に適した清浄な水を供給吐水で
きる。
【0017】請求項4は、洗浄水に塩化物を添加する塩
化物供給部と洗浄水中の有害物質を除去する吸着部と洗
浄水中の濁質を除去するろか部と薬剤を添加する薬剤供
給部を備えたことを特徴とする人体局部洗浄器を提供す
る。
【0018】本発明の人体局部洗浄器により、涙液等の
粘膜(体液)に近い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部
により洗浄水中の有害物質を除去し、ろ過部により濁質
を除去した浄化水を調整できる。さらに眼病といった疾
病の予防や治療の目的で薬剤を含む洗浄水を調整でき
る。この結果、洗眼時等の刺激、異物感がなく、疾病予
防や治療の薬剤を添加した清浄な水を供給吐水できる。
【0019】請求項5は、洗浄水中の濁質を除去するろ
か部が、洗浄水中に塩化物を添加する塩化物供給部や洗
浄水中の有害物質を除去する吸着部や薬剤を添加する薬
剤供給部より洗浄水を吐水する側に配設したことを特徴
とする人体局部洗浄器を提供する。
【0020】本発明の人体局部洗浄器により、涙液等の
粘膜(体液)に近い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部
により洗浄水中の有害物質を除去し、ろ過部により濁質
を除去した浄化水を調整できる。さらに眼病といった疾
病の予防や治療の目的で薬剤を含む洗浄水を調整でき
る。この結果、洗眼時等の刺激、異物感がなく、疾病の
予防や治療の薬剤を添加した清浄な水を供給吐水でき
る。さらに、洗浄水中の濁質を除去するろか部を洗浄水
中に塩化物を添加する塩化物供給部や洗浄水中の有害物
質を除去する吸着部や薬剤を添加する薬剤供給部より洗
浄水を吐水する側に配設することにより、洗浄原水を水
道水とする場合、水道配管内や水栓内で水が長時間滞留
した場合に繁殖した微生物や配管に発生した錆などの微
粒子をろか除去できるとともに、人体局部洗浄器内、ま
たは貯留タンク内蔵人体局部洗浄器の場合のタンク内で
水が長時間滞留した場合に繁殖した微生物もろ過除去で
きる。
【0021】請求項6は、塩化物が塩化ナトリウムであ
ることを特徴とする人体局部洗浄器を提供する。
【0022】本発明により、涙液等の粘膜(体液)に近
い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部により洗浄水中の
有害物質を除去し、ろ過部により濁質を除去した浄化水
を調整できる。さらに眼病といった疾病の予防や治療の
目的で薬剤を含む洗浄水を調整できる。この結果、洗眼
時等の刺激、異物感がなく、疾病予防治療の薬剤を添加
した清浄な水を供給吐水できる。さらに、塩化物の例と
しては塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウ
ム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、等が挙げられるが、特
に塩化ナトリウムは潮解性もなく、水に可溶な塩化物で
あるとともに、涙液中に存在するイオン成分の中で最も
濃度が高い成分であり、一般的には食塩として容易に入
手が可能であるため、体液に最も近い成分の洗浄水を簡
便に調整できる。
【0023】請求項7は、洗浄水に塩化物を添加する塩
化物供給部と洗浄水中の有害物質を除去する吸着部と洗
浄水中の濁質を除去するろか部と薬剤を添加する供給部
が人体局部洗浄器本体から着脱可能な交換カートリッジ
とすることを特徴とする人体局部洗浄器を提供する。
【0024】本発明により、涙液等の粘膜(体液)に近
い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部により洗浄水中の
有害物質を除去し、ろ過部により濁質を除去した浄化水
を調整できる。さらに眼病等の疾病予防や治療の目的で
薬剤を含む洗浄水を調整できる。この結果、洗眼時等の
刺激、異物感がなく、疾病予防や治療の薬剤を添加した
清浄な水を供給吐水できる。さらに塩化物供給部、吸着
部、ろ過部、および薬剤供給部が人体局部洗浄器本体か
ら着脱可能な交換カートリッジにすることにより、塩化
物の供給能力、薬剤の供給能力、吸着能力、およびろ過
能力が低下した場合、カートリッジを交換することで、
各能力を通常の状態に維持することが簡便にできる。
【0025】請求項8は、洗浄水に塩化物を添加する塩
化物供給部に塩化物を、薬剤を添加する薬剤供給部に薬
剤を補充することが可能な構造とすることを特徴とする
人体局部洗浄器を提供する。
【0026】本発明により、涙液等の粘膜(体液)に近
い塩化物濃度の水であり、かつ吸着部により洗浄水中の
有害物質を除去し、ろ過部により濁質を除去した浄化水
を調整できる。さらに眼病等の疾病予防や治療の目的で
薬剤を含む洗浄水を調整できる。この結果、洗眼時等の
刺激、異物感がなく、疾病予防や治療の薬剤を添加した
清浄な水を供給吐水できる。さらに塩化物供給部に塩化
物を、薬剤供給部に薬剤を補充することが可能な構造と
することにより、塩化物供給部の塩化物がなくなり、供
給能力が低下した場合でも、塩化物を補充することで塩
化物の供給能力を通常の状態に維持することができる。
同様に薬剤供給部の薬剤がなくなり、供給能力が低下し
た場合でも、薬剤を補充することで薬剤の供給能力を通
常の状態に維持することが簡便にできる。
【0027】請求項9は、洗浄水に添加する塩化物濃度
を0.2〜5.0wt%とし、この洗浄水を洗眼に供す
ることを特徴とする人体局部洗浄器を提供する。
【0028】本発明により、涙液に近い塩化物濃度の水
であり、かつ吸着部により洗浄水中の有害物質を除去
し、ろ過部により濁質を除去した浄化水を調整できる。
さらに眼病予防や眼病治療の目的で薬剤を含む洗浄水を
調整できる。この結果、洗眼時の刺激、異物感がなく、
眼病予防や眼病治療の薬剤を添加した清浄な水を供給吐
水できる。さらに涙液中の塩化物濃度は1wt%程度であ
るため、洗浄水中の塩化物濃度を0.2〜5.0wt%
の範囲にすることにより、洗眼時の刺激、異物感がなく
洗眼できる。塩化物濃度が0.2wt%より低いと洗眼
時に刺激、異物感があり、5.0wt%を越えると同様
に洗眼時に刺激、異物感がある。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面を用
いて説明する。本実施例では主として本発明を洗眼器と
して利用した例を示したが、鼻腔洗浄に本発明を用いて
も洗眼と同様の効果を発揮することができる。さらに局
部洗浄装置の洗浄水に本発明の塩化物添加洗浄水を用い
た場合、肛門疾患のある人、特に切れ痔の人に対して
は、体液と同じ塩化物濃度の洗浄水であるため、刺激や
痛みがなく洗浄できる。そのため、本発明を局部洗浄装
置の洗浄水水質改質器として使用できる。
【0030】図1は本発明に係わる洗眼器の実施例1で
ある。本実施例は水栓吐水部に取り付ける方式の洗眼器
である。洗眼器本体10内に洗眼水中に塩化物を添加す
る塩化物供給部20、洗浄水中の有害物質を除去する吸
着部22、濁質を除去するろ過部24、および薬剤を添
加する薬剤供給部26が配設されている。水栓吐水部6
から供給される水道水は、洗眼器10の水栓取り付け部
12から洗眼器本体10へ流入し、塩化物供給部20、
吸着部22、薬剤供給部26、ろ過部24の順に流れ、
本体吐水部14から洗眼水が吐水される。
【0031】本実施例では定流量弁30を配設していな
いため、水栓の開閉弁4の調節により、洗眼水の吐水量
を調整する方法としているが、定流量弁5を配設するこ
とにより給水圧変動や水栓の開閉弁4の調節なしに洗眼
に適した一定吐水量にする方法も可能である。また、洗
眼器本体10に吐水量調整弁を配設することで、好みの
吐水量にする方法も可能である。さらに、温度作動弁3
4を配設することで、水栓から熱水が流入した場合で
も、温度作動弁34の開閉により、やけど防止機構を備
えた洗眼器とすることも可能である。図2に定流量弁3
0と温度作動弁34を備えた洗眼器を示した。なお温度
作動弁34は水栓取り付け部12近傍の配置が、洗眼器
本体10へ熱水流入することを防止する観点から望まし
い。また、定流量弁30は、洗眼器内の通水経路いずれ
の位置でも問題ない。
【0032】本実施例では塩化物供給部20、吸着部2
2、薬剤供給部26、およびろ過部24すべてを含む構
成としたが、洗眼だけを目的とする場合、薬剤供給部2
6のない塩化物供給部20、吸着部22、およびろ過部
24を構成要素とする洗眼器や、薬剤供給部26と吸着
部22のない塩化物供給部20とろ過部24の構成の洗
眼器、さらに塩化物供給部20のみの洗眼器とすること
も可能である。
【0033】各構成要素の洗眼器本体内での配置である
が、水栓取り付け部12に近い方から塩化物供給部2
0、または吸着部22、次に薬剤供給部26、最後にろ
過部24の構成順、または水栓取り付け部12から吸着
部22、薬剤供給部26、塩化物供給部20、最後にろ
過部24の構成順が望ましい。
【0034】洗眼器の吐水部側にろ過部24を設けるこ
とは、洗浄原水を水道水とする場合、水道配管内や水栓
内で水が長時間滞留した場合に繁殖した微生物や配管に
発生した錆などの微粒子をろ過除去できるとともに、洗
眼器内で水が長時間滞留した場合に繁殖した微生物も最
後に設置されたろ過部24で除去できる。
【0035】また、吸着部22の前に薬剤供給部26を
配する構成順では、添加した薬剤が吸着部22で除去さ
れる場合があるため、望ましくない。
【0036】塩化物供給部20には粉末塩化物、粒状塩
化物、成形した塩化物、または液状の塩化物が納められ
ている。塩化物として塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛が挙げら
れるが、塩化亜鉛は高濃度領域、または水道水の水質に
より析出し、着色するため、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムが塩化
物としては望ましい。塩化物として粉末、粒状、および
成形体のような固体を用いる場合は、塩化マグネシウム
と塩化カルシウムは水分を吸収する潮解性があるため、
取り扱いが難しく、個体塩化物としては塩化ナトリウム
や塩化カリウムが望ましい。さらに、塩化ナトリウムは
涙液を含む体液の成分として、含有濃度が高い無機化学
種成分であることと、食塩として入手が容易であるため
洗眼器の塩化物としては最適である。
【0037】洗眼時に刺激や異物感のない塩化物濃度
は、涙液の塩化物濃度に近い0.2〜5.0wt%であ
るが、涙液が1wt%程度であるため、洗浄水中の塩化
物濃度も同等にするのが望ましい。
【0038】吸着部22は残留塩素除去効果があり、水
道水中の有害物質を吸着除去する粉末状、粒状、成形
状、または繊維状の活性炭のような多孔質吸着材を使用
するのが望ましい。吸着部にアスコルビン酸や亜硫酸カ
ルシウムのような残留塩素除去効果のある還元剤や銅の
ような残留塩素除去効果のある金属を使用することもで
きるが、その場合は残留塩素除去のみの効果で水道水中
の有害物質除去はできない。また、ゼオライトやアパタ
イトのような吸着剤は残留塩素除去はできないが、水中
の有害物質除去を目的に使用することはできる。残留塩
素除去性能のみのアスコルビン酸や有害物質除去性能の
みのゼオライトは、残留塩素除去と有害物質除去の両方
を必要とする場合は組み合わせて使用するのが望まし
い。
【0039】薬剤供給部26には、ホウ酸、塩化ベンザ
ルコニウムのような殺菌、消毒効果のあるの粉末剤、粒
状剤、または溶液を用いる。
【0040】ろ過部24には、樹脂や金属メッシュフィ
ルター、糸巻きフィルター、および不織布フィルター、
または樹脂製の中空糸膜フィルターを用いる。微生物や
錆などの粒子成分をろ過する性能、ろ過フィルターの寿
命、およびフィルターの大きさを考慮すると、中空糸膜
フィルターが、ろ過性能と寿命や大きさに影響するろ過
面積の点で優れていることから最適である。
【0041】各構成要素での水の流れ、塩化物の添加、
残留塩素と有害物質の除去、薬剤の添加、およびろ過部
での除去方法を説明する。
【0042】水栓取り付け部12から流入した水道水
は、塩化物供給部20で塩化物、例えば塩化ナトリウム
が添加される。個体塩化ナトリウムを用いた場合は、塩
化ナトリウムが水と接触することにより溶解し、一定濃
度の塩化ナトリウムを含む洗浄水を得ることができる。
【0043】次に塩化ナトリウムが添加された洗浄水
は、吸着部22で水道水中に含まれる残留塩素が吸着
材、例えば活性炭で除去され、さらに溶解している有害
物質も除去される。結果、塩化ナトリウムを含み、残留
塩素や有害物質が除去された洗浄水が得られる。
【0044】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去された洗浄水は、薬剤供給部26で例えば
ホウ酸のような殺菌、消毒剤が添加される。固体薬剤を
用いた場合は、薬剤が水と接触することにより溶解し、
一定濃度の薬剤を含む洗浄水を得ることができる。
【0045】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去され、さらに薬剤が添加された洗浄水は、
ろ過部24、例えば中空糸フィルターにより微生物や錆
などの粒子成分がろ過除去される。結果、塩化ナトリウ
ムを含み、残留塩素や有害物質が除去され、薬剤を含
み、さらに微生物や錆などの粒子成分がろ過除去された
洗眼に適した洗浄水が得られる。
【0046】上記の方法で処理された洗眼に適した洗浄
水が、洗眼器の本体吐水部14から吐水する。吐水部1
4の形状は、上方向に向いた吐水口から洗浄水が吐水さ
れ、一穴吐水より複数の穴から吐水する方が、洗浄面積
が広がり洗眼に適している。また、洗浄水にエゼクター
効果や空気ポンプを利用することで気泡混入し吐水する
方法も、洗眼時のソフト感があり洗浄水には適してい
る。
【0047】結果、本実施例1の洗眼器により、一定量
の塩化物と薬剤を含み、水道水中の残留塩素や有害物質
を除去し、さらに微生物や錆などの微粒子を除去した洗
浄水が得られるため、洗眼時に刺激や異物感がなく、眼
病予防や眼病治療の薬剤を添加した清浄で洗眼に適した
水で洗眼できる。
【0048】また、本実施例1に流路切り替えバルブを
備えることで、洗眼時に上記処理をした洗浄水を吐水す
るだけでなく、上記処理されていない水道水が必要な場
合でも水道水原水を洗眼器より吐水することもできる。
さらに、塩化物供給部20と薬剤供給部22を経由しな
い通水経路を設けることで、吸着部22とろ過部24の
みで浄化された水を得ることができるため浄水器として
の使用も可能となる。
【0049】塩化物供給部20、吸着部22、薬剤供給
部26、およびろ過部を洗眼器本体10から着脱可能な
交換カートリッジ60とする場合であるが、実施例では
各構成要素が一体となった交換カートリッジ60であ
る。各構成要素を個別に、または組み合わせた交換カー
トリッジとすることも可能である。
【0050】塩化物供給部20、吸着部22、薬剤供給
部26、およびろ過部24を交換カートリッジ60にす
ることにより、塩化物の供給能力、薬剤の供給能力、吸
着能力、およびろ過能力が低下した場合、カートリッジ
を交換することで、各能力を通常の状態に維持すること
が簡便にできる。
【0051】図3は塩化物供給部20に塩化物を、薬剤
供給部26に薬剤を補充することが可能な構造の洗眼器
の詳細図である。洗眼器本体外側に塩化物や薬剤を補充
できる補充口36を設けてある。使用時には補充口36
は閉じることができる構造とし、補充時に補充口36の
ふた38を開け塩化物や薬剤を補充する。補充後には補
充口36を閉じる。
【0052】塩化物供給部20の塩化物がなくなり、供
給能力が低下した場合でも、塩化物を補充することで塩
化物の供給能力を通常の状態に維持することができる。
同様に薬剤供給部26の薬剤がなくなり、供給能力が低
下した場合でも、薬剤を補充することで薬剤の供給能力
を通常の状態に維持することが簡便にできる。
【0053】図4は本発明に係わる洗眼器の実施例2で
ある。本実施例は洗眼機能付き水栓40である。実施例
1の塩化物供給部20、吸着部22、薬剤供給部26、
およびろ過部24が水栓内に設置されている構造であ
る。洗眼器の機能部が水栓開閉弁4の後段である水栓吐
水部6側に配設された構造で、給水配管2から水栓へ供
給される水道水が水栓開閉弁4を通過し、機能部内の洗
眼水中に塩化物を添加する塩化物供給部20、洗浄水中
の有害物質を除去する吸着部22、薬剤を添加する薬剤
供給部26、および濁質を除去するろ過部24を経由し
て水栓吐水部6より洗眼水が吐水される。
【0054】本実施例2では、定流量弁30を配設して
いないため、水栓の開閉弁4の調節により、洗眼水の吐
水量を調整する方法としているが、定流量弁30を配設
することにより給水圧変動や水栓の開閉弁4の調節なし
に洗眼に適した一定吐水量にする方法も可能である。さ
らに温度作動弁34を配設することで、給水配管2から
水栓の開閉弁4を経由して熱水が流入する状況であって
も、温度作動弁34の開閉により、熱水吐水を防止する
やけど防止機構を備えた洗眼機能付き水栓40とするこ
とも可能である。図5は定流量弁30と温度作動弁34
を備えた洗眼機能付き水栓40である。なお温度作動弁
34の位置は水栓開閉弁4と洗眼機能部との間が、洗眼
機能部へ熱水が流入することを防止する観点から望まし
い。また、定流量弁30は、水栓開閉弁4と吐水部6の
間の配置であればいずれの位置でも問題ない。
【0055】本実施例2では塩化物供給部20、吸着部
22、薬剤供給部26、およびろ過部24すべてを含む
構成としたが、洗眼だけを目的とする場合、薬剤供給部
26のない塩化物供給部20、吸着部22、およびろ過
部24を構成要素とする洗眼機能付き水栓40や、薬剤
供給部26と吸着部22のない塩化物供給部20とろ過
部24の構成の洗眼機能付き水栓40、さらに塩化物供
給部20のみの洗眼機能付き水栓40とすることも可能
である。
【0056】各構成要素の水栓本体内での位置である
が、水栓開閉弁4に近い方から塩化物供給部20、また
は吸着部22、次に薬剤供給部26、最後にろ過部24
の構成順、または水栓開閉弁4に近い方から吸着部2
2、薬剤供給部26、塩化物供給部20、最後にろ過部
24の構成順が望ましい。
【0057】洗眼機能付き水栓42の吐水部42側にろ
過部24を設けることは、洗浄原水を水道水とする場
合、水道配管内で水が長時間滞留した場合に繁殖した微
生物や配管に発生した錆などの微粒子をろ過除去できる
とともに、各構成要素内で水が長時間滞留した場合に繁
殖した微生物も最後に設置されたろ過部24で除去でき
る。
【0058】また、吸着部22の前に薬剤供給部26を
配する構成順では、添加した薬剤が吸着部22で除去さ
れる場合があるため、望ましくない。
【0059】塩化物供給部20には粉末塩化物、粒状塩
化物、成形した塩化物、または液状の塩化物が納められ
ている。塩化物として塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛が挙げら
れるが、塩化亜鉛は高濃度領域、または水道水の水質に
より析出し、着色するため、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムが塩化
物としては望ましい。塩化物として粉末、粒状、および
成形体のような固体を用いる場合は、塩化マグネシウム
と塩化カルシウムは水分を吸収する潮解性があるため、
取り扱いが難しく、個体塩化物としては塩化ナトリウム
や塩化カリウムが望ましい。さらに、塩化ナトリウムは
涙液を含む体液の成分として、濃度が高い無機化学種成
分であることと、食塩として入手が容易であるため洗眼
器の塩化物としては最適である。
【0060】洗眼時に刺激や異物感のない塩化物濃度
は、涙液の塩化物濃度に近い0.2〜5.0wt%であ
るが、涙液が1wt%程度であるため、洗浄水中の塩化
物濃度も同等にするのが望ましい。
【0061】吸着部22は残留塩素除去効果があり、水
道水中の有害物質を吸着除去する粉末状、粒状、成形
状、または繊維状の活性炭のような多孔質吸着材を使用
するのが望ましい。吸着部22にアスコルビン酸や亜硫
酸カルシウムのような残留塩素除去効果のある還元剤や
銅のような残留塩素除去効果のある金属を使用すること
もできるが、その場合は残留塩素除去のみの効果で水道
水中の有害物質除去はできない。また、ゼオライトやア
パタイトのような吸着材は残留塩素除去はできないが、
水中の有害物質除去を目的に使用することはできる。残
留塩素除去性能のみのアスコルビン酸や有害物質除去性
能のみのゼオライトは、残留塩素除去と有害物質除去の
両方を目的とする場合は、組み合わせて使用するのが望
ましい。
【0062】薬剤供給部26には、ホウ酸、塩化ベンザ
ルコニウムのような殺菌、消毒効果のあるの粉末剤、粒
状剤、または溶液を用いる。
【0063】ろ過部24には、樹脂や金属メッシュフィ
ルター、糸巻きフィルター、および不織布フィルター、
または樹脂製の中空糸膜フィルターを用いる。微生物や
錆などの粒子成分をろ過する性能、ろ過フィルターの寿
命、およびフィルターの大きさを考慮すると、中空糸膜
フィルターが、ろ過性能と寿命や大きさに影響するろ過
面積の点で優れていることから最適である。
【0064】各構成要素での水の流れ、塩化物の添加、
残留塩素と有害物質の除去、薬剤の添加、およびろ過部
での除去方法を説明する。
【0065】水栓開閉弁4から流入した水道水は、塩化
物供給部20で塩化物、例えば塩化ナトリウムが添加さ
れる。個体塩化ナトリウムを用いた場合は、塩化ナトリ
ウムが水と接触することにより溶解し、一定濃度の塩化
ナトリウムを含む洗浄水を得ることができる。
【0066】次に塩化ナトリウムが添加された洗浄水
は、吸着部22で水道水中に含まれる残留塩素が吸着
材、例えば活性炭で除去され、さらに溶解している有害
物質も除去される。結果、塩化ナトリウムを含み、残留
塩素や有害物質が除去された洗浄水が得られる。
【0067】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去された洗浄水は、薬剤供給部26で例えば
ホウ酸のような殺菌、消毒剤が添加される。固体薬剤を
用いた場合は、薬剤が水と接触することにより溶解し、
一定濃度の薬剤を含む洗浄水を得ることができる。
【0068】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去され、さらに薬剤が添加された洗浄水は、
ろ過部24、例えば中空糸フィルターにより微生物や錆
などの粒子成分がろ過除去される。結果、塩化ナトリウ
ムを含み、残留塩素や有害物質が除去され、薬剤を含
み、さらに微生物や錆などの粒子成分がろ過除去された
洗眼に適した洗浄水が得られる。
【0069】上記の方法で処理された洗眼に適した洗浄
水が、水栓本体吐水部42から吐水する。吐水方向は、
上方向に向いたものか方向を可変できる構造とするのが
望ましい。つまり洗眼時は上方向吐水で、通常、手洗い
などに使用するときは下方向に吐水できる構造とする。
吐水部42の形状は、上方向に向いた吐水口から洗浄水
が吐水され、一穴吐水より複数の穴から吐水する方が、
洗浄面積が広がり洗眼に適している。また、洗浄水にエ
ゼクター効果や空気ポンプを利用することで気泡混入し
吐水する方法も、洗眼時のソフト感があり洗浄水には適
している。
【0070】結果、本実施例2の洗眼機能付き水栓40
により、一定量の塩化物と薬剤を含み、水道水中の残留
塩素や有害物質を除去し、さらに微生物や錆などの微粒
子を除去した洗浄水が得られるため、洗眼時に刺激や異
物感がなく、眼病予防や眼病治療の薬剤を添加した清浄
で洗眼に適した水で洗眼できる。
【0071】また、本実施例1に流路切り替えバルブを
備えることで、洗眼時に上記処理をした洗浄水を吐水す
るだけでなく、上記処理されていない水道水が必要な場
合でも水道原水を洗眼機能付き水栓より吐水することも
できる。さらに、塩化物供給部20と薬剤供給部26を
経由しない通水経路を設けることで、吸着部22とろ過
部24のみで浄化された水を得ることができるため浄水
機能付き水栓としての使用も可能となる。
【0072】洗眼機能付き水栓40において、塩化物供
給部20、吸着部22、薬剤供給部26、およびろ過部
24が着脱可能な交換カートリッジとする場合である
が、実施例では各構成要素が一体となった交換カートリ
ッジ60である。各構成要素を個別に、または組み合わ
せた交換カートリッジとすることも可能である。
【0073】塩化物供給部20、吸着部22、薬剤供給
部26、およびろ過部24を交換カートリッジ60にす
ることにより、塩化物の供給能力、薬剤の供給能力、吸
着能力、およびろ過能力が低下した場合、カートリッジ
を交換することで、各能力を通常の状態に維持すること
が簡便にできる。
【0074】図6は塩化物供給部20に塩化物を、薬剤
供給部26に薬剤を補充することが可能な構造の洗眼機
能付き水栓40の詳細図である。水栓外側に塩化物や薬
剤を補充できる補充口36を設けてある。使用時には補
充口36は閉じることができる構造とし、補充時に補充
口36のふた38を開け塩化物や薬剤を補充する。補充
後には補充口36を閉じる。
【0075】塩化物供給部20の塩化物がなくなり、供
給能力が低下した場合でも、塩化物を補充することで塩
化物の供給能力を通常の状態に維持することができる。
同様に薬剤供給部26の薬剤がなくなり、供給能力が低
下した場合でも、薬剤を補充することで薬剤の供給能力
を通常の状態に維持することが簡便にできる。
【0076】図7は本発明に係わる洗眼器の実施例3で
ある。本実施例は携帯用の洗眼器50である。洗眼器本
体10内に洗眼水中に塩化物を添加する塩化物供給部2
0、洗浄水中の有害物質を除去する吸着部22、濁質を
除去するろ過部24、薬剤を添加する薬剤供給部26、
貯水タンク52、送液ポンプ54、ポンプを駆動する電
源56、および送液ポンプを制御する制御部58が配設
されている。送液ポンプ54、ポンプを駆動する電源5
6、および送液ポンプを制御する制御部58は電気的に
接続されている。貯水タンク52から送液ポンプ54に
より送液される水は、塩化物供給部20、吸着部22、
薬剤供給部26、ろ過部24の順に流れ、本体吐水部1
4から洗眼水が吐水される。さらに洗眼器本体50に吐
水量調整弁を配設することで、好みの吐水量にする方法
も可能である。
【0077】本実施例では塩化物供給部20、吸着部2
2、薬剤供給部26、およびろ過部24すべてを含む構
成としたが、洗眼だけを目的とする場合、薬剤供給部2
6のない塩化物供給部20、吸着部22、およびろ過部
24を構成要素とする携帯用洗眼器50や、薬剤供給部
26と吸着部22のない塩化物供給部20とろ過部24
の構成の携帯用洗眼器50、さらに塩化物供給部20の
みの携帯用洗眼器50とすることも可能である。
【0078】各構成要素の洗眼器本体内での配置である
が、貯水タンク52と送液ポンプ54に近い方から塩化
物供給部20、または吸着部22、次に薬剤供給部2
6、最後にろ過部24の構成順、または貯水タンク52
と送液ポンプ54に近い方から吸着部22、薬剤供給部
26、塩化物供給部20、最後にろ過部24の構成順が
望ましい。
【0079】洗眼器の吐水部14側にろ過部24を設け
ることは、洗浄原水を水道水とする場合、水道配管内や
水栓内で水が長時間滞留した場合に繁殖した微生物や配
管に発生した錆などの微粒子を洗眼器内の貯水タンク5
2に入れた場合でも、ろ過除去できるとともに、洗眼器
内の貯水タンク52や流路で水が長時間滞留した場合に
繁殖した微生物も最後に設置されたろ過部24で除去で
きる。
【0080】また、吸着部22の前に薬剤供給部26を
配する構成順では、添加した薬剤が吸着部22で除去さ
れる場合があるため、望ましくない。
【0081】塩化物供給部20には粉末塩化物、粒状塩
化物、成形した塩化物、または液状の塩化物が納められ
ている。塩化物として塩化ナトリウム、塩化カリウム、
塩化マグネシウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛が挙げら
れるが、塩化亜鉛は高濃度領域、または水道水の水質に
より析出し、着色するため、塩化ナトリウム、塩化カリ
ウム、塩化マグネシウム、および塩化カルシウムが塩化
物としては望ましい。塩化物として粉末、粒状、および
成形体のような固体を用いる場合は、塩化マグネシウム
と塩化カルシウムは水分を吸収する潮解性があるため、
取り扱いが難しく、個体塩化物としては塩化ナトリウム
や塩化カリウムが望ましい。さらに、塩化ナトリウムは
涙液を含む体液の成分として、濃度が高い無機化学種成
分であることと、食塩として入手が容易であるため洗眼
器の塩化物としては最適である。
【0082】洗眼時に刺激や異物感のない塩化物濃度
は、涙液の塩化物濃度に近い0.2〜5.0wt%であ
るが、涙液が1wt%程度であるため、洗浄水中の塩化
物濃度も同等にするのが望ましい。
【0083】吸着部22は残留塩素除去効果があり、水
道水中の有害物質を吸着除去する粉末状、粒状、成形
状、または繊維状の活性炭のような多孔質吸着材を使用
するのが望ましい。吸着部22にアスコルビン酸や亜硫
酸カルシウムのような残留塩素除去効果のある還元剤や
銅のような残留塩素除去効果のある金属を使用すること
もできるが、その場合は残留塩素除去のみの効果で水道
水中の有害物質除去はできない。また、ゼオライトやア
パタイトのような吸着材は残留塩素除去はできないが、
水中の有害物質除去を目的に使用することはできる。残
留塩素除去性能のみのアスコルビン酸や有害物質除去性
能のみのゼオライトは、残留塩素除去と有害物質除去の
両方を目的とする場合は組み合わせて使用するのが望ま
しい。
【0084】薬剤供給部26には、ホウ酸、塩化ベンザ
ルコニウムのような殺菌、消毒効果のあるの粉末剤、粒
状剤、または溶液を用いる。
【0085】ろ過部24には、樹脂や金属メッシュフィ
ルター、糸巻きフィルター、および不織布フィルター、
または樹脂製の中空糸膜フィルターを用いる。微生物や
錆などの粒子成分をろ過する性能、ろ過フィルターの寿
命、およびフィルターの大きさを考慮すると、中空糸膜
フィルターが、ろ過性能と寿命や大きさに影響するろ過
面積の点で優れていることから最適である。
【0086】各構成要素での水の流れ、塩化物の添加、
吸着部22での残留塩素と有害物質の除去、薬剤の添
加、およびろ過部24での除去方法を説明する。
【0087】貯水タンク52から送液ポンプ54により
送液された水は、塩化物供給部20で塩化物、例えば塩
化ナトリウムが添加される。個体塩化ナトリウムを用い
た場合は、塩化ナトリウムが水と接触することにより溶
解し、一定濃度の塩化ナトリウムを含む洗浄水を得るこ
とができる。
【0088】次に塩化ナトリウムが添加された洗浄水
は、吸着部22で水道水を原水とした場合、含まれる残
留塩素が吸着材、例えば活性炭で除去され、さらに溶解
している有害物質も除去される。結果、塩化ナトリウム
を含み、残留塩素や有害物質が除去された洗浄水が得ら
れる。
【0089】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去された洗浄水は、薬剤供給部26で例えば
ホウ酸のような殺菌、消毒剤が添加される。固体薬剤を
用いた場合は、薬剤が水と接触することにより溶解し、
一定濃度の薬剤を含む洗浄水を得ることができる。
【0090】次に塩化ナトリウムを含み、残留塩素や有
害物質が除去され、さらに薬剤が添加された洗浄水は、
ろ過部24、例えば中空糸フィルターにより微生物や錆
などの粒子成分がろ過除去される。結果、塩化ナトリウ
ムを含み、残留塩素や有害物質が除去され、薬剤を含
み、さらに微生物や錆などの粒子成分がろ過除去された
洗眼に適した洗浄水が得られる。
【0091】上記の方法で処理された洗眼に適した洗浄
水が、洗眼器の本体吐水部14から吐水する。吐水部の
形状は、上方向に向いた吐水口から洗浄水が吐水され、
一穴吐水より複数の穴から吐水する方が、洗浄面積が広
がり洗眼に適している。また、洗浄水にエゼクター効果
や空気ポンプを利用することで気泡混入し吐水する方法
も、洗眼時のソフト感があり洗浄水には適している。
【0092】結果、本実施例3の携帯用洗眼器50によ
り、一定量の塩化物と薬剤を含み、水道水中の残留塩素
や有害物質を除去し、さらに微生物や錆などの微粒子を
除去した洗浄水が得られるため、洗眼時に刺激や異物感
がなく、眼病予防や眼病治療の薬剤を添加した清浄で洗
眼に適した水で洗眼できる。
【0093】携帯用洗眼器50において、塩化物供給部
20、吸着部22、薬剤供給部26、およびろ過部24
が着脱可能な交換カートリッジとする場合であるが、実
施例では各構成要素が一体となった交換カートリッジ6
0である。各構成要素を個別に、または組み合わせた交
換カートリッジとすることも可能である。
【0094】塩化物供給部20、吸着部22、薬剤供給
部26、およびろ過部24を交換カートリッジ60にす
ることにより、塩化物の供給能力、薬剤の供給能力、吸
着能力、およびろ過能力が低下した場合、カートリッジ
を交換することで、各能力を通常の状態に維持すること
が簡便にできる。
【0095】図8は塩化物供給部20に塩化物を、薬剤
供給部26に薬剤を補充することが可能な構造の携帯用
洗眼器50の詳細図である。洗眼器本体外側に塩化物や
薬剤を補充できる補充口36を設けてある。使用時には
補充口36を閉じることができる構造とし、補充時に補
充口36のふた38を開け塩化物や薬剤を補充する。補
充後には補充口36を閉じる。
【0096】塩化物供給部20の塩化物がなくなり、供
給能力が低下した場合でも、塩化物を補充することで塩
化物の供給能力を通常の状態に維持することができる。
同様に薬剤供給部26の薬剤がなくなり、供給能力が低
下した場合でも、薬剤を補充することで薬剤の供給能力
を通常の状態に維持することが簡便にできる。
【0097】図9は本発明に係わる洗眼器の塩化物供給
部20の実施例である。固体塩化物66を内蔵したカー
トリッジの開口部64を通水方向の上流側に配設する。
カートリッジ内は固体塩化物66と塩化物飽和溶液68
で満たされているため、洗眼器に通水することにより、
塩化物飽和溶液68が水道水に添加され塩化物を含む洗
浄水が洗眼器から吐水される。
【0098】カートリッジ内の固体塩化物66は水道水
に徐放し、溶解することで塩化物飽和溶液68となる。
塩化ナトリウムの場合、溶解度が35.9g/100g
水(25℃)であるため、塩化物飽和溶液の濃度は2
6.4wt%となる。カートリッジ内の塩化物飽和溶液
68は塩化物供給部20で水道水に添加され、洗浄に適
した濃度の洗浄水が生成する。
【0099】塩化物濃度は塩化物飽和溶液68の添加量
により決まり、開口部断面積72、開口部厚み74によ
り設定できる。例えば開口部断面積72を大きくすると
添加量は増え、結果、洗浄水中の塩化物濃度は高くな
る。また、開口部厚み74を厚くすると添加量は減少
し、結果、洗浄水中の塩化物濃度は低くなる。
【0100】図10に開口部断面積72を変えた場合の
開口部断面積72と洗浄水の塩化物濃度の関係を示し
た。塩化物濃度は開口部断面積72が増加すると高くな
る傾向がある。また、図11に開口部厚み74を変えた
場合の開口部厚み74と洗浄水の塩化物濃度の関係を示
した。塩化物濃度は開口部厚みが薄くなると増加する傾
向がある。
【0101】また、洗浄水の通水量が変化した場合、添
加量も比例変化する。つまり通水量が増加すると添加量
も比例して増加するため、塩化物濃度は通水量が変化し
ても一定となる。
【0102】例えば、塩化ナトリウム濃度1wt%の洗
浄水を得るためには、開口部厚み72が0.4cmの場
合、図10から開口部断面積72を1.2cm2とすれ
ば良いことになる。このような開口部断面積72とする
ことにより、塩化ナトリウム溶液が0.04L/min
の流量で添加されることになり、洗浄水の塩化ナトリウ
ム濃度が1wt%となる。
【0103】また、薬剤供給部26を塩化物供給部20
と同じ構成にすることにより、薬剤の濃度も調整でき
る。
【0104】さらに、塩化物濃度を精度良く調整したい
場合には、塩化物濃度により電気伝導度が比例変化する
ことを利用して、塩化物濃度を調整する方法もある。つ
まり、カートリッジの開口部に開口部断面積調整バルブ
を、塩化物を添加した洗浄水が通過する流路に電気伝導
度を測定する電極を配設し、電気伝導度に応じて開口部
断面積調整バルブを開閉し、開口部断面積を調節するこ
とにより、洗浄水中の塩化物濃度を変化させることがで
きる。
【0105】結果、本実施例の塩化物供給部を配設する
ことにより、一定量の塩化物と薬剤を含み、水道水中の
残留塩素や有害物質を除去し、さらに微生物や錆などの
微粒子を除去した洗浄水が得られるため、洗眼時に刺激
や異物感がなく、眼病予防や眼病治療の薬剤を添加した
清浄で洗眼に適した水で洗眼できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる洗眼器の実施例1の構成図であ
る。
【図2】本発明に係わる洗眼器の実施例1の別の構成図
である。
【図3】本発明に係わる洗眼器の実施例1の補充口を備
えた構成図である。
【図4】本発明に係わる洗眼器の実施例2の構成図であ
る。
【図5】本発明に係わる洗眼器の実施例2の別の構成図
である。
【図6】本発明に係わる洗眼器の実施例2の補充口を備
えた構成図である。
【図7】本発明に係わる洗眼器の実施例3の構成図であ
る。
【図8】本発明に係わる洗眼器の実施例3の補充口を備
えた構成図である。
【図9】本発明に係わる塩化物供給部の実施例の構成図
である。
【図10】本発明に係わる薬剤供給部の開口断面積と洗
浄水の塩化物濃度の関係である。
【図11】本発明に係わる薬剤供給部の開口部厚みと洗
浄水の塩化物濃度の関係である。
【符号の説明】
2:給水配管 4:水栓開閉弁 6:水栓吐水部 10:洗眼器本体 12:水栓取り付け部 14:洗眼器本体吐水部 20:塩化物供給部 22:吸着部 24:ろ過部 26:薬剤供給部 30:定流量弁 32:吐水量調整弁 34:温度作動弁 36:補充口 38:補充口ふた 40:洗眼機能付き水栓 42:洗眼機能付き水栓吐水部 50:携帯用洗眼器 52:貯水タンク 54:送液ポンプ 56:電源 58:制御部 60:交換カートリッジ 64:開口部 66:固体塩化物 68:塩化物飽和溶液 72:開口部断面積 74:開口部厚み
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C02F 1/68 530 C02F 1/68 540A 540 540Z 1/44 B // C02F 1/44 A61H 33/04 K (72)発明者 安藤 茂 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内 (72)発明者 阿部 えり子 福岡県北九州市小倉北区中島2丁目1番1 号 東陶機器株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 洗浄水に塩化物を添加する塩化物供給部
    を備えたことを特徴とする人体局部洗浄器。
  2. 【請求項2】 洗浄水に塩化物を添加する塩化物供給部
    と洗浄水中の濁質を除去するろか部を備えたことを特徴
    とする人体局部洗浄器。
  3. 【請求項3】 洗浄水に塩化物を添加する塩化物供給部
    と洗浄水中の有害物質を除去する吸着部と洗浄水中の濁
    質を除去するろか部を備えたことを特徴とする人体局部
    洗浄器。
  4. 【請求項4】 洗浄水に塩化物を添加する塩化物供給部
    と洗浄水中の有害物質を除去する吸着部と洗浄水中の濁
    質を除去するろか部と薬剤を添加する薬剤供給部を備え
    たことを特徴とする人体局部洗浄器。
  5. 【請求項5】 洗浄水中の濁質を除去するろか部が、洗
    浄水中に塩化物を添加する塩化物供給部や洗浄水中の有
    害物質を除去する吸着部や薬剤を添加する薬剤供給部よ
    り洗浄水を吐水する側に配設したことを特徴とする請求
    項2、3、4に記載の人体局部洗浄器。
  6. 【請求項6】 前記塩化物が塩化ナトリウムであること
    特徴とする請求項1乃至5に記載の人体局部洗浄器。
  7. 【請求項7】 前記洗浄水に塩化物を添加する塩化物供
    給部が人体局部洗浄器本体から取り外し可能な交換カー
    トリッジとすることを特徴とする請求項1乃至6に記載
    の人体局部洗浄器。
  8. 【請求項8】 前記洗浄水に塩化物を添加する塩化物供
    給部に塩化物を補充することが可能な構造とすることを
    特徴とする請求項1乃至7に記載の人体局部洗浄器。
  9. 【請求項9】 前記洗浄水に添加する塩化物濃度を0.
    2〜5.0wt%とし、この洗浄水を洗眼に供すること
    を特徴とする請求項1乃至8に記載の人体局部洗浄器。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010115615A (ja) * 2008-11-14 2010-05-27 Panasonic Electric Works Co Ltd 浄水カートリッジおよび浄水器
JP2017197245A (ja) * 2016-04-28 2017-11-02 富士電機株式会社 水供給装置

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