JP2001224173A - 同期整流回路及び電源装置 - Google Patents

同期整流回路及び電源装置

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JP2001224173A
JP2001224173A JP2000366156A JP2000366156A JP2001224173A JP 2001224173 A JP2001224173 A JP 2001224173A JP 2000366156 A JP2000366156 A JP 2000366156A JP 2000366156 A JP2000366156 A JP 2000366156A JP 2001224173 A JP2001224173 A JP 2001224173A
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mos
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Hitoshi Mikami
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡単な構成で特に軽負荷時の電源効率を向上
させることができる同期整流回路及び電源装置を提供す
る。 【解決手段】 電源装置10は転流用MOS−FET1
6を備え、該MOS−FET16に対して転流電流I2
が流れる方向の上流側には電流検出抵抗32が配置され
ている。転流時にはチョークコイル18に蓄えられてい
たエネルギーがコンデンサ20、負荷26を経由して電
流検出抵抗32、寄生ダイオード16Aに転流電流Id2
が流れる。コンパレータ34では基準電圧と電流検出抵
抗32及び転流電流I2による電圧降下とが比較され、
電圧降下が基準電圧以上だった場合にはコンパレータ3
4は転流用MOS−FET16をオンさせる。これによ
りドレイン電流ID2が流れる。コンパレータ34には転
流電流I2による電圧降下分の電圧しか入力されないた
め、別電源で駆動する必要がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、同期整流回路及び
電源装置に係り、特に、電子写真方式のプリンタや複写
機に用いられる同期整流回路及び電源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来における電子写真方式のプリンタや
複写機に用いられる電源装置を図10に示す。図10に
示す電源装置100は、直流電源(交流を整流して直流
の変換するものも含む)102及びノイズフィルタ10
4を含んで構成された入力部106から主変換部108
のトランス110に入力された直流電力を、駆動部11
2から出力される制御信号に基づいて主変換部108の
スイッチング部114でスイッチングすることにより直
流電力から交流電力に変換し、該変換された交流電力を
ダイオード116や出力フィルタ118を含んで構成さ
れた出力部120で整流平滑して負荷122に供給す
る。また、負荷122へ出力される電圧又は電流は検出
部124で検出され、この検出値と設定部126で設定
された負荷122の制御目標値とが比較演算部128で
比較され、駆動部112から比較結果に基づいた制御信
号がスイッチング部114に出力される。このようにし
て負荷に供給される電力が制御目標値と一致するように
制御される。
【0003】このような電源装置の具体的な回路構成を
図11に示す。図11に示すように、端子雑音電圧を防
止するためのノイズフィルタ104は、コンデンサ13
0、コモンモードチョークコイル又はノーマルモードチ
ョークコイル132で構成されている。ノイズフィルタ
104からの出力電圧は、交流入力電圧を全波整流する
ためのダイオードスタック134により全波整流され、
更にコンデンサ130により平滑され、直流電圧VP
してトランス110の1次巻線に印加される。この印加
される電圧は、能動素子(例えばMOS−FETやトラ
ンジスタ)114によりスイッチングされる。これによ
りトランスの2次巻線に交流電圧VSが誘起される。こ
の交流電圧VSは、トランス110の1次巻線数をNP
2次巻線数をNSとしたとき、VS=VP×(NS/NP
で表される。
【0004】出力部120は、整流ダイオード116
A、転流ダイオード116B、チョークコイル136及
びコンデンサ138で構成された出力フィルタ118で
構成されており、トランス110の2次巻線に誘起され
た交流電圧を整流平滑して負荷122に供給する。制御
部140は、比較演算部128、設定部126、駆動部
112で構成されている。さらに、制御部140は図示
しない発振回路を備えており、駆動部112からパルス
信号を能動素子114に出力する。このパルス信号に応
じてトランス110に印加される直流電力がスイッチン
グされる。
【0005】能動素子114がオンの場合には、整流ダ
イオード116Aにより整流された直流電力がチョーク
コイル136及びコンデンサ138にチャージされると
共に負荷122へ供給される。能動素子114がオフの
場合は、チョークコイル136及びコンデンサ138に
チャージされていたエネルギーが転流ダイオード116
Bを介して負荷122に供給される。制御部140で
は、比較演算部128において検出部124で検出した
出力電圧をモニタし、これと設定部126で設定された
制御目標値と比較し、駆動部112を介して比較結果に
基づいた制御信号を能動素子114に出力する。これに
より能動素子114がオンオフ制御され、負荷122に
供給される電力が制御目標値と一致するように制御され
る。
【0006】ところで、出力部120における転流側に
は、図11に示すように受動素子であるダイオードを使
用するのが通常であるが、転流ダイオード116Bは、
図12(A)に示すような電流(IF)−電圧(VF)特
性を有しており、電流がある所定値以上になると、順方
向電圧が飽和状態になる。この飽和電圧は、高速ダイオ
ードにおいては0.9V〜1.3V、ショットキーダイ
オードでは0.45V〜0.55V程度となっている。
このように、転流ダイオード116Bの順方向電圧が飽
和することにより電力損失が生じ、電源変換効率を悪化
させてしまうという問題があった。さらに、アノード電
流IFが大きくなり、損失電力PF(=V F×IF)が大き
くなると素子のジャンクション温度TJ(=PF×Q)
(°C)が上昇する(但し、Q(°C/W)はダイオー
ドの熱抵抗)。このため、従来では出力電流を大きくす
る程、転流ダイオード116Bを多くして(2個や3個
等)並列接続し、1素子当たりの電力損失を分散させ、
ジャンクション温度を抑制する必要があった。
【0007】また、ダイオードには図12(B)に示す
ように、順方向回復時間Trfと逆回復時間Trrがあ
る。これらの時間が整流ダイオード116A、転流ダイ
オード116Bの双方の生じることにより、トランス1
10の2次巻線を一瞬短絡させる。この結果、非常に大
きな貫通電流が流れ、出力リップルスパイク電圧や端子
雑音電圧、放射雑音電界を発生させるという問題があっ
た。
【0008】この問題を解決するため、図13に示すよ
うに、整流ダイオード116A、転流ダイオード116
Bのアノード側にインダクタンス142を各々直列に接
続し、順方向電流が流れているときにインダクタンス1
42にエネルギーを蓄え、アノード電流が流れなくなる
と同時に逆起電力Vl(=Ll×(di/dt))を発生さ
せてダイオードのリカバリー特性を改善することが行わ
れていた。
【0009】しかしながら、上記の技術では、インダク
タンス142にエネルギーを蓄え、アノード電流が流れ
なくなったときに逆バイアスしてエネルギーを相殺させ
るため、電源効率が低下してしまう。また、図14に示
すように、抵抗144及びコンデンサ146で構成され
るサージアブソーバを整流ダイオード116A、転流ダ
イオード116Bに並列接続することによりサージを低
減する技術もあるが、上記と同様に抵抗144やコンデ
ンサ146による損失が生じ、電源効率が低下してしま
うという問題があった。
【0010】上記のような問題を解決するため、図15
に示すように、出力部にMOS−FET148を使用し
た電圧駆動方式の同期整流方式の電源装置が知られてい
る。これは図16に示すように、ダイオードの電流−電
圧特性が非線形性であるのに対し、MOS−FETの電
流−電圧特性がゲート電圧によっては線形性になり、M
OS−FETの電圧降下Von(=Ron×ID)がダ
イオードの場合と比較して小さいことを利用したもので
ある。
【0011】図15に示す電源装置の動作波形を図17
に示す。同図17(A)はトランス110の2次巻線側
の電圧Vsを、同図(B)はMOS−FET148のゲ
ート−ソース間電圧Vgs1を、同図(C)はMOS−F
ET150のゲート−ソース間電圧Vgs2を示してい
る。整流側のMOS−FET148では駆動電圧が常に
トランス110の2次巻線に発生しているため(図中T
1の区間)、図11に示すダイオード116AをMOS
−FET148に置き換えることは容易であるが、転流
側のMOS−FET150では、駆動電圧が常にトラン
ス110の2次巻線に発生していないため(図中T2
区間)、図11に示すダイオード116BをMOS−F
ET150に置き換えることは容易ではない。これは、
図18に示すように、転流側のMOS−FET150で
は、寄生ダイオード150Aを流れるToffの区間では
ゲート電圧が発生しないためである。
【0012】この問題を解決するため、図19に示すよ
うなアクティブクランプ方式の電源装置が提案されてい
る(特公昭63−67428号公報)。図19に示す電
源装置では、コンデンサ152及びMOS−FET15
4で構成されるリセット回路によりMOS−FET11
4がオフしている間にMOS−FET154をオンさ
せ、トランス110を強制的にリセットする。これによ
り、図20に示すように、MOS−FET150にゲー
ト電圧が発生しない期間が生じるのを防ぐことができる
(図20のT2区間)。
【0013】しかしながら、図19に示す電源装置で
は、コンデンサ152及びMOS−FET154で構成
されるリセット回路、MOS−FET114を駆動する
ための制御信号と同期し、かつ反転した信号をMOS−
FET154に出力する制御回路が必要となるので部品
点数が増え、回路構成が複雑になる。また、MOS−F
ET114とMOS−FET154の動作タイミング、
すなわちスイッチングスピードによってはコンデンサ1
52を介してトランス110の1次側を短絡させ、入力
側回路が破壊する可能性があるという問題があった。
【0014】また、リセット回路をトランスの2次巻線
側に構成した図21に示すような定電流方式の電源装置
が提案されている(電子通信学会EE97−25)。こ
の電源装置は、トランス110の2次側に整流ダイオー
ド160と定電流回路161とで構成されるリセット回
路を構成し、図19に示す電源装置と同様にMOS−F
ET150にゲート電圧が発生しない期間が生じるのを
防ぐものであるが、上記と同様に部品点数が増え、回路
構成が複雑になるという問題があった。
【0015】また、上記のような電源装置では、図22
に示すように、トランスの2次巻線に発生する電圧がM
OS−FET150のスレッショルド電圧以上にならな
いとMOS−FETが導通しないため、ドレイン電流が
流れるまで時間遅れ(T1の期間)を生じる。この時間
遅れの期間は寄生ダイオード150Aを転流電流が流れ
るため、電力損失が増加するという問題があった。
【0016】また、図23に示すような制御IC156
を用いた電源装置も知られている。この電源装置では、
トランス110の1次側のMOS−FET114のゲー
ト駆動回路を利用してトランス110の2次側のMOS
−FET148、150の駆動を制御IC156で行う
ものである。
【0017】しかしながら、このような電源装置では、
部品点数が多くなり、回路構成が複雑になる。また、制
御IC156により駆動するため、MOS−FETの立
ち上がり特性及び立ち下り特性を考慮して、すなわち、
同時にMOS−FET148、150がオンすることに
より発生する貫通電流や端子雑音電圧、放射雑音電界を
防ぐことを考慮して制御する必要があり、動作周波数を
高くすることが難しいという問題があった。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】また、図24に示すよ
うな、電流を検出することによりMOS−FETを駆動
する電源装置が提案されている(特開平3−21826
4号公報)。このような電源装置では、整流用のMOS
−FET148、転流用のMOS−FET150のそれ
ぞれのドレイン側に電流検出回路158、160を接続
し、この電流検出回路158、160から出力される電
流検出情報を受けてゲート駆動回路162、164によ
りMOS−FET148、150の駆動を制御する。こ
こで、例えば電流検出情報が電圧であり、ゲート駆動回
路162、164がそれぞれコンパレータCOM1、C
OM2等で構成され、このコンパレータCOM1、CO
M2によりそれぞれ検出電圧と基準電圧とを比較し、該
比較結果に基づいてMOS−FET148、150を駆
動する場合には、例えば転流用のMOS−FET150
がオフの時には、前記コンパレータCOM2の入力端子
にトランス110の2次巻線に発生する電圧Vsそのも
の(例えば10数V)が印加されることとなる(図25
参照)。また、コンパレータの電源は出力側から得るの
が通常であるが、この場合、トランス110の2次巻線
にコンパレータの電源電圧を超える電圧が発生した場合
には出力が飽和し、MOS−FET150を制御するこ
とができなくなる。一般に、絶縁型の電源装置では出力
電圧が高いためより顕著となる。従って、別電源を用い
てコンパレータを駆動しなければならず、部品点数が増
加すると共に回路構成が複雑になるという問題があっ
た。
【0019】また、上記のように電流を検出してMOS
−FETを駆動する電源装置で、図26に示すように電
流検出回路にオペアンプ166を使用した電源装置が提
案されている(実開平6−44396号公報)。
【0020】しかしながら、このような電源装置では、
電流検出回路にオペアンプ(誤差増幅器)を使用してい
るため、図27に示すように、検出量がリニアに出力さ
れるため、MOS−FET150のスレッショルド電圧
(ゲート遮断電圧)以上になるまで寄生ダイオード15
0Aに電流が流れる(図中T区間)。このため、図29
に示した誤差増幅器方式における出力電流Ioと電源効
率ηとの関係に示されるように、特に出力電流Ioが小
さい軽負荷時における電源効率ηが低下する。なお、軽
負荷とは、例えば図29に示す様に、その電源装置の定
格供給電流に対して、供給電流が少ない領域を指し、特
に、供給電流開始付近の領域をいう。このように、オペ
アンプを用いた構成の場合には、特に軽負荷時の電力損
失が大きくなり、また、オペアンプのための電源も必要
となり、部品点数が増加すると共に回路構成が複雑にな
る、という問題があった。
【0021】また、特開平9−172775号公報及び
特開平9−182416号公報には、カレントトランス
により電流検出する同期整流回路が記載されているが、
カレントトランスによる電流から電圧への変換のためエ
ネルギー不足によりMOS−FETのゲートを高速で充
放電することができない。また、図29に示したカレン
トトランス(CT)方式における出力電流Ioと電源効
率ηとの関係に示されるように、特に出力電流Ioが小
さい軽負荷時における電源効率ηが低下する。このよう
に、カレントトランスを用いた構成の場合には、特に軽
負荷時の駆動損失が増加する、という問題があった。ま
た、インダクタンス特性(磁性材)により制御系に遅れ
要素を含み応答遅れを生じると共に、非線形要素のため
過渡負荷変動などの場合の磁性材の飽和特性が問題とな
る。
【0022】本発明は、上記問題を解決すべく成された
ものであり、簡単な回路構成で、特に軽負荷時の電源効
率を向上させることができる同期整流回路及び電源装置
を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明の同期整流回路は、軽負荷から
通常負荷までの負荷に対応する電流を整流する同期整流
回路であって、整流すべき前記電流が流れるラインに挿
入され当該電流を制御信号に基づいてオンオフするスイ
ッチ素子と、前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応す
る電流の検出時に非線形に応答して前記制御信号をオン
制御信号とし、オンすべき期間終了までオン制御信号を
前記スイッチ素子に出力する制御手段と、前記スイッチ
素子に並列に接続され当該スイッチ素子がオンするまで
前記電流を流すダイオードと、を具備することを特徴と
する。
【0024】この発明によれば、同期整流回路は、軽負
荷から通常負荷までの負荷に対応する電流を整流する。
このような同期整流回路において、スイッチ素子は、整
流すべき電流が流れるラインに挿入され、このラインを
流れる電流を制御手段から出力される制御信号に基づい
てオンオフする。このスイッチ素子には、該スイッチ素
子がオンするまで整流すべき電流を流すダイオードが並
列に接続される。スイッチ素子は、オン抵抗が小さい素
子が好ましいが、スイッチ素子として、例えばユニポー
ラトランジスタであるMOS−FET等のFETやバイ
ポーラトランジスタ等を用いることができる。MOS−
FETを用いた場合には、該MOS−FETの寄生ダイ
オードが前記ダイオードとして作用する。
【0025】すなわち、ダイオードに電流が流れる期間
が長いほど、スイッチ素子がオンするまでの期間が長く
なることになり、特に電流が流れ始める軽負荷時におい
て電力損失が大きくなる。
【0026】そこで、制御手段は、整流すべき電流のう
ち少なくとも軽負荷に対応する電流の検出時には、非線
形に応答して制御信号をオン制御信号として、オンすべ
き期間終了までオン制御信号をスイッチ素子に出力す
る。すなわち、制御信号は、流れる電流に対して線形的
に変化するのではなく、非線形的に変化するため、ダイ
オードに電流が流れ始めたときに速やかにオン制御信号
をスイッチ素子へ出力することができる。これにより、
軽負荷時においても速やかにスイッチ素子をオンさせる
ことができ、軽負荷時の電力損失を抑えることができ
る。
【0027】請求項2記載の発明は、前記制御手段が、
前記電流を検出する検出素子と、前記検出素子の検出結
果と基準値とを比較し、比較結果に基づいて制御信号を
前記スイッチ素子に出力するコンパレータと、を含み、
検出値に対して出力が線形に出力される制御回路で前記
スイッチ素子を駆動する場合において前記スイッチ素子
をオンさせる閾値に対応した検出値よりも小さい値に前
記基準値を設定したことを特徴とする。
【0028】この発明によれば、制御手段は、コンパレ
ータを含んでおり、このコンパレータは、電流を検出す
る検出素子の検出結果と基準値とを比較し、比較結果に
基づいて制御信号をスイッチ素子に出力する。すなわ
ち、比較結果に基づいた2値の制御信号によりスイッチ
素子を駆動する。
【0029】また、基準値は、検出値に対して出力が線
形に出力される制御回路、例えばカレントトランスやオ
ペアンプ等でスイッチ素子を駆動する場合においてスイ
ッチ素子をオンさせる閾値に対応した検出値よりも小さ
い値に設定される。これにより、カレントトランスやオ
ペアンプ等の検出値に対して出力が線形に出力される制
御回路でスイッチ素子を駆動する場合と比較して、電流
がダイオードを流れる期間を短縮することができ、流れ
る電流が小さい場合、すなわち電流が流れ始める軽負荷
時においても速やかにスイッチ素子をオンさせることが
できる。従って、検出値に対して出力が線形に出力され
る制御回路でスイッチ素子を駆動する場合と比較して、
特に軽負荷時における電力効率を向上させることができ
る。また、基準値の設定を変えることにより、スイッチ
素子の導通開始点を任意に設定することができる。
【0030】請求項3記載の発明は、前記電流が出力側
から戻される電流であり、前記検出素子が前記スイッチ
素子より上流側に設けられることを特徴とする。
【0031】この発明によれば、検出素子が、電流が流
れる方向についてスイッチ素子より上流側に設けられ
る。すなわち、検出素子とスイッチ素子とは、電流が流
れる方向について直列に接続される。この検出素子に
は、例えば抵抗を用いることができる。この場合、整流
すべき電流が検出素子を流れることにより、流れた電流
に応じた電圧を検出することができる。
【0032】コンパレータは、例えば検出素子により検
出された検出電圧が予め定めた基準値よりも大きい場合
にはスイッチ素子をオンさせ、小さい場合はオフさせ
る。スイッチ素子は検出素子と直列に接続されるため、
スイッチ素子がオンした場合には検出素子を流れる電流
はスイッチ素子にも流れる。すなわち、スイッチ素子は
検出素子を流れる電流に応じて制御される。従って、コ
ンパレータには、電流が流れる方向についてスイッチ素
子より下流側に高い電圧が発生した場合でも検出素子に
よる電圧降下分の電圧しかかからない。このため、検出
素子を電流が流れる方向についてスイッチ素子よりも下
流側に設けた場合と比較してコンパレータにかかる電圧
が遥かに小さい。このため、コンパレータの駆動電圧を
小さくすることができ、電源効率を向上させることがで
きる。
【0033】請求項4記載の発明は、前記制御手段が、
前記ダイオードとして前記スイッチ素子に並列に接続さ
れると共に前記電流のうち軽負荷に対応する電流を検出
する発光ダイオードと、前記発光ダイオードからの光を
受光し、受光結果に基づいて制御信号をオン制御信号と
し、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイッ
チ素子に出力する駆動手段と、を具備することを特徴と
する。
【0034】この発明によれば、制御手段が、発光ダイ
オード及びスイッチ素子を駆動するための駆動手段を含
んでおり、発光ダイオードは、前記ダイオードとしてス
イッチ素子に並列に接続される。また、発光ダイオード
は整流すべき電流のうち軽負荷に対応する電流を検出す
る。発光ダイオードが発光すると、駆動手段は、発光ダ
イオードからの光を受光し、受光結果に基づいて制御信
号をオン制御信号とし、オンすべき期間終了までオン制
御信号をスイッチ素子に出力する。
【0035】このように、前記ダイオードとして発光ダ
イオードを用いているため、軽負荷に対応する電流が検
出されると、速やかにスイッチ素子がオンされる。従っ
て、軽負荷時の電力効率を向上させることができる。ま
た、コンパレータや基準電圧を必要としないため、部品
点数を少なくすることができ、簡単かつ安価な回路構成
とすることができる。
【0036】なお、駆動手段は、請求項5にも記載した
ように、受光後、スイッチ素子がオンすべき期間導通す
る自己保持素子、例えばサイリスタを含む回路とするこ
とができる。
【0037】また、自己保持素子は、請求項6にも記載
したように、フォトサイリスタとすることができる。こ
の場合、受光素子とサイリスタを共通にできるので、駆
動手段の回路を簡単な構成とすることができる。
【0038】請求項7記載の発明は、1次巻線及びこの
1次巻線と同極性の2次巻線を持つトランスと、前記ト
ランスの1次巻線に印加される電力をスイッチングする
スイッチング手段と、前記トランスの1次巻線に電力が
印加されているときに、前記2次巻線に誘起された電力
を蓄積すると共に平滑して出力する出力手段と、前記ト
ランスの2次巻線側に設けられ、整流すべき電流を整流
する同期整流回路と、を備え、軽負荷から通常負荷まで
の負荷に対応した電力を前記出力手段より出力する電源
装置において、前記同期整流回路が、整流すべき前記電
流が流れるラインに挿入され当該電流を制御信号に基づ
いてオンオフするスイッチ素子と、前記電流のうち少な
くとも軽負荷に対応する電流の検出時に非線形に応答し
て前記制御信号をオン制御信号とし、オンすべき期間終
了までオン制御信号を前記スイッチ素子に出力する制御
手段と、前記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッ
チ素子がオンするまで前記電流を流すダイオードと、を
具備することを特徴とする。
【0039】トランスは、1次巻線及びこの1次巻線と
同極性の2次巻線を備えている。これにより、1次巻線
に発生した電圧の極性と2次巻線に発生した電圧の極性
とは同極性となる。スイッチング手段はトランスの1次
巻線に接続され、トランスの1次巻線側に印加される入
力電力を所定のタイミングでスイッチングする。これに
より2次巻線側に電力が誘起される。
【0040】出力手段は、トランスの1次巻線に電力が
印加されているとき、すなわちスイッチング手段がオン
のときに、2次巻線に誘起した電力を蓄積すると共に平
滑して出力側へ出力する。また、スイッチング手段がオ
フのとき、すなわち2次巻線に電力が発生していないと
きは、出力手段に蓄積された電力が出力側へ供給される
(所謂フォワード方式)。この出力手段は、例えば電力
を蓄積するためのチョークコイル及び平滑するためのコ
ンデンサにより構成することができる。
【0041】同期整流回路は、トランスの2次巻線側に
設けられ、整流すべき電流を整流する。整流すべき電流
には、スイッチング手段がオンのときに整流すべき整流
電流及びスイッチング手段がオフのときに転流すべき転
流電流がある。
【0042】このような電源装置は、軽負荷から通常負
荷までの負荷に対応した電力を出力手段より出力する。
【0043】このようなフォワード方式の電源装置に、
請求項1記載の同期整流回路を適用することができる。
これにより、フォワード方式の電源装置において、軽負
荷時の電源効率を向上させることができる。なお、同期
整流回路は、整流電流用、転流電流用の両方を備えるこ
とが好ましい。
【0044】請求項8記載の発明は、1次巻線及びこの
1次巻線と異極性の2次巻線を持つトランスと、前記ト
ランスの1次巻線に印加される電力をスイッチングする
スイッチング手段と、前記トランスの1次巻線に電力が
印加されていないときに、前記トランスに蓄積された電
力を平滑して出力する出力手段と、前記トランスの2次
巻線側に設けられ、整流すべき電流を整流する同期整流
回路と、を備え、軽負荷から通常負荷までの負荷に対応
した電力を前記出力手段より出力する電源装置におい
て、前記同期整流回路が、整流すべき前記電流が流れる
ラインに挿入され当該電流を制御信号に基づいてオンオ
フするスイッチ素子と、前記電流のうち少なくとも軽負
荷に対応する電流の検出時に非線形に応答して前記制御
信号をオン制御信号とし、オンすべき期間終了までオン
制御信号を前記スイッチ素子に出力する制御手段と、前
記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッチ素子がオ
ンするまで前記電流を流すダイオードと、を具備するこ
とを特徴とする。
【0045】トランスは、1次巻線及びこの1次巻線の
異極性の2次巻線を備えている。これにより、1次巻線
に発生した電圧の極性と2次巻線に発生した電圧の極性
とが異なる。スイッチング手段はトランスの1次巻線に
接続され、トランスの1次巻線側に印加される入力電力
を所定のタイミングでスイッチングする。これにより2
次巻線側に電力が誘起される。
【0046】出力手段は、トランスの1次巻線に電力が
印加されているときにトランスに蓄積されており、スイ
ッチング手段のオフ時、すなわちトランスの1次巻線に
電力が印加されていないときに2次巻線に発生した電力
を平滑して出力側へ出力する(所謂フライバック方
式)。この出力手段は、例えばコンデンサにより構成す
ることができる。
【0047】同期整流回路は、トランスの2次巻線側に
設けられ、整流すべき電流を整流する。整流すべき電流
には、スイッチング手段がオンのときに整流すべき整流
電流及びスイッチング手段がオフのときに転流すべき転
流電流がある。
【0048】このような電源装置は、軽負荷から通常負
荷までの負荷に対応した電力を出力手段より出力する。
【0049】このようなフライバック方式の電源装置
に、請求項1記載の同期整流回路を適用することができ
る。これにより、フライバック方式の電源装置におい
て、軽負荷時の電源効率を向上させることができる。な
お、同期整流回路は、整流電流用、転流電流用の両方を
備えることが好ましい。
【0050】請求項9記載の発明は、1次巻線及び中点
が設けられた2次巻線を持つトランスと、前記トランス
の1次巻線に一方の方向に電圧を印加した後に前記電圧
の印加を所定期間停止し、前記1次巻線の他方の方向に
電圧を印加した後に電圧の印加を所定期間停止すること
を繰り返す電圧印加手段と、前記トランスの2次巻線の
両端とこの両端を互いに接続する接続点との間に挿入さ
れ、出力側からの戻りの電流を整流する一対の同期整流
回路と、前記2次巻線の中点と前記接続点との間に設け
られ両点間の電力を出力する出力手段と、を備え、軽負
荷から通常負荷までの負荷に対応した電力を前記出力手
段より出力する電源装置において、前記同期整流回路
が、整流すべき前記電流が流れるラインに挿入され当該
電流を制御信号に基づいてオンオフするスイッチ素子
と、前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応する電流の
検出時に非線形に応答して前記制御信号をオン制御信号
とし、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイ
ッチ素子に出力する制御手段と、前記スイッチ素子に並
列に接続され当該スイッチ素子がオンするまで前記電流
を流すダイオードと、を具備することを特徴とする。
【0051】トランスは、1次巻線と、中点が設けられ
た2次巻線とを備えている。電力印加手段はトランスの
1次巻線に一方の方向に電圧を印加した後に電圧の印加
を所定期間停止し、1次巻線に他方の方向に電圧を印加
した後に電圧の印加を所定期間停止することを繰り返
す。これは例えば複数のスイッチング素子を設け、これ
らのスイッチング素子を順にオンすることにより実現す
ることができる。すなわち、何れか1つのスイッチング
素子がオンのときには、その他のスイッチング素子をオ
フし、オンさせるスイッチング素子を切り換えることに
よりトランスの1次巻線に印加する電圧の方向を交互に
反転させる(所謂多石方式)。これにより2次巻線側に
電力が誘起される。このように複数のスイッチング素子
によりトランスの1次巻線側に印加される入力電力をス
イッチングすることでトランスの使用効率を高めること
ができる。このようにトランスの1次側に複数のスイッ
チング素子を用いる方式としては、所謂ハーフブリッジ
方式やフルブリッジ方式、プッシュプル方式等がある。
【0052】一対の同期整流回路は、トランスの2次巻
線の両端とこの両端を互いに接続する接続点との間に挿
入され、出力側からの戻りの電流を整流する。
【0053】この場合、一対の同期整流回路に含まれる
一対のスイッチ素子は、トランスの2次巻線の両端とこ
の両端を互いに接続する接続点との間に個々に挿入さ
れ、かつ出力側から戻る戻り電流、すなわち整流電流を
流す。1次巻線に一方の方向に電圧が印加されていると
きは、一対のスイッチ素子の一方がオンし、前記接続点
→一対のスイッチ素子の一方→2次巻線の中点の経路で
第1の整流電流が流れ、1次巻線に他方の方向に電圧が
印加されているときは、一対のスイッチ素子の他方がオ
ンし、前記接続点→一対のスイッチ素子の他方→2次巻
線の中点の経路で第2の整流電流が流れる。
【0054】出力手段は、2次巻線の中点と接続点との
間に設けられ両点間の電力を出力する。すなわち、トラ
ンスの1次巻線に一方の方向に電圧が印加されていると
きには、前記第1の整流電流による電力を蓄えながら平
滑して出力側へ出力する。また、トランスの1次巻線に
他方の方向に電圧が印加されているときには、前記第2
の整流電流による電力を蓄えながら平滑して出力側へ出
力する。この出力手段は、例えば電力を蓄積するための
チョークコイル及び平滑するためのコンデンサにより構
成することができる。また、1次巻線への電圧の印加が
停止しているときは、平滑手段に蓄えられた電力による
転流電流が第1、第2の整流電流と同一の経路で各々流
れる。
【0055】このような多石方式の電源装置に、請求項
1記載の同期整流回路を適用することができる。これに
より、多石方式の電源装置において、軽負荷時の電源効
率を向上させることができる。
【0056】また、請求項10にも記載したように、前
記制御手段が、前記電流を検出する検出素子と、前記検
出素子の検出結果と基準値とを比較し、比較結果に基づ
いて制御信号を前記スイッチ素子に出力するコンパレー
タと、を含み、検出値に対して出力が線形に出力される
制御回路で前記スイッチ素子を駆動する場合において前
記スイッチ素子をオンさせる閾値に対応した検出値より
も小さい値に前記基準値を設定した構成とすることがで
きる。
【0057】これにより、カレントトランスやオペアン
プ等の検出値に対して出力が線形に出力される制御回路
でスイッチ素子を駆動する電源装置と比較して、電流が
ダイオードを流れる期間を短縮することができ、流れる
電流が小さい場合、すなわち電流が流れ始める軽負荷時
においても速やかにスイッチ素子をオンさせることがで
きる。従って、検出値に対して出力が線形に出力される
制御回路でスイッチ素子を駆動する電源装置と比較し
て、特に軽負荷時における電力効率を向上させることが
できる。
【0058】また、請求項11にも記載したように、前
記電流が出力側から戻される電流であり、前記検出素子
が前記スイッチ素子より上流側に設けられる構成とする
ことができる。
【0059】これにより、コンパレータには、トランス
の2次巻線に高い電圧が発生した場合でも検出素子によ
る電圧降下分の電圧しかかからないため、検出素子をス
イッチ素子に対して整流すべき電流が流れる方向の下流
側、すなわちトランスの2次巻線側に設けた場合と比較
してコンパレータにかかる電圧が遥かに小さい。このた
め、コンパレータの駆動電圧を小さくすることができ、
電源効率を向上させることができる。
【0060】また、請求項12にも記載したように、前
記コンパレータの電源が前記出力手段の出力側から供給
される構成とすることができる。
【0061】すなわち、前述したように検出素子がスイ
ッチ素子に対して整流すべき電流が流れる方向の上流側
に設けられていることにより検出電圧が非常に小さくな
るため、コンパレータを別電源で駆動する必要がなく、
出力手段の出力を電源として駆動することができる。従
って、部品点数を少なくすることができ、回路構成を簡
単にすることができる。
【0062】また、請求項13にも記載したように、前
記制御手段が、前記ダイオードとして前記スイッチ素子
に並列に接続されると共に前記電流のうち軽負荷に対応
する電流を検出する発光ダイオードと、前記発光ダイオ
ードからの光を受光し、受光結果に基づいて制御信号を
オン制御信号とし、オンすべき期間終了までオン制御信
号を前記スイッチ素子に出力する駆動手段と、を具備す
る構成とすることができる。
【0063】このように、前記ダイオードとして発光ダ
イオードを用いているため、軽負荷に対応する電流が検
出されると、速やかにスイッチ素子がオンされる。従っ
て、軽負荷時の電力効率を向上させることができる。ま
た、コンパレータや基準電圧を必要としないため、部品
点数を少なくすることができ、簡単かつ安価な回路構成
とすることができる。
【0064】また、請求項14にも記載したように、前
記駆動手段が、受光後前記スイッチ素子がオンすべき期
間導通する自己保持素子を含む回路である構成とするこ
とができる。
【0065】また、請求項15にも記載したように、前
記自己保持素子が、フォトサイリスタである構成とする
ことができる。
【0066】
【発明の実施の形態】〔第1実施形態〕以下、図面を参
照して本発明の第1実施形態について説明する。
【0067】図1には、本発明に係る同期整流方式で絶
縁型の電源装置10が示されている。図1に示すよう
に、電源装置10はトランス12を備えている。トラン
ス12の図示しない1次巻線側は、例えば図示しない直
流電源やMOS−FET等のスイッチング素子、該MO
S−FETの駆動を制御する制御部等を備えた1次側制
御回路14で構成され、この1次側回路14によりトラ
ンス12の図示しない1次巻線に印加される直流電圧が
図示しないスイッチング素子によりスイッチングされ
る。これにより、トランス12の2次巻線12A側に
は、巻線比に応じた交流電圧が誘起される。なお、電源
装置10は、1次側制御回路14の図示しないスイッチ
ング素子がオンのときに出力側へ電力を供給する所謂フ
ォワード方式のスイッチング電源装置である。
【0068】2次巻線12Aの一端は、スイッチ素子と
してのNチャンネルの転流用MOS−FET16のドレ
イン端子及びチョークコイル18の一端が接続されてい
る。チョークコイル18の他端は、コンデンサ(例えば
電解コンデンサ)20の一端及び負荷側端子22に接続
されている。コンデンサ20の他端は接地されている。
なお、チョークコイル18及びコンデンサ20は、本発
明の出力手段に対応する。負荷側端子22とGND(接
地)端子24との間には負荷26及び該負荷26に供給
される電圧又は電流を検出する検出回路28が接続され
ている。この検出回路28は、フォトカプラ30を介し
て1次側制御回路14に接続されている。
【0069】転流用MOS−FET16のソース端子
は、検出素子としての電流検出抵抗32の一端及びコン
パレータ34の非反転入力端子に接続されている。電流
検出抵抗32の他端は接地されている。すなわち、電流
検出抵抗32は、転流用MOS−FET16に対して電
流が流れる方向の上流側に配置されている。電流検出抵
抗32は検出した電流を電圧に変換して線形に出力す
る。コンパレータ34の反転入力端子には基準電圧電源
36が接続されている。コンパレータ34のプラス電源
端子34Pは、チョークコイル18の他端に接続されて
おり、マイナス電源端子34Mは接地されている。
【0070】コンパレータ34の出力端子は、増幅回路
38を構成するNPNのトランジスタ38A及びPNP
のトランジスタ38Bのゲート端子に接続されている。
トランジスタ38Aのコレクタ端子はチョークコイル1
8の他端に接続され、トランジスタ38Bのコレクタ端
子は接地されている。増幅回路38の出力端子は転流用
MOS−FET16のゲート端子に接続されている。ま
た、転流用MOS−FET16は、その特性により寄生
ダイオード16Aを備えている。
【0071】一方、2次巻線12Aの他端は、スイッチ
素子としてのNチャンネルの整流用MOS−FET40
のドレイン端子が接続されている。整流用MOS−FE
T40のソース端子は、検出素子としての電流検出抵抗
42の一端及びコンパレータ44の非反転入力端子に接
続されている。電流検出抵抗42の他端は接地されてい
る。すなわち、電流検出抵抗42は、整流用MOS−F
ET40に対して電流が流れる方向の上流側に配置され
ている。電流検出抵抗42は検出した電流を電圧に変換
して線形に出力する。コンパレータ44の反転入力端子
には基準電圧電源46が接続されている。コンパレータ
44のプラス電源端子44Pは、チョークコイル18の
他端に接続されており、マイナス電源端子44Mは接地
されている。
【0072】コンパレータ44の出力端子は、増幅回路
48を構成するNPNのトランジスタ48A及びPNP
のトランジスタ48Bのベース端子に接続されている。
トランジスタ48Aのコレクタ端子はチョークコイル1
8の他端に接続され、トランジスタ48Bのコレクタ端
子は接地されている。増幅回路48の出力端子は整流用
MOS−FET40のゲート端子に接続されている。ま
た、整流用MOS−FET40は、その特性により寄生
ダイオード40Aを備えており、MOS−FET40本
体と並列に接続される。
【0073】次に、第1実施形態の作用を説明する。
【0074】まず、1次側制御回路14によりトランス
12の1次巻線に印加される直流電圧が図示しないスイ
ッチング素子によりスイッチングされると、2次巻線1
2Aに巻線比に応じた2次側巻線電圧(交流電圧)Vs
が発生する。
【0075】2次側巻線電圧Vsの極性がプラスの期間
(図2のT1期間)、すなわち図示しないスイッチング
素子がオンのときは、電流はチョークコイル18を介し
てコンデンサ20を充電しながら負荷26へ出力され、
さらに電流検出抵抗42、整流用MOS−FET40の
寄生ダイオード40Aを流れる。この時、コンパレータ
44で基準電圧電源46からの基準電圧Vref1と電流検
出抵抗42を流れる電流I1による電圧降下、すなわち
検出電圧Von1とが比較される。
【0076】なお、基準電圧Vref1は、整流用MOS−
FET40を駆動する場合においてMOS−FET40
をオンさせるスレッショルド電圧(閾値)に対応した検
出電圧(検出値)よりも小さい電圧に設定される。
【0077】そして、検出電圧Von1が基準電圧Vref1
以上だった場合にはコンパレータ44はハイレベルを出
力し、増幅回路48を介して整流用MOS−FET40
のゲート端子をバイアスする。これにより、整流用MO
S−FET40がオンし、該整流用MOS−FET40
にドレイン電流ID1電流が流れる。検出電圧Von1が基
準電圧Vref1よりも小さかった場合にはコンパレータ4
4はローレベルを出力する。これにより、整流用MOS
−FET40はオンせず、寄生ダイオード40Aに電流
d1が流れる。
【0078】そして、2次側巻線電圧Vsの極性がマイ
ナス(図2のT2期間)、すなわち図示しないスイッチ
ング素子がオフになると、MOS−FET40に電流が
流れなくなり、MOS−FET40がオフすると、チョ
ークコイル18に蓄えられていたエネルギーがコンデン
サ20、負荷26を経由して電流検出抵抗32、MOS
−FET16の寄生ダイオード16Aに転流電流I2
して流れる。この時、コンパレータ34で基準電圧電源
36からの基準電圧Vref2と電流検出抵抗32を流れる
電流I2による電圧降下、すなわち検出電圧Von2とが比
較される。
【0079】なお、基準電圧Vref2は、転流用MOS−
FET16を駆動する場合においてMOS−FET16
をオンさせるスレッショルド電圧(閾値)に対応した検
出電圧(検出値)よりも小さい電圧に設定される。
【0080】そして、検出電圧Von2が基準電圧Vref2
以上だった場合にはコンパレータ34はハイレベルを出
力し、増幅回路38を介して転流用MOS−FET16
のゲート端子をバイアスする。これにより、転流用MO
S−FET16がオンし、該転流用MOS−FET16
にドレイン電流ID2が流れる。検出電圧Von2が基準電
圧Vref2よりも小さかった場合にはコンパレータ34は
ローレベルを出力する。これにより、転流用MOS−F
ET16はオンせず、寄生ダイオード16Aに電流Id2
が流れる。
【0081】ここで、MOS−FET40に生じるオン
損失Pon1は下記(1)式の如く計算できる。
【0082】Pon1=Ron1×(ID12 ・・・(1) 但し、ID1={(Ton/3T)・(Ia1 2+Ia1×Ib1
+Ib1 2)}1/2、Ron1はMOS−FET40のオン抵
抗、TはMOS−FET40のオンオフ周期、T onはT
時間のうちMOS−FET40がオンしている時間、I
a1及びIb1は図2(F)に示すドレイン電流。
【0083】また、MOS−FET16に生じるオン損
失Poff2は下記(2)式の如く計算できる。
【0084】Poff2=Ron2×(ID22 ・・・(2) 但し、ID2={(Toff/3T)・(Ia2 2+Ia2×Ib2
+Ib2 2)}1/2、Ron 2はMOS−FET16のオン抵
抗、TはMOS−FET16のオンオフ周期、Ton2
T時間のうちMOS−FET16がオンしている時間、
a2及びIb2は図2(I)に示すドレイン電流。
【0085】そして、MOS−FET40を駆動するた
めには以下の(3)式を満たすことが必要となる。
【0086】Ron1×ID1>Vref1 ・・・(3) また、MOS−FET16を駆動するためには以下の
(4)式を満たすことが必要となる。
【0087】Roff2×ID2>Vref2 ・・・(4) 図2には各部の電圧及び電流の波形図が示されている。
図2(A)には2次側巻線電圧の波形が、同図(B)に
はコンパレータ44の非反転入力端子に入力される検出
電圧Von1の波形が、同図(C)にはコンパレータ34
の非反転入力端子に入力される検出電圧Von2の波形
が、同図(D)には、コンパレータ44の出力電圧の波
形が、同図(E)にはコンパレータ34の出力電圧の波
形が、同図(F)にはMOS−FET40を流れるドレ
イン電流ID1の波形が、同図(G)には寄生ダイオード
40Aを流れる電流Id1の波形が、同図(H)には電流
検出抵抗42を流れる電流I1(=ID1+Id1)の波形
が、同図(I)にはMOS−FET16を流れるドレイ
ン電流ID2の波形が、同図(J)には寄生ダイオード1
6Aを流れる電流Id2の波形が、同図(K)には電流検
出抵抗32を流れる電流I2(=ID2+Id2)の波形が
それぞれ示されている。
【0088】図2に示す区間1は寄生ダイオードにのみ
電流が流れる場合を、区間2は寄生ダイオード及びMO
S−FETの両方に電流が流れる場合を、区間3はMO
S−FETにのみ電流が流れる場合をそれぞれ示してい
る。
【0089】前述したように、2次側巻線電圧Vsの極
性がマイナスの期間、すなわち転流時にはコンパレータ
34の非反転入力端子に入力される検出電圧Von2は、
電流検出抵抗32による電圧降下分のみとなる。一方、
2次側巻線電圧Vsの極性がプラスの期間では、図2
(C)に示すようにコンパレータ34の非反転入力端子
に入力される検出電圧Von2は零電位となる。
【0090】また、コンパレータ44の非反転入力端子
に入力される検出電圧Von1は、2次側巻線電圧Vsの
極性がプラスの期間では、電流検出抵抗42による電圧
降下分のみとなる。一方、2次側巻線電圧Vsの極性が
マイナスの期間では、図2(B)に示すようにコンパレ
ータ44の非反転入力端子に入力される検出電圧Von 1
は零電位となる。
【0091】すなわち、コンパレータ34、44の非反
転入力端子には、電流検出抵抗による電圧降下分の電圧
(数十mV程度)又は零電位しか入力されないため、コ
ンパレータの電源電圧以上の電圧が入力されることがな
い。従って、負荷26に供給すべき出力電圧の制約を受
けることなく負荷26への出力電圧によりコンパレータ
を駆動させることができる。すなわち、別電源でコンパ
レータを駆動する必要がない。このため、回路構成を簡
単にすることができる。また、コンパレータの電源をチ
ョークコイル18の出力側からとることによりスレッシ
ョルド電圧による駆動遅れ時間が生じるのを防ぐことが
できる。また、駆動電力を最小限に抑えることができ、
電源効率が向上する。さらに、MOS−FETに接続さ
れた電流検出抵抗による電圧降下と基準電圧との比較結
果によりMOS−FETを駆動するため、貫通電流が流
れた場合でも整流電流と転流電流が相殺され、MOS−
FETをオフする方向に作用するため、貫通電流を抑制
することができる。このため、スイッチング損失を低減
することができると共にサージ電圧の抑制、放射ノイズ
の低減を図ることができる。
【0092】また、本発明では、基準電圧が、整流用又
は転流用のMOS−FETを駆動する場合においてMO
S−FETをオンさせるスレッショルド電圧に対応した
検出電圧よりも小さい電圧に設定され、コンパレータか
ら出力される2値の制御信号によりMOS−FETを駆
動する。すなわち、流れる電流に対して線形的に応答し
て整流用MOS−FET又は転流用MOS−FETがオ
ンするのではなく、流れる電流に対して非線形に応答し
て整流用MOS−FET又は転流用MOS−FETがオ
ンが速やかにオンする。このため、検出電圧がリニアに
出力される電流検出回路でスイッチ素子を駆動する場合
と比較して、整流電流又は転流電流が小さい場合、すな
わち整流電流又は転流電流が流れ始める軽負荷時、例え
ば定格出力の1/10程度の出力の場合においても速や
かにMOS−FETをオンさせることができ、軽負荷時
における電源効率を向上させることができる。
【0093】この点について従来技術と比較すると、前
述した特開平9−172775号公報及び特開平9−1
82416号公報に記載された技術のように、カレント
トランスにより電流検出する同期整流回路では、カレン
トトランスを用いて直接的にMOS−FETを駆動する
ため、寄生ダイオードに電流が流れる期間が長くなる。
すなわち、図28(A)に示すように、カレントトラン
スの出力電圧、すなわちMOS−FETのゲートに印加
される電圧はリニアに変化するため、カレントトランス
の一次側に電流が流れ始めてから電流が十分にカレント
トランスの一次側に流れ、カレントトランスの二次側の
出力電圧がMOS−FETをオンすることができるFE
T駆動開始電圧Vg(駆動開始電圧に対する検出電圧)
になるまでの時間が長くなる。この期間は寄生ダイオー
ドに電流が流れるため、電力損失が大きくなる。このよ
うに、特開平9−172775号公報及び特開平9−1
82416号公報に記載された技術では、図29に示し
たCT方式における出力電流Ioと電源効率ηとの関係
に示されるように、特に出力電流Ioが小さい軽負荷時
における電源効率ηが低下する。なお、軽負荷とは、例
えば図29に示す様に、その電源装置の定格供給電流に
対して、供給電流が少ない領域を指し、特に、供給電流
開始付近の領域をいう。
【0094】また、特開平9−172775号公報及び
特開平9−182416号公報に記載された技術では、
ツェナーダイオードで定電圧化した電圧でMOS−FE
Tを駆動するため、図28(A)に示すゲート電圧一定
領域では、カレントトランスの一次側に流れる電流が大
きくなってもゲート電圧が一定となり、電力損失が発生
する。カレントトランスの巻線比を上げることによりあ
る程度電流が寄生ダイオードを流れる期間を短くするこ
とも可能であるが、回路規模が大きくなると共に、一定
負荷以上の場合の電力損失がさらに大きくなる。
【0095】これに対し、本発明は、電流を直接検出
し、検出した電流に応じた電圧で直接MOS−FETを
駆動するのではなく、検出電圧と基準電圧とをコンパレ
ータにより比較し、比較結果に応じた2値の制御信号に
よりMOS−FETを駆動する。すなわち、図28
(C)にも示したように、検出電圧に応じてコンパレー
タがハイレベル又はローレベルの2値の制御信号をMO
S−FETに出力する。
【0096】また、基準電圧は、前述したように、整流
用又は転流用のMOS−FETを駆動する場合において
MOS−FETをオンさせるのに必要なスレッショルド
電圧に対応した検出電圧よりも小さい電圧に設定され
る。
【0097】このため、図28(A),(C)に示すよ
うに、検出電圧がリニアに出力されるカレントトランス
でスイッチ素子を駆動する場合と比較して、本発明では
電流が寄生ダイオードを流れる期間を短縮することがで
き、電流が小さい場合、すなわち電流が流れ始める軽負
荷時においても速やかにスイッチ素子をオンさせること
ができる。従って、図29に示したコンパレータ方式に
おける出力電流Ioと電源効率ηとの関係に示されるよ
うに、CT方式と比較して、本発明は、特に出力電流I
oが小さい軽負荷時における電源効率ηを向上させるこ
とができる。また、基準電圧の設定を変えることによ
り、MOS−FETの導通開始点を任意に設定すること
ができる。
【0098】さらに、電流が流れる方向についてMOS
−FETより上流側に電流検出抵抗が直列に接続されて
いるため、コンパレータには電流検出抵抗を流れる電流
に応じた電圧分の電圧しか入力されない。このため、コ
ンパレータの駆動電圧を小さくすることができ、無駄な
電力の消費を抑えることができる。
【0099】また、前述した図26に示すような電流検
出回路にオペアンプ(誤差増幅器)を使用した同期整流
回路では、図27及び図28(B)に示すように、オペ
アンプの出力がリニアに変化するため、電流が流れ始め
てから検出電圧がMOS−FETのスレッショルド電圧
(図27ではゲート遮断電圧、図28(B)ではFET
駆動開始電圧Vg)以上になるまでの期間、すなわち電
流が寄生ダイオードを流れる期間が長くなる。従って、
図29に示した誤差増幅器方式における出力電流Ioと
電源効率ηとの関係に示されるように、特に出力電流I
oが小さい軽負荷時における電源効率ηが低下する。ま
た、オペアンプの増幅率を上げることによりある程度寄
生ダイオードに電流が流れる期間を短縮することも可能
であるが、増幅率を上昇させることにより発振が生じる
などの問題があり、さらに、図28(B)に示すように
オペアンプの出力はリニアに変化するため、該オペアン
プの出力がMOS−FETのゲート耐圧以上になる恐れ
があり保護回路が必要になる、という欠点がある。
【0100】また、図26に示したオペアンプを使用し
た同期整流回路は、MOS−FET及び電流検出抵抗が
直列接続された回路と電流検出抵抗が接続されていない
MOS−FETとを並列接続した構成となっている。こ
のため、両方のMOS−FETを同一特性のMOS−F
ETとした場合、通常インピーダンスの低い方へ電流が
流れるため、電流検出抵抗が接続されていないMOS−
FET側へ電流が流れ、電流検出抵抗が接続されたMO
S−FET側へ電流が流れず、電流検出抵抗が接続され
たMOS−FETを駆動することができない。このた
め、異なる特性のMOS−FETを用いなければならな
いという欠点がある。
【0101】このように、図26に示す回路では、MO
S−FETのスレッショルド電圧(ゲート遮断電圧)以
上になるまで寄生ダイオードに電流が流れ電力損失が大
きくなる。すなわち、電流が流れ始める軽負荷時の電力
損失が大きくなる。
【0102】これに対し、本発明は、電流を直接検出
し、検出した電流に応じた電圧で直接MOS−FETを
駆動するのではなく、検出電圧と基準電圧とをコンパレ
ータにより比較し、比較結果に応じた2値の制御信号に
よりMOS−FETを駆動する。すなわち、図28
(C)にも示したように、検出電圧に応じてコンパレー
タがハイレベル又はローレベルの2値の制御信号をMO
S−FETに出力する。
【0103】また、基準電圧は、前述したように、整流
用又は転流用のMOS−FETを駆動する場合において
MOS−FETをオンさせるのに必要なスレッショルド
電圧に対応した検出電圧よりも小さい電圧に設定され
る。
【0104】このため、図27及び図28(A),
(C)に示すように、検出電圧がリニアに出力されるオ
ペアンプでスイッチ素子を駆動する場合と比較して、電
流が寄生ダイオードを流れる期間を短縮することができ
る。これにより、図27にも示したように、コンパレー
タの場合の最適ドライブ範囲、すなわち寄生ダイオード
に電流が流れない期間をオペアンプの場合の最適ドライ
ブ範囲よりも軽負荷側へ広げることができる。従って、
電流が流れ始めたときのように電流が小さい場合、すな
わち軽負荷時においても速やかにMOS−FETをオン
させることができ、図29に示したコンパレータ方式に
おける出力電流Ioと電源効率ηとの関係に示されるよ
うに、誤差増幅器方式と比較して、特に出力電流Ioが
小さい軽負荷時における電源効率ηを向上させることが
できる。
【0105】また、基準電圧の設定を変えることによ
り、スイッチ素子の導通開始点を任意に設定することが
できるので、最適駆動範囲に容易かつ迅速に設定でき
る。
【0106】このような本発明の特徴は、省電力対応の
電源装置に本発明を適用した場合に、定格電流より遥か
に小さい軽負荷で、かつ定格電流(通常負荷)時より遥
かに長い期間の動作を要求される待機モード時において
非常に有利であり、従来無視されてきた待機モード等で
の効率を飛躍的に向上させることができる。
【0107】なお、本実施形態ではコンパレータ34、
44の反転入力端子に別々の基準電圧電源から基準電圧
を入力していたが、図3に示すように、基準電圧電源を
共通にし、共通の基準電圧を入力するようにしてもよ
い。これによりさらに部品点数を減らすことができる。
【0108】〔第2実施形態〕次に、本発明の第2実施
形態について説明する。第2実施形態では、第1実施形
態において説明した電源装置10の変形例について説明
する。なお、図1に示す電源装置10と同一部分につい
ては同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】図4に示す電源装置10が図1に示す電源
装置10と異なる点は、整流用MOS−FET40をP
チャンネルのMOS−FETとし、トランス12の2次
巻線12Aの一端側に設けた点のみである。この点以外
は第1実施形態と同様なので説明は省略する。
【0110】〔第3実施形態〕次に、本発明の第3実施
形態について説明する。第3実施形態では、第1実施形
態において説明した電源装置10の変形例について説明
する。なお、図1に示す電源装置10と同一部分につい
ては同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0111】図5に示す電源装置10が図1に示す電源
装置10と異なる点は、電流検出抵抗42、コンパレー
タ44、基準電圧電源46、及び増幅回路48がなく、
整流用MOS−FET40のゲート端子をトランス12
の2次巻線12Aの一端に接続した点である。すなわ
ち、整流用MOS−FET40は、従来と同様に2次側
巻線電圧Vsにより駆動される。前述したように、整流
時には常にMOS−FET40のゲート端子に駆動電圧
が発生しているため、特に問題はない。この点以外は第
1実施形態と同様なので説明を省略する。
【0112】〔第4実施形態〕次に、本発明の第4実施
形態について説明する。第4実施形態では、トランスの
1次側のスイッチング素子がオンのときにトランスにエ
ネルギーを蓄え、スイッチング素子がオフのときに出力
側へ電力を送る所謂フライバック方式の電源装置に本発
明を適用した場合について説明する。なお、図1に示す
電源装置10と同一部分については同一符号を付す。
【0113】図6に示す電源装置10は、トランス12
を備えている。トランス12の1次巻線12Aの一端
は、直流電源11のプラス側が接続され、他端はMOS
−FET13のドレイン端子が接続されている。MOS
−FET13のゲート端子は制御回路19が接続されて
おり、ソース端子は直流電源11のマイナス側に接続さ
れている。MOS−FET13のゲート端子に制御回路
19により制御信号が入力されることによりトランス1
2の1次巻線12Aに印加される直流電圧がスイッチン
グされる。これにより、トランス12の2次巻線12B
側には、巻線比に応じた交流電圧が誘起される。
【0114】2次巻線12Bの一端は、コンデンサ(例
えば電解コンデンサ)20の一端及び負荷側端子22に
接続されている。コンデンサ20の他端は接地端24に
接続されている。
【0115】一方、2次巻線12Aの他端は、Nチャン
ネルのMOS−FET40のドレイン端子が接続されて
いる。MOS−FET40のソース端子は、電流検出抵
抗42の一端に接続されている。電流検出抵抗42の他
端はコンデンサ20の他端に接続(接地)されると共
に、コンパレータの非反転入力端子に接続されている。
すなわち、電流検出抵抗42は、MOS−FET40に
対して電流が流れる方向の上流側に配置されている。
【0116】コンパレータ44の反転入力端子には基準
電圧電源46が接続されている。コンパレータ44のプ
ラス電源端子44Pは、トランス12の2次巻線12B
の一端に接続されており、マイナス電源端子44Mは電
流検出抵抗42の一端に接続されている。
【0117】コンパレータ44の出力端子は、増幅回路
48を構成するNPNのトランジスタ48A及びPNP
のトランジスタ48Bのベース端子に接続されている。
トランジスタ48Aのコレクタ端子はトランス12の2
次巻線12Bの一端に接続されており、トランジスタ4
8Bのコレクタ端子はMOS−FET40のソース端子
に接続されている。増幅回路48の出力端子は抵抗47
を介して整流用MOS−FET40のゲート端子に接続
されている。また、MOS−FET40は、その特性に
より寄生ダイオード40Aを備えている。
【0118】このMOS−FET40、電流検出抵抗4
2、コンパレータ44、基準電圧電源46、抵抗47及
び増幅回路48で同期整流回路15を構成している。す
なわち、図6に示すように、同期整流回路15の入力端
Aは接地端24に接続され、出力側から戻る電流が入力
される。また、同期整流回路15の出力端Bはトランス
12の2次巻線12Bの他端に接続され、同期整流回路
15の電源入力端Cはトランス12の2次巻線12Bの
一端に接続されている。
【0119】次に、第4実施形態の作用を説明する。
【0120】まず、制御回路19によりMOS−FET
13のゲート端子に所定周期でオンオフを繰り返す制御
信号が出力される。そして、MOS−FET13がオン
するとMOS−FET13のドレイン−ソース間電圧V
DSは略零となり、1次側電流IDSがトランス12の1次
巻線12Aを流れ、該トランスの1次巻線12Aにエネ
ルギーが蓄えられる。この1次側電流IDSは、トランス
12のインダクタンスのために次第に増加する波形とな
る。
【0121】そして、MOS−FET13がオフする
と、MOS−FET13に印加されるドレイン−ソース
間電圧VDSはトランス12の逆起電力も加わって大きく
なる。また、トランス12の1次巻線12Aに蓄えられ
たエネルギーによりトランス12の2次巻線12Bに2
次側巻線電圧が発生し、コンデンサ20で平滑されて出
力側へ電流IOが供給される。さらに、電流検出抵抗4
2、MOS−FET40、及びその寄生ダイオード40
Aをドレイン電流ID1及び寄生ダイオード電流I d1の少
なくとも一方が流れる。このドレイン電流ID1及び寄生
ダイオード電流I d1は、MOS−FET13のオフの直
後に大きく、次第に減少する波形となる。
【0122】この時、コンパレータ44で基準電圧電源
46からの基準電圧Vrefと電流検出抵抗42を流れる
電流I1による電圧降下、すなわち検出素子電圧VRS
が比較される。そして、検出素子電圧VRSが基準電圧V
ref以上だった場合にはコンパレータ44はハイレベル
を出力し、増幅回路48を介してMOS−FET40の
ゲート端子をバイアスする。これにより、MOS−FE
T40がオンし、該MOS−FET40にドレイン電流
D1が流れる。検出素子電圧VRSが基準電圧V refより
も小さかった場合にはコンパレータ44はローレベルを
出力する。これにより、MOS−FET40はオンせ
ず、寄生ダイオード40Aに電流Id1が流れる。
【0123】図7には各部の電圧及び電流の波形図が示
されている。図7(A)にはMOS−FET13のドレ
イン−ソース間電圧VDSの波形が、同図(B)には1次
側電流IDSの波形が、同図(C)には検出抵抗42によ
る検出素子電圧VRSの波形が、同図(D)には、コンパ
レータ44の出力電圧の波形が、同図(E)には寄生ダ
イオード40Aを流れる電流Id1の波形が、同図(F)
にはMOS−FET40を流れるドレイン電流ID1の波
形が、同図(G)には電流検出抵抗42を流れる2次側
電流I1(=ID1+Id1)の波形がそれぞれ示されてい
る。
【0124】図7に示す区間1は寄生ダイオード40A
にのみ電流が流れる場合を、区間2は寄生ダイオード4
0A及びMOS−FET40の両方に電流が流れる場合
を、区間3はMOS−FET40にのみ電流が流れる場
合をそれぞれ示している。
【0125】上記のように、コンパレータ44では、検
出素子電圧VRSと基準電圧Vrefとを比較するが、MO
S−FET40の上流側に電流検出抵抗42が設けられ
ているため、コンパレータ44の反転入力端子には、基
準電圧電源46と電流検出抵抗42による電圧降下分の
みの電圧しか入力されない。このため、コンパレータの
電源電圧以上の過大な電圧が入力されることがない。従
って、負荷側の電圧変動に関わらず適正な電圧範囲でコ
ンパレータを駆動させることができ、別電源でコンパレ
ータを駆動する必要がない。このため、コンパレータ4
4の電源を出力側から得ることができ、回路構成を簡単
にすることができる。
【0126】〔第5実施形態〕次に、本発明の第5実施
形態について説明する。第5実施形態では、トランスの
1次側に複数のスイッチング素子を備え、これらのスイ
ッチング素子を所定のタイミングで交互にオンオフさせ
ることによりトランスの使用効率を高めることができる
所謂多石方式(ハーフブリッジ方式)の電源装置に本発
明を適用した場合について説明する。なお、図6に示す
電源装置10と同一部分については同一符号を付す。
【0127】図8に示すように、電源装置10は、1次
巻線12A及び中点が設けられた2次巻線12Bを備え
たトランス12を備えている。トランス12の1次巻線
12Aの一端は、MOS−FET13Aのソース端子及
びMOS−FET13Bのドレイン端子が接続されてい
る。MOS−FET13Aのドレイン端子は直流電源1
1のプラス側及びコンデンサ17Aの一端に接続されて
いる。コンデンサ17Aの他端は1次巻線12Aの他端
及びコンデンサ17Bの一端に接続されている。コンデ
ンサ17Bの他端はMOS−FET13Bのソース端子
に接続されると共に接地されている。
【0128】MOS−FET13A,13Bのゲート端
子は制御回路19が接続されている。制御回路19は、
MOS−FET13A,13Bを所定のタイミングで交
互にオンオフさせる制御信号をMOS−FET13A、
13Bに出力する。これにより、トランス12の1次巻
線12Aに極性が異なる電圧が交互に印加される。すな
わち、1次巻線12A側の回路は、所謂ハーフブリッジ
型のインバータ回路となっている。
【0129】トランス12の2次巻線12Bの一端は、
同期整流回路15Aの出力端Bが接続されており、2次
巻線12Bの他端は、同期整流回路15Bの出力端Bが
接続されている。なお、同期整流回路15A,15B
は、図6に示した同期整流回路15と同一構成であるた
め、その説明を省略する。
【0130】また、2次巻線12Bの中点は、チョーク
コイル18の一端に接続されており、チョークコイル1
8の他端は負荷側端子22及びコンデンサ20の一端に
接続されている。コンデンサ20の他端は、接地端24
及び同期整流回路15A,15Bの入力端Aに接続され
ている。同期整流回路15A,15Bの電源入力端Cは
チョークコイル18の他端及びコンデンサ20の一端に
接続されている。
【0131】次に、第5実施形態の作用を説明する。
【0132】まず、制御回路19からMOS−FET1
3A,13Bのゲート端子に所定の制御信号、すなわち
MOS−FET13A,13Bを所定周期で交互にオン
オフさせる制御信号が出力される。
【0133】そして、MOS−FET13Aがオンする
と、直流電源11→MOS−FET13A→トランス1
2の1次巻線12A→コンデンサ17Bの経路で電流が
流れ、MOS−FET13Bがオンしているときには、
直流電源11→コンデンサ17A→トランス12の1次
巻線12A→MOS−FET13Bの経路で電流が流れ
る。
【0134】従って、1次巻線12Aに流れる電流の向
き(1次巻線12Aに印加される電圧の向き)は、MO
S−FET13AがオンしているときとMOS−FET
13Bがオンしているときとで逆向きとなる。なお、図
9(A)にMOS−FET13Aのドレイン−ソース間
電圧(一次側電圧)VDS1を、同図(B)にMOS−F
ET13Aを流れる電流(一次側電流)IDS1をそれぞ
れ示す。この1次側電流IDS1は、トランス12のイン
ダクタンスのために次第に増加する波形となる。
【0135】これにより、トランス12の1次巻線12
Aには、図9(C)に示すように一定のオフ期間Tof
fを挟んで、極性の異なる電圧(一次側トランス電圧V
p)が交互に印加されて違いに逆向きの電流が交互に流
れる。トランス12の1次巻線12Aに上記のように電
圧が印加されると、2次巻線12Bに2次側巻線電圧が
発生する。
【0136】MOS−FET13Aがオンのときには、
図8に示すようにトランス12の2次巻線12Bの中点
→チョークコイル18→コンデンサ20及び図示しない
負荷→同期整流回路15Aの経路で電流I1(=ID1
d1)が流れる。
【0137】一方、MOS−FET13Bがオンのとき
には、図8に示すようにトランス12の2次巻線12B
の中点→チョークコイル18→コンデンサ20及び図示
しない負荷→同期整流回路15Bの経路で電流I2(=
D2+Id2)が流れる。
【0138】なお、MOS−FET13A、13Bが共
にオフの時(図9におけるToffの期間)には、トラ
ンス12の2次巻線12Bに電圧が誘起されないため、
チョークコイル18に蓄えられたエネルギーにより、チ
ョークコイル18→コンデンサ20及び負荷→同期整流
回路15A、15B→2次巻線12Bの中点の経路で電
流I1、I2が同時に各々流れる。
【0139】そして、同期整流回路15Aでは、コンパ
レータ44により基準電圧電源46からの基準電圧V
refと電流検出抵抗42を流れる電流I1による電圧降
下、すなわち検出素子電圧VRSとが比較される。そし
て、検出素子電圧VRSが基準電圧V ref以上だった場合
にはコンパレータ44はハイレベルを出力し、増幅回路
48を介してMOS−FET40のゲート端子をバイア
スする。これにより、MOS−FET40がオンし、該
MOS−FET40にドレイン電流ID1が流れる。検出
素子電圧VRSが基準電圧Vrefよりも小さかった場合に
はコンパレータ44はローレベルを出力する。これによ
り、MOS−FET40はオンせず、寄生ダイオード4
0Aに電流Id1が流れる。
【0140】すなわち、図9(H)に示すように、出力
電流IOが少ない場合、すなわち軽負荷時には、図9
(D)に示すように電流I1による電圧降下が小さく、
検出素子電圧VRSが基準電圧Vrefを超えないため、図
9(F)に示すように寄生ダイオード40Aにのみ電流
d1が流れる。また、出力電流IOが増加すると、検出
素子電圧VRSが基準電圧Vrefを超え、該超えた期間だ
け図9(E)に示すようにコンパレータ44がオンし、
図9(G)に示すようにMOS−FET40にドレイン
電流ID1が流れる。そして、出力電流IOが多い場合に
は、コンパレータ44が完全にオンし、MOS−FET
40にのみドレイン電流ID1が流れる。なお、同期整流
回路15Bについても上記と同様である。
【0141】上記のように、同期整流回路15A,15
Bのコンパレータ44では、検出素子電圧VRSと基準電
圧Vrefとを比較するが、MOS−FET40の上流側
に電流検出抵抗42が設けられているため、コンパレー
タ44の反転入力端子には、基準電圧電源46と電流検
出抵抗42による電圧降下分のみの電圧しか入力されな
い。このため、コンパレータの電源電圧以上の過大な電
圧が入力されることがない。従って、負荷側の電圧変動
に関わらず適正な電圧範囲でコンパレータを駆動させる
ことができ、別電源でコンパレータを駆動する必要がな
い。このため、コンパレータ44の電源を出力側から得
ることができ、回路構成を簡単にすることができる。
【0142】なお、上記では、1次側の回路をハーフブ
リッジ方式の回路として説明したが、これに限らず、フ
ルブリッジ方式やプッシュプル方式の回路でも本発明を
適用できる。
【0143】〔第6実施形態〕次に、本発明の第6実施
形態について説明する。第6実施形態では、フォワード
型の電源装置において、スイッチ素子としてフォトサイ
リスタを用いた場合について説明する。なお、上記実施
形態と同一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は
省略する。
【0144】図30に示すように、電源装置50は、ト
ランス12を備えている。トランス12の1次巻線12
Aの一端には、抵抗52、コンデンサ54、及びダイオ
ード56で構成されたリセット回路58の一端が、1次
巻線12Aの他端はリセット回路58の他端及びMOS
−FET13のドレイン端子が接続されている。すなわ
ち、1次巻線12Aとリセット回路58とは並列に接続
されている。また、リセット回路58の一端は平滑用コ
ンデンサ60の一端に接続されている。
【0145】MOS−FET13のゲート端子は制御回
路19が接続されており、ソース端子は平滑用コンデン
サ60の他端に接続されている。平滑用コンデンサ60
には、整流ブリッジ回路62が接続され、整流ブリッジ
回路62にはノイズフィルタ64が接続され、ノイズフ
ィルタ64にはヒューズ66が接続されている。
【0146】これにより、ヒューズ66を介して入力さ
れた交流電圧は、ノイズフィルタ64によりノイズ除去
され、整流ブリッジ回路62で直流電圧に変換される。
変換された直流電圧は、平滑用コンデンサ60で平滑さ
れてトランス12の1次巻線12Aに供給される。
【0147】そして、MOS−FET13のゲート端子
に制御回路19から制御信号が入力されることにより、
トランス12の1次巻線12Aに印加される直流電圧が
スイッチングされる。これにより、トランス12の2次
巻線12B側には、巻線比に応じた交流電圧が誘起され
る。
【0148】2次巻線12Bの一端は、整流用フォトサ
イリスタ68の発光側ダイオード68Aのアノード及び
受光側サイリスタ68Bのアノードに接続されている。
発光側ダイオード68Aのカソード及び受光側サイリス
タ68Bのカソードは、コンデンサ70及び抵抗72が
並列接続された誤動作防止回路74の一端に接続されて
いる。すなわち、発光側ダイオード68Aと受光側サイ
リスタ68Bとは並列に接続されている。また、受光側
サイリスタ68BのゲートGには、誤動作防止回路74
の他端が接続されている。すなわち、受光側サイリスタ
68BのゲートGとカソードとの間に誤動作防止回路7
4が接続されている。
【0149】また、誤動作防止回路74の一端は、転流
用フォトサイリスタ76の発光側ダイオード76Aのカ
ソード及び受光側サイリスタ76Bのカソードが接続さ
れている。発光側ダイオード76Aのカソード及び受光
側サイリスタ76Bのカソードは、コンデンサ78及び
抵抗80が並列接続された誤動作防止回路82の一端に
接続されている。すなわち、発光側ダイオード76Aと
受光側サイリスタ76Bとは並列に接続されている。ま
た、受光側サイリスタ76BのゲートGには、誤動作防
止回路82の他端が接続されている。すなわち、受光側
サイリスタ76BのゲートGとカソードとの間に誤動作
防止回路82が接続されている。転流用フォトサイリス
タ76の発光側ダイオード76Aのアノード及び受光側
サイリスタ76Bのアノードは2次巻線12Bの他端に
接続されている。
【0150】誤動作防止回路82の他端は、チョークコ
イル18の一端に接続されている。チョークコイル18
の他端は、他端が2次巻線12Bの他端に接続された平
滑用のコンデンサ20の一端及び出力検出回路29に接
続されている。また、出力検出回路29は、制御回路1
9に接続されている。
【0151】次に、第6実施形態の作用を説明する。
【0152】まず、制御回路19によりMOS−FET
13のゲート端子に所定周期でオンオフを繰り返す制御
信号が出力される。そして、MOS−FET13がオン
すると、図31(A)に示すように、MOS−FET1
3のドレイン−ソース間電圧VDSは略零となり、図31
(B)に示すように1次側電流IDがトランス12の1
次巻線12Aを流れる。これにより、トランスの1次巻
線12Aには図31(C)に示すように1次側電圧VN1
が発生する。この1次側電流IDは、トランス12のイ
ンダクタンスのために次第に増加する波形となる。
【0153】また、これに伴い、図31(D)に示すよ
うに、1次側電流IDが1次巻線12Aを流れることに
より誘起された2次側電流(整流電流)IN2が2次巻線
12Bを流れる。これにより、2次巻線12Bには図3
1(E)に示すように2次側電圧VN2が発生する。この
2次側電流IN2は、トランス12のインダクタンスのた
めに次第に増加する波形となる。
【0154】2次側電流IN2が2次巻線12Bを流れる
と、整流用フォトサイリスタ68の発光側ダイオード6
8Aには図31(F)に示すように電流I01が流れる。
この電流により、発光側ダイオード68Aが発光し、受
光側サイリスタ68BのゲートGがトリガされ、受光側
サイリスタ68Bに図31(G)に示すように電流I 1
が流れる。ここで、発光側ダイオード68Aの順方向電
圧(オン電圧)VFDと受光側サイリスタ68Bの順方向
電圧(オン電圧)VFSとの関係がVFS<VFDであれば、
発光側ダイオード68Aがオフする。発光側ダイオード
68Aがオフした場合でも、受光側サイリスタ68B
は、順方向に2次側電圧VN2が印加されているため、図
31(G)に示すように発光側ダイオード68Aがオフ
しても電流が流れ続け、オン状態を維持する。すなわち
自己保持する。この電流はチョークコイル18を介して
コンデンサ20を充電しながら出力側へ出力される。
【0155】なお、発光側ダイオードの順方向電圧VFD
と受光側サイリスタ68Bの順方向電圧VFSとの関係が
FS<VFDでない場合には、発光側ダイオード68Aと
直列に図示しないダイオードを接続すればよい。これに
より、VFS<VFDの条件を満たすことが可能となり、発
光側ダイオード68Aが発光し、受光側サイリスタ68
BのゲートGがトリガされた時に、発光側ダイオード6
8Aを正常にオフさせることができる。
【0156】そして、MOS−FET13がオフする
と、受光側サイリスタ68Bはオフ状態となり、チョー
クコイル18に蓄積されたエネルギーが転流用フォトサ
イリスタ76の発光側ダイオード76Aに図31(H)
に示すように電流I02が流れる。この電流により、発光
側ダイオード76Aが発光し、受光側サイリスタ76B
のゲートGがトリガされ、受光側サイリスタ76Bに図
31(I)に示すように電流I2が流れる。これらの転
流電流In2はチョークコイル18を介して出力側へ出力
される。この場合においても、発光側ダイオード76A
の順方向電圧VFDと受光側サイリスタ76Bの順方向電
圧VFSとの関係がVFS<VFDでない場合には、発光側ダ
イオード76Aと直列に図示しないダイオードを接続す
ればよい。これにより、VFS<VFDの条件を満たすこと
が可能となり、発光側ダイオード76Aが発光し、受光
側サイリスタ76BのゲートGがトリガされた時に、発
光側ダイオード76Aを正常にオフさせることができ
る。
【0157】このように、スイッチ素子として自己保持
素子であるフォトサイリスタを用いているため、電流駆
動による同期整流が可能になる。また、フォトサイリス
タの発光側ダイオードに電流が流れることにより、速や
かに受光側サイリスタをオンさせることができる。すな
わち、流れる電流に対して線形的に応答して受光側サイ
リスタがオンするのではなく、流れる電流に対して非線
形に応答して受光側サイリスタが速やかにオンする。こ
のため、電流が流れ始める軽負荷時においても速やかに
整流電流又は転流電流を流すことができ、軽負荷時にお
けるエネルギー変換効率を従来と比較して向上させるこ
とが可能となる。さらに、比較器及び基準電圧を必要と
しないため、部品点数が少なくてすむため、簡単かつ安
価な回路構成とすることができる。
【0158】〔第7実施形態〕次に、本発明の第7実施
形態について説明する。第7実施形態では、第6実施形
態の変形例について説明する。なお、第6実施形態と同
一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0159】図32には、第7実施形態に係る電源装置
51が示されている。なお、1次側の回路は図30に示
す電源装置50と同一であるので省略し、2次側の回路
について説明する。
【0160】図32に示すように、2次巻線12Bの一
端は、Pチャンネルの整流用MOS−FET41のソー
ス端子、抵抗61の一端、及び整流用フォトサイリスタ
68の発光側ダイオード68Aのアノードが接続されて
いる。整流用MOS−FET41のドレイン端子は、発
光側ダイオード68Aのカソード及びチョークコイル1
8の一端に接続されている。すなわち、整流用MOS−
FET41のドレイン−ソース間と発光側ダイオード6
8Aとは並列に接続されている。抵抗61の他端は整流
用MOS−FET41のゲート端子及び抵抗63の一端
に接続されている。
【0161】抵抗63の他端は、整流用フォトサイリス
タ68の受光側サイリスタ68Bのアノードが接続され
ており、受光側サイリスタ68のカソードは、コンデン
サ70及び抵抗72で構成されたノイズによる誤動作を
防止するための誤動作防止回路74の一端、及び2次巻
線12Bの他端が接続されている。受光側サイリスタ6
8のゲートGは誤動作防止回路74の他端に接続されて
いる。
【0162】また、チョークコイル18の一端は、Nチ
ャンネルの転流用MOS−FET16のドレイン端子、
転流用フォトサイリスタ76の発光側ダイオード76A
のカソード、抵抗65の一端が接続されている。転流用
MOS−FET16のソース端子は、発光側ダイオード
76Aのアノードに接続されている。すなわち、転流用
MOS−FET16のドレイン−ソース間と発光側ダイ
オード76Aとは並列に接続されている。
【0163】転流用MOS−FET16のゲート端子
は、抵抗65の他端及びバイアス抵抗67の一端が接続
されている。バイアス抵抗67の一端は、受光側サイリ
スタ76Bのアノードが接続されている。受光側サイリ
スタ76Bのカソードはコンデンサ78及び抵抗80で
構成された誤動作防止回路82の一端、及び2次巻線1
2Bの他端に接続されている。受光側サイリスタ76B
のゲートGは、誤動作防止回路82の他端に接続されて
いる。
【0164】次に、第7実施形態の作用を説明する。
【0165】まず、1次巻線側のMOS−FET13が
オンすると、2次側電流IN2が2次巻線12Bを流れ
る。これにより、整流用フォトサイリスタ68の発光側
ダイオード68Aには電流I01が流れる。この電流によ
り、発光側ダイオード68Aが発光し、受光側サイリス
タ68BのゲートGがトリガされ、受光側サイリスタ6
8Bに抵抗61、63を経由して電流ISCR1が流れる。
このため、整流用MOS−FET41がオンし、整流用
MOS−FET41のソースからドレインへ電流I1
流れる。この電流はチョークコイル18を介してコンデ
ンサ20を充電しながら出力側へ出力される。
【0166】そして、MOS−FET13がオフする
と、受光側サイリスタ68Bはオフ状態となり、電流I
SCR1が流れなくなるため、整流用MOS−FET40は
オフする。
【0167】次に、チョークコイル18に蓄積されたエ
ネルギーがコンデンサ20を経由して転流し、転流用フ
ォトサイリスタ76の発光側ダイオード76Aに電流I
02が流れる。この電流により、発光側ダイオード76A
が発光し、受光側サイリスタ76BのゲートGがトリガ
され、抵抗65、バイアス抵抗67を経由して受光側サ
イリスタ76Bに電流ISCR2が流れる。これにより、転
流用MOS−FET16のゲート端子がバイアスされる
ため、転流用MOS−FET16がオンし、電流I2
流れる。これらの転流電流In2は、チョークコイル18
を介して出力側へ出力される。
【0168】このように、フォトサイリスタの発光側ダ
イオードに電流が流れることにより、速やかに整流用M
OS−FET又は転流用MOS−FETをオンさせるこ
とができる。すなわち、流れる電流に対して線形的に応
答して整流用MOS−FET又は転流用MOS−FET
がオンするのではなく、流れる電流に対して非線形に応
答して整流用MOS−FET又は転流用MOS−FET
が速やかにオンする。このため、電流が流れ始める軽負
荷時においても速やかに整流電流又は転流電流を流すこ
とができ、軽負荷時におけるエネルギー変換効率を従来
と比較して向上させることが可能となる。さらに、比較
器及び基準電圧を必要としないため、部品点数が少なく
てすむため、簡単かつ安価な回路構成とすることができ
る。
【0169】〔第8実施形態〕次に、本発明の第8実施
形態について説明する。第8実施形態では、第6実施形
態の変形例について説明する。なお、第6実施形態と同
一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0170】図33には、第8実施形態に係る電源装置
53が示されている。なお、1次側の回路は図30に示
す電源装置50と同一であるので省略し、2次側の回路
について説明する。また、図33では、出力検出回路2
9は省略している。
【0171】図33に示すように、2次巻線12Bの一
端は、Nチャンネルの転流用MOS−FET16のドレ
イン端子、転流用フォトカプラ71の発光側ダイオード
71Aのカソード、及びチョークコイル18の一端に接
続されている。
【0172】チョークコイル18の他端は、抵抗73、
75、77、79の一端、転流用フォトカプラ71の受
光側トランジスタ71Bのコレクタ、整流用フォトカプ
ラ81の受光側トランジスタ81Bのコレクタ及びコン
デンサ20の一端に接続されている。
【0173】抵抗73の他端は抵抗83を介してトラン
ジスタ84のコレクタに接続されると共にトランジスタ
87のベースに接続されている。抵抗75の他端はトラ
ンジスタ85のエミッタに接続されている。
【0174】受光側トランジスタ71Bのエミッタはコ
ンデンサ78及び抵抗80で構成された誤動作防止回路
82の一端及びサイリスタ86のゲートに接続されてい
る。トランジスタ85のコレクタはサイリスタ86のア
ノードに接続され、サイリスタ86のカソードは誤動作
防止回路82の他端及び転流用MOS−FET16のゲ
ート端子に接続されている。すなわち、サイリスタ86
のゲートとカソードとの間に誤動作防止回路82が接続
されている。誤動作防止回路82の他端は抵抗87の一
端に接続されている。
【0175】転流用MOS−FET16のソース端子
は、発光側ダイオード71Aのアノード、トランジスタ
84のベース、及び電流検出抵抗88の一端に接続され
ている。抵抗87、電流検出抵抗88の他端はコンデン
サ20の他端に接続されている。
【0176】一方、抵抗77の他端は抵抗89を介して
トランジスタ90のコレクタに接続されると共にトラン
ジスタ91のベースに接続されている。抵抗79の他端
はトランジスタ91のエミッタに接続されている。
【0177】受光側トランジスタ81Bのエミッタはコ
ンデンサ70及び抵抗72で構成された誤動作防止回路
74の一端及びサイリスタ92のゲートに接続されてい
る。トランジスタ91のコレクタはサイリスタ92のア
ノードに接続され、サイリスタ92のカソードは誤動作
防止回路74の他端及びNチャンネルの整流用MOS−
FET43のゲート端子に接続されている。すなわち、
サイリスタ92のゲートとカソードとの間に誤動作防止
回路74が接続されている。誤動作防止回路74の他端
は抵抗93の一端に接続されている。
【0178】整流用MOS−FET43のソース端子
は、発光側ダイオード81Aのアノード、トランジスタ
90のベース、及び電流検出抵抗94の一端に接続され
ている。抵抗93、電流検出抵抗94の他端はコンデン
サ20の他端に接続されている。整流用MOS−FET
43のドレイン端子は発光側ダイオード81Aのカソー
ド及び2次巻線12Bの他端に接続されている。
【0179】次に、第8実施形態の作用を説明する。
【0180】まず、1次巻線側のMOS−FET13が
オンすると、2次側電流IN2が整流側の電流検出抵抗9
4を流れ始める。これにより、トランジスタ90がオン
し、抵抗77,89に電流が流れ、トランジスタ91が
オンする。これにより、サイリスタ92がオン状態へ移
行可能な状態となる。
【0181】また、2次側電流IN2が整流側の電流検出
抵抗94を流れ始めると、発光側ダイオード81Aに電
流I01が流れる。この電流により、発光側ダイオード8
1Aが発光し、受光側トランジスタ81Bがオンし、サ
イリスタ92のゲートがトリガされ、サイリスタ92が
オンする。これにより、抵抗79を経由してサイリスタ
92に電流ISCR1が流れる。このため、整流用MOS−
FET43がオンし、整流用MOS−FET43のソー
スからドレインへ電流I1が流れる。
【0182】そして、MOS−FET13がオフする
と、2次側電流IN2が流れなくなり、トランジスタ90
がオフし、さらにトランジスタ91がオフする。これに
より、サイリスタ92がオフするため、整流用MOS−
FET43がオフする。
【0183】また、MOS−FET13がオフすると、
チョークコイル18に蓄積されたエネルギーがコンデン
サ20を経由して転流し、転流側の電流検出抵抗88に
2次側電流In2が流れ始める。これにより、トランジス
タ84がオンし、抵抗73,83に電流が流れ、トラン
ジスタ85がオンする。これにより、サイリスタ86が
オン状態へ移行可能な状態となる。
【0184】また、2次側電流In2が転流側の電流検出
抵抗88を流れ始めると、発光側ダイオード71Aに電
流I02が流れる。この電流により、発光側ダイオード7
1Aが発光し、受光側トランジスタ71Bがオンし、サ
イリスタ86のゲートがトリガされ、サイリスタ86が
オンする。これにより、抵抗75を経由してサイリスタ
86に電流ISCR2が流れる。このため、転流用MOS−
FET16がオンし、転流用MOS−FET16のソー
スからドレインへ電流I2が流れる。
【0185】そして、MOS−FET13がオンする
と、2次側電流In2が流れなくなり、トランジスタ84
がオフし、さらにトランジスタ85がオフする。これに
より、サイリスタ86がオフするため、転流用MOS−
FET16がオフする。
【0186】このように、フォトカプラの発光側ダイオ
ードに電流が流れることにより、速やかに整流用MOS
−FET又は転流用MOS−FETをオンさせることが
できる。すなわち、流れる電流に対して線形的に応答し
て整流用MOS−FET又は転流用MOS−FETがオ
ンするのではなく、流れる電流に対して非線形に応答し
て整流用MOS−FET又は転流用MOS−FETが速
やかにオンする。このため、電流が流れ始める軽負荷時
においても速やかに整流電流又は転流電流を流すことが
でき、軽負荷時におけるエネルギー変換効率を従来と比
較して向上させることが可能となる。
【0187】また、整流用及び転流用のMOS−FET
の駆動電力は、出力側、すなわちチョークコイルの他端
から供給しているため、別電源を使用する必要がなく無
駄な電力の消費を抑えることができる。さらに、比較器
及び基準電圧を必要としないため、部品点数が少なくて
すむため、簡単かつ安価な回路構成とすることができ
る。
【0188】〔第9実施形態〕次に、本発明の第9実施
形態について説明する。第9実施形態では、第8実施形
態の変形例について説明する。なお、第8実施形態と同
一部分には同一符号を付し、その詳細な説明は省略す
る。
【0189】図34には、第9実施形態に係る電源装置
55が示されている。なお、1次側の回路は図30に示
す電源装置50と同一であるので省略し、2次側の回路
について説明する。また、図34では、出力検出回路2
9は省略している。
【0190】図34に示す電源装置55と図33に示す
電源装置53とが異なる点は、電源装置53では整流用
フォトカプラ81、転流用フォトカプラ71を用いてい
るのに対し、電源装置55では、整流用フォトサイリス
タ95、転流用フォトサイリスタ96を用いている点で
ある。すなわち、図34に示す電源装置55では、図3
3に示す電源装置53の受光側トランジスタ71B,8
1Bがなく、図33に示すサイリスタ86、92が、図
34に示す受光側サイリスタ96B、95Bに対応して
いる。
【0191】次に、第9実施形態の作用を説明する。
【0192】まず、1次巻線側のMOS−FET13が
オンすると、2次側電流IN2が整流側の電流検出抵抗9
4を流れ始める。これにより、トランジスタ90がオン
し、抵抗77,89に電流が流れ、トランジスタ91が
オンする。これにより、受光側サイリスタ95Bがオン
状態へ移行可能な状態となる。
【0193】また、2次側電流IN2が整流側の電流検出
抵抗94を流れ始めると、発光側ダイオード95Aに電
流I01が流れる。この電流により、発光側ダイオード9
5Aが発光し、受光側サイリスタ95Bのゲートがトリ
ガされ、受光側サイリスタ95Bがオンする。これによ
り、抵抗79を経由して受光側サイリスタ95Bに電流
SCR2が流れる。このため、整流用MOS−FET43
がオンし、整流用MOS−FET43のソースからドレ
インへ電流I1が流れる。
【0194】そして、MOS−FET13がオフする
と、2次側電流IN2が流れなくなり、トランジスタ90
がオフし、さらにトランジスタ91がオフする。これに
より、受光側サイリスタ95Bがオフするため、整流用
MOS−FET43がオフする。
【0195】また、MOS−FET13がオフすると、
チョークコイル18に蓄積されたエネルギーがコンデン
サ20を経由して転流し、転流側の電流検出抵抗88に
2次側電流In2が流れ始める。これにより、トランジス
タ84がオンし、抵抗73,83に電流が流れ、トラン
ジスタ85がオンする。これにより、受光側サイリスタ
96Bがオン状態へ移行可能な状態となる。
【0196】また、2次側電流In2が転流側の電流検出
抵抗88を流れ始めると、発光側ダイオード96Aに電
流I02が流れる。この電流により、発光側ダイオード9
6Aが発光し、受光側サイリスタ96Bのゲートがトリ
ガされ、受光側サイリスタ96Bがオンする。これによ
り、抵抗75を経由して受光側サイリスタ96Bに電流
SCR2が流れる。このため、転流用MOS−FET16
がオンし、転流用MOS−FET16のソースからドレ
インへ電流I2が流れる。
【0197】そして、MOS−FET13がオンする
と、2次側電流In2が流れなくなり、トランジスタ84
がオフし、さらにトランジスタ85がオフする。これに
より、受光側サイリスタ96Bがオフするため、転流用
MOS−FET16がオフする。
【0198】このように、フォトサイリスタの発光側ダ
イオードに電流が流れることにより、速やかに整流用M
OS−FET又は転流用MOS−FETをオンさせるこ
とができる。すなわち、流れる電流に対して線形的に応
答して整流用MOS−FET又は転流用MOS−FET
がオンするのではなく、流れる電流に対して非線形に応
答して整流用MOS−FET又は転流用MOS−FET
が速やかにオンする。このため、電流が流れ始める軽負
荷時においても速やかに整流電流又は転流電流を流すこ
とができ、軽負荷時におけるエネルギー変換効率を従来
と比較して向上させることが可能となる。
【0199】また、整流用及び転流用のMOS−FET
の駆動電力は、出力側、すなわちチョークコイルの他端
から供給しているため、別電源を使用する必要がなく無
駄な電力の消費を抑えることができる。さらに、比較器
及び基準電圧を必要としないため、部品点数が少なくて
すむため、簡単かつ安価な回路構成とすることができ
る。
【0200】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
軽負荷に対応する電流の検出時に非線形に応答して制御
信号をオン制御信号とし、オンすべき期間終了までオン
制御信号をスイッチ素子に出力するようにしたので、軽
負荷時の電源効率を飛躍的に向上させることができる。
この事は、近年の省エネ時における待機時の省電力時
(軽負荷時)における損失を低減できると共に、定格負
荷時の損失をも同時に低減させるという効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施形態における電源装置の概略構成図
である。
【図2】 第1実施形態における電源装置の各部の電流
及び電圧の波形を示す波形図である。
【図3】 コンパレータの他の接続例を示す回路図であ
る。
【図4】 第2実施形態における電源装置の概略構成図
である。
【図5】 第3実施形態における電源装置の概略構成図
である。
【図6】 第4実施形態における電源装置の概略構成図
である。
【図7】 第4実施形態における電源装置の各部の電流
及び電圧の波形を示す波形図である。
【図8】 第5実施形態における電源装置の概略構成図
である。
【図9】 第5実施形態における電源装置の各部の電流
及び電圧の波形を示す波形図である。
【図10】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図11】 図10の詳細図である。
【図12】 ダイオードの特性を示す線図である。
【図13】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図14】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図15】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図16】 ダイオード及びMOS−FETの電圧降下
と電流との関係を示す線図である。
【図17】 従来における電源装置の各部の電流及び電
圧の波形を示す波形図である。
【図18】 従来における電源装置の各部の電流及び電
圧の波形を示す波形図である。
【図19】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図20】 従来における電源装置の各部の電流及び電
圧の波形を示す波形図である。
【図21】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図22】 従来における電源装置の各部の電流及び電
圧の波形を示す波形図である。
【図23】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図24】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図25】 従来における電源装置のコンパレータの電
圧波形を示す波形図である。
【図26】 従来における電源装置の概略構成図であ
る。
【図27】 従来における電源装置の検出回路の電圧降
下とMOS−FETの駆動電圧との関係を示す線図であ
る。
【図28】 (A)はカレントトランスを用いた電源装
置の場合における1次電流とゲート印加電圧との関係を
示す線図、(B)はオペアンプを用いた電源装置の場合
における検出電流とゲート印加電圧との関係を示す線
図、(C)は本発明に係る電源装置の場合における検出
電流とゲート印加電圧との関係を示す線図である。
【図29】 出力電流と電源効率ηとの関係を示す線図
である。
【図30】 第6実施形態における電源装置の概略構成
図である。
【図31】 第6実施形態における電源装置の各部の電
流及び電圧の波形を示す波形図である。
【図32】 第7実施形態における電源装置の概略構成
図である。
【図33】 第8実施形態における電源装置の概略構成
図である。
【図34】 第9実施形態における電源装置の概略構成
図である。
【符号の説明】
10 電源装置 12 トランス 14 1次側制御回路 15 同期整流回路 16 転流用MOS−FET 16A 寄生ダイオード 18 チョークコイル 20 コンデンサ 26 負荷 32、42 電流検出抵抗 34、44 コンパレータ 36、46 基準電圧電源 38、48 増幅回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 AA00 CA02 CA12 CA13 CB03 CB05 CB07 CC02 CC08 DA04 DB03 DC05 5H730 AA14 AS01 BB23 BB26 BB43 BB57 CC01 DD04 DD42 EE02 EE03 EE07 EE08 EE13 FD01 FF19 FG05

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軽負荷から通常負荷までの負荷に対応す
    る電流を整流する同期整流回路であって、 整流すべき前記電流が流れるラインに挿入され当該電流
    を制御信号に基づいてオンオフするスイッチ素子と、 前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応する電流の検出
    時に非線形に応答して前記制御信号をオン制御信号と
    し、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイッ
    チ素子に出力する制御手段と、 前記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッチ素子が
    オンするまで前記電流を流すダイオードと、 を具備する同期整流回路。
  2. 【請求項2】 前記制御手段が、 前記電流を検出する検出素子と、 前記検出素子の検出結果と基準値とを比較し、比較結果
    に基づいて制御信号を前記スイッチ素子に出力するコン
    パレータと、を含み、 検出値に対して出力が線形に出力される制御回路で前記
    スイッチ素子を駆動する場合において前記スイッチ素子
    をオンさせる閾値に対応した検出値よりも小さい値に前
    記基準値を設定したことを特徴とする請求項1記載の同
    期整流回路。
  3. 【請求項3】 前記電流が出力側から戻される電流であ
    り、前記検出素子が前記スイッチ素子より上流側に設け
    られることを特徴とする請求項2記載の同期整流回路。
  4. 【請求項4】 前記制御手段が、 前記ダイオードとして前記スイッチ素子に並列に接続さ
    れると共に前記電流のうち軽負荷に対応する電流を検出
    する発光ダイオードと、 前記発光ダイオードからの光を受光し、受光結果に基づ
    いて制御信号をオン制御信号とし、オンすべき期間終了
    までオン制御信号を前記スイッチ素子に出力する駆動手
    段と、 を具備することを特徴とする請求項1記載の同期整流回
    路。
  5. 【請求項5】 前記駆動手段が、受光後前記スイッチ素
    子がオンすべき期間導通する自己保持素子を含む回路で
    あることを特徴とする請求項4記載の同期整流回路。
  6. 【請求項6】 前記自己保持素子が、フォトサイリスタ
    であることを特徴とする請求項5記載の同期整流回路。
  7. 【請求項7】 1次巻線及びこの1次巻線と同極性の2
    次巻線を持つトランスと、前記トランスの1次巻線に印
    加される電力をスイッチングするスイッチング手段と、
    前記トランスの1次巻線に電力が印加されているとき
    に、前記2次巻線に誘起された電力を蓄積すると共に平
    滑して出力する出力手段と、前記トランスの2次巻線側
    に設けられ、整流すべき電流を整流する同期整流回路
    と、を備え、軽負荷から通常負荷までの負荷に対応した
    電力を前記出力手段より出力する電源装置において、 前記同期整流回路が、 整流すべき前記電流が流れるラインに挿入され当該電流
    を制御信号に基づいてオンオフするスイッチ素子と、 前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応する電流の検出
    時に非線形に応答して前記制御信号をオン制御信号と
    し、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイッ
    チ素子に出力する制御手段と、 前記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッチ素子が
    オンするまで前記電流を流すダイオードと、 を具備することを特徴とする電源装置。
  8. 【請求項8】 1次巻線及びこの1次巻線と異極性の2
    次巻線を持つトランスと、前記トランスの1次巻線に印
    加される電力をスイッチングするスイッチング手段と、
    前記トランスの1次巻線に電力が印加されていないとき
    に、前記トランスに蓄積された電力を平滑して出力する
    出力手段と、前記トランスの2次巻線側に設けられ、整
    流すべき電流を整流する同期整流回路と、を備え、軽負
    荷から通常負荷までの負荷に対応した電力を前記出力手
    段より出力する電源装置において、 前記同期整流回路が、 整流すべき前記電流が流れるラインに挿入され当該電流
    を制御信号に基づいてオンオフするスイッチ素子と、 前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応する電流の検出
    時に非線形に応答して前記制御信号をオン制御信号と
    し、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイッ
    チ素子に出力する制御手段と、 前記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッチ素子が
    オンするまで前記電流を流すダイオードと、 を具備することを特徴とする電源装置。
  9. 【請求項9】 1次巻線及び中点が設けられた2次巻線
    を持つトランスと、前記トランスの1次巻線に一方の方
    向に電圧を印加した後に前記電圧の印加を所定期間停止
    し、前記1次巻線の他方の方向に電圧を印加した後に電
    圧の印加を所定期間停止することを繰り返す電圧印加手
    段と、前記トランスの2次巻線の両端とこの両端を互い
    に接続する接続点との間に挿入され、出力側からの戻り
    の電流を整流する一対の同期整流回路と、前記2次巻線
    の中点と前記接続点との間に設けられ両点間の電力を出
    力する出力手段と、を備え、軽負荷から通常負荷までの
    負荷に対応した電力を前記出力手段より出力する電源装
    置において、 前記同期整流回路が、 整流すべき前記電流が流れるラインに挿入され当該電流
    を制御信号に基づいてオンオフするスイッチ素子と、 前記電流のうち少なくとも軽負荷に対応する電流の検出
    時に非線形に応答して前記制御信号をオン制御信号と
    し、オンすべき期間終了までオン制御信号を前記スイッ
    チ素子に出力する制御手段と、 前記スイッチ素子に並列に接続され当該スイッチ素子が
    オンするまで前記電流を流すダイオードと、 を具備することを特徴とする電源装置。
  10. 【請求項10】 前記制御手段が、 前記電流を検出する検出素子と、 前記検出素子の検出結果と基準値とを比較し、比較結果
    に基づいて制御信号を前記スイッチ素子に出力するコン
    パレータと、を含み、 検出値に対して出力が線形に出力される制御回路で前記
    スイッチ素子を駆動する場合において前記スイッチ素子
    をオンさせる閾値に対応した検出値よりも小さい値に前
    記基準値を設定したことを特徴とする請求項7乃至請求
    項9の何れか1項に記載の電源装置。
  11. 【請求項11】 前記電流が出力側から戻される電流で
    あり、前記検出素子が前記スイッチ素子より上流側に設
    けられることを特徴とする請求項10記載の電源装置。
  12. 【請求項12】 前記コンパレータの電源が前記出力手
    段の出力側から供給されることを特徴とする請求項11
    記載の電源装置。
  13. 【請求項13】 前記制御手段が、 前記ダイオードとして前記スイッチ素子に並列に接続さ
    れると共に前記電流のうち軽負荷に対応する電流を検出
    する発光ダイオードと、 前記発光ダイオードからの光を受光し、受光結果に基づ
    いて制御信号をオン制御信号とし、オンすべき期間終了
    までオン制御信号を前記スイッチ素子に出力する駆動手
    段と、 を具備することを特徴とする請求項7乃至請求項9の何
    れか1項に記載の電源装置。
  14. 【請求項14】 前記駆動手段が、受光後前記スイッチ
    素子がオンすべき期間導通する自己保持素子を含む回路
    であることを特徴とする請求項13記載の電源装置。
  15. 【請求項15】 前記自己保持素子が、フォトサイリス
    タであることを特徴とする請求項14記載の電源装置。
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