JP2001222286A - 吸音板 - Google Patents

吸音板

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JP2001222286A
JP2001222286A JP2000369332A JP2000369332A JP2001222286A JP 2001222286 A JP2001222286 A JP 2001222286A JP 2000369332 A JP2000369332 A JP 2000369332A JP 2000369332 A JP2000369332 A JP 2000369332A JP 2001222286 A JP2001222286 A JP 2001222286A
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sound absorbing
sound
sheet
absorbing plate
absorbing sheet
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JP2000369332A
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Yoshiaki Hama
義紹 濱
Tamotsu Kuroda
保 黒田
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Awa Paper Co Ltd
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Awa Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量にして優れた吸音特性を実現する。 【解決手段】 吸音板は、基材2の表面に、空気層3を
介して吸音シート1を配設して、吸音シート1と空気層
3とで吸音する。吸音シートは、50〜99重量%の原
料繊維と、1〜40重量%の補強薬剤又は熱融着繊維と
を含み、シートの密度を0.05〜0.4g/cm
し、厚さを1〜5mmとし、通気抵抗を5〜200mm
Aqとする不織布または紙である。原料繊維は、天然セ
ルロース繊維と合成繊維と化学繊維のいずれかである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音を吸収して反射
音を弱くする吸音板に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、吸音材としてグラスウール、アル
ミニウム系多孔質等の各種材料が使用されている。グラ
スウールは空気層を設けることなく、壁面等に直接取り
付けることで吸音効果が得られる。これはグラスウール
で厚い材料が製造し得るからである。ただし、軟質であ
るため、これを固定するため、施工時にその表面をパン
チングメタルの様な材料で覆う必要があり、また、繊維
の飛散という問題が生じる。
【0003】アルミニウム系多孔質には、粉末粒子の焼
成品や繊維積層品等があり、これらは厚さ2〜3mmと
薄い材料であるため、高い吸音効果を上げるためには、
吸音シートの背面に空気層を設ける必要がある。
【0004】この特性を利用した吸音板が、特公昭64
−10179号公報に記載される。この公報に記載され
る吸音板の分解斜視図を図1に示す。この吸音板は、吸
音シート1と基材2との間に、空気層3を設け、吸音シ
ート1に、金属や合金の粉末粒子を焼結した多孔質焼結
板を使用している。多孔質焼結板は無数の空隙を有す
る。空隙を空気振動が通過するときに、音の運動のエネ
ルギーが吸収される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】図1に示す構造の吸音
板は、好ましい吸音特性を実現するが、吸音シートに、
金属粉末を焼結した多孔質焼結板を使用するので、全体
の重量が重くなる。また、金属の多孔質焼結板は、簡単
に裁断できないので用途に最適な形状に切断するのが難
しい欠点がある。さらに、金属の粉末粒子を焼結した多
孔質焼結板は、製造コストが高く、吸音板を安価に多量
生産するのを難しくしている。
【0006】吸音シートに、金属粒子を焼結した多孔質
焼結板に代わって、紙が使用できるなら、軽くて便利に
使用でき、しかも、安価に多量生産できる特長が実現で
きる。しかしながら、吸音シートに紙を使用すると、吸
音特性が著しく悪化して、好ましい吸音特性を実現でき
ない。本発明者は、この欠点を解消することに目的に、
種々の実験を繰り返した結果、特定の紙を使用すること
によって、吸音シートに金属製の多孔質焼結板を使用し
た吸音板に勝るとも劣らない吸音特性を実現することに
成功した。
【0007】したがって、本発明の大切な目的は、全体
を著しく軽量化できる共に、簡単に最適な形状に切断で
き、さらに、安価に多量生産して優れた吸音特性を実現
できる吸音板を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の吸音板は、基材
2の表面に、空気層3を介して吸音シート1を配設して
おり、吸音シート1と空気層3とで吸音する。吸音シー
ト1は、50〜99重量%の原料繊維と、1〜40重量
%の補強薬剤とを含み、密度を0.05〜0.4g/c
とし、厚さを1〜5mmとし、さらに空気流速40
cm/secにおける通気抵抗を5〜200mm水柱と
する不織布まはた紙である。ただし、原料繊維は、天然
セルロース繊維と合成繊維と化学繊維のいずれかひと
つ、または複数の繊維を混合してもので、シートの密度
は、坪量/厚さで計算する。
【0009】本発明の請求項2の吸音板は、吸音シート
1に使用する不織布または紙の密度を、0.1〜0.4
g/cmとする。
【0010】本発明の請求項3の吸音板は、吸音シート
1に使用する不織布または紙の通気抵抗を、20〜10
0mm水柱とする。
【0011】本発明の請求項4の吸音板は、吸音板と基
材2との間に、ハニカム構造のシート材4を挟着して空
気層3を設けている。
【0012】本発明の請求項4の吸音板は、吸音シート
の空気の通気抵抗を5〜200mmAqとしている。
【0013】本発明の吸音シート1は、4重量%以下の
結合剤と、30重量%以下の難燃剤とを含む。
【0014】本発明の吸音板は、吸音シート1に、音で
振動する振動膜1Bを積層することができる。振動膜1
Bには、空気を通過させないシートを使用し、あるいは
空気を通過させるシートを使用する。さらに、振動膜1
Bは、振動できるように吸音シート1に積層して固定す
ることができ、また、複数枚の吸音シートの間に振動で
きるように配設することもできる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明
の技術思想を具体化するための吸音板を例示するもので
あって、本発明は吸音板を下記のものに特定しない。
【0016】さらに、この明細書は、特許請求の範囲を
理解し易いように、実施例に示される部材に対応する番
号を、「特許請求の範囲の欄」、および「課題を解決す
るための手段の欄」に示される部材に付記している。た
だ、特許請求の範囲に示される部材を、実施例の部材に
特定するものでは決してない。
【0017】図2の断面図に示す吸音板は、基材2の表
面に、空気層3を介して吸音シート1を配設している。
基材2には、紙、プラスチック板、合板が使用できる。
基材に紙やプラスチック板を使用した吸音板は、極めて
切断しやすい特長がある。また、基材に、プラスチック
板や合板を使用した基材は、音の透過率を極めて低くで
きる特長もある。プラスチック板や合板で音を遮断でき
るからである。
【0018】空気層3には、ハニカム構造のシート材4
を設けている。シート材には紙やプラスチックシートを
使用する。紙製のシート材は、接着材を使用して、吸音
シート1と基材2とに強固に接着できる特長がある。ハ
ニカム構造のシート材で空気層3を設けた吸音板は、全
体を軽くして、強靭な構造にできる。とくに、圧縮強度
を強くできる。また、ハニカム構造によって、空気層を
狭い領域の空気室に区画して、吸音特性を良くできる特
長もある。ただ、本発明の吸音板は、空気層をハニカム
構造に特定しない。空気層は、たとえば図示しないが、
一定の長さの筒体を吸音シートと基材とに所定の間隔で
接着して、設けることもできる。
【0019】空気層3の厚さは吸音特性に影響を与え
る。空気層3が薄いと吸音特性が低下する。とくに、空
気層が薄すぎると、低い周波数領域での吸音特性が低下
する。ただ、空気層を厚くすると、吸音板が厚くなるの
で、空気層は、要求される吸音特性と全体の厚さとを考
慮して、たとえば10〜100mm、好ましくは20〜
80mm、さらに好ましくは25〜60mmとする。
【0020】吸音シート1の物性は、吸音板の吸音特性
に影響を与える。吸音シート1は、不織布または紙で製
作する。不織布は、50〜99重量%の原料繊維と、1
〜40重量%の補強薬剤又は熱融着繊維を混合し、原料
繊維の交点を結合して製造される。不織布の原料繊維に
は、天然セルロース繊維、合成繊維、化学繊維等が使用
できる。すなわち、不織布は天然セルロース繊維と合成
繊維と化学繊維のいずれかひとつ、あるいは複数の繊維
を混合したものである。
【0021】不織布または紙製の吸音シートは、優れた
吸音特性を実現するために、密度を0.05〜0.4g
/cmとして、厚さを1〜5mmとし、さらに、通気
抵抗を5〜200mm水柱とする不織布または紙を使用
する。不織布または紙の密度と厚さと通気抵抗は、吸音
特性に影響を与える。吸音シートの密度は、高くても低
くても、好ましい吸音特性を実現できない。吸音シート
の密度が高くなると、低音から高音にわたる広い周波数
範囲において、吸音特性が低下する。とくに、吸音シー
トの密度が、0.4g/cmよりも高くなると、全体
の周波数にわたって吸音特性が著しく悪化する。それ
は、吸音シートの密度が高くなると、空隙率が少なくな
って、空気振動である音が通過し難くなり、音の振動の
エネルギーを吸音シートで吸収できなくなるからであ
る。反対に、吸音シートの密度が低すぎても吸音特性は
低下する。とくに、吸音シートの密度が0.05g/c
よりも低くなると、低音の吸音特性が著しく低下す
る。それは、低い周波数で振動している空気が吸音シー
トを通過しやすくなって、振動のエネルギーを吸音シー
トで充分に減衰できなくなるからである。低い音は高い
音に比較して1秒間に振動する回数が少ない。たとえ
ば、100Hzの音は1秒間に100回空気が振動して
いるが、1000Hzの音は、1秒間に1000回も空
気が振動する。低い音は振動回数が少ないので、吸音シ
ートを空気がゆっくりと通過して通過しやすくなり、吸
音シートを通過することによってよる振動のエネルギー
の吸収が効率よく行われない。このため、吸音特性が悪
化する。
【0022】吸音シート1に使用する不織布または紙
は、密度を前述の限られた範囲に特定することによっ
て、低音から高音まで広い周波数領域において、優れた
吸音特性を実現する。さらに、吸音シートに使用する不
織布または紙は、密度を、0.1〜0.4g/cm
範囲に制限することで、より優れた吸音特性を実現でき
る。
【0023】吸音シート1の不織布または紙は、厚さも
吸音特性に影響を与える。吸音シートが薄すぎると、こ
れを透過する音のエネルギーを充分に減衰できなくなっ
て、主として低音の吸音特性が低下する。とくに、吸音
シートの厚さを1mmよりも薄くすると、低音の吸音特
性が著しく低下してしまう。反対に、厚くすると重くて
製造コストが高くなる。とくに吸音シートの厚さを5m
mよりも厚くすると、製造コストが相当に高くなって、
製品コストを高くする。したがって、吸音シートの厚さ
は、吸音特性と、製造コストと、吸音板の重量とを考慮
して前述の範囲で用途に適した厚さとする。
【0024】さらに、吸音板は、吸音シート1に使用す
る不織布または紙の通気抵抗も特定の範囲に制限する。
通気抵抗は前述の密度および厚さにより変化するという
特性があるが、通気抵抗の特定により、密度と厚さの組
み合せにおける最適範囲があるからである。吸音シート
に使用する不織布または紙は、好ましくは40cm/s
ec、通気抵抗を5〜200mm水柱、さらに好ましく
は10〜150mm水柱、最適には20〜100mmA
qとする。通気抵抗を大きくして空気が通過し難くなる
と、低音から高音にわたる広い周波数範囲において吸音
特性が低下する。それは、吸音シートを空気振動が通過
し難くなって、吸音シートを通過するときに音が減衰で
きなくなるからである。反対に、通気抵抗を小さくして
空気がスムーズに通過できるようにすると、低音の吸音
特性が低下する。それは、空気振動がゆっくりしている
低音は、空気振動が速い高音に比較して、空気の通過速
度が遅く、吸音シートをよりスムーズに通過するからで
ある。吸音シートに使用する不織布または紙は、通気抵
抗をも前述の限られた範囲に特定して、低音から高音ま
で広い周波数領域において、優れた吸音特性を実現す
る。
【0025】本明細書において吸音シートの通気抵抗
は、吸音シートに通過させる空気の流速を40cm/s
ecとするときに、吸音シートの両面に作用する圧力差
を水柱高さmmで表したものとする。
【0026】吸音板の吸音シートに使用する紙は以下の
工程で製造する。 原料調整 水に、原料繊維としい天然セルロース繊維のパルプ10
0重量部を仕込み、離解した後、パルプを添加した液を
後貯槽に移送して以下の薬品を添加して調合液とする。 乾燥紙力増強剤(ポリアクリルアミド)…………………1.5重量部 湿潤紙力増強剤(ポリアミドエピクロロヒドリン)…0.75重量部 硫酸バンド定着剤…………………………………………………2重量部 乾燥紙力増強剤と湿潤紙力増強剤は結合剤で、硫酸バン
ドは定着剤である。
【0027】使用する原料繊維は、天然セルロース繊維
に加えて、化学繊維と合成繊維と無機繊維を混合して使
用することもできる。化学繊維と合成繊維と無機繊維等
の人造繊維は、天然繊維セルロース100重量部に対し
て、0〜49重量部の範囲とする。
【0028】天然セルロース繊維には、木材パルプ、
綿、麻、竹等の植物繊維を使用し、合成繊維にはポリエ
ステル、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、ア
クリル、アラミド、PVA等を使用する。化学繊維に
は、レーヨン、アルギン酸、タンパク質繊維等を使用す
る。無機繊維には、ガラス繊維、炭素繊維、活性炭繊維
等を使用する。天然セルロース繊維は、好ましくは、平
均的な長さを約2〜3mmとするものを使用する。た
だ、天然繊維には、平均的な長さを1〜30mmとする
ものも使用できる。合成繊維には、平均的な長さを約3
〜5mmとするものを使用する。ただ、合成セルロース
繊維も、平均的な長さを1〜20mmとするものも使用
できる。
【0029】パルプの添加量は、水に対して、たとえ
ば、0.1〜2重量%、好ましくは0.3〜1.5重量
%、最適には0.5〜1重量%とすることができる。パ
ルプの添加量が多すぎると、流動性が悪くなって製造能
率が低下する。反対にパルプの添加量が少な過ぎても、
抄紙効率が低下して製造能率が低下する。
【0030】 抄紙工程 原料調整して製作された原料液は、水で濃度調整され
て、図3に示す原料槽5に供給される。原料槽5には、
図4に示すように、下部を原料液に浸漬しているサクシ
ョンフォーマー6を水平に設けている。サクションフォ
ーマー6は、矢印で示す方向に回転されて表面にパルプ
を吸着する。サクションフォーマー6は丸網で、丸網の
内面に接近して、水を吸引する吸引口7を開口してい
る。吸引口7は、サクションフォーマーの表面に吸着さ
れたパルプに含有される水を吸引し脱水する。サクショ
ンフォーマーの表面には、脱水された湿紙8が付着され
る。
【0031】 乾燥工程 サクションフォーマー6から剥離された湿紙は、2本の
ロール9を通過してして脱水される。その後、一連の蒸
気加熱円筒に接触させて、残留水を蒸発させている。こ
の装置は、メインドライヤー10とアフタードライヤー
11からなる蒸気加熱円筒で、基材シートとなる湿紙の
水分を蒸発させる。
【0032】 後加工工程 乾燥された原紙12は、図5に示すように、樹脂を添加
した加工液13に浸漬して、後加工する。この工程は、
原紙を補強すると共に、難燃性や撥水性を付与する。さ
らに、必要ならば顔料や染料を添加して着色する。この
工程は、樹脂や薬品を加えた加工液を調整し、これに原
紙を浸漬して含浸加工する。この工程において、通気抵
抗が高くならないように加工条件を調整する。加工液に
は、たとえば、フエノール樹脂水溶液等を使用する。加
工液に浸漬した原紙は、乾燥炉14で乾燥する。
【0033】図8ないし図11に示す吸音板は、振動膜
1Bに吸音シート1を積層している。振動膜1Bは、吸
音シート1よりも空気の通過抵抗が大きく、音の空気振
動で振動される薄膜である。したがって、振動膜1Bに
は全く空気を通過させないシートも使用できる。吸音シ
ートに振動膜を積層している吸音板は、吸音シートには
空気を通過させる性質のものを使用するが、振動膜には
通気性のないものも使用できるので、吸音シートに振動
膜を積層した状態では通気性がない状態とすることもあ
る。振動膜1Bは、たとえば、ポリエチレンフィルム等
の薄いプラスチックフィルム、またはパルプを通気性が
ないシート状に加工したに紙または不織布である。振動
膜1Bは、振動できる状態で吸音シート1に積層され
る。振動膜1Bは局部的に吸音シート1の表面に接着し
て固定され、あるいは周縁を吸音シート1に連結して、
吸音シート1に積層される。図10および図11は、振
動膜1Bを熱融着ネット1Cで吸音シート1に局部的に
固定している。熱融着ネット1Cは、加熱すると溶融さ
れて振動膜1Bを吸音シート1に接着する。熱融着ネッ
ト1Cを溶融するには、振動膜1Bと熱融着ネット1C
と吸音シートを積層してホットプレスで加熱する。図9
に示すように、2枚の吸音シート1の間に振動膜1Bを
配設する構造は、振動膜1Bを接着することなく吸音シ
ート1の間に配設できる。2枚の吸音シート1は周縁を
連結し、あるいは局部的に連結して、積層構造に連結さ
れる。
【0034】図8ないし図11に示すように、振動膜1
Bを積層している吸音シート1は、図2に示す振動膜を
積層しない吸音シート1と同じ物性のシートが使用でき
る。図9に示すように、2枚、あるいは図示しないが3
枚の吸音シート1を積層している表面層は、積層した吸
音シート1が、図2に示す1枚の吸音シート1と同じ特
性となるものを使用する。
【0035】
【実施例】[実施例1〜6]パルプに、HBA[ウェイハウサ
゛ーヘ゜ーハ゜ー カンハ゜ニー(Weyerhaeuser Paper Company)製]
を70重量部と、針葉樹クラフトであるNBKPを30
重量部使用して、密度と、厚さと、通気抵抗を以下の表
1に示す値とする紙を製作し、この紙を吸音シートに使
用して吸音板を試作して、吸音特性を測定した。
【0036】ただし、この吸音板は、空気層の間隔を4
0mmとして、空気層を水酸化アルミ紙ハニカムを使用
した。さらに、基材には、水酸化アルミ紙と塩化ビニル
化粧鋼板のラミネートボードを使用した。
【0037】
【表1】
【0038】
【0039】実施例1〜実施例6の吸音板の吸音特性を
図6と図7に示す。これ等の図は、横軸を周波数、縦軸
の吸音率としている。これ等の図に示すように、実施例
1〜6の吸音板は、500〜2000Hzの可聴周波数
領域において、極めて優れた吸音特性を示した。吸音シ
ートに、本発明の範囲にない紙を使用した比較例の吸音
板は、500〜2000Hzの周波数範囲において、吸
音率が低く好ましい特性を示さなかった。
【0040】[実施例7]実施例1の吸音板において、
吸音シートの表面に、図10に示すように、振動膜を積
層する以外、実施例1と同様にして吸音板を作成する。
ただし、振動膜には膜厚が20μmであるポリエチレン
フィルムを使用する。この実施例の吸音板の吸音率は以
下の値となる。 500Hz…………0.45 1000Hz…………0.85 1500Hz…………0.81
【0041】[実施例8]20デニールのポリエステル
繊維70重量部と、30重量部の熱融着繊維とを使用し
て、空気流速40cm/secにおける通気抵抗が1
7.7mm水柱である不織布製の吸音シートを使用し、
吸音シートの表面に、図10に示すように、振動膜1B
を積層して吸音板を作成する。ただし、振動膜1Bは、
膜厚を140μmとし、空気流速40cm/secにお
ける通気抵抗を286mm水柱とすするカーボン紙を使
用する。このカーボン紙は、85重量部の麻繊維と、1
5重量部のカーボン繊維とを使用して湿式で抄紙して製
作した。このカーボン紙である振動膜は、編目が4×2
cmである熱融着ネットを使用して吸音シートの表面に
局部的に固定する。熱融着ネットは、振動膜と吸音シー
トの両面をホットプレスで加圧して融着されて、振動膜
を吸音シートに接着する。この実施例の吸音板の吸音率
は以下の値となる。 500Hz…………0.60 1000Hz…………0.70 1500Hz…………0.45
【0042】[実施例9]実施例6と同じ吸音シートを
2枚使用し、2枚の吸音シートの間に図9に示すよう
に、実施例8と同じカーボン紙を振動膜1Bとして配設
して吸音板を作成する。この実施例の吸音板の吸音率は
以下の値となる。 500Hz…………0.45 1000Hz…………0.92 1500Hz…………0.92
【0043】
【発明の効果】本発明の吸音板は、全体を著しく軽量化
できる共に、簡単に最適な形状に切断でき、さらに、安
価に多量生産して優れた吸音特性を実現できる特長があ
る。それは、本発明の吸音板が、基材の表面に、空気層
を介して吸音シートを配設して、吸音シートと空気層と
で吸音するように構成すると共に、吸音シートには、密
度と、厚さと、通気抵抗を特定の範囲に制限する不織布
または紙を使用しているからである。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の吸音板の一例を示す分解斜視図
【図2】本発明の実施例の吸音板の断面図
【図3】本発明の吸音板に使用する吸音シートである紙
の製造工程を示す概略断面図
【図4】図3に示す装着のサクションフォーマーを示す
断面図
【図5】吸音シートに使用する紙を後加工する装置の断
面図
【図6】吸音板の吸音特性を示すグラフ
【図7】吸音板の吸音特性を示すグラフ
【図8】本発明の他の実施例の吸音板の断面図
【図9】本発明の他の実施例の吸音板の断面図
【図10】本発明の他の実施例の吸音板の断面図
【図11】本発明の他の実施例の吸音板の断面図
【符号の説明】
1…吸音シート 1B…振動膜 1C…熱融着
ネット 2…基材 3…空気層 4…シート材 5…原料槽 6…サクションフォーマー 7…吸引口 8…湿紙 9…送りロール 10…メインドライヤー 11…アフタドライヤー 12…原紙 13…加工液 14…乾燥炉

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材(2)の表面に、空気層(3)を介して吸
    音シート(1)を配設しており、吸音シート(1)と空気層
    (3)とで吸音するように構成してなる吸音板において、 吸音シート(1)が、50〜99重量%の天然セルロース
    繊維、合成繊維、化学繊維等の原料繊維と、1〜40重
    量%の補強薬剤又は熱融着繊維とを含み、シートの密度
    を0.05〜0.4g/cmとし、厚さを1〜5mm
    とし、空気流速40cm/secにおける通気抵抗を5
    〜200mm水柱とする不織布または紙であることを特
    徴とする吸音板。
  2. 【請求項2】 吸音シート(1)に使用する不織布または
    紙の密度が、0.1〜0.4g/cmである請求項1
    に記載される吸音板。
  3. 【請求項3】 吸音シート(1)に使用する不織布または
    紙の通気抵抗が、20〜100mm水柱である請求項1
    に記載する吸音板。
  4. 【請求項4】 吸音板と基材(2)との間に、ハニカム構
    造のシート材(4)を挟着して空気層(3)を設けている請求
    項1に記載される吸音板。
  5. 【請求項5】 吸音シート(1)が、4重量%以下の結合
    剤と、30重量%以下の難燃剤とを含む請求項1に記載
    される吸音板。
  6. 【請求項6】 吸音シートに、音で振動する振動膜を積
    層している請求項1に記載される吸音板。
  7. 【請求項7】 振動膜が空気を通過させないシートであ
    る請求項6に記載される吸音板。
  8. 【請求項8】 振動膜が空気を通過させるシートである
    請求項6に記載される吸音板。
  9. 【請求項9】 振動膜(1B)が、振動できるように吸音シ
    ート(1A)に積層して固定している請求項4に記載される
    吸音板。
  10. 【請求項10】複数枚の吸音シートの間に振動膜を振動
    できるように配設している請求項6に記載される吸音
    板。
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