JP2001222136A - 現像剤 - Google Patents

現像剤

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JP2001222136A
JP2001222136A JP2000030313A JP2000030313A JP2001222136A JP 2001222136 A JP2001222136 A JP 2001222136A JP 2000030313 A JP2000030313 A JP 2000030313A JP 2000030313 A JP2000030313 A JP 2000030313A JP 2001222136 A JP2001222136 A JP 2001222136A
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JP
Japan
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wax
toner
polysaccharide
melting point
ethyl
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JP2000030313A
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English (en)
Inventor
Kunihiko Tomita
邦彦 富田
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Priority to US09/773,916 priority patent/US6413690B2/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来に比べ定着温度を下げることによる省エ
ネルギー化を図り、従来の低融点樹脂を使用したトナー
に比べ保存性を良好にし、外添剤との相互作用に経時変
化を起こさず、トナースペント、フィルミング、固着を
生じず、被印刷物の保存性を良好にし、良好な粉砕加工
性を得ること。 【解決手段】 メインバインダーにD−グルコースを構
成単位とする多糖であって、結合様式が次に示すα−
(1→2)結合、あるいはα(1→3)結合、あるいは
α−(1→4)結合、あるいはα−(1→6)結合、あ
るいはβ−(1→2)結合、あるいはβ−(1→3)結
合、あるいはβ−(1→6)結合であって、構成要素の
D−グルコース単位のアルコール性水酸基をエチルエー
テル化したエチル多糖を含有することを特徴とする電子
写真用トナー。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は複写機やファクシミ
リ、プリンター等に用いられている電子写真用現像剤及
びトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トナーを定着するには熱定着が多
く使われている。定着の原理としては一般に熱定着の場
合、定着されるトナーなどは定着機の熱により軟化ある
いは溶融していなければならず、この場合、この軟化あ
るいは溶融したトナーが定着機から圧力を受けて紙の繊
維中へめり込んだり、また軟化あるいは溶融したトナー
の表面は粘着性が出ているのでその粘着力で接着する。
従って、トナーに使用する樹脂の融点あるいは軟化点は
定着機の加熱時の温度以下である必要がある。
【0003】しかし、近年地球環境の保全のために省エ
ネルギーの要求が高まっており、定着機で消費できるエ
ネルギーが制限されつつある。実際定着エネルギーを下
げるためには定着機の温度を下げるしかなく、このよう
に定着エネルギーを下げた定着機に対応したトナーの樹
脂は、必然的に低融点にならざるを得ない。しかし、こ
のように融点を下げた樹脂は柔らかくなりやすく、トナ
ーに加工した後簡単にブロック化したり、表面に粘着性
があるためにトナー中の外添剤との相互作用が経時で変
化し、特性変化が起こったり保存性の面で問題がある。
また、現像機内部においても同様にトナーが柔らかく粘
着性があるために、キャリアにトナーがスペントした
り、現像ローラにトナーがフィルミングしたり、あるい
は現像ブレードにトナーが固着したりする問題がある。
更には、印刷した後の画像についても環境の変化によっ
て、被印刷紙同士がブロッキング起こしたりしやすいと
いう問題があった。そのほかに、トナーの加工上の問題
もあり、従来の樹脂で低融点化を図ると樹脂が柔らか過
ぎるために、粉砕工程に於いてトナーが粉砕しにくいと
いう問題や、粉砕機内に張り付いてしまうという問題も
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする問題と目的】従って、本発明
の目的は、上記従来技術に鑑みて、従来に比べ定着温度
を下げることによる省エネルギー化を図り、従来の低融
点樹脂を使用したトナーに比べ保存性を良好にし、外添
剤との相互作用に経時変化を起こさず、トナースペン
ト、フィルミング、固着を生じず、被印刷物の保存性を
良好にし、良好な粉砕加工性を得ることを目的とする。
【0005】
【問題を解決するための手段】上記目的は、本発明の
(1)「メインバインダーににD−グルコースを構成単
位とする多糖であって、結合様式が次に示すα−(1→
2)結合、あるいはα(1→3)結合、あるいはα−
(1→4)結合、あるいはα−(1→6)結合、あるい
はβ−(1→2)結合、あるいはβ−(1→3)結合、
あるいはβ−(1→6)結合であって、構成要素のD−
グルコース単位のアルコール性水酸基をエチルエーテル
化したエチル多糖を含有するトナー」、(2)「ワック
ス中にエチル多糖が均質に相溶しているトナー」、
(3)「前記エチル多糖とワックスが混合されているこ
とにより、エチル多糖の融点以下で定着可能であるトナ
ー」、(4)「前記エチル多糖をワックスの融点以上の
温度でワックスを溶剤として溶解させる工程を経て得ら
れたトナー」、(5)「前記エチル多糖に対するワック
スの組成比が、97:3〜5:90であるトナー」、
(6)「前記エチル多糖以外のバインダー成分を含み、
バインダー成分中の構成比でエチル多糖が10wt%以
上であるトナー」、(7)「融点がエチル多糖の融点よ
り低いワックスを使用したトナー」、(8)「溶融粘度
が150℃において1〜10000000センチポイズ
以下であるワックスを使用したトナー」、(9)「平均
分子量がGPCスチレン換算で500〜1000000
のエチル多糖を使用したトナー」、(10)「エトキシ
ル置換度が平均で1以上3以下のエチル多糖を使用した
トナー」、(11)「25℃における針入度が0以上2
0以下であるワックスを使用したトナー」、(12)
「特にパラフィン、マイクロクリスタリン、オレフィ
ン、あるいはこれらの酸化ワックスをワックスとして使
用したトナー」によって達成される。また上記目的は、
本発明の(13)「キャリア粒子と前記第(1)項〜第
(12)項のいずれかに記載のトナーを含む二成分系電
子写真用現像剤」、(14)「着色剤及び所望により添
加される磁性材料を含むことを特徴とする前記第(1)
項〜第(12)項のいずれかに記載のトナーを用いた一
成分系電子写真用現像剤」によって達成される。
【0006】以下、本発明について詳細に説明する。上
記第(1)〜(4)項は本発明の基本骨格をなすもので
あり、メインバインダーとして、融点が高く保存性や耐
スペント、耐フィルミング、耐固着性のよいエチル多糖
を使用し、これをワックスで溶解したものを固化させト
ナーとする。従ってこれを熱定着にかけたとき、ワック
スの融点以上の温度でエチル多糖がワックスにより溶解
し、エチル多糖の融点に温度が達しなくとも、エチル多
糖が軟化、あるいは溶解し定着性能が発現する。なお、
エチル多糖自体の融点は高いので樹脂が柔らかすぎると
いうことはなく、良好な粉砕性が得られる。このように
本発明のトナーは、ワックス中にエチル多糖が均質に相
溶しているものであり、したがって、本発明における均
質相溶とは、熱定着時にワックスの融点以上の温度でエ
チル多糖がワックスにより溶解し、エチル多糖の融点に
温度が達しなくとも、エチル多糖が軟化、あるいは溶解
し少なくとも定着性能が発現する程度の相溶状態を意味
する。
【0007】前記第(5)項に記載される内容について
詳細に説明すると、バインダー構成比でエチル多糖が1
0wt%以上で従来の樹脂と混合して使用する場合、少
なくとも樹脂全体中のエチル多糖含有量が10wt%以
上処方されている必要があり、10wt%より少ない処
方量では、従来の樹脂と混合されたトナーの融点を充分
に下げることができず、定着不良を起こしてしまう。エ
チル多糖含有量について鋭意検討した結果、好ましくは
15wt%以上、もっと好ましくは20wt%以上、更
に好ましくは30wt%以上、更にもっと好ましくは4
0wt%以上、より更に好ましくは50wt%以上がよ
い。
【0008】また、前記第(6)項に記載されるよう
に、エチル多糖に対するワックスの組成比については、
ワックスの処方量が多ければ多い程、エチル多糖の溶解
粘度は低下するが、エチル多糖処方量が減少するとワッ
クスが他の樹脂を溶解することはなく樹脂と交じること
もないので、樹脂とワックスが分離してしまいトナー化
が難しい。エチル多糖の処方量が多くワックスが少ない
と、エチル多糖がワックスに溶解しても、溶解粘度が高
すぎて定着性能が出ない。鋭意検討した結果、エチル多
糖とワックスの組成比が97:3〜5:95であれば性
能が出ることが明らかとなった。しかし実使用上は、オ
フィスのような空調の効いた場所での定着のみとは限ら
ず、高温、低温、高湿、低湿など色々の定着環境が考え
られ、好ましくは95:5〜20:80、更に好ましく
は90:10〜30:70、余裕度を考慮すれば更にも
っと好ましくは80:20〜40:60がよい。
【0009】前記第(7)項に記載されるように、ワッ
クスの融点がエチル多糖の融点より低いものを使用しな
いとエチル多糖の融点以下でワックスが溶融しないの
で、当然エチル多糖をワックスで溶解することはでき
ず、トナーの融点を下げることができない。したがっ
て、好ましくは50℃以上130℃以下、もっと好まし
くは50℃以上110℃以下、更に好ましくは50℃以
上100℃以下、更にもっと好ましくは50℃以上90
℃以下が望ましい。
【0010】前記第(8)項に記載のトナーの場合、検
討した結果、ワックスの溶融粘度が150℃において1
〜10000000センチポイズ以下であるようなワッ
クスであればよいことが明らかとなり、ワックスの溶融
粘度は低ければ低い程よいが、1センチポイズを切るよ
うなワックスの知見がない。逆にワックスの溶融粘度が
高い場合は、エチル多糖をワックスで溶解した場合、当
然このエチル多糖のワックス溶液は高粘度となり、10
00000センチポイズ以上のワックス粘度では、溶解
粘度が高すぎて定着不良を起こし易い。また、実使用上
はオフィスのような空調の効いた場所での定着のみとは
限らず、高温、低温、高湿、低湿など色々の定着環境が
考えられ、好ましくは1〜100000センチポイズ、
更に好ましくは1〜10000センチポイズ、更にもっ
と好ましくは1〜1000センチポイズ、余裕度を考慮
すると更によりもっと好ましくは1〜100センチポイ
ズがよい。
【0011】前記第(9)項に記載される内容について
詳細に説明すると、分子量について検討した結果、エチ
ル多糖の平均分子量がGPCスチレン換算で500〜1
000000であれば、良好な定着品質が得られること
が明らかとなった。分子量が小さい場合はワックスで溶
解したときの粘度は低く、分子量が大きい場合にはワッ
クスで溶解したときの溶解粘度は高い。従って、分子量
が小さいものの方が使用するワックスの量は少なくて済
む。但し分子量が小さくなりすぎると、樹脂が硬くなり
トナーがもろく割れやすくなりすぎ過粉砕し易い。ま
た、分子量が大きいとワックスで溶解したときの溶解粘
度は高くなり、ワックスの処方量を多くしなければなら
ず、分子量が大き過ぎると柔軟性が高くなり過ぎ粉砕性
が悪くなる。従って、より粉砕性と定着性をよい方向へ
もっていくとすると好ましい分子量は1000〜100
000である。またGPCの他に分子量を決定する方法
はいくつかあり、分子量は粘度に比例することを利用し
て、エチル多糖を溶剤に溶かしその溶液粘度で分子量を
表わす方法、薬品を使った当量などで表わす方法等もあ
るが、基本的にこれはGPCで測定したことと同値のこ
とであり、その測定法で本発明が左右されるものではな
い。
【0012】前記第(10)項に記載される内容につい
て詳細に説明すると、検討した結果、エトキシル置換度
が平均で1以上3以下であれば、良好なエチル多糖とし
ての性質が発揮できることが明らかとなった。エトキシ
ル置換度が低いとワックスに対する溶解性が失われてい
き、本発明に於いて使用できない。またアルコール性水
酸基はD−グルコピラノース構成単位中3であるので3
が限度である。従ってエトキシル置換度の好ましい値は
平均で1.5以上3以下がよく、更に好ましくは2以上
3以下がよい。
【0013】前記第(11)項に記載される内容につい
て詳細に説明すると、検討した結果、ワックスの25℃
における針入度が0以上20以下であるワックスであれ
ば、本発明に使用できることが明らかとなった。一般に
ワックスの針入度が高いとワックス自体の粘着性が高く
なり、現像の設計上スペントやフィルミング、固着等が
発生し易くなり好ましくない。従って、高温環境での使
用を考えるとワックスの針入度は0以上8以下が好まし
く、もっと好ましくは0以上5以下が望ましい。
【0014】前記第(12)項に記載される内容につい
て詳細に説明すると、検討した結果、特にワックスの種
類がパラフィン、マイクロクリスタリン、オレフィン、
あるいはこれらの酸化ワックスを使用するのがよく、こ
れらのワックスを使用することにより、エチル多糖の溶
解性が高く、トナーを製造する際短時間でエチル多糖が
ワックスに溶けることが明らかとなった。これはこれら
パラフィン、マイクロクリスタリン、オレフィン、ある
いはこれらの酸化ワックスの極性が特に低く、エチル多
糖のエトキシル基とのなじみがよいことが原因と思われ
る。
【0015】従来技術の問題を解決するために本発明で
は、定着の最低温度より高い融点の樹脂と定着の最低温
度より低い融点のワックスを使用し、ワックスの融点以
上の温度においてワックスが溶剤あるいは可塑剤として
機能することにより、樹脂がワックスにより分子レベル
で溶解し、樹脂を軟化あるいは溶解し、樹脂の融点より
低い温度で定着できる系を発見した。このことにより、
実際使用樹脂の融点よりはるかに低いワックスの融点近
傍の温度で定着が可能となり、省エネルギー化ができ
た。このことにより、融点の高いエチル多糖を使用して
も低温での定着が可能となった。
【0016】本発明における樹脂の融点とはフローテス
ター法による軟化点を指し、また本発明におけるワック
スの融点とは、ワックスの結晶が殆どアモルファス化し
透明になる点を指し、いわゆるDSC法におけるTgや
吸熱のトップピークとは異なる概念の融点である。従来
からトナーの樹脂中にワックスを分散して使用する方法
は公知である。これは定着ローラにトナーがつかないよ
うトナー中の樹脂にワックスを分散して、定着するとき
にこの分散されたワックスが染み出して、トナーと定着
ローラとの離型性をよくする方法がとられている。しか
し、従来使用されている樹脂はワックスによる溶解性が
なく、そのために樹脂自身を溶解や軟化させることはで
きない。これに対して、本発明のエチル多糖はワックス
の融点以上の温度において、液状のワックスに溶解ある
いは可塑化されるので、明らかに従来の方法とは異なる
ものである。
【0017】また、一般に多糖は分子内の水酸基による
水素結合力が非常に大きく、結晶性が非常に高いため、
熱による融解をしたりせず、また水やワックス、有機溶
剤に対し完全に不溶であるという性質がある。
【0018】これに対して、本発明によるエチル多糖は
この分子内の水酸基をエトキシル基で封鎖することによ
り、この水酸基による分子間の水素結合を断ち切り、結
晶性を下げることにより、多糖は全く異なった新しい種
類の樹脂として合成されたものである。
【0019】本発明に類似の技術に特開昭62−948
53号公報があり、このクレームにエチル多糖は含まれ
る。しかし、この発明はエチル多糖などの化合物を他の
結着樹脂中に混合することによって、樹脂の凝集力を上
げる構成となっており、本発明のようにメイン樹脂とし
てエチル多糖を使用するものではなく、本発明の場合は
ワックスによりエチル多糖を溶解させるため粘度の低下
が生じ、逆に凝集力は下がる方向にある。しかもこれに
よると、定着はこれら樹脂の混合物により行なうもので
あり、従って従来の樹脂による定着なので定着温度は高
いものとなる。これに対して、本発明はメイン樹脂とし
てエチル多糖を使用するものであり、また定着性能はこ
のエチル多糖がワックスにより溶解することにより、低
い温度での定着が可能となっている。従って、本発明と
は根本的に異なる全く別の発明である。
【0020】基本的にワックスに溶解する樹脂は殆どな
く、本発明におけるエチル多糖の前駆体である多糖も当
然ワックスには溶解しない。多糖はD−グルコースがα
−(1→2)結合、あるいはα(1→3)結合、あるい
はα−(1→4)結合、あるいはα−(1→6)結合、
あるいはβ−(1→2)結合、あるいはβ−(1→3)
結合、あるいはβ−(1→6)結合したものと考えら
れ、エチル多糖はD−グルコース単位の3個のアルコー
ル性水酸基をエトキシル基で一部あるいは全て置換した
形状をなす。根本的に多糖が熱に対して不融であり、
水、ワックス、各種有機溶剤に不溶である理由は、D−
グルコース単位のアルコール性水酸基自体の水素結合が
強すぎて、分子間の結合力が非常に大きく結晶性が高い
ことにあり、このことにより分子鎖が剛直でバラバラに
ほどけないことにある。また特に、ワックスに対しては
水酸基自体の極性が非常に高いがために、比較的極性の
低いワックスでは極性が違い過ぎて溶解性が全く発現し
ない。
【0021】これに対し、エチル多糖のワックスに対す
る溶解性の発現の理由は、エチル多糖がD−グルコース
単位のアルコール性水酸基が一部あるいは全てエトキシ
ル基に置換されており、水素結合点が少なく結晶性も下
がっており、しかもこのエトキシル基の極性が低いため
に極性の低いワックスとの親和性が高くなりワックスに
溶解することにある。一般にワックスは直鎖のパラフィ
ンや少し分岐したマイクロクリスタリン、オレフィン、
脂肪酸、脂肪族エステル、脂肪族ケトン、アミン、アミ
ド、アルコール、ステロールなどがあるが、これはあく
まで分子の一部分の結合や基であり、メインとなるアル
キル基の部分が非常に長いので全体としては極性が極端
に低くなる。
【0022】エチル多糖の製法の一例としては次のよう
な方法がある。多糖を原料としてアルカリ多糖を作り、
加圧缶中で塩化エチルを作用させて熱湯で洗って乾燥す
る。これら多糖は無水グルコースの連鎖からなり、各C
6単位は置換可能な三つのOH基を持つが、エチル多糖
はこのOH基を塩化エチルにより部分的あるいは完全に
エーテル化する。
【0023】
【化1】C672(OH)2ONa+ClC25→C6
72(OH)2OC25+NaCl から
【0024】
【化2】C672(ONa)3+3ClC25→C67
2(OC253+3NaCl までである。
【0025】本発明に使用できるサブレジンとしてはつ
ぎのようなものが挙げられる。トナーそれぞれに使用さ
れるバインダー樹脂の一例としては、ポリスチレン、ポ
リp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチ
レン及びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロロ
スチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、ス
チレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナ
フタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合
体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−
アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オク
チル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合
体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン
−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロル
メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニト
リル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合
体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプ
レン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン
共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−
マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合
体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレ
ート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロ
ジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、
芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィンなどが挙げられ、
単独あるいは混合して使用できるが特にこれらに限定す
るものではなく、これらの樹脂に必要に応じてカーボン
ブラックやカラー顔料を混練分散して使用すればよく、
当然帯電制御剤の併用も可能である。また粉体化した
後、トナーの流動性を調整するためにシリカ、チタン、
ストロンチウム等の添加剤を加えてもよい。
【0026】また本発明に使用できるワックスには以下
のようなものがある。パラフィン、マイクロクリスタリ
ンワックス、あるいはこれらの酸化ワックス、モンタン
酸、モンタン酸エステル、カルナウバ、キャンデリラ、
ライス、エスパルト、カスター、木ロウ、ミツロウ、ホ
ホバ、ステロール類、ケトンなどが使用できるが、これ
らワックスの種類が本発明を左右するものではない。そ
して、上記のような本発明のトナーは、キャリア粒子と
混合し二成分系電子写真用現像剤として使用することが
でき、また、着色剤及び所望により添加される磁性材料
を含むトナーを用いた一成分系電子写真用現像剤として
使用することができる。
【0027】以下実施例をもとに説明する。 (実施例1) エチル多糖 78wt% サゾールH2 16wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0028】 (実施例2) エチル多糖 50wt% サゾールH2 10wt% 磁性体 39wt% CCA 1wt%
【0029】 (実施例3) エチル多糖 72wt% カルナウバワックス 22wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0030】 (実施例4) エチル多糖 72wt% モンタン酸エステル 39wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0031】 (実施例5) エチル多糖 78wt% 155F°パラフィン 16wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0032】 (実施例6) エチル多糖 74wt% ライスワックス 20wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0033】 (実施例7) エチル多糖 74wt% 酸化パラフィン 20wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0034】 (実施例8) エチル多糖 94wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0035】 (実施例9) エチル多糖 74wt% 酸化パラフィン 20wt% シアン 5wt% CCA 1wt%
【0036】 (実施例10) エチル多糖 72wt% カルナウバ 22wt% イエロー 5wt% CCA 1wt%
【0037】 (実施例11) エチル多糖 42wt% 高融点ポリエステル(融点155℃) 30wt% カルナウバ 22wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0038】 (実施例12) 高融点ポリエステル(融点155℃) 94wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0039】 (実施例13) 低融点ポリエステル(融点94℃) 94wt% カーボンブラック 5wt% CCA 1wt%
【0040】 (実施例14) 高融点ポリエステル(155℃) 78wt% サゾールH2 16wt% カーボン 5wt% CCA 1wt%
【0041】上記実施例1〜13について3本ロールに
て5回混練し冷却後粉砕し、外添剤としてシリカをトナ
ー100部に対して1部加え混合し最終的なトナーとし
た。実施例14についてはワックスと樹脂が分離してト
ナー化ができなかった。これらのトナーを用い、実際に
定着機の温度を変えて実験を行なったところ、表1の結
果が得られた。また、ワックスが入っている処方は定着
ローラにオイルを塗布する必要はないが、条件を統一す
る意味ですべてのトナーについてローラにオイル塗布を
行なった。
【0042】
【表1】 ○ 定着が良好である × 定着不良を起こす エチル多糖のみの場合と高融点ポリエステル(155
℃)のみの場合では、160℃以上の温度をかけないと
定着せず、他のワックスと用いた系では60〜80℃の
定着温度を下げることができた。
【0043】上記トナーを用いて保存性テストを行なっ
たところ、表2の結果が得られた。(保存環境40℃2
週間)
【0044】
【表2】 ○印は変化がないことを表わす
【0045】帯電量は一成分現像のスリーブ上の帯電量
を表わす。OPC地肌汚れはOPC上に付着したトナー
を透明な粘着テープで取り、白い紙の上に貼り付けてマ
クベス反射濃度計により濃度ID1を測定し、更にトナ
ーのついていない透明な粘着テープを白い紙の上に貼り
付けその濃度ID2を測定したものの差であり、数値が
小さい程汚れが少ない。
【0046】
【数1】ΔID=ID1−ID2 以上の結果より、エチル多糖とワックスで低融点化を図
ったものの保存性や特性に変化がないことが分かる。ま
た、通常の高融点ポリエステルについても保存性に問題
はなく、特性についてはやや変化があるものの問題にな
らないレベルである。しかし、低融点ポリエステルを使
用したものは保存テストで完全に固化していまい、特性
を測ることすらできない。
【0047】トナーのランニング後の経時変化(画像出
し2000枚後) 画像出しは一成分現像で行ない、帯電量はスリーブ上の
トナーの帯電量である。
【0048】
【表3】 上記結果より、エチル多糖単独かあるいはエチル多糖と
ワックスの組み合わせの場合、帯電量の変化が殆どな
く、地肌汚れも殆ど変化していない。エチル多糖と高融
点ポリエステルの組み合わせでは僅かに帯電量の変化と
地肌汚れの劣化が見られるが、問題とならないレベルで
ある。高融点ポリエステル単独の場合、帯電量の低下と
地肌汚れの増加があるが、使えないレベルではない。低
融点ポリエステル単独では、大幅な帯電量低下と地肌汚
れの劣化が起こり、使えないレベルである。
【0049】また、作像系におけるテストを行なった。
トナースペントについては二成分現像である。現像ロー
ラフィルミングと現像ブレード固着については、一成分
現像にてテストを行ない、一成分、二成分現像とも20
00枚の画像を出した後評価した。
【0050】
【表4】 ○ 発生なし △ 発生はしているが程度が軽く問題とならない × 画像品質に大きな影響が出て使えない エチル多糖やエチル多糖とワックスの組み合わせの系で
は初期品質と殆ど変化がなかった。エチル多糖と高融点
ポリエステルの組み合わせでは、現像ローラフィルミン
グがわずかに発生しているが、画像上全く問題にならな
い。高融点ポリエステルのみの場合、二成分現像ではキ
ャリアへのトナースペント、一成分現像では現像ローラ
フィルミング、現像ブレードへのトナー固着がやや見ら
れるが、問題となるレベルではなく従来からの性能であ
る。低融点ポリエステルの場合、二成分現像におけるト
ナースペント、一成分現像における現像ローラフィルミ
ング、現像ブレードへのトナー固着とも激しいトナーの
付着が見られる。このとき画像上では画像濃度ムラ、転
写紙の地肌汚れ、画像の縦白スジなどさまざまな異常画
像の発生が見られ、画像品質の上からもこの系は使用で
きない。
【0051】次に被印刷物の保存性であるが、片面印刷
と両面印刷の両方の場合に分けてテストした。
【表5】 ○ 問題なし △ 表面のトナーが裏面をうっすら汚す × 表面のトナーが裏面のトナーと融合 以上より実施例13の低融点ポリエステルを使用した場
合のみ転写紙の汚染やブロック化が起こり使用できな
い。
【0052】また、トナー化する際の粉砕工程について
の評価を行なった。以下は一定量のトナーが所望の粒径
のトナーとしてでき上がるまでの時間と付着状況の評価
である。
【0053】
【表6】 ○ 問題なし × 粉砕室内にトナー付着が激しい 以上のように実施例1〜12まではほぼ工程上問題ない
といえる。しかし、実施例13の低融点ポリエステルを
使用した系では粉砕時間が通常の二倍以上かかり、かつ
粉砕室内のトナー付着が激しく粉砕中に粉砕条件が変化
してしまう。従って、低融点ポリエステルの系ではトナ
ー加工上大きな問題があるといえる。
【0054】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明はエチル多糖より融点の低いワックス
でエチル多糖が溶解することにより、エチル多糖の融点
より低い温度で定着が可能となり、省エネルギーが可能
となった。また、低融点トナーであってもエチル多糖自
体の融点は高いので保存性が良好になった。更にまた、
エチル多糖は硬い樹脂なので、外添剤がトナーにめり込
んだり、低分子の樹脂による外添剤の汚染がなく特性変
化を最小限に抑えることができた。そしてまた、硬く粘
着性のないエチル多糖を使用することにより、トナース
ペント、フィルミング、固着等を防止できた。そして更
にまた、融点の高い樹脂で硬く粘着性のない樹脂なので
被印刷物がブロック化しない。また、低融点トナーであ
りながら使用しているエチル多糖が柔らか過ぎず、適度
に硬いので良好に粉砕することができるという極めて優
れた効果を奏するものである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メインバインダーにD−グルコースを構
    成単位とする多糖であって、結合様式が次に示すα−
    (1→2)結合、あるいはα(1→3)結合、あるいは
    α−(1→4)結合、あるいはα−(1→6)結合、あ
    るいはβ−(1→2)結合、あるいはβ−(1→3)結
    合、あるいはβ−(1→6)結合であって、構成要素の
    D−グルコース単位のアルコール性水酸基をエチルエー
    テル化したエチル多糖を含有することを特徴とする電子
    写真用トナー。
  2. 【請求項2】 エチル多糖とワックスが混合されている
    ことにより、エチル多糖の融点以下で定着可能であるこ
    とを特徴とする電子写真用トナー。
  3. 【請求項3】 エチル多糖をワックスの融点以上の温度
    でワックスを溶剤として溶解させることによりワックス
    の融点以上の温度で定着可能となることを特徴とする電
    子写真用トナー。
  4. 【請求項4】 エチル多糖に対するワックスの組成比
    が、97:3〜5:95であることを特徴とする請求項
    2又は3に記載の電子写真用トナー。
  5. 【請求項5】 エチル多糖以外のバインダー成分を含
    み、バインダー成分中の構成比でエチル多糖が10wt
    %以上であることを特徴とする請求項2乃至4の何れか
    に記載の電子写真用トナー。
  6. 【請求項6】 ワックスの融点がエチル多糖の融点より
    低いことを特徴とする請求項2乃至5の何れかに記載の
    電子写真用トナー。
  7. 【請求項7】 ワックスの溶融粘度が150℃において
    1〜10000000センチポイズ以下であることを特
    徴とする請求項2乃至6の何れかに記載の電子写真用ト
    ナー。
  8. 【請求項8】 エチル多糖の平均分子量がGPCスチレ
    ン換算で500〜1000000であることを特徴とす
    る請求項1乃至7の何れかに記載の電子写真用トナー。
  9. 【請求項9】 エチル多糖のエトキシル置換度が平均で
    1以上3以下であることを特徴とする請求項1乃至8の
    何れかに記載の電子写真用トナー。
  10. 【請求項10】 ワックスの25℃における針入度が0
    以上20以下であることを特徴とする請求項2乃至9の
    何れかに記載の電子写真用トナー。
  11. 【請求項11】 特にワックスの種類がパラフィン、マ
    イクロクリスタリン、オレフィン、あるいはこれらの酸
    化ワックスであることを特徴とする請求項10に記載の
    電子写真用トナー。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7267922B2 (en) 2003-11-21 2007-09-11 Samsung Electronics Co., Ltd. Method of preparing particulate phase toner using fractional dissolution and particulate phase toner prepared using the same
JP2009230066A (ja) * 2008-03-25 2009-10-08 Casio Electronics Co Ltd 電子写真用トナー

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