JP2001219861A - 電動パワーステアリング制御装置 - Google Patents

電動パワーステアリング制御装置

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JP2001219861A
JP2001219861A JP2000030308A JP2000030308A JP2001219861A JP 2001219861 A JP2001219861 A JP 2001219861A JP 2000030308 A JP2000030308 A JP 2000030308A JP 2000030308 A JP2000030308 A JP 2000030308A JP 2001219861 A JP2001219861 A JP 2001219861A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電動パワーステアリング制御系の過熱保護を
図りながら、車庫入れ等でハンドル切り替えし何度も行
う場合、車の回転半径が小さくなったり、切り替えしの
数が増えることを防止できる電動式パワーステアリング
制御装置を提供すること。 【解決手段】 温度センサ10から温度情報を入力し、
温度tに対するモータ電流を低下させる比率を決める比
率演算回路27を設け、過熱保護モータ電流制御手段
を、比率演算回路27により演算された比率と転舵時ア
シスト制御により得られたモータ電流指令0との乗算に
より温度tが高温であるほどモータ電流指令0を一律に
低下させ、モータ5に印加するモータ電流指令1を得る
手段とした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、乗用車ステアリン
グ系等に適用され、ドライバーによりハンドルに加えら
れた操舵トルクをモータトルクによりアシストする電動
パワーステアリング制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の電動パワーステアリング制御装置
としては、例えば、特開平11−286278号公報に
記載の装置が知られている。
【0003】この従来公報には、モータ及びコントロー
ルユニットの過熱保護を図ることを目的とし、モータや
コントロールユニットが高温になると、その温度に応じ
て、最大電流の許容値を制限する(リミットを与える)
ことで、モータ及びコントロールユニットの過熱を抑え
る技術が記載されている。なお、温度の計測に関して
は、温度センサを付けて直接検出したり、通電した電流
値の積算値により推定検出している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術にあっては、温度に応じて最大電流の許容値を制
限する構成であるため、車庫入れ等でハンドル切り替え
し何度も行う場合、車の回転半径が小さくなり、切り替
えしの数が増えてしまうという問題がある。
【0005】すなわち、ハンドル限界切り角であるハン
ドルロック付近においてステアリング機構のリンク効率
が悪くなるため、パワーステアリングの出力が多く必要
であり、より電流を多く流す必要がある。そのため、上
記のように、最大電流の許容値を制限して小さくしてゆ
くと、図9に示すように、据え切りのハンドルロック付
近から操舵力が急に重くなる。そのため、車庫入れ等で
切り替えしを何度も行う場合、温度保護制御に入り易い
が、運転者はハンドルが重くなったロック手前のハンド
ル角度で、ハンドルが限界のロックまで回ったと勘違い
し、そこから切り替えしを行い、結果として、車の回転
半径が小さくなり、切り替えしの数が増えてしまう。さ
らに、そのことにより、車庫入れ時間がかかり、過熱を
誘発するので、電流制限がさらに働き、よりハンドルが
重くなる。
【0006】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、電動パワーステアリング制御系の過熱保
護を図りながら、車庫入れ等でハンドル切り替えし何度
も行う場合、車の回転半径が小さくなったり、切り替え
しの数が増えることを防止できる電動式パワーステアリ
ング制御装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
請求項1記載の発明では、操舵系に連結され、操舵補助
トルクを発生するモータと、運転者の操舵トルクを検出
する操舵トルク検出手段と、車速を検出する車速検出手
段と、操舵トルク検出値と車速検出値を含む入力情報に
よってハンドルの回転方向と同一方向にモータのトルク
を発生させるアシスト電流が決められる転舵時アシスト
制御手段と、を備えた電動パワーステアリング制御装置
において、パワーステアリング系の温度を直接検出ある
いは推定検出する温度検出手段を設け、かつ、前記転舵
時アシスト制御手段により決められたアシスト電流を、
温度検出手段により検出された温度によりハンドルロッ
ク付近からの操舵トルクの急激な上昇を発生させないよ
うにモータ電流指令を制御する過熱保護モータ電流制御
手段を設けたことを特徴とする。
【0008】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記過熱保
護モータ電流制御手段を、転舵時アシスト制御手段によ
り決められたアシスト電流を、温度検出手段により検出
された温度が高温であるほど一律に低下させてモータ電
流指令とする手段としたことを特徴とする。
【0009】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記温度検
出手段から温度情報を入力し、温度に対するモータ電流
を低下させる比率を決める比率演算回路を設け、前記過
熱保護モータ電流制御手段を、前記比率演算回路により
演算された比率と前記転舵時アシスト制御手段からのア
シスト電流との乗算によりモータ電流指令を得る手段と
したことを特徴とする。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項2記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記温度検
出手段から温度情報を入力し、温度に対するモータ電流
を低下させる比率を決める比率演算回路を設け、前記過
熱保護モータ電流制御手段を、前記比率演算回路により
演算された比率と前記転舵時アシスト制御手段からのア
シスト電流との乗算によりモータ電流指令を得る手段と
したことを特徴とする。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記転舵時
アシスト制御手段の操舵トルクに応じた電流を演算する
トルク対応電流演算回路を、温度検出手段により検出さ
れた温度が高温であるほどトルク対応電流を一律に低下
させる過熱保護トルク対応電流演算回路としたことを特
徴とする。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項4記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記温度検
出手段から温度情報を入力し、温度に対する操舵トルク
−電流特性の平行移動量を決める平行移動量演算回路を
設け、前記過熱保護トルク対応電流演算回路を、設定さ
れている操舵トルク−電流特性を前記平行移動量演算回
路により演算された平行移動量だけ原点から遠ざけるこ
とでトルク対応電流を決める回路としたことを特徴とす
る。
【0013】請求項6記載の発明では、請求項4記載の
電動パワーステアリング制御装置において、前記過熱保
護トルク対応電流演算回路を、前記操舵トルク検出手段
からの操舵トルク情報と前記車速検出手段からの車速情
報と前記温度検出手段から温度情報を入力し、車速情報
に基づいて複数の操舵トルク−電流マップから1つのマ
ップを選択し、選択されたマップ上で操舵トルク情報と
温度情報に基づいてトルク対応電流を決める回路とした
ことを特徴とする。
【0014】
【発明の作用および効果】請求項1,2記載の発明にあ
っては、転舵時アシスト制御手段において、操舵トルク
検出手段からの操舵トルク検出値と車速検出手段からの
車速検出値を含む入力情報によってハンドルの回転方向
と同一方向にモータのトルクを発生させるアシスト電流
が決められる。この制御中、パワーステアリング系の温
度が高温となった場合、過熱保護モータ電流制御手段に
おいて、転舵時アシスト制御手段により決められたアシ
スト電流を、温度検出手段により検出された温度により
ハンドルロック付近からの操舵トルクの急激な上昇を発
生させないようにモータ電流指令が制御される。制御例
としては、請求項2に記載のように、温度検出手段によ
り検出された温度が高温であるほど一律に低下させてモ
ータ電流指令とされる。よって、パワーステアリング系
の温度が高温となった場合には、モータ電流指令が通常
より低く抑えられることで、電動パワーステアリング制
御系の過熱保護を図ることができる。加えて、ハンドル
ロック付近で急にハンドルが重くなることが無く、車の
回転半径が小さくなったり、切り替えしの数が増えるこ
とを防止することができる。なお、温度に応じてモータ
電流指令を一律に低下させた場合には、車庫入れ等でハ
ンドル切り替えし何度も行う場合、全体的にハンドル操
作が少し重くなるだけで、ロック付近からの急激な変化
は解消される。さらに、ハンドル操作中に温度保護が作
用しても、運転者は違和感なくスムーズにハンドルロッ
ク位置までハンドル操作を行うことができる。
【0015】請求項3記載の発明にあっては、比率演算
回路において、温度検出手段から温度情報が入力され、
温度に対するモータ電流を低下させる比率が決められ
る。そして、過熱保護モータ電流制御手段において、比
率演算回路により演算された比率と転舵時アシスト制御
手段からのアシスト電流との乗算によりモータ電流指令
が得られる。よって、今までのアシスト制御系はそのま
まで、温度−比率特性が設定された比率演算回路と乗算
器を追加するだけで、請求項1,2記載の作用効果が達
成される電動パワーステアリング制御装置とすることが
できる。
【0016】請求項4記載の発明にあっては、パワース
テアリング系の温度が高温となった場合、転舵時アシス
ト制御手段の過熱保護トルク対応電流演算回路におい
て、温度検出手段により検出された温度が高温であるほ
どトルク対応電流が一律に低下させられる。よって、パ
ワーステアリング系の温度が高温となった場合には、転
舵時アシスト制御手段からのアシスト電流(=モータ電
流指令)が、トルク対応電流の低下分だけ通常より低く
抑えられることで、電動パワーステアリング制御系の過
熱保護を図ることができる。加えて、温度に応じてトル
ク対応電流を一律に低下させるため、車庫入れ等でハン
ドル切り替えし何度も行う場合、全体的にハンドル操作
が少し重くなるだけで、ハンドルロック付近で急にハン
ドルが重くなることが無く、車の回転半径が小さくなっ
たり、切り替えしの数が増えることを防止することがで
きる。加えて、請求項1〜3記載の発明に対し、転舵時
アシスト制御手段にてトルク対応電流以外に演算される
トルク微分項やモータ回転速度項の電流は何ら制限され
ないので、過渡的なアシスト特性には影響しない。
【0017】請求項5記載の発明にあっては、平行移動
量演算回路において、温度検出手段から温度情報を入力
し、温度に対する操舵トルク−電流特性の平行移動量が
決められ、過熱保護トルク対応電流演算回路において、
設定されている操舵トルク−電流特性が平行移動量演算
回路により演算された平行移動量だけ原点から遠ざける
ことでトルク対応電流が決められる。よって、平行移動
量演算回路を追加し、今までのトルク対応電流演算回路
を、操舵トルク−電流特性を操舵トルク軸方向に平行移
動させる特性とするだけで、請求項4記載の作用効果が
達成される電動パワーステアリング制御装置とすること
ができる。
【0018】請求項6記載の発明にあっては、過熱保護
トルク対応電流演算回路において、操舵トルク検出手段
からの操舵トルク情報と車速検出手段からの車速情報と
温度検出手段から温度情報が入力され、車速情報に基づ
いて複数の操舵トルク−電流マップから1つのマップが
選択され、選択されたマップ上で操舵トルク情報と温度
情報に基づいてトルク対応電流が決められる。よって、
温度保護が効くと特定の操舵トルクまではハンドルが重
くなる請求項4,5記載の発明に対し、マップの設定自
由度により、温度保護が効くとハンドルが徐々に重くな
る特性にすることができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明を図面に基づいて
詳細に説明する。
【0020】(実施の形態1)図1は請求項1〜3に記
載された発明に対応する実施の形態1の電動パワーステ
アリング制御装置を示す全体システム図である。図1に
おいて、1はハンドル、2は操舵トルクセンサ(操舵ト
ルク検出手段)、3は減速機、4はラック&ピニオンス
テアリング機構、5はモータ、6はモータ回転速度セン
サ、7はコントロールユニット、8はステアリングシャ
フト、9は車速センサ(車速検出手段)、10は温度セ
ンサ(温度検出手段)、11はバッテリーである。
【0021】コントロールユニット7には、操舵トルク
センサ2とモータ回転速度センサ6と車速センサ9と温
度センサ10からセンサ信号が送られる。これらのセン
サ信号に基づいてモータ電流が演算され、モータ5に対
してモータ電流を出力することでモータ5が駆動され
る。このモータ駆動力は、減速機3を介してラック&ピ
ニオンステアリング機構4に伝えられ、運転者のハンド
ル1に対する操舵トルクをアシストするように構成され
ている。
【0022】図2は実施の形態1のコントロールユニッ
ト7におけるモータアシスト制御内容を表す制御ブロッ
ク図である。図2において、20は微分演算回路、21
は乗算器、22はゲイン演算回路、23はトルク対応電
流演算回路、24はゲイン演算回路、25は乗算器、2
6は加減算器、27は比率演算回路、28は乗算器であ
り、微分演算回路20〜加減算器26は転舵時アシスト
制御手段に相当し、比率演算回路27及び乗算器28は
過熱保護モータ電流制御手段に相当する。
【0023】前記乗算器21では、微分演算回路20に
より演算された操舵トルク微分値T’と、ゲイン演算回
路22により演算された車速対応のゲインKT’とを乗
算することでトルク微分値対応電流iT’が求められ
る。このトルク微分値対応電流iT’は、加減算器26
にプラスの信号として出力される。
【0024】前記トルク対応電流演算回路23では、操
舵トルクTと車速Vが読み込まれ、操舵トルクTが不感
帯トルクT。以上である場合、車速V及び操舵トルクT
に応じたトルク対応電流iが演算される。このトルク
対応電流iは、加減算器26にプラスの信号として出
力される。
【0025】前記乗算器25では、ゲイン演算回路24
により演算された車速対応のゲインKωと、モータ回転
速度ωとを乗算することで回転速度対応電流iωが求め
られる。この回転速度対応電流iωは、加減算器26に
マイナスの信号として出力される。
【0026】前記加減算器26では、転舵時アシスト制
御でのモータ電流指令0(アシスト電流)が、0=i
T'+i−iωの式により算出され、乗算器28に出
力される。
【0027】前記比率演算回路27では、温度センサ1
0からの温度tが読み込まれ、設定温度t0までは比率
を1とし、設定温度t0を超えると比率を1から徐々に
0に向かって低下させる比率特性に基づいて比率が演算
される。
【0028】前記乗算器28では、加減算器26からの
モータ電流指令0と、比率演算回路27からの比率とを
乗算することでモータ電流指令1が求められる。この電
流指令1は、モータ5に対して出力される。
【0029】図3は実施の形態1のコントロールユニッ
ト7で行われるモータアシスト制御動作を示すフローチ
ャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0030】ステップ101では、操舵トルクT、モー
タ回転速度ω、車速Vが読み込まれる。
【0031】ステップ102では、各センサ信号に基づ
き、図2の微分演算回路20〜加減算器26において電
流指令値0が算出される。
【0032】ステップ103では、比率演算回路27に
おいて、温度センサ10からモータ温度tが読み込まれ
る。なお、モータ温度tは、モータ電流を積算すること
で推定により算出して求めるようにしても良い。
【0033】ステップ104では、比率演算回路27に
おいて、読み込まれたモータ温度tに基づいて比率が算
出される。
【0034】ステップ105では、乗算器28におい
て、モータ電流指令1が比率×モータ電流指令0の式に
より算出される。
【0035】ステップ106では、モータ電流指令1に
基づいてモータ電流が制御される。
【0036】次に、作用効果を説明する。
【0037】[低温時アシスト作用]パワーステアリン
グ系の温度が設定温度t0以下の低温である操舵時、図
3のフローチャートのステップ104において、比率が
1と算出される。よって、次のステップ105では、モ
ータ電流指令0がそのままモータ電流指令1として算出
され、モータ電流が制御される。すなわち、ハンドル1
の回転方向と同一方向にモータ5のトルクを発生させる
アシスト電流、すなわち、転舵時アシスト制御でのモー
タ電流指令0が、トルク微分値対応電流iT’とトルク
対応電流iと回転速度対応電流iωとの3つの項を用
いたiT'+i−iωの式により算出され、車速Vや
操舵トルクTやモータ回転速度ωや操舵トルク微分値
T’に応じ、運転者による操舵力が最適な力加減となる
ように軽減される。
【0038】[高温時アシスト作用]車庫入れ等で高ア
シスト力を連続的に与えることでモータ5やコントロー
ルユニット7の温度が高温となった場合、比率演算回路
27において、温度センサ10から読み込まれた温度t
に対してモータ電流を低下させる比率が決められ、乗算
器28において、比率演算回路27により演算された比
率と転舵時アシスト制御によるモータ電流指令0との乗
算によりモータ電流指令1が算出され、検出された温度
tが高温であるほどモータ電流指令0を一律に低下さ
せ、モータ5に出力するモータ電流指令1とされる。
【0039】よって、パワーステアリング系の温度が高
温となった場合には、モータ電流指令1が通常のモータ
電流指令0より低く抑えられることで、電動パワーステ
アリング制御系の過熱保護を図ることができる。加え
て、温度tに応じてモータ電流指令1を一律に低下させ
るため、図4に示すように、車庫入れ等でハンドル切り
替えし何度も行う場合、全体的にハンドル操作が重くな
るだけで、従来のようにハンドルロック付近で急にハン
ドルが重くなることが無く、車の回転半径が小さくなっ
たり、切り替えしの数が増えることを防止することがで
きる。
【0040】さらに、過熱保護モータ電流制御を行うに
際し、今までのアシスト制御系はそのままで、温度−比
率特性が設定された比率演算回路27と乗算器28を追
加するだけで、容易に過熱保護と切り替えし増大の防止
を図った電動パワーステアリング制御装置とすることが
できる。
【0041】(実施の形態2)
【0042】図5は請求項4,5記載の発明に対応する
実施の形態2のコントロールユニット7におけるモータ
アシスト制御内容を表す制御ブロック図である。この実
施の形態2では、図2のトルク対応電流演算回路23に
代えて過熱保護トルク対応電流演算回路33とし、ま
た、図2の比率演算回路27に代えて平行移動量演算回
路37とし、図2の乗算器28を無くした例である。
【0043】すなわち、平行移動量演算回路37では、
温度tに対するi−T特性の平行移動量が、設定温度
t0までは0(ゼロ)で、設定温度t0以上になると温
度上昇に応じて大きくなる値により決められる。そし
て、過熱保護トルク対応電流演算回路33では、操舵ト
ルクTと車速Vとi−T特性の平行移動量が読み込ま
れ、i−T特性の平行移動量だけ原点から遠ざけるこ
とでi−T特性を決め、この決められたi−T特性
と車速Vと操舵トルクTによりトルク対応電流i が演
算される。このトルク対応電流iは、加減算器26に
プラスの信号として出力される。さらに、加減算器26
では、転舵時アシスト制御でのモータ電流指令(アシス
ト電流)が、モータ電流指令=iT'+i−iωの式
により算出され、これがモータ5に出力される。
【0044】図6は実施の形態2のコントロールユニッ
ト7で行われるモータアシスト制御動作を示すフローチ
ャートで、以下、各ステップについて説明する。
【0045】ステップ201では、操舵トルクT、モー
タ回転速度ω、車速V、温度tが読み込まれる。
【0046】ステップ202では、乗算器21におい
て、微分演算回路20により演算された操舵トルク微分
値T’と、ゲイン演算回路22により演算された車速対
応のゲインKT’とを乗算することでトルク微分値対応
電流iT’が算出される。
【0047】ステップ203では、乗算器25におい
て、ゲイン演算回路24により演算された車速対応のゲ
インKωと、モータ回転速度ωとを乗算することで回転
速度対応電流iωが算出される。
【0048】ステップ204では、平行移動量演算回路
37において、温度tに対するi−T特性の平行移動
量が算出される。
【0049】ステップ205では、過熱保護トルク対応
電流演算回路33において、操舵トルクTと車速Vとi
−T特性の平行移動量によりトルク対応電流iが算
出される。
【0050】ステップ206では、加減算器26におい
て、転舵時アシスト制御でのモータ電流指令が、モータ
電流指令=iT'−iω+iの式により算出される。
【0051】ステップ207では、ステップ206で算
出されたモータ電流指令に基づいてモータ電流が制御さ
れる。
【0052】次に、作用効果を説明する。
【0053】[低温時アシスト作用]パワーステアリン
グ系の温度が設定温度t0以下の低温である操舵時、図
6のフローチャートのステップ204において、i
T特性の平行移動量がゼロと算出される。よって、次の
ステップ205では、実施の形態1のトルク対応電流演
算回路23と同様のトルク対応電流iが算出され、実
施の形態1のモータ電流指令0をそのままモータ電流指
令としてモータ電流が制御される。すなわち、ハンドル
1の回転方向と同一方向にモータ5のトルクを発生させ
るアシスト電流、すなわち、転舵時アシスト制御でのモ
ータ電流指令が、トルク微分値対応電流iT’とトルク
対応電流iと回転速度対応電流iωとの3つの項を用
いたiT'−iω+iの式により算出され、車速Vや
操舵トルクTやモータ回転速度ωや操舵トルク微分値
T’に応じ、運転者による操舵力が最適な力加減となる
ように軽減される。
【0054】[高温時アシスト作用]車庫入れ等で高ア
シスト力を連続的に与えることでモータ5やコントロー
ルユニット7の温度が高温となった場合、平行移動量演
算回路37において、温度tに対するi−T特性の平
行移動量が算出され、過熱保護トルク対応電流演算回路
33において、操舵トルクTと車速Vとi−T特性の
平行移動量によりトルク対応電流iが算出され、加減
算器26において、モータ電流指令が、トルク微分値対
応項であるiT’と回転速度対応項であるiωは変える
ことなく、トルク対応項であるiを平行移動量に応じ
て一律に低下させることでモータ電流指令=iT'−i
ω+iの式により算出され、モータ5に出力するモー
タ電流指令とされる。
【0055】よって、パワーステアリング系の温度が高
温となった場合には、モータ電流指令が低温時のモータ
電流指令より低く抑えられることで、電動パワーステア
リング制御系の過熱保護を図ることができる。加えて、
温度tに応じてモータ電流指令を一律に低下させるた
め、車庫入れ等でハンドル切り替えし何度も行う場合、
全体的にハンドル操作が重くなるだけで、従来のように
ハンドルロック付近で急にハンドルが重くなることが無
く、車の回転半径が小さくなったり、切り替えしの数が
増えることを防止することができる。
【0056】さらに、実施の形態1に対し、転舵時アシ
スト制御にてトルク対応電流i以外に演算されるトル
ク微分項の電流iT’やモータ回転速度項の電流iω
何ら制限されないので、過渡的なアシスト特性には影響
しない。
【0057】加えて、平行移動量演算回路37を追加
し、今までのトルク対応電流演算回路23を、i−T
特性を操舵トルク軸方向に平行移動させる特性とする過
熱保護トルク対応電流演算回路33に代えるだけで、容
易に上記作用効果が達成される電動パワーステアリング
制御装置とすることができる。
【0058】(実施の形態3)
【0059】図7は請求項6記載の発明に対応する実施
の形態3のコントロールユニット7におけるモータアシ
スト制御内容を表す制御ブロック図である。この実施の
形態3では、図5の過熱保護トルク対応電流演算回路3
3に代え複数のi−T特性マップを備えた過熱保護ト
ルク対応電流演算回路43とし、また、図5の平行移動
量演算回路37を無くした例である。
【0060】すなわち、過熱保護トルク対応電流演算回
路43では、操舵トルクTと車速Vと温度tが読み込ま
れ、車速Vに基づいて複数のi−T特性マップから1
つのマップが選択され、選択されたマップ上で操舵トル
クTと温度tに基づいてトルク対応電流iが演算され
る。このトルク対応電流iは、加減算器26にプラス
の信号として出力される。
【0061】図8は実施の形態3のコントロールユニッ
ト7で行われるモータアシスト制御動作を示すフローチ
ャートで、以下、各ステップについて説明する。なお、
ステップ301,ステップ302,ステップ303,ス
テップ306,ステップ307は、それぞれ図6のステ
ップ201,ステップ202,ステップ203,ステッ
プ206,ステップ207と同じであるので説明を省略
する。
【0062】ステップ304では、過熱保護トルク対応
電流演算回路43において、車速Vに基づいて複数のi
−T特性マップから1つのマップが選択される。
【0063】ステップ305では、過熱保護トルク対応
電流演算回路43において、選択されたマップ上で操舵
トルクTと温度tに基づいてトルク対応電流iが算出
される。
【0064】よって、この実施の形態3では、過熱保護
トルク対応電流演算回路43において、車速Vに基づい
て複数のi−T特性マップから1つのマップが選択さ
れ、選択されたマップ上で操舵トルクTと温度tに基づ
いてトルク対応電流iが決められる構成としたため、
温度保護が効くと特定の操舵トルクまではハンドルが重
くなる実施の形態2の発明に対し、マップの設定自由度
により、例えば、得られた温度tに応じて操舵トルクT
によるモータ電流の指令値のグラフの傾きを緩やかにす
ることで、温度保護が効くとハンドルが徐々に重くなる
特性にすることができる。
【0065】(その他の実施の形態)以上、本発明を実
施の形態1〜実施の形態3により説明してきたが、具体
的な構成はこれに限られるものでなく、様々な変更や追
加が施されても請求項に記載された構成要件を備えてい
る限り本発明に含まれる。
【0066】例えば、温度検出に際し、温度センサを設
けるにしてもモータ5とコントロールユニット7のうち
どちらが過熱し易く、熱的に弱いかによって、いずれか
一方、あるいは両方に温度センサを付ける例としても良
いし、さらに、温度センサを設けずに、モータに流れた
電流の積算により温度を推定しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の電動パワーステアリング制御装
置を示す全体システム図である。
【図2】実施の形態1のコントロールユニット7におけ
るモータアシスト制御内容を表す制御ブロック図であ
る。
【図3】実施の形態1のコントロールユニット7で行わ
れるモータアシスト制御動作を示すフローチャートであ
る。
【図4】高温時におけるモータアシスト制御での操舵
角、モータ電流、操舵力の各特性を示すタイムチャート
である。
【図5】実施の形態2のコントロールユニット7におけ
るモータアシスト制御内容を表す制御ブロック図であ
る。
【図6】実施の形態2のコントロールユニット7で行わ
れるモータアシスト制御動作を示すフローチャートであ
る。
【図7】実施の形態3のコントロールユニット7におけ
るモータアシスト制御内容を表す制御ブロック図であ
る。
【図8】実施の形態3のコントロールユニット7で行わ
れるモータアシスト制御動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】従来制御においてハンドルロック付近で重くな
ることを表すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 ハンドル 2 操舵トルクセンサ 3 減速機 4 ラック&ピニオン 5 モータ 6 モータ回転速度センサ 7 コントロールユニット 8 ステアリングシャフト 9 車速センサ 10 温度センサ 11 バッテリー 20 操舵トルク微分器 21,25,28 乗算器 22 ゲイン演算回路 23 トルク対応電流演算回路 24 ゲイン演算回路 27 ゲイン演算回路

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 操舵系に連結され、操舵補助トルクを発
    生するモータと、 運転者の操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、 車速を検出する車速検出手段と、 操舵トルク検出値と車速検出値を含む入力情報によって
    ハンドルの回転方向と同一方向にモータのトルクを発生
    させるアシスト電流が決められる転舵時アシスト制御手
    段と、 を備えた電動パワーステアリング制御装置において、 パワーステアリング系の温度を直接検出あるいは推定検
    出する温度検出手段を設け、 かつ、前記転舵時アシスト制御手段により決められたア
    シスト電流を、温度検出手段により検出された温度によ
    りハンドルロック付近からの操舵トルクの急激な上昇を
    発生させないようにモータ電流指令を制御する過熱保護
    モータ電流制御手段を設けたことを特徴とする電動パワ
    ーステアリング制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電動パワーステアリング
    制御装置において、 前記過熱保護モータ電流制御手段を、転舵時アシスト制
    御手段により決められたアシスト電流を、温度検出手段
    により検出された温度が高温であるほど一律に低下させ
    てモータ電流指令とする手段としたことを特徴とする電
    動パワーステアリング制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電動パワーステアリング
    制御装置において、 前記温度検出手段から温度情報を入力し、温度に対する
    モータ電流を低下させる比率を決める比率演算回路を設
    け、 前記過熱保護モータ電流制御手段を、前記比率演算回路
    により演算された比率と前記転舵時アシスト制御手段か
    らのアシスト電流との乗算によりモータ電流指令を得る
    手段としたことを特徴とする電動パワーステアリング制
    御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電動パワーステアリング
    制御装置において、 前記転舵時アシスト制御手段の操舵トルクに応じた電流
    を演算するトルク対応電流演算回路を、温度検出手段に
    より検出された温度が高温であるほどトルク対応電流を
    一律に低下させる過熱保護トルク対応電流演算回路とし
    たことを特徴とする電動パワーステアリング制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電動パワーステアリング
    制御装置において、 前記温度検出手段から温度情報を入力し、温度に対する
    操舵トルク−電流特性の平行移動量を決める平行移動量
    演算回路を設け、 前記過熱保護トルク対応電流演算回路を、設定されてい
    る操舵トルク−電流特性を前記平行移動量演算回路によ
    り演算された平行移動量だけ原点から遠ざけることでト
    ルク対応電流を決める回路としたことを特徴とする電動
    パワーステアリング制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4記載の電動パワーステアリング
    制御装置において、 前記過熱保護トルク対応電流演算回路を、前記操舵トル
    ク検出手段からの操舵トルク情報と前記車速検出手段か
    らの車速情報と前記温度検出手段から温度情報を入力
    し、車速情報に基づいて複数の操舵トルク−電流マップ
    から1つのマップを選択し、選択されたマップ上で操舵
    トルク情報と温度情報に基づいてトルク対応電流を決め
    る回路としたことを特徴とする電動パワーステアリング
    制御装置。
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