JP2001219821A - ワイパブレード - Google Patents

ワイパブレード

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JP2001219821A
JP2001219821A JP2000285337A JP2000285337A JP2001219821A JP 2001219821 A JP2001219821 A JP 2001219821A JP 2000285337 A JP2000285337 A JP 2000285337A JP 2000285337 A JP2000285337 A JP 2000285337A JP 2001219821 A JP2001219821 A JP 2001219821A
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Japan
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wiper blade
elastomer composition
thermoplastic
thermoplastic resin
reinforcing material
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Application number
JP2000285337A
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English (en)
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Jiro Watanabe
次郎 渡邊
Masuo Kuroda
益夫 黒田
Naoyuki Ooka
直行 大岡
Noboru Ishida
昇 石田
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Yokohama Rubber Co Ltd
Nippon Wiper Blade Co Ltd
Original Assignee
Yokohama Rubber Co Ltd
Nippon Wiper Blade Co Ltd
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Publication date
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Priority to US10/148,337 priority patent/US20030138655A1/en
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Abstract

(57)【要約】 【課題】拭き取り性に優れ、ビビリ音の発生が抑制さ
れ、耐久性に優れ、かつ、組立工数の少ないワイパブレ
ードの提供。 【解決手段】連続相が熱可塑性樹脂であり分散相が動的
に架橋されたエラストマー組成物である熱可塑性エラス
トマー組成物と、補強材とを一体成形してなるワイパブ
レード。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車や電車等の
車両、船舶、航空機等のフロントガラス、リアガラス等
に使用されるワイパブレードに関する。
【0002】
【従来の技術】車両、航空機、船舶等のフロントガラ
ス、リアガラス等には、表面に付着した雨水、泥水、海
水、氷、雪、埃等を払拭、除去して視界を良くし、運転
の安全を確保するために、通常、ワイパが設けられてい
る。このワイパには、ガラス等の表面(以下、単に「ガ
ラス面」という。)と接触する部分にワイパブレードが
取り付けられている。ワイパブレードは、ガラス面の拭
き取り性能に優れること、摩耗や亀裂の発生がないなど
耐久性に優れること、ガラスとワイパブレードとの摩擦
の際にビビリ音(スティックスリップ)が生じないこと
等が要求される。
【0003】ワイパブレードの材料としては、拭き取り
性能および耐久性の向上、ならびにビビリ音の発生の抑
制の観点から、天然ゴム;エチレン−プロピレン−ジエ
ンゴム(EPDM)、クロロプレンゴム(CR)、アク
リロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)等の合成ゴ
ム;オレフィン系ポリエステルエラストマー等の熱可塑
性エラストマー(TPE)が用いられている。以前か
ら、ワイパブレードの剛性を確保し、拭き取り性能を向
上させるべく、ワイパブレードの内部に金属や樹脂から
なる補強材を組み込むことが行われている。
【0004】ワイパブレードに用いられるゴムは物性を
確保するために高分子量で流動性の悪いゴム組成物にな
っており、このため補強材とともに押出成形にて一体成
形することができないので、一般には、プレス成形で、
ゴム部分のみ成形した後、板状の鋼板をスリットにはさ
み込んでワイパブレードとしている。従って、ワイパブ
レードの組立工数が多くなってしまう。また、ゴムに補
強材をはさみ込んだワイパブレードであって、ハロゲン
化処理によりゴム表面を硬化させたものは、ハロゲン化
処理していないものに比べて長期耐久性およびビビリ音
に優れるが、十分ではない。また、一体成形することが
できないうえ、ハロゲン化処理工程を要するので、ワイ
パブレードの組立工数が更に多くなる。更に、樹脂また
は熱可塑性エラストマー組成物に補強材を芯材にして、
射出成形によって一体成形したワイパブレード(特開平
9−39743号公報等)は、樹脂または熱可塑性エラ
ストマー組成物自体が硬いため、拭き性能に劣り、か
つ、樹脂または熱可塑性エラストマー組成物自体が、耐
久性にも劣るため、長期耐久性に劣る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、拭き取り性
に優れ、ビビリ音の発生が抑制され、耐久性に優れ、か
つ、組立工数の少ないワイパブレードを提供することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、連続相が熱可
塑性樹脂であり分散相が動的に架橋されたエラストマー
組成物である熱可塑性エラストマー組成物と、補強材と
を一体成形してなるワイパブレードを提供する。
【0007】前記熱可塑性エラストマー組成物を構成す
る熱可塑性樹脂とエラストマー組成物との割合が重量比
で熱可塑性樹脂/エラストマー組成物=85/15〜1
5/85であるのが好ましい。
【0008】前記熱可塑性エラストマー組成物の融点が
200℃以上であるのが好ましい。
【0009】また、本発明は、前記ワイパブレードの製
造方法であって、前記熱可塑性エラストマー組成物と、
前記補強材とを、共押出しにより一体成形することを特
徴とするワイパブレードの製造方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のワイパブレードは、連続
相が熱可塑性樹脂であり分散相が動的に架橋されたエラ
ストマー組成物である熱可塑性エラストマー組成物と、
補強材とを一体成形してなる。本発明に用いられる熱可
塑性エラストマー組成物がワイパブレードに適している
理由を以下に述べる。一般に熱可塑性樹脂は摩擦係数が
小さい。例えば、動摩擦係数は、ナイロン6では0.3
9、高密度ポリエチレンでは0.23、ポリプロピレン
では0.56である。これに対し、エラストマー、特に
加硫ゴムでは、動摩擦係数が約2〜3である。ワイパの
ビビリをなくすためには、ブレード材料の摩擦係数を低
くすればよいことは自明であるが、上記のような熱可塑
性樹脂をそのままワイパブレードとして使用したので
は、硬すぎて自動車のフロントガラスの曲面に追従でき
ず、拭き性能が極めて劣ってしまう。本発明に用いられ
る熱可塑性エラストマー組成物は連続相が熱可塑性樹脂
で、分散層は架橋されたエラストマーからなるため、こ
れをワイパブレードに成形すれば、ガラスに接する面は
熱可塑性樹脂となるため、摩擦係数が小さく、ビビリが
生じず、またワイパブレード全体としては、分散層のエ
ラストマーによって十分に軟らかくなるため、曲面をも
ったガラスにも十分追従していけるものとすることがで
きる。
【0011】連続相に用いられる熱可塑性樹脂組成物中
の熱可塑性樹脂成分としては、例えば、以下のような熱
可塑性樹脂およびこれらのまたはこれらを含む任意の樹
脂混合物を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂
(例えば高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリ
エチレン(LDPE)、超高分子量ポリエチレン(UH
MWPE)、アイソタクチックポリプロピレン、エチレ
ンプロピレン共重合体樹脂)、ポリアミド系樹脂(例え
ばナイロン6(N6)、ナイロン66(N66)、ナイ
ロン46(N46)、ナイロン11(N11)、ナイロ
ン12(N12)、ナイロン610(N610)、ナイ
ロン612(N612)、ナイロン6/66共重合体
(N6/66)、ナイロン6/66/610共重合体
(N6/66/610)、ナイロンMXD6(MXD
6)、ナイロン6T、ナイロン6/6T共重合体、ナイ
ロン66/PP共重合体、ナイロン66/PPS共重合
体)、ポリエステル系樹脂(例えばポリブチレンテレフ
タレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(P
ET)、ポリエチレンイソフタレート(PEI)、ポリ
エステル共重合体、PET/PEI共重合体、ポリアリ
レート(PAR)、ポリブチレンナフタレート(PB
N)、液晶ポリエステル、ポリオキシアルキレンジイミ
ド酸/ポリブチレートテレフタレート共重合体などの芳
香族ポリエステル)、ポリエーテル系樹脂(例えばポリ
アセタール(POM)、ポリフェニレンオキシド(PP
O)、ポリサルフォン(PSF)、ポリエーテルエーテ
ルケトン(PEEK))、ポリニトリル系樹脂(例えば
ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメタクリロニト
リル、アクリロニトリル/スチレン共重合体(AS)、
メタクリロニトリル/スチレン共重合体、メタクリロニ
トリル/スチレン/ブタジエン共重合体)、ポリメタク
リレート系樹脂(例えばポリメタクリル酸メチル(PM
MA)、ポリメタクリル酸エチル)、ポリビニル系樹脂
(例えば酢酸ビニル(EVA)、ポリビニルアルコール
(PVA)、ビニルアルコール/エチレン共重合体(E
VOH)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)、ポリ塩化
ビニル(PVC)、塩化ビニル/塩化ビニリデン共重合
体、塩化ビニリデン/メチルアクリレート共重合体)、
セルロース系樹脂(例えば酢酸セルロース、酢酸酪酸セ
ルロース)、フッ素系樹脂(例えばポリフッ化ビニリデ
ン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ポリク
ロルフルオロエチレン(PCTFE)、テトラフルオロ
エチレン/エチレン共重合体(ETFE))、イミド系
樹脂(例えば芳香族ポリイミド(PI))、ポリアセタ
ールなどを挙げることができる。
【0012】また、連続相に用いられる熱可塑性樹脂成
分は、融点が200℃以上であるのが好ましい。ワイパ
ブレードの使用においては、例えば、雪の場合やトンネ
ルに入った時などガラス面に水分がない状態でガラス面
を拭き続けてしまうような場合がある。この時、熱可塑
性エラストマー組成物の連続相を構成する熱可塑性樹脂
成分が低融点であると、ワイパブレードとガラス間に生
ずる摩擦熱により、融解がおこり、ワイパブレードがガ
ラス面に付着し、スベリが悪くなってしまう。このよう
に乾燥したガラス面を長時間拭き続けるような場合であ
っても、融点が200℃以上である熱可塑性樹脂成分を
使用すれば、摩擦熱により溶けてしまうことがない。中
でも、コスト、摩擦係数、融点等を考慮すると、ポリア
ミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエーテル系樹
脂、フッ素系樹脂が好適に使用できる。
【0013】また、連続相には、熱可塑性エラストマー
組成物を用いることもできる。連続相に用いる熱可塑性
エラストマー組成物中の熱可塑性エラストマー成分とし
ては、例えば、ポリウレタン系、ポリエステル系、フッ
素ポリマー系、ポリアミド系等の熱可塑性エラストマー
が挙げられる。具体的には、ポリウレタン系では、短鎖
グリコールジイソシアナートをハードセグメントとし、
長鎖ポリオールをソフトセグメントとするもの、ウレタ
ンおよびウレア結合に富んだハードセグメントとポリエ
ーテルを主とするソフトセグメントとからなるものがあ
る。ポリエステル系は、ポリブチレンテレフタレートを
ハードセグメントとし、長鎖のポリオールやポリエステ
ルをソフトセグメントとするものがある。フッ素ポリマ
ー系は、フッ素樹脂成分をハードセグメントとし、フッ
素ゴム成分をソフトセグメントとするものがある。ポリ
アミド系は、ナイロンをハードセグメントとし、ポリテ
トラメチレングリコールをソフトセグメントとするもの
がある。中でも、1種類以上の結晶性のハードセグメン
トと1種類以上の非結晶性のソフトセグメントの共重合
体であるポリアミド系、ポリウレタン系またはポリエス
テル系の熱可塑性エラストマーであるのが好ましい。
【0014】分散相に用いられるエラストマー組成物中
のエラストマー成分としては、例えば、以下のようなエ
ラストマーおよびこれらのまたはこれらを含む任意の混
合物とすることができる。ジエン系ゴムおよびその水素
添加物(例えば、NR、IR、エポキシ化天然ゴム、S
BR、BR(高シスBRおよび低シスBR)、NBR、
水素化NBR、水素化SBR)、オレフィン系ゴム(例
えば、エチレンプロピレンゴム(EPDM、EPM)、
マレイン酸変性エチレンプロピレンゴム(M−EP
M)、IIR、イソブチレンと芳香族ビニルまたはジエ
ン系モノマー共重合体、アクリルゴム(ACM)、アイ
オノマー)、含ハロゲンゴム(例えば、Br−IIR、
CI−IIR、イソブチレンパラメチルスチレン共重合
体の臭素化物(Br−IPMS)、CR、ヒドリンゴム
(CHR)、クロロスルホン化ポリエチレン(CS
M)、塩素化ポリエチレン(CM)、マレイン酸変性塩
素化ポリエチレン(M−CM)、シリコンゴム(例え
ば、メチルビニルシリコンゴム、ジメチルシリコンゴ
ム、メチルフェニルビニルシリコンゴム)、含イオウゴ
ム(例えば、ポリスルフィドゴム)、フッ素ゴム(例え
ば、ビニリデンフルオライド系ゴム、含フッ素ビニルエ
ーテル系ゴム、テトラフルオロエチレン−プロピレン系
ゴム、含フッ素シリコン系ゴム、含フッ素ホスファゼン
系ゴム)、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴム、熱
可塑性エラストマー(例えば、スチレン系エラストマ
ー、オレフィン系エラストマー、エステル系エラストマ
ー、ウレタン系エラストマー、ポリアミド系エラストマ
ー)などを挙げることができる。中でも、コスト、耐候
性、耐薬品性等を考慮すると、ジエン系ゴムおよびその
水素添加物、オレフィン系ゴム、含ハロゲンゴム、フッ
素ゴム、ウレタンゴム、エピクロルヒドリンゴムが好適
に使用できる。
【0015】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物を構成する熱可塑性樹脂組成物とエラストマー組
成物の組み合わせは、特に限定されず、上記の各熱可塑
性樹脂から選ばれる1以上の熱可塑性樹脂の組成物と、
上記の各エラストマーから選ばれる1以上のエラストマ
ーの組成物のそれぞれを組み合わせて用いることができ
る。
【0016】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物を構成する熱可塑性樹脂組成物とエラストマー組
成物との割合には特に制限はないが、好ましくは重量比
で熱可塑性樹脂組成物/エラストマー組成物=85/1
5〜15/85であり、この割合の臨界は熱可塑性樹脂
組成物とエラストマー組成物の体積比率と粘度比率とに
よる。本発明に用いられる熱可塑性エラストマー組成物
では、エラストマー組成物を分散相とし、熱可塑性樹脂
組成物を連続相としたものとするために単純に両者を溶
融状態で混練しても、必ずしも目的とする分散構造の熱
可塑性エラストマー組成物を得られることにはならず、
両成分の比率の制御には、使用する熱可塑性樹脂組成物
とエラストマー組成物の固有の混練時の溶融粘度の制御
が重要である。
【0017】なお、ここで、溶融粘度とは、混練加工時
の任意の温度、成分の溶融粘度をいい、各ポリマー材料
の溶融粘度は、温度、剪断速度(sec-1)および剪断
応力の依存性があるため、一般に細管中を流れる溶融状
態にある任意の温度、特に混練時の温度領域でのポリマ
ー材料の応力と剪断速度を測定し、下式(1)より溶融
粘度を測定する。
【0018】
【数1】
【0019】なお、溶融粘度の測定には、東洋精機社製
キャピラリーレオメーターキャピログラフ1Cを使用し
た。
【0020】即ち、詳しくは α=(φR /φP )×(ηP /ηR ) (式中、 φR :エラストマー組成物の体積分率 φP :熱可塑性樹脂組成物の体積分率 ηR :熱可塑性樹脂組成物とエラストマー組成物混練時
の温度および剪断速度条件におけるエラストマー組成物
の溶融粘度 ηP :熱可塑性樹脂組成物とエラストマー組成物混練時
の温度および剪断速度条件における熱可塑性樹脂組成物
の溶融粘度 である。)となる数式において、α値が1より小さくな
るように選択される。αの値が1を超えないようにすれ
ばどのような比率で混合してもかまわない。α値が1よ
り小さい場合には、エラストマー成分が分散相(島)
で、熱可塑性樹脂がマトリックス(海)の海島分散構造
をとることができる。このような海島分散構造であれ
ば、溶融時にマトリックスを構成する熱可塑性樹脂が流
動し、熱可塑性樹脂と同様の成形が可能である。このα
の値が1以上であると、本発明に用いられる熱可塑性エ
ラストマー組成物の層構造は、逆転し、エラストマー組
成物がマトリックスとなってしまい、流動性が著しく低
下し、さらにこれに加硫剤を加えると熱可塑性エラスト
マー組成物は粒状となって流動性を失い成形困難とな
る。
【0021】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物は、摺動剤を含有することもできる。摺動剤は、
特に限定されないが、オルガノシロキサン等の界面活性
剤;四フッ化エチレンパウダー、二硫化モリブデン、グ
ラファイト、球状黒鉛、短繊維、極細繊維等の摺動材が
好適に用いられる。摺動剤の含有量は、熱可塑性樹脂ポ
リマー成分100重量部に対して、0.05〜100重
量部であるのが好ましい。上記範囲で、摺動剤の効果が
十分となり、耐屈曲性等にも優れる。
【0022】また、前記のエラストマー組成物、または
熱可塑性樹脂組成物には、上記摺動剤の他、熱可塑性エ
ラストマー組成物の流動性や耐熱性、物理的強度、コス
ト等の改善のため、本発明の目的を損なわない範囲で、
補強剤、充填剤、軟化剤、老化防止剤、加工助剤等の通
常の組成物に添加される配合剤を必要量加えることもで
きる。更に、熱可塑性樹脂組成物には、着色等を目的と
して、顔料を加えることもできる。
【0023】前記した特定の熱可塑性樹脂組成物とエラ
ストマー組成物との化学的相溶性が異なる場合は、第3
成分として適当な相溶化剤を用いて両者を相溶化させる
のが好ましい。系に相溶化剤を混合することにより、熱
可塑性樹脂組成物とエラストマー組成物との界面張力が
低下し、その結果、分散層を形成しているエラストマー
組成物粒子径が微細になることから両成分の特性はより
有効に発現されることになる。そのような相溶化剤とし
ては一般的に熱可塑性樹脂成分、エラストマー成分の両
方または片方の構造を有する共重合体、あるいは熱可塑
性樹脂成分またはエラストマー成分と反応可能なエポキ
シ基、カルボキシル基、カルボニル基、ハロゲン基、ア
ミノ基、オキサゾリン基、水酸基等を有した共重合体の
構造をとるものとすることができる。これらは混合され
る熱可塑性樹脂成分とエラストマー成分の種類によって
選定すればよいが、通常使用されるものにはスチレン・
エチレン・ブチレン・スチレン系ブロック共重合体(S
EBS)およびそのマレイン酸変性物、EPDM、EP
Mおよびそれらのマレイン酸変性物、EPDM/スチレ
ンまたはEPDM/アクリロニトリルグラフト共重合体
およびそのマレイン酸変性物、スチレン/マレイン酸共
重合体、反応性フェノキシン等を挙げることができる。
かかる相溶化剤の配合量には特に限定はないが、好まし
くはポリマー成分(熱可塑性樹脂とエラストマーの総
和)100重量部に対して0.5〜20重量部がよい。
【0024】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物に使用されるエラストマー組成物の加硫に用いら
れる加硫剤、加硫助剤や加硫条件(温度、時間)等は、
添加するエラストマー組成物の組成に応じて適宜決定す
ればよく、特に限定はない。加硫剤としては、一般的な
ゴム加硫剤(架橋剤)を用いることができる。具体的に
は、イオウ系加硫剤としては粉末イオウ、沈降性イオ
ウ、高分散性イオウ、表面処理イオウ、不溶性イオウ、
ジモルフォリンジサルファイド、アルキルフェノールジ
サルファイド等が例示され、例えば、0.5〜4phr
(エラストマー成分(ポリマー)100重量部あたりの
重量部)程度を用いればよい。
【0025】また、有機過酸化物系の加硫剤としては、
ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルヒドロパーオキ
サイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、
2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキ
シ)ヘキサン、2,5−ジメチルヘキサン−2,5−ジ
(パーオキシルベンゾエート)等が例示され、例えば、
1〜15phr程度を用いればよい。更に、フェノール
樹脂系の加硫剤としては、アルキルフェノール樹脂の臭
素化物や、塩化スズ、クロロプレン等のハロゲンドナー
とアルキルフェノール樹脂とを含有する混合架橋系等が
例示され、例えば、1〜20phr程度を用いればよ
い。
【0026】その他として、亜鉛華(5phr程度)、
酸化マグネシウム(4phr程度)、リサージ(10〜
20phr程度)、p−キノンジオキシム、p−ジベン
ゾイルキノンジオキシム、テトラクロロ−p−ベンゾキ
ノン、ポリ−p−ジニトロソベンゼン(2〜10phr
程度)、メチリンジアニリン(0.2〜10phr程
度)が例示される。
【0027】また、必要に応じて、加硫促進剤を添加し
てもよい。加硫促進剤としては、アルデヒド・アンモニ
ア系、グアニジン系、チアゾール系、スルフェンアミド
系、チウラム系、ジチオ酸塩系、チオウレア系等の一般
的な加硫促進剤を、例えば、0.5〜2phr程度用い
ればよい。
【0028】具体的には、アルデヒド・アンモニア系加
硫促進剤としては、ヘキサメチレンテトラミン等が;グ
アニジン系加硫促進剤としては、ジフェニルグアニジン
等が;チアゾール系加硫促進剤としては、ジベンゾチア
ジルジサルファイド(DM)、2−メルカプトベンゾチ
アゾールおよびそのZn塩、シクロヘキシルアミン塩等
が;スルフェンアミド系加硫促進剤としては、シクロヘ
キシルベンゾチアジルスルフェンアマイド(CBS)、
N−オキシジエチレンベンゾチアジル−2−スルフェン
アマイド、N−t−ブチル−2−ベンゾチアゾールスル
フェンアマイド、2−(チモルポリニルジチオ)ベンゾ
チアゾール等が;チウラム系加硫促進剤としては、テト
ラメチルチウラムジサルファイド(TMTD)、テトラ
エチルチウラムジサルファイド、テトラメチルチウラム
モノサルファイド(TMTM)、ジベンタメチレンチウ
ラムテトラサルファイド等が;ジチオ酸塩系加硫促進剤
としては、Zn−ジメチルジチオカーバメート、Zn−
ジエチルジチオカーバメート、Zn−ジ−n−ブチルジ
チオカーバメート、Zn−エチルフェニルジチオカーバ
メート、Tc−ジエチルジチオカーバメート、Cu−ジ
メチルジチオカーバメート、Fe−ジメチルジチオカー
バメート、ピペコリンピペコリルジチオカーバメート等
が;チオウレア系加硫促進剤としては、エチレンチオウ
レア、ジエチルチオウレア等が;それぞれ開示される。
また、加硫促進剤としては、一般的なゴム用助剤を併せ
て用いることができ、例えば、亜鉛華(5phr程
度)、ステアリン酸やオレイン酸およびこれらのZn塩
(2〜4phr程度)等を用いればよい。
【0029】顔料としては、無機顔料および有機顔料を
用いることができる。無機顔料は、例えば、亜鉛華、酸
化チタン、弁柄、酸化クロム、鉄黒、複合酸化物(例え
ば、チタンエロー系、亜鉛−鉄系ブラウン、チタン・コ
バルト系グリーン、コバルトグリーン、コバルトブル
ー、銅−クロム系ブラック、銅−鉄系ブラック)等の酸
化物;黄鉛、モリブデートオレンジ等のクロム酸塩;紺
青等のフェロシアン化物;カドミウムエロー、カドミウ
ムレッド、硫化亜鉛等の硫化物;硫酸バリウム等の硫酸
塩;群青等の珪酸塩;炭酸カルシュム等の炭酸塩;マン
ガンバイオレット等の燐酸塩;黄色酸化鉄等の水酸化
物;カーボンブラック等の炭素;アルミニウム粉、ブロ
ンズ粉等の金属粉;チタン被覆雲母が挙げられる。有機
顔料は、モノアゾレーキ系(例えば、レーキレッドC、
パーマネンレッド2B、ブリリアントカーミン6B)、
モノアゾ系(例えば、トルイジンレッド、ナフトールレ
ッド、ファストエローG、ベンズイミダロンボルドー、
ベンズイミダゾロンブラウン)、ジスアゾ系(例えば、
ジスアゾエローAAA、ジスアゾエローHR、ピラゾロ
ンレッド)、縮合アゾ系(例えば、縮合アゾエロー、縮
合アゾレッド、縮合アゾブラウン)、金属錯塩アゾ系
(例えば、ニッケルアゾエロー)等のアゾ系顔料;銅フ
タロシアニンブルー、銅フタロシアニングリーン、臭素
化銅フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔
料;塩基性染料レーキ(例えば、ローダミン6レーキ)
等の染付顔料;アンスラキノン系(例えば、フラバンス
ロンエロー、ジアンスラキノリルレッド、インダンスレ
ンブルー)、チオインジゴ系(例えば、チオインジゴボ
ルドー)、ペリノン系(例えば、ペリノンオレンジ)、
ペリレン系(例えば、ペリレンスカーレット、ペリレン
レッド、ペリレンマルーン)、キナクリドン系(例え
ば、キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ、キナ
クリドンスカーレット)、ジオキサジン系(例えば、ジ
オキサジンバイオレット)、イソインドリノン系(例え
ば、イソインドリノンエロー)、キノフタロン系(例え
ば、キノフタロンエロー)、イソインドリン系(例え
ば、イソインドリンエロー)、ピロール系(例えば、ピ
ロールレッド)等の縮合多環顔料;銅アゾメチンエロー
等の金属錯塩アゾメチン;アニリンブラック;昼光蛍光
顔料が挙げられる。
【0030】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物の製造方法は、予め熱可塑性樹脂組成物とエラス
トマー組成物(ゴムの場合は未加硫物)とを2軸混練押
出機等で溶融混練し、連続相(マトリックス相)を形成
する熱可塑性樹脂組成物中にエラストマー組成物を分散
相(ドメイン)として分散させることによる。次に、エ
ラストマー組成物を加硫するには、混練下で加硫剤を添
加し、エラストマー組成物を動的に加硫させる。また、
熱可塑性樹脂組成物中またはエラストマー組成物中の各
種配合剤は、上記混練中に添加してもよいが、混練の前
に予め混合しておくことが好ましい。この際、加硫剤も
予めエラストマー組成物中に混合しておき、熱可塑性樹
脂組成物とエラストマー組成物を混練中に、加硫を同時
に行うこともできる。熱可塑性樹脂組成物とエラストマ
ー組成物の混練に使用する混練機としては、特に限定は
なく、スクリュー押出機、ニーダ、バンバリミキサー、
2軸混練押出機等が使用できる。中でも、熱可塑性樹脂
とエラストマー組成物の混練およびエラストマー組成物
の動的加硫には、2軸混練押出機を使用するのが好まし
い。更に、2種類以上の混練機を使用し、順次混練して
もよい。溶融混練の条件として、温度は熱可塑性樹脂が
溶融する温度以上であればよい。また、混練時の剪断速
度は500〜7500sec-1であるのが好ましい。混
練全体の時間は30秒〜10分、また、添加後の加硫時
間は15秒〜5分であるのが好ましい。
【0031】上述したように、本発明に用いられる熱可
塑性エラストマー組成物においては、前記エラストマー
が動的に架橋されている。即ち、熱可塑性樹脂とエラス
トマーとを混練しながらエラストマーの架橋を進行させ
てなるものである。このような製法を用いることによ
り、得られた熱可塑性エラストマー組成物は、連続相と
なる熱可塑性樹脂相に不連続相となる架橋エラストマー
相が微細に分散した状態となる。
【0032】本発明に用いられる熱可塑性エラストマー
組成物は、ワイパブレードの耐熱性を考慮すると、融点
が200℃以上であるのが好ましい。熱可塑性エラスト
マー組成物の融点は、連続相として用いられる熱可塑性
樹脂または熱可塑性エラストマーに依存するので、融点
が200℃以上である熱可塑性樹脂または熱可塑性エラ
ストマーを連続相として用いれば、熱可塑性エラストマ
ー組成物の融点が200℃以上となる。
【0033】本発明のワイパブレードは、上述した熱可
塑性エラストマー組成物と補強材とを一体成形してなる
ため、ガラスと接触する面が常に熱可塑性エラストマー
組成物の連続相である熱可塑性樹脂相となる。熱可塑性
樹脂はエラストマーと比べて摩擦係数が小さく、耐磨耗
性に優れているため、ワイパブレードのビビリ音が抑制
され、耐久性が優れたものとなる。また、熱可塑性エラ
ストマー組成物の硬さは、JIS A硬度で50〜80
であるのが好ましい。本体のJIS A硬度が50以上
であると、ガラスを拭く際、ワイパブレードが倒れすぎ
てターンができないということがない。また、本体のJ
IS A硬度が80以下であると、ワイパブレードがガ
ラス面に密着し、拭き性能が特に優れたものになる。
【0034】本発明に用いられる補強材は、ワイパブレ
ードに剛性を付与するものであり、一体成形によって作
製されたワイパブレードが市販のワイパブレードと同等
の剛性になればよく、大きさ、形状、個数、位置、材質
等について、特に限定されない。補強材の態様を以下に
数例図で示す。図1〜4は、本発明のワイパブレードを
示す(横)断面図である。図1のワイパブレードは、長
方形の断面形状を有する板状の補強材が1つ組み込まれ
ている。図2のワイパブレードは、長方形の断面形状を
有する板状の補強材が2つ組み込まれている。図3のワ
イパブレードは、円柱状の補強材が4つ組み込まれてい
る。図1〜3のワイパブレードは、いずれも補強材が内
部に埋設された例であり、補強材はワイパブレードの表
面に露出していないが、その一部が露出または全面的に
露出していてもよい。また図1に示すように両端まで至
らないものであってもよいが、ワイパブレードの両端ま
での全長にわたるものであってもよい。また補強材は、
必ずしもワイパブレードの断面中位に位置するとは限ら
ず、上方側あるいは下方側に位置してもよい。
【0035】たとえば図4(a) は補強材がワイパブレー
ドの両端面に達し、補強材の両端が露出した例、図4
(b) は補強材の上部が露出した例、図4(c) は補強材の
下部が露出した例、図4(d) は補強材の上下および両端
部が露出した例である。また補強材の長手方向の両端ま
で至らないものであってもよいが、両端までの全長にわ
たるものであってもよく、側面断面形状がワイパブレー
ドの長さ方向に均一であってもよいし、長さ方向の位置
によって異なるものであってもよい。たとえば図5(a)
は長手方向に連続して補強材が設けられた例であり、図
5(b) は長手方向の両端には補強材を設けない例、図5
(c) および(d) は不連続の補強材を設け、長手方向途中
の1または複数箇所に補強材を設けてない例である。
【0036】さらに上記において、補強材の横断面形状
の他例をいくつか示す。ここでは補強材のみを図示し、
符番2は略す。図6(a) 〜(i) は、連続した一の横断面
形状の補強材2を有する図1のワイパーブレードに相当
する補強材2の他の形状例である。図7は複数個の補強
材の例を示す。補強材は横断面でみたとき、たとえば図
7(a) 〜(f) に示すような左右対称形であってもよく、
また図(g) 〜(j) に示すような非対称形であってもよ
い。なお上記は、補強材の態様例を説明するために示し
たにすぎず、本発明のワイパブレードは補強材と熱可塑
性エラストマー組成物とを一体成形しうる範囲であれば
これら図面で示される態様に限定されるものではないこ
とはいうまでもない。
【0037】補強材の材料は、例えば、金属、ガラス繊
維、カーボン繊維、樹脂、FRP(繊維強化プラスチッ
ク)、およびこれらの複合材料を用いることができる。
金属は、特に限定されないが、例えば、鉄、アルミニウ
ム、銅、ステンレス、およびこれらの2種以上の合金が
挙げられる。中でも、剛性、腐食性からステンレスが好
ましい。樹脂は、特に限定されず、熱可塑性樹脂および
熱硬化性樹脂のいずれも用いることができる。特に熱可
塑性樹脂は、上記熱可塑性エラストマー組成物の連続相
に用いられるものを用いれば、補強材とワイパブレード
本体とが強固に接着するためワイパブレードの耐久性が
向上するので好ましい。また、熱可塑性樹脂中にガラス
繊維やカーボン繊維を混入し、補強材の剛性を増すこと
も可能である。熱硬化性樹脂は、例えば、フェノール樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ケイ素樹
脂が挙げられる。
【0038】本発明のワイパブレードの製造方法は、特
に限定されない。特に、補強材と本熱可塑性エラストマ
ー組成物を共押出しによって同一形状を無限長さに成形
しておき、そこから必要長さを切断してワイパブレード
として使用する方法が最も作業効率がよい。例えば、補
強材が金属である場合は、予めロール状に巻いておき、
押出機のダイに通して補強材の周りを熱可塑性エラスト
マー組成物が被覆するように成形すればよいし、また例
えば、補強材が樹脂である場合には、押出機を2機使
い、熱可塑性エラストマー組成物と補強材とを同時に共
押出しにより一体成形してもよいし、タンデム方式で樹
脂の補強材を成形しながら、その上に熱可塑性エラスト
マー組成物を被覆してもよい。また、例えば、射出成形
法でも補強材を予め金型内にインサートしておき、熱可
塑性エラストマー組成物を射出成形することによりワイ
パブレードをつくることもできる。
【0039】
【実施例】以下に実施例を示して本発明を具体的に説明
するが、本発明はこれらに限られるものではない。 1.熱可塑性エラストマー組成物の調製 まず、第1表に示される配合(重量比)のエラストマー
組成物1および2をバンバリミキサーに投入し、約3分
間混練した後、120℃で放出した。放出したエラスト
マーをゴムペレタイザーでペレット化し、第2表に示さ
れる重量比で熱可塑性樹脂とドライブレンドし、前部1
80℃、後部220℃に設定した2軸混練機に投入し、
せん断速度1000sec-1で混練し、熱可塑性樹脂と
エラストマー組成物が充分に混練されたところで加硫系
を添加し、熱可塑性エラストマー組成物1および2を得
た。この成形条件(樹脂温度実測で220℃、せん断速
度1000sec -1)において、各組成物の溶融粘度をキ
ャピラリレオメータにて測定し、前記α値を計算し、表
2に併せて記載した。この中、熱可塑性エラストマー
3、4はエラストマー配合分の比率が大きすぎ(α≧
1)、海島構造が逆転してしまうため混練できず、サン
プルがとれなかった。得られた熱可塑性エラストマー組
成物は、2mm厚さの板材に成形し、それを3枚重ね
て、JIS K6253に準拠して、JIS A硬度を
測定した。
【0040】熱可塑性エラストマー組成物の調製に用い
た原料を以下に示す。 (1)熱可塑性樹脂 ポリエステル系熱可塑性エラストマー(COPE):
ペルプレンP95C、東洋紡社製、JIS A硬度9
5、融点213℃ ポリプロピレン(PP):RB121D、トクヤマ社
製・融点150℃ (2)エラストマー組成物 (2−1)エラストマー アクリルゴム(ACM):Nipol AR71、日
本ゼオン社製 エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM):エ
スプレン600F、住友化学社製 (2−2)カーボン GPF:シーストV、東海カーボン社製 (2−3)可塑剤 ジオクチルフタレート(DOP):三菱化学社製 パラフィンオイル:マシン油22、昭和シェル石油社
製 (2−5)老化防止剤:イルガノックス1010、日本
チバガイギー社製 (2−6)加工助剤:アーミンD18、ライオン・アク
ゾ社製 (3)加硫系 亜鉛華:亜鉛華3号、正同化学社製 ステアリン酸:ビーズステアリン酸、日本油脂社製 ブタンテトラカルボン酸:BTC、三井東圧ファイン
社製 臭素化フェノール樹脂:タッキロール250−I、田
岡化学社製
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】2.ワイパブレードの作製 (実施例1)本体に熱可塑性エラストマー組成物1を、
補強材に断面形状0.7×5.0mmのリボン鋼材を用
いた図1の形状のワイパブレードを共押出しにより連続
的に作製した。 (実施例2)本体に熱可塑性エラストマー組成物1を、
補強材に断面形状0.7×2.0mmのリボン鋼材を2
本用いた図2の形状のワイパブレードを共押出しにより
連続的に作製した。 (実施例3)押出機を2台設置し熱可塑性エラストマー
組成物1と、ガラス繊維20%入りナイロン6(CM1
001G−20、東レ社製)を共押出しして、図1の形
状のワイパブレードを連続的に作製した。ここで、ガラ
ス繊維入りナイロン6の補強材の断面形状は1.0×
5.0mmとした。 (実施例4)本体に熱可塑性エラストマー組成物2を、
補強材に断面形状0.7×5.0mmのリボン鋼材を用
いた図1の形状のワイパブレードを共押出しにより連続
的に作製した。
【0044】(比較例1)プレス成形によって天然ゴム
(JIS A硬度60)でワイパブレードを作製した
後、ワイパブレードの刃先を塩素処理した。これに、補
強材として断面形状0.7×2.0mmの鋼材2本をは
め込みワイパブレードとした。 (比較例2)本体にCOPEを、補強材に断面形状0.
7×5.0mmのリボン鋼材を用いた図1の形状のワイ
パブレードを共押出しにより連続的に作製した。
【0045】得られたワイパブレードは、45cmの長
さに切断し、試験車にとりつけ以下の評価を行った。 (1)初期拭き性能 JIS D5710に準拠した試験の開始直後におい
て、ガラス面にワイパブレードの拭きむらのないものを
○、少し拭きむらのあるものを△、多くあるものを×と
した。 (2)長期耐久性 JIS D5710に準拠して、耐久性を評価した。異
状がなく耐久往復回数が75万回以上であったものを
○、50万回以上75万回未満であったものを△、50
万回未満であったものを×とした。 (3)ビビリ音 長期耐久性試験時にビビリ音が発生したものを×、発生
しなかったものを○とした。 (4)組立工数 比較例1の組立工数を100として、各実施例および比
較例の組立工数の相対値を表した。
【0046】結果を第3表に示す。本発明のワイパブレ
ードは、初期拭き性能および長期耐久性に優れ、ビビリ
音が抑制され、組立工数が少ないことが分かる(実施例
1〜4)。ただし、熱可塑性エラストマー組成物の連続
相として融点150℃のPPを使用した場合、長期使用
で摩耗が起こり、耐久性が少し低下してくる(実施例
4)。これに対して、ゴムに補強材を組み込んだワイパ
ブレードであって、塩素化処理によりゴム表面を硬化さ
せたもの(比較例1)は、長期耐久性が十分ではなく、
また、一体成形することができないうえ、塩素化処理工
程を要するので、ワイパブレードの組立工数が多い。ま
た、ポリエステル系熱可塑性エラストマーに補強材を組
み込んだワイパブレード(比較例2)は、ポリエステル
系熱可塑性エラストマー自体が硬いため、初期拭き性能
が悪く、またポリエステル系熱可塑性エラストマー自体
が耐久性に劣るため、長期耐久性に劣る。
【0047】
【表3】
【0048】
【発明の効果】本発明のワイパブレードは、本発明のワ
イパブレードは、拭き取り性および耐久性に優れ、ビビ
リ音が抑制され、組立工数が少ないので有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のワイパブレードの一態様を示す断面
図である。
【図2】 本発明のワイパブレードの他の一態様を示す
断面図である。
【図3】 本発明のワイパブレードの他の一態様を示す
断面図である。
【図4】 (a)〜(d)は、本発明のワイパブレード
の他の態様例を示す横断面図である。
【図5】 (a)〜(d)は、本発明のワイパブレード
の他の態様例を示す側断面図である。
【図6】 (a)〜(j)は、本発明のワイパブレード
における補強材の他の態様例を示す横断面図である。
【図7】 (a)〜(j)は、本発明のワイパブレード
における補強材の他の態様例を示す横断面図である。
【符号の説明】
1 熱可塑性エラストマー組成物 2 補強材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒田 益夫 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 大岡 直行 神奈川県平塚市追分2番1号 横浜ゴム株 式会社平塚製造所内 (72)発明者 石田 昇 埼玉県加須市大字下高柳字沼頭311番地 日本ワイパブレード株式会社内 Fターム(参考) 3D025 AA02 AC01 AD01 AE11

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】連続相が熱可塑性樹脂であり分散相が動的
    に架橋されたエラストマー組成物である熱可塑性エラス
    トマー組成物と、補強材とを一体成形してなるワイパブ
    レード。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマー組成物を構成す
    る熱可塑性樹脂とエラストマー組成物との割合が重量比
    で熱可塑性樹脂/エラストマー組成物=85/15〜1
    5/85である請求項1に記載のワイパブレード。
  3. 【請求項3】前記熱可塑性エラストマー組成物の融点が
    200℃以上である請求項1または2に記載のワイパブ
    レード。
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載のワイパブ
    レードの製造方法であって、前記熱可塑性エラストマー
    組成物と、前記補強材とを、共押出しにより一体成形す
    ることを特徴とするワイパブレードの製造方法。
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