JP2001219734A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2001219734A
JP2001219734A JP2000035117A JP2000035117A JP2001219734A JP 2001219734 A JP2001219734 A JP 2001219734A JP 2000035117 A JP2000035117 A JP 2000035117A JP 2000035117 A JP2000035117 A JP 2000035117A JP 2001219734 A JP2001219734 A JP 2001219734A
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JP2000035117A
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English (en)
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Yoshitaka Kume
▲祥▼隆 久米
Hirotsugu Takeuchi
裕嗣 武内
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エンジン停止時に運転室内の運転者に対して
良好な冷房感を与えることができるようにするととも
に、既存の車両用空調装置を利用した簡素な構成で、し
かも、車両エンジンの作動を必要とせずに停車時の冷房
機能を発揮できるようにすることを可能にした車両用空
調装置を実現する。 【解決手段】 運転室1内のセンタコンソール部に設置
される蓄冷式冷却ユニット8を備え、このユニット8に
は、蓄冷用送風機10と、送風空気を冷却する蓄冷パッ
ク16を有する蓄冷式冷却器9とを設け、この蓄冷式冷
却器9は、車両エンジンの作動時に空調用冷凍サイクル
Rの冷媒の蒸発潜熱により蓄冷パック16に蓄冷するよ
うになっており、さらに、蓄冷式冷却ユニット8には、
運転者7の頭部と下半身に向けて冷風を吹き出し可能な
第1吹出口20aと第2吹出口20bとを備えるように
配設したことを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばトラック等
の車両の運転室内を停車時に車両エンジンにより駆動さ
れる冷凍サイクルの圧縮機を運転させないで冷房するこ
とが可能な蓄冷式車両用空調装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】荷物の受渡し等のためにトラック等の車
両を停止させる場合に、車両エンジンを停止することが
地球温暖化防止のために近年特に要望されるようになっ
てきている。しかし、車両エンジンを停止すると、車両
エンジンを駆動源とする空調用冷凍サイクルも必然的に
停止するので空調装置の冷房機能を発揮できない。従っ
て、夏季には運転室内の温度が上昇し運転者に不快感を
与えることになる。
【0003】そこで、従来、特開平9−277819号
公報などにおいて、アンモニアを冷媒とする吸収式冷凍
サイクルを、車両に入射される太陽熱を熱源として作動
させることにより、停止時に車両エンジンを停止したま
まで冷房機能を発揮できるようにしたものが提案されて
いる。
【0004】また、特開昭62−149509号公報で
は、停車時に車両の仮眠室を冷房する冷房装置が提案さ
れている。この従来装置では、トラックの運転室の後方
にカーテンのごとき仕切り部材で仕切られた仮眠室を形
成し、この仮眠室内に冷却ユニットを配設している。こ
の冷却ユニットはその下方部に吸込口を、また上方部に
吹出口を有し、さらにその内部には蓄冷式冷却器と送風
機とを設けている。
【0005】上記蓄冷式冷却器は、車両の空調用冷凍サ
イクルに設けられた冷媒蒸発器と、この冷媒蒸発器にて
蓄冷される蓄冷材とから構成され、トラックの走行時に
冷媒蒸発器により蓄冷材を冷却して蓄冷材を凍結してお
き、その後、トラックの停車時に車両エンジンを停止さ
せて運転者が仮眠室で仮眠するときには、冷却ユニット
の送風機を作動させて、蓄冷材部分の通風路に送風して
この蓄冷材と送風空気との間で熱交換を行い、送風空気
を冷却させその冷風を冷却ユニットの吹出口から仮眠室
内に吹き出させて蓄冷冷房を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者(特開
平9−277819号公報)の従来技術では、太陽熱を
熱源とする吸収式冷凍サイクルであるため、太陽熱の入
射量の変動に伴って冷房能力が大きく変動するという問
題がある。これに加え、既存の車両用空調装置とは全く
別に、吸収式冷凍サイクルからなる冷房装置一式を新た
に設置する必要があるのでコストアップを招く。しか
も、車両においては、搭載スペースの制限が厳しいの
で、既存の車両用空調装置とは別に吸収式冷房装置一式
を設置するためのスペース確保は実用上極めて困難であ
る。
【0007】また、後者(特開昭62−149509号
公報)の従来技術では、トラックの運転室の後方に形成
される仮眠室を冷房するためのものであり、冷却ユニッ
トの吹出口から冷風を仮眠室内に吹き出しているので、
停車時に運転室内の運転者周囲に冷風を十分行き渡せる
ことはできない。その結果、運転室内の運転者に対して
は冷房不足が生ずる。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みて
なされたもので、車両エンジンの停止時に運転室内の運
転者に対して良好な冷房感を与えることができるように
するとともに、既存の車両用空調装置を利用した簡素な
構成で、しかも、車両エンジンの作動を必要とせずに停
車時の冷房機能を発揮できるようにすることを可能にし
た車両用空調装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜5記載の技術的手段を採用する。
【0010】すなわち、請求項1の発明では、運転室
(1)内に設置される蓄冷式冷却ユニット(8)に、運
転室(1)内の空気を吸入して送風する送風機(10)
と、この送風機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材
(16)を有する蓄冷式冷却器(9)とを設け、この蓄
冷式冷却器(9)は、車両エンジンの作動時に車両エン
ジンを駆動源とする冷却手段(15)により蓄冷材(1
6)に蓄冷するようになっており、さらに、蓄冷式冷却
ユニット(8)には、運転者(7)の頭部近傍に向けて
冷風を吹き出し可能な吹出手段(20a)と運転者
(7)の下半身近傍に吹き出し可能な吹出手段(20
b)とを備えたことを特徴としている。
【0011】請求項1の発明によれば、車両エンジンの
作動時に蓄冷式冷却器(9)の蓄冷材(16)を蓄冷さ
せておいて、車両の停車時に、車両エンジンの作動を必
要とせずに、蓄冷式冷却ユニット(8)で冷却された冷
風を運転者(7)の頭部および下半身に向かって吹き出
すことにより、蓄冷式冷却ユニット(8)の限られた冷
房能力であっても、運転者(7)の身体の周囲のみに冷
風を与え効果的に局所冷房ができるので運転者に対して
良好な冷房感を与えることができる。
【0012】請求項2〜3の発明では、蓄冷式冷却ユニ
ット(8)に運転室(1)内の空気を吸入して送風する
送風機(10)と、この送風機(10)の送風空気を冷
却する蓄冷材を有する蓄冷式冷却器(9)とを設け、こ
の蓄冷式冷却器(9)は、車両エンジンを駆動源とする
空調用冷凍サイクル(R)の冷媒の蒸発潜熱により蓄冷
材(16)に蓄冷するようになっており、さらに、運転
者(7)の頭部近傍に向けて冷風を吹き出し可能な吹出
手段(20a)と運転者(7)の下半身近傍に吹き出し
可能な吹出口(20b)とを備えたことを特徴としてい
る。
【0013】請求項2〜3の発明によれば、蓄冷式冷却
器(9)を、車両エンジンを駆動源とする空調用冷凍サ
イクル(R)の冷媒の蒸発潜熱により蓄冷材(16)に
蓄冷するように構成したことにより、既存の車両用空調
装置を利用した簡素な構成で車両エンジン作動時に蓄冷
材(16)への蓄冷を行うことができ、しかも、既存の
車両用空調装置とは別に吸収式冷房装置一式を設置する
従来技術に比較して大幅なコスト低減および設置スペー
スの縮小を図ることができ、車両用として極めて有利で
ある。従って、蓄冷式冷却器(9)は、具体的な構成を
請求項3のように、蓄冷材を収納した蓄冷パック(1
6)と、空調用冷凍サイクル(R)に接続され、蓄冷パ
ック(16)を冷却する蓄冷用蒸発器(15)と、送風
機(10)の送風空気を蓄冷パック(16)と接触する
ようにして通過させる空気流路(17)とを用いて構成
することができる。
【0014】また、請求項4の発明では、蓄冷式冷却ユ
ニット(8)は、運転室(1)のセンタコンソール部に
配置され、吹出手段(20a)は吹出ダクト(19)で
構成したことを特徴としている。
【0015】請求項4の発明によれば、運転席の近傍に
蓄冷式冷却ユニット(8)を配置させ、吹出ダクト(1
9)で構成することにより、運転者(7)への吹き出し
方向が容易に調整でき操作性が良好となる。また、吹出
ダクト(19)が蓄冷式冷却ユニット(8)に組付いて
いるので車両別個所への取付けが不要となる。
【0016】請求項5の発明では、蓄冷式冷却ユニツト
(8)は、運転者(7)近傍部位から室内空気を吸い込
む吸込手段を有していることを特徴としている。
【0017】請求項5の発明によれば、運転者(7)の
頭部および下半身に向けて吹き出した冷風を運転室
(1)全体に拡散させることなく、運転者(7)の近傍
から吸込むことができ、この冷風を再循環することがで
きる。これにより、蓄冷式冷却ユニツト(8)の冷房熱
負荷を低減でき、蓄冷式冷却ユニツト(8)の限られた
冷却能力でもって、長時間運転室(1)の蓄冷冷房を行
うことができる。
【0018】なお、上記各手段の括弧内符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す一実施形
態について説明する。図1〜5は本発明をトラック用空
調装置に適用したもので、トラックの運転室1の前方の
計器盤2の内側部に、周知の空調ユニット3が設置され
ている。
【0020】この空調ユニット3は、図3に示すよう
に、空調用冷凍サイクルRの空調用蒸発器4および空調
用送風機5を内蔵し、この空調用送風機5により送風さ
れる空気を空調用蒸発器4で冷却し、その冷風を計器盤
2の上方部のフェイス吹出口6から運転者7の上半身に
向かって吹き出すようになっている。
【0021】一方、運転室1の運転席と助手席との間の
センタコンソール部に蓄冷式冷却ユニット8が配置され
ている。この蓄冷式冷却ユニット8は図3に示すよう
に、空調用冷凍サイクルRにおいて空調用蒸発器4と並
列に設けられた蓄冷式冷却器9と蓄冷用送風機10とを
内蔵している。なお、図3では図示の簡略化のために送
風機5、10として軸流ファンを図示しているが、実際
は、周知の遠心多翼ファンにより構成されている。
【0022】そして、この蓄冷式冷却ユニット8には、
略直方体形状に形成されたケース11を有し、このケー
ス11の車両前方側に運転室1内の空気を吸入する吸入
口12が設けられている。この吸込口12の下流側に蓄
冷式冷却器9が内蔵されており、吸入空気と蓄冷式冷却
器9とが熱交換され冷却される。
【0023】ここで、蓄冷式冷却器9の具体的構造は、
例えば、図4に示すようなものであり、蓄冷用蒸発器1
5と蓄冷パック16とを組み合せた構造となっている。
ここで、蓄冷用蒸発器15は本実施形態では、アルミニ
ューム製の多穴偏平チューブ15aを用いて構成されて
いる。この多穴偏平チューブ15aは蓄冷パック16の
幅寸法と同等の幅寸法を持った断面偏平状に形成され、
周知のごとく多数の冷媒通路用の穴が並列形成されてい
る。
【0024】そして、この多穴偏平チューブ15aは、
図4に示すように、上下端部に折り曲げ部を有し、上下
方向に蛇行するように形成されている。従って、多穴偏
平チューブ15aの偏平面は、上下方向に向いている。
【0025】そして、蓄冷用蒸発器15の多穴偏平チュ
ーブ15aの左右両側面に密着するように蓄冷パック1
6が配設されている。この蓄冷パック16は図4に示す
ように、上下方向に縦長の凹凸形状に形成されており、
樹脂で成形された薄肉のパック状(袋状)部材の内部に
水、あるいは軟ゲル状の蓄冷材を封入したものである。
【0026】また、蓄冷パック16の材質としては、送
風空気との熱交換性向上のため、薄肉化しやすい材質、
例えば、ナイロン、ポリエチレン等が好適である。な
お、蓄冷用蒸発器15は、その内部を循環する冷媒の蒸
発潜熱(冷媒蒸発温度は例えば、−20℃)により、蓄
冷パック16を冷却して蓄冷材への蓄冷を行うようにな
っている。
【0027】さらに、図4において、17は凹凸形状の
蓄冷パック16の凹部16aと蓄冷用蒸発器15の多穴
偏平チューブ15aとの間に形成された空気流路で、水
平方向に多数並列に形成されている。多穴偏平チューブ
15aの一端部には、冷媒入口ヘッダー15bが接続さ
れ、他端部には冷媒出口ヘッダー15cが接続されてい
る。
【0028】次に、図2の吸込口12によりケース11
内に吸入された空気は、図4に示す空気流路17を通過
して冷却され、この冷風はケース11内の蓄冷用送風機
10を経由してケース11に設けた第1吹出開口部18
aと第2吹出開口部18bに分岐されて流出される。第
1吹出開口部18aは、吹出ダクト19の一端側と接続
され他端側の第1吹出口20aから運転者7の頭部に向
けて冷風が吹き出される。一方の第2吹出開口部18b
には、第2吹出口20bを備えて運転者7の下半身に向
けて冷風が吹き出される。なお、吹出ダクト19は、樹
脂製のジャバラ状の形態で自在に吹き出し方向が調整で
きるようになっている。また、蓄冷冷房を必要としない
ときには、吹出ダクト19をケース11の窪み部13に
収納できるようになっている。
【0029】次に、図3に基づいて、空調用冷凍サイク
ルRの構成を説明すると、21は圧縮機で、トラックの
走行用エンジン(図示せず)により電磁クラッチ21a
を介して駆動されるようになっている。22は圧縮機2
1から吐出された高温、高圧のガス冷媒を冷却し凝縮す
る凝縮器、23はこの凝縮器22で凝縮した液冷媒を溜
めて液冷媒のみを導出する受液器である。
【0030】24は前述した空調ユニット3に備えられ
た冷媒流れを断続する常開式の電磁弁、25は液冷媒を
減圧し膨張させる減圧手段として温度作動式膨張弁で、
25aはその感温筒で、空調用蒸発器4の出口冷媒温度
を感知する。空調ユニット3においては、空調用送風機
5の送風空気が空調用蒸発器4により冷却されて冷風と
なり、図示しないヒータユニット、吹出口切替機構を経
て、図1のフェイス吹出口6から運転室(車室内)1内
の上方部に吹き出すようになっている。
【0031】26は上記運転室1空調用の機器(25、
4)を有する空調用冷媒回路で、前記電磁弁24はこの
空調用冷媒回路26への冷媒流れを断続する。27はこ
の空調用冷媒回路26と並列に設けられた蓄冷用冷媒回
路であり、28はこの蓄冷用冷媒回路27に流入する液
冷媒を減圧し膨張させる減圧手段としての定圧膨張弁
で、その下流側が所定圧力以下に低下すると開弁するも
のである。この定圧膨張弁28の下流側に蓄冷用冷却器
9の蓄冷用蒸発器15が接続されている。29は逆止弁
で空調用蒸発器4側から蓄冷用蒸発器15へ高温冷媒が
逆流するのを防止して、蓄冷用蒸発器15の上流側から
下流側への一方向のみに冷媒を流すものである。
【0032】次に、電気制御部について述べると、30
は空調用電気制御装置(制御手段)で、予め設定された
プログラムに従って所定の演算処理を行って送風機5、
10、電磁クラッチ21a、電磁弁24等の電気機器の
作動を制御するものである。空調用電気制御装置30に
は、センサ群31および運転室1内に設けられる空調制
御パネル32の操作スイッチ群33とから入力信号が加
えられる。
【0033】センサ群31としては、周知の内気温セン
サ、外気温センサ、日射センサ等が設けられ、また、蓄
冷パック16の温度を検出するパック温度センサが設け
られる。このパック温度センサはサーミスタのような感
温素子からなるもので、蓄冷用蒸発器15の多穴偏平チ
ューブ15aの間に配設される蓄冷パック16のうち、
冷媒流れの最下流側に位置する蓄冷パック16の表面に
配設され、複数の蓄冷パック16の蓄冷完了を検知す
る。
【0034】また、空調制御パネル32の操作スイッチ
群33としては、周知のごとく空調ユニット3用の設定
温度スイッチ、送風切替スイッチ、吹出モード切替スイ
ッチ、内外気切替スイッチ、空調スイッチ等が設けら
れ、さらに、蓄冷式冷却ユニット8用の蓄冷スイッチ、
蓄冷冷房用温度スイッチ、蓄冷冷房用送風切替スイッ
チ、蓄冷冷房用タイマスイッチ等が設けられる。ここで
蓄冷スイッチは蓄冷用蒸発器15に冷媒を流して蓄冷パ
ック16を冷却する蓄冷モードを設定するためのもので
ある。
【0035】また、蓄冷冷房用温度スイッチは蓄冷冷房
時における運転室1内の室温(冷房温度)を運転者7の
好みに応じて設定するためのものである。蓄冷冷房用送
風切替スイッチは、例えば、停止(OFF)モード、自
動(AUTO)モード、低速(Lo)モード、中速(M
e)モード、高速(Hi)モードを手動操作にて選択可
能なものである。また、蓄冷冷房用タイマースイッチは
蓄冷冷房の運転時間(すなわち、蓄冷用送風機10の運
転時間)を設定するものである。
【0036】次に、上記構成による本実施形態の作動に
ついて説明する。トラック走行中(エンジン作動中)に
空調制御パネル32の操作スイッチ群33における空調
スイッチが投入されると、電磁クラッチ21aに通電さ
れ、圧縮機21が電磁クラッチ21aを介して車両エン
ジンに連結されエンジンにより駆動され作動する。この
圧縮機21の作動により図3の空調用冷凍サイクルRに
冷媒が循環する。すなわち、電磁弁24は常開式である
ため、この電磁弁24を通って空調用冷媒回路26に冷
媒が循環し、空調用蒸発器4にて空調ユニツト3の空調
用送風機5の送風空気が冷却、除湿されトラック運転室
1の空調を行う。
【0037】このとき、蓄冷用冷媒回路27の定圧膨張
弁28は、その下流側圧力が所定圧(例えば、冷媒R1
34aの場合、1.0kg/cm、蒸発温度−10
℃)以下に低下しないので、閉弁した状態を維持する。
上記トラック走行中に、図示しない蓄冷スイッチを投入
すると、電磁弁制御回路が始動して、この制御回路から
電磁弁24が所定時間間隔にて通電信号が入力され、電
磁弁24が所定時間間隔ごとに短時間だけ閉弁する。す
ると、空調用冷媒回路26への冷媒が遮断されるので、
圧縮機21の冷媒吸入作用により蓄冷用冷媒回路27の
圧力が急激に低下して、前記所定圧力以下となり定圧膨
張弁28が開弁する。この定圧膨張弁28の開弁は断続
的に短時間だけ行われるので、空調用蒸発器4の冷却作
用の低下への影響は非常に小さい。
【0038】そして、定圧膨張弁28の断続的な開弁に
よる冷媒供給によって蓄冷用蒸発器15が蓄冷パック1
6の冷却作用を果たして、蓄冷パック16内の蓄冷材
(水など)を凍結させ蓄冷をしておく。なお、蓄冷パッ
ク16の蓄冷完了がセンサ群31のパック温度センサの
検知信号に基づいて判定されると、電磁弁24は開弁し
たままとなり、定圧膨張弁28が閉弁したままとなる。
なお、蓄冷スイッチがOFFのときは電磁弁24が開弁
したままとなり、定圧膨張弁28が閉弁したままとなる
ので、これらの場合は空調用冷凍サイクルRの空調用冷
媒回路26のみに冷媒が流れて通常の空調運転を行う。
【0039】一方、荷物の受渡し等のためにトラックの
エンジンを停止させて長時間停車させる場合に、運転室
1内を冷房する必要があるときは、空調制御パネル32
に設けられた蓄冷冷房用送風切替スイッチを投入する。
ここで、蓄冷冷房用送風切替スイッチを低速(Lo)モ
ード、中速(Me)モード、または高速(Hi)モード
のいずれかの位置に投入したときは、電気制御装置30
が蓄冷用送風機10を低速、中速、または高速のいずれ
かの速度で連続的に作動させる。
【0040】この蓄冷用送風機10の作動により運転席
近傍の室内空気が蓄冷式冷却ユニット8に設けた吸入口
12からケース11内に吸入され、この吸入空気は蓄冷
パック16と蓄冷用蒸発器15との間の空気流路17を
通過するときに蓄冷パック16と熱交換して冷却され冷
風となる。この冷風は、図5に示すように、ケース11
上部の第1吹出開口部18aから吹出ダクト19を通っ
て第1吹出口20aから運転者7頭部に向かって吹き出
すとともに、ケース11側面の第2吹出口20bからも
運転者7の下半身に向かって吹き出す。
【0041】ここで、運転者7に向けられた冷風は、運
転者7の身体にあたり跳ね返った風と、身体の周辺を通
過して運転席側のドアで跳ね返った風とが運転席の近傍
に設けた吸入口12から吸入され再循環される。これに
より、運転者7に吹き出した冷風を運転室1全体に拡散
することなく再吸入することができ、その結果、蓄冷式
冷却ユニット8の冷房負荷を軽減することができる。
【0042】なお、蓄冷パック16内の蓄冷材が完全に
融解して温度上昇するまでの間、車両エンジンを停止さ
せた状態で冷房を行うことができるものである。
【0043】以上の実施形態による車両用空調装置によ
れば、蓄冷式冷却ユニット8の限られた冷房能力であっ
ても、運転者7の身体の周囲のみに冷風を与え効果的に
局所冷房ができるので運転者7に対して良好な冷房感を
与えるとともに、蓄冷式冷却ユニット8の冷房負荷を軽
減でき蓄冷冷房の運転時間を効果的に延長できる。
【0044】また、蓄冷式冷却器9を、車両エンジンを
駆動源とする空調用冷凍サイクルRの冷媒の蒸発潜熱に
より蓄冷パック16に蓄冷するように構成したことによ
り、既存の車両用空調装置を利用した簡素な構成で車両
エンジン作動時に蓄冷パック16への蓄冷を行うことが
でき、しかも、既存の車両用空調装置とは別に吸収式冷
房装置一式を設置する従来技術に比較して大幅なコスト
低減および設置スペースの縮小を図ることができ、車両
用として極めて有利である。
【0045】さらに、運転席の近傍に蓄冷式冷却ユニッ
ト8を配置させ、吹出ダクト19で構成することによ
り、運転者7への吹き出し方向が容易に調整でき、操作
性が良好となる。また、吹出ダクト19が蓄冷式冷却ユ
ニット8に組付いているので車両別個所への取付けが不
要となる。
【0046】また、運転者7の頭部および下半身に向け
て吹き出した冷風を運転室1全体に拡散させることな
く、運転者7の近傍から吸込むことができこの冷風を再
循環することができる。これにより、蓄冷式冷却ユニツ
ト8の冷房熱負荷を低減でき、蓄冷式冷却ユニツト8の
限られた冷却能力でもって、長時間、運転室1への蓄冷
冷房を行うことができる。
【0047】(他の実施形態)以上の実施形態では、運
転者7の頭部に向けて吹き出す第1吹出口20aをジャ
バラ状の形態で自在に調整できるようにした吹出ダクト
19で構成したことにより、運転室1後方に設けられる
仮眠室にも吹き出し方向が向けられるので、トラックを
駐車させ仮眠室で運転者7等が仮眠されるときの蓄冷冷
房に適用できる。なお、蓄冷式冷却ユニツト8内の第2
吹出口20bの上流側に開閉ドア等の開閉手段を配設さ
せるように構成させて、第2吹出口20bを閉じること
により、第1吹出口20aからの吹出風量を増加させる
ことで仮眠室内の冷房能力の向上が図れる。
【0048】また、運転室1内の運転席と助手席との間
をカーテン、あるいは車両窓ガラスからの熱侵入を抑え
るカーテン等を設けるようにしても良い。これにより、
冷房負荷が低減され蓄冷冷房時間の延長が図れる。
【0049】なお、本発明は、上述した図示の実施形態
以外にも種々の態様で実施可能であり、例えば、トラッ
ク以外に、1ボックスカーのような車両において、車室
後部の空間を駐車時にエンジン停止して冷房するような
用途に本発明装置を用いても良い。
【0050】また、蓄冷用蒸発器15として、多穴偏平
チューブ15aを蛇行状に屈折させて構成するタイプの
他に、直線状の多穴偏平チューブ15aを多数並列配置
し、その並列配置した多穴偏平チューブ15aの両端に
冷媒の入口、出口タンク配設するタイプ(一般にマルチ
フロータイプと称されている。)のものを使用しても良
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による蓄冷式冷却ユニット
の設置形態を示すトラック運転室の概略説明図である。
【図2】本実施形態による蓄冷式冷却ユニットを示す斜
視図である。
【図3】本実施形態による電気制御部を含む冷凍サイク
ル図である。
【図4】本実施形態による蓄冷式蒸発器の概略正面図で
ある。
【図5】本実施形態による蓄冷式冷却ユニットの吸い込
み、吹き出し方向を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1…運転室 7…運転者 8…蓄冷式冷却ユニット 9…蓄冷式冷却器 10…蓄冷用送風機(送風機) 12…吸込口(吸込手段) 15…蓄冷用蒸発器(冷却手段) 16…蓄冷パック(蓄冷材) 17…空気流路 19…吹出ダクト 20a…第1吹出口(吹出手段) 20b…第2吹出口(吹出手段、吹出口) 21…圧縮機 R…空調用冷凍サイクル

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室(1)内に設置される蓄冷式冷却
    ユニット(8)を備え、 前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、前記運転室(1)
    内の空気を吸入して送風する送風機(10)と前記送風
    機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材(16)を有す
    る蓄冷式冷却器(9)とを設け、 前記蓄冷式冷却器(9)は、車両エンジンの作動時にこ
    の車両エンジンを駆動源とする冷却手段(15)により
    前記蓄冷材(16)に蓄冷するようになっており、さら
    に、前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、運転者(7)
    の頭部近傍に向けて冷風を吹き出し可能な吹出手段(2
    0a)および運転者(7)の下半身近傍に向けて冷風を
    吹き出し可能な吹出手段(20b)とを備えたことを特
    徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車両エンジンを駆動源として作動する圧
    縮機(21)を有する空調用冷凍サイクル(R)と、 運転室(1)内に設置される蓄冷式冷却ユニット(8)
    とを備え、 前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、前記運転室(1)
    内の空気を吸入して送風する送風機(10)と前記送風
    機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材(16)を有す
    る蓄冷式冷却器(9)とを設け、 前記蓄冷式冷却器(9)は、車両エンジンの作動時に前
    記空調用冷凍サイクル(R)の冷媒の蒸発潜熱により前
    記蓄冷材(16)に蓄冷するようになっており、さら
    に、前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、運転者(7)
    の頭部近傍に向けて冷風を吹き出し可能な吹出手段(2
    0a)および前記運転者(7)の下半身近傍に向けて冷
    風を吹き出し可能な吹出口(20b)とを備えたことを
    特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄冷式冷却器(9)は、前記蓄冷材
    を収納した蓄冷パック(16)と、前記空調用冷凍サイ
    クル(R)に接続され、前記蓄冷パック(16)を冷却
    する蓄冷用蒸発器(15)と、前記送風機(10)の送
    風空気を前記蓄冷パック(16)と接触するようにして
    通過させる空気流路(17)とを有することを特徴とす
    る請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄冷式冷却ユニット(8)は、運転
    室(1)のセンタコンソール部に配置され、前記吹出手
    段(20a)に吹出ダクト(19)で構成したことを特
    徴とする請求項1ないし3のいずれか一つに記載の車両
    用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記蓄冷式冷却ユニツト(8)は、運転
    席近傍部位から室内空気を吸い込む吸込手段(12)を
    有することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか一
    つに記載の車両用空調装置。
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Cited By (5)

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