JP2001287539A - 車両用蓄冷式冷房装置 - Google Patents

車両用蓄冷式冷房装置

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JP2001287539A
JP2001287539A JP2000106346A JP2000106346A JP2001287539A JP 2001287539 A JP2001287539 A JP 2001287539A JP 2000106346 A JP2000106346 A JP 2000106346A JP 2000106346 A JP2000106346 A JP 2000106346A JP 2001287539 A JP2001287539 A JP 2001287539A
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Yoshitaka Kume
▲祥▼隆 久米
Hirotsugu Takeuchi
裕嗣 武内
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Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両エンジンの停止時に運転室内の運転者に
対して良好な冷房感を与えることができるようにすると
ともに、蓄冷材で冷却した冷熱を利用して冷蔵機能をも
良好に発揮できる車両用蓄冷式冷房装置を実現する。 【解決手段】 車両の走行用エンジンの作動時、このエ
ンジンを駆動源とする蓄冷用蒸発器15によって蓄冷パ
ック16を冷却する蓄冷式冷却器9と、この蓄冷式冷却
器9が配設される蓄冷空間8aと被貯蔵物を収納する冷
蔵空間8bとを有する蓄冷式冷却ユニット8と、蓄冷空
間8a内に配設され、車室内の空気を吸入して蓄冷パッ
ク16で冷却された冷風を車室内に送風する送風機10
と、蓄冷式冷却器9の冷熱を冷蔵空間8bに伝熱し、冷
蔵空間8b内を冷却する伝熱板19とを備えることを特
徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蓄冷材の融解潜熱
を利用して室内を冷房するとともに、蓄冷材で冷却され
た冷熱を利用して冷蔵庫機能を発揮できる車両用蓄冷式
冷房装置に関するもので、特に、車両(例えば、トラッ
ク等)のエンジン停止時に運転者の周辺を冷房する冷房
装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の車両用蓄冷式冷房装置と
しては、例えば、特開平9−188129号公報に記載
の装置が知られている。この従来装置では、トラックの
運転室後方の仮眠室の壁に冷却ユニットと冷蔵庫とを配
設し、この冷却ユニットのケース下方部に吸込口を、ま
た、ケース上方部に吹出口をそれぞれ設け、さらにその
内部には蓄冷式冷却器と送風機が設けられている。一方
の冷蔵庫は、冷却ユニットの近傍に配置され、吸気側ダ
クトおよび排気側ダクトとで冷却ユニットに接続されて
いる。なお、冷蔵庫内には、冷蔵用送風機が設けられて
いる。
【0003】上記蓄冷式冷却器は、車両の空調用冷凍サ
イクルに設けられた冷媒用蒸発器と、この冷媒用蒸発器
にて蓄冷される蓄冷材とから構成され、トラックの走行
時に冷媒用蒸発器により蓄冷材を冷却してこの蓄冷材を
凍結しておき、そして、トラックの停車時に運転者が仮
眠室で仮眠するときに、送風機を作動させて、蓄冷材部
分の空気通路に送風して、この蓄冷材と送風空気との間
で熱交換を行い送風空気を冷却しその冷却空気を吹出口
から仮眠室内に吹き出すようにしている。
【0004】一方、冷蔵庫内への冷却は、冷蔵用送風機
を作動させ、冷却ユニット内の冷気を吸気側ダクトで取
り入れ、排気側ダクトで冷却ユニット内へ戻し循環させ
ることで被貯蔵物を冷蔵させている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、吸気側ダクトおよび排気側ダクトの配設
スペースが必要となり車室内の空間効率を悪化させてし
まう。また、これらのダクトからの熱損失による蓄冷持
続時間が低減されるという問題がある。
【0006】また、冷蔵庫のみを使用するときには、冷
蔵庫内を循環させる冷気を冷却ユニットの吸込口および
吹出口から車室内に漏れない構造とするために複雑な構
造が必要となる。さらに、冷却ユニットの冷気を循環さ
せることにより、車室内の臭いや埃などが冷蔵庫に侵入
するという問題もある。
【0007】また、近年、トラック等の車両を停止させ
て荷物の積み下ろし等の作業をする場合でも、車両エン
ジンを停止することが地球温暖化防止のために要望され
るようになってきている。しかし、車両エンジンを停止
すると、車両エンジンを駆動源とする空調用冷凍サイク
ルも必然的に停止するので空調装置の冷房機能を発揮で
きない。従って、夏季には運転室内の温度が上昇し運転
者に不快感を与えることになる。
【0008】そこで、本発明の目的は、上記点に鑑みて
なされたもので、車両エンジンの停止時に運転室内の運
転者に対して良好な冷房感を与えることができるように
するとともに、蓄冷材で冷却した冷熱を利用して冷蔵機
能をも良好に発揮できる車両用蓄冷式冷房装置を提供す
ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1〜4記載の技術的手段を採用する。
【0010】すなわち、請求項1の発明では、車両の走
行用エンジンの作動時、このエンジンを駆動源とする冷
却手段(15)によって冷却される蓄冷材(16)を有
する蓄冷式冷却器(9)と、この蓄冷式冷却器(9)が
配設される蓄冷空間(8a)と被貯蔵物を収納する冷蔵
空間(8b)とを有する蓄冷式冷却ユニット(8)と、
蓄冷空間(8a)内に配設され、車室内の空気を吸入し
て蓄冷材(16)で冷却された冷風を車室内に送風する
送風機(10)と、蓄冷式冷却器(9)の冷熱を冷蔵空
間(8b)に伝熱し、冷蔵空間(8b)内を冷却する熱
移動手段(19)とを備えることを特徴としている。
【0011】請求項1の発明によれば、車両の走行用エ
ンジンの作動時に蓄冷材(16)に蓄冷される冷熱を冷
蔵空間(8b)に伝熱させ、冷蔵空間(8b)内を冷却
させる伝熱手段(19)を備えることにより、冷気を循
環させる従来技術と比べて、吸気側ダクトおよび排気側
ダクトとが不要となり、その結果、配設スペースが不要
となるとともに、これらのダクトからの熱損失もなく、
蓄冷式冷却ユニット(8)を小型化できる。
【0012】また、冷蔵空間(8b)内に冷気を循環さ
せないので、蓄冷空間(8a)からの臭いや埃の侵入を
防止できる。
【0013】請求項2の発明では、熱移動手段(19)
は、良伝熱性材料で形成され一端を蓄冷用冷却器(9)
に接合させ他端を冷蔵空間(8b)に配設した伝熱板
(19)で構成したことを特徴としている。
【0014】請求項2の発明によれば、蓄冷用冷却器
(9)の冷熱を冷蔵空間(8b)内に熱移動させる具体
的構造として良伝熱性材料の伝熱板(19)を設けるこ
とにより、最も簡素な構造で低コストの冷蔵機能を発揮
できる。
【0015】請求項3の発明では、冷蔵空間(8b)内
には、冷蔵用送風手段(20)が内蔵されており、この
冷蔵用送風手段(20)により冷蔵空間(8b)内に冷
気を循環させることを特徴としている。
【0016】請求項3の発明によれば、冷蔵用送風機
(20)を設けることにより、冷蔵空間(8b)内をく
まなく冷却できるとともに、車両エンジン作動時の蓄冷
運転においても被貯蔵物の冷蔵が急速にできる。
【0017】請求項4の発明では、蓄冷式冷却ユニット
(8)は運転室内のセンタコンソール部(7)に配設さ
れ、送風機(10)によって吹き出される冷風により運
転室内の運転者の周辺を冷房することを特徴としてい
る。
【0018】請求項4の発明によれば、運転者の近傍に
設置され、運転者の周辺に向けて吹き出した冷風を運転
室全体に拡散させることなく、運転者の近傍から吸込む
ことができ、この冷風を再循環することができる。これ
により、蓄冷式冷却ユニツト(8)の冷房熱負荷を低減
でき、蓄冷式冷却ユニツト(8)の限られた冷却能力で
もって、運転者に向けて良好な冷房感を与えることがで
きるとともに、長時間運転室の蓄冷冷房を行うことがで
きる。
【0019】なお、上記各手段の括弧内符号は、後述す
る実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すもので
ある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。
【0021】(第1実施形態)図1〜4は本発明をトラ
ック用蓄冷式冷房装置に適用したもので、トラックの運
転室1の前方の計器盤2の内側部に、周知の空調ユニッ
ト3が設置されている。この空調ユニット3は、図2に
示すように、空調用冷凍サイクルRの空調用蒸発器4お
よび空調用送風機5を内蔵し、この空調用送風機5によ
り送風される空気を空調用蒸発器4で冷却し、その冷風
を計器盤2の上方部のフェイス吹出口6から運転者の上
半身に向かって吹き出すようになっている。
【0022】一方、運転室1の運転席と助手席との間の
センタコンソール部7に蓄冷式冷却ユニット8が配置さ
れている。この蓄冷式冷却ユニット8は、図2に示すよ
うに、空調用冷凍サイクルRにおいて空調用蒸発器4と
並列に設けられた蓄冷式冷却器9と蓄冷用送風機10と
を内蔵している。なお、図2では図示の簡略化のために
送風機5、10として軸流ファンを図示しているが、実
際は、周知の遠心多翼ファンにより構成されている。
【0023】そして、この蓄冷式冷却ユニット8は、図
3に示すように、略直方体形状に形成されたケース11
を有し、このケース11に形成された間仕切り壁11a
で、車両前方側に蓄冷式冷却器9と蓄冷用送風機10と
を内蔵する蓄冷空間8aと、被貯蔵物を収納する冷蔵空
間8bとに区画してある。そして、ケース11の車両前
方側に吸入開口部12を設け、運転室1内の足元近傍の
空気を吸入する吸入ダクト12aを接続されている。こ
の吸込開口部12の下流側に蓄冷式冷却器9が内蔵され
ており、吸入空気と蓄冷式冷却器9とが熱交換され吸入
空気が冷却される。
【0024】ここで、蓄冷式冷却器9の具体的構造は、
例えば、図4に示すようなものであり、蓄冷用蒸発器1
5と蓄冷パック16とを組み合せた構造となっている。
ここで、蓄冷用蒸発器15は本実施形態では、アルミニ
ューム製の多穴偏平チューブ15aを用いて構成されて
いる。この多穴偏平チューブ15aは蓄冷パック16の
幅寸法と同等の幅寸法を持った断面偏平状に形成され、
周知のごとく多数の冷媒通路用の穴が並列形成されてい
る。
【0025】そして、この多穴偏平チューブ15aは、
図4に示すように、端部に折り曲げ部を有し、蛇行する
ように形成されている。
【0026】そして、蓄冷用蒸発器15の多穴偏平チュ
ーブ15aの左右両側面に密着するように蓄冷パック1
6が配設されている。この蓄冷パック16は図4に示す
ように、上下方向に縦長の凹凸形状に形成されており、
樹脂で成形された薄肉のパック状(袋状)部材の内部に
水、あるいは軟ゲル状の蓄冷材を封入したものである。
【0027】また、蓄冷パック16の材質としては、送
風空気との熱交換性向上のため、薄肉化しやすい材質、
例えば、ナイロン、ポリエチレン等が好適である。な
お、蓄冷用蒸発器15は、その内部を循環する冷媒の蒸
発潜熱(冷媒蒸発温度は例えば、−20℃)により、蓄
冷パック16を冷却して蓄冷材への蓄冷を行うようにな
っている。
【0028】さらに、図4において、17は凹凸形状の
蓄冷パック16の凹部16aと蓄冷用蒸発器15の多穴
偏平チューブ15aとの間に形成された空気流路で、水
平方向に多数並列に形成されている。多穴偏平チューブ
15aの一端部には、冷媒入口ヘッダー15bが接続さ
れ、他端部には冷媒出口ヘッダー15cが接続されてい
る。
【0029】次に、図3のケース11内に吸入された空
気は、上記空気流路17を通過して冷却され、この冷風
はケース11内の蓄冷用送風機10を経由してケース1
1に設けた吹出開口部18に流出される。この吹出開口
部18は、ケース11の上面に設けた吹出口18aに連
通されている。この吹出口18aから運転者の上半身に
向けて冷風が吹き出される。
【0030】一方、冷蔵空間8b側には、良伝熱性材料
で形成された伝熱板19を設けている。この伝熱板19
は、一端側を上述した蓄冷用蒸発器15の多穴偏平チュ
ーブ15aに接合させ、間仕切り壁11aを貫通させ、
他端側を冷蔵空間8bに配設させており、上記蓄冷式冷
却器9の冷熱を冷蔵空間8b内に伝熱させるものであ
る。また、この伝熱板19に、被貯蔵物となる缶ジュー
スなどの受け部19aも一体で形成させている。
【0031】なお、冷蔵空間8b内には、冷蔵用送風機
20が設置されている。この冷蔵用送風機20は、伝熱
板19の蓄冷空間8aから伝熱された冷熱の放熱を促進
させて、冷蔵空間8b内および被貯蔵物とを急速に冷却
させるもので図示しないモータにより駆動され冷蔵スイ
ッチ(図示せず)を投入することによりに作動する。
【0032】また、冷蔵空間8b側のケース11には開
閉自在の扉11cを設け被貯蔵物の出し入れを行うもの
である。さらに、吹出口18aの近傍には操作パネル
(後述する)が設けられている。なお、ケース11は樹
脂製のものであり、その内面には断熱材(図示せず)を
配設して断熱性を高めるようにしてある。
【0033】次に、図2に基づいて、空調用冷凍サイク
ルRの構成を説明すると、21は圧縮機で、トラックの
走行用エンジン(図示せず)により電磁クラッチ21a
を介して駆動されるようになっている。22は圧縮機2
1から吐出された高温、高圧のガス冷媒を冷却し凝縮す
る凝縮器、23はこの凝縮器22で凝縮した液冷媒を溜
めて液冷媒のみを導出する受液器である。
【0034】24は前述した空調ユニット3に備えられ
た冷媒流れを断続する常開式の電磁弁、25は液冷媒を
減圧し膨張させる減圧手段として温度作動式膨張弁で、
25aはその感温筒で、空調用蒸発器4の出口冷媒温度
を感知する。空調ユニット3においては、空調用送風機
5の送風空気が空調用蒸発器4により冷却されて冷風と
なり、図示しないヒータユニット、吹出口切替機構を経
て、図1のフェイス吹出口6から運転室(車室内)1内
の上方部に吹き出すようになっている。
【0035】26は上記運転室1空調用の機器(25、
4)を有する空調用冷媒回路で、前記電磁弁24はこの
空調用冷媒回路26への冷媒流れを断続する。27はこ
の空調用冷媒回路26と並列に設けられた蓄冷用冷媒回
路であり、28はこの蓄冷用冷媒回路27に流入する液
冷媒を減圧し膨張させる減圧手段としての定圧膨張弁
で、その下流側が所定圧力以下に低下すると開弁するも
のである。この定圧膨張弁28の下流側に蓄冷用冷却器
9の蓄冷用蒸発器15が接続されている。29は逆止弁
で空調用蒸発器4側から蓄冷用蒸発器15へ高温冷媒が
逆流するのを防止して、蓄冷用蒸発器15の上流側から
下流側への一方向のみに冷媒を流すものである。
【0036】次に、電気制御部について述べると、30
は空調用電気制御装置(制御手段)で、予め設定された
プログラムに従って所定の演算処理を行って送風機5、
10、電磁クラッチ21a、電磁弁24等の電気機器の
作動を制御するものである。空調用電気制御装置30に
は、センサ群31および運転室1内に設けられる空調制
御パネル32aと蓄冷制御パネル32bとの操作スイッ
チ群33とから入力信号が加えられる。
【0037】センサ群31としては、周知の内気温セン
サ、外気温センサ、日射センサ等が設けられ、また、蓄
冷パック16の温度を検出するパック温度センサが設け
られる。このパック温度センサはサーミスタのような感
温素子からなるもので、蓄冷用蒸発器15の多穴偏平チ
ューブ15aの間に配設される蓄冷パック16のうち、
冷媒流れの最下流側に位置する蓄冷パック16の表面に
配設され、複数の蓄冷パック16の蓄冷完了を検知す
る。
【0038】また、空調制御パネル32aの操作スイッ
チ群33としては、周知のごとく空調ユニット3用の設
定温度スイッチ、送風切替スイッチ、吹出モード切替ス
イッチ、内外気切替スイッチ、空調(エアコン)スイッ
チ等が設けられている。さらに、蓄冷制御パネル32b
の操作スイッチ群33としては、蓄冷式冷却ユニット8
用の蓄冷スイッチ、蓄冷冷房用温度スイッチ、蓄冷冷房
用送風切替スイッチ、蓄冷冷房用タイマスイッチ、冷蔵
スイッチ等が設けられる。ここで蓄冷スイッチは蓄冷用
蒸発器15に冷媒を流して蓄冷パック16を冷却する蓄
冷モードを設定するためのものである。
【0039】また、蓄冷冷房用温度スイッチは蓄冷冷房
時における運転室1内の室温(冷房温度)を運転者の好
みに応じて設定するためのものである。蓄冷冷房用送風
切替スイッチは、例えば、停止(OFF)モード、自動
(AUTO)モード、低速(Lo)モード、中速(M
e)モード、高速(Hi)モードを手動操作にて選択可
能なものである。また、蓄冷冷房用タイマースイッチは
蓄冷冷房の運転時間(すなわち、蓄冷用送風機10の運
転時間)を設定するものである。
【0040】次に、上記構成による本実施形態の作動に
ついて説明する。トラック走行中(エンジン作動中)に
空調制御パネル32aの操作スイッチ群33における空
調(エアコン)スイッチが投入されると、電磁クラッチ
21aに通電され、圧縮機21が電磁クラッチ21aを
介して車両エンジンに連結されエンジンにより駆動され
作動する。この圧縮機21の作動により図2の空調用冷
凍サイクルRに冷媒が循環する。すなわち、電磁弁24
は常開式であるため、この電磁弁24を通って空調用冷
媒回路26に冷媒が循環し、空調用蒸発器4にて空調ユ
ニツト3の空調用送風機5の送風空気が冷却、除湿され
トラック運転室1の空調を行う。
【0041】このとき、蓄冷用冷媒回路27の定圧膨張
弁28は、その下流側圧力が所定圧(例えば、冷媒R1
34aの場合、1.0kg/cm2、蒸発温度−10
℃)以下に低下しないので、閉弁した状態を維持する。
上記トラック走行中に、図示しない蓄冷スイッチを投入
すると、電磁弁制御回路が始動して、この制御回路から
電磁弁24が所定時間間隔にて通電信号が入力され、電
磁弁24が所定時間間隔ごとに短時間だけ閉弁する。す
ると、空調用冷媒回路26への冷媒が遮断されるので、
圧縮機21の冷媒吸入作用により蓄冷用冷媒回路27の
圧力が急激に低下して、前記所定圧力以下となり定圧膨
張弁28が開弁する。この定圧膨張弁28の開弁は断続
的に短時間だけ行われるので、空調用蒸発器4の冷却作
用の低下への影響は非常に小さい。
【0042】そして、定圧膨張弁28の断続的な開弁に
よる冷媒供給によって蓄冷用蒸発器15が蓄冷パック1
6の冷却作用を果たして、蓄冷パック16内の蓄冷材
(水など)を凍結させ蓄冷をしておく。なお、蓄冷パッ
ク16の蓄冷完了がセンサ群31のパック温度センサの
検知信号に基づいて判定されると、電磁弁24は開弁し
たままとなり、定圧膨張弁28が閉弁したままとなる。
なお、蓄冷スイッチがOFFのときは電磁弁24が開弁
したままとなり、定圧膨張弁28が閉弁したままとなる
ので、これらの場合は空調用冷凍サイクルRの空調用冷
媒回路26のみに冷媒が流れて通常の空調運転を行う。
【0043】一方、荷物の受渡し等のためにトラックの
エンジンを長時間停止させて停車させる場合に、運転室
1内を冷房する必要があるときは、空調制御パネル32
aに設けられた蓄冷冷房用送風切替スイッチを投入す
る。ここで、蓄冷冷房用送風切替スイッチを低速(L
o)モード、中速(Me)モード、または高速(Hi)
モードのいずれかの位置に投入したときは、電気制御装
置30が蓄冷用送風機10を低速、中速、または高速の
いずれかの速度で連続的に作動させる。
【0044】この蓄冷用送風機10の作動により運転席
近傍の室内空気が蓄冷式冷却ユニット8に設けた吸入ダ
クト12aからケース11内に吸入され、この吸入空気
は蓄冷パック16と蓄冷用蒸発器15との間の空気流路
17を通過するときに蓄冷パック16と熱交換して冷却
され冷風となる。この冷風は、吹出口18aから運転者
の上半身に向かって吹き出され運転者の周辺の冷房を行
うものである。
【0045】ここで、運転者に向けられた冷風は、運転
者の体にあたり跳ね返った風と、体の周辺を通過して運
転席側のドアで跳ね返った風とが運転席の近傍に設けた
吸入ダクト12aから吸入され再循環される。これによ
り、運転者に吹き出した冷風を運転室1全体に拡散する
ことなく再吸入することができ、その結果、蓄冷式冷却
ユニット8の冷房負荷を軽減することができる。
【0046】なお、蓄冷パック16内の蓄冷材が完全に
融解して温度上昇するまでの間、車両エンジンを停止さ
せた状態で冷房を行うことができる。
【0047】ところで、冷蔵空間8bを使用するとき
は、トラック走行時に、蓄冷スイッチが投入され、蓄冷
パック16への蓄冷を行っているときに、蓄冷用冷却器
9の冷熱が蓄冷用蒸発器15から伝熱板19を介して冷
蔵空間8b内に伝熱される。これにより、冷蔵空間8b
内の缶ジュース等の被貯蔵物を良好に冷却できる。ここ
で、冷蔵スイッチ(図示せず)を投入すると冷蔵用送風
機20が作動して冷蔵空間8b内の冷気を循環させるの
で被貯蔵物を急速に冷蔵することができる。
【0048】なお、エンジンを停止させたときには、蓄
冷パック16内の蓄冷材が完全に融解して温度上昇する
まで冷蔵空間8b内を冷蔵可能である。
【0049】以上の実施形態による車両用蓄冷式冷房装
置によれば、車両エンジンの作動時に蓄冷式冷却器9の
蓄冷パック16を蓄冷させておいて、車両の停車時に、
車両エンジンの作動を必要とせずに、蓄冷式冷却ユニッ
ト8で冷却された冷風を吹き出すことにより、蓄冷式冷
却ユニット8の限られた冷房能力であっても、運転者に
向けて冷風を与え効果的な局所冷房ができるので運転者
に対して良好な冷房感を与えることができるとともに、
蓄冷式冷却器9の冷熱を伝熱板19で冷蔵空間8bを冷
却させることで冷蔵機能も発揮できる。
【0050】また、蓄冷式冷却ユニット8を運転室1内
のセンタコンソール部7に配設することにより、運転者
の周辺に向けて吹き出した冷風を運転室1全体に拡散さ
せることなく、運転者の近傍から吸込むことができ、こ
の冷風を再循環することができる。その結果、蓄冷式冷
却ユニツト8の冷房熱負荷を低減でき、蓄冷式冷却ユニ
ツト8の限られた冷却能力でもって、長時間運転室1の
蓄冷冷房を行うことができる。
【0051】そして、冷蔵空間8b内の冷却を、良伝熱
性材料の伝熱板19による熱移動手段で構成したことに
より、従来の冷気を循環させる技術と比べて、吸気側ダ
クトおよび排気側ダクトとが不要となり、その結果、配
設スペースも不要となるとともに、これらのダクトの熱
損失もなく、蓄冷式冷却ユニット8を小型化できる。
【0052】また、冷蔵空間8bに冷気を導入させない
ので、蓄冷空間8aからの臭いや埃の侵入を防止でき
る。
【0053】また、冷蔵用送風機20を設けることによ
り、冷蔵空間8b内をくまなく冷却できるとともに、車
両エンジン作動時の蓄冷運転においても被貯蔵物の冷蔵
が急速にできる。
【0054】さらに、蓄冷式冷却器9を、車両エンジン
を駆動源とする空調用冷凍サイクルRの冷媒の蒸発潜熱
により蓄冷パック16に蓄冷するように構成したことに
より、既存の車両用空調装置を利用した簡素な構成で車
両エンジン作動時に蓄冷パック16への蓄冷を行うこと
ができ、しかも、既存の車両用空調装置とは別に吸収式
冷房装置一式を設置する従来技術に比較して大幅なコス
ト低減および設置スペースの縮小を図ることができ、車
両用として極めて有利である。
【0055】(第2実施形態)以上の実施形態では、蓄
冷式冷却器9の冷熱の熱移動手段として伝熱板19で構
成して説明したが、これに限らず、図5に示すように、
冷却水(例えば、ブライン水)を内蔵させたフィンアン
ドチューブ等の(例えば、アルミニュウム製)熱交換器
34を一体で形成させて、片方を蓄冷用蒸発器15の多
穴偏平チューブ15aに接合させ、別の片方を冷蔵空間
8bに図5のように配設させて、循環ポンプ35で冷却
水を循環させ、送風機20で冷蔵空間8b内を冷却させ
ることも良い。
【0056】また、熱移動手段の構成として冷却水と循
環ポンプ35を使用せずに熱交換器34のチューブ内に
冷媒ガスを充填させたヒートパイプで構成させることも
良い。以上の第2実施形態によれば、熱移動手段となる
伝熱板19よりも伝熱損失量の低減が図れる効果があ
る。
【0057】(他の実施形態)なお、本発明は、上述し
た図示の実施形態以外にも種々の態様で実施可能であ
り、例えば、トラック以外に、ワンボックスカーのよう
な車両において、車室後部の空間を駐車時にエンジンを
停止して冷房するような用途に本発明装置を用いて良
い。
【0058】また、蓄冷式蒸発器15として、多穴偏平
チューブ15aを蛇行状に屈曲させて構成するタイプの
他に、直線状の多穴偏平チューブ15aを多数並列配置
し、その並列配置した多穴偏平チューブ15aの両端に
冷媒の入口、出口タンクを配設するタイプ(一般にマル
チフロータイプと称されている)ものを使用しても良
い。
【0059】また、冷蔵空間8b内に温度センサーを設
置して、空間内温度が所定値、例えば0℃まで低下した
ら、蓄冷スイッチを自動的に停止するよう、蓄冷モード
の自動断続機能を付加して、缶ジュース類の凍結防止を
図るようにしても良い。
【0060】また、第1実施形態では、伝熱板19を缶
ジュース類の受け皿を一体に形成させたが受け皿部は別
体に構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における蓄冷式冷却ユニ
ットの設置形態を示すトラック運転室の概略説明図であ
る。
【図2】第1実施形態における電気制御部を含む冷凍サ
イクル図である。
【図3】(a)は第1実施形態における蓄冷式冷却ユニ
ットの全体構成を示す横断面図、(b)は(a)の縦断
面図である。
【図4】本実施形態による蓄冷式蒸発器の概略正面図で
ある。
【図5】(a)は第2実施形態における蓄冷式冷却ユニ
ットの全体構成を示す横断面図、(b)は(a)の縦断
面図である。
【符号の説明】
7…センタコンソール部 8…蓄冷式冷却ユニット 8a…蓄冷空間 8b…冷蔵空間 9…蓄冷式冷却器 10…蓄冷用送風機(送風機) 15…蓄冷用蒸発器(冷却手段) 16…蓄冷パック(蓄冷材) 19…伝熱板(熱移動手段) 20…冷蔵用送風機(冷蔵用送風手段)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の走行用エンジンの作動時、前記エ
    ンジンを駆動源とする冷却手段(15)によって冷却さ
    れる蓄冷材(16)を有する蓄冷式冷却器(9)と、 前記蓄冷式冷却器(9)が配設される蓄冷空間(8a)
    と被貯蔵物を収納する冷蔵空間(8b)とを有する蓄冷
    式冷却ユニット(8)と、 前記蓄冷空間(8a)内に配設され、車室内の空気を吸
    入して前記蓄冷材(16)で冷却された冷風を車室内に
    送風する送風機(10)と、 前記蓄冷式冷却器(9)の冷熱を前記冷蔵空間(8b)
    に伝熱し、前記冷蔵空間(8b)内を冷却する熱移動手
    段(19)とを備えることを特徴とする車両用蓄冷式冷
    房装置。
  2. 【請求項2】 前記熱移動手段(19)は、良伝熱性材
    料で形成され一端を前記蓄冷用冷却器(9)に接合させ
    他端を前記冷蔵空間(8b)内に配設した伝熱板(1
    9)で構成したことを特徴とする請求項1に記載の車両
    用蓄冷式冷房装置。
  3. 【請求項3】 前記冷蔵空間(8b)内には、冷蔵用送
    風手段(20)が内蔵されており、この冷蔵用送風手段
    (20)により前記冷蔵空間(8b)内に冷気を循環さ
    せることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の
    車両用蓄冷式冷房装置。
  4. 【請求項4】 前記蓄冷式冷却ユニット(8)は、運転
    室内のセンタコンソール部(7)に配設され、前記送風
    機(10)によって吹き出される冷風により運転室内の
    運転者の周辺を冷房することを特徴とする請求項1ない
    し請求項3のいずれか一つに記載の車両用蓄冷式冷房装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007083876A (ja) * 2005-09-22 2007-04-05 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 蓄冷装置付き空調装置
JP2019184127A (ja) * 2018-04-06 2019-10-24 株式会社デンソー エジェクタ式冷凍サイクル

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