JP2000071754A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JP2000071754A
JP2000071754A JP10243708A JP24370898A JP2000071754A JP 2000071754 A JP2000071754 A JP 2000071754A JP 10243708 A JP10243708 A JP 10243708A JP 24370898 A JP24370898 A JP 24370898A JP 2000071754 A JP2000071754 A JP 2000071754A
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air
cab
vehicle
cooling unit
driver
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JP10243708A
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English (en)
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Hirotsugu Takeuchi
裕嗣 武内
Shigenori Hirao
繁典 平尾
Yoshitaka Kume
祥隆 久米
Hiroshi Yuzuhara
博 柚原
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 停車時に運転室1内の運転者に対して良好な
冷房感を与えることができ、また、既存の車両用空調装
置を利用した簡潔な構成で、停車時の冷房機能を発揮で
きるようにする。 【解決手段】 運転室1内の蓄冷式冷却ユニット8に、
室内空気を吸入して送風する送風機10と、この送風機
10の送風空気を冷却する蓄冷パック16を有する蓄冷
式冷却器9とを設け、この蓄冷式冷却器9は、車両エン
ジン作動時に空調用冷凍サイクルに設けた蓄冷用蒸発器
15により蓄冷パックに蓄冷する。運転室1の運転席1
4上方の天井部に、蓄冷式冷却ユニット8で冷却された
冷風を運転者7の頭部に向かって吹き出す天井吹出口2
0を配置する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は車両(例えばトラッ
ク)の運転室内を停車時に車両エンジン(すなわち、冷
凍サイクルの圧縮機)の運転なしで冷房することが可能
な蓄冷式車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】荷物の受渡し等のためにトラック等の車
両を長時間停車する場合に、車両エンジンを停止するこ
とが地球温暖化防止のために近年特に要望されるように
なってきている。しかし、車両エンジンを停止すると、
車両エンジンを駆動源とする空調用冷凍サイクルも必然
的に停止するので、空調装置の冷房機能を発揮できな
い。従って、夏期には運転室内の温度が上昇し、運転者
に不快感を与えることになる。
【0003】そこで、従来、特開平9−277819号
公報等において、アンモニアを冷媒とする吸収式冷凍サ
イクルを、車両に入射される太陽熱を熱源として作動さ
せることにより、停車時に車両エンジンを停止したまま
で冷房機能を発揮できるようにしたものが提案されてい
る。また、特開昭62−149509号公報では、停車
時に車両の仮眠室を冷房する冷房装置が提案されてい
る。この従来装置では、トラックの運転室の後方に、カ
ーテンのごとき仕切り部材で仕切られた仮眠室を形成
し、この仮眠室内に冷却ユニットを配設している。この
冷却ユニットはその下方部に吸入口を、また上方部に吹
出口を有し、さらにその内部には蓄冷式冷却器と送風機
を設けている。
【0004】上記蓄冷式冷却器は、車両の空調用冷凍サ
イクルに設けられた冷媒蒸発器と、この蒸発器にて蓄冷
される蓄冷材とから構成され、トラックの走行時に冷媒
蒸発器により蓄冷材を冷却して蓄冷材を凍結しておき、
そしてトラックの停車時に運転者が仮眠室で仮眠すると
きには、冷却ユニットの送風機を作動させて、蓄冷材部
分の通風路に送風して、この蓄冷材と送風空気との間で
熱交換を行って、送風空気を冷却し、その冷風を冷却ユ
ニットの吹出口から仮眠室内に吹き出すようにしてい
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前者(特開
平9−277819号公報)の従来技術では、太陽熱を
熱源とする吸収式冷凍サイクルであるため、太陽熱の入
射量の変動に伴って冷房能力が大きく変動するという問
題がある。これに加え、既存の車両用空調装置とは全く
別に、吸収式冷凍サイクルからなる冷房装置一式を新た
に設置する必要があるので、コストアップを招く。しか
も、車両においては、搭載スペースの制限が厳しいの
で、既存の車両用空調装置とは別に吸収式冷房装置一式
を設置するためのスペース確保は実用上極めて困難であ
る。
【0006】また、後者(特開昭62−149509号
公報)の従来技術は、トラックの運転室の後方に形成さ
れる仮眠室を冷房するためのものであり、冷却ユニット
の吹出口から冷風を仮眠室内に吹き出しているので、停
車時に運転室内の運転者周囲に冷風を充分行き渡らせる
ことはできない。その結果、運転室内の運転者に対して
は冷房不足が発生する。
【0007】本発明は上記点に鑑みてなされたもので、
停車時に運転室内の運転者に対して良好な冷房感を与え
ることができるようにすることを目的とする。また、本
発明は既存の車両用空調装置を利用した簡潔な構成で、
しかも、車両エンジンの作動を必要とせずに、停車時の
冷房機能を発揮できるようにすることを他の目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1ないし6記載の発明では、運転室(1)内
に設置される蓄冷式冷却ユニット(8)に、運転室
(1)内の空気を吸入して送風する送風機(10)と、
この送風機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材(1
6)を有する蓄冷式冷却器(9)とを設け、この蓄冷式
冷却器(9)は、車両エンジンの作動時に車両エンジン
を駆動源とする冷却手段(15)により蓄冷材(16)
に蓄冷するようになっており、さらに、運転室(1)の
運転席(14)上方の天井部に、蓄冷式冷却ユニット
(8)で冷却された冷風を運転者(7)の頭部に向かっ
て吹き出す天井吹出口(20)を配置したことを特徴と
している。
【0009】これによると、停車時に車両エンジンの作
動を必要とせずに、蓄冷式冷却ユニット(8)で冷却さ
れた冷風を天井吹出口(20)から運転者(7)の頭部
に向かって吹き出すことにより停車時の冷房機能を発揮
できる。しかも、天井吹出口(20)から冷風を運転者
(7)の頭部に向かって吹き出すことにより、蓄冷式冷
却ユニット(8)による限られた冷却能力であっても、
良好な冷房感を運転者(7)に与えることができる。
【0010】特に、請求項2ないし4記載の発明では、
蓄冷式冷却ユニット(8)に、運転室(1)内の空気を
吸入して送風する送風機(10)と、この送風機(1
0)の送風空気を冷却する蓄冷材(16)を有する蓄冷
式冷却器(9)とを設け、この蓄冷式冷却器(9)は、
車両エンジンを駆動源とする空調用冷凍サイクル(R)
の冷媒の蒸発潜熱により蓄冷材(16)に蓄冷するよう
になっているから、既存の車両用空調装置を利用した簡
潔な構成で、車両エンジン作動時に蓄冷材(16)への
蓄冷を行うことができる。
【0011】従って、既存の車両用空調装置とは別に吸
収式冷房装置一式を設置する従来技術に比して大幅なコ
スト低減、および設置スペースの縮小を図ることがで
き、車両用として極めて有利である。蓄冷式冷却器
(9)は、具体的には、請求項3のように蓄冷材を収納
した蓄冷材パック(16)と、空調用冷凍サイクル
(R)に接続され、蓄冷材パック(16)を冷却する蓄
冷用蒸発器(15)と、送風機(10)の送風空気を蓄
冷材パック(16)と接触するようにして通過させる通
風路(17)とを用いて構成することができる。
【0012】また、請求項4記載の発明では、車両エン
ジンを駆動源として空調用冷凍サイクル(R)が作動し
ているときに、運転室(1)の室温が所定の設定温度
(Tset2 )まで低下すると、圧縮機(21)を停止
するとともに、蓄冷式冷却ユニット(8)の送風機(1
0)を作動させる制御装置(30)を有することを特徴
としている。
【0013】これによると、空調用冷凍サイクル(R)
の作動時にも、蓄冷式冷却ユニット(8)で冷却された
冷風を運転室(1)内に吹き出して冷房機能を発揮する
ことができる。そのため、空調用冷凍サイクル(R)の
圧縮機(21)の稼働率を低下させて、車両エンジンの
省動力を図ることができる。また、天井吹出口(20)
を、請求項5に記載のように運転者(7)の体を包み込
むように冷風を吹き出す形状にすれば、運転者(7)に
対する冷房感を一層向上できる。
【0014】また、蓄冷式冷却ユニット(8)に、請求
項6に記載のように運転室(1)の運転席(14)近傍
部位から室内空気を吸い込む吸込ダクト(13)を設け
れば、天井吹出口(20)から運転者(7)の頭部に向
かって吹き出した冷風を運転室(1)全体に拡散させる
ことなく、運転者(7)の足元部で直ちに吸込ダクト
(13)に吸い込むことができ、この冷風を蓄冷式冷却
ユニット(8)に再循環することができる。
【0015】従って、蓄冷式冷却ユニット(8)の冷房
熱負荷を低減でき、蓄冷式冷却ユニット(8)の限られ
た冷却能力でもって長時間運転室(1)の蓄冷冷房を行
うことができる。なお、上記各手段の括弧内の符号は、
後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示す
ものである。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図に示す実施形態
について説明する。 (第1実施形態)図1は本発明をトラック用空調装置に
適用した第1実施形態を示すもので、トラックの運転室
1の前方の計器盤2の内側部に、周知の空調ユニット3
が設置されている。
【0017】この空調ユニット3は、図2に示すように
空調用冷凍サイクルRの空調用蒸発器4および空調用送
風機5を内蔵し、空調用送風機5により送風される空気
を空調用蒸発器4で冷却し、その冷風を計器盤2の上方
部のフェイス吹出口6から運転者7の上半身に向かって
吹き出すようになっている。一方、運転室1の後方に蓄
冷式冷却ユニット8が配設されている。この蓄冷式冷却
ユニット8は図2に示すように冷凍サイクルRにおいて
空調用蒸発器4と並列に設けられた蓄冷式冷却器9と蓄
冷側送風機10を内蔵している。なお、図2では図示の
簡略化のために送風機5、10として軸流ファンを図示
しているが、実際は周知の遠心多翼ファンにより送風機
5、10が構成されている。
【0018】また、図1では蓄冷式冷却ユニット8を運
転室1の後方壁部に配置しているが、蓄冷式冷却ユニッ
ト8を運転室1の後方の側面壁部に配置することができ
る。さらに、運転室1の後方に仮眠室(ベッド室)が形
成される場合には、この仮眠室に蓄冷式冷却ユニット8
を配置してもよい。この蓄冷式冷却ユニット8は、縦長
で、かつ薄型の直方体形状に形成されたケース11を有
し、このケース11の下方部に空気を吸入する吸入口1
2が設けられている。この吸入口12には吸込ダクト1
3が接続され、この吸込ダクト13の先端の吸込口13
aは運転席14の左右の側方位置または運転席14の下
方位置に開口している。これにより、運転席14の下方
部位から室内空気が吸込口13aより吸込ダクト13、
吸入口12を通してケース11内に吸入され、この吸入
空気が蓄冷式冷却器9と熱交換して冷却される。
【0019】ここで、蓄冷式冷却器9の具体的構造は例
えば図3に示すようなものであり、冷媒蒸発器15と蓄
冷パック16とを組み合わせた構造になっている。ここ
で、蒸発器15は本例ではアルミニュウム製の多穴偏平
チューブ15aを用いて構成されている。この多穴偏平
チューブ15aは蓄冷パック16の幅寸法(図3の紙面
垂直方向の寸法)と同等の幅寸法を持った断面偏平状に
形成され、周知のごとく多数の冷媒通路用の穴が並列形
成されている。
【0020】そして、この偏平チューブ15aは図3の
上下端部に折り曲げ部を有し、上下(天地)方向に蛇行
するように形成されている。この蛇行状の偏平チューブ
15aの左右両側面に密着するように蓄冷パック16が
配設されている。この蓄冷パック16は図3に示すよう
に天地方向に縦長の凹凸形状に形成されており、樹脂で
成形された薄肉のパック状(袋状)部材の内部に水、あ
るいは軟ゲル状の蓄冷材を封入したものである。
【0021】また、パック16の材質としては、薄肉化
しやすいナイロン、ポリエチレン等の材質が偏平チュー
ブ15aまたは送風空気との熱交換性向上のために好適
である。蓄冷用蒸発器15はその内部を循環する冷媒の
蒸発潜熱(冷媒蒸発温度:例えば−20°C)により蓄
冷パック16を冷却して蓄冷材への蓄冷を行うようにな
っている。
【0022】図3において、17は凹凸形状の蓄冷パッ
ク16と冷媒蒸発器15の偏平チューブ15aとの間に
形成された通風路である。偏平チューブ15aの一端部
には冷媒入口ヘッダー15bが接続され、他端部には冷
媒出口ヘッダー15cが接続されている。図1のケース
11内の下部に吸入された空気は、上記通風路17を通
過して冷却され、この冷風はケース11上部の出口開口
部18から流出して吹出ダクト19に入る。
【0023】この吹出ダクト19はケース11上部の出
口開口部18と天井吹出口20との間を接続するもので
ある。天井吹出口20は運転室1のうち、運転席14の
上方の天井に配置され、運転者7の上方から運転者頭部
に向かって冷風を吹き出すようになっている。天井吹出
口20の具体的構造は、例えば図4に示すようなもので
あり、円形のハウジング20aを有し、このハウジング
20aの中心部に円形のガイド板20bを配置してい
る。
【0024】このガイド板20bはハウジング20aの
上壁部に複数の支持ステー20cにより支持されてい
る。また、ハウジング20aの上壁部の中心部に、吹出
ダクト19からの冷風をハウジング20a内の空間に流
出させる円形開口部20dが設けてある。そして、ハウ
ジング20a内の冷風は、ハウジング20aの円周壁部
と円形のガイド板20bとの間に形成されるリング状吹
出開口20eから下方へ吹き出す。
【0025】次に、図2に基づいて冷凍サイクルRの構
成を説明すると、21は圧縮機で、トラックの走行用エ
ンジン(図示せず)により電磁クラッチ21aを介して
駆動されるようになっている。22は圧縮機21から吐
出された高温、高圧のガス冷媒を冷却し凝縮する凝縮
器、23はこの凝縮器22で凝縮した液冷媒を溜めて液
冷媒のみを導出する受液器である。
【0026】24は前述した空調ユニット3に備えられ
た電磁弁で、運転室空調用の冷媒蒸発器4への冷媒流れ
を断続する。25は液冷媒を減圧し膨張させる減圧手段
としての温度作動式膨張弁で、25aはその感温筒で、
冷媒蒸発器4の出口冷媒温度を感知する。空調ユニット
3においては送風機5の送風空気が蒸発器4により冷却
されて冷風となり、図示しないヒータユニット、吹出口
切替機構を経て、図1のフェイス吹出口6から運転室
(車室)1内の上方部へ吹き出す。26は上記運転室空
調用の機器(25、4)を有する空調用冷媒回路で、前
記電磁弁24はこの空調用冷媒回路26を開閉する。
【0027】27はこの空調用冷媒回路26と並列に設
けられた蓄冷用冷媒回路、28はこの蓄冷用冷媒回路2
7に流入する液冷媒を減圧し膨張させる減圧手段として
の定圧膨張弁で、その下流側圧力が所定圧力以下に低下
すると開弁するものである。この定圧膨張弁28の下流
側に前記蓄冷用冷却器9の冷媒蒸発器15が接続されて
いる。29は逆止弁で、空調用蒸発器4側から蓄冷用蒸
発器15へ高温冷媒が逆流するのを防止して、蓄冷用蒸
発器15の上流側から下流側への一方向のみに冷媒を流
すものである。
【0028】次に、電気制御部について述べると、30
は空調用電気制御装置(制御手段)で、予め設定された
プログラムに従って所定の演算処理を行って送風機5、
10、電磁クラッチ21a、電磁弁24等の電気機器の
作動を制御するものである。制御装置30にはセンサ群
31および運転室1内に設けられる空調制御パネル32
の操作スイッチ群33から入力信号が加えられる。
【0029】センサ群31としては周知の内気温セン
サ、外気温センサ、日射センサ等が設けられ、また、蓄
冷パック16の温度を検出するパック温度センサが設け
られる。このパック温度サンサはサーミスタのような感
温素子からなるもので、蓄冷用蒸発器15の偏平チュー
ブ15aの間に配設される蓄冷パック16のうち、冷媒
流れの最下流側に位置するパック16の表面に配設さ
れ、複数の蓄冷パック16の蓄冷完了を検知する。
【0030】また、空調制御パネル32の操作スイッチ
群33としては周知のごとく空調ユニット3用の設定温
度スイッチ、送風スイッチ、吹出モードスイッチ、内外
気スイッチ、圧縮機作動スイッチ(空調スイッチ)等が
設けられ、さらに、蓄冷式冷却ユニット8用の蓄冷スイ
ッチ、蓄冷冷房用温度スイッチ、蓄冷冷房用送風スイッ
チ、蓄冷冷房用タイマースイッチ等が設けられる。ここ
で、蓄冷スイッチは蓄冷用蒸発器15に冷媒を流して蓄
冷パック16を冷却する蓄冷モードを設定するためのも
のである。
【0031】また、蓄冷冷房用温度スイッチは蓄冷冷房
時における運転室1内の室温(冷房温度)を運転者7の
好みに応じて設定するためのものである。蓄冷冷房用送
風スイッチは、例えば、停止(OFF)モード、自動
(AUTO)モード、低速(Lo)モード、中速(M
e)モード、高速(Hi)モードを手動操作にて選択可
能なものである。また、タイマースイッチは蓄冷冷房の
運転時間(すなわち、送風機10の運転時間)を設定す
るものである。
【0032】次に、上記構成において本実施形態の作動
を説明する。空調制御パネル32の操作スイッチ群33
における圧縮機作動スイッチ(空調スイッチ)が投入さ
れ、空調用冷凍サイクルRの圧縮機21が車両エンジン
により駆動されると、冷凍サイクルRに冷媒が循環す
る。この状態において、操作スイッチ群33の蓄冷スイ
ッチが投入されると、このスイッチ投入信号を受けて電
気制御装置30が所定の時間間隔にて電磁弁24を自動
的に断続制御する。
【0033】これにより、蓄冷式冷却ユニット8内の蓄
冷用蒸発器15にも冷媒が断続的に循環し、蒸発器15
にて冷媒の蒸発潜熱を蓄冷パック16から吸熱して、蓄
冷パック16を冷却するので、蓄冷パック16内の蓄冷
材(水等)を凍結させて、蓄冷作用を果たすことができ
る。蓄冷パック16の蓄冷完了がセンサ群31のパック
温度サンサの検知信号に基づいて判定されると、電磁弁
24は開弁したままとなり、定圧膨張弁28が閉弁した
ままとなる。なお、蓄冷スイッチがOFFのときは電磁
弁24が開弁したままとなり、定圧膨張弁28が閉弁し
たままとなるので、これらの場合は冷凍サイクルRの空
調用冷媒回路26のみに冷媒が流れて通常の空調運転を
行う。
【0034】一方、荷物の受渡し等のためにトラックを
長時間停車する場合に、運転室1内を冷房する必要があ
るときは、空調制御パネル32に設けられた蓄冷冷房用
送風スイッチを投入する。ここで、送風作動スイッチ1
3を低速(Lo)モード、中速(Me)モード、または
高速(Hi)モードのいずれかの位置に投入したとき
は、電気制御装置30が送風機10を低速、中速、また
は高速のいずれかの速度で連続的に作動させる。
【0035】この送風機10の作動により、運転席14
の下方部位から室内空気が吸込ダクト13を通して蓄冷
式冷却ユニット8のケース11内に吸入され、この吸入
空気は蓄冷パック16と蒸発器15との間の通風路17
を通過するときに蓄冷パック16と熱交換して冷却され
て冷風となる。この冷風は、ケース11上部の出口開口
部18から吹出ダクト19を通って天井吹出口20に至
る。そして、天井吹出口20から運転者頭部に向かって
冷風を吹き出す。
【0036】ここで、天井吹出口20はハウジング20
aの円周壁部と円形のガイド板20bとの間に形成され
るリング状吹出開口20eから運転者7の体の周囲を包
み込むように冷風を下方へ吹き出す。図1のAは天井吹
出口20からの冷風の吹出範囲を示している。そして、
運転席14の下方部位に吸込ダクト13の吸込口13a
を開口しているので、運転者7の体の周囲に沿って降下
する冷風流を運転室1全体に拡散することなく、運転者
7の足元部で直ちに吸込ダクト13内に再吸入すること
ができる。その結果、蓄冷式冷却ユニット8の冷房負荷
を軽減することができる。
【0037】よって、本実施形態によると、天井吹出口
20から運転者頭部に向かって冷風を直接的に吹き出す
ことにより、冷房時の温感(温度感覚)に最も影響の大
きい頭部を効果的に冷房することができる。それ故、蓄
冷式冷却ユニット8という限られた冷却能力であって
も、運転者に対して良好な冷房フィーリングを与えるこ
とができる。
【0038】しかも、運転者7の体の周囲のみを冷風の
再循環により効果的に局所冷房できるので、蓄冷式冷却
ユニット8の冷房負荷を軽減でき、蓄冷式冷却ユニット
8による蓄冷冷房の運転時間を効果的に延長できる。以
上により蓄冷パック16内の蓄冷材が完全に融解して温
度上昇するまでの間、停車時の運転室冷房を、冷凍サイ
クルRの作動なしで行うことができる。また、タイマー
スイッチの投入よりタイマースイッチで設定された時間
の間冷房を行った後に、送風機10を自動停止できる。
【0039】次に、蓄冷冷房用送風スイッチを自動(A
UTO)モード位置に投入した場合は、センサ群31の
うち、運転室1内の室温を検出する内気温センサの検出
温度Trと、操作スイッチ群33の蓄冷冷房用温度スイ
ッチにて設定された設定温度Tsetとを比較して、そ
の差(Tr−Tset)の大小に応じて、送風機10の
作動速度を自動的に切り替える。
【0040】すなわち、温度差(Tr−Tset)の大
小に応じて、送風機10の作動速度を高速(Hi)、中
速(Me)、低速(Lo)の間で段階的に切り替えるこ
とにより、運転室1の室温を設定温度Tset近傍に自
動的に維持できる。 (第2実施形態)図5は第2実施形態による制御例を示
すタイムチャートであり、縦軸に運転室1の室温Tr、
空調用送風機5の速度(風量)切替、蓄冷冷房用送風機
10のオン(ON)、オフ(OFF)、および圧縮機2
1のオン(ON)、オフ(OFF)をとり、横軸に圧縮
機21の起動(オン)後の経過時間をとっている。
【0041】図5において、Tset1 は操作スイッチ
群33の空調用設定温度スイッチにて設定された通常の
設定温度であり、これに対して、Tset2 はこの通常
の設定温度Tset1 より所定温度高い補助設定温度で
ある。この補助設定温度Tset2 は制御装置30のマ
イクロコンピュータ内で算出される温度である。第2実
施形態では、室温Trの低下に伴って空調用送風機5の
作動速度を高速(Hi)→中速(Me)→低速(Lo)
と順次段階的に切り替えるとともに、室温Trが補助設
定温度Tset2 より低下すると、空調用送風機5およ
び圧縮機21をともに停止(OFF)させる。これと同
時に、蓄冷冷房用送風機10を作動(ON)させる。こ
れにより、蓄冷式冷却ユニット8で冷却された冷風を天
井吹出口20から運転室1内に吹き出して、運転室1の
冷房を継続できる。
【0042】従って、第2実施形態によると、車両走行
時(車両エンジンの作動時)に、蓄冷式冷却ユニット8
の冷却作用を利用して、空調用圧縮機21の稼働率を低
下させて、車両の省動力を達成できる。なお、第2実施
形態による蓄冷式冷却ユニット8の作動は、室温Tr<
補助設定温度Tset2 という条件だけでなく、実際に
は、センサ群31のパック温度サンサの検知信号に基づ
いて判定される蓄冷パック16の蓄冷完了という条件を
満足した後に行う必要がある。 (第3実施形態)図6は第3実施形態を示すものであ
り、第1実施形態の冷凍サイクルRでは、車両エンジン
の作動時(圧縮機21の作動時)に蓄冷モードを設定し
た際に、空調用蒸発器4への冷媒流れを電磁弁24によ
り断続して、蓄冷用蒸発器15に冷媒が断続的に流れる
ようにしているが、第3実施形態では、空調用蒸発器4
の下流側および蓄冷式冷却ユニット8の定圧膨張弁28
の上流側にも電磁弁24a、24bを追加し、3つの電
磁弁24、24a、24bを制御装置30の出力信号に
より連動して開閉し、これにより、第1実施形態と同じ
作動を得るようにしている。
【0043】第3実施形態によると、電磁弁24の閉弁
と同時に電磁弁24aが閉弁することにより、空調用蒸
発器4内の冷媒を吸引することなく、蓄冷用蒸発器15
内の冷媒を吸引でき、蓄冷用蒸発器15の冷媒蒸発圧力
を蓄冷パック16の凍結のために必要な低い圧力まで短
時間で低下できる利点がある。また、電磁弁24、24
aの閉弁時のみに開く電磁弁24bを追加することによ
り、蓄冷式冷却ユニット8の減圧手段である定圧膨張弁
28を通常の温度式膨張弁にすることも可能である。 (他の実施形態)なお、第1実施形態では、天井吹出口
20にリング状の吹出開口20eを形成して、このリン
グ状の吹出開口20eから運転者7の体を包み込むよう
に冷風を吹き出しているが、吹出開口20eをリング状
とせず、矩形状等に形成してもよい。
【0044】また、運転室1内の運転席14と助手席
(図示せず)との間を仕切るカーテン、あるいは車両窓
ガラスからの太陽熱の侵入を抑えるカーテンを設けるよ
うにしてもよい。これによると、停車時における運転席
14部分の冷房熱負荷を低減できるので、蓄冷パック1
6による蓄冷冷房時間を長くしたり、あるいは、蓄冷パ
ック16への蓄冷量を減少することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態による蓄冷式冷却ユニッ
トの設置形態を示すトラック運転室の概略説明図であ
る。
【図2】第1実施形態による電気制御部を含む冷凍サイ
クル図である。
【図3】第1実施形態による蓄冷式冷却器の概略正面図
である。
【図4】(a)は第1実施形態による天井吹出口の概略
断面図で、(b)は(a)の底面図である。
【図5】本発明の第2実施形態による制御特性図であ
る。
【図6】本発明の第3実施形態による冷凍サイクル図で
ある。
【符号の説明】
1…運転室、3…空調ユニット、4…空調用蒸発器、8
…蓄冷式冷却ユニット9…蓄冷式冷却器、10…蓄冷冷
房用送風機、15…蓄冷用蒸発器、16…蓄冷パック、
17…通風路、20…天井吹出口、30…電気制御装
置、R…空調用冷凍サイクル。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 久米 祥隆 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内 (72)発明者 柚原 博 愛知県刈谷市昭和町1丁目1番地 株式会 社デンソー内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 運転室(1)内に設置される蓄冷式冷却
    ユニット(8)を備え、 前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、前記運転室(1)
    内の空気を吸入して送風する送風機(10)と、前記送
    風機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材(16)を有
    する蓄冷式冷却器(9)とを設け、 前記蓄冷式冷却器(9)は、車両エンジンの作動時に車
    両エンジンを駆動源とする冷却手段(15)により前記
    蓄冷材(16)に蓄冷するようになっており、 さらに、前記運転室(1)の運転席(14)上方の天井
    部に、前記蓄冷式冷却ユニット(8)で冷却された冷風
    を運転者(7)の頭部に向かって吹き出す天井吹出口
    (20)を配置したことを特徴とする車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 車両エンジンを駆動源として作動する圧
    縮機(21)を有する空調用冷凍サイクル(R)と、 運転室(1)内に設置される蓄冷式冷却ユニット(8)
    とを備え、 前記蓄冷式冷却ユニット(8)には、前記運転室(1)
    内の空気を吸入して送風する送風機(10)と、前記送
    風機(10)の送風空気を冷却する蓄冷材(16)を有
    する蓄冷式冷却器(9)とを設け、 前記蓄冷式冷却器(9)は、車両エンジンの作動時に前
    記空調用冷凍サイクル(R)の冷媒の蒸発潜熱により前
    記蓄冷材(16)に蓄冷するようになっており、 さらに、前記運転室(1)の運転席(14)上方の天井
    部に、前記蓄冷式冷却ユニット(8)で冷却された冷風
    を運転者(7)の頭部に向かって吹き出す天井吹出口
    (20)を配置したことを特徴とする車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 前記蓄冷式冷却器(9)は、前記蓄冷材
    を収納した蓄冷材パック(16)と、前記空調用冷凍サ
    イクル(R)に接続され、前記蓄冷材パック(16)を
    冷却する蓄冷用蒸発器(15)と、前記送風機(10)
    の送風空気を前記蓄冷材パック(16)と接触するよう
    にして通過させる通風路(17)とを有することを特徴
    とする請求項2に記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記車両エンジンを駆動源として前記空
    調用冷凍サイクル(R)が作動しているときに、前記運
    転室(1)の室温が所定の設定温度(Tset2 )まで
    低下すると、前記圧縮機(21)を停止するとともに、
    前記蓄冷式冷却ユニット(8)の送風機(10)を作動
    させる制御装置(30)を有することを特徴とする請求
    項2または3に記載の車両用空調装置。
  5. 【請求項5】 前記天井吹出口(20)は、運転者
    (7)の体を包み込むように冷風を吹き出す形状を有す
    ることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1つに
    記載の車両用空調装置。
  6. 【請求項6】 前記蓄冷式冷却ユニット(8)は、前記
    運転室(1)の運転席(14)近傍部位から室内空気を
    吸い込む吸込ダクト(13)を有することを特徴とする
    請求項1ないし5のいずれか1つに記載の車両用空調装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112546393A (zh) * 2020-12-11 2021-03-26 珠海格力电器股份有限公司 环境管理设备及其控制方法

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