JP2001219554A - プリンタヘッド及びプリンタ - Google Patents

プリンタヘッド及びプリンタ

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JP2001219554A
JP2001219554A JP2000038129A JP2000038129A JP2001219554A JP 2001219554 A JP2001219554 A JP 2001219554A JP 2000038129 A JP2000038129 A JP 2000038129A JP 2000038129 A JP2000038129 A JP 2000038129A JP 2001219554 A JP2001219554 A JP 2001219554A
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JP
Japan
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heater chip
printer head
transfer
sliding portion
ink
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JP2000038129A
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English (en)
Inventor
Minoru Kono
稔 河野
Shigeyoshi Hirashima
滋義 平島
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘッドギャップ長さのばらつきが生じにくい
構造を有し、転写濃度むらの少ない高品位な転写を可能
とする。 【解決手段】 ベースプレート19上に配設されたヒー
タチップ18と、上記ヒータチップ18に形成された加
熱手段と、上記ヒータチップ18上にヒータチップ18
の長手方向にわたって1列以上のライン状に配設された
凹凸構造を有する転写部とを備え、上記転写部に毛管現
象によって保持されたインクを、記録する情報に応じて
加熱手段により加熱することによって、上記インクを被
転写体7に向けて飛翔させて、上記被転写体7に情報を
転写するプリンタヘッド1において、上記ヒータチップ
18に、上記プリンタヘッド1と上記被転写体7との摺
動部46を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、印画紙等の被記録
体に文字や画像等の情報を記録するためのプリンタヘッ
ドに関し、特に、インク飛翔部に保持されたインクを加
熱手段により加熱することによりインクを飛翔させ記録
を行うプリンタヘッドに関する。
【0002】また、本発明は、印画紙等の被記録体に文
字や画像等の情報を記録するプリンタに関し、特に、イ
ンク飛翔部に保持されたインクを加熱手段により加熱す
ることによりインクを飛翔させ記録を行うプリンタに関
する。
【0003】
【従来の技術】近年、例えば、パーソナルコンピュータ
等で処理したカラー画像や、ビデオカメラ、電子スチル
カメラ等で撮像したカラー画像をプリントアウトして、
鑑賞その他の目的に供することが行われている。このた
め、高品位なフルカラー画像が得られるプリンタに対す
るニーズが高まっており、特に、個人向けや、例えば、
「スモールオフィス」或いは「ホームオフィス」と呼ば
れる小規模なオフィス向けの比較的廉価なプリンタに対
しても、高品位なフルカラー画像が得られることが要求
され始めている。
【0004】カラープリント方式としては、従来、昇華
型熱転写方式(又は染料拡散熱転写方式)、溶融熱転写
方式、インクジェット方式、電子写真方式、熱現像銀塩
方式等が提案されているが、これらの中で、特に、高画
質の画像を比較的簡単な装置で手軽に出力できるものと
して、染料拡散熱転写方式とインクジェット方式が挙げ
られる。
【0005】染料拡散熱転写方式は、適当なバインダ樹
脂中に高濃度の転写染料が分散させたインク層をインク
リボン又はシートに塗布し、これを、転写された染料を
受容する染着樹脂がコーティングされた、いわゆる、熱
転写用紙に一定の圧力で密着させ、そのインクリボン又
はシート上から感熱プリンタヘッド(サーマルヘッド)
により熱を加えて、その熱量に応じインクリボン又はシ
ートから熱転写用紙に転写染料を熱転写させるものであ
る。
【0006】この操作を、例えば、減法混色の三原色で
あるイエロ(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に分
解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことによ
り、連続的な階調を持つフルカラー画像を得ることがで
きる。
【0007】サーマルヘッドはプラテンローラに対向し
て配置され、それらの間を、例えば、ベースフィルム上
にインク層を設けたインクシートと、紙の表面に染着樹
脂層(染料受容層)をコーティングした熱転写用紙と
が、回転するプラテンローラによりサーマルヘッドに押
し付けられた状態で走行する。
【0008】そして、印刷すべき画像に応じ、サーマル
ヘッドによって選択的に加熱されたインク層中のインク
が、そのインク層に接して加熱された熱転写用紙の染着
樹脂層中に熱拡散し、例えば、ドットパターンでの転写
が行われる。
【0009】この染料拡散熱転写方式は、プリンタの小
型化及び保守が容易で、かつ、即時性を備え、銀塩カラ
ー写真並みの高品位な画像を得ることができる優れた技
術である。しかしながら、この方式では、インクリボン
又はシートの使い捨てに起因する多量の廃棄物の発生と
高いランニングコストが大きな欠点であった。また、熱
転写用紙を使用する必要があり、この点でもコスト高に
なるという問題があった。
【0010】溶融熱転写方式は、普通紙転写が可能であ
るが、やはり、インクリボン又はシートを使用するの
で、その使い捨てに起因する多量の廃棄物の発生と高い
ランニングコストの問題があった。また、画像品位も銀
塩写真には及ばなかった。
【0011】熱現像銀塩方式は、高画質であるが、やは
り、専用の印画紙と使い捨てのリボン又はシートを使用
するためにランニングコストが高くなり、更に、この方
式では、装置コストが高いという問題もあった。
【0012】一方、インクジェット方式は、例えば、特
公昭61−59911号公報や特公平5−217号公報
等に示されているように、静電引力方式、連続振動発生
方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジェット方
式)等の方法でプリンタヘッドに設けられたノズルから
インクの小滴を噴出させ、それをプリンタ用紙等に付着
させて印刷を行うものである。
【0013】したがって、普通紙転写が可能であり、ま
た、インクリボン等を使用しないので、ランニングコス
トが低く、更に、インクリボン等を使用する場合のよう
な廃棄物の発生が殆どない。最近では、簡易にカラー画
像を印刷できることから、普及が拡大している。
【0014】最近では、吐出するインク滴のサイズを2
〜3種類に変調したり、薄い色のインクを用いてインク
濃度を2〜3種類持つことにより同一画素内で数ステッ
プの濃度階調を実現する方式も実現しているが、インク
ジェット方式は、原理的に同一画素内での連続的な濃度
階調が困難であり、画像品位が銀塩写真に比べて劣り、
また、画像品位を上げるために単位画素の面積を小さく
しているので、記録時間が非常に長いという欠点があっ
た。
【0015】他方、電子写真方式は、ランニングコスト
は低く、転写速度も高いが、画像品位が銀塩写真に及ば
ないのみならず、装置コストが著しく高かった。
【0016】即ち、以上に説明した方式では、画質、ラ
ンニングコスト、装置コスト、転写時間等の要求を全て
満たすものがなかった。
【0017】そこで、それらの要求を全て満たしうるカ
ラープリント方式として、例えば、特開平9−1832
39号公報に記載されるような熱転写記録方式が提案さ
れている。
【0018】この方式では、プリンタヘッドの転写部に
おいてインクを加熱して、インクを微小粒子として飛翔
させ、それを、例えば、50〜150μm程度のギャッ
プを介して対向配置されたプリンタ用紙等の被転写体表
面に付着させて転写を行う。
【0019】転写部には、例えば、幅又は径が3μm程
度、高さ6μm程度の多数の柱状体を互いに3μm程度
の微小間隔で立設配置した凹凸構造によるインク保持構
造が設けられ、このインク保持構造の下にヒータが設け
られて、転写部が構成されている。
【0020】このようなインク保持構造を転写部に設け
ることにより、次のような効果が得られる。即ち、 (1)毛管現象によりインクが自発的に転写部に供給さ
れる。
【0021】(2)大きな表面積により、インクを効率
的に加熱することができる。
【0022】(3)柱状体の高さを適宜に設定すること
により、常に所定量のインクを転写部に保持させること
ができる。
【0023】(4)液体の表面張力は一般に負の温度係
数を持つので、局所的に加熱されたインクは、温度の低
い外周部へ向かう力を受けるが、インク保持構造により
その移動が最小限に抑制されて、転写感度の低下が防止
される。
【0024】したがって、このようなインク保持構造を
設けることにより、転写部での加熱に応じた量のインク
を飛翔させて、プリンタ用紙等に転写することができ、
インク転写量の連続的な制御、即ち、画素内での濃度階
調が可能となる。この結果、例えば、銀塩カラー写真に
匹敵する高品位の画像を得ることができる。
【0025】また、インクリボン等を使用する必要がな
いので、ランニングコストが低く、更に、普通紙に対し
吸収性の良いインクを用いること、又は、普通紙にイン
ク受容層をコーティングすることで普通紙と同等の非常
に安価な記録紙への転写も可能となるので、ランニング
コストも低くてすむ。
【0026】また、この方式は、インク、即ち、染料へ
の熱的作用による吐出を利用したものであるため、イン
クを加熱するプリンタヘッドの転写部をプリンタ用紙等
の被転写体に高い圧力で押し付けることは勿論、接触さ
せる必要もなく、したがって、他の熱転写方式では往々
にして起こり得た、インクリボン等のインク加熱部とプ
リンタ用紙等との熱融着の問題も発生しない。
【0027】即ち、この熱転写記録方式は、既述した染
料拡散熱転写方式と同様、プリンタの小型化及び保守容
易性、即時性、並びに、画像の高品位性等の特徴を備え
た上に、インクリボン等の不使用による廃棄物の低減及
びランニングコストの低下を達成でき、更に、普通紙使
用による低コスト化も可能である。
【0028】
【発明が解決しようとする課題】ところで、プリンタヘ
ッドからインクを吐出させるこのプリント方式では、プ
リンタヘッド上に形成した転写部と被転写体、即ち印画
紙との間に、インクが自然に移行しないように間隔(以
下ヘッドギャップと呼ぶ。)をあける必要がある。この
ヘッドギャップ長さは、被転写体にインクが到達したと
きの位置精度が所定の値を保つように、インク飛翔距
離、吐出方向、吐出速度等から決定される。ヘッドギャ
ップ長さは、例えば100μm程度の非常に微小な距離
に保つ必要があり、このヘッドギャップがばらつくと印
画紙に転写されるドットの濃度或いはドット径のばらつ
きが生じ、転写画像の濃度むらとなって現れる。
【0029】これは、この熱転写記録方式では、転写部
から飛翔するインクが非常に微小であるため、転写部か
ら飛翔したインクの飛翔速度の減衰が大きく、ヘッドギ
ャップの変化が、被転写体に着弾するインク粒の数及び
着弾位置へ大きく影響することが原因と考えられる。
【0030】そのため、先願では、ヘッドギャップを均
一に保持するために、プリンタヘッドが転写部側におい
て被転写体に対して所定の傾斜角度をなして接触するよ
うに構成されている。プリンタヘッドにおいて転写部が
形成されたヒータチップを保持するベースプレートの一
端が被転写体と接触するような構成とされている。その
ため、ヒータチップをベースプレートに接着する際にヒ
ータチップが傾いた場合、ベースプレートの接触部から
の接着位置が変動するなど組み立て精度が悪い場合、或
いはヒータチップとベースプレートとの接着層の厚みが
変動した場合などには、同一ヘッド内、若しくは異なる
ヘッド間で転写部と被転写体との距離、即ちヘッドギャ
ップが異なることとなる。その結果、同一の画像情報に
対しても転写画像の濃度むらが生じてしまうという問題
が生じていた。
【0031】したがって、本発明は、従来の実情に鑑み
て創案されたものであり、ヘッドギャップ長さのばらつ
きが生じにくい構造を有し、転写濃度むらの少ない高品
位な転写が可能なプリンタヘッド及びプリンタを提供す
ることを目的とする。
【0032】
【課題を解決するための手段】本発明に係るプリンタヘ
ッドは、ベースプレート上に配設されたヒータチップ
と、ヒータチップに形成された加熱手段と、ヒータチッ
プ上にヒータチップの長手方向にわたって1列以上のラ
イン状に配設された凹凸構造を有する転写部とを備え、
転写部に毛管現象によって保持されたインクを、記録す
る情報に応じて加熱手段により加熱することによって、
インクを被転写体に向けて飛翔させて、被転写体に情報
を転写するプリンタヘッドであって、ヒータチップに、
プリンタヘッドと上記被転写体との摺動部を有すること
を特徴とするものである。
【0033】本発明に係るプリンタヘッドは、ヒータチ
ップにプリンタヘッドと被転写体との摺動部を有する。
したがって、本発明に係るプリンタヘッドは、ヒータチ
ップに設けられた摺動部において被転写体と接触する。
【0034】本発明に係るプリンタは、ベースプレート
上に配設されたヒータチップと、ヒータチップに形成さ
れた加熱手段と、ヒータチップ上にヒータチップの長手
方向にわたって1列以上のライン状に配設された凹凸構
造を有する転写部とを備え、転写部に毛管現象によって
保持されたインクを、記録する情報に応じて加熱手段に
より加熱することによって、インクを被転写体に向けて
飛翔させて、被転写体に情報を転写するプリンタヘッド
を備えるプリンタであって、ヒータチップに、プリンタ
ヘッドと被転写体との摺動部を有することを特徴とする
ものである。
【0035】本発明に係るプリンタは、ヒータチップに
プリンタヘッドと被転写体との摺動部を有するプリンタ
ヘッドを備える。したがって、本発明に係るプリンタ
は、ヒータチップに設けられた摺動部において被転写体
と接触する。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照して具
体的に説明する。
【0037】図1に本発明を適用したプリンタヘッドを
組み込んだフルカラー用のプリンタの要部構成を示す。
このプリンタは、1列以上のライン状に配設された複数
の転写部を有するプリンタヘッドを備え、転写部におい
てインクを加熱して、インクを微小粒子として飛翔させ
る。そして、飛翔させたインクを所定のヘッドギャップ
を介してプリンタヘッドと対向配置され、かつプリンタ
ヘッドに対して所定の方向に移動するプリンタ用紙等の
被転写体表面に付着させて転写を行う、いわゆる熱転写
記録方式のプリンタである。本発明において前記「飛
翔」とは、加熱手段(例えばヒータ等)の加熱によっ
て、気化、蒸発、インクの対流(インク液面の表面張力
の不均一に起因するもの、インクを構成する成分の沸騰
によるインクの体積膨張に起因するもの、インク内の溶
存空気の加熱による膨張又は膨張と破裂に起因するも
の、インクの熱膨張によるもの、ヒータ又は毛管構造の
熱膨張に起因するもの)によって、インクを飛翔させる
ことを含む意味である。
【0038】プリンタは、プリンタヘッド1、ヘッド固
定金具2、インクタンク3、被転写体である印画紙支給
のための給紙ローラ4、印画紙重挿防止爪5、印画紙ケ
ース6、印画紙7、プラテンベルト8、プラテンベルト
駆動ローラ9、イエロ、マゼンタ、シアンの各色に対応
する加圧ローラ10、給紙ガイドローラ11、排紙ロー
ラ12、プラテンベルトを駆動するための駆動モータ1
3、駆動用連結機構14、コントローラ及び電源の収納
部15、プリンタヘッド用信号線16及び放熱フィン1
7とを備えて構成される。
【0039】プリンタヘッド1は、イエロ、マゼンタ、
シアンの3色分の専用プリンタヘッドが配設されてい
る。プリンタヘッド1は、プリンタヘッド1の裏に位置
する放熱フィン17と、図示しない加温用ヒータによ
り、駆動時は常に一定の温度範囲に保持されている。
【0040】インクタンク3は、イエロ、マゼンタ、シ
アンの3色分それぞれの専用プリンタヘッドに供給する
インクを保持しており、各色に専用タンクが配設されて
いる。
【0041】プラテンベルト駆動ローラ9は、例えば、
シリコンゴムにより表面層が被覆されており、例えば直
径16mmに形成される。
【0042】次に、プリンタの動作について説明する。
プリンタに印画指令が入力されると、コントローラは、
駆動モータ13に電流を流し、印画紙7が駆動用連結機
構14を介して給紙ローラ4により印画紙ケース6から
排出される。その際、印画紙が重挿して排出されないよ
うに印画紙重挿防止爪5で印画紙がはがされ、給紙ガイ
ドローラ11によって導かれる。そして、印画紙ケース
6から排出された印画紙7は、プリンタヘッド1とプラ
テンベルト駆動ローラ9により駆動されたプラテンベル
ト8との間に挟まれ、加圧ローラ10によりプリンタヘ
ッド方向に加圧されながら排出ローラ12方向に搬送さ
れる。この時、プリンタヘッド1は、コントローラから
の信号にしたがって、例えば、まずイエロインクを飛翔
させ、印画紙7に対して転写を行う。そして、残りの2
色に関しても印画紙7に対して順次インクを飛翔させ、
フルカラーの印画が完了する。最後に、印画紙7は、排
紙ローラ12により導かれながらプリンタ外へ排出され
る。
【0043】図2に、本発明を適用したプリンタヘッド
1の概略斜視図を示す。
【0044】プリンタヘッド1は、プリンタヘッド用信
号線16、ヒータチップ18、ベースプレート19、イ
ンク流路板20、ドライバIC(Integrated circui
t)21、インク流路22、転写部23及びエッジ部2
4とを備えて構成される。
【0045】ヒータチップ18は、ベースプレート19
上に接着固定されている。
【0046】転写部23は、ヒータチップ18の先端近
傍に所定の間隔、例えば84μm間隔、即ち300dp
i相当の間隔を置いて例えば1216個配設され、当該
転写部23は、それぞれ、図示しないヒータを有する。
また、転写部23の両側には、図示しないダミー転写部
が例えば10個ずつ等間隔に配設されている。
【0047】エッジ部24は、転写部23の列と略平行
に形成され、印画紙と当接する。また、ヒータチップと
印画紙とを所定の角度に固定することによりエッジ部か
ら例えば350μ後退した転写部23と印画紙7との距
離を例えば100μmに保持する。
【0048】次に、プリンタヘッドの動作について説明
する。プリンタに印画指令が入力されると、画像データ
に対応した駆動信号がコントローラよりプリンタヘッド
用信号線16を介してドライバIC21に送られ、紙送
りモータの駆動パルスと同期して各転写部23のヒータ
をON/OFFする電圧パルス信号に変換される。そし
て、上述した各色のインクが、各色専用のインクタンク
3からベースプレート19内のインク流路及びインク流
路板との隙間を通過し、毛管現象により各転写部23へ
供給される。
【0049】図3に転写部23の拡大概略断面図を、図
4にヒータチップ18の先端部に設けられた転写部23
近傍の拡大図を、図5に転写部23の拡大図を示す。
【0050】図3に示すように、ヒータチップ18は、
例えばシリコンからなる基板30を有しており、この基
板30上に、酸化シリコン(SiO2)膜31を介し
て、ヒータとなるポリシリコン膜32が形成されてい
る。このポリシリコン膜32は、発熱体となる高抵抗部
32bと、例えば、アルミニウムの配線パターンからな
る共通電極33と個別電極34とにそれぞれ接続する低
抵抗部32aから構成されている。ここで、アルミニウ
ムとしては、Al−SiやAl−Cuのように第二の元
素を添加したものを用いることもできる。なお、基板3
0として、例えば、石英基板のような熱絶縁性の基板3
0を用いる場合には、SiO2膜31等の断熱層を設け
ず、基板30上に直接ポリシリコン膜32を形成しても
良い。
【0051】ポリシリコン膜32上には、保護膜とし
て、例えば、SiO2膜35が形成され、低抵抗シリコ
ン膜32bの上部にのみ、共通電極33及び個別電極3
4と通電するための窓が開口されている。アルミニウム
の電極パターンとポリシリコン膜32との間には、例え
ば、Ti,Cr等の高融点金属からなるバリアメタル層
36が形成され、Alのポリシリコン膜32への拡散を
防止する働きをしている。ポリシリコン膜32のうち、
高抵抗部が、抵抗加熱によりヒータ部として機能する。
ポリシリコン膜32の高抵抗部は電極及びバリアメタル
層36と直接接触することがないため、ヒータとして機
能するポリシリコン膜32の高抵抗部にAlが拡散する
ことはない。したがって、共通電極33及び個別電極3
4を形成する工程での熱処理、或いは、プリンタヘッド
での印画時にポリシリコン膜32を発熱体として駆動す
る際の自己の発熱によって、同一ヘッド内での発熱体の
抵抗値が変化し、偏差を生じるという現象を十分に抑制
できる。そして、印刷すべき画像情報に応じて共通電極
33と個別電極34により選択されたポリシリコン膜3
2の高抵抗部が加熱され、その上のインクを飛翔させ
て、用紙等の被転写体に写する。
【0052】例えば、1つのヒータチップ内に、20μ
m×20μm程度の大きさのヒータ部が約84μmの周
期で1216個形成され、これにより、1個のヒータが
1ドットの転写に対応するので、300dpiの解像度
が実現される。
【0053】図3に示すように、ヒータチップ上には、
共通電極33及び個別電極34上を含む全面に保護膜と
してSiO2が形成されている。そして、図3及び図4
に示すように、各転写部23を取り囲むとともに、各転
写部23にインクを供給するための供給路38を画定す
る隔壁39と、各転写部23においてインク保持機構を
形成する柱状体40とが、このSiO2膜35のそれぞ
れ一部として形成されている。即ち、例えば、CVD
(化学蒸着)法により所定膜厚に形成したSiO2
を、所定パターンのエッチングマスクを用いて所定深さ
だけ、例えば、RIE(Reactive Ion Etching)法によ
り異方性エッチングすることで、隔壁39と各柱状体4
0並びにそれら以外の保護膜の部分が同時に形成されて
いる。
【0054】図4及び図5に示すように、各転写部23
には、例えば、9本×9本の正方マトリックス状に柱状
体40が形成され、そのうち中央の3本×3本がヒータ
部上に位置している。各柱状体40の大きさは、例え
ば、幅が0.2〜10μm程度、高さが2〜15μm程
度とし、これらを、例えば、0.2〜10μm程度の間
隔で配置する。なお、各柱状体40の形状は、図示の例
のような四角柱状に限らず、例えば、円柱状でも良い。
【0055】図4に示すように、各転写部23にインク
を供給するための供給路38は、各転写部23における
柱状体40と同じ高さの隔壁39によりそれぞれ画定さ
れている。供給路38内においては、その供給路38を
区画する一対の隔壁39のほぼ中央位置に、補助壁を設
けている。更に、転写部23における柱状体40による
インク保持構造パターンを、供給路38を画定する一対
の隔壁39と補助壁との間の部分にまで延長して設けて
いる。この補助壁は、例えば、SiO2膜により、上述
した隔壁39及び柱状体40と同時に形成される。した
がって、この補助壁は、上述した隔壁39及び柱状体4
0とほぼ同じ高さを有する。
【0056】そして、図4に示すように、インク貯留部
(図示せず)からこれらの供給路38にインクを供給す
るためのインク流路(図示せず)を内側にエッチング等
の手法で形成したインク流路板20が、エポキシ接着剤
等を用いてヒータチップ18の所定の位置に貼り付けら
れる。
【0057】この時、図4に示すように、転写部23で
は、インク流路板20の端部が、転写部23のヒータ部
の中心から、例えば、350μm程度後退した位置まで
設けられている。このように構成することにより、転写
部23への過剰なインク供給が防止される。ヒータ部上
に必要以上のインクが供給されると、インクを転写する
ために要するエネルギーが大きくなって、転写効率が低
下してしまう。また、このインク流路板20を後退させ
て設ける構成とすることにより、転写部23に対向配置
される用紙等の被転写体に接触しないようにするという
意味もある。
【0058】インク流路板20内のインク流路を流れて
きたインクは、その液面の低下に従い、各転写部23の
手前の供給路38を区画する隔壁39上で分離され、各
供給路38に流れ込む。供給路38においては、隔壁3
9及び補助壁及び柱状体40の上面とほぼ同じ高さでイ
ンクが保持され、転写部へのインクの供給を確実に行う
ことができる。更に、各転写部23においても、隔壁3
9及び柱状体40の上面とほぼ同じ高さでインクが保持
される。このように、各転写部23に、柱状体40から
なるインク保持機構を設けることにより、各転写部23
に常に一定量のインクを保持させることができる。
【0059】また、各転写部23において、ヒータ部の
加熱により消費したインクは、柱状体40の存在による
毛管現象によりヒータ部上に自発的に補充される。上に
説明したインク貯留部から各転写部23までのインクの
流れは、全て、このインクの自発的な流れに因る。
【0060】図6に、本発明を適用したプリンタヘッド
により印画紙等の被転写体に転写を行う状態の概略断面
図を示す。
【0061】プリンタヘッド1は、ヒートシンクを兼ね
た、例えば、アルミニウム製のベースプレート19を有
している。このベースプレート19の下面先端部寄りの
部分には、後述する転写部等を、例えば、シリコン基板
上に形成したヒータチップ18が、例えば、シリコン系
の接着剤により接着されている。図6に1点斜線で示す
位置が、各転写部23におけるインクの飛翔中心であ
る。なお、このヒータチップ18の接着部には、ヒータ
チップ18が均一に接着されるように、ベースプレート
19表面に溝47が設けられ、ヒータチップ18を接着
する際の余分な接着剤が、この溝47に逃げるようにな
っている。
【0062】ベースプレート19には、また、発熱駆動
用のドライバIC21等を搭載したプリント基板43
が、やはり、シリコン系の接着剤により接着されてい
る。図6に示すように、このベースプレート19のプリ
ント基板43の取り付け部は、プリント基板43の厚さ
分だけ低い凹部形成され、その凹部にプリント基板43
を取り付けたときに、そのプリント基板43上に実装さ
れているドライバIC21を含む高さが、そのプリント
基板43に並行して取り付けられているヒータチップ1
8の上面とほぼ同じ高さとなるように構成されている。
【0063】また、ヒータチップ18上の電極パターン
とドライバIC21との接続部及びドライバIC21と
プリント基板43の配線パターンとの接続部には、それ
ぞれの接続部における、例えば、接続用のボンディング
ワイヤ(図示せず)を保護するために、例えば、シリコ
ン系のコーティング剤JCR(Junction Coating Resi
n)44が塗布され、熱硬化されている。
【0064】ここで、このプリンタヘッドでは、図6に
示すように、プリンタヘッド1のヒータチップ18にプ
リンタヘッド1と被転写体である印画紙7との摺動部4
6を設けることにより、所定の傾斜角度をなして印画紙
7に当接させる構造とする。そして、この摺動部46
は、プリンタヘッド1のヒータチップ18においてベー
スプレート19の幅方向全体にわたって形成される。こ
うした構成とすることにより、ヒータチップ18と印画
紙7との傾斜角度を調節することで、インク飛翔条件毎
に最適な転写部と印画紙との距離、即ちヘッドギャップ
長さを得ることができる。これにより、ヘッドギャップ
長さを正確に設定及び保持することができる。したがっ
て、転写部23と印画紙7との距離のばらつきを防止す
ることができるため、印画紙7に転写されるドット濃度
或いはドット径のばらつきが生じ、転写画像等の濃度む
らが生じることを防止することができる。そして、本発
明においては、ヒータチップ18に摺動部46を設けて
いるため、ヒータチップ18をベースプレート19に接
着する際にヒータチップ18が傾いたり、ベースプレー
ト19との接着位置が微妙に変動する等の組み立て精度
が良くない場合においても、転写部23と印画紙7との
距離、即ちヘッドギャップ長さを正確に設定及び保持す
ることができる。したがって、プリンタヘッド1の組み
立て精度のばらつきに起因する転写部23と印画紙7と
の距離のばらつきを防止することができるため、印画紙
7に転写されるドット濃度或いはドット径のばらつきが
生じ、転写画像等の濃度むらが生じることを防止するこ
とができる。
【0065】ここで、摺動部46は、図7に示すように
ヒータチップ18の下面先端部に設けられても良く、ま
た、図8に示すようにヒータチップ18の先端部と転写
部23との間に設けられても良い。
【0066】摺動部46をヒータチップ18の下面先端
部に設ける場合には、図7に示すようにヒータチップ1
8の下面先端部をそのまま摺動部46としても良く、ま
た、図9に示すようにヒータチップ18の下面先端部を
ベースプレート19の幅方向と垂直な断面において切り
欠いた形状としても良い。
【0067】摺動部46として切り欠く形状は、図10
に示すように直線部61を有する面取りが施された形状
でも良く、図11に示すように曲線部62を有する円弧
状の面取りが施された形状でも良く、また、図12に示
すように直線部61と曲線部62とを有する面取りと円
弧状の面取りとを組み合わせて施した形状としても良
い。ここで、上述したような切り欠き形状は、ラッピン
グやエッチングにより形成することができる。
【0068】また、摺動部46として、ヒータチップ1
8の下面先端部をベースプレート19の幅方向と垂直な
断面において切り欠いた形状とするには、図13に示す
ようにヒータチップ18において摺動部46となる部分
に他部材を接着しても良い。
【0069】また、ヒータチップ18において摺動部4
6となる部分に他部材を接着して摺動部46を形成する
方法としては、以下のような方法を用いることができ
る。
【0070】例えば、摺動部46をベースプレート19
の幅方向と垂直な断面において円弧状となるような形状
に形成するには、まず、摺動部46に相当する位置、即
ち、ヒータチップ18の下面先端部に、ベースプレート
19の幅方向にわたって切り欠きを入れて切り欠き部を
形成する。次に、この切り欠き部のベースプレート19
の幅方向と同等の長さの円柱状部材51を切り欠き部に
はめ込むようにセットし、所定の温度、即ち、円柱状部
材51の素材の融点以上であり、かつヒータチップ18
の素材の融点以下の温度で加熱することによりヒータチ
ップ18と円柱状部材51とを接合する。このとき、円
柱状部材51は、一度溶融してヒータチップ18と接合
されて凝固するため、ベースプレート19の幅方向と垂
直な断面においてなめらかな円弧状を呈する。
【0071】具体的には、次にようにして摺動部46を
形成することができる。
【0072】まず、図14に示すように転写部23を形
成したヒータチップ18のウエハ54を所定のサイズの
ヒータチップ18に切り出すため、幅の狭いブレード5
5を用いていわゆるフルカットを行い、例えばヒータチ
ップA52とヒータチップB53を切り出す。
【0073】次に、図15に示すようにヒータチップA
52とヒータチップB53とを所定の間隔をあけて配置
し、幅の広いブレード56を用いてヒータチップA52
とヒータチップB53との対向する上面角部を所定の大
きさに削る、いわゆるハーフカットを行い、段差状の切
り欠き部57を形成する。
【0074】次に、図16に示すように切り欠き部が上
になるようにヒータチップA52を傾けた状態で、切り
欠き部57に切り欠き部57の長手方向の長さと同等の
長さの円柱状部材51をはめ込むようにセットし、所定
の温度、時間において熱処理を施す。
【0075】また、上記においては、フルカットとハー
フカットの順序を入れ替えても良い。即ち、初めに幅の
広いのブレード56でハーフカットを実施して段差状の
切り欠き部57となる部分を形成し、続いて段差状の切
り欠き部57が所定の寸法となるように幅の狭いブレー
ド55でフルカットすれば良い。
【0076】以上の工程を経ることにより図17に示す
ようになめらかな円弧状を呈する摺動部46を形成する
ことができる。
【0077】また、摺動部46は次のようにして形成し
ても良い。
【0078】まず、図18に示すように転写部23を形
成したヒータチップ18のウエハ54に、幅の広いブレ
ード56を用いて溝を形成する。
【0079】次に、図19に示すようにヒータチップA
52とヒータチップB53とに所定の大きさの段差状の
切り欠き部57が形成されるように、幅の狭いブレード
55を用いてヒータチップA52とヒータチップB53
とを切り離す。
【0080】次に、図20に示すように切り欠き部57
が上になるようにヒータチップA52を傾けた状態で、
切り欠き部57に切り欠き部57の長手方向の長さと同
等の長さの円柱状部材51をはめ込むようにセットし、
所定の温度、時間において熱処理を施す。
【0081】以上の工程を経ることにより図21に示す
ようになめらかな円弧状を呈する摺動部46を形成する
ことができる。
【0082】また、摺動部は次のようにして形成しても
良い。
【0083】まず、図22に示すように転写部23を形
成したヒータチップ18のウエハ54に、幅の広いブレ
ード56を用いて溝58を形成する。
【0084】次に、図23に示すように溝58の長手方
向の長さと同等の長さの円柱状部材51を溝58に入れ
る。
【0085】次に、図24に示すようにヒータチップ1
8のウエハ54を傾けた状態で所定の温度、時間におい
て熱処理を施す。
【0086】次に、図25に示すように幅の狭いブレー
ド55を用いてヒータチップA52とヒータチップB5
3とを切り離す。
【0087】以上の工程を経ることにより図25に示す
ようになめらかな円弧状を呈する摺動部46を形成する
ことができる。この方法の場合は、溝58が上述した2
つの方法における切り欠き部57に比べて比較的広い幅
を有するため、円柱状部材51のセットが簡単に行える
という利点がある。
【0088】以上、摺動部46をなめらかな円弧状の形
状とすることで、転写を行う際に、摺動部46との接触
により印画紙7に傷が付くことを防止することができ
る。
【0089】また、円柱状部材51として潤滑性材料や
耐摩耗性材料を用いることにより、プリンタヘッド1と
印画紙との摺動特性を向上させることができる。即ち、
円柱状部材45として潤滑性材料を用いることにより、
転写時の摺動部と印画紙7との摩擦を低減することがで
きるため、印画紙7の紙送りをスムーズに行うことがで
きる。このような潤滑性材料としては、低融点ガラス、
金属ワイヤ等を用いることができる。また、ガラスロッ
ド、プラスチックファイバー等も用いることができ、接
着剤により切り欠き部57に接着すれば良い。この場合
には、200℃以下の低温で円柱状部材51をヒータチ
ップ18に接着することができるため、作業を簡便化す
ることができる。
【0090】また、円柱状部材51として、耐摩耗性材
料を用いることにより、転写を繰り返し行うことによる
摺動部46の摩耗を防止することができる。したがっ
て、摺動部46の摩耗によりプリンタヘッドの位置がず
れ、即ち、転写部23の位置のずれを防止することがで
きるため、繰り返し精度に優れたものとなる。このよう
な耐摩耗性材料としては、低融点ガラス、ガラスロッド
等を用いることができる。
【0091】次に、摺動部46をヒータチップ18の先
端部59と転写部23との間に設ける場合について説明
する。
【0092】例えば摺動部46を、ヒータチップの先端
部59と転写部23との間になめらかな円弧状に設ける
場合には、まず、摺動部46に相当する位置、即ち、ヒ
ータチップの先端部59と転写部23との間の所定の位
置にベースプレート19の幅方向にわたって、切り欠き
部を形成する。次に、この切り欠き部のベースプレート
19の幅方向と同等の長さの円柱状部材51を切り欠き
部にはめ込むようにセットし、所定の温度、即ち、円柱
状部材51の素材の融点以上であり、かつヒータチップ
18の素材の融点以下の温度で加熱することによりヒー
タチップ18と円柱状部材51とを接合する。このと
き、円柱状部材51は、一度溶融してヒータチップ18
と接合されて凝固するため、ベースプレート19の幅方
向と垂直な断面においてなめらかな円弧状を呈する。
【0093】具体的には、次にようにして摺動部46を
形成することができる。
【0094】まず、図26に示すように転写部23を形
成したヒータチップ18のウエハ54を所定のサイズの
ヒータチップ18に切り出すため、幅の狭いブレード5
5を用いてダイシングを行い、例えばヒータチップ1と
ヒータチップ2を切り出す。
【0095】次に、図27に示すようにヒータチップA
52とヒータチップB53において、ヒータチップの先
端部59と転写部23との間所定の位置にベースプレー
ト19の幅方向にわたって、例えばV字型の切り欠きを
入れて切り欠き部60を形成する。
【0096】次に、図28に示すように切り欠き部60
の長手方向の長さと同等の長さの円柱状部材51を切り
欠き部60にはめ込み、所定の温度、時間において熱処
理を施す。
【0097】以上の工程を経ることにより図29に示す
ようになめらかな円弧状を呈する摺動部46を形成する
ことができる。そして、摺動部46をなめらかな円弧状
の形状とすることで、転写を行う際に、摺動部46との
接触により印画紙7に傷が付くことを防止することがで
きる。
【0098】円柱状部材51としては、摺動部46をヒ
ータチップ18の下面先端部に設ける場合と同様に、潤
滑性材料や耐摩耗性材料を好ましく用いることができ
る。即ち、円柱状部材51として潤滑性材料を用いるこ
とにより、転写時の摺動部と印画紙7との摩擦を低減す
ることができるため、印画紙7の紙送りをスムーズに行
うことができる。このような潤滑性材料としては、低融
点ガラス、金属ワイヤ等を用いることができる。また、
ガラスロッド、プラスチックファイバー等も用いること
ができ、接着剤により切り欠き部60に接着すれば良
い。この場合には、200℃以下の低温で円柱状部材5
1をヒータチップ18に接着することができるため、作
業を簡便化することができる。
【0099】また、円柱状部材51として、耐摩耗性材
料を用いることにより、転写を繰り返し行うことによる
摺動部46の摩耗を防止することができる。したがっ
て、摺動部46の摩耗によりプリンタヘッドの位置がず
れ、即ち、転写部23の位置のずれを防止することがで
きるため、繰り返し精度に優れたものとなる。このよう
な耐摩耗性材料としては、低融点ガラス、ガラスロッド
等を用いることができる。
【0100】また、摺動部46はスクリーン印刷により
形成しても良い。この場合には、以下のようにして摺動
部46を形成することができる。
【0101】まず、図30に示すように転写部23を形
成したヒータチップ18のウエハ54上にヒータチップ
の間隔で、ヒータチップの先端部59に相当する位置と
転写部23との間の所定の位置にスクリーン印刷により
ベースプレート19の幅方向にわたって、摺動部46を
構成する印刷素材を所定の幅で形成する。また、所定の
高さを得るには、スクリーン印刷を繰り返し行えば良
い。
【0102】次に、図31に示すようにスクリーン印刷
を施したヒータチップ18のウエハ54を所定の温度、
時間において熱処理を施し、摺動部46を形成する。
【0103】次に、図32に示すように、所定のサイズ
のヒータチップ18を切り出すため、幅の狭いブレード
55を用いてダイシングを行い、例えばヒータチップA
52とヒータチップB53とを切り出す。
【0104】以上の工程を経ることにより図32に示す
ようになめらかな円弧状を呈する摺動部46を形成する
ことができる。そして、摺動部46をなめらかな円弧状
の形状とすることで、転写を行う際に、摺動部46との
接触により印画紙7に傷が付くことを防止することがで
きる。
【0105】スクリーン印刷に用いる印刷素材として
は、ガラスペースト、ポリイミド、クリームはんだ等を
用いることができ、潤滑性材料や耐摩耗性材料を選択す
ることにより円柱状部材に潤滑性材料や耐摩耗性材料を
選択したときと同様に、摺動性を向上させる効果を得る
ことができる。また、印刷素材としてガラスペーストを
用いた場合には、ヒータチップ18の素材としては、ア
ルミナを好適に用いることができる。
【0106】また、本発明においては、摺動部46に摺
動特性を向上させるための被覆剤48が被覆されていて
も良い。摺動部46に被覆する被覆剤48としては、潤
滑性材料を好ましく用いることができる。潤滑性材料を
摺動部46に被覆することにより、転写を行う際に摺動
部46と印画紙7との間の潤滑性を向上させることがで
き、転写を行う際の印画紙7の紙送りをスムーズに行う
ことができる。また、転写を行う際に、摺動部46によ
り印画紙7に傷が付くことを防止することができる。潤
滑性材料としては、例えば、フッ素樹脂、ポリエチレ
ン、ナイロン等の潤滑性を有する有機材料を用いること
ができる。そして、これらの潤滑性材料を摺動部46に
被覆する方法としては、鍍金、蒸着、塗布等の公知の方
法を用いることができる。また、これらの潤滑性材料
は、摺動部に0.1μm〜50μmの厚みに被覆するこ
とが好ましく、より好ましくは、2μm〜10μmの厚
みである。被覆する潤滑性材料が薄すぎる場合には、潤
滑性向上の機能が十分発揮されず、また、潤滑機能の耐
久性が劣化する。そして、被覆する潤滑性材料が厚すぎ
る場合には、ヘッドギャップが変化してしまい、解像度
等の印画特性が低下する。
【0107】また、摺動部に被覆する被覆材としては、
耐摩耗性を向上させるために、耐摩耗材料を用いても良
い。耐摩耗性材料を摺動部46に被覆することにより、
転写を繰り返し行うことによる摺動部46の摩耗を防止
することができる。したがって、摺動部46の摩耗によ
りプリンタヘッド1の位置がずれ、即ち、転写部23の
位置のずれを防止することができるため、繰り返し精度
に優れたものとなる。耐摩耗性材料としては、例えば、
ダイヤモンド状硬質膜(以下、DLCと呼ぶ。)、Si
2、Au、アルミナ等を用いることができる。また、
Ni、Cr等の金属とフッ素樹脂、ポリエチレン等の低
摩擦材料を同時に鍍金しても良い。そして、これらの耐
摩耗性材料を摺動部46に被覆する方法としては、蒸
着、化学蒸着法(CVD)、イオンプレーティング等の
公知の方法を用いることができる。また、これらの耐摩
耗性材料は、摺動部46に0.05μm〜10μmの厚
みに被覆することが好ましく、より好ましくは、0.1
μm〜5μmの厚みである。被覆する耐摩耗性材料が薄
すぎる場合には、摺動部46の摩耗防止機能が十分発揮
されず、また、摩耗防止機能の耐久性が劣化する。そし
て、被覆する耐摩耗性材料が厚すぎる場合には、ヘッド
ギャップが変化してしまい、解像度等の印画特性が低下
する。
【0108】また、DLCは、ビッカース硬度で500
0以上と非常に硬いため、DLCで摺動部46表面を被
覆することにより、摺動部46の耐摩耗性が著しく向上
する。また、DLCの摩擦係数は0.1以下と超硬合金
等と比較しても一桁小さいため、印画紙と相対的に摺動
させる際の摩擦力が大幅に低減し、滑らかな紙送り効果
が得られる。即ち、DLCを用いることにより、潤滑効
果と耐摩耗効果との両方を得ることができる。DLC以
外でも、摺動部46に被覆する材料は適度な硬さと小さ
な摩擦係数を持つものであれば、例えば、アルミナ(A
23)等の膜でも同様な効果が期待できる。
【0109】また、DLCを摺動部46に被覆する場合
には、DLCの密着性を向上させるために、DLC成膜
前に密着層としてSi又はTi等の膜を成膜しても良
い。
【0110】そして、耐摩耗性材料の摺動部46への被
覆は、摺動部46をヒータチップ18の下面先端部に設
けた場合にも、ヒータチップの先端部59と転写部23
との間に設けた場合にも行うことができる。
【0111】更に、摺動部46をヒータチップ18の下
面先端部に設けた場合には、摺動部46への被覆材の被
覆は、図33に示すようにヒータチップ18の下面先端
部をそのまま摺動部46とする場合だけでなく、図3
4、図35及び図36に示すように、摺動部46に面取
り、円弧状の面取り、或いは、面取りと円弧状の面取り
とを組み合わせて施した場合等、種々の形状の摺動部4
6に対して施すことができる。
【0112】また、本発明においては、図37に示すよ
うに、摺動部46を有するとともにヒータチップ18を
構成する材料と異なる材料により形成された摺動部材4
9を、ヒータチップ18本体と一体化させた構造として
も良い。本発明においては、ヒータチップ18を構成す
る材料としては、シリコン、ガラス、セラミックス、ア
ルミニウム、アルミニウム合金、鉄、鉄合金、銅、マグ
ネシウム合金等常温において固体である無機材料や、ポ
リカーボネイト、ポリエチレン、ナイロン、フッ素樹脂
等常温において固体である有機材料等を用いることがで
きる。そして、摺動部46を有する摺動部材49を構成
する材料としては、ベースプレート19の場合と同様に
シリコン、ガラス、セラミックス、アルミニウム、アル
ミニウム合金、鉄、鉄合金、銅、マグネシウム合金等常
温において固体である無機材料や、ポリカーボネイト、
ポリエチレン、ナイロン、フッ素樹脂等常温において固
体である有機材料等を用いることができる。ヒータチッ
プ18本体と摺動部46を有する摺動部材49とを別個
に構成し、一体化する構成とすることにより、ヒータチ
ップ18本体と摺動部材49とをそれぞれに要求される
特性に応じて異なる材料を用いて形成することができ
る。即ち、ヒータチップ18本体と摺動部材49とを、
それぞれに要求される特性に最適な材料を用いて形成す
ることができるため、優れた品質のプリンタヘッド1を
構成することができる。具体的には、例えば、ヒータチ
ップ18本体に熱伝導性の高い特性が要求される場合に
は、ヒータチップ18本体をシリコンにより形成し、摺
動部46に耐摩耗性が要求される場合には、摺動部材4
9をセラミックスにより形成するというようにヒータチ
ップ18本体と摺動部材49との素材を使い分けること
ができる。
【0113】また、摺動部46は、上述した切り欠かれ
た形状とされていても良い。即ち、摺動部46は、図3
8に示すように面取りが施された形状でも良く、図39
に示すように円弧状の面取りが施された形状でも良く、
また、図40に示すように面取りと円弧状の面取りとを
組み合わせて施した形状としても良い。
【0114】また、摺動部46は、上述した被覆材が摺
動部に被覆されていても良い。即ち、図41に示すよう
に面取りが施された摺動部材49の摺動部46に被覆材
が被覆されていても良い。また、図42に示すように円
弧状の面取りが施された摺動部材49の摺動部46に被
覆材が被覆されていても良い。また、図43に示すよう
に面取りと円弧状の面取りとを組み合わせて施された摺
動部材49の摺動部46に被覆材が被覆されていても良
い。
【0115】このように構成されるプリンタに使用され
るインクは染料、溶媒、及び必要に応じて添加される添
加剤から構成され、転写感度・熱安定性・画像品位・保
存安定性を最適化するように材料の選択と組成成分の比
が調合される。
【0116】プリンタに適した染料は適当な気化速度を
有し、かつ十分な耐熱性を有し、かつ後述する溶媒に対
する十分な溶解性を有し、かつ人体に対する毒性が低
く、かつ印画紙上での十分な保存安定性を有していれば
どのような染料でも使用できる。具体的には、分散染
料、油溶性染料、塩基性染料等が好ましい。特に好まし
い染料としては、特開平8−244363号公報、特開
平8−244364号公報、特開平8−244366号
公報に記載されているジシアノスチリル系イエロ染料、
トリシアノスチリル系マゼンタ染料、アントラキノン系
マゼンタ染料、アントラキノン系シアン染料が挙げられ
る。これらの染料は、気化残滓の低減と熱分解物の記録
部への付着を防止するため、昇華精製法、再結晶法、ゾ
ーンメルティング法、カラム精製法等、何らかの手段で
精製してから使用することが望ましい。
【0117】プリンタに適したインクの溶媒は融点が5
0℃未満で、かつ沸点が150℃以上500℃未満の範
囲にあり、かつ熱分解温度が沸点より高く、かつ染料に
対する相溶性が高く、かつ人体に対する毒性が低く、か
つ無色であればどのような化合物でも使用できる。具体
的にはフタル酸ジメチル、フタル酸ジエチル、フタル酸
ジブチル、フタル酸ジヘプチル、フタル酸ジオクチル、
フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類、セバシ
ン酸ジブチル、セバシン酸ジオクチル、アジピン酸ジオ
クチル、アジピン酸ジイソデシル、アゼライン酸ジオク
チル、テトラヒドロフタル酸ジオクチル等の脂肪酸2塩
基酸エステル類、リン酸トリクレジル、リン酸トリオク
チル等のリン酸エステル類、アセチルクエン酸トリブチ
ル、ブチルフタリルブチルグリコレート等一般にプラス
チック用可塑剤と称される有機化合物類等が使用でき
る。
【0118】また、インクには、インクの物性値を調整
するために、必要に応じて界面活性剤、粘度調整剤、防
腐剤等、適当な添加剤を添加することができる。ただ
し、これらの添加剤は、溶媒及び染料と同程度の沸点を
持つ必要がある。具体的には界面活性剤としては、フッ
化した化脂肪酸エステル、シリル化した脂肪酸エステ
ル、シリコンオイル等を使用することができる。また、
粘度調整剤としては、グリセリン、テトラエチレングリ
コール等を使用することができる。
【0119】インクは、上述した溶媒に対して、上述し
た染料を5重量%以上、好ましくは10重量%以上、更
に好ましくは20重量%以上の割合で溶解して作製す
る。このとき、染料の溶解度を上げるために、2種以上
の染料を混合して使用しても良い。また、溶媒において
も、2種以上を混合して使用しても良い。そして、添加
剤は、必要に応じて添加すれば良い。
【0120】プリンタに適した印画紙は、PPC用紙な
どの普通紙、アート紙などの上質紙などであるが、特に
階調性と濃度が高い高品質の画像を得るためには、分散
染料又は油溶性染料を発色させる樹脂として、ポリエス
テル、ポリカーボネート、アセテート、CAB、ポリ塩
化ビニルなどを基紙上に塗布して作製した専用紙も使用
することができる。インクの吸収速度を向上させるため
には、シリカ、アルミナのような多孔質顔料を添加する
ことにより大きな効果が得られる。特に高品位の記録、
例えば、平滑性、発色性、光沢性、インク吸収速度とい
う観点から言えば、PETフィルム等、フィルムベース
に光沢性を持たせるために0.1μm以下のサイズの多
孔質顔料を添加した受像層を有する印画紙が優れてい
る。転写された画像の保存安定性を向上させるために
は、受像層中に紫外線吸収剤やラジカルクエンチャー等
の添加物を添加することにより効果が得られる。また、
転写後の印画紙に樹脂フィルムをラミネートすることも
有効である。
【0121】以上説明したように、本発明を適用したプ
リンタヘッド及びプリンタでは、プリンタヘッド1のヒ
ータチップ18にプリンタヘッド1と被転写体との摺動
部を設けているため、インク吐出に最適なヘッドギャッ
プ長さを設定、保持することができる。したがって、ヘ
ッドギャップ長さのばらつきを防止することができるた
め、印画紙7に転写されるドット濃度或いはドット径の
ばらつきが生じ、これにより転写画像の濃度むらが生じ
ることを防止することができ、優れた品質のプリンタヘ
ッドを作製することができる。
【0122】そして、摺動部46を潤滑性材料や耐摩耗
性材料により形成する、若しくは摺動部46に摺動特性
を向上させるための被覆剤48を被覆することにより、
被覆剤48を選択することにより潤滑性や耐摩耗性等の
摺動特性の優れたプリンタヘッド及びプリンタを作製す
ることができる。
【0123】また、摺動部46を有するとともにヒータ
チップ18の材料と異なる材料により形成された摺動部
材49をヒータチップ18本体と一体化させる構造とす
ることにより、ヒータチップ18と摺動部材49とをそ
れぞれに要求される特性に最適な素材を用いて形成する
ことができるため、優れた品質のプリンタヘッドを作製
することができる。
【0124】
【実施例】以下、本発明の実施例を詳述する。
【0125】〔実施例1〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
ヒータチップを作製したのち、以下の方法で摺動部を形
成した。
【0126】まず、ダイシングソーを用いて、108m
m×9mmの大きさにあらかじめ転写部を形成したSi
ウエハをカットした。摺動部は、ヒータチップ上に形成
した。摺動部を形成するヒータチップ端部の位置は、転
写部のヒータ中心から350μmの位置とした。そし
て、ヒータチップの摺動部となる端部を#4000のラ
ッピングテープ(富士フィルム社製)を用いて初期ラッ
ピングを行い、おおよそR=50μmになるように粗削
りを行った。続いて#10000のラッピングテープ
(富士フィルム社製)を用いて、同様にヒータチップを
揺動させながらラッピングを行い摺動部の表面仕上げを
行った。
【0127】以上の工程により、図44に示すように転
写部近傍のヒータチップ端部を滑らかな円弧形状に形成
した。
【0128】以上のようにして摺動部を面取り形成した
ヒータチップをベースプレートに接着した後、所定の位
置にインク流路板を接着し、ドライバIC21及びフレ
キシブル基板をヒータチップ上の各電極パッドと電気的
に接続してプリンタヘッドとして組み上げた。
【0129】ドライバIC21の実装は、ドライバIC
21上の電極パッド部にスタッドバンプ又はメッキバン
プを形成し、異方性導電膜(ACF)を介して直接ヒー
タチップの電極パッドと圧着接合する、いわゆるフリッ
プチップ実装を行った。フレキシブル基板とヒータチッ
プの接合もACFを介してフレキ基板を圧着接合した。
【0130】次にインクの調製を行った。特開平8−2
44364号公報に記載されているジシアノスチリル系
イエロ染料のアミノ基をイソブチル基に置換した染料を
カラムで精製した後に、染料1部に対して、溶媒として
セバシン酸ジブチルを7部(染料濃度:12.5重量
%)加えて、超音波攪拌機で完全に溶解するまで攪拌し
イエロインクを作製した。同様に、特開平8−2443
63号公報に記載されているトリシアノスチリル系マゼ
ンタ染料のアミノ基をブチル基に置換した染料をカラム
で精製した後に、染料1部に対して、セバシン酸ジブチ
ルを7部(染料濃度:12.5重量%)加えて、超音波
攪拌機で完全に溶解するまで攪拌しマゼンタインクを作
製した。同様に特開平8−244366号公報に記載さ
れているアントラキノン系シアン染料のアミノ基をエチ
ルヘキシル基に置換した染料をカラムで精製した後に、
染料1部に対して、セバシン酸ジブチルを5部(染料濃
度:16.7重量%)加えて、超音波攪拌機で完全に溶
解するまで攪拌しシアンインクを作製した。
【0131】これらのインクを対応するそれぞれのプリ
ンタヘッドのカートリッジに導入すると、インクは毛管
力により自発的にチューブを通過して、ヘッドの記録部
の柱構造に達してメニスカスを形成した。ヒータ中心部
におけるインク液面の厚さは6μmであった。
【0132】印画紙は、表面に数μmの多孔質構造を有
し、油溶性染料及び溶媒と相性の良いバインダ樹脂が用
いられているピーチコート紙(日清紡製)を使用した。
【0133】上記において作製したプリンタヘッドを図
1に示したプリンタに組み込み、イエロ、マゼンタ、シ
アン各色のインクを導入し印画を行った。
【0134】このプリンタヘッドのヒータに対して、図
45に示すデューティー80%で矩形の50kHzの駆
動パルスを与えて転写部のインクを周期的に加温した。
1つの画素に対して画像データに応じて最大255回こ
のパルスを引加した。パルス印加時間(255×20μ
sec=5.1msec)とインク液面を回復させるた
めの休み時間0.9msecを加えた1画素を形成する
時間(周期)は6msec(167Hz)になる。印可
する電力は1つのヒータあたりイエロ93.5mW、マ
ゼンタが102mW、シアンが220mWである。
【0135】この連続したパルスをヒータに加えること
により、転写部のインクが最大約0.11plのミスト
や霧として噴出し、100μmのギャップを飛翔して印
画紙に付着する。印画紙に付着したインクは直ちに吸収
・発色した。パルス印加時間は大変短いので、1画素を
形成する時間(周期)毎にヘッドの柱構造による毛管力
によりインク液面は完全に初期の状態に戻り、次の画素
を印字できる。
【0136】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。また、摺動部に円
弧状の面取りを施しているため、転写により印画紙に傷
が付くことがなかった。
【0137】〔実施例2〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
ヒータチップを作製したのち、以下の方法で摺動部を形
成した。
【0138】まず、ダイシングソーを用いて、108m
m×9mmの大きさにあらかじめ転写部を形成したSi
ウエハをカットした。摺動部は、ヒータチップ上に形成
した。摺動部を形成するヒータチップ端部の位置は、転
写部のヒータ中心から350μmの位置とした。そし
て、プリンタヘッド組み立て時に摺動部となる端部に対
して、摺動部以外の部分に対してマスキングを施し、化
学蒸着法(以下、CVD法と呼ぶ。)により摺動部に選
択的に潤滑性材料としてダイヤモンド状硬質膜(以下、
DLCと呼ぶ。)を0.5μmの膜厚に成膜することに
より摺動部を形成した。
【0139】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、プリンタに組み込んだ。そして、実施
例1と同条件で印画を行った。
【0140】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。
【0141】そして、本プリンタにおいては、潤滑性材
料としてDLCで摺動部表面を被覆することにより、印
画紙と相対的に摺動させる際の摩擦力が大幅に低減し、
滑らかな紙送りが実現できた。また、実施例1において
は、プラテンベルト駆動ローラの必要回転トルクは、3
00g/cmであったのに対し、実施例4では、80g
/cmに低減した。このことからも摺動部に潤滑性材料
を被覆することによる摺動特性向上の効果が確認され
た。
【0142】〔実施例3〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
プリンタヘッドを作製したのち、以下の方法で摺動部を
形成した。
【0143】まず、ダイシングソーを用いて、108m
m×9mmの大きさにあらかじめ転写部を形成したSi
ウエハをカットした。摺動部は、ヒータチップ上に形成
した。摺動部を形成するヒータチップ端部の位置は、転
写部のヒータ中心から350μmの位置とした。そし
て、プリンタヘッド組み立て時に摺動部となる端部に対
して、摺動部以外の部分に対してマスキングを施し、C
VD法により摺動部に選択的に耐摩耗性材料としてDL
Cを0.5μmの膜厚に成膜することにより摺動部を形
成した。
【0144】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、プリンタに組み込んだ。そして、実施
例1と同条件で印画を行った。また、摺動部に耐摩耗性
材料を被覆した効果を調べるために、実施例1及び実施
例5のプリンタを用いて画像の印画を1000回繰り返
して行った。
【0145】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。
【0146】そして、画像の印画を1000回実施後の
摺動部の摩耗量は、実施例1のプリンタでは、2μmで
あったのに対して、耐摩耗性材料としてDLC膜を摺動
部に被覆した実施例5のプリンタでは、摺動部の摩耗は
認められなかった。このことより、摺動部に耐摩耗性材
料を被覆することによる摺動特性向上の効果が確認され
た。
【0147】〔実施例4〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
プリンタヘッドを作製したのち、以下の方法で接触部を
形成した。
【0148】まず、図22に示すように、初めに幅の広
い角形状のブレードであらかじめ転写部を形成したSi
ウエハの表面から深さ0.2mmの深さまで切り込みハ
ーフカット溝を形成した。次に、図23に示すように溝
に低融点ガラスをセットした。次に、図24に示すよう
に基板全体を45度傾斜した状態で510℃において3
0分間熱処理を施し、低融点ガラスを溶融させた。そし
て、図25に示すように低融点ガラスが溝の片角部に溶
融接着した状態で、溶融した低融点ガラスの近傍を幅の
狭いブレードでフルカットした。そして、低融点ガラス
とヒータチップの端面との段差をなくすよう加工を施し
た。以上により、印画紙との摺動部となる部分は滑らか
な円弧状の断面形状が形成された。
【0149】更に、上述の摺動部を形成したヒータチッ
プ表面に対して、摺動部以外の部分に対してマスキング
を施し、CVD法により摺動部に選択的にDLCを0.
5μmの膜厚に成膜することによりヒータチップを作製
した。
【0150】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、組み込んだ。そして、実施例1と同条
件で印画を行った。
【0151】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。また、摺動部をな
めらかな円弧状としているため、転写により印画紙に傷
が付くことがなかった。
【0152】そして、本プリンタにおいては、ビッカー
ス硬度で5000以上と非常に硬いDLCで摺動部表面
を被覆することにより、摺動部の耐摩耗性が著しく向上
した。また、DLCの摩擦係数は0.1以下と超硬合金
等と比較しても一桁小さいため、印画紙と相対的に摺動
させる際の摩擦力が大幅に低減し、滑らかな紙送りが実
現できた。
【0153】〔実施例5〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
プリンタヘッドを作製したのち、以下の方法で接触部を
形成した。
【0154】あらかじめ転写部を形成したSiウエハか
ら所定のサイズのヒータチップに切り出すためにダイシ
ングを行った。このダイシング加工は、以下に述べる2
段階の加工を行うことによりヒータチップの端部に段差
状の切り欠き部を形成した。
【0155】まず第1に、幅0.03mmのブレードを
用いて、図14に示すようにSiウエハの厚み全体を切
り込むいわゆるフルカットを実施し、ヒータチップのパ
ターンにしたがってヒータチップ毎に分離した。ここで
は、ヒータチップを108mm×9mmの大きさにカッ
トした。続いて図15に示すように、幅0.43mmの
角形状のブレードを用いて、複数の転写部が形成された
転写部列と平行な端部に幅0.2mm、深さ0.2mm
の階段状の切り欠きが形成できるように、Siウエハの
表面から深さ0.2mmの深さで2回目のカットを行っ
た。
【0156】次に、加工部に直径0.18mmの低融点
ガラスロッドHG−25A(商品名、ソニー・プレシジ
ョン・マグネ社製)をセットし、図16に示すように基
板全体を45度傾斜した状態で510℃において30分
間熱処理を施し、低融点ガラスを溶融させた。低融点ガ
ラスは切り欠き部を埋めるような形状で溶融かつ接着
し、印画紙との摺動部となる部分は図17に示すように
滑らかな円弧状の断面形状が形成された。
【0157】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、組み込んだ。そして、実施例1と同条
件で印画を行った。
【0158】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。また、摺動部にな
めらかな円弧状としているため、転写により印画紙に傷
が付くことがなかった。
【0159】〔実施例6〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
プリンタヘッドを作製したのち、以下の方法で接触部を
形成した。
【0160】まず第1に、幅0.03mmのブレードを
用いて、図26に示すようにあらかじめ転写部を形成し
たSiウエハの厚み全体を切り込むいわゆるフルカット
を実施し、ヒータチップのパターンにしたがってヒータ
チップ毎に分離した。ここでは、ヒータチップを108
mm×9mmの大きさにカットした。続いて、図27に
示すように、45度角度を有するV型の形状で幅0.3
mmのブレードを用いてヒータチップ表面からの深さ
0.06mm、転写部からの間隔0.2mmの位置に転
写部の列と平行なV溝を形成した。
【0161】次に、図28に示すように、加工部に直径
0.12mmの低融点ガラスロッドSS−1620(日
本電気ガラス社製)をセットし、480℃において30
分間熱処理を施し、低融点ガラスを溶融させた。低融点
ガラスは、V溝部を埋めるような形状で溶融かつ接着
し、印画紙との摺動部となる部分は、図29に示すよう
に滑らかな円弧状の断面形状を持つ凸型が形成された。
凸部の高さは約60μmであった。
【0162】更に、上述の摺動部を形成したヒータチッ
プ表面に対して、摺動部以外の部分に対してマスキング
を施し、摺動部に選択的にDLCを0.5μmの膜厚に
成膜することによりヒータチップを作製した。
【0163】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、組み込んだ。そして、実施例1と同条
件で印画を行った。
【0164】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。また、摺動部をな
めらかな円弧状としているため、転写により印画紙に傷
が付くことがなかった。
【0165】そして、本プリンタにおいては、ビッカー
ス硬度で5000以上と非常に硬いDLCで摺動部表面
を被覆することにより、摺動部の耐摩耗性が著しく向上
した。また、DLCの摩擦係数は0.1以下と超硬合金
等と比較しても一桁小さいため、印画紙と相対的に摺動
させる際の摩擦力が大幅に低減し、滑らかな紙送りが実
現できた。
【0166】〔実施例7〕既述した実施の形態に従い、
図4及び図5に示すような転写部構造の転写部を備えた
プリンタヘッドを作製したのち、以下の方法で接触部を
形成した。
【0167】あらかじめ転写部を形成したSiウエハ上
に、スクリーン印刷によりライン状の摺動部としてガラ
スペーストPLS−3143(商品名、日本電気ガラス
社製)を複数の転写部が形成された転写部列と平行にヒ
ータチップの間隔で印刷し、ガラスグレースを形成し
た。スクリーン印刷は、60μmの高さを得るために3
回の重ね塗りを行った。
【0168】次に、1250℃において30分間熱処理
を施し、焼成を行うことにより摺動部を形成した。
【0169】この摺動部のパターンを基準として、ヒー
タチップのダイシングを行い、ヒータチップを作製し
た。
【0170】次いで、実施例1と同様にしてプリンタヘ
ッドを組み上げ、組み込んだ。そして、実施例1と同条
件で印画を行った。
【0171】以上により印画した画像を調べた結果、マ
クベス濃度計で測定した最高濃度は、イエロ、マゼン
タ、シアンにつき、それぞれ約1.8、約1.9、約
1.9であった。また、1個のヘッドの1216個のヒ
ータ部を同一条件で駆動した時のマイクロデンシトメー
タ(サカタインクス社製)で測定した最大濃度むらは約
1.0%以内であった。更に、隣接画素間の濃度むらは
約0.5%以内であった。したがって、転写むらの少な
い高品位な画像を得ることができた。
【0172】〔実施例8〕プリンタヘッドの摺動部にD
LCを被覆した場合の摺動部と印画紙との摩擦係数低減
の効果を調べた。
【0173】108mm×9mmの大きさのSi製のチ
ップを6個用意し、印画紙との接触部となる端部をラッ
ピングにより研磨し、曲率半径50μmとなるように円
弧状に面取りを施した。
【0174】次に、チップのうち3個にのみ、円弧状の
面取りを施した部分に選択的にDLCを厚さ0.5μm
に被覆した。
【0175】次に、それぞれのチップをヘッドブロック
上に接着し、これらのヘッドの摩擦係数をヘイドン摩擦
試験機(新東洋科学社製)を用いて測定した。接触部の
角度は、印画時と同様に20°に設定した。印画紙は、
市販のインクジェット用フィルムHG−201(商品
名、キャノン社製)を用いて、加重100gfの条件で
測定を行った。その結果を、表1に示す。表1において
は、DLCの被覆を施したチップをチップAと記し、D
LCの被覆を施さないチップをチップBと記し、それぞ
れにチップ番号1〜3を付す。
【0176】
【表1】
【0177】表1において、チップB−2は、接触部に
傷があったために測定値が大きくなったと考えられる
が、チップB−2を除いても、DLCを被覆することに
より接触部の摩擦係数は低減することが確認できた。
【0178】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように本発明によ
れば、ベースプレート上に配設されたヒータチップと、
ヒータチップに形成された加熱手段と、ヒータチップ上
にヒータチップの長手方向にわたって1列以上のライン
状に配設された凹凸構造を有する転写部とを備え、転写
部に毛管現象によって保持されたインクを、記録する情
報に応じて加熱手段により加熱することによって、イン
クを被転写体に向けて飛翔させて、被転写体に情報を転
写するプリンタヘッド及びプリンタにおいて、ヒータチ
ップに、プリンタヘッドと被転写体との摺動部を有す
る。したがって、プリンタヘッドは、ヒータチップに設
けられた摺動部において被転写体と接触する。その結
果、摺動部と転写部との距離、即ちヘッドギャップ長さ
をを精度良く形成することが可能となり、プリンタヘッ
ドの組み立て精度によるヘッドギャップ長さの変動を極
めて小さくすることが可能となる。そして、プリンタヘ
ッド内及びプリンタヘッド間でのヘッドギャップ長さを
均一にすることができるので、転写濃度むらの少ない高
品位な画像を得ることができる。
【0179】そして、本発明に係るプリンタ及びプリン
タヘッドは、熱転写方式を採用しているため、小型化、
保守容易性、即時性、画像の高品位性、高階調性等の特
徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプリンタの要部斜視図である。
【図2】本発明に係るプリンタヘッドの概略斜視図であ
る。
【図3】本発明に係るプリンタヘッドの転写部付近の概
略断面図である。
【図4】本発明に係るプリンタヘッドの転写部付近の概
略拡大平面図である。
【図5】本発明に係るプリンタヘッドの転写部付近の概
略拡大平面図である。
【図6】本発明に係るプリンタヘッドによる印刷状態を
示す概略断面図である。
【図7】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の概
略断面図である。
【図8】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の概
略断面図である。
【図9】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の概
略断面図である。
【図10】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図11】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図12】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図13】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図14】ヒータチップのウエハからヒータチップを切
り出す状態を示した断面図である。
【図15】ヒータチップに段差状の切り欠き部を形成す
る状態を示す断面図である。
【図16】ヒータチップの段差状の切り欠き部に円柱状
部材をセットし、熱処理を施す状態を示す断面図であ
る。
【図17】ヒータチップに摺動部が形成された状態を示
す断面図である。
【図18】ヒータチップのウエハに溝を形成する状態を
示す断面図である。
【図19】溝が形成されたヒータチップのウエハからヒ
ータチップを切り出す状態を示す断面図である。
【図20】ヒータチップの段差状の切り欠き部に円柱状
部材をセットし、熱処理を施す状態を示す断面図であ
る。
【図21】ヒータチップに摺動部が形成された状態を示
す断面図である。
【図22】ヒータチップのウエハに溝を形成する状態を
示す断面図である。
【図23】ヒータチップのウエハの溝に円柱状部材を入
れた状態を示す断面図である。
【図24】溝に円柱状部材を入れたヒータチップのウエ
ハを傾斜させ、熱処理を施す状態を示す断面図である。
【図25】ヒータチップのウエハからヒータチップを切
り出す状態を示す断面図である。
【図26】ヒータチップのウエハからヒータチップを切
り出す状態を示した断面図である。
【図27】ヒータチップにV字型の切り欠き部を形成し
た状態を示す断面図である。
【図28】ヒータチップのV字型の切り欠き部に円柱状
部材をセットし、熱処理を施す状態を示す断面図であ
る。
【図29】ヒータチップに摺動部が形成された状態を示
す断面図である。
【図30】ヒータチップのウエハにスクリーン印刷を施
した状態を示す断面図である。
【図31】スクリーン印刷を施したヒータチップのウエ
ハに熱処理を施し、摺動部が形成された状態を示す断面
図である。
【図32】摺動部が形成されたヒータチップのウエハか
らヒータチップを切り出す状態を示す断面図である。
【図33】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図34】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図35】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図36】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図37】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図38】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図39】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図40】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図41】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図42】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図43】本発明に係るプリンタヘッドの摺動部付近の
概略断面図である。
【図44】ヒータチップに円弧状の摺動部を形成した状
態を示す断面図である。
【図45】ヒータに対して与える駆動パルスを示した図
である。
【符号の説明】
1 プリンタヘッド、2 ヘッド固定金具、3 インク
タンク、4 給紙ローラ、6 印画紙ケース、7 印画
紙、8 プラテンベルト、9 プラテンベルト駆動モー
タ、11 給紙ガイドローラ、12 排紙ローラ、18
ヒータチップ、19 ベースプレート、20 インク
流路板、21 ドライバIC21、22インク流路、2
3 転写部、37 転写部、39 隔壁、40 柱状
体、46摺動部、49 摺動部材、51 円柱状部材

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベースプレート上に配設されたヒータチ
    ップと、上記ヒータチップに形成された加熱手段と、上
    記ヒータチップ上にヒータチップの長手方向にわたって
    1列以上のライン状に配設された凹凸構造を有する転写
    部とを備え、上記転写部に毛管現象によって保持された
    インクを、記録する情報に応じて加熱手段により加熱す
    ることによって、上記インクを被転写体に向けて飛翔さ
    せて、上記被転写体に情報を転写するプリンタヘッドで
    あって、 上記ヒータチップに、上記プリンタヘッドと上記被転写
    体との摺動部を有することを特徴とするプリンタヘッ
    ド。
  2. 【請求項2】 上記摺動部は、上記ヒータチップの端部
    に設けられることを特徴とする請求項1記載のプリンタ
    ヘッド。
  3. 【請求項3】 上記ヒータチップの端部は、面取りが施
    されていることを特徴とする請求項2記載のプリンタヘ
    ッド。
  4. 【請求項4】 上記ヒータチップの端部は、円弧状の面
    取りが施されていることを特徴とする請求項2記載のプ
    リンタヘッド。
  5. 【請求項5】 上記ヒータチップの端部は、面取り及び
    円弧状の面取りが施されていることを特徴とする請求項
    2記載のプリンタヘッド。
  6. 【請求項6】 上記ヒータチップの端部は、上記摺動部
    を有するとともにヒータチップの構成材料と異なる材料
    により形成された摺動部材を備えることを特徴とする請
    求項2記載のプリンタヘッド。
  7. 【請求項7】 上記ヒータチップ端部は、ベースプレー
    トの幅方向にわたって切り欠き部が形成され、当該切り
    欠き部に円柱状部材が接合されていることを特徴とする
    請求項2記載のプリンタヘッド。
  8. 【請求項8】 上記円柱状部材は、低融点ガラスからな
    ることを特徴とする請求項7記載のプリンタヘッド。
  9. 【請求項9】 上記摺動部は、上記ヒータチップの端部
    と上記転写部との間に設けられることを特徴とする請求
    項1記載のプリンタヘッド。
  10. 【請求項10】 上記摺動部は、上記ヒータチップの端
    部と上記転写部との間に上記ヒータチップの幅方向にわ
    たって切り欠き部を形成し、当該切り欠き部に円柱状部
    材を接合することにより形成されることを特徴とする請
    求項9記載のプリンタヘッド。
  11. 【請求項11】 上記円柱状部材は、低融点ガラスから
    なることを特徴とする請求項10記載のプリンタヘッ
    ド。
  12. 【請求項12】 上記摺動部は、スクリーン印刷により
    ベースプレートの幅方向にわたってライン状の突起部を
    形成し、熱処理を施すことによりベースプレートの幅方
    向と垂直な断面が円弧状に形成されることを特徴とする
    請求項9記載のプリンタヘッド。
  13. 【請求項13】 上記摺動部は、摺動特性を向上させる
    ための被覆剤により被覆されていることを特徴とする請
    求項1記載のプリンタヘッド。
  14. 【請求項14】 上記被覆剤は、潤滑性材料であること
    を特徴とする請求項13記載のプリンタヘッド。
  15. 【請求項15】 上記被覆剤は、耐摩耗性材料であるこ
    とを特徴とする請求項13記載のプリンタヘッド。
  16. 【請求項16】 上記被覆剤は、ダイヤモンド状硬質膜
    であることを特徴とする請求項15記載のプリンタヘッ
    ド。
  17. 【請求項17】 ベースプレート上に配設されたヒータ
    チップと、上記ヒータチップに形成された加熱手段と、
    上記ヒータチップ上にヒータチップの長手方向にわたっ
    て1列以上のライン状に配設された凹凸構造を有する転
    写部とを備え、上記転写部に毛管現象によって保持され
    たインクを、記録する情報に応じて加熱手段により加熱
    することによって、上記インクを被転写体に向けて飛翔
    させて、上記被転写体に情報を転写するプリンタヘッド
    を備えるプリンタであって、 上記ヒータチップに、上記プリンタヘッドと上記被転写
    体との摺動部を有することを特徴とするプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003305845A (ja) * 2002-04-16 2003-10-28 Seiko Epson Corp インクジェットヘッド
CN110816062A (zh) * 2018-08-10 2020-02-21 精工电子打印科技有限公司 液体喷射头以及液体喷射记录装置

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