JPH11320932A - 記録方法及び記録装置 - Google Patents

記録方法及び記録装置

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JPH11320932A
JPH11320932A JP10130219A JP13021998A JPH11320932A JP H11320932 A JPH11320932 A JP H11320932A JP 10130219 A JP10130219 A JP 10130219A JP 13021998 A JP13021998 A JP 13021998A JP H11320932 A JPH11320932 A JP H11320932A
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JP
Japan
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transfer
recording
recording material
ink
electric field
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Application number
JP10130219A
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English (en)
Inventor
Akihito Miyazaki
明仁 宮崎
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写部から飛翔したインクを効率良く印画紙
に導くこと。 【解決手段】 転写部1に保持されたインク2を飛翔さ
せて印画紙3に転写するに際し、転写部1と印画紙3と
の間のインク飛翔領域に、転写部1から飛翔したインク
2を印画紙3へ引き付けるような電界を印加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写部に保持され
た記録材を飛翔させ、この転写部に対向して配される被
転写体に転写する記録方法及び記録装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】近年、ビデオカメラ、テレビジョン、コ
ンピュータグラフィクス等の画像記録において、モノカ
ラーの記録は勿論のこと、ハードコピーのカラー化に対
するニーズが高まっている。
【0003】これに対応して、昇華型熱転写方式、溶融
熱転写方式、インクジェット方式、電子写真方式、熱現
像銀塩方式等のカラーハードコピー方式が提案されてい
る。これらの中で、高画質の画像を簡単な装置で容易に
出力する方式としては、染料拡散熱転写方式(昇華型熱
転写方式)とインクジェット方式とに大きく分類でき
る。
【0004】これらの記録方式の中で、染料拡散熱転写
方式によれば、適当なバインダ樹脂中に高濃度の転写染
料(以下、記録材又はインクと称することがある。)が
分散してなるインク層が塗布されたインクシートと、転
写された染料を受容する染着樹脂がコーティングされた
印画紙等の被転写体とを一定の圧力で密着させ、インク
シート上に位置する感熱記録ヘッドから画像情報に応じ
た熱を加え、この加熱に応じてインクシートから染料受
容層に転写染料を熱転写させている。
【0005】上記の操作を例えば、減法混色の三原色で
あるイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)に
分解された画像信号についてそれぞれ繰り返すことによ
ってフルカラー画像を得るようにした染料拡散熱転写方
式は、即時性を備え、銀塩カラー写真並の高品位な画像
を得る優れた技術として注目を集めている。
【0006】図22は、こうした染料拡散熱転写方式プ
リンタの要部の概略正面図である。このプリンタによれ
ば、感熱記録ヘッド(以下、サーマルヘッドと称す
る。)70とプラテンローラ77とが対向し、これらの
間に、ベースフィルム71上にインク層73を設けたイ
ンクシート72と、紙76上に染料樹脂層(染料受容
層)74を設けた被記録紙(被転写体)75とが挟着さ
れた状態で、プラテンローラ77によってサーマルヘッ
ド70に押し付けられて走行する。
【0007】そして、サーマルヘッド70によって選択
的に加熱されたインク層73中のインクが、被記録紙7
5の染料樹脂層74にドット状に転写され、熱転写記録
が遂行される。また、このような熱転写記録には、一般
に、長手状のサーマルヘッドを被記録紙の走行方向に直
交させ固定して配したライン方式や、サーマルヘッドを
被記録紙の走行方向に直交する方向に往復動させるシリ
アル方式が採用されている。
【0008】しかしながら、この染料拡散熱転写方式
は、インクシートの使い捨てに起因する多量の廃棄物の
発生と、高いランニングコストが大きな欠点であり、そ
の普及が妨げられている。これは、溶融熱転写方式でも
同様である。その上、フルカラーの記録にあっては、被
記録紙に一旦付着した特定色のインクが他の色のインク
シートに逆転写されることがあり、混色を起こして濁っ
た画像になるという記録結果が得られるおそれがある。
【0009】また、熱現像銀塩方式も高画質であるが、
やはり専用印画紙と使い捨てのリボン又はシートを使用
するために、ランニングコストが高く、装置コストも高
い。
【0010】一方、インクジェット方式は、特公昭61
−59911号公報や特公平5−217号公報等に示さ
れるように、画像情報に応じて、静電引力方式、連続振
動発生方式(ピエゾ方式)、サーマル方式(バブルジェ
ット方式)等の方法で、記録液の小滴を記録ヘッドに設
けられたノズルから飛翔させ、被記録紙に付着せしめ、
記録を行うものである。
【0011】従って、普通紙を用いた転写が可能であ
り、インクリボンを使用する場合のような廃棄物の発生
がほとんどなく、ランニングコストは低い。最近では、
特にサーマル方式が簡易にカラー画像を出力できること
から、普及が拡大している。
【0012】しかしながら、インクジェット方式は、画
素内の濃度階調が原理的に困難であり、染料拡散熱転写
方式で得られるような銀塩写真に匹敵する高画質な画像
を短時間で再現することは困難である。即ち、従来のイ
ンクジェット記録では、インクの1液滴が1画素を形成
するので、原理的に画素内階調が困難であり、高画質の
画像形成ができない。インクジェット方式を利用して、
デイザ法による疑似階調の表現も試みられているが、昇
華型熱転写方式と同等の画質は得られず、さらに転写速
度は著しく低下している。
【0013】他方、電子写真方式は、ランニングコスト
が低く、転写速度も高いが、装置コストが高い。
【0014】上述したように、高画質(高解像度)、低
ランニングコスト、低装置コスト、短い転写時間等の要
求を全て満たす記録方法は存在していなかった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本出願人は、上記の問
題点を解消した記録方法及び記録装置を、特開平7−8
9107号公報において提案している。この先願発明
は、加熱源(例えば半導体レーザ)により生ずる熱を記
録材に付与してこの記録材を加熱するのに用いられ、か
つ、この記録材を支持する熱媒体(例えばカーボン微粒
子とバインダとからなる或いはニッケル−コバルト合金
薄膜からなる光熱変換体)を有し、前記記録材と被転写
体との間隙を1〜200μmに保持し、前記熱媒体を介
して前記記録材を加熱することにより、前記記録材を気
化又は昇華させて前記被転写体に移行させ、所定画像を
得るものである(染料気化型熱転写方式)。
【0016】即ち、先願発明による熱転写記録方式で
は、具体的には、プリンタの記録材加熱部に記録材を保
持する多孔質構造を形成し、この多孔質構造により加熱
部(転写部)の表面積を増加させて記録材を毛管現象に
より記録材加熱部へと常時供給し、かつそこに保持する
ことができ、この状態で加熱手段(例えばレーザー光)
により記録情報に応じた熱量を選択的に加えることによ
って記録材の一部を蒸発(気化又はアブレーション)さ
せ、カラービデオカメラ等で作成された電気的な画像に
対応した記録情報に応じた量の記録材を微小な蒸気又は
液滴にして、印画紙等の被転写体へ移行させ、この被記
録体上に転写することができる。
【0017】従って、上述した公知のインクジェット方
式と比較して、小さいサイズの液滴を多数形成でき、か
つ記録材加熱部への記録情報に対応した加熱エネルギー
に応じて液滴の生成数を自由に制御することができるの
で、多値濃度階調が可能になり、銀塩方式の画像と同等
若しくはそれ以上の画質を持つ記録(特にフルカラー画
像)を得ることができる。
【0018】また、本出願人は、上記の先願発明に基づ
く熱転写方式における利点を活かしつつ、更に改良を加
えた記録装置を、特開平9−183239号公報におい
て提案している。
【0019】図23に、この先願発明による記録装置の
転写部付近の要部の拡大断面図を示す。このプリンタヘ
ッド61においては、ヒートシンクを兼ねたアルミニウ
ム製のヘッドベース(アルミベース)4に、シリコン基
板上のヒータ、このヒータに導通する電極等(図示省
略)を有する基板5が設けられている。さらに、この基
板5の転写部60には、毛管現象によってインク2を保
持する柱状体33が形成されており、インクタンク8に
保持されたインク2が、転写部60に常時供給されるよ
う構成されている。
【0020】即ち、図示の如く、プリンタヘッド61の
先端部41にはインク2を飛翔させる転写部60が形成
され、共通のインク供給路から分岐路を経由して供給さ
れるインク2が、毛細管現象によって転写部60に設け
られた複数の柱状体(小柱体群)33からなるインク収
容部へ吸引保持され、図示省略したヒータで加熱されて
気化し、気化部中心に沿って飛翔して、テーブル7上に
配された印画紙3へ転写される。
【0021】このプリンタヘッド61は、アルミベース
4に設けられた基板5の一方端と印画紙3との間のギャ
ップを所定間隔に保つために、印画紙3に対して所定の
角度(例えば14°)を保っており、インク2の転写部
60と印画紙3との間のギャップ長が例えば200μm
以下の間隙で(即ち、非接触で)一定に保たれている。
そして、印字の際は、プリンタヘッド61を図中矢印S
方向へ走査し、また印字後はもとの位置へ戻る(矢印
S’)。この間に1行分が紙面に対して垂直方向に紙送
りされ、再び図中矢印S方向へ走査して次行の印字がな
され、このような動作が繰り返される(シリアル型プリ
ンタヘッド)。
【0022】この先願発明は、プリンタヘッド61が印
画紙3に対して所定角度を保つように傾斜しており、こ
れによってインク転写部60と印画紙3とを所定の間隙
に保ち、飛翔するインクの転写効率が高められるという
優れた特徴を有している。
【0023】また、この先願発明によるプリンタ〔以
下、ダイジェットプリンタ(DJP)と称することがあ
る。〕は、転写部60に配されたヒータ(図示省略)に
よる加熱によってインク2が気化やアブレーション(溶
発)し、空気中で凝集、結合しながら印画紙等の被転写
体に付着して発色するものであり、転写感度が良いと共
に転写速度が大きく、多値濃度階調が可能な優れたプリ
ンタである。
【0024】ここで、このような染料気化型熱転写方式
(ダイジェット方式)において、転写部60と印画紙3
との間には、インク2が飛翔するための所定のギャップ
長が必要である。
【0025】そのために、例えば図23において図中矢
印S方向にプリンタヘッド61を走査するに際し、転写
部60と印画紙3との間で空気が流れ易くなり、図中矢
印A方向に流れる空気によって、転写部60から気化し
たインク2が、一点鎖線2’に示す如く、所望の転写位
置とは異なる位置に付着、転写することがある。特に、
気化直後のインク滴やアブレーション直後のインク滴は
その飛翔速度が大きく空気の流れ(即ち、気流又は風)
の影響を受けにくいが、印画紙3に付着する直前ではあ
る程度失速するので、風の影響を受け易くなる。また、
転写部60から飛翔したインク2が図中矢印A方向へ流
れる空気の影響を受けて拡散してしまい、所望の転写濃
度とは異なる濃度で転写されることがある。
【0026】本発明は、上述した実情に鑑みてなされた
ものであり、その目的は、転写部から飛翔する記録材を
効率良く被転写体に導いて良好な記録を行う記録方法、
及び、この記録方法を実施する際に使用できる記録装置
を提供することにある。
【0027】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、転写部
に保持された記録材を飛翔させて前記転写部に対向して
配される被転写体に転写するに際し、前記転写部と前記
被転写体との間に、前記転写部から飛翔した前記記録材
を前記被転写体へ引き付けるように電界を印加する記録
方法(以下、本発明の記録方法と称する。)に係るもの
である。
【0028】本発明の記録方法によれば、転写部に保持
された記録材(又はインク)を飛翔せしめ、前記転写部
に対向して配される印画紙等の被転写体に所定画像を転
写するに際し、前記転写部と前記被転写体との間に、前
記転写部から飛翔した前記記録材を前記被転写体へ引き
付けるように電界を印加するので、前記記録材が帯電
し、前記電界によって効率良く前記被転写体に引き付け
られ、従って、良好な転写、記録が行われる。
【0029】また、本発明は、本発明の記録方法を再現
性良く実施する装置として、転写部に保持された記録材
を飛翔させて前記転写部に対向して配される被転写体に
転写するように構成された記録装置において、前記転写
部と前記被転写体との間に、前記転写部から飛翔した前
記記録材を前記被転写体へ引き付けるような電界を印加
するための電界印加手段が設けられていることを特徴と
する記録装置(以下、本発明の記録装置と称する。)を
提供するものである。
【0030】なお、本発明の記録装置において、前記電
界印加手段は、前記転写部から飛翔した前記記録材を前
記被転写体へ引き付けるような電界を、前記記録材の飛
翔する領域に印加する手段であって、この電界印加手段
による電界よって前記記録材が帯電し、前記被転写体に
効率良く引き付けられる。前記電界印加手段は、例え
ば、前記記録材の飛翔する領域を挟んで対向配置した2
つの電極と、これらの電極に所定の電圧を印加するため
の電源とからなるものであってよく、また、前記2つの
電極のうち一方の電極は、前記転写部が形成される基体
(導電性基体)であってよい。また、所定形状のコイル
等を設けてインクの飛翔領域に前記電界を生ぜしめるこ
とも可能である。
【0031】
【発明の実施の形態】本発明の記録方法及び記録装置に
おいては、前記転写部と前記被転写体との間に絶対値で
100ボルト以上の直流電界(直流バイアス)を印加す
ることが望ましい。さらには、絶対値で100ボルト以
上、7キロボルト以下の直流電界を印加することが望ま
しい。
【0032】即ち、絶対値で100ボルト以上の直流電
界を印加することによって前記記録材を帯電させ、前記
記録材に一定の方向性を持たせて効率良く前記被転写体
に導くことができるが、特に、絶対値で100ボルト以
上、7キロボルト以下の直流電界を印加することによっ
て、前記記録材を前記被転写体にさらに良好に導き、転
写感度や解像度の向上が期待できる。
【0033】前記転写部から飛翔した前記記録材を前記
被転写体へ引き付ける前記直流電界の印加方法として
は、特に、前記転写部側にゼロ又は負の直流電圧を印加
し、前記被転写体側に正の直流電圧を印加することが望
ましい。
【0034】即ち、一般に、前記記録材は負の電位に帯
電し易いものが多く、前記被転写体側を正の電位とする
ことによって、より多種類の前記記録材を効率良く前記
被転写体に導くことができる。なお、前記転写部側の電
圧(電位)をゼロにするためには、前記転写部が設けら
れる導電性基体や、前記転写部側の電極をアースすれば
よい。
【0035】また、本発明の記録方法及び記録装置にお
いては、前記転写部と前記被転写体との間隙(ギャップ
長)を300μm以下としても、効率良く前記記録材を
前記被転写体に導くことができる。前記間隙は200μ
m以下がさらに望ましい。
【0036】即ち、本発明の特徴的構成に従って、前記
記録材に一定の方向性を付与し、これを前記被転写体に
効率よく導くことができるので、ギャップ長を大きくと
れ、これを作製するための組み立て精度が緩くなる。ま
た、プリンタヘッドと印画紙との擦れによる転写部への
ゴミ類の付着を防止できる。
【0037】また、前記電界は、前記転写部が形成され
ている導電性支持体(例えばアルミベースやシリコン基
板等)と、前記被転写体が配されている導電性支持体
(例えば導電性テーブル、導電性プラテン、電極付きテ
ーブル等)との間に所定の電圧を印加することによって
生じさせることができる。
【0038】特に、本発明によれば、前記電界によって
生じる静電気により、前記被転写体(特に印画紙)が、
これを支持する基体上に張り付き易くなって印画紙の浮
きが低減され、ギャップ長の安定化によって良好な転写
が行われる。
【0039】本発明の記録方法及び記録装置において
は、前記転写部の記録材飛翔部と前記被転写体とを所定
の間隙で対向させながら前記転写部を前記被転写体に対
して相対的に移動させ、この移動中に前記転写を行うこ
とができる。
【0040】このように、前記転写部と前記被転写体と
を相対的に移動させると、転写部と被転写体との間に空
気の流れ(気流)が発生し、飛翔する記録材が拡散し易
いが、本発明によれば、このような場合でも効率的に前
記記録材を前記被転写体に導くことができる。
【0041】また、本発明の記録方法及び記録装置にお
いては、前記記録材を加熱手段による加熱によって飛翔
させることが望ましい。即ち、本発明は、上述した如き
染料気化型熱転写方式に適用することが望ましい。
【0042】この気化型熱転写方式プリンタ(ダイジェ
ットプリンタ)では、インクジェット方式等に比較して
飛翔する記録材のサイズが小さいために前記電界によっ
て静電気力を大きく受ける。従って、特に、前記被転写
体の配される円筒形又はフラットなプラテンと前記転写
部との間に所定の直流電圧を印加することによって、イ
ンクの転写効率を向上でき、これによって解像度の向
上、転写濃度の向上、転写部と被転写体とのギャップ長
の拡大などが達成される。但し、本発明は、この方式に
限定されるものではなく、例えばインクジェット方式等
の如く、記録材の飛翔を利用した記録方法(記録装置)
にも適用できる。
【0043】また、本発明は、前記加熱によって前記記
録材表面に表面張力勾配又は/界面張力勾配を生ぜし
め、これに起因する記録材の流動(マランゴニ流又は表
面張力対流)を駆動力として前記記録材を飛翔させる方
法に適用することもできる。特にこの場合、前記記録材
の流動を駆動力として、直径2μm以上(特に5〜6μ
m)の微小液滴を含むミストが飛翔するが、このような
サイズの微小液滴は帯電し易く、本発明の特徴的構成に
基づいて効率良く前記被転写体に導かれる。
【0044】なお、表面張力勾配、界面張力勾配による
流動を駆動力として記録材を飛翔させる方法は、本出願
人による特願平10−89030号(出願日:平成10
年4月1日)に詳述してあるように、抵抗加熱やレーザ
光加熱による周期的な加熱によって記録材表面に表面張
力勾配や界面張力勾配を生ぜしめ、これに起因する記録
材の流動を駆動力として記録材を飛翔させる方法であ
る。
【0045】この方法は、気化又は溶発のみによって記
録材を飛翔させる方法に比べて、比較的大きなミストと
して記録材を飛翔させることができ、転写感度や転写速
度に優れた方法である。また、気化又は溶発のみによっ
て記録材を飛翔させる方法に比べて、加熱のために供給
するエネルギーが少なくて済み、さらに、記録材中の不
揮発性不純物による焦げつきを防止し、転写部と被転写
体とのギャップ長を広くしてゴミ類の付着を抑制できる
といった種々の利点を有する優れた記録方法である。
【0046】また、本発明の記録方法及び記録装置にお
いて、前記転写部には、毛管現象によって前記記録材を
保持する記録材保持構造体(微小な凹凸構造体、柱状体
群)が設けられていることが望ましい。例えば、前記柱
状体群は、高さ1μm〜50μm、幅1μm〜10μ
m、中心間距離2μm〜40μmの少なくとも4本以上
の柱状体であってよい。
【0047】本発明における前記記録材は、主として染
料(色素)と溶剤とからなるものである。ここで、染料
(色素)としては、公知の種々の染料を使用することが
できるが、溶媒に対する十分な溶解性を有し、かつ、印
画紙上での必要十分な保存安定性を有していることが望
ましい。特に、空気中で200℃、1時間加熱したとき
の熱分解物の割合が100ppm以下であることが望ま
しい。特に望ましいのは、分散染料、油溶性染料と称さ
れる極性の低い油溶性の染料である。これらの染料は、
気化残滓の低減と熱分解物の転写部への付着を防止する
ため、昇華精製法、再結晶法、ゾーンメルティング法、
カラム精製法など、何らかの手段で精製してから用いる
ことが望ましい。
【0048】また、溶媒は、前記染料と同様に、空気中
で200℃、1時間加熱したときの熱分解物の割合が1
00ppm以下であることが望ましく、さらに、融点が
50℃未満、沸点が250℃以上であって、前記染料に
対する相溶性が高く、100℃における粘性率が100
cp以下、人体に対する毒性が低い、無色である、など
の要件を満たす溶媒であることが望ましい。具体的に
は、フタル酸エステル類、セバシン酸エステル類、リン
酸エステル類などや、一般にプラスチック用可塑剤と称
される有機化合物類、さらには、エチルナフタレン、プ
ロピルナフタレン、ヘキシルナフタレン、オクチルベン
ゼン等の芳香族とアルキル鎖とが組合わさった有機化合
物類などが望ましい。
【0049】また、記録材(インク)は、50℃以下
で、前記の染料を5重量%以上、望ましくは10重量%
以上、さらに望ましくは20重量%以上、前記の溶剤に
対して混合したインクであることが望ましい。この時、
前記溶剤に対する前記染料の溶解度を上げるために、2
種類以上の染料を混合して使用してもよい。同様に、溶
媒についても2種類以上の溶媒を混合して用いてもよ
い。さらに、インクの物性値を調節するために、必要に
応じて界面活性剤、粘度調整剤などの適当な添加剤を添
加してもよい。
【0050】次に、本発明の望ましい実施の形態例を図
面を参照に説明する。
【0051】まず、図1に本実施の形態に基づくプリン
タヘッドにおける転写部付近の要部概略断面図を示す。
【0052】本実施の形態によるプリンタヘッド12に
おいては、ヒートシンクを兼ねたアルミニウム製のヘッ
ドベース(アルミベース)4に、シリコン基板上のヒー
タ、このヒータに導通する電極等(図示省略)を有する
基板5が設けられており、この基板5に、インク2を飛
翔させる転写部1が設けられている。さらに、この基板
5の転写部1には、毛管現象によってインク2を保持す
る柱状体33が形成されており、インクタンク8に保持
されたインク2が、転写部1に常時供給されるよう構成
されている。
【0053】即ち、図示の如く、プリンタヘッド12の
先端部41にはインク2を飛翔せしめる転写部1が形成
され、図示しない共通のインク供給路から分岐路を経由
して供給されるインク2が、毛細管現象によって転写部
1に設けられた小柱体群33からなるインク収容部へ吸
引保持され、図示省略したヒータで加熱されて気化部中
心に沿って飛翔して、テーブル7上に配された印画紙3
へ転写される。
【0054】また、このプリンタヘッド12は、アルミ
ベース4に設けられた基板5の一方端41を印画紙3と
所定の間隔を保持させ、かつ、印画紙3に対して所定の
角度(例えば14°)を保つことにより、インク転写部
12と印画紙3との間隙が例えば300μm以下(さら
には200μm以下)の間隙に一定に保たれている。そ
して、このプリンタヘッドをシリアル型プリンタに適用
する場合は、印字の際は図中矢印S方向へ走査し、印字
後はまたもとの位置へ戻る(図中矢印S’方向)。さら
にこの間に、プリンタヘッドの走査方向とは垂直方向に
所定分だけ紙送りされ、再び図中矢印S方向へ走査して
次行の印字がなされ、このような動作が繰り返される。
【0055】但し、このプリンタヘッド12において
は、本発明の特徴的構成に基づいて、そのアルミベース
4が直流電源10に導通されており、また、テーブル7
の下側には、同じく直流電源10に導通する平板電極6
が設けられている。従って、直流電源10から、印画紙
3が配される導電性支持体としての電極6と、転写部1
が形成される導電性支持体としてのアルミベース4との
間に、例えば絶対値で100ボルト以上(特に100ボ
ルト以上、7キロボルト以下)の直流電圧(直流バイア
ス)が印加されると、インク2の飛翔領域に、インク2
が印画紙3に引き付けられるような電界が生ぜしめられ
る。また、アルミベース4に設けられている基体5は主
としてシリコン基板から構成されているので、アルミベ
ース4に印加される電圧は、実質的に基板5に印加され
る電圧と同等である。
【0056】なお、ここでは、電極6に正の電位を付与
して印画紙3側を正電位とし、アルミベース4を接地部
11にアースすることにより転写部1側をゼロ電位とし
ているので、転写部1から飛翔するインク2は負に帯電
している。
【0057】従って、転写部1において気化やアブレー
ション、さらには前記表面張力対流によって飛翔したイ
ンク(インク滴又はインクミスト)2に静電気力が働
き、印画紙3方向への方向性が付与されて、空気の流れ
(風)等に影響されず、あまり拡散せずに、印画紙3に
効率良く到達する。
【0058】次に、図2〜図7を参照に、本実施の形態
に基づくプリンタヘッドを種々のプリンタに適用した変
形例を説明する。
【0059】まず、図2及び図4を参照に、本実施の形
態によるプリンタヘッドをシリアル型プリンタに適用し
た例を説明する。
【0060】図2及び図4に示すシリアル型プリンタ
は、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)そ
れぞれのインクを収容したインク貯留槽(但し、このイ
ンク貯留槽は、前述のインクタンク8とは異なるもので
あってよい。以下、同様)8aを備えたプリンタヘッド
(ヘッドユニット)12aを配したものであり、各プリ
ンタヘッドY、M及びCは、フレキシブルハーネスを介
してヘッド駆動回路基板(図示省略)に接続されてい
る。なお、黒色(K)のインクを収容したインク貯留槽
を備えたプリンタヘッドをさらに備えてもよい。
【0061】このシリアル型プリンタには、縦方向(図
中X方向)に印画紙3を搬送する回転自在の紙送りロー
ラー17と、X方向と直交する方向(図中Y方向)にプ
リンタヘッド12aをスキャンするためのヘッド送り軸
(ガイド)15が設けられ、ヘッド送り軸15は、画像
情報に応じてモータ(図示省略)により自在に摺動し、
可動部16を介してプリンタヘッド12aを所定速度で
スキャンできるように構成されている。そして、これら
の縦方向の紙送りと横方向のヘッドスキャンを交互に行
うように構成されている。但し、紙送りローラー17
は、ピンチローラー17aとキャプスタン17bとによ
って構成されている。
【0062】また、プリンタヘッド12aには、それぞ
れ例えば256個のヒータが設けられているので、1回
のスキャンで256ライン分の印画を行う性能を有して
いる。しかも、1回のスキャンが終了した時点で、紙送
りローラー17でプラテン13上の印画紙3を256ラ
イン分送り、各色のプリンタヘッドY、M及びCが印画
紙3上の所定の位置から印画を開始するように、1色毎
に順次タイミングを変えて印画を開始できるので、1回
のスキャンでカラー画像(又はモノカラー画像)を印画
することができる。
【0063】なお、本発明の特徴的構成に従い、このシ
リアル型プリンタにおいては、図2に示すように、印画
紙3が配されるプラテン13を導電性材料で構成し、各
プリンタヘッド12aのアルミベース部分と、この導電
性プラテン13とを直流電源10を介して接続し、この
直流電源10からプラテン13と前記アルミベースとに
前記の所定の電圧を印加することによって、転写部から
の飛翔するインクの飛翔領域に、前記インクを印画紙3
へ引き付けるような前記電界を生ぜしめることが可能で
ある。
【0064】または、図4に示すように、導電性プラテ
ン13の代わりに、テーブル7に付設した平板電極6を
用い、この平板電極6と各プリンタヘッド12aのアル
ミベース部分とを直流電源を介して接続してもよい(但
し、この場合の電源及び配線は不図示)。或いは、図4
に仮想線で示すように、ヘッドユニット12aに関して
平板電極6とは反対側に平板電極20を設け、これらの
各電極間に直流電源10から前記の所定の電圧を印加す
ることもできる。
【0065】次に、図3及び図5を参照に、本実施の形
態によるプリンタヘッドをライン型プリンタに適用した
例を説明する。
【0066】図3及び図5に示すように、印画紙3の幅
に対応する長さのプリンタヘッド12bを各色毎にX方
向に縦列に配し、このプリンタヘッド12bに同じくY
(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)の3色の
インクをそれぞれ収容したインク貯留槽8bを具備して
いる。なお、黒色のインクを収容したインク貯留槽を備
えたプリンタヘッドをさらに備えてもよい。
【0067】従って、このプリンタヘッド12bに対向
配置され、このプリンタヘッド12bとプラテン13と
の間に挟まれた印画紙3に対してプリンタヘッド12b
によって印画が行われ、所定の印画後に印画紙3は紙送
りローラ17により図中矢印X方向へ移動しながら逐次
印画が行われる。但し、前述したシリアル型プリンタと
同様に、紙送りローラー17は、ピンチローラー17a
とキャプスタン17bとによって構成されている。
【0068】なお、このライン型プリンタにおいても、
本発明の特徴的構成に従って、上述したシリアル型プリ
ンタと同様に、印画紙3が配されるプラテン13を導電
性物質で構成し、各プリンタヘッド12bのアルミベー
ス部分と、このプラテン13とを直流電源10を介して
接続している(但し、図5では電源及び配線は不図
示)。つまり、この直流電源10から前記の所定電圧を
印加することによって、転写部から飛翔するインクの飛
翔領域に、前記インクを印画紙3へ引き付けるような電
界を生ぜしめることができる。また、この場合も、前述
したシリアル型プリンタと同様に、ヘッドユニット12
bに関して、導電性プラテン13とは反対側に平板電極
を設け、これらの各電極間に直流電源10から前記の所
定の電圧を印加することもできる。
【0069】次に、図6を参照に、本実施の形態による
プリンタヘッドを、ドラムに印画紙を巻き付けるタイプ
のシリアル型プリンタに適用した例を説明する。
【0070】図6に示すシリアル型プリンタは、基本的
に図2及び図4に示したプリンタと同様の構成である。
つまり、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン
(C)〔さらには黒色(K)〕それぞれのインクを収容
したインク貯留槽を備えたプリンタヘッド(ヘッドユニ
ット)23を、図示の如く回転可能なドラム24の円周
に沿って配置したものである。
【0071】このシリアル型プリンタにおいて、印画紙
3は回転自在のドラム24に巻き付けられており、ま
た、図中Y方向にプリンタヘッド23をスキャンするた
めのヘッド送り軸(ガイド)15が設けられ、ヘッド送
り軸15は、画像情報に応じてモータ(図示省略)によ
り自在に摺動し、可動部22を介してプリンタヘッド2
3を所定速度でスキャンできるように構成されている。
そして、これらの図中矢印A方向への紙送りと横方向
(Y方向)のヘッドスキャンとを交互に行うように構成
されている。
【0072】また、プリンタヘッド23には、それぞれ
例えば256個のヒータが設けられているので、1回の
スキャンで256ライン分の印画を行う性能を有してい
る。しかも、1回のスキャンが終了した時点で、ドラム
24上の印画紙3を256ライン分送り、各色のプリン
タヘッドY、M及びCが印画紙3上の所定の位置から印
画を開始するように、1色毎に順次タイミングを変えて
印画を開始できるので、1回のスキャンでカラー画像
(又はモノカラー画像)を印画ができる。
【0073】なお、図示省略したが、本発明の特徴的構
成に従って、このシリアル型プリンタにおいては、印画
紙3を搬送するドラム24を導電性材料で構成し、各プ
リンタヘッド23のアルミベース部分と、この導電性ド
ラム24とを直流電源を介して接続し、この直流電源か
らドラム24と前記アルミベースとに前記の所定の電圧
を印加することによって、転写部から飛翔したインクの
飛翔領域に前記インクを印画紙3へ引き付けるような前
記電界を生ぜしめることができる。
【0074】次に、図7を参照に、本実施の形態による
プリンタヘッドを、ドラムに印画紙を巻き付けるタイプ
のライン型プリンタに適用した例を説明する。
【0075】図7に示すライン型プリンタは、基本的に
は、図2及び図4に示したプリンタと同様の構成であ
る。つまり、印画紙3の幅に対応する長さのプリンタヘ
ッド23を各色毎に回転可能なドラム24の周囲に配
し、このプリンタヘッド23に同じくY(イエロー)、
M(マゼンタ)、C(シアン)の3色のインクをそれぞ
れ収容したインク貯留槽を具備している。なお、前述と
同様に、黒色(K)のインクを収容したインク貯留槽を
備えたプリンタヘッドをさらに備えてもよい。
【0076】従って、このプリンタヘッド23に対向配
置され、このプリンタヘッド23とドラム24との間の
印画紙3に対してプリンタヘッド23によって印画が行
われ、所定の印画後に印画紙3はドラム24により順次
搬送されながら逐次印画が行われる。
【0077】なお、図示省略したが、このライン型プリ
ンタにおいては、印画紙3を搬送するドラム24を導電
性材料で構成し、各プリンタヘッド23のアルミベース
部分と、この導電性ドラム24とを直流電源を介して接
続し、この直流電源からドラム24と前記アルミベース
とに前記の所定電圧を印加することによって、転写部か
ら飛翔したインクの飛翔領域に、印画紙3へインクを引
き付けるような前記電界を生ぜしめることができる。
【0078】このように、本実施の形態によるプリンタ
ヘッドによれば、転写部から飛翔したインクの飛翔領域
に、このインクを印画紙へ引き付けるような電界を印加
するので、インク滴が帯電して飛翔し易くなる。また、
インクに被転写体方向への方向性が付与されるので、転
写部と印画紙との間のギャップ長を大きく取ることがで
き、プリンタヘッドの組み立て精度が緩くなると共に印
画紙等との摺動によって生じる転写部へのゴミ類の付着
が抑制される。従って、転写濃度や解像度が向上し、ま
た、人体に悪影響を及ぼすことがあるインクが空気中に
漏れにくくなる。さらに、静電気によって被転写体がテ
ーブル(又はプラテン等)にはり付き易くなり、印画紙
等の浮きが低減して良好な画像転写が実施されるなど、
種々の利点を有することになる。
【0079】次に、図8〜図10を参照して、本実施の
形態に基づくプリンタヘッドにおける転写部付近の構造
を説明する。なお、図9は、図8のIX−IX線断面図、図
10は、図8のX−X線断面図である。
【0080】転写部1は、隔壁34により互いに隔てら
れており、隔壁34に囲まれて凹状に形成されたインク
収容部(即ち転写部)にインクが収容される。また、ヒ
ータ30上及びその周囲には、例えばSiO2 によって
直径が2μm、間隔が2μm、高さが6μmの微細な角
柱状の柱状体33が9×9本の群をなして転写部1の構
成要素の一つとして設けられている。
【0081】この柱状体33の高さは、転写部1の底面
からその上面までの高さ、即ち、各ヒータ30との転写
部1を取り囲む隔壁34の高さと同じ高さとなるように
設けられており、しかも、各柱状体33はその群によっ
て多孔質構造を形成するように互いに微小間隙をもって
設けられている。従って、この柱状体群33による多孔
質構造が毛管作用を生ぜしめ、そのため各柱状体33は
インク収容部内でインクを良好に保持することができ
る。
【0082】それと共に、ヒータ30でインクを加熱し
た場合、温度上昇に伴ってヒータ30直上のインクの表
面張力が低下するが、柱状体33による毛管作用によっ
てインクがヒータ30の表面付近から逃げることが防止
される。また、前記表面張力対流(マランゴニ流)によ
る流動を駆動力としてインクを飛翔させる場合は、イン
クの流動波とこれらの柱状体33との衝突によって、効
率良くインクが飛翔することになる。また、この転写部
1には、隔壁34と同一高さに補助壁35が設けられて
おり、必要なインクが転写部に連続的に供給するように
形成されている。
【0083】また、この転写部1を有する基板材料とし
ては、放熱特性が優れている(熱伝導率が高い)シリコ
ン基板36が用いられ、この上に熱酸化法或いはCVD
(化学的気相成長法:Chemical Vapor Deposition )等
によって、例えば厚さ1〜2μm程度のSiO2 層37
が成膜されており、このSiO2 層37はヒーター30
の蓄熱層として機能する。
【0084】SiO2 層37上には、減圧CVD法等に
よって抵抗体(発熱体)となるポリシリコン(poly-Si
)層38が例えば厚さ0.4μm程度に設けられてお
り、このポリシリコン層38は、リンをドープすること
によってシート抵抗が例えば4kΩ程度になるように成
膜されている。
【0085】そして、ポリシリコン層38上には、例え
ばチタンを若干ドープしたアルミニウム層がスパッタ法
によって厚さ0.7μm程度に設けられており、このア
ルミニウム層がフォトリソグラフィー及びエッチング等
の所定の処理によって、ヒータ30に所定の駆動電圧を
通電するための個別電極31及び共通電極32として加
工される。なお、この層はアルミニウム以外にも、金、
銅、白金等の金属を使用できる。
【0086】そして、前記アルミニウムからなる個別電
極31及び共通電極32上には、図示省略するが、保護
膜としてのSiO2 層が例えばCVD法によって0.5
μm程度の厚さに設けられ、更に、この上にSiO2
39が例えばCVD法によって6μm程度の厚さに設け
られており、このSiO2 層39の一部分が、それぞれ
柱状体33、隔壁34及び補助壁35に形成される。
【0087】以上、図9及び図10についての層構成を
概略的に述べたが、これらの層によって図示したような
形状になるには、この製造工程において、それぞれの層
の成膜後に所定の加工工程を経て、一部分が除去される
などしてこの転写部1を形成できる。
【0088】なお、本実施の形態によるプリンタヘッド
には、このような構造の転写部が例えば256個設けら
れており、それぞれの転写部1におけるヒータ30は個
別電極31及び共通電極32間での通電で昇温し、転写
部1内の図示省略したインクを加熱し、そして、各ヒー
タ30は、画像情報に応じた信号が個別電極31から印
加されることによって作動するように構成されている。
【0089】次に、図11〜図14を参照に、本実施の
形態に基づくプリンタヘッドの概略構成を説明する。
【0090】なお、図11は、本実施の形態によるプリ
ンタヘッドのカバーを取り外した状態の概略下面図、図
12は、同プリンタヘッドの概略下面図、図13は、同
プリンタヘッドの下方側から見た概略斜視図、図14
は、同プリンタヘッドの概略断面図をそれぞれ示す。
【0091】これらの図に示すように、プリンタヘッド
12は、ヒートシンクを兼ねた例えばアルミニウム(A
l)製のヘッドベース4を有している。このヘッドベー
ス4の下面先端部寄りの部分には、前述したシリコン基
板上に形成したヒータチップ(ヘッドチップ)47が、
例えばシリコーン系の接着剤により接着されている。ま
た、図14に一点鎖線Cで示す位置は、前述の各転写部
におけるインクの飛翔中心である。なお、このヒータチ
ップ47とアルミベース4との接着部には、ヒータチッ
プ47が均一に接着されるようにヘッドベース4表面に
溝42が設けられ、ヒータチップ47を接着する際の余
分な接着剤が、この溝42に逃げるようになっている。
【0092】ヘッドベース4には、また、発熱駆動用の
ドライバIC49等を搭載したプリント基板45が、や
はり、例えばシリコーン系の接着剤により接着されてい
る。図11に示すように、このヘッドベース4のプリン
ト基板45の取付け部は、プリント基板45の厚さ分だ
け低い凹所に形成され、その凹所にプリント基板45を
取り付けた時に、そのプリント基板45上に実装されて
いるドライバIC49を含む高さが、そのプリント基板
45に並行して取り付けられているヒータチップ47の
上面とほぼ同じ高さとなるように構成されている。
【0093】また、ヒータチップ47上の電極パターン
とドライバIC43との接続部、及び、ドライバIC4
9とプリント基板45上の配線パターンとの接続部に
は、それぞれの接続部における、図示省略した、例えば
接続用のボンディングワイヤを保護するために、例え
ば、シリコーン系のコーティング材ジャンクションコー
トレジン(JCR:Junction Coating Resin) 48が塗
布、及び、熱硬化によって形成されている。
【0094】また、プリント基板45の一部とヒータチ
ップ47の一部を覆う領域には、カバー46が、やは
り、例えばシリコーン系の接着剤により接着されてい
る。一方、ヘッドベース4及びプリント基板45には、
それらを貫通したインク導入孔43が設けられている。
そして、例えば、図外のインク貯留槽から、図示省略し
たフレキシブルパイプ等を経て供給されたインクが、こ
のインク導入孔43を通って、カバー43内に形成され
たインクタンク8に供給され、そのインクが、更に、図
1に示すように、ヒータチップ47上に、シートレジス
トからなる隔壁とNiシート9からなる蓋材とにより構
成された多数のインク供給路を経て、ヒータチップ47
先端部の各転写部に供給される。
【0095】図示の如く、印刷時、プリンタヘッド12
は、例えば、ヒータチップ47が設けられている側のヘ
ッドベース4の先端部41を印画紙3と所定ギャップを
置いた状態で、印画紙3に対し所定角度傾斜して保持さ
れる。従って、インクの飛翔中心Cにおける転写部と印
画紙3との間隔が常に一定、例えば、50〜500μm
のギャップ長に保たれる。
【0096】この時、図12及び図13に示すように、
プリンタヘッド12に取り付けられるカバー46には、
このプリンタヘッド12と印画紙3との間の傾斜角度に
対応した傾斜面が予め設けられていて、このカバー46
が印刷の邪魔にならないように配慮されている。なお、
図12〜図13中、プリント基板45には、プリント基
板45の配線を、図外の、例えばFPC(Flexible Pri
nt Circuit) に接続するためのコネクタ用端子44が設
けられている。
【0097】次に、図15〜図18を参照に、本実施の
形態に基づくプリンタヘッドに適用できる変形例を説明
する。但し、図15〜図18において、本発明の特徴的
構成に基づく前記電界印加手段は図示省略する。
【0098】図15に示すプリンタヘッドは、図示の如
く、基本的な構成は図11〜図14に示したヘッド構成
と同様であり、ヒートシンクを兼ねたアルミニウム製の
ヘッドベース4に、画像情報に応じてヒータにより加熱
される転写部とその転写部へ毛細管作用によりインクを
導くインク導入路、及び、シリコン基板からなるヘッド
チップ31上に一体的に形成した後述するヒータ(図示
省略)を形成し、さらに、ポッティングレジンで覆われ
たドライバーICを実装し、転写する画像データに合わ
せて各ヒータに電流を供給するように配線が形成された
プリント基板45、及び、ドライバーICの保護とイン
クの供給路(インクタンク8)を兼ねたカバー46によ
り構成され、印画紙3との間隙はカバー46の側で大と
なるように傾斜している。
【0099】そして、ヘッドベース4には、インクをプ
リンタヘッド内に導入するためのインク導入孔と、ヒー
タチップ47をヘッドベース4に貼着する際にはみ出す
余分の接着剤の逃げ場となる溝が形成されており、ま
た、カバー46の内部は、ヘッドチップ47のインク導
入路にインクを供給するための共通のインク供給路(イ
ンクタンク8)となっている。また、プリント基板45
には、転写する画像データに合わせて各ヒータに電流を
供給するためのコネクタ用端子、コネクタ51が設けら
れている。
【0100】そして、プリンタヘッドにおけるインク2
の飛翔中心Cの近傍において、ヘッドベース4の両側面
であって印字エリア外の位置に、間隙規制手段としての
テフロン等からなる円形の位置決めローラー52が軸着
され、これにより、ヘッドベース2の端部と印画紙3と
を非接触にしており、かつ、印画紙3と転写部とのギャ
ップ長が常時一定に保たれる。そして、更にヘッドベー
ス4のこの端部はそのエッジ部が図示の如く面取りされ
ているが、ヘッドのエッジ部で間隙を規定するものでは
ないので加工が容易になる。従って、印画紙3との接触
も印字エリア外であって、その接触面積も極めて小さ
く、ヘッド操作が安定となり、印画紙を傷つけることも
なくなり、紙粉も発生しない。
【0101】次に、図16に示すプリンタヘッドは、基
本的に図15に示したプリンタヘッドと同様の構成であ
るが、転写部と印画紙3との間における空気の流れ
(風)の影響を抑制するために、フード53が設けられ
ている。
【0102】即ち、図示の如く、ヘッドベース4の端部
面のその幅方向全体に亘って、弾性材料からなるフード
53が設けられて、このフード53の下端部が印画紙3
に接触し、この上端側は延設されてヘッドベース4の上
面に固定されている。
【0103】次に、図17に示すプリンタヘッドは、図
16に示したプリンタヘッドに、さらにヘッドベース4
の両側に位置決めローラー52の外側を覆うように別の
フード54aが設けられ、この上部がヘッドベース4の
側面に固定され、このプリンタヘッドの走査時に、ヘッ
ドベース4と印画紙3との間に形成された間隙を通過し
ようとする気流を遮断している。
【0104】また、ヘッドベース4の両側面に設けられ
ているフード54aの下端は印画紙3に対して若干の間
隙を有していることが望ましいが、主としてプリンタヘ
ッドの走査時に発生する気流は走査方向にほぼ平行な方
向に生じるので、端部側のフード53がこの気流を遮断
する。従って、位置決めローラー52によって印画紙3
との間に一定の間隙が規定された転写部から飛翔するイ
ンクが気流の影響を受けることなく容易に印画紙3へ付
着して所定画像が転写される。
【0105】次に、図18に示すプリンタヘッドは、ヘ
ッドベース4の端部側のフード53の端部が、印画紙3
側に延長して幅広く形成され、プリンタヘッドの走査時
には、図示の如く反り、更に印画紙3との接触面の機密
性を高めると共に気流の遮断性を高めるようになってい
る。
【0106】このようなフード53の反りに対応して側
部のフード54bも一方端が延設されている。そして、
このフード53の反りは印字後戻りの際はこの反対の方
向へ反ることになるが、非常に柔らかな材料で形成され
ているので、記録面を損傷させるようなことはなく、ま
た、同時に、印画紙3の浮き上がりを防止する。
【0107】つまり、図16〜図18に示したように所
定位置にフードを付設することによって、本発明の特徴
的構成に基づいて前記電界によってインクを効率良く印
画紙に導く効果に加えて、転写部と印画紙との間に流れ
る気流を遮断でき、転写部から飛翔する記録材を効率良
く被転写体に導いて、さらに一層良好な記録を行うこと
ができるようになる。
【0108】一般に、染料気化型熱転写方式のプリンタ
ヘッド(ダイジェット方式のプリンタヘッド)は、転写
部と印画紙とが非接触であるプリンタであるが、転写部
と印画紙とのギャップ長は小さいほど、転写濃度、安定
性、解像度などが向上する。また、このギャップ長もあ
る程度の精度が保たれていないと、安定した印字が実施
できなくなる。さらに、転写部から飛翔したインク滴は
非常に小さなものなので空気の流れ等に影響され易い。
【0109】そこで、本実施の形態に示したプリンタヘ
ッドによれば、 (1)図1に示したように、インク滴が所定の電位に帯
電するので、被転写体に飛翔し易くなる。 (2)インクに方向性が付与されるので、ギャップ長を
大きく取ることができ、従って、組み立て精度が緩くな
ると共に、印画紙等との摺動によって生じる転写部への
ゴミ類の付着が抑制される。 (3)従って、解像度が向上し、特に文字の印字等に都
合がよい。 (4)飛翔するインクミスト(気化物や微小ミストを含
む)が空気中に漏れにくくなる。 (5)静電気によって被転写体がテーブル(又はプラテ
ン等)にはり付き易くなり、印画紙等の浮きが低減す
る。 (6)特に、表面張力対流を駆動力として飛翔するイン
ク(インクミスト)に対して有効である。 などの利点が挙げられる。
【0110】
【実施例】以下、本発明を実施例について説明するが、
本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0111】本実施例では、図2及び図4に示した構成
のプリンタを用いた。即ち、一個当たり256個の転写
部(サーマルヘッド)を有するヘッドチップが取り付け
られたヘッドユニット12a(Y、M及びCの3個、さ
らにKが付加されていて4個であってもよい。)を同一
のガイド15を用いて印画紙3の上をスキャンさせ、そ
の間に画像に合わせて各ヘッドがオン−オフを繰り返
し、印画紙3上に所定の画像を形成した。即ち、サーマ
ルヘッドのオン時間を256通りとすることで256階
調が得られるようになる(シリアル型プリンタ)。
【0112】また、本実施例で使用したプリンタヘッド
は、図11〜図14に示した構成のプリンタヘッドであ
り、256個の転写部幅分の画像を印画するたびにその
分だけ印画紙を送り、所望のサイズの画像を形成するこ
とができる。また、各ヘッドユニット12aは、インク
タンク8をヘッドと同じ側に取り付けているために、図
15に示すように、位置決めローラー52を用い、印画
紙との角度が14°となるように傾けて使用した。ま
た、ヘッドチップには、図示省略するが、先端部(図1
の先端部41)から100μmの内側位置に85μmの
ピッチ(300dpi相当)で256個の転写部が形成
されている。
【0113】さらに、転写部付近は、図1、図8、図9
及び図10に示したような構造の柱状体33付きの転写
部1を有するものであり、この転写部1において、個別
電極31及び共通電極32によって通電されたポリシリ
コン製のヒータ30が発熱すると、SiO2 からなる複
数の柱状体群33に保持されているインク2に熱が加え
られ、気化、溶発したインク(さらには表面張力対流を
駆動力としたインクミスト)が、対向して配置された印
画紙(被転写体又は被記録体)3に向けて吐出される。
そして、染料や発色材で形成されたインクは、印画紙に
付着すると発色し、電気信号に応じた所定画像が転写さ
れる。なお、図1におけるテーブル7には厚さ2mmの
アクリル板、電極6には厚さ1mmのステンレス板をそ
れぞれ用いた。
【0114】また、柱状体33は、インクに熱が加わっ
た時に、ヒータ30の近傍でインクの表面張力が低下
し、インクの逃げが生じるのを防ぐと同時に、表面張力
対流を駆動力としたインクミストを飛翔し易くする役割
を果たしている。
【0115】さらに、本実施例においては、図15に示
すように、ヘッドベース4の両端に位置決めローラー
(ピン)52を設けることで、転写部と印画紙との間の
ギャップ長を正確に規定している。なお、このために空
気が流れ易くなり、飛翔したインク(気化物や小ミス
ト、大ミスト:これらはインクジェット方式によるイン
ク滴に比べて非常に小さい)が気流の影響を大きく受け
るようになるが、図1に示すように、ヘッドベース4と
電極6との間に所定の電圧を印加し、インクを帯電させ
(即ち、インクミストに静電気力が作用し)、前記電界
によって一定の方向性が付与されるので、飛翔するイン
クは効率よく印画紙3に導かれる。
【0116】次に、図1に示す如き転写部構成のプリン
タヘッドを用い、転写部1に設けられたヒータと印画紙
表面までのギャップ長を変化させた時の転写能を評価し
た。その評価結果を図19〜図21に示す。なお、図1
9は、前記ギャップ長が60μm、図20は100μ
m、図21は200μmの時の転写能の測定結果であ
る。また、図19〜図21は、16階調のパターンを印
字したものである。
【0117】但し、すべての場合において、駆動パルス
電圧16.5ボルトとし、インクとして、マゼンタイン
ク(三菱化学社製SR2237:10重量%ジブチルフ
タル酸含有)を用いた。また、アルミベース4側はアー
スし、全てゼロボルト(基準電位)とした。さらに、図
19〜図21における(A)は、図1に示したテーブル
7下の電極(金属プレート)6の電位を0Vとしたも
の、(B)は電極6の電位を+7.0kVとしたもの、
(C)は電極6の電位を−5.0kVとしたものであ
る。なお、本実施例は、上述したマランゴニ流に起因し
た記録材の流動を駆動力としたものではなく、ヘッド駆
動は、デューティー比90%(1階調分=10ms)の
パルスで階調表示を行った。
【0118】その結果、図19に示すように、ギャップ
長60μmの場合、電極6の電位を+7.0kVとした
場合を含め、全体的に多くのインク2が飛翔して印画紙
3に転写されていることが分かる。また、電極6の電位
を−5.0kVとした場合も十分な転写感度が得られて
いる。
【0119】また、ギャップ長100μmの場合、図2
0に示すように、特に、電極6の電位を+7.0kVと
した場合の転写感度が優れていることが分かる。但し、
電極6の電位を−5.0kVとした場合も十分な転写感
度が得られている。
【0120】また、ギャップ長200μmの場合、図2
1に示すように、全体的に転写したインク量が少ないも
のの、特に、電位を+7.0kVとした場合の転写感度
が優れており、また、電位を−5.0kVとした場合
も、電位を+7.0kVとした場合に比べてやや落ちる
ものの、電位を全く加えないものに比べて良好な転写感
度が得られている。
【0121】上述した結果から、特に印画紙側が正の電
位となるような電界を印加することが望ましく、また、
転写部と印画紙との間のギャップは200μm程度にし
ても十分な転写感度が得られることが分かった。
【0122】このように、本実施例によれば、転写部か
ら飛翔したインクの飛翔領域に、このインクを印画紙へ
引き付けるような電界を印加しているので、インク滴が
帯電して飛翔し易くなり、また、インクに印画紙方向へ
の方向性が付与されるので、転写部と印画紙との間のギ
ャップ長を大きく取ることができるので、プリンタヘッ
ドの組み立て精度が緩くなると共に印画紙等による転写
部へのゴミ類の付着が抑制される。
【0123】従って、転写濃度や解像度を向上させるこ
とができ、また、飛翔するインクが空気中に漏れにくく
なる。さらに、静電気によって被転写体がテーブル(又
はプラテン等)にはり付き易くなり、印画紙等の浮きが
低減して良好な画像転写が実施される。
【0124】
【発明の作用効果】本発明の記録方法によれば、転写部
に保持された記録材を飛翔させて前記転写部に対向して
配される被転写体に転写するに際し、前記転写部と前記
被転写体との間に、前記転写部から飛翔した前記記録材
を前記被転写体へ引き付けるように電界を印加するの
で、前記記録材が帯電して前記電界によって効率良く前
記被転写体に引き付けられ、転写濃度の良好な記録を行
うことができる。
【0125】特に、インク滴が帯電して前記電界による
静電気力を受けるので、効率良く前記被転写体に引き付
けられると同時に、インクに方向性が付与されるので、
前記転写部と前記被転写体との間のギャップ長を大きく
取ることができ、従って、組み立て精度が緩くなると共
に、印画紙等による転写部へのゴミ類の付着が抑制され
る。さらに、飛翔するインクミストが空気中に漏れにく
くなると同時に、静電気によって被転写体がその支持体
にはり付き易くなり、印画紙等の浮きが低減する。
【0126】本発明の記録装置によれば、転写部に保持
された記録材を飛翔させて前記転写部に対向して配され
る被転写体に転写するように構成された記録装置におい
て、記転写部と前記被転写体との間に、前記転写部から
飛翔した前記記録材を前記被転写体へ引き付けるような
電界を印加するための電界印加手段が設けられているの
で、本発明の記録方法を再現性良く実施することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に基づくプリンタヘッドに
おける転写部付近の要部概略断面図である。
【図2】同、プリンタヘッドをシリアル型プリンタに適
用した例の概略斜視図である。
【図3】同、プリンタヘッドをライン型プリンタに適用
した例の概略斜視図である。
【図4】同、シリアル型プリンタの概略正面図(A)、
その側面図(B)である。
【図5】同、ライン型プリンタの概略正面図(A)、そ
の側面図(B)である。
【図6】同、ドラムに印画紙を巻き付けるタイプのシリ
アル型プリンタの概略正面図(A)、その側面図(B)
である。
【図7】同、ドラムに印画紙を巻き付けるタイプのライ
ン型プリンタの概略正面図(A)、その側面図(B)で
ある。
【図8】同、プリンタヘッドにおける転写部付近の概略
平面図である。
【図9】同、プリンタヘッドにおける転写部付近の概略
断面図(図8のIX−IX線断面図)である。
【図10】同、プリンタヘッドにおける転写部付近の概
略断面図(図8のX−X線断面図)である。
【図11】同、プリンタヘッドのカバーを取り外した状
態の概略下面図である。
【図12】同、プリンタヘッドの概略下面図である。
【図13】同、プリンタヘッドの下方側から見た概略斜
視図である。
【図14】同、プリンタヘッドの概略断面図である。
【図15】同、プリンタヘッドに位置決めローラーを取
り付けた例の概略側面図(A)、この位置決めローラー
を取り外した状態の一部側面図(B)である。
【図16】同、プリンタヘッドに位置決めローラー及び
フードを取り付けた例の概略側面図(A)、この位置決
めローラーを取り外した状態の一部側面図(B)であ
る。
【図17】同、プリンタヘッドに位置決めローラー及び
他のフードを取り付けた例の概略側面図(A)、この位
置決めローラー及びフードの一部分を取り外した状態の
一部側面図(B)である。
【図18】同、プリンタヘッドに位置決めローラー及び
さらに他のフードを取り付けた例の概略側面図(A)、
この位置決めローラー及びフードの一部分を取り外した
状態の一部側面図(B)である。
【図19】本発明の実施例においてヘッドヒータ部と印
画紙とのギャップ長を50μmにした時の転写感度を示
す図面である。
【図20】同、ヘッドヒータ部と印画紙とのギャップ長
を200μmにした時の転写感度を示す図面である。
【図21】同、ヘッドヒータ部と印画紙とのギャップ長
を300μmにした時の転写感度を示す図面である。
【図22】従来の染料拡散熱転写方式プリンタの要部の
概略正面図である。
【図23】同、染料気化型熱転写方式プリンタの転写部
付近の要部概略断面図である。
【符号の説明】
1、60…転写部、2、2’…記録材(インク)、3…
印画紙、4…アルミベース(ヘッドベース)、5…基
板、6…電極、7…テーブル、8…インクタンク、8
a、8b…インク貯留槽、9…ニッケルシート、10…
直流電源、11…接地部、12、23…プリンタヘッド
(ヘッドユニット)、13…プラテン、15…ヘッド送
り軸、16、22…可動部、16A…ヘッド支持部、1
7…送りローラー、17a…ピンチローラー、17b…
キャプスタン、20、26…電極、21…ローラー、2
4…ドラム、30…ヒータ、31…個別電極、32…共
通電極、33…柱状体(柱状体群)、34…隔壁、35
…補助壁、36…シリコン基板、37…SiO2 層、3
8…ポリシリコン層、39…SiO2 層、41…先端
部、42…溝、43…インク導入孔、44…コネクタ用
端子、45…プリント基板、46…カバー、47…ヒー
タチップ、48…ジャンクションコートレジン、49…
ドライバIC、51…コネクタ、52…位置決めローラ
ー、53、54a、54b…フード

Claims (22)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 転写部に保持された記録材を飛翔させて
    前記転写部に対向して配される被転写体に転写するに際
    し、 前記転写部と前記被転写体との間に、前記転写部から飛
    翔した前記記録材を前記被転写体へ引き付けるように電
    界を印加する、記録方法。
  2. 【請求項2】 前記転写部と前記被転写体との間に絶対
    値で100ボルト以上の直流電界を印加する、請求項1
    に記載した記録方法。
  3. 【請求項3】 前記転写部と前記被転写体との間に絶対
    値で100ボルト以上、7キロボルト以下の直流電界を
    印加する、請求項2に記載した記録方法。
  4. 【請求項4】 前記転写部側にゼロ又は負の直流電圧を
    印加し、前記被転写体側に正の直流電圧を印加する、請
    求項1に記載した記録方法。
  5. 【請求項5】 前記転写部と前記被転写体との間隙を3
    00μm以下とする、請求項1に記載した記録方法。
  6. 【請求項6】 前記転写部が形成されている導電性支持
    体と、前記被転写体が配されている導電性支持体との間
    に前記電界を印加する、請求項1に記載した記録方法。
  7. 【請求項7】 前記転写部の記録材飛翔部と前記被転写
    体とを所定の間隙で対向させながら、前記転写部を前記
    被転写体に対して相対的に移動させ、この移動中に前記
    転写を行う、請求項1に記載した記録方法。
  8. 【請求項8】 前記記録材を加熱手段による加熱によっ
    て飛翔させる、請求項1に記載した記録方法。
  9. 【請求項9】 前記加熱によって前記記録材表面に表面
    張力勾配又は/界面張力勾配を生ぜしめ、これに起因す
    る記録材の流動を駆動力として前記記録材を飛翔させ
    る、請求項8に記載した記録方法。
  10. 【請求項10】 前記表面張力勾配又は/前記界面張力
    勾配に起因する記録材の流動を駆動力として、直径2μ
    m以上の微小液滴を含むミストを飛翔させる、請求項9
    に記載した記録方法。
  11. 【請求項11】 前記転写部に、毛管現象によって前記
    記録材を保持する記録材保持構造体を設ける、請求項1
    に記載した記録方法。
  12. 【請求項12】 転写部に保持された記録材を飛翔させ
    て前記転写部に対向して配される被転写体に転写するよ
    うに構成された記録装置において、 前記転写部と前記被転写体との間に、前記転写部から飛
    翔した前記記録材を前記被転写体へ引き付けるような電
    界を印加するための電界印加手段が設けられていること
    を特徴とする、記録装置。
  13. 【請求項13】 前記電界印加手段によって、前記転写
    部と前記被転写体との間に絶対値で100ボルト以上の
    直流電界が印加される、請求項12に記載した記録装
    置。
  14. 【請求項14】 前記電界印加手段によって、前記転写
    部と前記被転写体との間に絶対値で100ボルト以上、
    7キロボルト以下の直流電界が印加される、請求項13
    に記載した記録装置。
  15. 【請求項15】 前記転写部側にゼロ又は負の直流電圧
    が印加され、前記被転写体側に正の直流電圧が印加され
    る、請求項12に記載した記録装置。
  16. 【請求項16】 前記転写部と前記被転写体との間隙が
    300μm以下である、請求項12に記載した記録装
    置。
  17. 【請求項17】 前記転写部が形成されている導電性支
    持体と、前記被転写体が配されている導電性支持体との
    間に前記電界が印加される、請求項12に記載した記録
    装置。
  18. 【請求項18】 前記転写部の記録材飛翔部と前記被転
    写体とを所定の間隙で対向させながら、前記転写部を前
    記被転写体に対して相対的に移動させ、この移動中に前
    記転写が行われる、請求項12に記載した記録装置。
  19. 【請求項19】 前記記録材が加熱手段による加熱によ
    って飛翔する、請求項12に記載した記録装置。
  20. 【請求項20】 前記加熱によって前記記録材表面に表
    面張力勾配又は/界面張力勾配を生ぜしめ、これに起因
    する記録材の流動を駆動力として前記記録材が飛翔す
    る、請求項19に記載した記録装置。
  21. 【請求項21】 前記表面張力勾配又は/前記界面張力
    勾配に起因する記録材の流動を駆動力として、直径2μ
    m以上の微小液滴を含むミストが飛翔する、請求項20
    に記載した記録装置。
  22. 【請求項22】 前記転写部に、毛管現象によって前記
    記録材を保持する記録材保持構造体が設けられている、
    請求項12に記載した記録装置。
JP10130219A 1998-05-13 1998-05-13 記録方法及び記録装置 Pending JPH11320932A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6315403B1 (en) * 1998-11-12 2001-11-13 Sony Corporation Recording apparatus and method

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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