JP2001216969A - ペ―スト式水素吸蔵合金電極とニツケル水素蓄電池 - Google Patents

ペ―スト式水素吸蔵合金電極とニツケル水素蓄電池

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JP2001216969A
JP2001216969A JP2000032608A JP2000032608A JP2001216969A JP 2001216969 A JP2001216969 A JP 2001216969A JP 2000032608 A JP2000032608 A JP 2000032608A JP 2000032608 A JP2000032608 A JP 2000032608A JP 2001216969 A JP2001216969 A JP 2001216969A
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Naoaki Matsumoto
修明 松本
Hiroshi Fukunaga
浩 福永
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Hitachi Maxell Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 剥離離度の良好なペ―スト式水素吸蔵合金電
極を得、この電極を負極に用いて貯蔵特性とサイクル特
性にすぐれたニツケル水素蓄電池を得る。 【解決手段】 水素吸蔵合金を活物質とする電極用ペ―
スト中にカルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩
とポリN−ビニルアセトアミドを共存させ、このペ―ス
トを導電性基材に塗布し乾燥してペ―スト式水素吸蔵合
金電極をつくり、このペ―スト式水素吸蔵合金電極を負
極として、これとニツケル極からなる正極とを、これら
両極間に介装したセパレ―タおよびアルカリ電解液とと
もに、電池内に装填して、ニツケル水素蓄電池を構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸蔵合金を活
物質としたペ―スト式水素吸蔵合金電極と、この電極を
負極としたニツケル水素蓄電池とに関する。
【0002】
【従来の技術】ニツケル水素蓄電池は、水素を負極活物
質として動作するものであり、可逆的に水素を吸蔵・放
出することができる水素吸蔵合金を導電性基材に担持さ
せてなる水素吸蔵合金電極と、通常、正極活物質として
動作するニツケル水酸化物を導電性基材に担持してなる
ニツケル極とを、セパレ―タを介してアルカリ電解液中
に配置することにより、構成されている。
【0003】上記の水素吸蔵合金電極は、たとえば、粉
末状の水素吸蔵合金を活物質とし、これを高分子結着剤
などとともに溶剤に分散させた電極用ペ―ストを調製
し、これを導電性基材に塗布し、乾燥することにより、
製造される。
【0004】このようなペ―スト式水素吸蔵合金電極に
は、電極用ペ―ストを安定にし、塗布を良好に行うため
に、増粘剤としてカルボキシメチルセルロ―スやメチル
セルロ―スなどが用いられ、粒子同志をつなぐために、
結着剤としてポリテトラフルオロエチレンやラテツクス
などが用いられている。これら増粘剤や結着剤には、
電極活物質と導電性基材との結着性が良好である、電
池性能に悪影響を与えないため、水素吸蔵合金表面の反
応や電解液中のイオンの移動をできるだけ阻害しない、
電位内で安定である、などの性能が要求される。
【0005】従来から使用されている増粘剤には、カル
ボキシメチルセルロ―スのナトリウム塩が知られてい
る。この増粘剤は水溶性であり、ペ―ストを安定にする
作用はあるが、電極内にナトリウム塩のまま残存するた
め、電池内に組み込んだのちにアルカリ電解液に触れる
と、再び溶解して電極表面やセパレ―タ内に偏在する。
その結果、水素吸蔵合金が導電性基材から脱落したり、
また電解液中のイオンの移動が阻害され、さらには電極
内に存在するアルカリ電解液が上記偏在部分に吸収され
て、電極内でアルカリ電解液の枯渇が生じる。このた
め、電池の作製後、この電池を貯蔵したり、サイクル充
放電を行うと、電池の内部抵抗が上昇して、容量の低下
や放電特性の低下が起こりやすい。
【0006】また、カルボキシメチルセルロ―スには、
ナトリウム塩のほか、アンモニウム塩、カルシウム塩、
マグネシウム塩、アルミニウム塩などもあり、特開平1
1−67213号公報には、アンモニウム塩などを電池
電極に使用することが提案されている。しかし、これら
のアンモニウム塩などは、ナトリウム塩に比べ、水に対
する溶解性が低いため、高粘度の水溶液を得にくく、こ
れを単独で使用しても塗布性にすぐれたペ―ストを調製
することが難しい。また、アンモニウム塩は、塗布後の
加熱乾燥時にアンモニアが揮散して、水に不溶のカルボ
キシメチルセルロ―スとなるが、ニツケル水素蓄電池に
用いられる高濃度のアルカリ電解液に対しては、その溶
解度が大きく低下するわけではなく、電池内においてや
はり前記したナトリウム塩と同様の再溶解が起こり、電
池の貯蔵後やサイクル充放電で電池の内部抵抗が上昇
し、電池性能が低下する問題があつた。
【0007】さらに、上記のようなカルボキシメチルセ
ルロ―スをベ―スとした増粘剤は、上記のアンモニウム
塩であれ、前記従来のナトリウム塩であれ、電池の高容
量化の観点から、その添加量を低減していくと、導電性
基材上への塗布、乾燥後に、ペ―スト塗膜と上記基材と
の接着力が必要以上に低下し、水素吸蔵合金が上記基材
から簡単に脱落する、剥離強度不良の問題もあつた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
事情に照らして、導電性基材上に水素吸蔵合金を活物質
とする電極用ペ―ストを塗布し乾燥してなるペ―スト式
水素吸蔵合金電極において、水素吸蔵合金が導電性基材
から脱落しにくい、良好な剥離強度を示し、かつこれを
負極とした電池の貯蔵後やサイクル充放電で内部抵抗の
上昇が少なくて電池性能が低下しない、良好な貯蔵特性
およびサイクル特性を示すペ―スト式水素吸蔵合金電極
とニツケル水素蓄電池を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するため、鋭意検討した結果、水素吸蔵合金を
活物質とする電極用ペ―スト中にカルボキシメチルセル
ロ―スのアンモニウム塩とポリN−ビニルアセトアミド
を共存させるようにしたときに、塗布性にすぐれた電極
用ペ―ストの調製が可能となり、このペ―ストを使用す
ることにより、水素吸蔵合金と導電性基材との結着性に
すぐれた、良好な剥離強度を示すペ―スト式水素吸蔵合
金電極が得られ、しかもこの水素吸蔵合金電極を負極と
すると、電池の貯蔵後やサイクル充放電での内部抵抗の
上昇が少なくなつて、電池性能が低下しにくい、良好な
貯蔵特性およびサイクル特性を示すニツケル水素蓄電池
が得られることを知り、本発明を完成するに至つた。
【0010】すなわち、本発明は、水素吸蔵合金を活物
質とし、カルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩
とポリN−ビニルアセトアミドを含む電極用ペ―ストを
使用したことを特徴とするペ―スト式水素吸蔵合金電
極、とくに上記のカルボキシメチルセルロ―スの平均重
合度が300〜1,800で、アンモニア量が4〜10
重量%である上記構成のペ―スト式水素吸蔵合金電極に
係るものである。また、本発明は、上記の水素吸蔵合金
電極からなる負極と、ニツケル極からなる正極と、上記
の負極と正極との間に介装されたセパレ―タと、アルカ
リ電解液とを備えていることを特徴とするニツケル水素
蓄電池に係るものである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明において、電極用ペ―スト
中にカルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩とポ
リN−ビニルアセトアミドを含ませると、上記ペ―スト
の塗布性や剥離強度が向上する理由は、つぎのように考
えられる。すなわち、電極用ペ―スト中でカルボキシメ
チルセルロ―スのアンモニウム塩がマトリツクスとな
り、pHに対して粘度変化が小さく水素吸蔵合金やその
構成元素酸化物の触媒作用による影響を受けにくいポリ
N−ビニルアセトアミドを良好に分散させ、これが高粘
度でかつ粘度の安定した流動性にすぐれるペ―ストの調
製を可能とし、また均一塗布性に好結果を与えるものと
思われる。また、上記の両成分は、水素吸蔵合金表面に
優先的に吸着して有機層を形成し、この有機層の存在に
より、ペ―スト中の結着剤の酸化分解を抑制し、しかも
この有機層自体は水素吸蔵合金やその構成酸化物の触媒
印作用による影響を受けにくい構造的に安定な化合物の
ため、水素吸蔵合金からなる活物質間および上記活物質
と導電性基材との間の接着力が増加して、剥離強度が向
上してくるものと思われる。
【0012】また、本発明では、上記両成分の使用によ
り、ニツケル水素蓄電池の貯蔵特性およびサイクル特性
が向上してくるが、この理由は、つぎのように考えられ
る。カルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩は、
既述のとおり、電極作製時の塗布乾燥やその後の熱処理
により、アンモニウムイオンがアンモニアガスとなつて
電極中から消失し、水に不溶のカルボキシメチルセルロ
―スに変換されるが、これは高濃度のアルカリ電解液に
対してはなお一部再溶解する性質があるため、カルボキ
シメチルセルロ―スのナトリウム塩の場合と同様、電池
表面やセパレ―タ内に偏在し、これが原因となつて水素
吸蔵合金が導電性基材から脱落したり、電池の貯蔵後や
サイクル充放電で電池の内部抵抗が上昇し、容量の低下
や放電特性の低下が起こる。しかし、本発明のように、
上記のアンモニウム塩とともに、ポリN−ビニルアセト
アミドを共存させると、その理由は必ずしも明らかでは
ないが、上記アミドが電池内でのカルボキシメチルセル
ロ―スの上記再溶解を抑制するべく作用して、上述のよ
うな問題をことごとく回避し、これにより貯蔵特性およ
びサイクル特性が大きく向上してくるものと思われる。
【0013】本発明に用いられるカルボキシメチルセル
ロ―スのアンモニウム塩は、カルボキシメチルセルロ―
スの平均重合度が300〜1,800で、アンモニア量
が4〜10重量%であるのが好ましく、より好ましくは
上記の平均重合度が500〜1,500で、アンモニア
量が6〜9重量%である。上記の平均重合度が300未
満では、高粘度のペ―ストの調製が難しくなり、1,8
00を超えると、活物質の分散性が悪くなつたり、ポリ
N−ビニルアセトアミドとの相溶性が低下し、均一なペ
―ストの調製が難しく、塗布作業性や塗膜特性の低下を
招きやすい。アンモニア量が4重量%未満では、水に溶
解しにくく塗布作業性が悪くなつたり、カルボキシルメ
チルセルロ―ス自体のアルカリ電解液中の耐性が悪くな
り、10重量%を超えると、塗膜が硬くなつて柔軟性に
劣るようになり、活物質である水素吸蔵合金と導電性基
材との密着性に好結果を得にくい。
【0014】このようなカルボキシメチルセルロ―スの
アンモニウム塩の使用量は、水素吸蔵合金100重量部
に対して、通常0.05〜5.0重量部、好ましくは
0.1〜2.0重量部であるのがよい。上記の使用量が
0.05重量部未満となると、電極用ペ―ストの粘性が
十分に得られなくなり、また5.0重量部を超えると、
活物質である水素吸蔵合金の充填性が低下する。
【0015】本発明に用いられるポリN−ビニルアセト
アミドは、重量平均分子量が1万〜1,000万、好ま
しくは5万〜500万であるのがよい。重量平均分子量
を1万以上とすると、水素吸蔵合金表面への高い吸着効
果が得られ、1,000万以下とすると、ペ―ストの極
端な増粘を抑制でき、またカルボキシメチルセルロ―ス
のアンモニウム塩との相溶性が向上し、高容量化のため
に薄膜化した水素吸蔵合金電極とする場合でも、連続塗
布性にすぐれたペ―ストが得られる。なお、このポリN
−ビニルアセトアミドをこれ単独でペ―スト中に添加す
ると、水素吸蔵合金表面での吸着有機層が強固となりす
ぎ、上記合金表面の反応が阻害されたり電極の柔軟性が
損なわれることもあるが、カルボキシメチルセルロ―ス
のアンモニウム塩を併用すると、このような問題を生じ
ることもない。
【0016】このようなポリN−ビニルアセトアミドの
使用量は、水素吸蔵合金100重量部に対して、通常
0.03〜5重量部、好ましくは0.1〜3重量部、よ
り好ましくは0.2〜2重量部であるのがよい。0.0
3重量部以上とすることで、カルボキシメチルセルロ―
スの再溶解や結着剤の酸化分解を抑制する効果を十分に
発揮でき、剥離強度も向上させることができ、また5重
量部以下とすることで、活物質である水素吸蔵合金の充
填性を向上させることができる。
【0017】本発明においては、水素吸蔵合金を活物質
とし、これに上記のカルボキシメチルセルロ―スのアン
モニウム塩とポリN−ビニルアセトアミドを含ませて、
これらを常法によりペ―スト化することにより、電極用
ペ―ストを調製する。このペ―ストの調製にあたり、溶
剤としては、たとえば、水またはメタノ―ル、エタノ―
ル、イソプロパノ―ルなどのアルコ―ル性溶剤が用いら
れる。これらは、それぞれを単独で用いてもよいし、2
種以上を併用してもよい。
【0018】水素吸蔵合金としては、Zr、Ni、Mn
などを主体としたAB2型合金、Mm(La、Ce、N
d、Pr)−Ni系などのAB5型合金があり、これら
の中でも、Mm−Ni系の合金でNiの一部をMn、C
o、Al、Mg、Cu、Crからなる群から選ばれる少
なくとも1種で置換したAB5型合金が好ましく、これ
らは低い水素平衡圧で高容量化を期待できるが、遷移金
属を多く含むため、触媒作用によるペ―スト調製時の粘
度変化が大きいことが懸念される。とくに、複数の遷移
金属で置換した水素吸蔵合金の中でも、Mm中の希土類
元素のLaなどの含有量を多くした非化学量論組成の水
素吸蔵合金(たとえば、Mm中のLa含有率が50重量
%以上であり、Mm1に対して他のNi、Co、Mn、
Alなどの合計量が5.02〜5.45である水素吸蔵
合金)は高容量であり、電池の活物質として有用である
が、遷移金属が合金表面に多く存在し、ペ―ストの粘度
がその影響を受けやすくなる。しかし、本発明に用いる
ペ―ストは、そのような合金に対しても粘度変化が少な
く、良好な塗布性を有するので、合金本来の性能を損な
うことのない電極および電池を提供することができる。
【0019】この電極用ペ―ストには、必要により、従
来から用いられているポリテトラフルオロエチレンやポ
リエチレンなどの結着剤やゴム系高分子を配合してもよ
い。これら結着剤などの使用量としては、遷移金属イオ
ンによる酸化分解や水素吸蔵合金の充填性を考えると、
水素吸蔵合金100重量部に対して、通常0.01〜1
重量部とするのが好ましい。
【0020】また、上記ペ―ストには、従来から用いら
れている導電剤を配合してもよい。この導電剤にはニツ
ケル粉、コバルト粉、銅粉、カ―ボン粉などがあるが、
これらの中でも、粒径が5μm以下で、酸素含有量が
0.2〜1.5重量%であるニツケル粉を用いるのが最
も好ましい。導電剤は、水素吸蔵合金の導電性を高めて
負極としての集電能を向上させ、また水素吸蔵合金の充
填性を向上させるため、微粒子状態のものが用いられる
が、このような微粒子状態のものは、通常、粒子同士が
凝集しやすく、均一なペ―ストの調製に難があり、増粘
化しやすい。しかし、上記の特定酸素含有量のニツケル
粉は、結着剤の吸着形態を改善し、また少量の結着剤量
でもニツケル粉の分散性が良くなり、均一なペ―ストの
調製を可能にするとともに、ペ―ストの増粘化も低下で
きる。
【0021】本発明においては、このように調製される
電極用ペ―ストを、導電性基材に塗布し、乾燥すること
により、またその後必要によりプレス処理することによ
り、ペ―スト式水素吸蔵合金電極を作製する。上記の導
電性基材には、パンチングメタル、発泡メタルなどの耐
アルカリ性金属多孔体などが用いられる。パンチングメ
タルは、三次元構造を有する発泡メタルに比べて、集電
能に劣るが、導電剤である前記ニツケル粉を用いること
で、集電効果が高められる。
【0022】また、上記の塗布工程では、乾燥温度を5
0〜100℃に設定するのが望ましい。50℃以上とす
ることで、塗布ペ―ストを十分に乾燥でき、その後のブ
レス処理による圧延を良好に行うことができる。また1
00℃以下とすることで、結着剤ないし増粘剤や水素吸
蔵合金の酸化を防ぎ、分解を抑制することができる。な
お、カルボキシメチルセルロ―ス中のアンモニアをより
完全に消失するため、乾燥後の電極をさらに80〜10
0℃で熱処理してもよい。
【0023】本発明のニツケル水素蓄電池は、ニツケル
極からなる正極に対して、上記構成の水素吸蔵合金電極
を負極として使用したことを特徴としており、この電池
は、水素吸蔵合金電極の前記特性に基づいて、従来の電
池に比べて、格段にすぐれた貯蔵特性およびサイクル特
性を発揮するものである。
【0024】このようなニツケル水素蓄電池は、たとえ
ば、上記構成の水素吸蔵合金電極からなる負極とニツケ
ル極からなる正極とを、セパレ―タを介して積層し、こ
れを電池缶に挿入したのち、アルカリ電解液を注入する
ことにより、作製される。ここで、上記のニツケル極
は、たとえば、水酸化ニツケル粉、導電剤および結着剤
を水の存在下で混合分散させてペ―ストとし、これを耐
アルカリ性金属多孔体などからなる導電性基材に塗布
し、乾燥したのち、圧延処理し、所定サイズに裁断する
ことにより、つくられる。また、上記のセパレ―タとし
ては、ポリオレフイン繊維やポリアミド繊維などからな
る不織布に親水基を付与したものなどが好ましく用いら
れる。また、上記のアルカリ電解液としては、リチウム
塩などの電解質を溶解した水酸化カリウム水溶液などが
好ましく用いられる。
【0025】
【実施例】以下、本発明の実施例を記載して、より具体
的に説明する。ただし、本発明はこれらの実施例にのみ
限定されるものでなく、本発明の思想を逸脱しない範囲
内で適宜変更可能であることはいうまでもない。なお、
以下の実施例において、部とあるのは重量部を意味する
ものとする。
【0026】実施例1 組成がMmNi4.05Co0.45Mn0.5 Al0.35(Mmの
組成がLa:55重量%、Ce:25重量%、Nd:1
6重量%、Pr:4重量%で、Mmlに対してNi、C
o、MnおよびAlの合計が5.35)で示される粉末
状水素吸蔵合金100部に、導電剤としてニツケル粉
(粒径2μm、酸素含有量1.0重量%)2部、濃度2
重量%のカルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩
(平均重合度500、アンモニア量5重量%)水溶液1
0部、濃度10重量%のポリN−ビニルアセトアミド
(重量平均分子量:300万)水溶液5部、濃度42.
5重量%のスチレン−2−エチルヘキシルアクリレ―ト
共重合体(スチレンユニツト35モル%、2−エチルヘ
キシルアクリレ―トユニツト65モル%)水分散液1.
6部(固形分として水素吸蔵合金100部に対して0.
68部)を配合し、粘度が約50,000mPa・sと
なるように水を添加し、これらをよく混合して、電極用
ペ―ストを調製した。
【0027】つぎに、この電極用ペ―ストを使用して、
このペ―ストを、導電性基材として厚さが50μm、幅
が120mm、長さが1mのパンチングメタルに、乾燥後
の総厚が600μmとなるように塗布し、65℃で乾燥
したのち、圧延処理することにより、ペ―スト式水素吸
蔵合金電極を作製した。
【0028】実施例2 濃度2重量%のカルボキシメチルセルロ―スのアンモニ
ウム塩(平均重合度500、アンモニア量5重量%)水
溶液10部に代えて、濃度2重量%のカルボキシメチル
セルロ―スのアンモニウム塩(平均重合度800、アン
モニア量10重量%)水溶液10部を使用した以外は、
実施例1と同様にして、電極用ペ―ストの調製およびペ
―スト式水素吸蔵合金電極の作製を行つた。
【0029】実施例3 濃度2重量%のカルボキシメチルセルロ―スのアンモニ
ウム塩(平均重合度500、アンモニア量5重量%)水
溶液10部に代えて、濃度2重量%のカルボキシメチル
セルロ―スのアンモニウム塩(平均重合度500、アン
モニア量10重量%)水溶液10部を使用した以外は、
実施例1と同様にして、電極用ペ―ストの調製およびペ
―スト式水素吸蔵合金電極の作製を行つた。
【0030】比較例1 濃度2重量%のカルボキシメチルセルロ―スのアンモニ
ウム塩(平均重合度500、アンモニア量5重量%)水
溶液10部に代えて、濃度2重量%のカルボキシメチル
セルロ―スのナトリウム塩(エ―テル化度1.0、平均
重合度800)水溶液10部を使用した以外は、実施例
1と同様にして、電極用ペ―ストの調製およびペ―スト
式水素吸蔵合金電極の作製を行つた。
【0031】比較例2 濃度10重量%のポリN−ビニルアセトアミド(重量平
均分子量:300万)水溶液5部を使用せず、濃度2重
量%のカルボキシメチルセルロ―スのアンモニウム塩
(平均重合度500、アンモニア量5重量%)水溶液の
使用量を20部に変更した以外は、実施例1と同様にし
て、電極用ペ―ストの調製およびペ―スト式水素吸蔵合
金電極の作製を行つた。
【0032】上記の実施例1〜3および比較例1,2の
各ペ―スト式水素吸蔵合金電極について、水素吸蔵合金
と導電性基材との剥離強度を、測定した。測定は、セパ
スチヤンテスタを用いて、両面接着テ―プで11.5mm
×11.5mmの大きさの電極を6.4mm×6.4mmの接
着面積で接着し、これを剥離して、水素吸蔵合金が引き
剥がされる剥離強度を求めた。この結果を表1に示し
た。
【0033】
【0034】つぎに、上記の実施例1〜3および比較例
1,2の各ペ―スト式水素吸蔵合金電極を負極に用い
て、下記の方法により、ニツケル水素蓄電池を作製し
た。この電池について、下記の方法により、貯蔵特性お
よびサイクル特性を評価した。表2に貯蔵特性の結果
を、表3にサイクル特性の結果を示した。
【0035】<ニツケル水素蓄電池の作製>各ペ―スト
式水素吸蔵合金電極からなる負極と公知のペ―スト式ニ
ツケル正極とを組み合わせ、これらをナイロン不織布製
のセパレ―タを介して捲回して、単4サイズの電極缶に
入れ、これにアルカリ電解液(30重量%の水酸化カリ
ウム水溶液1リツトルにLiOHを17gと酸化亜鉛3
3gを溶解させた水溶液)を注入したのち、密閉して、
60℃で17時間保存し、室温で295mAで2.5時
間充電し、380mAで放電した。この充放電サイクル
を放電容量が一定になるまで繰り返して、ニツケル水素
蓄電池を作製した。
【0036】<貯蔵特性の評価>上記のように作製した
ニツケル水素蓄電池を50%充電状態にしたのち、60
℃で12日間貯蔵し、貯蔵前後の内部抵抗と3C(1,
740mA)放電での電圧特性の変化を測定して、評価
した。
【0037】<サイクル特性の評価>上記のように作製
したニツケル水素蓄電池について、充電は1C(580
mA)とし、ΔVが−10mVになつた時点で充電を終止
し、放電は1C(580mA)で1.0Vまで行う充放電
サイクル試験を行い、放電容量が初期の60%に低下す
るまでのサイクル数で、サイクル特性を評価した。
【0038】
【0039】
【0040】上記表1〜表3の結果から、カルボキシメ
チルセルロ―スのアンモニウム塩とポリN−ビニルアセ
トアミドを共存させた実施例1〜3の各ペ―スト式水素
吸蔵合金電極では、良好な剥離強度が得られており、ま
た電池貯蔵後の内部抵抗の上昇や放電電圧の低下がほと
んどみられず、貯蔵特性にすぐれ、またサイクル特性に
もすぐれたニツケル水素蓄電池が得られるものであるこ
とがわかる。
【0041】これに対して、カルボキシメチルセルロ―
スのナトリウム塩とポリN−ビニルアセトアミドを共存
させた比較例1のペ―スト式水素吸蔵合金電極は、剥離
強度は良好であるが、電池貯蔵後の内部抵抗の上昇や高
率放電での電圧降下が大きく、貯蔵特性に劣つており、
サイクル特性にも劣つている。また、カルボキシメチル
セルロ―スのアンモニウム塩をこれ単独で使用した比較
例2のペ―スト式水素吸蔵合金電極は、剥離強度に劣つ
ているとともに、上記比較例1の場合と同様、貯蔵特性
およびサイクル特性に劣つている。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明では、水素吸蔵合
金を活物質とする電極用ペ―スト中にカルボキシメチル
セルロ―スのアンモニウム塩とポリN−ビニルアセトア
ミドを共存させる構成としたことにより、剥離強度にす
ぐれたペ―スト式水素吸蔵合金電極を得ることができ、
これを負極とすることにより、貯蔵特性およびサイクル
特性にすぐれたニツケル水素蓄電池を得ることができ
る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水素吸蔵合金を活物質とし、カルボキシ
    メチルセルロ―スのアンモニウム塩とポリN−ビニルア
    セトアミドを含む電極用ペ―ストを使用したことを特徴
    とするペ―スト式水素吸蔵合金電極。
  2. 【請求項2】 カルボキシメチルセルロ―スのアンモニ
    ウム塩は、カルボキシメチルセルロ―スの平均重合度が
    300〜1,800で、アンモニア量が4〜10重量%
    である請求項1に記載のペ―スト式水素吸蔵合金電極。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載の水素吸蔵合金
    電極からなる負極と、ニツケル極からなる正極と、上記
    の負極と正極との間に介装されたセパレ―タと、アルカ
    リ電解液とを備えていることを特徴とするニツケル水素
    蓄電池。
JP2000032608A 2000-02-03 2000-02-03 ペ―スト式水素吸蔵合金電極とニツケル水素蓄電池 Withdrawn JP2001216969A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020085123A1 (ja) * 2018-10-23 2020-04-30 昭和電工株式会社 N-ビニルカルボン酸アミドの重合体を含む水性塗工液用組成物

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