JP2001216967A - 非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法 - Google Patents

非水系電解質二次電池用正極活物質およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 チタン添加によって高いサイクル特性を維持
したまま、正極としての成形性、充填密度を損なわずに
電池の初期容量の向上を図れる非水系電解質二次電池用
正極活物質とその製造方法を提供する。 【解決手段】 LiMn2-xTixO4(但し、0<x≦0.33なる
条件を満たす)で表されるリチウムマンガン複合酸化物
において、該リチウムマンガン複合酸化物の二次粒子の
形状が球状または楕円球状であることを特徴とする非水
系電解質二次電池用正極活物質であり、チタンの化合物
をマンガンとチタンのモル比が2-x:x(但し、xは0<x
≦0.33なる条件を満たす)となるように、あらかじめ添
加した二次粒子の形状が球状または楕円球状であるマン
ガン化合物をリチウム化合物と混合し、この混合物を熱
処理して得ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水系電解質二次
電池用正極活物質およびその製造方法に関するものであ
り、より詳しくは、高いサイクル特性を損なうことなく
電極としての成形性や充填密度を向上させ、さらに電池
として高い初期容量を具備させることが可能となる非水
系二次電池用の正極活物質およびその製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯電話やノート型パソコンなど
の携帯機器の普及にともない、高いエネルギー密度を有
する小型、軽量な二次電池の要求が高まっている。この
ようなものとして非水電解液タイプのリチウムイオン二
次電池があり、研究開発が盛んに行われ、実用化されて
きている。
【0003】このリチウムイオン二次電池は、リチウム
含有複合酸化物を活物質とする正極と、リチウム、リチ
ウム合金、金属酸化物あるいはカーボンのような、リチ
ウムを吸蔵・放出することが可能な材料を活物質とする
負極と、非水電解液を含むセパレーターまたは固体電解
質を主要構成要素としている。これら構成要素のうち、
正極活物質として検討されているものにはリチウムコバ
ルト複合酸化物(LiCoO2)、リチウムニッケル複合酸化
物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn
2O4)等がある。とくにリチウムコバルト複合酸化物を
正極に用いた電池では、優れた初期容量特性やサイクル
特性を得るための開発がこれまで数多く行われてきてお
り、すでにさまざまな成果が得られ、実用化に至ってい
る。
【0004】しかし、リチウムコバルト複合酸化物は、
原料に希産で高価なコバルトを用いるため、正極活物質
さらには電池のコストアップの大きな原因となってい
る。また、コバルトよりも安価なニッケルを用いたリチ
ウムニッケル複合酸化物は、コスト的にも容量的にも有
利であり、リチウムコバルト複合酸化物の有力な代替材
料として開発が進められているが、このリチウムニッケ
ル複合酸化物を正極活物質に用いた電池は、充電状態で
の正極活物質の不安定性から、高温に保持すると分解、
発熱、発火などの危険性を有しており、安全性に関して
解決しなければならない問題が多く残っている。
【0005】一方、リチウムマンガン複合酸化物は、リ
チウムコバルト複合酸化物やリチウムニッケル複合酸化
物に比べて容量がやや小さいものの、コバルトやニッケ
ルよりも安価で資源的にも豊富なマンガンを用いている
ためコスト的に有利であり、充電状態での安全性にも優
れているため、次世代の正極材料として期待されてい
る。
【0006】リチウムイオン二次電池においては、初期
の放電容量(初期容量)が高く、かつ充放電サイクルの
繰り返しによる容量の劣化(サイクル特性)が少ないも
のが求められている。さらに容量に関しては、冒頭に述
べた小型化の観点から、単位体積当たりの放電容量が大
きいものが求められている。
【0007】しかし、リチウムマンガン複合酸化物は、
純粋にマンガンのみで合成した材料を正極活物質として
リチウムイオン二次電池を作製した場合、サイクル特性
が悪く、高温環境下で使用されたり保存された場合に比
較的電池性能を損ないやすいという欠点を有していた。
【0008】このような欠点を解決するために、マンガ
ンの一部をクロムやニッケル、コバルトなどの金属元素
に置き換える方法が提案され、これにより、結晶構造の
安定性が向上し、サイクル特性や高温保持特性が改善さ
れることが判明した。そして、一般にこれらの金属元素
を添加する際には、反応性を向上させ、また反応をより
均一に進行させるために、原料の金属元素化合物やマン
ガン化合物、リチウム化合物とを十分に粉砕して混合し
てから合成する必要がある。
【0009】しかしながら、このような方法で得られた
リチウムマンガン複合酸化物はその工程上、粒子が非常
に細かくなるために、正極を形成する際の成形性が悪い
上、電極としての充填密度が上げらず、単位体積当たり
の電池としての容量が低いものとなってしまう。
【0010】したがって、反応性を高め、反応をより均
一に進めるための方法として、添加する金属元素化合物
とマンガン化合物、リチウム化合物を溶媒に溶かして混
合し、スプレードライなどで噴霧して乾燥し、同時に反
応を進行させる方法なども提案されているが、この方法
で得られたリチウムマンガン複合酸化物は、細かい一次
粒子が凝集した二次粒子の形態をもっているものの、二
次粒子内部が中空で十分な密度と強度のものが得られ
ず、結果的に電極としての充填密度が上げられないとい
う問題点を有していた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】このようにリチウムマ
ンガン複合酸化物を正極活物質とした従来の非水系電解
質二次電池においては、高いサイクル特性を維持したま
ま、電極としての成形性、充填密度を向上させ、電池と
して高い初期容量を具備させることが困難な問題点を有
していた。
【0012】本発明は、このような問題点に着目してな
されたもので、その目的とするところは、元素添加によ
って高いサイクル特性を維持したまま、正極としての成
形性、充填密度を損なわずに電池の初期容量の向上を図
れる非水系電解質二次電池用正極活物質とその製造方法
を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】記問題を解決するため本
発明者等が種々研究を進めた結果、マンガンの一部がチ
タンで置換されたリチウムマンガン複合酸化物を正極活
物質に適用するに際し、細かい一次粒子が凝集して比較
的密に詰まった球状または楕円球状の二次粒子を構成し
た粉体特性をもつマンガン化合物原料の形状を崩さない
ように金属元素化合物を添加し、これをリチウム化合物
と混合して熱処理することにより得たリチウムマンガン
複合酸化物を用いることによって、上述した問題の発生
を防止でき、かつ、成形性、充填性に優れ、高いサイク
ル特性を維持したまま単位体積当たりの放電容量が大き
い電池を構成できることを見出し、本発明を完成するに
至った。
【0014】すなわち、本発明の第1の実施態様に係る
非水系電解質二次電池用正極活物質は、LiMn2-xTixO
4(但し、0<x≦0.33なる条件を満たす)で表されるリ
チウムマンガン複合酸化物において、該リチウムマンガ
ン複合酸化物の二次粒子の形状が球状または楕円球状で
あることを特徴とする非水系電解質二次電池用正極活物
質である。
【0015】また、本発明の第1の実施態様に係る非水
系電解質二次電池用正極活物質の製造方法は、 チタン
の化合物をマンガンとチタンのモル比が2-x:x(但し、
xは0<x≦0.33なる条件を満たす)となるように、あら
かじめ添加した二次粒子の形状が球状または楕円球状で
あるマンガン化合物をリチウム化合物と混合し、この混
合物を熱処理して得ることを特徴とするものである。そ
して、前記チタンの化合物をチタンの酸化物とすること
を特徴とし、さらに、マンガンの化合物にこのチタン酸
化物を添加する際に、チタンの酸化物を溶媒に分散させ
て、これをマンガン化合物に含浸させたものをリチウム
化合物と混合する。
【0016】前記第2の実施態様に係る製造方法では、
前記化合物の熱処理温度は、600℃以上950℃未満とし、
4時間以上の熱処理を行うことを特徴とするものであ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。本発明はマンガンの一部をサイクル
特性向上のためにチタンで置換した活物質に関するもの
である。
【0018】リチウムマンガン複合酸化物は電池活物質
として考えた場合、結晶構造からリチウムがイオンとし
て脱離挿入することによって充放電が行われる。金属元
素などで置換しない純粋なリチウムマンガン複合酸化物
は、充放電サイクルを繰り返した場合、初期に比べて容
量が劣化するという問題がある。これはリチウムイオン
が結晶構造から脱離・挿入を繰り返す際に母体の構造が
徐々に破壊され、リチウムイオンが戻るべき場所が結晶
構造内から失われていくためであると考えられる。この
構造破壊を防ぐためにマンガンの一部を他元素に置換す
る方法が提案され、この方法により充放電サイクルが改
善されることが報告されている。
【0019】一般にはマンガンの一部を他元素に置換す
ることで、正極材料の容量を決定するMn3+の量が減少す
るため、初期容量は減少してしまうが、LiMn2-xTixO4
おいて、0<x≦0.33なる条件を満たせば、実用的に許容
範囲内の容量低下に抑えることができる。
【0020】しかしながら、一般に他元素に置換するた
めには、合成の際にマンガン原料化合物と置換金属原料
化合物をリチウム原料化合物と粉砕しながらよく混合す
る必要がある。粉末固体を反応物質として用いる固相反
応は、固相相互の接触部分で反応が開始し、それら界面
に反応生成物が生成することで反応が進行していくた
め、粒子が微細であればあるほど接触部分は増大し、均
一な組成が得られるためである。
【0021】このようにしてできるだけ均一な組成にな
るように細かく粉砕混合する方法で合成された元素置換
型リチウムマンガン複合酸化物は、その物質自体の特性
としてサイクル特性が改善されている。しかし、これを
正極材料としての観点から見ると、細かい粒子が多数存
在するため、電極としての充填性に直接影響するタップ
密度が低く、電極としての成形性が悪い上、導電助剤と
して添加するカーボンや、成形性を向上させるための結
着剤の量を多くしなければならないため、成形された正
極の単位体積中に含まれる活物質の量は少なくなり、結
果として電池としての容量が低下してしまう。
【0022】一方、マンガン原料と金属原料を両方溶媒
に溶かして混合し、その後溶媒を蒸発させて原子レベル
の混合を実現する方法も提案されているが、例えばスプ
レードライのような方法では二次粒子内部が中空な球状
粒子となり、その強度、タップ密度が十分なものとはな
らない。また、共沈法のようにマンガン原料と金属原料
を原子レベルで共沈殿させる方法は、組成の均一性とい
う観点からは最も理想的な方法であるが、得られる粉末
の粒径の制御が難しいという問題点をもつ。
【0023】よって、粉体ができるだけ大きなタップ密
度(充填密度)をもつようにするためには、幾何学的に
は粉体の粒子が球状である程度の幅を持った粒度分布を
もつことが重要であるが、現実の正極活物質としての粉
末を考えると、粒子の形状は球に近く、できるだけ粒度
分布がシャープで、その中心粒径が数μm〜数十μm程度
であり、かつ電極としての成形性を考慮すると粒径1μm
以下の微粉はできるだけ少ない方が好ましい。このよう
な粉体性状をもつマンガン化合物は実際に調整可能であ
り、市販もされている。
【0024】本発明者らはこのような粉体性状をもつマ
ンガン化合物を原料として、その粉体特性を維持するよ
うな金属元素の添加方法を用いて合成を行なえば、結果
的に得られるリチウムマンガン複合酸化物もマンガン原
料と同様な粉体特性を持ち、上記のような問題点を回避
することができることを見出した。すなわち、本発明の
非水系電解質二次電池用正極活物質は、LiMn2-xTixO
4(但し、0<x≦0.33なる条件を満たす)で表されるリ
チウムマンガン複合酸化物であって、該リチウムマンガ
ン複合酸化物の二次粒子の形状が球状または楕円球状で
あることを特徴とする。
【0025】このような粉体特性をもつリチウムマンガ
ン複合酸化物は、二次粒子の形状が球状または楕円球状
であるマンガン化合物の粉体特性が損なわれるような粉
砕混合工程を経ずに、上記のチタンの化合物を、例えば
チタンの化合物のみを微粉砕してマンガン化合物と混合
したり、チタンの化合物のみを溶媒に溶解してマンガン
化合物に分散させるなどの方法で、マンガンとチタンの
モル比が2-x:x(但し、xは0<x≦0.33なる条件を満た
す)となるようにあらかじめ添加したマンガン化合物を
リチウム化合物と混合し、この混合物を熱処理すること
で得ることができる。
【0026】すなわち、マンガンとチタンとのモル比
が、0<x≦0.33の範囲において、2-x:xとなるように
予め添加したマンガン化合物を用いることにより、実用
的に許容範囲内の容量低下に抑えることが可能となり、
この条件を外れると初期容量が低下してしまう。
【0027】本発明に用いるリチウム化合物としては炭
酸リチウムや水酸化リチウム、水酸化リチウム一水和
物、硝酸リチウム、過酸化リチウムなどが挙げられる。
また、マンガン化合物としては、酸化マンガン、水酸化
マンガン、塩化マンガン、炭酸マンガン、硝酸マンガ
ン、硫酸マンガン、酢酸マンガンなど二次粒子の形状が
球状または楕円球状であるような粉体特性をもつもので
あれば好適に用いることが可能である。
【0028】また、チタンの化合物との固相反応が十分
進むような微粉砕粉、あるいは溶媒に溶解させマンガン
化合物に均一に分散、付着、反応させられるものであれ
ば用いることが可能である。中でも、チタンの酸化物は
溶媒(例えば水)に分散可能であり、マンガン化合物へ
の添加が容易である。この酸化物を溶媒に分散し、その
中にマンガン化合物を投入してマンガン化合物に均一に
分散、添加させたものをリチウム化合物と混合し、熱処
理することで、組成的に均一でかつマンガン化合物原料
の粉体特性を損なわずに、リチウムマンガン複合酸化物
を得ることができる。
【0029】また、熱処理温度を600℃以上950℃未満と
することで、添加金属元素Mの化合物などの異相を生じ
させることなく、金属元素Mを完全に固溶させることが
でき、結晶構造の高い完全性を実現できる。好ましく
は、熱処理温度を700℃以上850℃以下とすることでより
高い初期容量を実現できる。
【0030】なお、熱処理温度が600℃未満であると反
応が不十分であるため結晶性が悪くなり、一方950℃以
上となると結晶構造が立方晶から、正方晶に変化し好ま
しくない。また、前記熱処理は4時間以上実施すること
が好ましく、4時間未満の熱処理では、結晶性の低下や
異相の出現を招いてしまう。
【0031】本発明による、マンガンの一部をチタンで
置換した、二次粒子の形状が球状または楕円球状の正極
活物質を用いた場合、金属元素の置換によって高いサイ
クル特性を維持したまま、電極としての成形性、充填密
度を向上させ、電池として高い初期容量を具備させるこ
とができる。以下、本発明になる一実施の形態を好適な
図面に基づいて詳述する。
【0032】
【実施例】(実施例)マンガンの一部をチタンに置換し
た正極活物質を合成するために、市販の水酸化リチウム
一水和物、球状二酸化マンガン、酸化チタンを用意し
た。球状二酸化マンガンと酸化チタンをマンガンとチタ
ンのモル比が1.83:0.17、1.89:0.11、1.94:0.
06となるようにそれぞれ秤量した後、酸化チタンが完全
に分散する量の純水中に酸化チタンを分散させた。
【0033】その後その溶液中に球状の二酸化マンガン
を入れて加熱しながら攪拌し、水分を揮発させ、乾燥粉
末を得た。この乾燥粉末と水酸化リチウム一水和物をリ
チウムとマンガン+チタンのモル比が1:2となるように
秤量し、球状の二次粒子の形骸が維持される程度の強度
で十分に混合した。
【0034】この混合粉末を、酸素気流中で475℃で2時
間仮焼した後、800℃で20時間焼成し、室温まで炉冷し
た。
【0035】得られた焼成物を、CuのKa線を用いた粉末
X線回折で分析したところ、スピネル構造を有した所望
の正極活物質のみが単相で確認できた。また、粉末X線
回折図形のリートベルト解析から、格子定数を求めたと
ころ、試料〜に対してチタンの添加量が増大するに
つれて直線的に格子定数が減少していくことが確認で
き、チタンの固溶が確認された。また得られた正極活物
質のタップ密度を測定した。格子定数とタップ密度を表
1に示す。
【0036】得られた活物質を用いて以下のように電池
を作製し、充放電容量による電池特性を測定した。活物
質粉末90wt%にアセチレンブラック5wt%およびPVDF(ポ
リ沸化ビニリデン)5wt%を混合し、NMP(n−メチルピ
ロリドン)を加えペースト化した。これを20μm厚のア
ルミニウム箔に乾燥後の活物質重量が0.05g/cm2になる
ように塗布し、120℃で真空乾燥を行い、直径1cmの円
板状に打ち抜いて正極とした。
【0037】そして、図1に示すように得られた正極1
と負極3としてリチウム金属を、また、電解液には1M
のLiClO4を支持塩とするエチレンカーボネート(EC)と
ジメチルカーボネート(DMC)の等量混合溶液を用い
た。ポリエチレンからなるセパレータ2に電解液を染み
込ませ、露点が−80℃に管理されたAr雰囲気のグローブ
ボックス中で、2032型のコイン電池に組み立てた。なお
図1において、4はガスケット、5は正極缶、6は負極
缶である。
【0038】このようにして組立てた電池を組立て後24
時間程度放置し、開回路電圧(OCV)が安定した後、正
極に対する電流密度を0.5mA/cm2とし、カットオフ電圧
4.3〜3.0Vで充放電試験を行った。得られた1サイクル目
の放電容量(初期容量)と50サイクル目の放電容量、お
よび初期容量に対する50サイクル目の放電容量の比(容
量維持率)を表2に示す。
【0039】(比較例)マンガンの一部を元素で置換し
ない純粋な正極活物質を合成するために、市販の水酸化
リチウム一水和物、球状二酸化マンガンをリチウムとマ
ンガンのモル比が1:2となるように秤量した以外は、実
施例と同様に正極活物質を合成し、さらにリチウムコイ
ン二次電池を作製した。得られた結果を表1と2に示
す。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】前記、表1と2から、実施例の電池は比較
例の電池と比較して、80%以上のいずれも高い容量維
持率を保ちながら、高いタップ密度を実現し、充填性が
向上していることがわかる。
【0043】
【発明の効果】本発明になる非水系電解質二次電池用正
極活物質は、非水系二次電池の正極活物質として用いる
ことで、高いサイクル特性を維持したまま、正極として
の成形性、充填密度の向上を図ることが可能であり、単
位体積当たりの初期容量の大きな二次電池を提供するこ
とができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 正極活物質を用いたコイン電池の概略縦断
面図である。
【符号の説明】
1 正極(評価用電極) 2 セパレーター(電解液含浸) 3 リチウム金属負極 4 ガスケット 5 正極缶 6 負極缶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G048 AA04 AB01 AC06 AD04 AE05 5H050 AA08 AA19 BA17 CA09 CB12 DA02 FA17 GA02 GA10 GA13 HA02 HA14 HA20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 LiMn2-xTixO4(0<x≦0.33である)で
    表されるリチウムマンガン複合酸化物であって、該リチ
    ウムマンガン複合酸化物の二次粒子の形状が球状または
    楕円球状であることを特徴とする非水系電解質二次電池
    用正極活物質。
  2. 【請求項2】 チタンの化合物を、 マンガンとチタン
    のモル比が2-x:x(xは0<x≦0.33である)となるよう
    に、予め添加した二次粒子の形状が球状または楕円球状
    であるマンガン化合物を、リチウム化合物と混合し、こ
    の混合物を熱処理することを特徴とする非水系電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チタンの化合物をチタンの酸化物と
    することを特徴とする請求項2に記載の非水系電解質二
    次電池用正極活物質の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記チタンの化合物をチタンの酸化物と
    し、マンガン化合物にこのチタンの酸化物を添加するに
    際して、チタンの酸化物を溶媒中に分散させてマンガン
    化合物に含浸させたものをリチウム化合物と混合するこ
    とを特徴とする請求項3に記載の非水系電解質二次電池
    用正極活物質の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記混合物の熱処理は、600℃以上で950
    ℃未満とし、4時間以上実施することを特徴とする請求
    項2〜4のいずれかに記載の非水系電解質二次電池用正
    極活物質の製造方法。
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