JP2001216492A - 樹脂積層型非接触式icカード - Google Patents

樹脂積層型非接触式icカード

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JP2001216492A
JP2001216492A JP2000027646A JP2000027646A JP2001216492A JP 2001216492 A JP2001216492 A JP 2001216492A JP 2000027646 A JP2000027646 A JP 2000027646A JP 2000027646 A JP2000027646 A JP 2000027646A JP 2001216492 A JP2001216492 A JP 2001216492A
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card
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Makoto Imahori
誠 今堀
Shin Takahashi
伸 高橋
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Toagosei Co Ltd
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Toagosei Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電装部品を実装するICカード用回路基板と
その表層の樹脂シートが接着剤を用いて積層接着されて
おり、接着作業性に優れ、該積層部の接着強度が高く、
カード表面の平滑性に優れた樹脂積層型非接触式ICカ
ードを提供する。 【解決手段】 接着剤として、(A)飽和共重合樹脂並
びに(B)芳香族環及び/又はヒドロキシル基を1分子
当たり1個以上持ち、R&B軟化点が100〜180℃
である粘着性付与樹脂からなるホットメルト接着剤組成
物を用い、電子部品を実装したICカード用回路基板
と、少なくとも1枚の樹脂シートとを積層接着する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、特定のホットメル
ト接着剤組成物を用いて製造される樹脂積層型非接触式
ICカードに関するものである。より詳細には、LS
I、コンデンサー、コイル等の部品が実装されたシート
状のICカード用回路基板の表層を、少なくとも1枚の
樹脂シートで積層接着するに際し、接着剤として飽和共
重合ポリエステル樹脂と特定の粘着性付与樹脂とからな
るホットメルト接着剤組成物を用いた樹脂積層型非接触
式ICカードに関するものであり、電子材料技術に属す
るものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂積層型非接触式ICカードとは、図
1に例示したようにICチップ、コイル状アンテナ、コ
ンデンサーなどを実装した絶縁性樹脂からなるシート状
のICカード用回路基板の表層に、ICカードを保護あ
るいはその形状保持のため、少なくとも1枚以上の樹脂
製シートを積層したものである。なお、上記表層の樹脂
シートには美感を高めたり、必要な表示をするため印刷
が施されることもあり、また新たな意匠シート等を更に
その上に積層する場合もある。
【0003】電子部品を実装する樹脂製非接触式ICカ
ードに関する従来技術として、例えば特開平6−122
297号公報に記載された技術がある。このICカード
は、カード用の電子部品を収納する部分にUV硬化型液
状樹脂を注入し電子部品を埋没させた後、この上に透明
樹脂シートを置き、UVランプを照射して液状樹脂を硬
化させ、該シートを張り合わせることにより製造されて
いる。 上記公報記載のICカードでは、UV硬化型樹
脂を使用しているため、高価なUV照射装置が必要であ
りかつ工程が複雑となる。また、UV硬化型樹脂は、硬
化後のTgが常温以上であるため、曲げ柔軟性がなく割
れ易い等の問題がある。更に、UV硬化時に重合による
体積減少があり、残留歪みを生じやすく電子部品を痛め
たり、表面に歪みを発生する原因となる。
【0004】また、特開平6−24187号公報には、
電子部品を樹脂シートに接着する際に、粘着剤層の両側
に離型紙層を設けた両面粘着シートを電子部品の形状に
ハーフカットしたものを用い、片面の離型紙を剥がして
電子部品に貼り付け、次いでもう一方の離型紙を剥がし
てプラスチックカードに貼り付けるICカード製造装置
が開示されている。上記公報には、この両面粘着シート
に使用されている粘着層の組成についての記載はない
が、一般に使用されている両面粘着シート用の粘着剤は
アクリル系又はエポキシ系樹脂であって、その凝集力お
よび密着性が低くく十分な接着強度が得られず、また耐
熱性も低いため、両面粘着シートを用いて製造されたI
Cカードの貼りあわせ部は、接着強度やその耐久性の点
で問題が含まれている。更に、上記公報記載のICカー
ド製造方法では、離型紙の使用が必須のため作業が複雑
になる、ホコリが付着し易いため信頼性が劣るなどの問
題を同時に有している。
【0005】これに対しホットメルト接着剤を使用する
方法は、上記に述べた様な諸問題がなく好ましい方法で
はあるものの、特開平1−254789号公報に記載さ
れた樹脂積層用に使用されるポリエステル系ホットメル
ト接着剤は、飽和共重合ポリエステル樹脂、ポリエチレ
ン樹脂及び有機アルコキシシランの3成分を含有してな
る接着剤組成物であるため、配合成分の相溶性がやや低
く、アプリケーターや押し出し機内での安定性も不十分
のため、均一な積層フィルムが得られず、本発明のよう
な積層型非接触式ICカードに適用した場合には、樹脂
シートの表面に凹凸を生じる欠点が残っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、電装部品を
実装する、シート状のICカード用回路基板とその表層
の樹脂樹脂シートが接着剤によって積層接着されてお
り、該積層部の接着強度が高く、カードの表面に凹凸が
無く平滑であり、かつ接着作業性に優れ、簡便な製造工
程で製造できる樹脂積層型非接触式ICカードを提供す
るものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討した結果、電子部品を実装し
ているシート状のICカード用回路基板の表層を、少な
くとも1枚の樹脂シートで積層接着してなる樹脂積層型
ICカードにおいて、接着剤として(A)飽和共重合ポ
リエステル樹脂及び(B)芳香族環及び/またはヒドロ
キシル基を1分子当たり1個以上持ち、R&B軟化点が
100〜180℃である粘着性付与樹脂とからなるホッ
トメルト接着剤組成物を用いることより上記課題を解決
した樹脂積層型非接触式ICカードを得られることを見
いだし本発明を完成した。
【0008】すなわち、本発明は、下記の(A)及び
(B)の樹脂からなるホットメルト接着剤組成物を用い
て積層接着された、電子部品を実装し接着性能と表面平
滑性に優れた樹脂積層型非接触式ICカードである。 (A)飽和共重合ポリエステル樹脂 (B)芳香族環及び/又はヒドロキシル基を1分子当た
り1個以上持ち、R&B軟化点が100〜180℃以下
の粘着性付与樹脂。 以下本発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】○(A)飽和共重合ポリエステル
樹脂 本発明の飽和共重合ポリエステル樹脂を構成する共重合
モノマーである酸成分およびポリオール成分は限定され
るものではないが、以下各成分が使用できる。酸成分と
しては、芳香族二塩基性酸、脂肪族二塩基性酸および脂
環式二塩基性酸等が使用できる。芳香族二塩基性酸の具
体的例としては、テレフタル酸、イソフタル酸、無水フ
タル酸、α-ナフタレンジカルボン酸、β-ナフタレンジ
カルボン酸、及び、そのエステル形成体等がある。
【0010】脂肪族二塩基性酸の具体例としては、コハ
ク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン
酸、アゼライン酸、セバチン酸、ウンデシレン酸、ドデ
カン二酸、及びそのエステル形成体等がある。また脂環
式二塩基性酸の具体例としては、1,4-シクロヘキサンジ
カルボン酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ
無水フタル酸等が挙げられる。かかる酸成分のうち、テ
レフタル酸及びそのエステル形成体が、接着強度の点で
好ましく、テレフタル酸の含有割合は、全酸成分に対し
て30モル%以上であることが好ましい。テレフタル酸
成分が30モル%に満たないときは、樹脂の凝集力や硬
さが不足し、接着強度やねじ切り強度が低くなる。ま
た、酸成分として、トリメリット酸、ピロメリット酸な
どの多価カルボン酸もポリエステル合成時のゲル化や接
着強度を損なわない範囲内で併用することが可能であ
り、全酸成分に対して5モル%以下の範囲で使用するこ
とができる。
【0011】本発明で用いられるポリオール成分として
は、脂肪族グリコールや脂環式グリコールの2価アルコ
ールおよび多価アルコールが使用できる。脂肪族グリコ
ールの具体例としては、エチレングリコール、1,2-プロ
ピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,3-ブ
タンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオ
ール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、
1,9-ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、3-メチ
ルペンタンジオール、2,2,3-トリメチルペンタンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ジプロピレングリコール等がある。
【0012】脂環式グリコールの具体例としては、1,4-
シクロヘキサンジメタノール、水添ビスフェノールA等
が挙げられる。また、グリセリン、トリメチロールエタ
ン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等
の多価アルコールも全アルコール成分に対し、5モル%
以下の範囲で使用することができる。本発明組成物に用
いられる二価アルコールとしては、1,4-ブタンジオール
を使用することが好ましく、1,4-ブタンジオールの全ア
ルコール成分に対する割合は30モル%以上であること
が好ましい。1,4-ブタンジオールが30モル%未満のと
きは、得られたポリエステル樹脂は、凝集力に欠け、接
着強度が低く、耐熱性が不足する。
【0013】本発明のポリエステル樹脂の融点は、示差
走査熱量計の測定による融解熱量が1J/g以上である
主たる吸熱ピーク温度で示され、その融解熱ピーク温度
で示される融点が、50〜200℃であるポリエステル
樹脂が好ましく、60〜150℃のポリエステル樹脂が
さらに好ましい。この融点が50℃未満のときは、樹脂
の耐熱性が不足し、200℃を超えるときは、塗工温度
や接着温度が高くなるため、電子回路の劣化や破損や樹
脂シートの熱劣化が起こったり、接着不良の原因とな
る。
【0014】かかる共重合ポリエステル樹脂は、通常の
方法により合成・製造することができる。例えば、原料
及び触媒を仕込、生成物の融点以上の温度で加熱する溶
融重合法、生成物の融点以下で重合する固相重合法、溶
媒を使用する溶液重合法などがあり、いずれの方法を採
用しても良いが、本発明の目的に沿う適度な重合度のポ
リエステルを得るため、及び、経済性の面から溶融重合
法が好ましく、エステル交換法や直接エステル化法によ
り製造される。
【0015】○(B)芳香族環及び/またはヒドロキシ
ル基を1分子当たり1個以上持ち、R&B軟化点が10
0〜180℃以下の粘着性付与樹脂 一方(B)樹脂である芳香族環及びまたはヒドロキシル
基を1分子当たり1個以上持ち、R&B軟化点が100
〜180℃の粘着性付与樹脂としては、エポキシ樹脂
(例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、クレゾール
ノボラック型エポキシ樹脂など)、芳香族変性テルペン
樹脂、フェノキシ樹脂、クマロン・インデン樹脂,スチ
レン樹脂(スチレンおよびスチレンと共重合可能な重合
性モノマーからなるスチレン系共重合樹脂を含む),α
メチルスチレン樹脂、不均化反応ロジン樹脂等の芳香族
環及び又はヒドロキシル基を含有する樹脂のうち、R&
B軟化点が100〜180℃である樹脂が挙げられる。
【0016】本発明に用いられる飽和共重合ポリエステ
ル樹脂は、原料であるテレフタル酸などの芳香族酸など
に由来する芳香族環を持ち、かつその分子末端にはこれ
も原料である1,4ブタンジオールなどグリコールに由
来する水酸基が残っている。従って、芳香族環及び/又
はヒドロキシル基を持つ粘着性付与樹脂は、ポリエステ
ル樹脂との相溶性が優れており、接着強度が向上する。
また、相分離せず均一な組成物が得られるため、これを
用いて積層した非接触式ICカードの表面平滑性が優れ
ている。特に好ましい粘着性付与樹脂は、芳香族環とヒ
ドロキシル基とを併せ持つビスフェノールA型エポキシ
樹脂、フェノキシ樹脂である。ビスフェノールA型エポ
キシ樹脂とは、ビスフェノールAとエピクロルヒドリン
を反応させて得られるものであって、例えば、油化シェ
ルエポキシ(株)製のエピコート1007、エピコート1
009、エピコート1010等が使用できる。また、フ
ェノキシ樹脂としては、NUC社製のPKHH,PKH
J等が使用できる。
【0017】本発明における粘着性付与樹脂は、そのR
&B軟化点が100〜180℃の樹脂である。ここでR
&B軟化点とは、JIS K−6863−1994によ
って規定されている樹脂物性である。R&B軟化点が、
100℃未満の場合は樹脂シート特にPET製シートと
の密着性が低下し、本体シートとの界面での破壊が発生
するため高い接着強度が得られない。また、180℃を
超えた場合には、接着施工温度が高温となるため、熱に
よる被着体や印刷面へのダメージが生じ、塗工作業性も
大きく低下する。かかる粘着性付与剤の配合量は、ポリ
エステル樹脂100重量部に対して、3〜50重量部、
好ましくは、5〜20重量部が好ましい。3重量部より
少ないと接着性の発現が見られず、50重量部を超える
と、樹脂の柔軟性が損なわれ、耐寒性、密着性およびは
く離強度の低下が生じる。
【0018】○添加剤 本発明において用いられる接着剤組成物には、溶融粘度
の調整や接着耐久性の向上など種々の目的で、粘着性付
与樹脂以外の樹脂、無機充填剤、各種安定剤等を、本発
明の性能を損なわない範囲内で配合することが可能であ
る。粘着性付与樹脂以外の樹脂としては、例えばポリウ
レタン樹脂、石油樹脂等が使用できる。無機充填剤とし
ては、粒径10μm以下の炭酸カルシウム、酸化亜鉛、
酸化チタン、タルク、クレー、フュームドシリカ等の粉
末を用いることができ、その配合量は、ポリエステル樹
脂100重量部に対して、30重量部以下が好ましい。
【0019】安定剤としては、ポリカルボジイミドなど
の加水分解防止剤,ヒンダードフェノール等の酸化防止
剤の添加が可能である。これらの添加剤は本発明の特徴
をさらに向上させる場合があり、適宜使用することが可
能である。以上の様な成分により構成されるホットメル
ト接着剤組成物のうち、本発明の目的とする効果をより
効率的に発揮でき好ましい組成物は、ガラス転移点が3
0℃以下で、かつ融点が70〜150℃であるホットメ
ルト接着剤組成物である。
【0020】○樹脂シート 本発明に用いられるICカード用回路基板は、PET,
ポリフェニレンサルファイド,PVC,ポリイミド,ガ
ラスエポキシフィルム,BTレジンフィルム等の材質で
あるものが使用できる。この回路基板に実装された電子
部品は、回路基板上に接合されているもの、熱硬化型ま
たは光硬化型樹脂等でモジュール化されているものなど
が使用できる。意匠性の付与や表面保護などの目的で積
層される樹脂シートの材質は、PET,PVC,ポリカ
ーボネート,ABS,ナイロン,或いはこれら樹脂にA
l等の金属箔がラミネートされているシートが使用でき
る。
【0021】○接着剤の製造方法 本発明で使用される接着剤組成物は、使用する飽和共重
合ポリエステル樹脂および粘着性付与剤をそれらの軟化
温度以上で溶融混合することによって得られ、その混合
装置は、加熱装置を有する縦型攪拌機、単軸もしくは二
軸のスクリュー方式の溶融混練機、または、ニーダー式
加熱混合機に代表される通常の熱可塑性樹脂の混合器が
用いられる。混合に引き続いて、造粒工程によりペレッ
ト化して用いることも、溶融混合品を直接樹脂シート上
に塗工して使用することも可能である。
【0022】○接着方法 本発明のICカードを上記ホットメルト接着剤組成物を
用いて接着するにあたっては、例えば、前記の製造方法
により造粒された接着剤組成物のペレットを、Tダイを
有する溶融押出機により離型フィルム上にシート状に押
出し成形した後、離型シートを剥がした接着剤フィルム
を、ICカード用回路基板と樹脂シートの間に挟み込ん
だ後、全体熱プレスする事で接着する。この時、全ての
構成材料を重ね一度に熱プレスするかまたは、いくつか
の構成材料を数回に分けて熱プレスして成型してもよ
い。また、加熱された熱ラミネーターのロール間に構成
材料を挿入しラミネートしても良い。加熱プレスも1度
または数回に分けて行なうことが可能である。
【0023】接着温度は、接着剤層が100℃〜200
℃となる様に設定し、時間も基材に構成材料や、雰囲気
の温度に合わせて調整する。塗工後の接着剤の膜厚は、
2μm〜1mm、好ましくは、5〜400μmの範囲で
あって、電子部品の凹凸を埋めるために必要な厚さとす
る。
【0024】○用途 本発明の接着剤組成物を用いて製造される樹脂積層型カ
ードは、クレジットカード,銀行カード,IDカード,
定期券、テレホンカード、運転免許証、高速道路の料金
徴収用カード、パスポート、保険証等の用途に用いられ
るものであり、特にカード内面にコイル状のアンテナを
形成する必要のある非接触式ICカードに好適に用いら
れる。図−1に、非接触式ICカードの構造の一例を示
す。
【0025】
【作用】本発明の樹脂積層型非接触式ICカードが、高
い接着強度,耐久性および優れた表面平滑性を示す理由
は以下の様に考えられる。 接着剤組成物中の飽和共重合ポリエステル樹脂が、上
記のICカードに使用される樹脂に強固に接着する。 該ポリエステル樹脂は結晶性が高いので、樹脂の凝集
力が高く、高レベルの耐熱接着性を付与できる。 接着剤組成物中に芳香族環及び/またはヒドロキシル
基を1分子当たり1個以上持ち、R&B軟化点が100
〜180℃である粘着性付与樹脂が配合されているた
め、ポリエステル樹脂の溶融粘度を低下し、かつ基材へ
の濡れ性を向上する。また結晶化度を低減し、結晶化に
よる収縮応力を抑制し、接着強度の低下を防ぐ効果も発
揮される。 R&B軟化点が100〜180℃の粘着性付与樹脂
は、比較的高分子量で粘着付与樹脂自体に凝集力があ
り、高い接着力が得られる。また、粘着付与樹脂の配合
による耐熱性の低下を防ぐことができる。 さらに該ポリエステル樹脂と該粘着性付与樹脂とは相
溶性に優れるため、長時間加熱しても均一な被膜を形成
し、非接触式ICカードの表面に凹凸を生じない。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例について、比較例とと
もに祥述する。なお、実施例等の説明に先立ち、以下に
記載する物性値の測定方法及び評価方法について述べ
る。
【0027】<物性の測定方法> ○表面平滑性:ホットメルト接着剤組成物を、150℃
の熱プレスで加圧し、厚さ100μmのシートを作成す
る。2枚の厚さ100μm、縦85mm、横54mmの
PETシ−トの間に、上記のホットメルト接着剤のシー
トを挿入し、140℃の熱プレスで0.2MPaの油圧
で30秒間加圧し、接着する。冷却後、得られたラミネ
ートの表面状態を目視にて確認する。 ○融点:示差走査型熱量計により、主たる吸熱ピークの
温度を融点とした。 ○メルトフローレート :JIS−K−7660−19
81の規定に準じて、190℃,荷重21.2Nで測定
した。
【0028】○接着方法 接着方法 接着剤組成物のフィルムをカード状の型で打ち抜いた厚
さ100μm白色PET(テイジン社製、製品名UL−
9)間に挟んだ後 、熱プレスで、プレス温度140
℃、加圧時間10分、プレス圧0.25MPaの条件で
接着した。 接着性能 上記で接着した積層シートを温度23℃、湿度65%R
Hで1日放置した後、その接着強度をJIS−K−68
54規定の接着剤の剥離接着強さ試験方法に準じて評価
した。即ち、接着したPET樹脂カードを幅25mmに
切断して、23℃中で、引張り速度200mm/分で強
度を測定した。
【0029】[実施例1] ○ポリエステル樹脂の合成 撹拌装置、窒素導入管、留出管、温度計を備えた四ツ口
フラスコに、テレフタル酸ジメチル0.6モル,1,4-ブ
タンジオール1.6モル,1,6ヘキサンジオール0.2
モル及び、触媒としてテトラ-n-ブチルチタネート0.2
×10−2モルを仕込み、窒素を導入しながら昇温し、
130〜200℃でメタノールを留出させた後、イソフ
タル酸0.15モル及びセバチン酸0.25モルを加え
て、200〜240℃で水を留出させた後、引き続き、
徐々に減圧にしながら、250℃で1mmHgの減圧下
で3時間反応を続けた。得られたポリエステル樹脂(以
下、これをポリエステル樹脂aという)の物性は、融点
が135℃、ガラス転移点が−18℃,メルトフローレ
ートが80g/10minであった。また、NMR分析
によってこのポリエステル樹脂のモノマー組成を分析し
たところ、モル比でテレフタル酸/イソフタル酸/セバ
チン酸/1,4-ブタンジオール/1,6−ヘキサンジオール
=60/15/25/80/20であった。
【0030】○接着剤組成物の調製 上記で得たポリエステル樹脂a100重量部に対し、ビ
スフェノールA型エポキシ樹脂であるエピコート101
0(R&B軟化点156℃、油化シェルエポキシ(株)
製、以下エポキシ樹脂aとする)15重量部,加水分解
防止剤(ポリカルボジイミド)1部を攪拌器付きの1L
フラスコ内で溶融混合した後、この混合物から150℃
の加熱プレスを用いて厚み100μmのフィルムを作成
した。 ○接着性能 このフィルム状接着剤を用いて、前記の接着方法により
PETを積層したカードを作成し、表面平滑性を評価
し、接着性能を測定した。
【0031】[実施例2〜5]実施例1において、粘着性
付与樹脂としてエポキシ樹脂aの代わりに、表1に記載
したように、実施例2では油化シェルエポキシ(株)性
のビスフェノールA型エポキシ樹脂エピコート1007
(EP1007)、実施例3ではNUC社製のフェノキシ樹脂
PKHH、実施例4ではヤスハラケミカル(株)製の芳
香族テルペン樹脂であるYSレジンTO105、実施例
5では理化ハーキュレス社製のαメチルスチレン樹脂
(製品名 クリスタレックス3100)を使用した以外
は、実施例1と同様にして接着剤組成物を調製し、実施
例1と同様な方法で接着、積層したカードを作成した。
表面平滑性,接着性能の評価結果を表1に示す。
【0032】
【表1】
【0033】[実施例6〜8]実施例1と同様の方法で、
ポリエステル樹脂aの代わりに、表2に記載したモノマ
ー組成からなる3種のポリエステル樹脂を合成し、その
樹脂物性(メルトフローレート)を測定した。実施例1
において、ポリエステル樹脂aの代わりに表2に記載し
た3種のポリエステル樹脂を用いた他は実施例1と全く
同様の方法で接着剤組成物を調製し、更にこの接着剤を
用いてPET樹脂カードを作成し、その表面平滑性,接
着性能を評価した結果を、表2に示した。
【0034】
【表2】
【0035】本発明の効果を明確にするため比較例1〜
6を実施し、その結果を表2および表3に記載した。 [比較例1、2]比較例1および2は、飽和共重合ポリエ
ステル樹脂を含まないホットメルト接着剤を使用した例
である。即ち、比較例1では、実施例1においてポリエ
ステル樹脂aの代わりに汎用のホットメルト接着剤の原
料として多用されているエチレン−酢酸ビニル樹脂(製
品名エバフレックスEV−420、メルトフローレート
150g/10min、三井化学(株)製)を使用した他は、
全く同様の方法で実施した。また比較例2では、実施例
1において、ポリエステル樹脂aの代わりに汎用のホッ
トメルト接着剤の主原料として使用されているスチレン
/エチレン/プロピレン/スチレン共重合ゴム(SEP
Sと表示)であるクラレ(株)社の製品であるセプトン
2063を使用した他は、実施例1と全く同一の方法で
実施した。その結果、比較例1および2で調製した接着
剤はいずれも相溶性が悪く、表面平滑性が不良であっ
た。また初期はく離強度はいずれも10N/25mmで
あり、非接触式ICカードとしての接着性能を満足しな
かった。
【0036】
【表3】
【0037】[比較例3、4]比較例3および4では、R
&B軟化点が100℃未満である粘着性付与樹脂を用い
た場合である。即ち、比較例3では実施例1において、
粘着性付与樹脂として使用したエポキシ樹脂aの代わり
に、油化シェルエポキシ(株)社製のビスフェノールA
型エポキシ樹脂エピコート1002(EP1002と略
記、R&B軟化点78℃)を使用した他は、実施例1と
全く同様な方法で実施した。また比較例4では、エポキ
シ樹脂aの代わりに油化シェルエポキシ樹脂(株)社製
のビスフェノール型エポキシ樹脂エピコート1004
(EP1004と略記、R&B軟化点97℃)を使用し
た他は、実施例1と全く同様な方法で実施した。接着剤
組成物の物性および接着性能を表3に記載した。比較例
3、4共に、PET積層物の接着強度が低く、ICカー
ドとして必要な接着性能は満足できなかった。
【0038】[比較例5、6]比較例5および6は、分子
中に芳香族環もヒドロキシル基も持たない樹脂を粘着性
付与樹脂として使用した場合である。即ち、比較例5は
実施例1において、エポキシ樹脂aの代わりに荒川化学
工業(株)製の脂環族石油樹脂アルコンP−115(R
&B軟化点115℃)を使用した他は、実施例1と全く
同様に実施した。また比較例6は、エポキシ樹脂aの代
わりにヤスハラケミカル(株)性の脂環族石油樹脂YS
レジンPX120(R&B軟化点120℃)を用いた他
は、実施例1と全く同様の方法で実施した。接着剤組成
物の物性および接着性能を表3に記載した。比較例5、
6とも接着剤組成物の相溶性が悪く、PET積層物の表
面平滑性は不良であった。
【0039】
【発明の効果】本発明のICカードは、揮発成分のない
熱溶融型接着剤によって積層接着されているため、接着
時の引火の危険性や臭気が少なく、製造上の安全性に優
れている。また冷却直後に接着が完了するという高速接
着性を有しているため、作業性と生産性に極めて優れて
いる。更に、積層部の接着性に優れ、かつ高度の耐熱性
と耐久性を有し、多様な過酷な条件下でも高い接着性を
保持しているのに加え、接着積層されたICカード表面
は凹凸がなく平滑性に優れているため外観上も美しく仕
上っている。従って、本発明に係るICカードは、クレ
ジットカード,銀行カード,IDカード,定期券、テレ
ホンカード、運転免許証、高速道路の料金徴収用カー
ド、パスポート、保険証等の用途に用いられる非接触式
ICカードとして極めて有用なものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のホットメルト接着剤組成物で接着積
層した非接触式ICカードの構造断面の1例である。
【符号の説明】
1:樹脂シート 2:ホットメルト接着剤 3:回路基
板 4:ICチップ 5:アンテナ(コイル)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2C005 MA14 MA32 MB01 MB05 MB07 MB08 PA18 RA04 TA22 4J040 BA202 DB022 DK012 DN072 EC062 EC072 ED041 ED051 EE062 EL012 JB01 KA26 LA08 MA10 MB03 MB05 NA20 5B035 AA07 BA05 BB09 CA01 CA02 CA23

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子部品を実装するICカード用回路基
    板を、少なくとも1枚の樹脂シートで積層接着してなる
    樹脂積層型非接触式ICカードであって、接着剤とし
    て、(A)飽和共重合ポリエステル樹脂並びに(B)芳
    香族環及び/又はヒドロキシル基を1分子当たり1個以
    上持ち、R&B軟化点が100〜180℃である粘着性
    付与樹脂からなるホットメルト接着剤組成物を用いるこ
    とを特徴とする樹脂積層型非接触式ICカード。
  2. 【請求項2】 飽和共重合ポリエステル樹脂(A)10
    0重量部当たり、上記(B)の粘着性付与樹脂が3〜5
    0重量部からなるホットメルト接着剤組成物を用いるこ
    とを特徴とする請求項1記載の樹脂積層型非接触式IC
    カード。
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