JP2001215743A - 電子写真感光体及び画像形成装置 - Google Patents

電子写真感光体及び画像形成装置

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JP2001215743A
JP2001215743A JP2000024449A JP2000024449A JP2001215743A JP 2001215743 A JP2001215743 A JP 2001215743A JP 2000024449 A JP2000024449 A JP 2000024449A JP 2000024449 A JP2000024449 A JP 2000024449A JP 2001215743 A JP2001215743 A JP 2001215743A
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孝彰 池上
Yasuo Suzuki
康夫 鈴木
Hirofumi Yamanami
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 可視域から近赤外域まで幅広くフラット
な分光感度を有し、かつ極めて高感度で、あらゆる環境
下で良好な画像を得られる電子写真感光体及び画像形成
装置を提供することにあり、本発明の電子写真感光体
は、可視域から近赤外域まで広域な波長域にわたり高感
度なものであると同時に、高温高湿や低温低湿で繰り返
し使用しても良好な画像を提供することのできる高耐久
な感光体とそれを用いた画像形成装置を提供すること。 【課題】 導電性支持体上に下引き層、感光層を順次積
層してなる電子写真感光体において、前記感光層がフタ
ロシアニン系顔料及び下記一般式(I)で表わされるジ
スアゾ顔料を含有し、かつ該下引き層が少なくとも無機
顔料と結着剤樹脂を含有し、該結着剤樹脂が架橋したメ
トキシメチル化ナイロンであることを特徴とする電子写
真感光体。 【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子写真感光体及び
それを用いた画像形成装置に関し、さらに詳しくは可視
域から近赤外域まで広域な波長域にわたって極めて高感
度であると同時に、あらゆる環境下においても、良好な
画像を提供する電子写真感光体及び画像形成装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真感光体用の光導電性素材
として、Se、CdS、ZnO等の無機材料が用いられ
てきたが、光感度、熱安定性、毒性等の問題を持つこと
から、近年では有機光導電性材料を用いた電子写真感光
体の開発が盛んに行なわれており、電荷発生材料および
電荷輸送材料を含有する感光層を有する電子写真感光体
は、すでに実用化するに至っている。一方、電子写真感
光体には、レーザープリンター、デジタル複写機等の半
導体レーザーを光源とする電子写真装置の出現、さらに
感光体の共通化といった観点から可視域から、近赤外域
まで幅広い分光感度特性を持つことが要求され始めてい
る。
【0003】従来、これら感光体に用いる電荷発生材料
として、異なるスペクトル領域で分光感度特性を有する
2種類以上の顔料を用いることが提案されており、例え
ば、特公昭59−32788号公報、特開平3−376
58号公報、特開平4−371962号公報等に記載さ
れている。しかしながら、2種類以上の顔料を電荷発生
材料として用いることにより、分光感度域は広がるもの
の、感度がフラットなものでなかったり、感度が局所的
に著しく低下したり、逆に顔料自身の特性が生かせない
といった問題が生じるものであり、十分なものではなか
った。また、感度的にも十分なものとはいえない。ま
た、特開平3−37664号公報、特開平3−3766
6号公報には、カプラー残基が同一である対称型のジス
アゾ顔料とチタニルフタロシアニン顔料を組み合わせる
感光体が開示されているが、これらジスアゾ顔料の感度
は十分とはいえず、可視域から近赤外域まで幅広く高感
度な感光体を得るにはいたっていない。
【0004】また電子写真感光体は、導電性支持体上に
感光層を形成したものが基本構成であるが、感光層の接
着性向上、塗工性改善、帯電性改善、支持体からの不要
な電荷注入の阻止、支持体上の欠陥の被覆等のために、
下引き層を設けることが行なわれている。この下引き層
に用いられる樹脂は、例えば、ポリビニルアルコール、
カゼイン、ポリアクリル酸ナトリウム等の水溶性樹脂、
共重合ナイロン、メトキシメチル化ナイロン等のアルコ
ール可溶性樹脂、ポリウレタン、メラミン樹脂、フェノ
ール樹脂、アルキッド−メラミン樹脂、エポキシ樹脂
等、三次元網目構造を形成する硬化型樹脂等が挙げられ
る。特にメトキシメチル化ナイロンが諸特性のバランス
のよい材料として知られている。
【0005】しかし、メトキシメチル化ナイロンは吸水
性が非常に大きく、かつその構造にメトキシル基を含ん
でいる。そのためメトキシメチル化ナイロンを使用した
下引き層を設けた感光体は、高温高湿や低温低湿で繰り
返し使用すると感光体特性が大きく変動し、黒ポチや濃
度低下などの異常画像を引き起こす。また、支持体上の
欠陥の隠蔽効果を高くし、また可干渉性光(例えばレー
ザ光)等の入射光に対する散乱効果を高めて干渉縞の発
生を抑えるために、下引き層に酸化チタン等の無機顔料
を分散させることはよく知られている。メトキシメチル
化ナイロンに無機顔料を分散させても、メトキシメチル
化ナイロンの諸物性が、温湿度依存性が大きいため、こ
のような下引き層上に感光層を設けた電子写真感光体
は、依然として感光体特性の温湿度依存性が大きい。特
に、高感度な感光体を用いた高速の画像形成装置におい
て、このような温湿度依存性は、高温高湿や低温低湿環
境下での繰り返し使用時に、画像の地肌汚れや濃度低下
などの異常画像を引き起こす。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前記
従来の問題点を解決するものである。従って、本発明の
目的は、可視域から近赤外域まで幅広くフラットな分光
感度を有し、かつ極めて高感度で、あらゆる環境下で良
好な画像を得られる電子写真感光体及び画像形成装置を
提供することにあり、本発明の電子写真感光体は、可視
域から近赤外域まで広域な波長域にわたり高感度なもの
であると同時に、高温高湿や低温低湿で繰り返し使用し
ても良好な画像を提供することのできる高耐久な感光体
とそれを用いた画像形成装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明によ
り解決される。即ち、本発明によれば、導電性支持体上
に下引き層、感光層を順次積層してなる電子写真感光体
において、前記感光層がフタロシアニン系顔料及び下記
一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を含有し、かつ
該下引き層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂を含有
し、該結着剤樹脂が架橋したメトキシメチル化ナイロン
であることを特徴とする電子写真感光体及びそれを用い
た画像形成装置(以下「第1の群の本発明」ということ
がある)が提供される。
【0008】
【化5】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。)
【0009】また、別の本発明によれば、導電性支持体
上に下引き層、感光層を順次積層してなる電子写真感光
体において、前記感光層がμ−オキソ−ガリウムフタロ
シアニンダイマー顔料及び下記一般式(I)で表わされ
るジスアゾ顔料を含有し、かつ該下引き層が少なくとも
無機顔料と結着剤樹脂を含有し、該結着剤樹脂が架橋し
たメトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする電
子写真感光体及びそれを用いた画像形成装置(以下「第
2の群の本発明」ということがあるが提供される。
【0010】
【化6】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
す。)
【0011】本発明の電子写真感光体の感光層には一般
式(I)で表わされるジスアゾ顔料が含有される。具体
例としては、以下に述べるような化合物が挙げられる。
【0012】
【化7】
【0013】一般式(I)中、カプラーAおよびBの好
ましい例として、下記一般式(III)〜(VIII)で示す
カプラー残基が挙げられる。
【0014】
【化8】
【0015】
【化9】 一般式(III)および(IV)中、Xはべンゼン環と縮合
して置換基を有してもよいナフタレン環、アントラセン
環、カルバゾール環、ベンズカルバゾール環、ジベンゾ
フラン環、ジベンゾチオフェン環等の炭化水素環または
複素環基を形成するに必要な残基を表わす。一般式(V
III)中、Yは置換基を有してもよい2価の芳香族炭化
水素基ないしは窒素原子を環内に含む2価の複素環基を
表わす。一般式(III)および(IV)中、R1、R2
3、R4は水素原子、置換基を有してもよいアルキル
基、アリール基、アラルキル基または複素環基を表わ
し、R 1とR2、R3とR4は共に窒素原子を結合して窒素
原子を環内に含む環状アミノ基を形成してもよい。
【0016】
【化10】 一般式(V)中、R5は水素原子、置換基を有してもよ
いアルキル基、アリール基、アラルキル基または複素環
基を表わす。
【0017】
【化11】
【0018】
【化12】
【0019】
【化13】 一般式(VI)、(VII)中、R6、R7は置換基を有して
もよいアルキル基、アリール基、アラルキル基または複
素環基を表わす。一般式(V)、(VI)中、Ar1、A
2は置換基を有してもよいアリール基、または複素環
基を表わす。一般式(III)中、pは0または1を表わ
す。
【0020】前記表現のアルキル基としてはメチル、エ
チル、プロピルなどの基、アラルキル基としてはベンジ
ル、フェネチルなどの基、アリール基としてはフェニ
ル、ナフチル、アンスリルなどの基、複素環基としては
ピリジル、チエニル、チアゾリル、カルバゾリル、ベン
ゾイミダゾリル、ベンゾチアゾリルなどの基が挙げら
れ、窒素原子を環内に含む環状アミノ基としてはピロー
ル、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、
インドリル、カルバゾール、イミダゾール、ピラゾー
ル、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジンなどが挙
げられる。
【0021】また、置換基としては、メチル、エチル、
プロピル、、ブチルなどのアルキル基、メトキシ、エト
キシ、プロポキシなどのアルコキシ基、フッ素原子、塩
素原子、臭素原子などのハロゲン原子、ジメチルアミ
ノ、ジエチルアミノなどのジアルキルアミノ基、フェニ
ルカルバモイル基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロ
メチルなどのハロメチル基などが挙げられる。
【0022】以下に一般式(I)で表わされるジスアゾ
顔料の具体例を示すが、本発明のジスアゾ顔料はこれら
に限定されるものではない。
【0023】
【表1−1】
【0024】
【表1−2】
【0025】
【表1−3】
【0026】
【表1−4】
【0027】
【表1−5】
【0028】
【表1−6】
【0029】
【表1−7】
【0030】
【表1−8】
【0031】
【表1−9】
【0032】
【表1−10】
【0033】一般式(I)で示すジスアゾ顔料は、相当
するジアゾニウム塩化合物とAまたはBに相当するカプ
ラーとを2段階に順次反応させるか、あるいは最初のA
またはBとのカップリング反応によって得られるジアゾ
ニウム塩化合物を単離した後、さらに残りのカプラーを
反応させることによって得ることができる。
【0034】[第1の群の本発明におけるフタロシアニ
ン系顔料]本発明の電子写真感光体の感光層には、さら
にフタロシアニン系顔料が含有される。本発明は、用い
られるフタロシアニン系顔料の種類により、2つのグル
ープに分けることができ、第1の群の本発明において
は、一般的に電子写真感光体に使用されるフタロシアニ
ン系顔料全てを用いることができるが、第1の群の本発
明に関する説明中で示されるようなX型無金属フタロシ
アニン顔料、τ型無金属フタロシアニン顔料、Cu−K
α特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角2θの主要ピークが少なく
とも9.6°±0.2°および27.2°±0.2°に
あるチタニルフタロシアニン顔料、Cu−Kα特性X線
(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.0
°±0.2°および27.2°±0.2°にあるチタニ
ルフタロシアニン顔料、Cu−Kα特性X線(波長1.
541Å)を用いたX線回折スペクトルにおいて、ブラ
ッグ角2θの主要ピークが27.2°±0.2°のみに
あるチタニルフタロシアニン顔料を用いることが好まし
い。
【0035】τ型無金属フタロシアニン顔料はCu−K
α特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角2θの主要ピークが7.6
°、9.2°、16.8°、17.4°、20.4°、
20.9°、21.7°、27.6°(それぞれ±0.
2°)に存在する無金属フタロシアニン顔料であり、特
開昭58−182639号公報、特開昭60−1915
4号公報等に記載の方法で得ることができる。
【0036】X型無金属フタロシアニン顔料はCu−K
α特性X線(波長1.541Å)を用いたX線回折スペ
クトルにおいて、ブラッグ角2θの主要ピークが7.5
°、9.1°、16.7°、17.3°、22.3°、
28.8°(それぞれ±0.2°)に存在する無金属フ
タロシアニン顔料であり、米国特許3357989号、
米国特許3594163号、特公昭49−4338号公
報、特開昭60−243089号公報等に記載の方法で
得ることができる。
【0037】また、第1の群の本発明で使用されるチタ
ニルフタロシアニン顔料は次に示すものである。第1の
群の本発明で用いられる、チタニルフタロシアニン顔料
の基本構造は次の一般式(IX)で表わされる。
【0038】
【化14】 (式中、X1、X2、X3、X4は各々独立に各種ハロゲン
原子を表わし、n、m、l、kは各々独立的に0〜4の
整数を表わす。)
【0039】第1の群の本発明に係わるチタニルフタロ
シアニン顔料は、上記基本構造のチタニルフタロシアニ
ンが凝集、結晶化したものであり、Cu−Kα特性X線
(波長1.541Å)を用いたX線回折スペクトルにお
いて、ブラッグ角2θの主要ピークが少なくとも9.6
°±0.2°及び27.2°±0.2°又はブラッグ角
2θの主要ピークが少なくとも9.0°±0.2°及び
27.2°±0.2°又はブラッグ角2θの主要ピーク
が27.2°±0.2°のみにある結晶形を有するもの
である。このうちブラッグ角2θの主要ピークが27.
2°±0.2°のみにある結晶形とは、27.2°±
0.2°のピーク強度に対してこれ以外のいずれのピー
クもその強度(ピークの高さ)が35%以下であるもの
を指す。これら結晶形のチタニルフタロシアニン顔料
は、可視・近赤外吸収スペクトルの吸収ピークが780
nm〜860nmに存在し、かつ他の結晶形と比較する
と、半導体レーザー光に対して極めて高い感度を有する
ものである。
【0040】第1の群の本発明に係わるチタニルフタロ
シアニン顔料の合成例については、前述の特開昭64−
17066号公報、特開平2−28265号公報、特開
平3−35064号公報、特開平3−200790号公
報、特開平3−269064号公報、特開平3−128
973号公報、特開平3−250059号公報、特開平
5−98182号公報等に記載されている。
【0041】これら特定のフタロシアニン系顔料とジス
アゾ顔料が良好な組み合わせを示す理由としては、これ
らのジスアゾ顔料は可視領域に、そしてフタロシアニン
系顔料は近赤外線領域において、極めて高感度であり、
それぞれのこの高感度性を損なうことなく良好な分散性
を維持し得ること等が挙げられる。
【0042】また、前記感光層と第1の群の本発明の下
引き層が良好な組み合わせを示す理由については明らか
ではないが、本来温湿度依存性の大きいメトキシメチル
化ポリアミドを結着樹脂とする下引き層を高感度な感光
層と組み合わせて、高温高湿、あるいは低温低湿環境
下、高速な画像形成装置に用いると、低速では影響が小
さい残留電位の蓄積や帯電の立上り不良による不良画像
が顕著に現れてしまい、本発明の無機顔料を含有し架橋
したメトキシメチル化ナイロンを結着樹脂とした下引き
層を用いることで、これら温湿度依存による不良画像が
抑制されている等が考えられる。
【0043】[第2の群の本発明におけるダイマー系顔
料]本発明で用いられるμ−オキソ−ガリウムフタロシ
アニンダイマー顔料は、一般式化15で表わされる化合
物であり、特開平1−221459号公報及び特開平5
−279591号公報に記載されている方法により得ら
れるヒドロキシガリウムフタロシアニンを水不混和性の
高沸点有機溶媒中で加熱脱水することにより得ることが
できる。
【0044】
【化15】
【0045】ここで、高沸点有機溶媒種により各種異な
った結晶形態を有するμ−オキソ−ガリウムフタロシア
ニンダイマー顔料を得ることが可能だが、特にDMFの
ようなアミド系溶媒を用いた際に得られるCuKα線に
よるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ
±0.2゜)の7.4゜、9.9゜、12.5゜、12.9
゜、16.1゜、18.5゜、21.9゜、22.2゜、2
4.0゜、25.1゜、25.8゜及び28.2゜に回折ピ
ークを示す結晶変態を有するものは、光感度及び電位安
定性に優れたものである。
【0046】しかしながら、反面このμ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマー顔料は、そのダイマー構造
に由来すると考えられるが、電荷発生層塗工液とした際
に、顔料の凝集、及び沈殿等を起こしやすいといった生
産上の問題を有している。第2の群の本発明の電子写真
感光体は、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマ
ー顔料と上記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を
含有することで、μ−オキソ−ガリウムフタロシアニン
ダイマー顔料の上記の如き生産上の問題点を解決し、電
荷発生塗工液の分散安定性にも優れ、高画質なものとす
ることができる。
【0047】電荷発生層(17)は、μ−オキソ−ガリ
ウムフタロシアニンダイマー顔料と前記一般式(I)で
表わされるジスアゾ顔料のみから形成されていても、あ
るいはμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー顔
料と前記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料が結着
樹脂中に分散されて形成されていてもよい。したがっ
て、電荷発生層(17)はこれら成分を適当な溶剤中に
ボールミル、アトライター、サンドミル、超音波などを
用いて分散し、これを下引き層(13)上に塗布し、乾
燥することにより形成される。μ−オキソ−ガリウムフ
タロシアニンダイマー顔料と前記一般式(I)で表わさ
れるジスアゾ顔料の含有比は10:1〜1:5であるこ
とが好ましい。
【0048】
【発明の実施の形態】以下、両群の本発明を図面に沿っ
て説明する。図1は本発明の電子写真感光体の構成例を
示す断面図であり、導電性支持体(11)上に少なくと
も下引き層(13)と電荷発生物質と結着樹脂を含有す
る感光層(15)を積層した構成をとっている。図2、
図3は本発明の別の構成例を示す断面図であり、感光層
(15)が電荷発生層(17)と、電荷輸送層(19)
の積層で構成されている。図4は、本発明のさらに別の
構成例を示す断面図であり、感光層(15)の上に保護
層(21)を設けたものである。
【0049】導電性支持体(11)としては、体積抵抗
1010Ω・cm以下の導電性を示すもの、例えば、アル
ミニウム、ニッケル、クロム、ニクロム、銅、金、銀、
白金などの金属、酸化スズ、酸化インジウムなどの金属
酸化物を、蒸着またはスパッタリングにより、フィルム
状もしくは円筒状のプラスチック、紙に被覆したもの、
あるいはアルミニウム、アルミニウム合金、ニッケル、
ステンレスなどの板およびそれらを、押し出し、引き抜
きなどの工法で素管化後、切削、超仕上げ、研磨などの
表面処理した管などを使用することができる。また、特
開昭52−36016号公報に開示されたエンドレスニ
ッケルベルト、エンドレスステンレスベルトも導電性支
持体(11)として用いることができる。
【0050】この他、上記支持体上に導電性粉体を適当
な結着樹脂に分散して塗工したものも、本発明の導電性
支持体(11)として用いることができる。この導電性
粉体としては、カーボンブラック、アセチレンブラッ
ク、またアルミニウム、ニッケル、鉄、ニクロム、銅、
亜鉛、銀などの金属粉、或いは導電性酸化チタン、導電
性酸化スズ、ITOなどの金属酸化物粉などが挙げられ
る。また、同時に用いられる結着樹脂には、ポリスチレ
ン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−
ブタジエン共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合
体、ポリエステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、ポリアリレート樹脂、フェノキシ樹脂、ポリカーボ
ネート、酢酸セルロース樹脂、エチルセルロース樹脂、
ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマール、ポリビ
ニルトルエン、ポリ−N−ビニルカルバゾール、アクリ
ル樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹
脂、ウレタン樹脂、フェノール樹脂、アルキッド樹脂な
どの熱可塑性、熱硬化性樹脂又は光硬化性樹脂が挙げら
れる。このような導電性層は、これらの導電性粉体と結
着樹脂を適当な溶剤、例えば、テトラヒドロフラン、ジ
クロロメタン、2−ブタノン、トルエンなどに分散して
塗布することにより設けることができる。
【0051】さらに、適当な円筒基体上にポリ塩化ビニ
ル、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポ
リ塩化ビニリデン、ポリエチレン、塩化ゴム、テフロン
などの素材に前記導電性粉体を含有させた熱収縮チュー
ブによって導電性層を設けてなるものも、本発明の導電
性支持体(11)として良好に用いることができる。
【0052】電荷発生層(17)は、前記フタロシアニ
ン系顔料、前記ダイマー顔料と前記一般式(I)で表わ
されるジスアゾ顔料のみから形成されていても、あるい
は前記フタロシアニン系顔料、前記ダイマー顔料と前記
一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料が結着樹脂中に
分散されて形成されていてもよい。したがって、電荷発
生層(17)はこれら成分を適当な溶剤中にボールミ
ル、アトライター、サンドミル、超音波などを用いて分
散し、下引き層(13)上に塗布し、乾燥することによ
り形成される。
【0053】電荷発生層(17)に用いられる結着樹脂
としては、ポリアミド、ポリウレタン、エポキシ樹脂、
ポリケトン、ポリカーボネート、シリコーン樹脂、アク
リル樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルホルマー
ル、ポリビニルケトン、ポリスチレン、ポリ−ビニルカ
ルバゾール、ポリアクリルアミド、ポリビニルベンザー
ル、ポリエステル、フェノキシ樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリアミド、ポリビ
ニルピリジン、セルロース系樹脂、カゼイン、ポリビニ
ルアルコール、ポリビニルピロリドン等が挙げられる。
【0054】結着樹脂の量は、電荷発生物質100重量
部に対し、10〜500重量部、好ましくは25〜30
0重量部が適当である。また、電荷発生層の膜厚は0.
01〜5μm、好ましくは0.1〜2μmである。ここ
で用いられる溶剤としては、イソプロパノール、アセト
ン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、テトラヒ
ドロフラン、ジオキサン、エチルセルソルブ、酢酸エチ
ル、酢酸メチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、モ
ノクロロベンゼン、シクロヘキサン、トルエン、キシレ
ン、リグロイン等が挙げられる。塗布液の塗工法として
は、浸漬塗工法、スプレーコート、ビードコート、ノズ
ルコート、スピナーコート、リングコート等の方法を用
いることができる。
【0055】なお、電荷発生層塗布液としては、フタロ
シアニン系顔料、前記ダイマー顔料および前記一般式
(I)で表わされるジスアゾ顔料を別々に分散処理し、
塗工液を作成した後に混合し、これを電荷発生層塗布液
としてもよいが、これら2種の顔料を同時に粉砕あるい
は混合、ミリング処理を行なって作成したものを電荷発
生層塗布液としたほうが、作成した感光体はより高感度
なものが得られるようになる。この理由については明ら
かではないが、粉砕あるいは混合、ミリング処理を行な
うことにより、顔料間での相互作用が生じやすくなり、
電荷発生効率が向上することにより感度が向上するもの
と考えられる。
【0056】電荷輸送層(19)は、電荷輸送物質およ
び結着樹脂を適当な溶剤に溶解ないし分散し、これを電
荷発生層上に塗布、乾燥することにより形成できる。ま
た、必要により可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤等を
添加することもできる。
【0057】電荷輸送物質には、正孔輸送物質と電子輸
送物質とがある。電子輸送物質としては、例えばクロル
アニル、ブロムアニル、テトラシアノエチレン、テトラ
シアノキノジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フ
ルオレノン、2,4,5,7−テトラニトロ−9−フル
オレノン、2,4,5,7−テトラニトロキサントン、
2,4,8−トリニトロチオキサントン、2,6,8−
トリニトロ−4H−インデノ[1,2−b]チオフェン
−4−オン、1,3,7−トリニトロジベンゾチオフェ
ン−5,5−ジオキサイド、ベンゾキノン誘導体等の電
子受容性物質が挙げられる。
【0058】正孔輸送物質としては、ポリ−N−ビニル
カルバゾールおよびその誘導体、ポリ−γ−カルバゾリ
ルエチルグルタメートおよびその誘導体、ピレン−ホル
ムアルデヒド縮合物およびその誘導体、ポリビニルピレ
ン、ポリビニルフェナントレン、ポリシラン、オキサゾ
ール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘
導体、モノアリールアミン誘導体、ジアリールアミン誘
導体、トリアリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、
α−フェニルスチルベン誘導体、ベンジジン誘導体、ジ
アリールメタン誘導体、トリアリールメタン誘導体、9
−スチリルアントラセン誘導体、ピラゾリン誘導体、ジ
ビニルベンゼン誘導体、ヒドラゾン誘導体、インデン誘
導体、ブタジエン誘導体、ピレン誘導体、ビススチルベ
ン誘導体、エナミン誘導体等、及びその他公知の材料が
挙げられる。これらの電荷輸送物質は単独、または2種
以上混合して用いられる。
【0059】結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレ
ン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン
共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ポリエ
ステル、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアリ
レート、フェノキシ樹脂、ポリカーボネート、酢酸セル
ロース樹脂、エチルセルロース樹脂、ポリビニルブチラ
ール、ポリビニルホルマール、ポリビニルトルエン、ポ
リ−N−ビニルカルバゾール、アクリル樹脂、シリコー
ン樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、ウレタン樹脂、
フェノール樹脂、アルキッド樹脂、特開平5−1582
50号公報、特開平6−51544号公報記載の各種ポ
リカーボネート共重合体等の熱可塑性または熱硬化性樹
脂が挙げられる。
【0060】電荷輸送物質の量は結着樹脂100重量部
に対し、20〜300重量部、好ましくは40〜150
重量部が適当である。また、電荷輸送層の膜厚は5〜5
0μm程度とすることが好ましい。ここで用いられる溶
剤としては、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエ
ン、モノクロロベンゼン、ジクロロエタン、ジクロロメ
タン、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセト
ンなどが用いられる。
【0061】本発明においては電荷輸送層(19)中に
可塑剤、レベリング剤、酸化防止剤を添加してもよい。
可塑剤としては、ジブチルフタレート、ジオクチルフタ
レートなどの一般的な樹脂の可塑剤として使用されてい
るものがそのまま使用でき、その使用量は結着樹脂10
0重量部に対して0〜30重量部程度が適当である。レ
ベリング剤としては、ジメチルシリコーンオイル、メチ
ルフェニルシリコーンオイルなどのシリコーンオイル類
や、側鎖にパーフルオロアルキル基を有するポリマーあ
るいはオリゴマーが使用でき、その使用量は結着樹脂1
00重量部に対して0〜1重量部が適当である。酸化防
止剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、硫黄系
化合物、燐系化合物、ヒンダードアミン系化合物、ピリ
ジン誘導体、ピペリジン誘導体、モルホリン誘導体、ハ
イドロキノン系化合物等の酸化防止剤が使用でき、その
使用量は結着樹脂100重量部に対して0〜5重量部程
度が適当である。
【0062】次に、感光層(15)が単層構成の場合に
ついて述べる。この場合も多くは電荷発生物質と電荷輸
送物質が含有される機能分離型のものが挙げられる。す
なわち、電荷発生物質、電荷輸送物質には先に例示した
化合物を用いることができる。単層構成の感光層は、電
荷発生物質、電荷輸送物質及び結着樹脂を適当な溶剤に
溶解ないし分散し、これを塗布、乾燥することにより形
成できる。また、必要により、可塑剤、レベリング剤、
酸化防止剤等を添加することもできる。結着樹脂として
は、先に電荷輸送層(19)について例示した結着樹脂
を用いることができるが、電荷発生層(17)で例示し
た結着樹脂を混合して用いてもよい。
【0063】ピリリウム系染料、ビスフェノール系ポリ
カーボネートから形成される共晶錯体に正孔輸送物質を
添加した感光層も単層の感光層として用いることができ
る。単層構成の感光層は電荷発生物質、電荷輸送物質及
び結着樹脂等をテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジク
ロロエタン、シクロヘキサノン、ジクロロメタン等の溶
媒を用いて分散機等で分散した塗工液を、浸漬塗工法や
スプレーコート、ビードコート等の方法で塗工して形成
できる。単層構成の感光層の膜厚は、5〜50μm程度
が適当である。
【0064】本発明の下引き層に用いる無機顔料は、一
般に用いられている顔料でよいが、可視光及び近赤外光
に吸収のほとんどない白色又はそれに近いものが望まし
い。例えば、酸化チタン、亜鉛華、硫酸亜鉛、鉛白、リ
トポン等の白色顔料や酸化アルミ、シリカ、炭酸カルシ
ウム、硫酸バリウム等の顔料等が挙げられる。無機顔料
(P)と結着剤樹脂(R)との比率P/Rは、体積比で
0.1/1から5.0/1の範囲が好ましい。更に、酸
化チタンと酸化アルミを混合した下引き層とすること
で、高温高湿や低温低湿で繰り返し使用による感光体特
性の変動がより小さくなる。これは混合をすることで分
散状態がよくなり、下引き層に最適な抵抗値となるため
と考えられる。酸化チタンは他の白色顔料に比較して屈
折率が大きく、化学的にも物理的にも安定であり、隠蔽
力が大きく、白色度も大きい。また酸化チタンにはルチ
ル型、アナタース型があるが、このいずれでも使用でき
る。酸化アルミは、一般に使われている酸化アルミでよ
い。酸化チタンと酸化アルミの混合方法は、両粉末を混
合して分散させる等でよく、特に混合方法に指定はな
い。
【0065】下引き層に使用するメトキシメチル化ナイ
ロンは、メトキシメチル化率を15mol%以上とする
ことにより、無機顔料との分散がよく、均一な下引き層
が得られ、繰り返し使用しても良好な画像を得ることの
できる感光体となる。下引き層の厚さは、0.5μm以
上50.0μm以下が好ましい。
【0066】下引き層の形成方法としては、まずメトキ
シメチル化ナイロンをメタノール、エタノール、プロパ
ノールなどの低級脂肪族アルコールに溶解させる。この
際溶液の安定性を高めるため、トリクロルエタン、トリ
クロルエチレン、ジクロロエタン、ジクロロメタン、ク
ロロホルムなどの塩素化炭化水素を混合してもよい。顔
料を分散させる方法としては、ボールミル、ロールミ
ル、サンドミル、アトライターなどの常法が適応でき
る。メトキシメチル化ナイロンを架橋させる方法は、下
引き層用塗布液を酸性にして加熱すればよい。下引き層
用塗布液を酸性にするために、マレイン酸、クエン酸、
酒石酸、コハク酸等の有機酸や硼酸、次亜燐酸等の無機
酸を添加すればよい。添加量はメトキシメチル化ナイロ
ンに対して0.1重量%から10重量%でよい。
【0067】この塗工液をブレード塗工、ナイフ塗工、
スプレー塗工、浸漬塗工等の塗工方法を用いて導電性支
持体上に塗工、乾燥することによって、下引き層が形成
される。乾燥温度は100℃以上で行なう。100℃以
上で乾燥を行なうと架橋が進み、より環境依存性の小さ
い感光体となる。しかし、100℃未満の場合は架橋が
完全に進まず、残留メトキシル基が多くなり、環境依存
性の大きな感光体となる。
【0068】保護層(21)は感光体の耐久性向上の目
的で設けられ、これに使用される材料としてはABS樹
脂、ACS樹脂、オレフィン−ビニルモノマー共重合
体、塩素化ポリエーテル、アリル樹脂、フェノール樹
脂、ポリアセタール、ポリアミド、ポリアミドイミド、
ポリアクリレート、ポリアリルスルホン、ポリブチレ
ン、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、
ポリエーテルスルホン、ポリエチレン、ポリエチレンテ
レフタレート、ポリイミド、アクリル樹脂、ポリメチル
ペンテン、ポリプロピレン、ポリフェニレンオキシド、
ポリスルホン、ポリスチレン、AS樹脂、ブタジエン−
スチレン共重合体、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポ
リ塩化ビニリデン、エポキシ樹脂等に樹脂が挙げられ
る。
【0069】保護層(21)には、そのほか耐摩耗性を
向上させる目的でポリテトラフルオロエチレンのような
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、また酸化チタン、酸化
錫、チタン酸カリウム等の無機材料等を添加することが
できる。保護層(21)の形成法としては、通常の塗布
法を用いることができる。なお、保護層(21)の厚さ
は0.1〜10μmが適当である。
【0070】また、以上の他に真空薄膜作成法にて形成
したa−C、a−SiCなどの公知の材料も保護層(2
1)として用いることができる。本発明においては感光
層(15)と保護層(21)との間に別の中間層(図示
せず)を設けることも可能である。
【0071】前記別の中間層は一般に樹脂を主成分とし
て用いる。これら樹脂としてはポリアミド、アルコール
可溶性ナイロン樹脂、水溶性ブチラール樹脂、ポリビニ
ルブチラール、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
前記別の中間層の形成法としては、前述のごとく通常の
塗布法を用いることができる。なお、膜厚は0.05〜
2μmが適当である。
【0072】本発明の電子写真感光体を搭載した画像形
成装置の一例を図8によって説明する。図8に示される
例の画像形成装置においては、感光体(23)の周囲
に、接触部材としての弾性ローラ(22)、除電ランプ
(24)、帯電チャージャ(25)、イレーサ(2
6)、画像露光部(27)、現像ユニット(28)、転
写前チャージャ(29)、レジストローラ(30)、転
写紙(31)、転写チャージャ(32)、分離チャージ
ャ(33)、分離爪(34)、クリーニング前チャージ
ャ(35)、ファーブラシ(36)、クリーニングブレ
ード(37)等を備えたものである。図中、温度センサ
は感光体(23)に接して配置する必要がないので図示
を省略しているが、感光体(23)の表面電位測定手段
を用いる場合には画像露光部(27)の前またはイレー
サ(26)の前に配置することができる。そして、無
論、本発明は、この例示のような画像形成装置のみに限
られる訳でなく、帯電手段、画像露光手段、現像手段、
転写手段、クリーニング手段を有するものであればよ
い。
【0073】
【実施例】以下、本発明を実施例を挙げてさらに具体的
に説明する。まず、実施例で用いるフタロシアニン顔料
のうち、チタニルフタロシアニン顔料の具体例を述べ
る。 (合成例1)フタロジニトリル52.5g(0.41m
ol)と1−クロロナフタレン300mlを撹拌混合
し、窒素気流下で四塩化チタン19.0g(0.10m
ol)を滴下する。滴下終了後、徐々に200℃まで昇
温し、反応温度を190℃〜210℃の間に保ちながら
5時間撹拌して反応を行なった。反応終了後、放冷し1
30℃になったところで熱時濾過し、ついで1−クロロ
ナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、つぎにメタノ
ールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で数回洗浄した
後、乾燥し42.2g(収率73.3%)の粗チタニル
フタロシアニン顔料を得た。得られた熱水洗浄処理済み
の粗チタニルフタロシアニン顔料のうち6gを96%硫
酸100gに3〜5℃下で撹拌、溶解し濾過した。得ら
れた硫酸溶液を氷水3.5リットル中に撹拌しながら滴
下し、析出した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になる
まで水洗を繰り返し、チタニルフタロシアニン顔料のウ
エットケーキを得た。このウエットケーキに1,2−ジ
クロロエタン100mlを加え、室温下で2時間撹拌し
た後、メタノール300mlを更に加え撹拌、濾過し
た。これをメタノール洗浄し、更に乾燥して第1の群の
本発明におけるチタニルフタロシアニン顔料4.9gを
得た。
【0074】(合成例2)フタロジニトリル52.5g
(0.41mol)と1−クロロナフタレン300ml
を撹拌混合し、窒素気流下で四塩化チタン19.0g
(0.10mol)を滴下する。滴下終了後、徐々に2
00℃まで昇温し、反応温度を190℃〜210℃の間
に保ちながら5時間撹拌して反応を行なった。反応終了
後、放冷し130℃になったところで熱時濾過し、つい
で1−クロロナフタレンで粉体が青色になるまで洗浄、
つぎにメタノールで数回洗浄し、さらに80℃の熱水で
数回洗浄した後、乾燥し42.2g(収率73.3%)
の粗チタニルフタロシアニン顔料を得た。得られた粗チ
タニルフタロシアニンのうち6gを96%硫酸100g
に3〜5℃下で撹拌、溶解し濾過した。得られた硫酸溶
液を氷水3.5リットル中に撹拌しながら滴下し、析出
した結晶を濾過、ついで洗浄液が中性になるまで水洗を
繰り返し、乾燥してチタニルフタロシアニン顔料5.8
gを得た。次にアシッドペースト処理したチタニルフタ
ロシアニン顔料4.0gに対してメタノール100ml
を加えて、30℃下で5時間懸濁撹拌処理を行なった。
処理後濾過、乾燥してチタニルフタロシアニン顔料3.
6gを得た。更に得られた顔料3.6gにn−ブチルエ
ーテル70mlを加え、1mmφのガラスビーズととも
にミリング処理を室温下で24時間行なった。この分散
液よりガラスビーズを除き、濾過、メタノールで洗浄、
乾燥して第1の群の本発明におけるチタニルフタロシア
ニン顔料3.4gを得た。
【0075】(合成例3)1,3−ジイミノイソインド
リン35.0gとα−クロロナフタレン240mlを混
合し、窒素雰囲気下でチタニウムブトキシド24.5g
を加えた。窒素雰囲気のまま140〜150℃で2時間
加熱、更に温度を180℃にして3時間反応させた。放
冷後、析出物を濾過しα−クロロナフタレンで洗浄、つ
いで90℃のDMFで徹底的に洗浄、最後にメタノール
で洗浄、乾燥して29.8gのチタニルフタロシアニン
を得た。以上のようにして得たチタニルフタロシアニン
顔料4.1gをトリフルオロ酢酸/ジクロロメタン=8
ml/32mlの混合溶媒に溶解、これを氷冷したメタ
ノール/水=100ml/100mlの混合溶媒中に撹
拌しながら滴下し結晶を析出させ、その後静置した。結
晶が沈殿後上澄み液を取り去り、メタノール100ml
を加えて30分撹拌、濾過した。得られた固形物を20
0mlの熱水中に分散、繰り返し洗浄し、チタニルフタ
ロシアニン顔料のウエットケーキを得た。次にこのウエ
ットケーキをモノクロロベンゼン100ml中に分散、
30分間撹拌し濾過、乾燥することにより第1の群の本
発明に係わるチタニルフタロシアニン顔料3.6gを得
た。
【0076】以上、得られたチタニルフタロシアニン顔
料についてのX線回折スペクトルを以下に示す条件で測
定した。X線管球 Cu、電圧 40kV、電流 20m
Am走査速度 1°/分、走査範囲 3°〜35°、時定
数 2秒、合成例1により得られたチタニルフタロシア
ニン顔料のX線回折スペクトルを図5に、合成例2によ
り得られたチタニルフタロシアニン顔料のX線回折スペ
クトルを図6に、合成例3により得られたチタニルフタ
ロシアニン顔料のX線回折スペクトルを図7に示す。図
5に示すように合成例1により得られたチタニルフタロ
シアニン顔料はブラッグ角2θの9.5°及び27.2
°に主要なピークを有することがわかる。合成例2によ
り得られた顔料は、図6に示すようにブラッグ角2θの
9.0°及び27.2°に主要なピークを有することが
わかる。合成例3により得られたこの顔料は、図7に示
すようにブラッグ角2θで27.2°に最大ピークを有
し、27.2°±0.2°のピーク強度に対してこれ以
外のいずれのピークもその強度(ピーク高さの比較)が
35%以下であることがわかる。
【0077】[第1の群の発明] (実施例1)メトキシメチル化ナイロン(メトキシメチ
ル化率 30mol%)73重量部を1000重量部の
メタノールに溶解し、これにルチル型酸化チタン28
1.3重量部を加え、72時間ボールミル分散を行なっ
た。その後、メタノールに溶解させた酒石酸(固形分1
0%)を36.5重量部添加して下引き層用塗工液を作
成した。これをアルミ板上に塗布し、130℃で20分
乾燥し、厚さ3.5μmの下引き層を形成した。次に、
ブチラール樹脂(エスレックBL−1;積水化学社製)
3重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解し、こ
れに例示化合物表1−(24)のジスアゾ顔料3.6重
量部とX型無金属フタロシアニン顔料2.5重量部を加
え、ボールミルにより120時間分散した。さらにシク
ロヘキサノン300重量部を加え3時間分散を行ない、
電荷発生層用塗工液を作成した。こうして得られた電荷
発生層用塗工液を、前記中間層上に塗布、130℃で1
0分間乾燥し、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成し
た。次に、下記構造式(IX)の電荷輸送物質8重量部、
ポリカーボネート樹脂(Z−200;三菱ガス化学社
製)10重量部、シリコンオイル(KF−50;信越化
学工業社製)0.002重量部をテトラヒドロフラン8
5重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。こ
うして得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上
に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、実施例1の電子写真感光体を得
た。
【0078】(実施例2および3)実施例1において、
ジスアゾ顔料として表1−(29)および表1−(3
0)を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2およ
び3の電子写真感光体を作成した。
【0079】(実施例4〜7)実施例1における電荷発
生物質であるX型無金属フタロシアニン顔料を表2に示
すようにした以外は実施例1と同様にして実施例4〜7
の電子写真感光体を得た。
【0080】
【表2】
【0081】(比較例1、2および3)実施例1、2及
び3において、表1−(24)、表1−(29)および
表1−(30)のジスアゾ顔料を含有する塗工液のみに
より形成した以外は実施例1、2および3と同様にして
比較例2、3および4の電子写真感光体を作成した。
【0082】(比較例4〜8)実施例1および4〜7に
おいて、表1−(24)、表1−(29)および表−
(30)のジスアゾ顔料を添加せず、フタロシアニン顔
料の量を3重量部として作成した以外は実施例1および
4〜7と同様にして比較例4〜8の電子写真感光体を作
成した。
【0083】(比較例9)実施例1のジスアゾ顔料のか
わりに、下記構造式(X)に示す多環キノン顔料を用い
たほかは実施例1と同様にして比較例9の電子写真感光
体を作成した。
【0084】
【化16】
【0085】以上のようにして得られた電子写真感光体
を、EPA−8100(川口電気製作所製)を用い、ダ
イナミックモードにて静電特性を評価した。まず、感光
体に一6kVのコロナ放電を5秒間行い負帯電した後、
暗減衰させ、表面電位が−800Vになったときにバン
ドパスフィルターを用いて500nm、600nm、7
00nm、780nmにそれぞれ分光した光を露光し
て、表面電位が−400Vに光減衰するに必要な露光量
E1/2(μJ/cm2)を測定した。評価結果を表3に
示す。
【0086】
【表3】 *光減衰せず
【0087】(実施例8)導電性基体をアルミ板からφ
30mm×L340mmのアルミドラムに変えた以外は
実施例1と同様にして、実施例8の感光体ドラムを作成
した。
【0088】(実施例9)中間層中に分散させる顔料を
酸化チタン281.3重量部、酸化アルミ2重量部に変
えた以外は、実施例8と全く同様にして実施例9の感光
体ドラムを作成した。
【0089】(実施例10および11)メトキシメチル
化ナイロンのメトキシメチル化率がそれぞれ13mol
%、20mol%である以外は、実施例8と同様にして
実施例10及び11の感光体ドラムを作成した。
【0090】(実施例12および13)実施例8におい
て、ジスアゾ顔料として表1−(29)および表1−
(30)を用いた以外は実施例8と同様にして実施例1
2および13の電子写真感光体ドラムを作成した。
【0091】(実施例14〜17)実施例8における電
荷発生物質であるX型無金属フタロシアニン顔料を表2
に示すようにした以外は実施例8と同様にして実施例1
4〜17の電子写真感光体ドラムを得た。
【0092】(比較例10)酒石酸を添加せず乾燥温度
を95℃とし、メトキシメチル化ナイロンを架橋させな
かった以外は、実施例8と全く同様にして比較例10の
感光体ドラムを作成した。
【0093】(比較例11〜16)実施例12〜17に
おいて、酒石酸を添加せず乾燥温度を95℃とし、メト
キシメチル化ナイロンを架橋させなかった以外は、実施
例12〜17と全く同様にして比較例11〜16の感光
体ドラムを作成した。
【0094】以上得られた感光体ドラムをデジタル電子
写真複写機イマジオMF−2200(リコー製)に搭載
し、各環境で初期及び1万枚(A4横)コピーした後の
VD、VL画像を評価した。MF−2200は各々の感
光体を搭載した時に初期VD、初期VLをそれぞれ−9
00V、−200Vになるよう調整した。
【0095】
【表4−1】評価環境(22℃/50%RH)
【0096】
【表4−2】評価環境(10℃/15%RH)
【0097】
【表4−3】評価環境(30℃/90%RH)
【0098】[第2の群の発明] (実施例18)メトキシメチル化ナイロン(メトキシメ
チル化率 30mol%)73重量部を1000重量部
のメタノールに溶解し、これにルチル型酸化チタン28
1.3重量部を加え、72時間ボールミル分散を行なっ
た。その後、メタノールに溶解させた酒石酸(固形分1
0%)を36.5重量部添加して下引き層用塗工液を作
成した。これを、アルミ板上に塗布し、130℃で20
分乾燥し、厚さ3.5μmの下引き層を形成した。次
に、ブチラール樹脂(エスレックBL−1;積水化学社
製)3重量部をシクロヘキサノン150重量部に溶解
し、これに表1−(24)のジスアゾ顔料6重量部を加
え、ボールミルにより120時間分散した。さらにシク
ロヘキサノン300重量部を加え3時間分散を行ない、
ジスアゾ顔料を含有する電荷発生層用塗工液(A液)を
作成した。さらにまた、ブチラール樹脂(エスレックB
L−1;積水化学社製)3重量部をシクロヘキサノン1
50重量部に溶解し、これにμ−オキソ−ガリウムフタ
ロシアニンダイマー顔料6重量部を加え、超音波分散に
より5時間分散した。さらにシクロヘキサノン300重
量部を加え1時間分散を行ない、μ−オキソ−ガリウム
フタロシアニンダイマー顔料を含有する電荷発生層用塗
工液(B液)を作成した。以上のように作成したA液と
B液を等量、撹拌しながら混合し、第2の群の本発明の
電荷発生層用塗工液を作成した。こうして得られた電荷
発生層用塗工液を、前記中間層上に塗布、130℃で1
0分間乾燥し、膜厚0.25μmの電荷発生層を形成し
た。次に、下記構造式(XI)の電荷輸送物質8重量部、
ポリカーボネート樹脂(Z−200;三菱ガス化学社
製)10重量部、シリコンオイル(KF−50;信越化
学工業社製)0.002重量部をテトラヒドロフラン8
5重量部に溶解し、電荷輸送層用塗工液を作成した。こ
うして得られた電荷輸送層用塗工液を前記電荷発生層上
に塗布し、130℃で20分間乾燥して、膜厚20μm
の電荷輸送層を形成し、実施例18の電子写真感光体を
得た。
【0099】
【化17】
【0100】(実施例19および20)実施例18にお
いて、ジスアゾ顔料として表1−(29)および表1−
(30)を用いた以外は実施例18と同様にして実施例
19および20の電子写真感光体を作成した。
【0101】(比較例17)実施例18において、電荷
発生層をμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー
顔料を含有する塗工液のみにより形成した以外は実施例
18と同様にして比較例17の電子写真感光体を作成し
た。
【0102】(比較例18)実施例18において、電荷
発生層を表1−(24)のジスアゾ顔料を含有する塗工
液のみにより形成した以外は実施例18と同様にして比
較例18の電子写真感光体を作成した。
【0103】(比較例19および20)実施例19およ
び20において、電荷発生層を表1−(29)および表
1−(30)のジスアゾ顔料を含有する塗工液のみによ
り形成した以外は実施例19および20と同様にして比
較例19および20の電子写真感光体を作成した。
【0104】(比較例21)実施例18のジスアゾ顔料
のかわりに、下記構造式(X)に示す多環キノン顔料を
用いたほかは実施例18と同様にして比較例21の電子
写真感光体を作成した。
【0105】
【化18】 以上のようにして得られた電子写真感光体を、EPA−
8100(川口電気製作所製)を用い、ダイナミックモ
ードにて静電特性を評価した。まず、感光体に一6kV
のコロナ放電を5秒間行ない負帯電した後、暗減衰さ
せ、表面電位が−800Vになったときにバンドパスフ
ィルターを用いて500nm、600nm、700n
m、780nmにそれぞれ分光した光を露光して、表面
電位が−400Vに光減衰するに必要な露光量E1/2
(μJ/cm2)を測定した。評価結果を表2に示す。
【0106】
【表5】
【0107】(実施例21)導電性基体をアルミ板から
φ30mm×L340mmのアルミドラムに変えた以外
は実施例18と同様にして、実施例21の感光体ドラム
を作成した。
【0108】(実施例22)中間層中に分散させる顔料
を酸化チタン281.3重量部、酸化アルミ2重量部に
変えた以外は、実施例21と全く同様にして実施例22
の感光体ドラムを作成した。
【0109】(実施例23および24)メトキシメチル
化ナイロンのメトキシメチル化率がそれぞれ13mol
%、20mol%である以外は、実施例21と同様にし
て実施例23及び24の感光体ドラムを作成した。
【0110】(実施例25および26)実施例21にお
いて、ジスアゾ顔料として表1−(29)および表1−
(30)を用いた以外は実施例21と同様にして実施例
25および26の電子写真感光体ドラムを作成した。
【0111】(比較例22)酒石酸を添加せず乾燥温度
を95℃とし、メトキシメチル化ナイロンを架橋させな
かった以外は、実施例21と全く同様にして比較例22
の感光体ドラムを作成した。
【0112】(比較例23および24)酒石酸を添加せ
ず乾燥温度を95℃とし、メトキシメチル化ナイロンを
架橋させなかった以外は、実施例25及び26と全く同
様にして比較例23および24の感光体ドラムを作成し
た。
【0113】以上得られた感光体ドラムをデジタル電子
写真複写機イマジオMF−2200(リコー製)に搭載
し、各環境で初期及び1万枚(A4横)コピーした後の
VD、VL画像を評価した。MF−2200は各々の感
光体を搭載した時に初期VD、初期VLをそれぞれ−9
00V、−200Vになるよう調整した。
【0114】
【表6−1】評価環境(22℃/50%RH)
【0115】
【表6−2】評価環境(10℃/15%RH)
【0116】
【表6−3】評価環境(30℃/90%RH))
【0117】
【発明の効果】以上、詳細かつ具体的な説明から明らか
なように、本発明の電子写真感光体および画像形成装置
は、可視域から近赤外域まで幅広くフラットな分光感度
を有し、かつ極めて高感度であり、あらゆる環境下で良
好な画像得られという優れた効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における電子写真感光体の層構成を例示
する断面図である。
【図2】本発明における電子写真感光体の層構成を例示
する別の断面図である。
【図3】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する別
の断面図である。
【図4】本発明の電子写真感光体の層構成を例示する更
に別の断面図である。
【図5】本発明において合成例1により得られたチタニ
ルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトル図である。
【図6】本発明において合成例2により得られたチタニ
ルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトル図である。
【図7】本発明において合成例3により得られたチタニ
ルフタロシアニン顔料のX線回折スペクトル図である。
【図8】本発明の装置の一例の説明図である。
【符号の説明】 11 導電性支持体 13 下引き層 15 感光層 17 電荷発生層 19 電荷輸送層 21 保護層 22 弾性ローラ 23 感光体 24 除電ランプ 25 帯電チャージャ 26 イレーサ 27 画像露光部 28 現像ユニット 29 転写前チャージャ 30 レジストローラ 31 転写紙 32 転写チャージャ 33 分離チャージャ 34 分離爪 35 クリーニング前チャージャ 36 ファーブラシ 37 クリーニングブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 康夫 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 山南 弘文 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 2H068 AA19 AA43 AA44 BA16 BA43 BB28 CA29 CA33

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電性支持体上に下引き層、感光層を順
    次積層してなる電子写真感光体において、前記感光層が
    フタロシアニン系顔料及び下記一般式(I)で表わされ
    るジスアゾ顔料を含有し、かつ該下引き層が少なくとも
    無機顔料と結着剤樹脂を含有し、該結着剤樹脂が架橋し
    たメトキシメチル化ナイロンであることを特徴とする電
    子写真感光体。 【化1】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
    す。)
  2. 【請求項2】 前記下引き層に含有される無機顔料が酸
    化チタンと酸化アルミであることを特徴とする請求項1
    に記載の電子写真感光体。
  3. 【請求項3】 前記メトキシメチル化ナイロンのメトキ
    シメチル化率が15mol%以上であることを特徴とす
    る請求項1または2に記載の電子写真感光体。
  4. 【請求項4】 前記フタロシアニン顔料がX型無金属フ
    タロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れか1に記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】 前記フタロシアニン顔料がτ型無金属フ
    タロシアニン顔料であることを特徴とする請求項1乃至
    3の何れか1に記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線に
    よるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ
    ±0.2゜)の、少なくとも9.6゜および27.2°
    に回折ピークを示す結晶変態を有するチタニルフタロシ
    アニンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1に記載の電子写真感光体。
  7. 【請求項7】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線に
    よるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ
    ±0.2゜)の、少なくとも9.0゜および27.2°
    に回折ピークを示す結晶変態を有するチタニルフタロシ
    アニンであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれ
    か1に記載の電子写真感光体。
  8. 【請求項8】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線に
    よるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2θ
    ±0.2゜)の、27.2°のみに回折ピークを示す結
    晶変態を有するチタニルフタロシアニンであることを特
    徴とする請求項1乃至3の何れか1に記載の電子写真感
    光体。
  9. 【請求項9】 電子写真感光体、帯電手段及び現像手段
    を有する画像形成装置において、該電子写真感光体が、
    導電性支持体上に下引き層、感光層を順次積層してなる
    電子写真感光体で、前記感光層がフタロシアニン系顔料
    および下記一般式(I)で表わされるジスアゾ顔料を含
    有し、かつ該下引き層が少なくとも無機顔料と結着剤樹
    脂を含有し、該結着剤樹脂が架橋したメトキシメチル化
    ナイロンであることを特徴とする画像形成装置。 【化2】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
    す。)
  10. 【請求項10】 前記下引き層に含有される無機顔料が
    酸化チタンと酸化アルミであることを特徴とする請求項
    9に記載の画像形成装置。
  11. 【請求項11】 前記メトキシメチル化ナイロンのメト
    キシメチル化率が15mol%以上であることを特徴と
    する請求項9または10に記載の画像形成装置。
  12. 【請求項12】 前記フタロシアニン顔料がX型無金属
    フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項9乃
    至11のいずれか1に記載の画像形成装置。
  13. 【請求項13】 前記フタロシアニン顔料がτ型無金属
    フタロシアニン顔料であることを特徴とする請求項9乃
    至11の何れか1に記載の電子写真感光体。
  14. 【請求項14】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線
    によるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2
    θ±0.2゜)の、少なくとも9.6゜および27.2
    °に回折ピークを示す結晶変態を有するチタニルフタロ
    シアニンであることを特徴とする請求項9乃至11の何
    れか1に記載の画像形成装置。
  15. 【請求項15】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線
    によるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2
    θ±0.2゜)の、少なくとも9.0゜および27.2
    °に回折ピークを示す結晶変態を有するチタニルフタロ
    シアニンであることを特徴とする請求項9乃至11の何
    れか1に記載の画像形成装置。
  16. 【請求項16】 前記フタロシアニン顔料がCuKα線
    によるX線回折スペクトルにおいて、ブラッグ角度(2
    θ±0.2゜)の、27.2°のみに回折ピークを示す
    結晶変態を有するチタニルフタロシアニンであることを
    特徴とする請求項9乃至11の何れか1に記載の画像形
    成装置。
  17. 【請求項17】 導電性支持体上に下引き層、感光層を
    順次積層してなる電子写真感光体において、前記感光層
    がμ−オキソ−ガリウムフタロシアニンダイマー顔料お
    よび下記一般式(1)で表わされるジスアゾ顔料を含有
    し、かつ該下引き層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂
    を含有し、該結着剤樹脂が架橋したメトキシメチル化ナ
    イロンであることを特徴とする電子写真感光体。 【化3】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
    す。)
  18. 【請求項18】 前記下引き層に含有される無機顔料が
    酸化チタンと酸化アルミであることを特徴とする請求項
    17に記載の電子写真感光体。
  19. 【請求項19】 前記メトキシメチル化ナイロンのメト
    キシメチル化率が15mol%以上であることを特徴と
    する請求項17または18に記載の電子写真感光体。
  20. 【請求項20】 前記μ−オキソ−ガリウムフタロシア
    ニンダイマー顔料が、CuKα線によるX線回折スペク
    トルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.
    4゜、9.9゜、12.5゜、12.9゜、16.1゜、1
    8.5゜、21.9゜、22.2゜、24.0゜、25.1
    ゜、25.8゜および28.2゜に回折ピークを示す結晶
    変態を有するものであることを特徴とする請求項17乃
    至19の何れか1に記載の電子写真感光体。
  21. 【請求項21】 電子写真感光体、帯電手段および反転
    現像手段を有する画像形成装置において、該電子写真感
    光体が、導電性支持体上に下引き層、感光層を順次積層
    してなる電子写真感光体で、前記感光層がμ−オキソ−
    ガリウムフタロシアニンダイマー顔料および下記一般式
    (1)で表わされるジスアゾ顔料を含有し、かつ該下引
    き層が少なくとも無機顔料と結着剤樹脂を含有し、該結
    着剤樹脂が架橋したメトキシメチル化ナイロンであるこ
    とを特徴とする画像形成装置。 【化4】 (式中、A、Bは構造が異なるカプラー残基を表わ
    す。)
  22. 【請求項22】 前記下引き層に含有される無機顔料が
    酸化チタンと酸化アルミであることを特徴とする請求項
    21に記載の画像形成装置。
  23. 【請求項23】 前記メトキシメチル化ナイロンのメト
    キシメチル化率が15mol%以上であることを特徴と
    する請求項21または22に記載の画像形成装置。
  24. 【請求項24】 前記μ−オキソ−ガリウムフタロシア
    ニンダイマー顔料が、CuKα線によるX線回折スペク
    トルにおいて、ブラッグ角度(2θ±0.2゜)の7.
    4゜、9.9゜、12.5゜、12.9゜、16.1゜、1
    8.5゜、21.9゜、22.2゜、24.0゜、25.1
    ゜、25.8゜および28.2゜に回折ピークを示す結晶
    変態を有するものであることを特徴とする請求項21乃
    至23の何れか1に記載の画像形成装置。
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JP2006276827A (ja) * 2005-03-03 2006-10-12 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2013159721A (ja) * 2012-02-07 2013-08-19 Ricoh Co Ltd 複合顔料およびそれを用いた電子写真感光体、画像形成装置、画像形成装置用プロセスカートリッジ

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