JP2001215655A - 熱現像感光材料用支持体及びその製造方法並びに熱現像感光材料 - Google Patents

熱現像感光材料用支持体及びその製造方法並びに熱現像感光材料

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JP2001215655A
JP2001215655A JP2000025860A JP2000025860A JP2001215655A JP 2001215655 A JP2001215655 A JP 2001215655A JP 2000025860 A JP2000025860 A JP 2000025860A JP 2000025860 A JP2000025860 A JP 2000025860A JP 2001215655 A JP2001215655 A JP 2001215655A
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resin
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JP2000025860A
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English (en)
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Hidetoshi Ezure
秀敏 江連
Kenji Onuma
憲司 大沼
Yuji Hosoi
勇治 細井
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Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】熱現像による高温下でも寸法安定性に優れ、さ
らに平面性と耐傷性に優れた印刷製版用熱現像感光材料
用支持体及びその製造方法並びに熱現像感光材料を提供
する。 【解決手段】多官能性カルボン酸および/又は多価アル
コールが0.001〜5重量%を含有しているポリエス
テル樹脂を用いた二軸延伸ポリエステル熱現像感光材料
用支持体であって、少なくとも1層の写真構成層が塗設
される前に、該支持体をTg+50℃以上Tg+120
℃以下の温度及び0.01kg/cm2以上20kg/
cm2以下の搬送張力で熱処理をすることを特徴とする
熱現像感光材料用支持体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は多版印刷に好適な印
刷製版用熱現像感光材料及び、それらを提供するための
熱現像感光材料用支持体とその製造方法に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】従来印刷製版の分野では、画像形成材料
の湿式処理に伴う廃液が、作業性の上で問題となってお
り、近年では環境保全、省スペースの観点からも処理廃
液の減量が強く望まれている。そこで、レーザー・イメ
ージセッターにより効率的な露光が可能で、高解像度で
鮮明な黒色画像を形成することができる写真技術用途の
光熱写真材料に関する技術が必要とされている。この技
術として、例えば、米国特許第3,152,904号、
同3,487,075号及びD.モーガン(Morga
n)による「ドライシルバー写真材料(Dry Sil
ver Photographic Material
s)」(Handbook of Imaging M
aterials, Marcel Dekker,I
nc.第48頁、1991)等に記載の方法が良く知ら
れている。これらの感光材料は通常、80℃以上の温度
で現像が行われるので、熱現像感光材料と呼ばれてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】印刷製版用感光材料
は、カラー印刷をする場合には、通常、各色別に分解さ
れたフィルムを複数枚使用する。それらをそれぞれの刷
版に焼き付け、重ねて印刷する。複数の色別に分解され
たフィルムを重ねたとき、全く同一に重ならないと、印
刷物にした場合に、色がずれてしまうという現象が生ず
る。よって印刷製版用の熱現像感光材料では、熱による
版の寸法変化をいかに抑えるかが重要な課題である。
【0004】感光材料の耐熱寸法安定性を向上させる方
法としては、特開平10−10676号、同10−10
677号公報に、80〜200℃の高温および0.04
〜6kg/cm2の低張力で搬送しながら熱処理し、支
持体の熱収縮を小さくする技術が開示されている。しか
し、このような熱寸法変化率に調整された熱現像感光材
料用支持体は高温低張力で搬送されることから、ロール
搬送の場合、高温で軟化したフィルムとロールとの密着
性が増加することで搬送性が劣化し、熱現像感光材料用
支持体の平面性、耐傷性が劣化することがわかった。ま
た搬送熱処理後、巻きロール形態で保管したときにベコ
が発生しやすいことがわかった。
【0005】本発明は上記の事情を解決すべく発明され
たものであり、その目的は、熱現像による高温下でも寸
法安定性に優れ、さらに平面性と耐傷性に優れた印刷製
版用熱現像感光材料用支持体及びその製造方法並びに熱
現像感光材料を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記のよう
な問題点に対し鋭意検討した結果、(1)フィルムを構
成する樹脂により高温時のフィルムの軟化性を制御す
る、(2)巻取張力や巻き形態時のフィルムの吸水性を
制御する、(3)フィルム表面のクリープの吸水性挙動
を制御する、(4)流延製膜で形成されたフィルムを熱
処理する、の4つの方法のいずれか、又は組み合わせて
行うことにより、寸法変化の小さく、平面性、処理適性
に優れた熱現像感光材料用支持体、さらには印刷製版用
熱現像感光材料が得られることを見出した。
【0007】上記のような知見から本発明に到達した。
即ち、上記目的を達成する本発明の構成は下記の通りで
ある。 1.多官能性カルボン酸および/又は多価アルコールが
0.001〜5重量%を含有しているポリエステル樹脂
を用いた二軸延伸ポリエステル熱現像感光材料用支持体
であって、少なくとも1層の写真構成層が塗設される前
に、該支持体をTg+50℃以上Tg+120℃以下の
温度及び0.01kg/cm2以上20kg/cm2以下
の搬送張力で熱処理をすることを特徴とする熱現像感光
材料用支持体の製造方法。
【0008】2.上記熱処理する前に、該支持体の少な
くとも片面にポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリ
ル変性ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂の少なくとも1
種を塗布することを特徴とする上記1に記載の熱現像感
光材料用支持体の製造方法。
【0009】3.搬送しながら熱処理する二軸延伸ポリ
エステル熱現像感光材料用支持体の製造方法において、
該熱処理時の温度及び搬送張力がTg+50℃以上Tg
+120℃以下、0.01kg/cm2以上20kg/
cm2以下であり、かつ熱処理後の巻取張力が内層部よ
り外層部の方が低く、かつ内層部と外層部との巻取張力
の差が0.01〜10kg/mm2であることを特徴と
する熱現像感光材料用支持体の製造方法。
【0010】4.搬送しながら熱処理する二軸延伸ポリ
エステル熱現像感光材料用支持体の製造方法において、
該熱処理時の温度及び搬送張力がTg+50℃以上Tg
+120℃以下、0.01kg/cm2以上20kg/
cm2以下であり、かつ熱処理後の該支持体の巻きロー
ルを防湿シートでカバーすることを特徴とする熱現像感
光材料用支持体の製造方法。
【0011】5.ポリカーボネート樹脂、トリアセチル
セルロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂のいずれか1種を流延製膜
法で製膜して得た下引層を有する熱現像感光材料用支持
体であって、少なくとも1層の写真構成層が塗設される
前に、該支持体のTg−20℃以上Tg℃以下の温度及
び0.01kg/cm2以上20kg/cm2以下の搬送
張力で熱処理をすることを特徴とする熱現像感光材料用
支持体の製造方法。
【0012】6.上記1〜5のいずれかに記載の方法で
製造されたことを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
【0013】7.少なくとも1層の下引層を有するポリ
エチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエス
テルからなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、
120℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.0
4%であり、かつ該支持体に多官能性カルボン酸および
/又は多価アルコールが0.001〜5重量%含有され
ていることを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
【0014】8.少なくとも1層の下引層を有するポリ
エチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエス
テルからなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、
120℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.0
4%であり、かつ該下引層のクリープ変形量の湿度依存
性が0.60〜1.00であることを特徴とする熱現像
感光材料用支持体。
【0015】9.ポリカーボネート樹脂、トリアセチル
セルロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポ
リメチルメタクリレート樹脂の少なくとも1種を流延製
膜法で製膜して得た下引層を有するフィルムであって、
120℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.0
6%であることを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
【0016】10.上記6〜9のいずれかに記載の熱現
像感光材料用支持体を有することを特徴とする熱現像写
真感光材料。
【0017】11.支持体上の少なくとも1層の写真構
成層にヒドラジン化合物を含有することを特徴とする上
記10に記載の熱現像写真感光材料。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に述べ
る。 [ポリエステル支持体]本発明で好ましい熱現像感光材
料用支持体を構成する二軸延伸ポリエステルフィルム
は、多官能性カルボン酸および/又は多価アルコール
が、該ポリエステル樹脂に対して0.001〜5重量%
配合されていれば特に限定されるものではないが、ジカ
ルボン酸成分とジオール成分を主要構成成分とするフィ
ルム形成性を有するポリエステル樹脂であることが好ま
しい。多官能性カルボン酸及び/又は多価アルコールの
含有量は該ポリエステル樹脂に対して5重量%以上では
フィルム強度が劣化するので好ましくはない。
【0019】ジカルボン酸成分としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6−ナフタレンジカ
ルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、ジフェニ
ルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボ
ン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シクロヘキサン
ジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、ジフェニルチ
オエーテルジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、フェニルインダンジカルボン酸などを挙げることが
できる。これら中でも透明性、機械的強度、寸法安定性
などの点から、テレフタル酸及び/又は2,6−ナフタ
レンジカルボン酸が好ましく、さらに好ましくは2,6
−ナフタレンジカルボン酸である。
【0020】多官能性カルボン酸としては、3官能以上
のポリカルボン酸であれば特に限定されるものではな
く、ヘミメリット酸、トリメリット酸、トリメシン酸、
ピロメリット酸、プレニト酸、メロファン酸、ビフェニ
ル−3,3’,4,4’−テトラカルボン酸、ベンゾフ
ェノンビフェニル−3,3’,4,4’−テトラカルボ
ン酸等が挙げられる。
【0021】また、多価アルコールとしては3官能以上
のアルコールを挙げることができ、3価以上のアルコー
ルであれば特に限定されるものではなく、グリセリン、
トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリ
メチロールブタン、1,3,5−トリメチロールプロパ
ン、1,3,5−トリメチロールベンゼン、1,3,5
−トリブチロールベンゼン、1,2,6−ヘンキントリ
オール、ペンタエリスリトール、ペンタエリトリトー
ル、ソルビトール、2,2,6,6−テトラメチロール
シクロヘキサノール等が挙げられる。
【0022】ジオール成分としてはエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、テトラメチレングリコー
ル、シクロヘキサンジメタノール、2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒ
ドロキシエトキシフェニル)プロパン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホン、ビスフェノールフルオレン
ジヒドロキシエチルエーテル、ジエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ハイドロキノン、シクロヘキ
サンジオールなどを挙げることができる。これら中でも
透明性、機械的強度、寸法安定性などの点から、エチレ
ングリコール及び/又は1,4−シクロヘキサンジメタ
ノールを主要な構成成分とするポリエステルが好まし
い。
【0023】本発明のポリエステル樹脂及びフィルムの
固有粘度は0.5〜0.8であることが好ましい。また
固有粘度の異なるものを混合して使用しても良い。本発
明のポリエステル樹脂の合成方法は、特に限定があるわ
けではなく、従来公知のポリエステルの製造方法に従っ
て製造できる。例えば、ジカルボン酸成分をジオール成
分と直接エステル化反応させる直接エステル化法、初め
にジカルボン酸成分としてジアルキルエステルを用い
て、これとジオール成分とでエステル交換反応させ、こ
れを減圧下で加熱して余剰のジオール成分を除去するこ
とにより重合させるエステル交換法を用いることができ
る。この際、必要に応じてエステル交換触媒あるいは重
合反応触媒を用い、あるいは耐熱安定剤を添加すること
ができる。熱安定剤としては、例えば、リン酸、亜リン
酸、及びそれらのエステル化合物が挙げられる。また、
合成時の各過程で着色防止剤、結晶核剤、すべり剤、安
定剤、ブロッキング防止剤、紫外線吸収剤、粘度調節
剤、透明化剤、帯電防止剤、pH調整剤、染料、顔料な
どを添加させてもよい。
【0024】次に、本発明の熱現像感光材料用支持体の
製造方法について説明する。未延伸シートを得る方法及
び縦方向に一軸延伸する方法は、従来公知の方法で行う
ことができる。例えば、原料のポリエステルをペレット
状に成型し、熱風乾燥又は真空乾燥した後、溶融押出
し、Tダイよりシート状に押出して、静電印加法などに
より冷却ドラムに密着させ、冷却固化させ、未延伸シー
トを得る。次いで、得られた未延伸シートを複数のロー
ル群及び/又は赤外線ヒーターなどの加熱装置を介して
ポリエステルのガラス転移温度(Tg)からTg+10
0℃の範囲内に加熱し、縦延伸する方法である。延伸倍
率は、通常2.5倍〜6倍の範囲である。
【0025】この際、延伸温度を支持体の表裏で温度差
を持たせることで巻きぐせをつきづらくすることができ
る。具体的には、縦延伸の加熱時に、赤外線ヒーター等
の加熱手段を片面側に設けることで温度をコントロール
することができる。延伸時の温度差は、好ましく0℃〜
40℃、より好ましくは0℃〜20℃である。温度差が
40℃より大きくなると、均一に延伸できずにフィルム
の平面性が劣化しやすくなり好ましくない。
【0026】次に、上記の様にして得られた縦方向に一
軸延伸されたポリエステルフィルムを、Tg〜Tg+1
20℃の温度範囲内で、横延伸し、次いで熱固定する。
横延伸倍率は通常3〜6倍であり、また、縦、横延伸倍
率の比は、得られた二軸延伸フィルムの物性を測定し、
好ましい特性を有するように適宜調整される。ついで熱
固定は、その最終横延伸温度より高温で、Tg+180
℃以下の温度範囲内で通常0.5〜300秒間熱固定す
る。このとき、2つ以上の温度で熱固定されることが好
ましい。このように2つ以上の温度で熱固定したフィル
ムは寸法安定性が向上し、熱現像用写真感光材料用の支
持体として有効である。
【0027】また、本発明の熱現像感光材料用支持体は
寸法安定性の点で弛緩処理を行うことが好ましい。弛緩
処理は前記ポリエステルフィルムの延伸製膜工程中の熱
固定した後、横延伸のテンター内、又はテンターを出た
後に巻き取りまでの工程で行われるのが好ましい。弛緩
処理は、処理温度が80℃〜200℃で行われることが
好ましく、より好ましくは、処理温度が100℃〜18
0℃である。また長手方向、幅手方向ともに、弛緩率が
0.1%〜10%の範囲で行われることが好ましく、よ
り好ましくは弛緩率が2〜6%で処理されることであ
る。弛緩処理された熱現像感光材料用支持体は、本発明
の熱処理を施すことにより、好ましい熱寸法変化率の熱
現像感光材料用支持体となる。
【0028】本発明の熱現像感光材料用支持体の厚みは
特に限定がある訳ではないが、寸法変化率の点で厚い方
が好ましく、医用写真感光材料に用いられる場合は取り
扱い性も含めて90〜200μmが好ましく、特に15
0〜190μmであることが好ましい。印刷用写真感光
材料に用いられる場合は、4版を同時に焼き付ける関係
で透明性が求められ、70〜180μm、特に100〜
140μmであることが好ましい。
【0029】[本発明のポリエステルフィルムの熱処
理]本発明の二軸延伸ポリエステル熱現像感光材料用支
持体の熱処理方法は、支持体のガラス転移温度(Tg)
+50℃以上Tg+120℃以下の温度、0.01kg
/cm2から20kg/cm2の張力下で搬送しながら熱
処理することが好ましい。 この様な条件で搬送熱処理
することで本発明の目的である高温下でも寸法安定性に
優れ、平面性に優れた印刷製版用熱現像感光材料及びそ
れを構成する熱現像感光材料用支持体を提供できる。
【0030】熱処理時の搬送張力は支持体の熱処理によ
る効果、すなわち熱収縮の進行を妨げずに、その後の熱
処理(熱現像)時の寸法変化を小さくする上で、できる
だけ低張力であることが望ましい。しかし搬送張力があ
まり小さいと、熱処理時に支持体の熱収縮の部分的な差
により支持体の平面性が劣化するとともに、搬送ロール
との摩擦等により細かいキズ等が発生する。そのため搬
送張力は0.01kg/cm2〜20kg/cm2以下が
好ましい。好ましくは0.01kg/cm2より大きく
10kg/cm2以下であり、さらに好ましくは0.0
1kg/cm2より大きく5kg/cm2以下である。な
お本発明の搬送張力は、支持体に加えた力を支持体の断
面積(幅×厚み)で割ったものである。
【0031】本発明の熱処理時の搬送張力の変化は、振
動的に変化させても、段階的に変化させても、また傾斜
的に変化させても良い。好ましくは段階的及び傾斜的に
変化させる方法であり、さらに好ましくは傾斜的に変化
させる方法である。
【0032】搬送熱処理の張力の調整は、巻き取りロー
ル及び/又は送り出しロールのトルクを調整することで
容易に達成できる。また工程内にダンサーロールを設置
し、これに加える荷重を調整することでも達成できる。
熱処理時及び/又は熱処理後の冷却時に張力を変化させ
る場合、これらの工程前後及び/又は工程内にダンサー
ロールを設置し、それらの荷重を調整することで所望の
張力状態を作製できる。また振動的に搬送張力を変化さ
せるには熱処理ロール間を小さくすることが有効であ
る。
【0033】本発明の熱処理において、搬送しながら熱
処理する方法としては、特に限定されないが、例えば、
フィルムの両端をピンやクリップで把持しての搬送方
法、複数のロール群によるロール搬送や空気をフィルム
に吹き付けて浮揚させるエアー搬送などによりフィルム
を連続的に搬送させておき、複数のスリットから加熱空
気をフィルム面の片面あるいは両面に吹き付ける方法、
赤外線ヒーターなどによる輻射熱を利用する方法、加熱
した複数のロールと接触させる方法などを単独又は複数
組み合わせて熱処理する方法が挙げられる。
【0034】本発明の熱処理が施されたフィルムは、そ
の後フィルムが100℃以上の温度で、30秒以上熱せ
られるとその効果が薄れてしまうので注意が必要であ
る。そこで、本発明の熱処理は、フィルムに下引層を塗
布し乾燥した後から、写真感光層を含む写真構成層を塗
布する前までの間で施されるのが好ましい。具体的に
は、下引層を塗布・乾燥した後に連続して平坦に保持さ
れたままの状態で行ってもよく、あるいは、一度巻き取
った後に、必要な搬送設備と加熱設備を設置して再搬送
処理してもよい。更には、バッキング層、導電層、易滑
性層、磁気記録層などの各種の機能性層を塗布・乾燥し
た後に上記と同様な処理を行ってもよい。
【0035】以上のようにして熱処理されたフィルムは
Tg付近から常温まで冷却され巻き取られる。この時の
冷却はフィルムの平面性を保つためには、Tgをまたい
で常温まで下げるのに少なくとも−5℃/秒以上の速度
で冷却するのが好ましい。
【0036】このようにして熱処理され常温まで冷却し
て巻き取られた支持体は、次工程に送られるまでの間保
管される際、巻き癖がつきにくいようにできるだけ大き
なコアに巻かれて保管されることが好ましく、好ましく
は外径が200mm以上、より好ましくは300mm以
上、さらに好ましくは400mm以上のコアに巻かれて
保管されることである。
【0037】このような搬送熱処理された熱現像感光材
料用支持体は、製膜幅方向で任意の部分においても12
0℃、60秒での寸法変化率の絶対値がMD方向0.0
01〜0.04%、TD方向0.001〜0.04%の
範囲であることが好ましい。これは熱現像写真感光材料
にした場合においても同様で、120℃、60秒での両
端の寸法変化率の絶対値の差がMD方向、TD方向とも
0.02%以下、より好ましくは0.01%以下のこと
である。とくに印刷写真感光材料としての利用を目的と
した場合の好ましい寸法ズレの許容範囲はMD方向、T
D方向とも75μm以下、より好ましくは50μm以下
であり、特に好ましくは30μm以下である。
【0038】搬送熱処理された熱現像感光材料用支持体
はロール状に巻き取るときに巻き取りロールの内層部の
張力より外層部の張力を低くすることが好ましい。これ
により、フィルムの密着性が低減され、ベコの発生が抑
えられる。
【0039】巻き取り張力は1kg/cm2から100
kg/cm2の範囲であることが好ましく、特に3kg
/cm2から20kg/cm2の範囲であることが好まし
い。巻き取り張力が1kg/cm2未満であるとロール
状に巻きが形成できなくなったり、100kg/cm2
を超えると巻き皺が発生し易くなり好ましくない。
【0040】また内層部と外層部との張力の差は1kg
/cm2から50kg/cm2の範囲であることが好まし
く、特に3kg/cm2から20kg/cm2の範囲であ
ることが好ましい。巻取張力の差が1kg/cm2未満
であるとロール状に巻きが形成できなくなったり、50
kg/cm2を超えると巻き皺が発生し易くなり好まし
くない。巻取張力を下げる方法としては、内層から外層
に徐々に直線的に張力を下げても良いし、ステップ状に
下げてもよい。
【0041】搬送熱処理された熱現像感光材料用支持体
はロール状に巻き取り保管するときには防湿シートでカ
バーすることが好ましい。これにより、ロール状のフィ
ルムの水分率が調整されることにより、フィルムの密着
性が低減されベコの発生が抑えられる。防湿シートとし
てはどのようなものでも使用できるが、ポリオレフィン
系フィルムを使用することが好ましい。また特開平7−
33962号、同10−166509号、同11−20
7881号に記載のものも使用することができる。
【0042】[本発明のポリエステルフィルムの下引
層]本発明の支持体は上記搬送熱処理前に下引層を設け
ることが好ましい。下引層を設けることで低張力搬送熱
処理時においても搬送不良や擦り傷が起こらず、平面性
が良好なフィルムが得られるだけでなく、上記下引層で
構成されている支持体を用いた熱現像感光材料の場合、
熱現像時の接着性にも優れるので、さらに好ましい。
【0043】下引層は結晶配向化が完了する前のポリエ
ステルフイルムの片面又は両面に塗設することが好まし
い。配向結晶化が完了する前に塗設することでベコの発
生が抑えられる。ここで結晶配向化が完了する前のポリ
エステルフイルムとは、ポリエステルを熱溶融してその
ままフイルム状となした未延伸フイルム;未延伸フイル
ムを縦方向(長手方向)又は横方向(幅方向)の何れか
一方に配向せしめた一軸延伸フイルム;さらには縦方向
及び横方向の二方向に低倍率延伸配向せしめたもの(最
終的に縦方向又は横方向に再延伸せしめて配向結晶化を
完了せしめる前の二軸延伸フイルム)等を含むものであ
る。
【0044】下引層を構成する樹脂としては、ポリエス
テル、アクリル変性ポリエステル、ポリウレタン、アク
リル樹脂、ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、ポリエチ
レンイミンビニリデン樹脂、ポリエチレンイミン、ポリ
ビニルアルコール、変性ポリビニルアルコール及びゼラ
チン等が好ましい。特に搬送熱処理時の密着性の点か
ら、ポリエステル、アクリル変性ポリエステル、ポリウ
レタン、アクリル樹脂が好ましい。
【0045】ポリエステル樹脂としては親水性を付与す
るため分子内にスルホン酸アルカリ塩基やカルボン酸ア
ルカリ塩基等を有するコポリエステルが好ましく例示さ
れる。具体的にはテレフタル酸−イソフタル酸−5Na
−スルホイソフタル酸−エチレングリコール−ジエチレ
ングリコール−ネオペンチルグリコール系共重合体ポリ
エステル等が好ましく挙げられる。
【0046】アクリル変性ポリエステルとしては上記ポ
リエステルにアクリル系モノマー等をグラフトさせた変
性ポリマー等が例示される。具体的にはテレフタル酸−
5Na−スルホイソフタル酸−ジエチレングリコール−
1,4−ブタンジオール共重合ポリエステル(50%)
の存在下でメタクリル酸メチル−アクリル酸エチル−ア
クリル酸アンモニウム−アクリル酸ブチル(50%)を
重合させて得られる変性ポリマー等が好ましく挙げられ
る。
【0047】ポリウレタン樹脂としては、分子内にスル
ホン酸アルカリ塩基やカルボン酸アミン塩基を有する親
水性ポリウレタンが好ましく例示される。具体的にはポ
リエチレングリコール−ジフェニルメタンジイソシアネ
ート−エチレンジアミン、ジメチロールプロピオン酸ア
ミン塩系ポリウレタン等が好ましく挙げられる。
【0048】アクリル樹脂としては、アクリル系ポリマ
ーラテックスが挙げられ、このアクリル系ポリマーラテ
ックスとは、アクリル系モノマー、例えばメタクリル
酸、アクリル酸、これらのエステル又は塩、アクリルア
ミド、メタクリルアミドをポリマー構成成分として有す
るラテックスである。
【0049】アクリル樹脂としては、例えばアクリル
酸;メタクリル酸;アクリル酸エステル、例えばアルキ
ルアクリレート(例えば、メチルアクリレート、エチル
アクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピ
ルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチル
アクリレート、t−ブチルアクリレート、2−エチルヘ
キシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、フ
ェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、フェニル
エチルアクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキルアク
リレート(例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシプロピルアクリレート等);メタク
リル酸エステル、例えばアルキルメタクリレート(例え
ば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n
−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、t−ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシル
メタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェ
ニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、フェニ
ルエチルメタクリレート等)、ヒドロキシ含有アルキル
メタクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチルメタク
リレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート
等);アクリルアミド;置換アクリルアミド、例えばN
−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミ
ド、N,N−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキ
シメチルアクリルアミド等;メタクリルアミド;置換メ
タクリルアミド、例えばN−メチルメタクリルアミド、
N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメチロー
ルメタクリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルア
ミド等;アミノ基置換アルキルアクリレート、例えば
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート;アミノ基
置換アルキルメタクリレート、例えばN,N−ジエチル
アミノメタクリレート;エポキシ基含有アクリレート、
例えばグリシジルアクリレート;エポキシ基含有メタク
リレート、例えばグリシジルメタクリレート;アクリル
酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウ
ム塩;メタクリル酸の塩、例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩が挙げられる。上述のモノマーは
1種もしくは2種以上を併用することができる。メタク
リル酸メチル−アクリル酸エチル−アクリル酸アンモニ
ウム−アクリルアミド共重合体、メタクリルアミド−ア
クリル酸ブチル−アクリル酸ソーダ−メタクリル酸メチ
ル−N−メチロールアクリルアミド系共重合体等が好ま
しく挙げられる。アクリル樹脂はアクリルエマルジョ
ン、アクリル水溶液、アクリルディスパージョン等とし
て製造でき、また入手できる。
【0050】上記のこれら樹脂は1種又は2種以上の混
合物として用いられる。また、これら樹脂と共にアミノ
樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイソシアネ
ート等の架橋性樹脂や他の樹脂を併用することができ
る。
【0051】これら樹脂が疎水性ラテックスである場
合、平均粒径は、0.01〜0.8μmが特に好ましい
が、0.005〜2.0μmのものであればいずれも好
ましく使用することができる。また、親水性ラテックス
である場合、平均粒径は0.01〜0.8μmが特に好
ましいが、0.005〜2.0μmのものであれば、い
ずれも好ましく使用することができる。
【0052】下引層を塗設するための塗布液の固形分濃
度は、通常50重量%以下であり、30重量%以下が更
に好ましい。塗布量は走行しているフイルム1m2当り
0.5〜50g、更に1〜30gが好ましい。
【0053】塗布方法としては、公知の任意の塗工法が
適用できる。例えばキスコート法、リバースコート法、
ダイコート法、リバースキスコート法、オフセットグラ
ビアコート法、マイヤーバーコート法、ロールブラッシ
ュ法、スプレーコート法、エアーナイフコート法、含浸
法、カーテンコート法などを単独又は組み合わせて適用
するとよい。
【0054】下引層を塗布した結晶配向化が完了する前
のポリエステルフイルムは、次いで乾燥され、延伸、熱
固定等の工程に導かれて結晶配向化が完了される。例え
ば水性塗布液を塗布した縦一軸延伸ポリエステルフイル
ムは、ステンターに導かれて横延伸及び熱固定されて二
軸延伸フイルムとされる。この間、塗布液は乾燥され、
下引層を形成する。
【0055】下引層を構成する塗布液は、アニオン型界
面活性剤、カチオン型界面活性剤、ノニオン型界面活性
剤等の界面活性剤を必要量添加して用いることができ
る。これら界面活性剤としては、塗布液の表面張力を5
0dyne/cm以下に、好ましくは40dyne/c
m以下に降下でき、ポリエステルフイルムへの濡れを促
進するものが好ましく、例えばポリアルキレンオキシ
ド、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン−脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、脂肪酸金属石
鹸、アルキル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキル
スルホコハク酸塩、第4級アンモニウムクロライド塩、
アルキルアミン塩酸等を挙げることができる。
【0056】この他に帯電防止剤、紫外線吸収剤、顔
料、潤滑剤、ブロッキング防止剤、分散剤等を添加する
ことができる。
【0057】本発明においては、上記下引層を塗設し、
さらにフィルム表面のクリープ変形量の湿度依存性が
0.60〜1.00以上になることで、低張力搬送熱処
理したベースの保存時にベコの発生が抑えられることが
わかった。ここでいうクリープ変形量の湿度依存性は、
23℃、20%RHで測定した値に対する23℃、80
%RHで測定した値の比である。
【0058】本発明のクリープ変形量について説明す
る。本発明に規定されるクリープ変形量はアカシ社製の
微小硬度計MZT−3を用い、下記の条件で測定した時
の図1のh2−h1のことを指す。 圧子種類:Vickers 負荷荷重:3gf試験に用いる荷重の2% 荷重速度:3gf/sec 保持時間(t2〜t1):30秒 荷重除去時間(t3〜t2):1秒 サンプル試料の作製方法:フィルムサンプルを表面加工
した面を上側にしてシリコンウェハーに極微量の水分で
試料を密着させる。
【0059】図1中; 横軸:時間軸(t) 縦軸:変形量(押し込み深さ)(h) t1〜t0:徐々に荷重をある定速度(荷重速度)で増
加させる時間 h1〜h0:ある定速度で徐々に荷重が増加して膜が変
形した変形量 A:荷重の増加をやめた点(t1、h1)で定荷重に切
り替えた点 t1:増加荷重を定荷重に切り替えた時刻 h1:増加荷重を定荷重に切り替えた時の変形量 B:脱荷重をした点(t2、h2) t2:定荷重を脱重に切り替えた時刻 h2:定荷重を脱重に切り替えた時の変形量 t2〜t1:一定荷重のままにした時間(保持時間) h2〜h1:一定荷重のままにしてさらに増加していく
変形量 C:減少した変形量がほぼ一定になる点(t3、h3) t3:脱重して変化量がほぼ一定になり計測を終了した
時刻 h3:脱重してほぼ一定となった変化量 t3〜t2:脱重したままの時間 h3〜h2:脱重して減少して行く変化量 t3〜t0:荷重がかかっている時間(荷重除去時間)
【0060】本発明に用いる押込み試験では、材料の変
形の性質として、3つの変形量(弾性変形量、塑性変形
量、クリープ変形量)の考え方を用い、弾性、塑性変形
プロセスを同時に測定できる。これによって、従来の硬
さ値では得られなかった機械的強度(表面物性値)、特
に材料の弾性的及び粘性的性質を得ることが可能となっ
た。
【0061】本発明では、3つの変形量のなかでクリー
プ変形量に注目し、低張力搬送熱処理したベースとベコ
の発生との関係を調べたところ、クリープ変形量の湿度
依存性が0.60〜1.00以上の熱現像感光材料用支
持体では、ベコの発生が抑えられることがわかった。こ
の現象はフィルム表面のクリープの湿度依存性を制御す
ることで巻き中の接着をし難くしており、その結果とし
て、耐熱寸法安定性と平面性の両立できたと推定され
る。
【0062】本発明の下引層は無機粒子を含有すること
が好ましい。無機粒子を含有しない場合、塗設された膜
の巻き中のフィルム同士の密着性が増加し、ベコを発生
しやすくしたり、また感光層、バッキング層を塗設し熱
現像感光材料にした時の接着性に劣る。
【0063】無機粒子としては、シリカ、アルミナ、硫
酸バリウム、炭酸カルシウム、チタニア、酸化スズ、酸
化インジウム、タルクのような無機物が挙げられる。こ
れらの微粒子の形状は特に制限がなく、針状でも、球形
でも、板状でも破砕状でも用いることができる。好まし
い大きさは0.1〜15μm、より好ましくは0.2〜
10μm、さらに好ましくは0.3〜7μmである。粒
子の添加量は片面1m 2あたり0.1〜50mg、より
好ましくは0.2〜30mg、さらに好ましくは0.3
〜20mgである。
【0064】本発明では上記無機粒子を含有することで
表面粗さ(Rz)が0.3μm以上5.0μm以下にな
る。この範囲においては低張力熱処理時に搬送不良を起
こし、平面性が劣化したりすることがなくなることがわ
かった。さらに0.5μm以上3.0μm以下であると
さらに効果がある。
【0065】Rzは基準長さのなかに存在する山の高さ
のなかの高いものから10点の平均値と、谷の深さの深
いものから10点の平均値の差を指す。即ち平均的な凹
凸(平均粗さ;Ra)よりも大きな突起の高さを本発明
の範囲にすると有効にロールと熱可塑性フィルムの間の
摩擦を下げることができる。本発明の範囲を下回ると平
面性が低下し易く、上回ると添加した微粒子が剥落しロ
ール汚れを引き起こし好ましくない。
【0066】[流延製膜した支持体]本発明で用いられ
るポリカーボネート樹脂は、主としてビスフェノールが
カーボネート結合に結合されている芳香族系ポリカーボ
ネートの総称で、その製造法は特には限定されないが、
一般にはホスゲン法あるいはジフェニルカーボネート法
により製造される。用いられるビスフェノールとしては
ビスフェノールAが代表的である。そしてビスフェノー
ルAに対して共重合比5〜30mol%でパーヒドロイ
ソホロン骨格からなるビスフェノール成分を共重合させ
たポリカーボネートが好ましい。あるいはまた、ビスフ
ェノールAに対して共重合比5〜30mol%でフルオ
レン骨格からなるビスフェノール成分を共重合させた芳
香族ポリカーボネートも好ましい。これらのポリカーボ
ネートの平均分子量は30000以上である。3000
0未満であるとフイルムの力学的強度が弱く好ましくな
い。また分子量の上限は100000である。これ以上
になると溶液が高粘度になりすぎて製膜性が著しく損な
われるので好ましくない。
【0067】本発明のポリカーボネート樹脂には、必要
に応じて例えばトリフェニルフォスファイト、トリス
(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステアリルペン
タエリスリトールジフォスファイト、ジフェニルハイド
ロジェンフォスファイト、イルガノックス1076〔ス
テアリル−β−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−
ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕等のような安定
剤、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−
3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)ベンゾト
リアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−オークト
キシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロキシ−
4−オクトキシベンゾフェノン等のような耐候剤、着色
剤、帯電防止剤、離型剤、滑剤等の添加剤をフイルムの
透明性を損なわない範囲で加えてもよい。
【0068】また本発明において、ポリカーボネート溶
液に用いる溶媒は、ポリカーボネートを溶解してかつ低
沸点であればよい。例えば塩化メチレン、1,2−ジク
ロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベ
ンゼン等のハロゲン系溶媒、1,3−ジオキソラン、
1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラン等の環状エー
テル系溶媒、アニソール等の芳香族エーテル系溶媒、シ
クロヘキサノン等のケトン系溶媒等を用いることができ
る。これらのうち、溶解性、溶液安定性、製膜性の観点
からは、塩化メチレン、1,3−ジオキソラン、1,4
−ジオキサンが特に好ましい。そして溶液濃度は、ポリ
カーボネートの分子量にも依存するが、10〜35重量
%、好ましくは12〜30重量%の範囲が用いられる。
濃度がこの上限を越えると、溶液の安定性が落ちたり、
溶液粘度が高くなり過ぎて、均一製膜が困難になるため
好ましくない。また下限を下回ると、キャスト工程で外
部擾乱による影響を受けやすく、そのために表面均一性
が低下して好ましくない。
【0069】本発明に使用するトリアセチルセルロース
樹脂、即ちセルローストリアセテートの平均酢化度は5
8.0%から62.5%であり、本発明ではこの範囲の
ものをセルローストリアセテートと呼ぶこととする。一
般的には、セルロースアセテートの酢化度が53%から
56%までのものをセルロースジアセテートといい、酢
化度が58%から62.5%までのものをセルロースト
リアセテートと呼んでいる。
【0070】酢化度の他に反応度を示す表示様式には置
換度あるいはアセチル化度がある。酢化度はセルロース
の水酸基に酢酸が反応した時の、酢酸(CH3COO
H)重量%で表したもので、最高に反応した場合が6
2.5%である。アセチル化度は同様に反応した時のア
セチル基(CH3CO)重量%で表したもので、最高に
反応した場合44.8%である。置換度はアセチル基が
セルロース分子のOH基に反応した度合いを表し、全O
H基に反応した場合を3.00として表す。これはセル
ロース分子の最小単位のグルコース単位の3個のOH基
に3個のアセチル基が置換されたことを意味する。ちな
みに酢化度58.0%のセルローストリアセテートの場
合のアセチル化度は41.57%、置換度は2.63で
ある。なお、酢化度の測定はASTMのD−817−9
7のセルロースアセテート等の試験法に記載されている
方法により測定できる。
【0071】本発明に使用するセルローストリアセテー
トの重合度(粘度平均)は220以上500以下のもの
が好ましい。一般的にセルローストリアセテートを含む
セルローストリアセテートフィルム、繊維又は成型品の
機械的強度がタフであるためには重合度が200以上あ
ることが必要とされており、祖父江寛、右田伸彦編「セ
ルロースハンドブック」朝倉書房(1985)や、丸沢
廣、宇田和夫編「プラスチック材料講座17」日刊工業
新聞社(1970)に記載されている。本発明のセルロ
ーストリアセテートフィルムの重合度は更に好ましくは
250から350である。粘度平均重合度はオストワル
ド粘度計で測定することができ、測定されたセルロース
トリアセテートフィルムの固有粘度[η]から下記の式
により求められる。 DP=[η]/Km 式中:DPは粘度平均重合度、Kmは定数6×10-4
【0072】本発明に用いられるセルローストリアセテ
ートの原料のセルロースとしては、綿花リンターや木材
パルプがあるが、どちらからのセルローストリアセテー
トでも使用できるし、混合して使用してもよい。原料に
よっては低分子量の成分を多く持っているものがある。
特開平9−95538号、同9−95544号及び同9
−5557号公報にはセルローストリアセテートの低分
子量のものが冷却溶解法において結晶化を起こし易く、
微結晶があるとアセトンへの溶解が低下し、得られたセ
ルローストリアセテート溶液(以下ドープと呼ぶことが
ある)の安定が低く、再び微結晶が生じ易い。更に得ら
れるフィルムの光学特性も低下すると、述べられてい
る。
【0073】本発明に用いられるセルローストリアセテ
ートは写真用グレードのものが好ましく、市販の写真用
グレードのものは粘度平均重合度、酢化度、低分子量成
分量等の品質を満足して入手することがる。写真用グレ
ードのセルローストリアセテートのメーカーとしては、
ダイセル社、コートルズ社、ヘキスト社、イーストマン
コダック社等があり、いずれの写真用グレードのセルロ
ーストリアセテートも使用る。
【0074】セルローストリアセテートの溶媒としては
良溶媒では、1,3−ジオキソラン、2−メチル−1,
3−ジオキソラン、4−メチル−1,3−ジオキソラ
ン、2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−エチル−
1,3−ジオキソラン、2,2−ジメチル−1,3−ジ
オキソラン、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン
などの環状エーテル化合物、あるいはアセトンなどが挙
げられ、1,3−ジオキソランが好ましい。貧溶媒とし
ては、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプ
ロパノール、n−ブタノール、s−ブタノール、t−ブ
タノール、シクロヘキサノールなどの炭素数が1から6
の低級アルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブ
チルケトン、酢酸エチル、酢酸プロピル、モノクロルベ
ンゼン、シクロヘキサン、テトラヒドロフラン、メチル
セルソルブ、エチレングリコール、モノメチルエーテ
ル、アセトン、トルエンなどを挙げることができる。中
でもメタノール、エタノール、n−ブタノール、シクロ
ヘキサンが好ましい。
【0075】本発明のポリエーテルエーテルケトン樹脂
は、一般にポリエーテルエーテルケトンとして知られて
いるものであれば如何なるものであってもよく、例え
ば、ビクトレックス・ピーク(VICTREX PEE
K)(商品名、ICI社製)が挙げられる。
【0076】本発明におけるポリメチルメタクリレート
樹脂はメチルメタクリレート(以下、MMAと略称す
る)を主成分とする重合体であり、PMMA、MMA単
位を含有する共重合体、PMMAあるいはMMA単位を
含有する共重合体と他のポリマーをブレンドしたものが
使用できる。MMA単位を含有する共重合体にはMMA
とアルキルアクリレートとの共重合体が良好に使用でき
る。アルキルアクリレートとしてはメチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、ブチ
ルアクリレート等を1〜30重量%共重合した共重合体
が使用できる。MMA−無水マレイン酸−スチレン3元
共重合体、MMA−メチルメタアクリルアミド共重合体
等の耐熱アクリル樹脂も使用できる。PMMAあるいは
MMA単位を含有する共重合体には各種添加剤を配合し
たものを使用してもよい。ポリメチルメタクリレート系
樹脂に添加する各種添加剤としては紫外線吸収剤(紫外
線防止剤)等を添加するのがよい。
【0077】[流延製膜+熱処理の製造方法]流延製膜
による熱現像感光材料用支持体の製造方法には、メルト
キャスト法とソルベントキャスト法がある。メルトキャ
スト法では、加熱溶融した樹脂を支持体上に流延し、冷
却することによりフイルムを形成する。ソルベントキャ
スト法では、樹脂を有機溶媒中に溶解した支持体上に流
延し、乾燥することによりフイルムを形成する。本発明
では、ソルベントキャスト法によりフイルムを製造する
ことが好ましい。ソルベントキャスト法では、樹脂を有
機溶媒中に溶解してドープを形成する。ドープ中には、
可塑剤あるいは他の添加剤を加えてもよい。
【0078】得られたドープは、支持体上に流延し、フ
イルムを形成する。支持体としては、バンドを用いる方
法(バンド流延法)とドラムを用いる方法(ドラム流延
法)がある。バンド流延法については、特公昭39−2
9211号、同62−43848号及び特開昭61−1
00421号各公報に記載がある。ドラム流延法につい
ては、特開昭62−64514号及び同62−1150
35号各公報に記載がある。次に、形成したフイルムを
支持体から剥ぎ取る。本発明に従うフイルムを製造する
ためには、フイルム中に有機溶媒が60重量%未満の量
で含まれている状態で、フイルムを支持体から剥ぎ取る
ことが好ましい。剥ぎ取る際のフイルム中の有機溶媒の
量は、50重量%未満であることがより好ましく、45
重量%未満であることがさらに好ましく、40重量%未
満であることが最も好ましい。また、有機溶媒の残留量
は、5重量%以上であることが好ましく、10重量%以
上であることがより好ましく、20重量%以上であるこ
とがさらに好ましく、30重量%以上であることが最も
好ましい。フイルム中の有機溶媒の量を減少させるた
め、必要に応じて、支持体上でフイルムを乾燥させる。
【0079】剥ぎ取ったフイルムは、支持体のガラス転
移温度(Tg)−20℃以上Tg℃以下の温度、0.0
1kg/cm2から20kg/cm2の張力下で搬送しな
がら熱処理することが好ましい。 この様な条件で搬送
熱処理することで支持体中に残留する溶媒量が減少し、
本発明の目的である高温下でも寸法安定性に優れ、平面
性、接着性に優れた印刷製版用熱現像感光材料及びそれ
を構成する熱現像感光材料用支持体を提供できる。
【0080】熱処理時の搬送張力の効果はポリエステル
支持体と同様である。そのため搬送張力は0.01kg
/cm2〜20kg/cm2以下が好ましい。好ましく
は0.01kg/cm2より大きく10kg/cm2以下
であり、さらに好ましくは0.01kg/cm2より大
きく5kg/cm2以下である。
【0081】流延製膜した支持体については、上記低張
力搬送熱処理時に特開昭62−115035号に記載さ
れているごとく、フィルム幅方向にテンターにて一定の
テンションをかけながら熱処理することが好ましい。特
に支持体より剥離した直後の残留溶媒量の多いところで
幅保持を行うことが、寸法安定性向上効果をより発揮す
るため特に好ましい。
【0082】フィルムを乾燥させる手段は特に制限な
く、一般的に熱風、赤外線、加熱ロール、マイクロ波等
で行う。特に乾燥効率の点でマイクロ波で行うのが好ま
しい。熱処理温度はTg−20〜Tg℃の範囲で3〜5
段階の温度に分けて、段々高くしていくことが好まし
く、Tg直下で行うことが寸法安定性をよくするためさ
らに好ましい。熱処理時間は、4分〜30分であること
が好ましく、5分〜20分であることがさらに好まし
く、6分〜10分であることが最も好ましい。
【0083】熱処理した支持体の残留溶媒量は高温下で
の寸法安定性及び接着性の点から、3.5重量%以下、
0.5重量%以上とするのがよい。フィルム中の残留溶
媒量は次式で表される。残留溶媒量=(残存揮発分重量
/加熱処理後フィルム重量)×100%なお残存揮発分
重量はフィルムを115℃で1時間加熱処理したとき、
加熱処理前のフィルム重量から加熱処理後のフィルム重
量を引いた値である。
【0084】このような流延製膜後、搬送熱処理された
熱現像感光材料用支持体は、製膜幅方向で任意の部分に
おいても120℃、60秒での寸法変化率の絶対値がM
D方向0.001〜0.06%、TD方向0.001〜
0.06%の範囲であることが好ましい。これは熱現像
写真感光材料にした場合においても同様で、120℃、
60秒での両端の寸法変化率の絶対値の差がMD方向、
TD方向とも0.02%以下、より好ましくは0.01
%以下のことである。とくに印刷写真感光材料としての
利用を目的とした場合の好ましい寸法ズレの許容範囲は
MD方向、TD方向とも75μm以下、より好ましくは
50μm以下であり、特に好ましくは30μm以下であ
る。
【0085】[熱現像感光材料]熱現像感光材料の詳細
は前述のとおり例えば米国特許第3,152,904
号、同3,457,075号、及びD.モーガン(Mo
rgan)による「ドライシルバー写真材料(Dry
Silver Photographic Mater
ial)」やD.モーガン(Morgan)とB.シェ
リー(Shely)による「熱によって処理される銀シ
ステム(Thermally Processed S
ilverSystems)」(イメージング・プロセ
ッシーズ・アンド・マテリアルズ(Imaging P
rocesses and Materials)Ne
blette 第8版、スタージ(Sturge)、
V.ウォールワース(Walworth)、A.シェッ
プ(Shepp)編集、第2頁、1969年)等に開示
されている。
【0086】[有機銀塩]本発明において有機銀塩は還
元可能な銀源であり、還元可能な銀イオン源を含有する
有機酸及びヘテロ有機酸の銀塩、特に長鎖(10〜3
0、好ましくは15〜25の炭素原子数)の脂肪族カル
ボン酸及び含窒素複素環が好ましい。配位子が、4.0
〜10.0の銀イオンに対する総安定定数を有する有機
又は無機の銀塩錯体も有用である。好適な銀塩の例は、
Research Disclosure第17029
及び29963に記載されており、次のものがある:有
機酸の塩(例えば、没食子酸、シュウ酸、ベヘン酸、ス
テアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸等の塩);銀の
カルボキシアルキルチオ尿素塩(例えば、1−(3−カ
ルボキシプロピル)チオ尿素、1−(3−カルボキシプ
ロピル)−3,3−ジメチルチオ尿素等);アルデヒド
とヒドロキシ置換芳香族カルボン酸とのポリマー反応生
成物の銀錯体(例えば、アルデヒド類(ホルムアルデヒ
ド、アセトアルデヒド、ブチルアルデヒド等)、ヒドロ
キシ置換酸類(例えば、サリチル酸、安息香酸、3,5
−ジヒドロキシ安息香酸、5,5−チオジサリチル
酸)、チオエン類の銀塩又は錯体(例えば、3−(2−
カルボキシエチル)−4−ヒドロキシメチル−4−(チ
アゾリン−2−チオエン、及び3−カルボキシメチル−
4−チアゾリン−2−チオエン)、イミダゾール、ピラ
ゾール、ウラゾール、1,2,4−チアゾール及び1H
−テトラゾール、3−アミノ−5−ベンジルチオ−1,
2,4−トリアゾール及びベンゾトリアゾールから選択
される窒素酸と銀との錯体また塩;サッカリン、5−ク
ロロサリチルアルドキシム等の銀塩;及びメルカプチド
類の銀塩。好ましい銀源はベヘン酸銀である。有機銀塩
は好ましくは銀量として3g/m2以下で含有せしめ
る。更に好ましくは2g/m2以下である。
【0087】有機銀塩化合物は、水溶性銀化合物と銀と
錯形成する化合物を混合することにより得られるが、正
混合法、逆混合法、同時混合法、特開平9−12764
3号に記載されている様なコントロールドダブルジェッ
ト法等が好ましく用いられる。
【0088】[ハロゲン化銀]本発明におけるハロゲン
化銀粒子は光センサーとして機能するものとして添加さ
れる。画像形成後の白濁を低く抑えるため、及び良好な
画質を得るために平均粒子サイズが小さい方が好まし
く、平均粒子サイズが0.1μm以下、より好ましくは
0.01μm〜0.1μm、特に0.03μm〜0.0
8μmが好ましい。ここでいう粒子サイズとは、ハロゲ
ン化銀粒子が立方体或いは八面体のいわゆる正常晶であ
る場合には、ハロゲン化銀粒子の稜の長さをいう。又、
正常晶でない場合、例えば球状、棒状、或いは平板状の
粒子の場合には、ハロゲン化銀粒子の体積と同等な球を
考えたときの直径をいう。また、ハロゲン化銀は単分散
であることが好ましい。ここでいう単分散とは、下記式
で求められる単分散度が40%以下をいう。更に好まし
くは30%以下であり、特に好ましくは0.1%以上2
0%以下となる粒子である。 単分散度(%)=(粒径の標準偏差)/(粒径の平均
値)×100 本発明においては、ハロゲン化銀粒子が平均粒径0.1
μm以下でかつ単分散粒子であることがより好ましく、
この範囲にすることで画像粒状性も向上する。
【0089】ハロゲン化銀粒子の形状については、特に
制限はないが、ミラー指数〔100〕面の占める割合が
高いことが好ましく、この割合が50%以上、更には7
0%以上、特に80%以上であることが好ましい。ミラ
ー指数〔100〕面の比率は増感色素の吸着における
〔111〕面と〔100〕面との吸着依存性を利用した
T.Tani,J.Imaging Sci.,29,
165(1985)により求めることができる。
【0090】またもう一つの好ましいハロゲン化銀の形
状は、平板粒子である。ここでいう平板粒子とは、投影
面積の平方根を粒径rμmとして垂直方向の厚みをhμ
mとした場合のアスペクト比=r/hが3以上のものを
いう。その中でも好ましくはアスペクト比が3以上50
以下である。また粒径は0.1μm以下であることが好
ましく、さらに0.01μm〜0.08μmが好まし
い。これらは米国特許第5,264,337号、同5,
314,798号、同5,320,958号等に記載さ
れており、容易に目的の平板状粒子を得ることができ
る。本発明においてこれらの平板状粒子を用いた場合、
さらに画像の鮮鋭性も向上する。
【0091】ハロゲン組成としては特に制限はなく、塩
化銀、塩臭化銀、塩沃臭化銀、臭化銀、沃臭化銀、沃化
銀のいずれであってもよい。本発明に用いられる写真乳
剤は、P.Glafkides著Chimie et
Physique Photographique(P
aul Montel社刊、1967年)、G.F.D
uffin著 Photographic Emuls
ion Chemistry(The Focal P
ress刊、1966年)、V.L.Zelikman
et al著Making and Coating
Photographic Emulsion(Th
e Focal Press刊、1964年)等に記載
された方法を用いて調製することができる。即ち、酸性
法、中性法、アンモニア法等のいずれでもよく、又可溶
性銀塩と可溶性ハロゲン塩を反応させる形成としては、
片側混合法、同時混合法、それらの組合せ等のいずれを
用いてもよい。このハロゲン化銀はいかなる方法で画像
形成層に添加されてもよく、このときハロゲン化銀は還
元可能な銀源に近接するように配置する。又、ハロゲン
化銀は有機酸銀とハロゲンイオンとの反応による有機酸
銀中の銀の一部又は全部をハロゲン化銀に変換すること
によって調製してもよいし、ハロゲン化銀を予め調製し
ておき、これを有機銀塩を調製するための溶液に添加し
てもよく、又はこれらの方法の組み合わせも可能である
が、後者が好ましい。一般にハロゲン化銀は有機銀塩に
対して0.75〜30重量%の量で含有することが好ま
しい。
【0092】本発明に用いられるハロゲン化銀には、元
素周期律表の6族から10族に属する金属のイオン又は
錯体イオンを含有することが好ましい。上記の金属とし
ては、W、Fe、Co、Ni、Cu、Ru、Rh、P
d、Re、Os、Ir、Pt、Auが好ましく、中でも
印刷製版用感光材料に使用される場合はRh、Re、R
u、Ir、Osから選ばれることが好ましい。
【0093】これらの金属は錯体の形でハロゲン化銀に
導入できる。本発明においては、遷移金属錯体は、下記
一般式で表される6配位錯体が好ましい。一般式〔ML
6m式中、Mは元素周期表の6〜10族の元素から選ば
れる遷移金属、Lは架橋配位子、mは0、−1、−2又
は−3を表す。Lで表される配位子の具体例としては、
ハロゲン化物(弗化物、塩化物、臭化物及び沃化物)、
シアン化物、シアナート、チオシアナート、セレノシア
ナート、テルロシアナート、アジド及びアコの各配位
子、ニトロシル、チオニトロシル等が挙げられ、好まし
くはアコ、ニトロシル及びチオニトロシル等である。ア
コ配位子が存在する場合には、配位子の一つ又は二つを
占めることが好ましい。Lは同一でもよく、また異なっ
ていてもよい。Mとして特に好ましい具体例は、ロジウ
ム(Rh)、ルテニウム(Ru)、レニウム(Re)及
びオスミウム(Os)である。
【0094】以下に遷移金属配位錯体の具体例を示す。 1:〔RhCl63- 2:〔RuCl63- 3:〔ReCl63- 4:〔RuBr63- 5:〔OsCl63- 6:〔CrCl64- 7:〔Ru(NO)Cl52- 8:〔RuBr4(H2O)〕2- 9:〔Ru(NO)(H2O)Cl4- 10:〔RhCl5(H2O)〕2- 11:〔Re(NO)Cl52- 12:〔Re(NO)CN52- 13:〔Re(NO)ClCN42- 14:〔Rh(NO)2Cl4- 15:〔Rh(NO)(H2O)Cl4- 16:〔Ru(NO)CN52- 17:〔Fe(CN)63- 18:〔Rh(NS)Cl52- 19:〔Os(NO)Cl52- 20:〔Cr(NO)Cl52- 21:〔Re(NO)Cl5- 22:〔Os(NS)Cl4(TeCN)〕2- 23:〔Ru(NS)Cl52- 24:〔Re(NS)Cl4(SeCN)〕2- 25:〔Os(NS)Cl(SCN)42- 26:〔Ir(NO)Cl52-
【0095】これらの金属のイオン又は錯体イオンは一
種類でもよいし、同種の金属及び異種の金属を二種以上
併用してもよい。これらの金属のイオン又は錯体イオン
の含有量としては、一般的にはハロゲン化銀1モル当た
り1×10-9〜1×10-2モルが適当であり、好ましく
は1×10-8〜1×10-4モルである。これらの金属の
イオン又は錯体イオンを提供する化合物は、ハロゲン化
銀粒子形成時に添加し、ハロゲン化銀粒子中に組み込ま
れることが好ましく、ハロゲン化銀粒子の調製、つまり
核形成、成長、物理熟成、化学増感の前後のどの段階で
添加してもよいが、特に核形成、成長、物理熟成の段階
で添加するのが好ましく、更には核形成、成長の段階で
添加するのが好ましく、最も好ましくは核形成の段階で
添加する。添加に際しては、数回に渡って分割して添加
してもよく、ハロゲン化銀粒子中に均一に含有させるこ
ともできるし、特開昭63−29603号、特開平2−
306236号、同3−167545号、同4−765
34号、同6−110146号、同5−273683号
等に記載されている様に粒子内に分布を持たせて含有さ
せることもできる。好ましくは粒子内部に分布をもたせ
ることができる。これらの金属化合物は、水或いは適当
な有機溶媒(例えば、アルコール類、エーテル類、グリ
コール類、ケトン類、エステル類、アミド類)に溶解し
て添加することができるが、例えば金属化合物の粉末の
水溶液もしくは金属化合物とNaCl、KClとを一緒
に溶解した水溶液を、粒子形成中の水溶性銀塩溶液又は
水溶性ハライド溶液中に添加しておく方法、或いは銀塩
溶液とハライド溶液が同時に混合されるとき第3の水溶
液として添加し、3液同時混合の方法でハロゲン化銀粒
子を調製する方法、粒子形成中に必要量の金属化合物の
水溶液を反応容器に投入する方法、或いはハロゲン化銀
調製時に予め金属のイオン又は錯体イオンをドープして
ある別のハロゲン化銀粒子を添加して溶解させる方法等
がある。特に、金属化合物の粉末の水溶液もしくは金属
化合物とNaCl、KClとを一緒に溶解した水溶液を
水溶性ハライド溶液に添加する方法が好ましい。粒子表
面に添加する時には、粒子形成直後又は物理熟成時途中
もしくは終了時又は化学熟成時に必要量の金属化合物の
水溶液を反応容器に投入することもできる。
【0096】[還元剤]本発明における塗布液に含有す
る還元剤としては、一般に知られているものが挙げら
れ、例えば、フェノール類、2個以上のフェノール基を
有するポリフェノール類、ナフトール類、ビスナフトー
ル類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシベンゼ
ン類、2個以上の水酸基を有するポリヒドロキシナフタ
レン類、アスコルビン酸類、3−ピラゾリドン類、ピラ
ゾリン−5−オン類、ピラゾリン類、フェニレンジアミ
ン類、ヒドロキシルアミン類、ハイドロキノンモノエー
テル類、ヒドロオキサミン酸類、ヒドラジド類、アミド
オキシム類、N−ヒドロキシ尿素類等があり、さらに詳
しくは例えば、米国特許第3,615,533号、同
3,679,426号、同3,672,904号、同
3,751,252号、同3,782,949号、同
3,801,321号、同3,794,488号、同
3,893,863号、同3,887,376号、同
3,770,448号、同3,819,382号、同
3,773,512号、同3,839,048号、同
3,887,378号、同4,009,039号、同
4,021,240号、英国特許第1,486,148
号もしくはベルギー特許第786,086号各明細書及
び特開昭50−36143号、同50−36110号、
同50−116023号、同50−99719号、同5
0−140113号、同51−51933号、同51−
23721号、同52−84727号もしくは特公昭5
1−35851号各公報に具体的に例示された還元剤が
あり、本発明はこのような公知の還元剤の中から適宜選
択して使用することがる。
【0097】上記の還元剤の中で、有機銀塩として脂肪
族カルボン酸銀塩を使用する場合に好ましい還元剤とし
ては、2個以上のフェノール基がアルキレン基又は硫黄
によって連結されたポリフェノール類、特にフェノール
基のヒドロキシ置換位置に隣接した位置の少なくとも一
つにアルキル基(例えばメチル基、エチル基、プロピル
基、t−ブチル基、シクロヘキシル基等)又はアシル基
(例えばアセチル基、プロピオニル基等)が置換したフ
ェノール基の2個以上がアルキレン基又は硫黄によって
連結されたポリフェノール類、例えば1,1−ビス(2
−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,5,
5−トリメチルヘキサン、1,1−ビス(2−ヒドロキ
シ−3−t−ブチル−5−メチルフェニル)メタン、
1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジ−t−ブチ
ルフェニル)メタン、2−ヒドロキシ−3−t−ブチル
−5−メチルフェニル)−(2−ヒドロキシ−5−メチ
ルフェニル)メタン、6,6’−ベンジリデン−ビス
(2,4−ジ−t−ブチルフェノール)、6,6’−ベ
ンジリデン−ビス(2−t−ブチル−4−メチルフェノ
ール)、6,6’−ベンジリデン−ビス(2,4−ジメ
チルフェノール)、1,1−ビス(2−ヒドロキシ−
3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプロパン、
1,1,5,5−テトラキス(2−ヒドロキシ−3,5
−ジメチルフェニル)−2,4−エチルペンタン、2,
2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニ
ル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5
−ジ−t−ブチルフェニル)プロパン等の米国特許第
3,589,903号、同第4,021,249号もし
くは英国特許第1,486,148号各明細書及び特開
昭51−51933号、同50−36110号、同50
−116023号、同52−84727号もしくは特公
昭51−35727号公報に記載されたポリフェノール
化合物)、米国特許第3,672,904号明細書に記
載されたビスナフトール類、例えば、2,2’−ジヒド
ロキシ−1,1’−ビナフチル、6,6’−ジブロモ−
2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−ビナフチル、6,
6’−ジニトロ−2,2’−ジヒドロキシ−1,1’−
ビナフチル、ビス(2−ヒドロキシ−1−ナフチル)メ
タン、4,4’−ジメトキシ−1,1’−ジヒドロキシ
−2,2’−ビナフチル等、更に米国特許第3,80
1,321号明細書に記載されているようなスルホンア
ミドフェノール又はスルホンアミドナフトール類、例え
ば、4−ベンゼンスルホンアミドフェノール、2−ベン
ゼンスルホンアミドフェノール、2,6−ジクロロ−4
−ベンゼンスルホンアミドフェノール、4−ベンゼンス
ルホンアミドナフトール等を挙げることがる。
【0098】本発明における塗布液に含有する還元剤の
量は、有機銀塩や還元剤の種類、その他の添加剤によっ
て変化するが、一般的には有機銀塩1モル当たり0.0
5モル乃至10モル好ましくは0.1モル乃至3モルが
適当である。又この量の範囲内において、上述した還元
剤は2種以上併用されてもよい。本発明においては、前
記還元剤を塗布直前に感光溶液に添加混合して塗布した
方が、感光溶液の停滞時間による写真性能変動が小さく
好ましい場合がある。
【0099】[硬調化剤]本発明の熱現像感光材料に
は、硬調化剤としてヒドラジン誘導体を含有することが
好ましい。ヒドラジン誘導体としては、下記一般式
〔H〕で表される化合物が好ましい。
【0100】
【化1】 式中、A0はそれぞれ置換基を有してもよい脂肪族基、
芳香族基、複素環基又は−G0−D0基を、B0はブロッ
キング基を表し、A1、A2はともに水素原子、又は一方
が水素原子で他方はアシル基、スルホニル基又はオキザ
リル基を表す。ここで、G0は−CO−基、−COCO
−基、−CS−基、−C(=NG11)−基、−SO−
基、−SO2−基又は−P(O)(G11)−基を表
し、G1は単なる結合手、−O−基、−S−基又は−N
(D1)−基を表し、D1は脂肪族基、芳香族基、複素環
基又は水素原子を表し、分子内に複数のD1が存在する
場合、それらは同じであっても異なってもよい。D0
水素原子、脂肪族基、芳香族基、複素環基、アミノ基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、ア
リールチオ基を表す。
【0101】一般式〔H〕において、A0で表される脂
肪族基は好ましくは炭素数1〜30のものであり、特に
炭素数1〜20の直鎖、分岐又は環状のアルキル基が好
ましく、例えばメチル基、エチル基、t−ブチル基、オ
クチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基が挙げられ、
これらは更に適当な置換基(例えばアリール基、アルコ
キシ基、アリールオキシ基、アルキルチオ基、アリール
チオ基、スルホキシ基、スルホンアミド基、スルファモ
イル基、アシルアミノ基、ウレイド基等)で置換されて
いてもよい。
【0102】一般式〔H〕において、A0で表される芳
香族基は、単環又は縮合環のアリール基が好ましく、例
えばベンゼン環又はナフタレン環が挙げられ、A0で表
される複素環基としては、単環又は縮合環で窒素、硫
黄、酸素原子から選ばれる少なくとも一つのヘテロ原子
を含む複素環が好ましく、例えばピロリジン環、イミダ
ゾール環、テトラヒドロフラン環、モルホリン環、ピリ
ジン環、ピリミジン環、キノリン環、チアゾール環、ベ
ンゾチアゾール環、チオフェン環、フラン環が挙げら
れ、A0で表される−G0−D0基において、G0は−CO
−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。G1は単なる結合手、−O−
基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1は脂肪族
基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分子内に
複数のD1が存在する場合、それらは同じであっても異
なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香族基、
複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオキシ
基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ましい
0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ基、ア
ミノ基等が挙げられる。A0の芳香族基、複素環基及び
−G0−D0基は置換基を有していてもよい。A0として
特に好ましいものはアリール基及び−G0−D0基であ
る。
【0103】又、一般式〔H〕において、A0は耐拡散
基又はハロゲン化銀吸着基を少なくとも一つ含むことが
好ましい。耐拡散基としてはカプラー等の不動性写真用
添加剤にて常用されるバラスト基が好ましく、バラスト
基としては写真的に不活性であるアルキル基、アルケニ
ル基、アルキニル基、アルコキシ基、フェニル基、フェ
ノキシ基、アルキルフェノキシ基等が挙げられ、置換基
部分の炭素数の合計は8以上であることが好ましい。
【0104】一般式〔H〕において、ハロゲン化銀吸着
促進基としてはチオ尿素、チオウレタン基、メルカプト
基、チオエーテル基、チオン基、複素環基、チオアミド
複素環基、メルカプト複素環基、或いは特開昭64−9
0439号に記載の吸着基等が挙げられる。
【0105】一般式〔H〕において、B0はブロッキン
グ基を表し、好ましくは−G0−D0基であり、G0は−
CO−基、−COCO−基、−CS−基、−C(=NG
11)−基、−SO−基、−SO2−基又は−P(O)
(G11)−基を表す。好ましいG0としては−CO−
基、−COCO−基が挙げられ、G1は単なる結合手、
−O−基、−S−基又は−N(D1)−基を表し、D1
脂肪族基、芳香族基、複素環基又は水素原子を表し、分
子内に複数のD1が存在する場合、それらは同じであっ
ても異なってもよい。D0は水素原子、脂肪族基、芳香
族基、複素環基、アミノ基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基を表し、好ま
しいD0としては水素原子、アルキル基、アルコキシ
基、アミノ基等が挙げられる。A1、A2はともに水素原
子、又は一方が水素原子で他方はアシル基(アセチル
基、トリフルオロアセチル基、ベンゾイル基等)、スル
ホニル基(メタンスルホニル基、トルエンスルホニル基
等)、又はオキザリル基(エトキザリル基等)を表す。
【0106】次に一般式〔H〕で表される化合物の具体
例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるもので
はない。
【0107】
【化2】
【0108】
【化3】
【0109】
【化4】
【0110】
【化5】
【0111】
【化6】
【0112】
【化7】
【0113】その他に好ましく用いることのできるヒド
ラジン誘導体は、米国特許第5,545,505号カラ
ム11〜カラム20に記載の化合物H−1〜H−29、
米国特許第5,464,738号カラム9〜カラム11
に記載の化合物1〜12である。これらのヒドラジン誘
導体は公知の方法で合成することができる。
【0114】ヒドラジン誘導体の添加層は、ハロゲン化
銀乳剤を含む感光層及び/又は感光層に隣接した層であ
る。また添加量はハロゲン化銀粒子の粒径、ハロゲン組
成、化学増感の程度、抑制剤の種類等により最適量は一
様ではないが、ハロゲン化銀1モル当たり10-6モル〜
10-1モル程度、特に10-5モル〜10-2モルの範囲が
好ましい。
【0115】[硬調化促進剤]また本発明の熱現像感光
材料には、米国特許第5,545,505号に記載のヒ
ドロキシルアミン化合物、アルカノールアミン化合物や
フタル酸アンモニウム化合物、米国特許第5,545,
507号に記載のヒドロキサム酸化合物、米国特許第
5,558,983号に記載のN−アシル−ヒドラジン
化合物、米国特許第5,545,515号に記載のアク
リロニトリロ化合物、米国特許第5,937,449号
に記載のベンズヒドロールやジフェニルフォスフィンや
ジアルキルピペリジンやアルキル−β−ケトエステルな
どの水素原子ドナー化合物、などの硬調化促進剤を添加
することが好ましい。その中でも下記一般式(P)で表
される4級オニウム化合物及び一般式〔Na〕で表され
るアミノ化合物が好ましく用いられる。
【0116】
【化8】 式中、Qは窒素原子又は燐原子を表し、R1、R2、R3
及びR4は各々、水素原子又は置換基を表し、X-はアニ
オンを表す。尚、R1〜R4は互いに連結して環を形成し
てもよい。
【0117】
【化9】 一般式〔Na〕において、R11、R12及びR13は各々水
素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニル基、
置換アルケニル基、アルキニル基、アリール基、置換ア
リール基、又は飽和もしくは不飽和のヘテロ環を表す。
11、R12及びR13で環を形成してもよい。特に好まし
くは脂肪族の3級アミン化合物である。
【0118】これらの化合物は分子中に耐拡散性基又は
ハロゲン化銀吸着基を有するものが好ましい。耐拡散性
を有するためには分子量100以上の化合物が好まし
く、さらに好ましくは分子量300以上であり、前記一
般式〔H〕におけるA0における耐拡散基と同義のもの
が挙げられる。また、好ましい吸着基としては複素環、
メルカプト基、チオエーテル基、チオン基、チオウレア
基等が挙げられる。
【0119】一般式〔Na〕で表される造核促進剤より
更に好ましい造核促進剤として下記一般式〔Na2〕で
表される化合物が挙げられる。
【0120】
【化10】 一般式〔Na2〕において、R1、R2、R3及びR4は、
各々水素原子、アルキル基、置換アルキル基、アルケニ
ル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニ
ル基、アリール基、置換アリール基又は飽和もしくは不
飽和のヘテロ環を表す。これらは互いに連結して環を形
成することができる。又、R1とR2、R 3とR4が同時に
水素原子であることはない。XはS、Se又はTe原子
を表す。
【0121】L1及びL2は各々2価の連結基を表す。具
体的には以下に示す基又はその組み合わせ及びそれらに
適当な置換基(例えばアルキレン基、アルケニレン基、
アリーレン基、アシルアミノ基、スルホンアミド基等)
を有する基が挙げられる。
【0122】−CH2−、−CH=CH−、−C2
4−、ピリジンジイル、−N(Z1)−(Z1は水素原
子、アルキル基又はアリール基を表す)、−O−、−S
−、−(CO)−、−(SO2)−、−CH2N−。又、
1又はL2で表される連結基は、該連結基中に少なくと
も1つ以上の以下の構造を含むことが好ましい。−〔C
2CH2O〕−、−〔C(CH3)HCH2O〕−、−
〔OC(CH3)HCH2O〕−、−〔OCH2C(O
H)HCH2〕−。
【0123】以下に一般式〔Na〕又は〔Na2〕で表
される造核促進剤の具体例を挙げる。
【0124】
【化11】
【0125】
【化12】
【0126】
【化13】
【0127】
【化14】 一般式(P)において、R1〜R4で表される置換基とし
ては、アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基等)、アルケ
ニル基(アリル基、ブテニル基等)、アルキニル基(プ
ロパルギル基、ブチニル基等)、アリール基(フェニル
基、ナフチル基等)、複素環基(ピペリジニル基、ピペ
ラジニル基、モルホリニル基、ピリジル基、フリル基、
チエニル基、テトラヒドロフリル基、テトラヒドロチエ
ニル基、スルホラニル基等)、アミノ基等が挙げられ
る。
【0128】R1〜R4が互いに連結して形成しうる環と
しては、ピペリジン環、モルホリン環、ピペラジン環、
キヌクリジン環、ピリジン環、ピロール環、イミダゾー
ル環、トリアゾール環、テトラゾール環等が挙げられ
る。R1〜R4で表される基はヒドロキシル基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、カルボキシル基、スルホ基、
アルキル基、アリール基等の置換基を有してもよい。R
1、R2、R3及びR4としては、水素原子及びアルキル基
が好ましい。X-が表すアニオンとしては、ハロゲンイ
オン、硫酸イオン、硝酸イオン、酢酸イオン、p−トル
エンスルホン酸イオン等の無機及び有機のアニオンが挙
げられる。
【0129】更に好ましくは下記一般式(Pa)、(P
b)又は(Pc)で表される化合物、及び下記一般式
〔T〕で表される化合物である。
【0130】
【化15】
【0131】式中、A1、A2、A3、A4及びA5は、含
窒素複素環を完成させるための非金属原子群を表し、酸
素原子、窒素原子、硫黄原子を含んでもよく、ベンゼン
環が縮合しても構わない。A1、A2、A3、A4及びA5
で構成される複素環は置換基を有してもよく、それぞれ
同一でも異なっていてもよい。置換基としては、アルキ
ル基、アリール基、アラルキル基、アルケニル基、アル
キニル基、ハロゲン原子、アシル基、アルコキシカルボ
ニル基、アリールオキシカルボニル基、スルホ基、カル
ボキシ基、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリールオ
キシ基、アミド基、スルファモイル基、カルバモイル
基、ウレイド基、アミノ基、スルホンアミド基、スルホ
ニル基、シアノ基、ニトロ基、メルカプト基、アルキル
チオ基、アリールチオ基を表す。A1、A2、A3、A4
びA5の好ましい例としては、5〜6員環(ピリジン、
イミダゾール、チオゾール、オキサゾール、ピラジン、
ピリミジン等の各環)を挙げることができ、更に好まし
い例としてピリジン環が挙げられる。
【0132】Bpは2価の連結基を表し、mは0又は1
を表す。2価の連結基としては、アルキレン基、アリー
レン基、アルケニレン基、−SO2−、−SO−、−O
−、−S−、−CO−、−N(R6)−(R6はアルキル
基、アリール基、水素原子を表す)を単独又は組み合わ
せて構成されるものを表す。Bpとして好ましくは、ア
ルキレン基、アルケニレン基を挙げることができる。
【0133】R1、R2及びR5は各々、炭素数1〜20
のアルキル基を表す。又、R1及びR 2は同一でも異って
いてもよい。アルキル基とは、置換或いは無置換のアル
キル基を表し、置換基としては、A1、A2、A3、A4
びA5の置換基として挙げた置換基と同様である。
【0134】R1、R2及びR5の好ましい例としては、
それぞれ炭素数4〜10のアルキル基である。更に好ま
しい例としては、置換或いは無置換のアリール置換アル
キル基が挙げられる。
【0135】Xp−は分子全体の電荷を均衡さすに必要
な対イオンを表し、例えば塩素イオン、臭素イオン、沃
素イオン、硝酸イオン、硫酸イオン、p−トルエンスル
ホナート、オキザラート等を表す。npは分子全体の電
荷を均衡さすに必要な対イオンの数を表し、分子内塩の
場合にはnpは0である。
【0136】
【化16】
【0137】上記一般式〔T〕で表されるトリフェニル
テトラゾリウム化合物のフェニル基の置換基R5、R6
7は水素原子もしくは電子吸引性度を示すハメットの
シグマ値(σP)が負のものが好ましい。
【0138】フェニル基におけるハメットのシグマ値は
多くの文献、例えばジャーナル・オブ・メディカルケミ
ストリー(Journal of Medical C
hemistry)20巻、304頁、1977年記載
のC.ハンシュ(C.Hansch)等の報文等に見る
ことが出来、特に好ましい負のシグマ値を有する基とし
ては、例えばメチル基(σP=−0.17以下何れもσP
値)、エチル基(−0.15)、シクロプロピル基(−
0.21)、n−プロピル基(−0.13)、iso−
プロピル基(−0.15)、シクロブチル基(−0.1
5)、n−ブチル基(−0.16)、iso−ブチル基
(−0.20)、n−ペンチル基(−0.15)、シク
ロヘキシル基(−0.22)、アミノ基(−0.6
6)、アセチルアミノ基(−0.15)、ヒドロキシル
基(−0.37)、メトキシ基(−0.27)、エトキ
シ基(−0.24)、プロポキシ基(−0.25)、ブ
トキシ基(−0.32)、ペントキシ基(−0.34)
等が挙げられ、これらは何れも一般式〔T〕の化合物の
置換基として有用である。
【0139】nは1或いは2を表し、XT n-で表される
アニオンとしては、例えば塩化物イオン、臭化物イオ
ン、ヨウ化物イオン等のハロゲンイオン、硝酸、硫酸、
過塩素酸等の無機酸の酸根、スルホン酸、カルボン酸等
の有機酸の酸根、アニオン系の活性剤、具体的にはp−
トルエンスルホン酸アニオン等の低級アルキルベンゼン
スルホン酸アニオン、p−ドデシルベンゼンスルホン酸
アニオン等の高級アルキルベンゼンスルホン酸アニオ
ン、ラウリルスルフェートアニオン等の高級アルキル硫
酸エステルアニオン、テトラフェニルボロン等の硼酸系
アニオン、ジ−2−エチルヘキシルスルホサクシネート
アニオン等のジアルキルスルホサクシネートアニオン、
セチルポリエテノキシサルフェートアニオン等の高級脂
肪酸アニオン、ポリアクリル酸アニオン等のポリマーに
酸根のついたもの等を挙げることができる。
【0140】以下、4級オニウム化合物の具体例を下記
に挙げるが、これらに限定されるものではない。
【0141】
【化17】
【0142】
【化18】
【0143】
【化19】
【0144】
【化20】
【0145】
【化21】
【0146】
【化22】
【0147】
【化23】
【0148】
【化24】
【0149】
【化25】
【0150】
【化26】
【0151】上記4級オニウム化合物は公知の方法に従
って容易に合成でき、例えば上記テトラゾリウム化合物
は Chemical Reviews 55 p.3
35〜483に記載の方法を参考にできる。
【0152】これら4級オニウム化合物の添加量は、ハ
ロゲン化銀1モル当たり1×10-8〜1モル程度、好ま
しくは1×10-7〜1×10-1モルである。これらはハ
ロゲン化銀粒子形成時から塗布までの任意の時期に感光
材料の写真構成層中に添加できる。
【0153】4級オニウム化合物及びアミノ化合物は、
単独で用いても2種以上を適宜併用して用いてもよい。
また感光材料の写真構成層中のいかなる層に添加しても
よいが、好ましくは感光層を有する側の写真構成層の少
なくとも1層、更には感光層及び/又はその隣接層に添
加する。
【0154】[バインダー]本発明の熱現像感光材料に
好適なバインダーは透明又は半透明で、一般に無色であ
り、天然ポリマー合成樹脂やポリマー及びコポリマー、
その他フィルムを形成する媒体、例えば:ゼラチン、ア
ラビアゴム、ポリ(ビニルアルコール)、ヒドロキシエ
チルセルロース、セルロースアセテート、セルロースア
セテートブチレート、ポリ(ビニルピロリドン)、カゼ
イン、デンプン、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メチルメ
タクリル酸)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(メタクリル
酸)、コポリ(スチレン−無水マレイン酸)、コポリ
(スチレン−アクリロニトリル)、コポリ(スチレン−
ブタジエン)、ポリ(ビニルアセタール)類(例えば、
ポリ(ビニルホルマール)及びポリ(ビニルブチラー
ル))、ポリ(エステル)類、ポリ(ウレタン)類、フ
ェノキシ樹脂、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(エポキ
シド)類、ポリ(カーボネート)類、ポリ(ビニルアセ
テート)、セルロースエステル類、ポリ(アミド)類が
ある。親水性でも疎水性でもよいが、本発明において
は、熱現像後のカブリを低減させるために、疎水性透明
バインダーを使用することが好ましい。好ましいバイン
ダーとしては、ポリビニルブチラール、セルロースアセ
テート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステ
ル、ポリカーボネート、ポリアクリル酸、ポリウレタン
などがあげられる。その中でもポリビニルブチラール、
セルロースアセテート、セルロースアセテートブチレー
トは特に好ましく用いられる。また、疎水性のバインダ
ーと親水性のバインダーを併用して用いてもよい。
【0155】本発明においては、熱現像の速度を速める
ために感光層のバインダー量が1.5〜10g/m2
あることが好ましい。さらに好ましくは1.7〜8g/
2である。1.5g/m2未満では未露光部の濃度が大
幅に上昇し、使用に耐えない場合がある。
【0156】[マット剤]本発明においては、感光層側
にマット剤を含有することが好ましく、熱現像後の画像
の傷つき防止のためには、感光材料の表面にマット剤を
配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の全バ
インダーに対し、重量比で0.5〜30%含有すること
が好ましい。また、支持体をはさみ感光層の反対側に非
感光層を設ける場合は、非感光層側の少なくとも1層中
にマット剤を含有することが好ましく、感光材料のすべ
り性や指紋付着防止のためにも感光材料の表面にマット
剤を配することが好ましく、そのマット剤を感光層側の
反対側の層の全バインダーに対し、重量比で0.5〜4
0%含有することが好ましい。マット剤の形状は、定
形、不定形どちらでもよいが、好ましくは定形で、球形
が好ましく用いられる。
【0157】[保護層]感光材料の表面を保護目的や擦
り傷を防止するために、感光層の外側に非感光層を有す
ることができる。これらの非感光層に用いられるバイン
ダーは感光層に用いられるバインダーと同じ種類でも異
なった種類でもよい。通常は擦り傷や相の変形等を防止
するために熱現像感光層を構成するバインダーポリマー
よりも軟化点の高いポリマーが用いられ、セルロースア
セテート、セルロースアセテートブチレートがこの目的
にかなっている。
【0158】[その他の層]本発明の熱現像感光材料は
支持体上に少なくとも一層の感光層を含む写真構成層を
有している。支持体の上に感光層のみを形成してもよい
が、感光層の上に少なくとも1層の非感光層を形成する
ことが好ましい。感光層に通過する光の量又は波長分布
を制御するために感光層と同じ側にフィルター染料層お
よび/又は反対側にアンチハレーション染料層、いわゆ
るバッキング層を形成してもよいし、感光層に染料又は
顔料を含ませてもよい。
【0159】これらの非感光層には前記のバインダーや
マット剤を含有することが好ましく、さらにポリシロキ
サン化合物やワックスや流動パラフィンのようなスベリ
剤を含有してもよい。
【0160】また、本発明の熱現像感光材料には、塗布
助剤として各種の界面活性剤が用いられる。その中でも
フッ素系界面活性剤が、帯電特性を改良したり、斑点状
の塗布故障を防いだりするために好ましく用いられる。
感光層は複数層にしてもよく、また階調の調節のため感
度を異ならせた複数層、例えば高感度層/低感度層又は
低感度層/高感度層にしてもよい。
【0161】[色調剤]本発明に用いられる好適な色調
剤の例はRD17029号に開示されている。
【0162】[抑制剤]本発明の熱現像材料には現像を
抑制あるいは促進させ現像を制御するため、分光増感効
率を向上させるため、現像前後の保存性を向上させる等
のためにメルカプト化合物、ジスルフィド化合物、チオ
ン化合物を含有させることができる。
【0163】[かぶり防止剤]本発明の熱現像感光材料
中にはかぶり防止剤が含まれてよい。
【0164】上記各種の添加剤は感光層、非感光層、又
はその他の写真構成層のいずれに添加してもよい。本発
明の熱現像感光材料には例えば、界面活性剤、酸化防止
剤、安定化剤、可塑剤、紫外線吸収剤、被覆助剤等を用
いてもよい。これらの添加剤及び上述したその他の添加
剤はRD17029(1978年6月p.9〜15)に
記載されている化合物を好ましく用いることができる。
【0165】
【実施例】以下本発明を実施例により具体的に説明する
が、本発明はこれにより限定されるものではない。な
お、以下の実施例に記載されている評価方法は以下の通
りである。
【0166】[寸法変化率]熱処理を施した支持体、熱
現像感光材料の幅方向中央部を、150mm(長手方向)
×150mm(幅手方向)に切出し、23℃、55%RH
の条件下で1日調湿した後、長手方向に100mm間隔
の罫書き線を入れる。そして120℃に加熱したホット
プレート(井内盛栄堂社製EC−1200)に60秒間
押しつけ、さらに23℃、55%RHの条件下で1日調
湿した後の罫書き線の間隔を測定する。熱処理前後の罫
書き線の間隔の差を求め、熱処理前の間隔に対する百分
率で表した。なお測定は5枚行ったものの平均とした。
【0167】[ガラス転移温度]樹脂10mgを、示差
走査型熱量計(セイコー電子社製、DSC220)にセ
ットし、毎分100cm3の窒素気流中、毎分20℃の
速度で昇温し、ガラス転移点(Tg)を検出した。Tg
はベースラインが偏奇し始める温度と、新たにべースラ
インに戻る温度との平均値とした。
【0168】[擦り傷性]熱処理を施した支持体、熱現
像感光材料の幅方向中央部を、20mm(長手方向)×2
0mm(幅手方向)に切出し、23℃、55%RHの条件
下で1日調湿した後、偏向顕微鏡を用いてキズの個数を
評価した。
【0169】[接着性]試料の感光層が塗設されている
面の表面にカミソリを用いて4mm間隔で縦横それぞれ6
本づつの傷をつけて、25桝の桝目を作った。ただし傷
は支持体の表面に到達する深さでつけた。この上に幅2
5mmのマイラーテープを張り付けて十分に圧着した。圧
着後5分してから、マイラーテープを180度の剥離角
で急激に引っ張って試料から剥離した。この時感光層が
試料から剥離した桝目の数を数え以下のように分類し
た。実用上許容されるのはAとBに分類されるものであ
る。 A;剥離0桝 B;剥離が1桝未満 C;剥離が5桝未満 D;剥離が5桝以上
【0170】[ベコ]以下の方法でベース中に発生する
直径10〜50cmの陥没状のくぼみの数を数えた。ベ
ースを全幅でMD方向に3m切り出す。これを水平で平
滑な台の上に置く。支持体の表面に蛍光灯の像を反射さ
せ、蛍光灯がクレーター状に歪んで見える所(陥没)の
数を数える。
【0171】[熱現像感光材料用支持体の作製]以下の
ようにしてPET樹脂を得た。 (PET樹脂)テレフタル酸ジメチル100重量部、エ
チレングリコール65重量部にエステル交換触媒として
酢酸マグネシウム水和物0.05重量部を添加し、常法
に従ってエステル交換を行った。得られた生成物に、三
酸化アンチモン0.05重量部、リン酸トリメチルエス
テル0.03重量部、表1に示す架橋モノマーを所定の
比率になるように添加した。次いで、徐々に昇温、減圧
にし、280℃、0.5mmHgで重合を行い、固有粘
度0.67のポリエチレンテレフタレート(PET)樹
脂を得た。
【0172】以上のようにして得られたPET樹脂を用
いて、以下のようにして下引層付二軸延伸PETフィル
ムを作成した。 (下引層付二軸延伸PETフィルム)PET樹脂をペレ
ット化したものを150℃で8時間真空乾燥した後、2
85℃でTダイから層状に溶融押しだし、30℃の冷却
ドラム上で静電印加しながら密着させ、冷却固化させ、
未延伸フィルムを得た。この未延伸シートをロール式縦
延伸機を用いて、80℃で縦方向に3.3倍延伸した。
得られた一軸延伸フィルムに表1に示す樹脂とシリカ粒
子(平均粒径2μm)(比率9:1)で構成した水性塗
布液(固形分4wt%)をキスコート法にて片面にWE
T膜厚2g/m 2になるように塗布した。引き続き、テ
ンター式横延伸機を用いて、第一延伸ゾーン90℃で総
横延伸倍率の50%延伸し、さらに第二延伸ゾーン10
0℃で総横延伸倍率3.3倍になるように延伸した。次
いで、70℃2秒間、前熱処理し、さらに第一固定ゾー
ン150℃で5秒間熱固定し、第二固定ゾーン220℃
で15秒間熱固定した。次いで160℃で横(幅手)方向
に5%弛緩処理し、テンターを出た後に、駆動ロールの
周速差を利用して、140℃で縦(長手)方向に弛緩処理
を行い、室温まで60秒かけて冷却し、フィルムをクリ
ップから解放し、厚さ125μmの二軸延伸PETフィ
ルムを得た。この二軸延伸PETフィルムのTgは79
℃であった。
【0173】(支持体の熱処理)表1に記載の温度、張
力に設定した熱処理ゾーンを表1に示す時間になるよう
に搬送速度を調節して熱処理を施した。さらに室温まで
10℃/minで冷却してから表1に示すような外巻き
と内巻き時の巻き取り張力を調整し、約300m巻き取
った。さらに一部のものについては防湿シートでフィル
ムロールを巻き付けた。巻き取ったフィルムを所定のサ
イズに切り出し、支持体の寸法変化率、クリープ変形量
の湿度依存性、ベコ、擦り傷性を評価した。結果は表1
に示す。
【0174】
【表1】 表1から本発明の範囲内の熱処理条件で熱処理した場
合、寸法変化の小さく、平面性、処理適性が良好なこと
が分かる。
【0175】(PCフィルム)ホスゲンとビスフェノー
ルAの縮合によって得られた平均分子量38000のポ
リカーボネートを、1,3−ジオキソランに溶解し、2
0重量%の溶液とした。これをスチールベルト上に流延
し、乾燥した後に連続的に剥ぎ取った。このフイルムを
剥ぎ取り直後に第1工程として、25℃の雰囲気温度下
でロールに通して、フイルムに1平方cm当たり9kg
の張力をかけつつ3分間搬送した。次に第2工程とし
て、110℃の温度雰囲気下に6分間搬送し、さらに表
2に示す温度、張力に設定したピンテンターによりフイ
ルム幅方向の両端を把持しつつ搬送した。この時のレー
ル幅を5%縮めた。最後に室温まで冷却して、厚み12
5μmのPCフイルムを作成した。
【0176】(TACフィルム)酢化度が61.0%で
粘度平均重合度が200のセルローストリアセテート5
0重量部、酢化度が61.0%で粘度平均重合度が35
0のセルローストリアセテート50重量部及びトリフェ
ニルフォスフェート(可塑剤)10重量部を、メチレン
クロライド376重量部とエタノール24重量部の混合
有機溶媒に溶解し、セルローストリアセテート溶液を調
製した。ドープを30℃で一晩静置し、脱泡操作を施し
た後、ドープを安積濾紙社製の安積濾紙No.244を
使用して濾過し製膜に供した。得られたドープを定量ギ
ヤポンプでダイに送液し、回転しているステンレスベル
トに乾燥後の膜厚が125μmとなるように流延した。
裏面から30℃の温水を接触させて温度制御されたベル
ト上で前半の乾燥を行い、後半は40℃の乾燥風を当て
てウェブを乾燥させた。ベルトが1周するところでベル
トからウェブを剥離し、ウェブの両端をクリップで把持
しながら95℃で5分間、続いて表2に示す温度、張力
に設定したピンテンターによりフイルム幅方向の両端を
把持しつつ搬送した。この時のレール幅を5%縮めた。
最後に室温まで冷却して、厚みは125μmのTACフ
イルムを作成した。
【0177】(PMMAフィルム)市販のPMMAフィ
ルムを表2に示す温度、張力に設定したピンテンターに
よりフイルム幅方向の両端を把持しつつ搬送した。この
時のレール幅を5%縮めた。最後に室温まで冷却して、
厚みは125μmのPMMAフイルムを作成した。以上
の3種のフィルムを所定のサイズに切り出し、支持体の
寸法変化率を評価した。結果は表2に示す。
【0178】[熱現像感光材料の作製] (ハロゲン化銀乳剤Aの調製)水900ml中にイナー
トゼラチン7.5g及び臭化カリウム10mgを溶解し
て温度35℃、pHを3.0に合わせた後、硝酸銀74
gを含む水溶液370mlと(60/38/2)のモル
比の塩化ナトリウムと臭化カリウムと沃化カリウム及び
〔Ir(NO)Cl5〕塩を銀1モル当たり1×10-6
モル及び塩化ロジウム塩を銀1モル当たり1×10-6
ル含む水溶液370mlを、pAg7.7に保ちながら
コントロールドダブルジェット法で添加した。その後4
−ヒドロキシ−6−メチル−1,3,3a,7−テトラ
ザインデンを添加しNaOHでpHを8、pAg6.5
に調整することで還元増感を行い平均粒子サイズ0.0
6μm、単分散度10%の投影直径面積の変動係数8
%、〔100〕面比率87%の立方体沃臭化銀粒子を得
た。この乳剤にゼラチン凝集剤を用いて凝集沈降させ脱
塩処理後フェノキシエタノール0.1gを加え、pH
5.9、pAg7.5に調整して、ハロゲン化銀乳剤A
を得た。
【0179】(ベヘン酸Na溶液の調製)945mlの
純水にベヘン酸32.4g、アラキジン酸9.9g、ス
テアリン酸5.6gを90℃で溶解した。次に高速で攪
拌しながら1.5Mの水酸化ナトリウム水溶液98ml
を添加した。次に濃硝酸0.93mlを加えた後、55
℃に冷却して30分攪拌させてベヘン酸Na溶液を得
た。
【0180】(ベヘン酸銀とハロゲン化銀乳剤Aのプレ
フォーム乳剤の調製)上記のベヘン酸Na溶液に前記ハ
ロゲン化銀乳剤Aを15.1g添加し水酸化ナトリウム
溶液でpH8.1に調整した後に1Mの硝酸銀溶液14
7mlを7分間かけて加え、さらに20分攪拌し限外濾
過により水溶性塩類を除去した。できたベヘン酸銀は平
均粒子サイズ0.8μm、単分散度8%の粒子であっ
た。分散物のフロックを形成後、水を取り除き、更に6
回の水洗と水の除去を行った後乾燥させた。
【0181】(感光性乳剤の調製)できあがったプレフ
ォーム乳剤を1/2に分割し、それにポリビニルブチラ
ール(平均分子量3000)のメチルエチルケトン溶液
(17wt%)544gとトルエン107gを徐々に添
加して混合した後に、0.5mmサイズZrO2のビー
ズミルを用いたメディア分散機で4000psiで30
℃、10分間の分散を行った。表1、表2で使用した各
支持体に、以下の各層を乾燥温度80℃の条件で両面同
時塗布し、熱現像感光材料を作製した。それぞれの熱現
像感光材料を590mm巾のロール形状にし、明室装填
用の包装形態とした。
【0182】(バック面側塗布)支持体のB−1層の上
に以下の組成の液を塗布した。 セルロースアセテートブチレート(10%メチルエチルケトン溶液) 15ml/m2 染料−A 7mg/m2 染料−B 7mg/m2 マット剤:単分散度15%平均粒子サイズ8μm単分散シリカ 90mg/m2817(CH2CH2O)12817 50mg/m2917−C64−SO3Na 10mg/m2
【0183】
【化27】
【0184】(感光層面側塗布) 感光層1:支持体のA−1層の上に以下の組成の液を塗
布銀量が2.1g/m 2になる様に塗布した。 前記感光性乳剤 240g 増感色素(0.1%メタノール溶液) 1.7ml ピリジニウムプロミドペルブロミド(6%メタノール溶液) 3ml 臭化カルシウム(0.1%メタノール溶液) 1.7ml 酸化剤(10%メタノール溶液) 1.2ml 2,4−クロロベンゾイル安息香酸(12%メタノール溶液) 9.2ml 2−メルカプトベンズイミダゾール(1%メタノール溶液) 11ml トリブロモメチルスルホキノリン(5%メタノール溶液) 17ml ヒドラジン誘導体H−26(例示番号) 0.4g 硬調化促進剤P−51(例示番号) 0.3g フタラジン 0.6g 4−メチルフタル酸 0.25g テトラクロロフタル酸 0.2g 平均粒径3μmの炭酸カルシウム 0.1g 1,1−ビス(2−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−2−メチルプ ロパン(20%メタノール溶液) 20.5ml イソシアネート化合物(モーベイ社製、DesmodurN3300) 0.5g
【0185】
【化28】
【0186】表面保護層:以下の組成の液を感光層の上
になるよう同時塗布した。 アセトン 5ml/m2 メチルエチルケトン 21ml/m2 セルロースアセテートブチレート 2.3g/m2 メタノール 7ml/m2 フタラジン 250mg/m2 マット剤:単分散度10%平均粒子サイズ4μm単分散シリカ 5mg/m2 CH2=CHSO2CH2CH2OCH2CH2SO2CH=CH2 35mg/m2 フッ素系界面活性剤C1225(CH2CH2O)101225 10mg/m2817−C64−SO3Na 10mg/m2 作成した熱現感光材料は所定のサイズに切り出し、寸法
変化率及び接着性を評価した。
【0187】
【表2】
【0188】
【表3】 表2、3から、本発明の熱現像感光材料用支持体を用い
て熱現像感光材料を作成した試料は、熱寸法安定性及び
接着性が良好なことが分かる。
【0189】
【発明の効果】本発明の熱現像感光材料用熱現像感光材
料用支持体及び熱現像感光材料は、熱現像による高温下
でも寸法安定性がよく、印刷用熱現像感材として処理適
性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例で用いたクリープ変形量を説明するグラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29K 67:00 B29K 67:00 B29L 7:00 B29L 7:00 C08L 67:02 C08L 67:02 (72)発明者 細井 勇治 東京都日野市さくら町1番地 コニカ株式 会社内 Fターム(参考) 2H123 AB00 AB03 AB23 AB28 BA00 BA38 BA45 BB00 BB02 BB31 BC00 BC16 CB00 CB03 EA07 4F071 AA09 AA33 AA44 AA50 AA51 AA86 AH12 BA01 BA02 BB02 BB06 BB08 BC01 4F201 AA01 AA21 AA24 AA28 AA32 AC03 AE01 AG01 AP04 AP05 BC01 BC03 BC13 BC15 BQ11 BR05 BR21 4J029 AA03 AB01 AC02 AD01 AE03 BA02 BA03 BA07 BA08 CB04A CB06A CB10A CC05A CC06A CE04 CH02 DB07 DB13 FC02 FC03 FC04 FC05 FC07 FC08 FC35 FC36 HA01 HB01 KB02

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多官能性カルボン酸および/又は多価アル
    コールが0.001〜5重量%を含有しているポリエス
    テル樹脂を用いた二軸延伸ポリエステル熱現像感光材料
    用支持体であって、少なくとも1層の写真構成層が塗設
    される前に、該支持体をTg+50℃以上Tg+120
    ℃以下の温度及び0.01kg/cm2以上20kg/
    cm2以下の搬送張力で熱処理をすることを特徴とする
    熱現像感光材料用支持体の製造方法。
  2. 【請求項2】上記熱処理する前に、該支持体の少なくと
    も片面にポリエステル樹脂、アクリル樹脂、アクリル変
    性ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂の少なくとも1種を
    塗布することを特徴とする請求項1に記載の熱現像感光
    材料用支持体の製造方法。
  3. 【請求項3】搬送しながら熱処理する二軸延伸ポリエス
    テル熱現像感光材料用支持体の製造方法において、該熱
    処理時の温度及び搬送張力がTg+50℃以上Tg+1
    20℃以下、0.01kg/cm2以上20kg/cm2
    以下であり、かつ熱処理後の巻取張力が内層部より外層
    部の方が低く、かつ内層部と外層部との巻取張力の差が
    0.01〜10kg/mm2であることを特徴とする熱
    現像感光材料用支持体の製造方法。
  4. 【請求項4】搬送しながら熱処理する二軸延伸ポリエス
    テル熱現像感光材料用支持体の製造方法において、該熱
    処理時の温度及び搬送張力がTg+50℃以上Tg+1
    20℃以下、0.01kg/cm2以上20kg/cm2
    以下であり、かつ熱処理後の該支持体の巻きロールを防
    湿シートでカバーすることを特徴とする熱現像感光材料
    用支持体の製造方法。
  5. 【請求項5】ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセル
    ロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリメ
    チルメタクリレート樹脂のいずれか1種を流延製膜法で
    製膜して得た下引層を有する熱現像感光材料用支持体で
    あって、少なくとも1層の写真構成層が塗設される前
    に、該支持体のTg−20℃以上Tg℃以下の温度及び
    0.01kg/cm2以上20kg/cm2以下の搬送張
    力で熱処理をすることを特徴とする熱現像感光材料用支
    持体の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜5のいずれかに記載の方法で製
    造されたことを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
  7. 【請求項7】少なくとも1層の下引層を有するポリエチ
    レンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
    からなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、12
    0℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.04%
    であり、かつ該支持体に多官能性カルボン酸および/又
    は多価アルコールが0.001〜5重量%含有されてい
    ることを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
  8. 【請求項8】少なくとも1層の下引層を有するポリエチ
    レンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステル
    からなる二軸延伸ポリエステルフィルムであって、12
    0℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.04%
    であり、かつ該下引層のクリープ変形量の湿度依存性が
    0.60〜1.00であることを特徴とする熱現像感光
    材料用支持体。
  9. 【請求項9】ポリカーボネート樹脂、トリアセチルセル
    ロース樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリメ
    チルメタクリレート樹脂の少なくとも1種を流延製膜法
    で製膜して得た下引層を有するフィルムであって、12
    0℃、60秒での寸法変化率が0.001〜0.06%
    であることを特徴とする熱現像感光材料用支持体。
  10. 【請求項10】請求項6〜9のいずれかに記載の熱現像
    感光材料用支持体を有することを特徴とする熱現像写真
    感光材料。
  11. 【請求項11】支持体上の少なくとも1層の写真構成層
    にヒドラジン化合物を含有することを特徴とする請求項
    10に記載の熱現像写真感光材料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006327161A (ja) * 2005-05-30 2006-12-07 Fujifilm Holdings Corp 熱可塑性フィルムの製造方法
KR100940244B1 (ko) 2003-02-19 2010-02-04 티디케이가부시기가이샤 박리 필름의 제조 방법

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