JP2003171485A - 樹脂フイルムの処理法 - Google Patents

樹脂フイルムの処理法

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JP2003171485A
JP2003171485A JP2001370348A JP2001370348A JP2003171485A JP 2003171485 A JP2003171485 A JP 2003171485A JP 2001370348 A JP2001370348 A JP 2001370348A JP 2001370348 A JP2001370348 A JP 2001370348A JP 2003171485 A JP2003171485 A JP 2003171485A
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快之 波多
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂フイルムが有する優れた種々の物理的
特性を損なうことなく、巻きぐせが付き難くする。 【解決手段】樹脂フイルムのガラス転移温度をTg
(℃)とすると、二酸化炭素超臨界流体又は二酸化炭素
亜臨界流体中で、樹脂フイルムを(Tg−55℃)乃至
(Tg−5℃)の範囲の温度で加熱処理して樹脂フイル
ムの巻きぐせを解消する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電気絶縁
材料、印刷材料、磁気材料、写真材料、包装材料等に用
いられるのに好適な樹脂フイルムの処理法に関し、更に
詳細に述べると、透明性、機械的強度、熱的性質等の如
き樹脂フイルム本来の特性を保持しつつ、ロール状にし
て取り扱われても巻きぐせが付きにくい取扱い性に優れ
た樹脂フイルムの処理法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】樹脂フイルムは、ロール状に巻かれた形
態で運搬、保管され、このロールから必要量取り出して
使用されることが多い。しかし、ロール状で用いると、
時間の経過と共に巻きぐせがつき、特に50μm厚み以
上の中厚シートの形態で用いられる磁気カード、フレキ
シブルディスク、電気絶縁シート、レントゲン写真材料
等のようにカールしてないことが要求される分野には利
用することができない。また、いずれの分野でも樹脂フ
イルムに表面処理、塗布を必要とする場合に、樹脂フイ
ルムに巻ぐせが付いていると、表面処理、塗布作業を均
一に行うことができないという問題があった。
【0003】従って、ロール状で使用されることが多い
樹脂フイルムの巻ぐせを解消することが望まれており、
この目的で従来から樹脂フイルムに種々の処理が施され
ている。1つの従来技術では、樹脂フイルムの巻きぐせ
を解消するため、熱可塑性樹脂フイルムのガラス転移温
度をTg(℃)とすると、例えば、(Tg−30℃)乃
至(Tg−5℃)の範囲の温度で樹脂フイルムを0.1
乃至1500時間加熱処理する方法が提案されている
(特開昭51−16358号参照)。他の従来技術で
は、ポリエチレン-2,6-ナフタレートを主成分とするポ
リエステルフイルムを50℃以上でTg(℃)以下の温
度で0.1乃至1500時間加熱処理する方法が提案さ
れている(特開平06−035118)。更に他の従来
技術では、樹脂フイルムを(Tg+25℃)乃至(Tg
+5℃)の範囲の温度で20秒乃至300秒かけて加熱
領域を通過させて加熱処理する方法が提案されている
(特開平9−281650号参照)。
【0004】これらの方法は、樹脂フイルムをガラス転
移温度Tg(℃)よりも低い温度で長時間加熱処理する
か、ガラス転移温度よりも高い温度で短時間加熱処理し
て巻きぐせを付け難くしているが、このように巻きぐせ
を付け難くした樹脂フイルムを再度ガラス転移温度より
高い温度で加熱すると、再び巻きぐせが付き易くなる欠
点を有する。このように、これらの従来技術をそのまま
樹脂フイルムの処理に適用しても常に巻きぐせを解消す
ることができるわけではなく、またガラス転移温度より
も低い温度で処理する場合は巻きぐせを解消するための
処理に長時間を要する欠点があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、特に樹脂フイルムが本来有する優れた特性
を損なうことなく、樹脂フイルムに巻きぐせが付き難く
なるように短時間で処理することができる樹脂フイルム
の処理法を提供することにある。
【0006】
【問題を解決するための手段】本発明の基本的な課題解
決手段は、樹脂フイルムのガラス転移温度をTg(℃)
で表すと、樹脂フイルムを二酸化炭素の如き超臨界又は
亜臨界流体中で、(Tg−55℃)乃至(Tg−5℃)
の範囲の温度で、0.25分以上加熱処理することを特
徴とする樹脂フイルムの処理法を提供することにある。
【0007】二酸化炭素等の超臨界又は亜臨界流体中
で、樹脂フイルムを(Tg−55℃)乃至(Tg−5
℃)の範囲の温度で加熱処理すると、従来技術の大気中
の雰囲気で単に加熱処理する場合に比べて加熱処理時間
を大幅に短縮して、巻きぐせを付き難くすることがで
き、またこのように処理されて巻きぐせを付け難くした
樹脂フイルムの取り扱い性が向上する利点を有する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の実施の態様を詳細に述べ
ると、本発明の方法は既に述べたように、樹脂フイルム
のガラス転移温度をTg(℃)とすると、二酸化炭素超
臨界流体又は二酸化炭素亜臨界流体中で、樹脂フイルム
を(Tg−55℃)乃至(Tg−5℃)の範囲の温度で
加熱処理することにある。
【0009】二酸化炭素の超臨界流体又は亜臨界流体中
で樹脂フイルムを所定の温度範囲で加熱処理すると、樹
脂フイルムを大気中の雰囲気で加熱処理する場合に比べ
て加熱処理時間を大幅に短縮して巻きぐせを付き難くす
ることができることが確認された。先に掲げた特開昭5
1−16358号には、(Tg−30℃)乃至(Tg−
5℃)の範囲の温度で0.1乃至1500時間加熱処理
する方法が開示されているが、本発明のように、二酸化
炭素超臨界流体又は二酸化炭素亜臨界流体中で樹脂フイ
ルムを加熱処理すると、加熱処理温度をこの従来技術よ
りも更に低い(Tg−55℃)から(Tg−5℃)まで
の範囲の温度で0.25分以上加熱処理することによっ
てこの従来技術と同等の巻きぐせ解消特性を付与するこ
とができる。
【0010】二酸化炭素超臨界流体又は二酸化炭素亜臨
界流体中で樹脂フイルムを加熱処理すると、樹脂フイル
ムの巻きぐせが付き難くなる理由は明らかでないが、二
酸化炭素超臨界流体が流体の加圧により非極性有機溶媒
の誘電率に近づいて、疎水性ポリマーを膨潤、可塑化
し、加熱処理と相俟って、樹脂フイルムの高分子鎖の分
子配向を促進して緻密化することに起因すると推定され
る。従って、このような加熱処理を施された樹脂フイル
ムを、ロール状態に巻いて使用すると、樹脂フイルムを
構成する高分子鎖のこれ以上の滑りが抑制され、巻きぐ
せが付き難くなるものと思われる。この流体は高圧であ
るので、二酸化炭素が疎水性ポリマーに侵入して、膨
潤、可塑化して樹脂フイルムのガラス転移温度を下げ
る。加熱処理温度がガラス転移温度を越えると、巻きぐ
せ解消性が損なわれ、また樹脂フイルムが軟化して好ま
しくないので、二酸化炭素超臨界又は亜臨界流体中で
は、樹脂フイルムは、そのガラス転移温度以下の温度で
加熱処理することが必要となる。
【0011】次に、二酸化炭素超臨界流体及び二酸化炭
素亜臨界流体について説明する。超臨界流体とは、気体
と液体が共存できる限界の温度、圧力(臨界点)を越え
た高密度の物質であり、圧力をどんなに高くしても液化
しない非凝縮性の気体(非凝縮性高密度流体)で、気
体分子と同等の大きな運動エネルギーを持ち、かつ液
体に匹敵する高い分子密度を兼ね備えた非常に活性な流
体である。また、この流体は、低粘性かつ高拡散性であ
り、液体と気体の利点を兼ね備えた輸送物性を有する。
【0012】二酸化炭素の臨界点は、臨界温度(Tc)=3
0.9℃、臨界圧力(Pc)=7.38MPaと比較的穏和な
条件であるため、二酸化炭素の超臨界状態は、二酸化炭
素ボンベを若干加温、加圧するだけで得られる。従っ
て、この臨界温度、臨界圧力を挟んだ0℃以下から、1
50℃周辺の数MPaの広い温度、圧力範囲で、一部二相
領域(亜臨界領域)が混在するが、二酸化炭素は、超臨
界流体を示す。一方、二酸化炭素は、亜臨界状態も示
す。亜臨界流体は、超臨界状態直前の亜臨界状態、すな
わち、臨界点以下の高温、高圧状態にあるものを言い、
温度、圧力範囲は特に限定されないが、18乃至25
℃、5.6乃至6.5MPa程度の二相領域をいう。
【0013】二酸化炭素超臨界流体又は二酸化炭素亜臨
界流体中で、樹脂フイルムを加熱処理する温度は、(T
g−55℃)乃至(Tg−5℃)の範囲である。この温
度範囲は、樹脂フイルムのガラス転移温度より低い温度
であるが、二酸化炭素超臨界又は亜臨界流体中で加熱処
理する樹脂フイルムのガラス転移温度に依存して、処理
条件(温度、圧力)が異なるにしても、超臨界又は亜臨
界流体を作り出すために加えられる圧力で樹脂フイルム
のガラス転移温度が低下する傾向にあるので、加熱温度
の上限は、ガラス転移温度よりも5℃程度低く設定され
ている。この加熱処理温度は、更に好ましくは、(Tg
−55℃)乃至(Tg−15℃)の範囲である。また、
加熱処理時間は、最大で60分と比較的短くてよく、こ
の加熱処理時間であると、樹脂フイルムが軟化すること
もなく、樹脂フイルムの形態に損傷を与えることがない
い。加熱処理時間は、二酸化炭素超臨界又は亜臨界流体
条件に依存して特に限定されないが、一般には、0.2
5乃至60分の短時間、好ましくは、1乃至10分、最
も好ましくは、1乃至2分であり、これらの加熱処理時
間で樹脂フイルムを加熱処理すると、樹脂フイルムの巻
きぐせ解消の程度を大幅に改善することができる。加熱
処理時間が長ければ長いほど、巻きぐせを付き難くする
ことができるが、工業レベルでの採算性を考えると、短
ければ短いほど好ましく、巻きぐせ解消特性は、60分
程度の加熱処理時間で飽和するので、二酸化炭素超臨界
流体中での処理は、60分程度が加熱処理時間の上限で
ある。しかし、二酸化炭素亜臨界流体条件下では、60
分以上の時間で樹脂フイルムを加熱処理しないと、最も
好ましい巻きぐせ解消レベルに到達しないものもあり、
従って、二酸化炭素超臨界又は二酸化炭素亜臨界流体中
で樹脂フイルムを加熱処理する時間の上限を設定するこ
とができないが、この加熱処理時間の下限は、0.25
分であり、好ましくは1分である。
【0014】二酸化炭素超臨界又は亜臨界流体中で樹脂
フイルムを加熱処理する際に、樹脂フイルムに磁場をか
けてもよい。磁場をかける場合の磁束密度の大きさは、
0.002T(テスラ)以上、好ましくは、0.02T
(テスラ)以上、最も好ましくは、1.0T(テスラ)
以上、10T(テスラ)以下であり、このように処理す
ると、一層短かい時間で巻きぐせを付き難くすることが
できる。
【0015】磁場を印加する方向は、磁力線が樹脂フイ
ルム面に垂直になるようにしてもよいし、斜め又は水平
になるようにしてもよい。なお、「磁力線が樹脂フイル
ム面に水平」とは、樹脂フイルム面内の長手方向、幅方
向等のすべての方向に磁場を印加してもよいことを意味
する。
【0016】二酸化炭素超臨界流体又は二酸化炭素亜臨
界流体中で、樹脂フイルムを加熱処理する方法は、樹脂
フイルムを搬送しながら行ってもよいし、樹脂フイルム
を展開した状態又はロール状態で静置した状態で行って
もよいが、二酸化炭素の超臨界又は亜臨界条件を達成す
るに要求される高温、高圧に耐えられる設備は、採算性
の観点からは、大掛かりでないものが好ましい。従っ
て、二酸化炭素超臨界流体又は二酸化炭素亜臨界流体中
で樹脂フイルムを搬送する大掛かりな設備よりも、ロー
ル状態で収納して樹脂フイルムを加熱処理することがで
きるオートクレーブ等の小型設備の方が一層実用的であ
る。
【0017】巻きぐせを付き難くするメカニズムは、既
に述べたように、樹脂フイルムの分子配向が促進するた
めと思われるが、この現象は、二酸化炭素の超臨界又は
亜臨界流体中で所定の温度、時間で加熱処理すると、処
理前の樹脂フイルムが有する結晶、非晶構造の入り交じ
った不完全な構造が高分子鎖を膨潤、可塑化して動き易
くしながら、分子を一層完全で安定した構造に変化する
ことにあり、樹脂フイルムは、この現象よって巻きぐせ
が付き難くなるものと考えられる。コア等に巻き付けた
時に発生する巻きぐせは、容易に動き得る、かさ高な非
晶領域の高分子樹脂分子鎖が滑ることによって発生する
と推察される。
【0018】本発明の処理法が適用される樹脂フイルム
としては、ポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セル
ローズエステルポリマーおよび飽和ノルボルネンポリマ
ー等が掲げられる。これらの樹脂フイルムは、二酸化炭
素の超臨界又は亜臨界流体中で加熱処理する際に、変
質、劣化、分解、剥離等が起こらなければ、接着性、帯
電防止等の下引層、保護層、磁性層、乳剤層等を付与さ
れた状態のものであってもよい。
【0019】本発明の方法が適用される樹脂フイルムと
してポリエステルフイルムが用いられる場合、好適なポ
リエステルフイルムは、ジカルボン酸成分とジオール成
分を主要な構成成分とするフイルム形成性を有するポリ
エステルから成り、ポリエチレンテレフタレート(PE
Tと略記することがある)フイルムやポリエチレンナフ
タレート(PENと略記することがある)フイルム及び
これらの共重合ポリエステルフイルムが代表的である
が、これらに限定されるものではない。
【0020】主要な構成成分であるジカルボン酸成分と
しては、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、2,6-
ナフタレンジカルボン酸、2,7-ナフタレンジカルボン
酸、ジフェニルスルホンジカルボン酸、ジフェニルエー
テルジカルボン酸、ジフェニルエタンジカルボン酸、シ
クロヘキサンジカルボン酸、ジフェニルジカルボン酸、
ジフェニルチオエーテルジカルボン酸、ジフェニルケト
ンジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸等を掲
げることができる。
【0021】ポリエステルに対して85重量%以上のエ
チレンジカルボン酸ユニットを含有すると、透明性、機
械的強度、寸法安定性などに高度に優れたフイルムが得
られるので好ましい。
【0022】他のジルカボン酸成分としては、脂肪族ジ
カルボン酸(例えばアジピン酸、セバシン酸等)、脂環
族ジカルボン酸(例えばシクロヘキサン−1,4−ジカ
ルボン酸等)等を例示的に掲げることができる。特に写
真用支持体に用いられる吸水性ポリエステルとしては、
金属スルホネート基を有する芳香族ジカルボン酸を共重
合成分とし、芳香族二塩基酸とグリコールとを主構成成
分とする共重合ポリエステルが好適である。
【0023】金属スルホネート基を有する芳香族ジカル
ボン酸としては、5−ナトリウムスルホイソフタル酸、
2−ナトリウムスルホイソフタル酸、4−ナトリウムス
ルホイソフタル酸、4−ナトリウムスルホ−2,6−ナ
フタレンジカルボン酸、もしくは、これらのエステル形
成性誘導体、およびこれらのナトリウムを他の金属例え
ばカリウム、リチウムなどで置換した化合物を掲げるこ
とができる。
【0024】また、ジオール成分としてはエチレングリ
コール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコ
ール、シクロヘキサンジメタノール、2,2-ビス(4-ヒド
ロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(4-ヒドロキシエト
キシフェニル)プロパン、ビス(4-ヒドロキシフェニル)
スルホン、ビスフェノールフルオレンジヒドロキシエチ
ルエーテル、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリ
コール、ハイドロキノン、シクロヘキサンジオール等を
掲げることができる。
【0025】他のジオール成分としてはポリアルキレン
グリコール等を例示的に掲げることができる。ポリアル
キレングリコールとしては、ポリエチレングリコール、
ポリテトラメチレングリコール等を掲げることができ
る。
【0026】これらを主要な構成成分とするポリエステ
ルの中でも透明性、機械的強度、寸法安定性などの点か
ら、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸及び/又は
2,6-ナフタレンジカルボン酸、ジオール成分として、エ
チレングリコール及び/又は1,4-シクロヘキサンジメタ
ノールを主要な構成成分とするポリエステルが好まし
い。中でも、ポリエチレンテレフタレート又はポリエチ
レン-2,6-ナフタレンジカルボキシレートを主要な構成
成分とするポリエステルや、テレフタル酸と2,6-ナフタ
レンジカルボン酸とエチレングリコールからなる共重合
ポリエステル及びこれらポリエステルの二種以上の混合
物を主要な構成成分とするポリエステルが好ましい。
【0027】ポリエステルフイルムには、必要に応じて
易滑性を付与することもできる。易滑性付与手段は、特
に限定されないが、ポリエステルに不活性無機粒子を添
加する外部粒子添加方法、ポリエステルの合成時に添加
する触媒を析出させる内部粒子析出方法又は界面活性剤
などを樹脂フイルム表面に塗布する方法が一般的であ
る。これらの中でも、析出する粒子を比較的小さくコン
トロールすることができる内部粒子析出方法が、樹脂フ
イルムの透明性を損なうことなく易滑性を付与できるの
で好ましい。触媒としては、公知の各種触媒を使用する
ことができるが、特にCa、Mnを使用すると高い透明性が
得られるので好ましい。これらの触媒は一種でもよい
し、二種以上を併用してもよい。
【0028】更に、ポリエステル樹脂フイルムの表面平
坦性及び熱安定性を損なわない範囲で、例えば顔料、染
料、酸化防止剤、光安定剤、遮光剤(例えばシリカ、架
橋ポリスチレン、テラゾールブルー、ナイロフィルブル
ー、イルガノックス、コバルト等)の如き添加剤を必要
に応じて含有させることもできる。
【0029】一般に、樹脂フイルムが写真乳剤層を塗設
した写真フイルムとして用いられる場合、写真用支持体
のエッジから光が入射したときに起きるライトパイピン
グ現象(ふちかぶり)を防止する目的で、樹脂フイルム
支持体に微量の染料又は顔料が添加されていることが好
ましい。この染料又は顔料の種類は、特に限定されない
が、樹脂フイルムは、これらの添加剤を樹脂に含有させ
た状態で溶融押し出し法又は流延法で製膜される。溶融
押し出し法で製膜する場合、フイルム製膜工程の樹脂の
乾燥、結晶化及び溶融、押し出し工程で、加熱、劣化す
るので、添加剤は、耐熱性に優れたものが好ましく、流
延法で製膜する場合も、加熱、加圧して溶解するので、
添加剤は、溶解性、耐熱性に優れたものが好ましく、例
えば、アンスラキノン系化学染料などが掲げられる。
【0030】一方、「樹脂フイルムを、二酸化炭素超臨
界又は亜臨界流体中で、ガラス転移温度以下の一定温度
範囲で、一定時間加熱処理する」本発明の樹脂フイルム
の処理法では、予め樹脂中に染料を含有させておかなく
とも、本発明の処理時に、オートクレーブ等の処理設備
中に予め染料を添加しておき、その後この設備内を二酸
化炭素の超臨界又は亜臨界流体状態に設定して、染料を
流体中に分散させることによって、樹脂フイルム中に染
料を浸透して、ライトパイピング防止効果と巻ぐせを付
きにくくする効果を同時に達成することができる。添加
剤が顔料である場合には、粒径の問題もあって染料のよ
うに二酸化炭素の超臨界又は亜臨界流体中に添加させ
て、樹脂フイルム中に浸透させることは難しいので、予
め樹脂中に一定濃度で含有させておくことが好ましい。
【0031】ライトパイピング防止用着色剤は、特に限
定されないが、例えばアンスラキノン系やペリノン系の
化学染料などを掲げることができる。
【0032】本発明に用いられる樹脂フイルムの透明支
持体の色調は、一般の感光材料に見られるようにグレー
染色が好ましく、これは、一種類もしくは二種類以上の
染料を混合して得ることもできる。例えば、700nm付
近に吸収をもつ染料など(例えばバイエル社製 Macrol
ex Green G、住友化学株式会社製のSUMIPLAST、三菱化
成株式会社製のDiaresin 等)を樹脂フイルムに対し5
0乃至1000ppm 、より好ましくは100乃至500
ppmの範囲で配合されていることが好ましい。50ppm以
下では添加量が少ないため、着色の効果が不十分であ
り、1000ppm以上では濃度が濃すぎるため光が殆ど
透過せず、透明性が低下し色調も黒味を帯びる傾向があ
って好ましくない。
【0033】オートクレーブ等の処理設備中に予め染料
を添加する量は、二酸化炭素の超臨界又は亜臨界流体中
で、加熱処理する温度、時間に依存して、樹脂フイルム
に含浸される染料濃度が異なるので、特に限定されない
が、最終的に樹脂フイルムに、50乃至1000ppmの
範囲で配合されるよう設定されるべきである。
【0034】本発明におけるポリエステル樹脂は、従来
のポリエステルの製造方法によって製造することができ
るが、エステル交換法、即ちジカルボン酸の低級アルキ
ルエステルとエチレングリコールとを反応させて製造す
る方法か、ジカルボン酸とエチレングリコールとを反応
させて製造する方法が好ましい。前者の反応においてジ
カルボン酸の低級アルキルエステルの一部を他の酸成分
で置換してもよく、またグルコールの一部を他のグルコ
ール成分で置換してもよい。
【0035】ジカルボン酸の低級アルキルエステルとし
ては、例えば、ジメチルエステル、ジエチルエステル、
ジプロピルエステル等を揚げることができ、特にジメチ
ルエステルが好ましい。
【0036】本発明によって処理されるポリエステルポ
リマーの固有粘度は、0.4乃至0.9(dl/g)の
ものが好ましく用いられる(固有粘度は、ポリエチレン
テレフタレートポリマーの場合は、O−クロロフェノ−
ルを溶剤として、35℃で測定し、ポリエチレンナフタ
レートポリマーの場合は、1,1,2,2−テトラクロ
ルエタン/p−クロルフェノ−ル(1:3重量比)混合
溶媒で、35℃で測定する)。
【0037】次に、このようにして得られたポリマーを
用いて、溶融、押し出しして、二軸配向ポリエステル樹
脂フイルムを製造する方法を以下に説明する。
【0038】未延伸シートを得る方法は、従来公知の方
法で行なうことができる。例えば、原料のポリエステル
をペレット状に成型し、このポリマーペレットを110
乃至130℃、2乃至4時間空気中で加熱して、少なく
とも表層を結晶化し、140乃至170℃で3乃至6時
間熱風乾燥又は真空乾燥して除湿して、ペレット中の水
分を50ppm以下にして押出機に供給する。押出機内
でペレットを溶融押出し、Tダイよりシート状に押出
し、静電印加法などにより冷却ドラムに密着させ、冷却
固化させて、未延伸シートを得る。
【0039】このようにして得られた未延伸シートを複
数のロール群及び/又は赤外線ヒーター等の加熱装置を
介してポリエステルのガラス転移温度Tg℃(共重合割
合によって異なる)から(Tg+70)℃の範囲内の温
度で加熱し、一段又は多段縦延伸する。延伸倍率は、通
常2.5倍乃至6倍の範囲で、次の横延伸が可能な範囲
とする必要がある。
【0040】次に、上記のようにして得られた縦方向に
一軸延伸されたポリエステル樹脂フイルムをガラス転移
温度Tg℃から(Tg+70)℃の範囲の温度で横延伸
し、その後、熱固定する。横延伸倍率は、通常3乃至6
倍であり、また、縦横延伸倍率の比は、得られた二軸配
向樹脂フイルムの物性を測定し、好ましい特性を有する
ように適宜調整される。
【0041】熱固定は、最終横延伸温度より高温である
が、融点をTm℃とすると、(Tm−10)℃以下の温
度で行われる。樹脂フイルムが二軸延伸ポリエステルフ
イルムである場合、このフイルムは、通常130℃乃至
(Tm−10)℃で、1乃至300秒間、熱固定され
る。
【0042】このポリエステルフイルムは、最終熱固定
温度乃至Tg℃の範囲の温度で、巾方向及び/又は長手
方向に0.1乃至10%弛緩処理することが好ましい。
このようにして熱固定された樹脂フイルムは、通常Tg
℃以下に冷却され、樹脂フイルムの両端のクリップ把持
部分をカットしロール状に巻き取られる。
【0043】樹脂フイルムの強度を向上させる目的で、
多段縦延伸、再縦延伸、再縦横延伸等の公知の延伸を行
なうこともできる。この際に発生した樹脂フイルム屑
は、粉砕された後あるいは必要に応じて造粒処理や解重
合・再重合などの処理を行った後、同じ品種の樹脂フイ
ルム用原料として再利用してもよい。
【0044】本発明の方法で処理されることができる樹
脂フイルムがポリカーボネート(PCと略記することが
ある)フイルムである場合、このPCフイルムは、特に
限定されるものではなく、主としてビスフェノールがカ
ーボネート結合に結合されている芳香族系ポリカーボネ
ートの総称であり、その製造法は、特には限定されない
が、一般にはホスゲン法あるいはジフェニルカーボネー
ト法がある。この製造法に用いられるビスフェノールと
してはビスフェノールAが代表的に用いられる。また、
ビスフェノールAに対して共重合比5乃至30mol%
でパーヒドロイソホロン骨格からなるビスフェノール成
分を共重合させたポリカーボネート又はビスフェノール
Aに対して共重合比5乃至30mol%でフルオレン骨
格からなるビスフェノール成分を共重合させた芳香族ポ
リカーボネートがある。
【0045】これらのポリカーボネートの平均分子量は
30,000以上である。30,000未満であるとフ
イルムの力学的強度が弱く好ましくない。また分子量の
上限は約100,000である。分子量がこれ以上にな
ると、溶液が高粘度になりすぎて製膜性が著しく損なわ
れるので好ましくない。
【0046】本発明に用いられるポリカーボネートに
は、必要に応じて、例えばトリフェニルフォスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジステ
アリルペンタエリスリトールジフォスファイト、ジフェ
ニルハイドロジェンフォスファイト、イルガノックス1
076[ステアリル−β−(3,5−ジ−tertーブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の
ような安定剤、例えば2−(2’−ヒドロキシ−5’−
メチルフェニル)ベンゾトリアゾール2−(2’−ヒド
ロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミルフェニル)
ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−4’−
オクトキシフェニル)ベンゾトリアゾール、2−ヒドロ
キシ−4−オクトキシベンゾフェノン等のような耐候
剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、滑剤等の添加剤を樹
脂フイルムの透明性を損なわない範囲で加えてもよい。
【0047】このようにして得られたポリマーを用い
て、流延法及び溶融押し出し法でポリカーボネート樹脂
フイルムを製造する方法について以下に説明する。
【0048】流延法では、まず、低沸点の塩化メチレ
ン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロ
エタン、クロロベンゼン等のハロゲン系溶媒、1,3−
ジオキソラン、1,4−ジオキサン、テトラヒドロフラ
ン等の環状エーテル系溶媒、アニソール等の芳香族エー
テル系溶媒、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒等を用
いてポリカーボネートを溶解する。このポリカーボネー
トと安定剤、耐候剤、着色剤、帯電防止剤、離型剤、滑
剤等の固形分とを合わせた溶液濃度は、ポリカーボネー
トの分子量にも依存するが、10乃至35重量%、好ま
しくは12乃至30重量%の範囲になるように調製され
る。溶液濃度がこの上限を越えると、溶液の安定性が落
ちたり、溶液粘度が高くなり過ぎて、均一製膜が困難に
なるため好ましくない。また溶液濃度が下限を下回る
と、流延工程で外部擾乱による影響を受けやすく、その
ために表面均一性が低下して好ましくない。このように
して調製されたポリカーボネート溶液は、流延機より鏡
面状態に仕上げた流延用支持体、例えば、ドラム又はバ
ンド上に押出され、固化され、その後、流延用支持体か
ら剥離、乾燥して、ポリカーボネート樹脂フイルムが成
形される。
【0049】溶融、押し出し法は、ポリカーボネート溶
融樹脂を通常の押出し製膜設備、即ち単軸又は双軸押出
し機よりコートハンガー型ダイを経由して、フイルム状
に冷却ドラム上に押出し、冷却ドラム(熱媒により温度
調節が可能)、引取りロールを経て製膜フイルムを巻取
機(巻取張力調整可能)で巻き取って製造する。通常の
巻取機で製品としてそのまま巻き取ることが可能である
が、樹脂フイルムの表面保護や巻取性向上等の目的でマ
スキングフイルムを挿入して巻き取ったり、欠点のない
製品が得られ易いので、樹脂フイルムの両端にエンボス
加工を施しながら巻き取ることが行われている。
【0050】本発明の方法で処理することができる樹脂
フイルムが酢酸セルローズエステルポリマー(TACと
略記することがある)フイルムである場合、このTAC
フイルムも、特に限定されるものではないが、一般に用
いられている硝酸セルロースエステル系と酢酸セルロー
スエステル系とすることができる。この中でも、酢酸セ
ルロースエステル系のセルローストリアセテートが特に
好ましい。
【0051】一般に、酢酸セルロースエステルは、セル
ロースのエステル化及び生成エステルの加水分解の二段
階反応を経て製造されるが、原料セルロースとして高純
度の木材パルプもしくはコットンリンターが使用され
る。更に詳細に述べると、セルロースに無水酢酸と酢酸
及び触媒である硫酸を加えて酢酸エステル化反応を行っ
てほぼ全ての水酸基がエステル化されたセルローストリ
アセテートを生成し、引き続いて熟成工程で、生成した
セルローストリアセテートに水を加えて、エステル基を
部分的に加水分解して、所望の酢化度の酢酸セルロース
エステル溶液が得られる。この溶液に水を加えて、酢酸
セルロースエステルを沈殿分解し、次の洗浄工程で残留
溶媒や不純物を除去し、乾燥して酢酸セルロースエステ
ルが得られる。エステル化の程度(置換度)により性質
の異なる酢酸セルロースエステルが得られるが、置換度
は、酢化度という指標で表わされる。工業的に広く使用
されている酢酸セルロースエステルは、セルロースジア
セテートとセルローストリアセテートの2種類に大きく
分けられ、それぞれの酢化度は、およそ55%(置換度
2.4)及び61%(置換度2.9)である。光学用フ
イルムに使用される酢酸セルロースエステルフイルム
は、市販のものであればいずれも使用することができる
が、単一の平均酢化度(平均置換度)を有するセルロー
スエステル単独で構成されていてもよく、酢化度(置換
度)の異なる複数のセルロースエステルを含んでいても
よい。その酢化度は特に限定されないが、酢化度がおよ
そ55%(置換度2.4)から61%(置換度2.9)
の範囲にあるものが好ましく用いられる。
【0052】成形フイルムの機械的物性を改良し又は溶
剤乾燥速度を向上するため、酢酸セルロースエステルに
可塑剤を添加することができ、この可塑剤としては、例
えば、トリフェニルフォスフェート(TPP)、トリク
レジルホスフェート(TCP)等のリン酸エステル化合
物、ジメチルフタレート(DMP)、ジエチルフタレー
ト(DEP)、ジブチルフタレート(DBP)、ジオク
チルフタレート(DOP)、ジエチルヘキシルフタレー
ト(DEHP)等のフタル酸エステル化合物、オレイン
酸ブチル、リシノール酸メチルアセチル、セバシン酸ジ
ブチル等の脂肪酸エステル化合物、クエン酸アセチルト
リエチル(OACTE)、クエン酸アセチルトリブチル
(OACTB)等のクエン酸エステル化合物、あるいは
種々のトリメリット酸エステル化合物等を用いることが
できる。
【0053】酢酸セルロースエステルフイルムは、高い
光透過率等の優れた性質を有しているが、紫外線を吸収
する性質がないため、必要に応じて、樹脂フイルム中に
紫外線吸収剤を添加することができる。
【0054】酢酸セルロースエステルフイルムの滑り性
を付与するため、無機化合物又は有機化合物の微粒子を
含有することができる。無機化合物の例として、二酸化
ケイ素、二酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、炭酸カルシウム、タルク、クレイ、焼成カオリ
ン、焼成ケイ酸カルシウム、水和ケイ酸カルシウム、ケ
イ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム及びリン酸カル
シウムがある。有機化合物(ポリマー)の例としては、
シリコン樹脂、フッ素樹脂及びアクリル樹脂がある。
【0055】樹脂フイルムの保存性を改良するために、
樹脂フイルム中に劣化防止剤を添加することが好まし
い。この劣化防止剤には、過酸化物分解剤、ラジカル禁
止剤、金属不活性化剤、酸捕獲剤等が用いられる。
【0056】次に、このようにして得られたポリマーを
用いて、酢酸セルロースエステル樹脂フイルムの製造す
る方法について以下に説明する。
【0057】メチレンクロリド、クロロホルムその他の
塩素系炭化水素、アセトン、メチルエチルケトンその他
のケトン類、酢酸メチル、ギ酸エチルその他のエステル
類、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキソランその他
のエーテル類、メタノール、エタノールその他の低級ア
ルコール類を任意に混合した溶媒を用いて酢酸セルロー
スエステルを溶解し、酢酸セルロースエステルと可塑
剤、紫外線吸収剤、滑り剤、劣化防止剤等の固形分とを
合わせた重量がドープ中に18から35重量%になるよ
うに調製した酢酸セルロースエステル溶液を生成し、こ
の溶液を鏡面状態に仕上げた流延用支持体、例えば、ド
ラム又はバンド上に流延機により押出し、固化した後、
流延用支持体から剥離、乾燥して、酢酸セルロースエス
テル樹脂フイルムを成形する。
【0058】本発明で処理する樹脂フイルムが飽和ノル
ボルネンポリマー(PSNと略記することがある)フイ
ルムである場合、このPSNフイルムは、例えば、
(1)ノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体水素
添加物を必要に応じてマレイン酸付加、シクロペンタジ
エン付加のごときポリマー変性を行なった後に、水素添
加して得られた樹脂、(2)ノルボルネン系モノマーを
付加型重合させて得られた樹脂、(3)ノルボルネン系
モノマーとエチレンやα−オレフィンなどのオレフィン
系モノマーと付加型共重合させて得られた樹脂などとす
ることができる。重合方法及び水素添加方法は、常法に
より行なうことができる。
【0059】ノルボルネン系モノマーとしては、例え
ば、ノルボルネン、及びそのアルキル及び/又はアルキ
リデン置換体、例えば、5−メチル−2−ノルボルネ
ン、5−ジメチル−2−ノルボルネン、5−エチル−2
−ノルボルネン、5−ブチル−2−ノルボルネン、5−
エチリデン−2−ノルボルネン等、これらのハロゲン等
の極性基置換体;ジシクロペンタジエン、2,3−ジヒ
ドロジシクロペンタジエン等;ジメタノオクタヒドロナ
フタレン、そのアルキル及び/又はアルキリデン置換
体、及びハロゲン等の極性基置換体、例えば、6−メチ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチ
ル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,
6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−エチ
リデン−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
クロロ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
シアノ−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
ピリジル−1,4:5,8−ジメタノ−1,4,4a,
5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタレン、6−
メトキシカルボニル−1,4:5,8−ジメタノ−1,
4,4a,5,6,7,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン等;シクロペンタジエンとテトラヒドロインデン等
との付加物;シクロペンタジエンの3乃至4量体、例え
ば、4,9:5,8−ジメタノ−3a,4,4a,5,
8,8a,9,9a−オクタヒドロ−1H−ベンゾイン
デン、4,11:5,10:6,9−トリメタノ−3
a,4,4a,5,5a,6,9,9a,10,10
a,11,11a−ドデカヒドロ−1H−シクロペンタ
アントラセン等が掲げられる。
【0060】PSNが上記の(1)の樹脂である場合に
は、本発明の目的を損なわない範囲内において、開環重
合可能な他のシクロオレフィン類を併用することができ
る。このようなシクロオレフィンの具体例としては、例
えば、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒ
ドロジシクロペンタジエンなどのごとき反応性の二重結
合を1個有する化合物が例示される。
【0061】本発明で使用するノルボルネン樹脂は、ト
ルエン溶媒によるゲル・パーミエーション・クロマトグ
ラフ(GPC)法で測定した数平均分子量が通常15,
000乃至100,000、好ましくは20,000乃
至80,000、より好ましくは25,000乃至7
0,000の範囲のものである。数平均分子量が小さす
ぎると、機械的強度が劣り、大きすぎると樹脂の合成時
の操作性が悪くなる。
【0062】飽和ノルボルネン樹脂がノルボルネン系モ
ノマーの開環重合体を水素添加して得られるものである
場合、水素添加率は、耐熱劣化性、耐光劣化性などの観
点から、通常90%以上、好ましくは95%以上、より
好ましくは、99%以上とする。
【0063】飽和ノルボルネン樹脂は、透明性、耐熱
性、耐湿性、耐薬品性等に優れている。特に、吸湿性
は、通常0.05%以下、好ましくは0.01%以下の
ものを容易に得ることができる。また、その光弾性係数
は、3乃至9×10-15cm2/dyneと小さく、光学
的に均一な保護層の形成に好適な材料である。
【0064】本発明で用いる飽和ノルボルネン樹脂に
は、酸化防止剤や帯電防止剤、滑剤、界面活性剤、紫外
線吸収剤等を添加して用いてもよい。
【0065】次に、このようにして得られたポリマーを
用いて、飽和ノルボルネン樹脂フイルムを製造する方法
について以下に説明する。飽和ノルボルネン樹脂フイル
ムは、溶液流延法及び溶融押し出し法で製膜することが
できる。
【0066】第1の飽和ノルボルネン樹脂フイルムの製
造法は、飽和ノルボルネン樹脂を溶解し、流延する方法
である。使用する溶媒は、沸点が100℃以上のものが
好ましく、120℃以上のものがより好ましい。沸点が
低すぎると、乾燥速度が早すぎ、発泡したり、表面が波
うち、平滑性に劣る樹脂フイルムとなる。中でも、25
℃において固形分濃度10重量%以上としても、飽和ノ
ルボルネン樹脂を均一に溶解できる溶媒が好ましい。
【0067】このような溶媒としては、例えば、トルエ
ン、キシレン、エチルベンゼン、クロロベンゼン、トリ
メチルベンゼン、ジエチルベンゼン、イソプロピルベン
ゼン、クロロベンゼン等が掲げられ、その中でもキシレ
ン、エチルベンゼン、クロロベンゼンが好ましい。
【0068】また、飽和ノルボルネン樹脂を溶解する限
りにおいて、これらの溶媒に、シクロヘキサン、クロロ
ホルム、ベンゼン、テトラヒドロフランやジオキサン等
の環状エーテル、あるいはn−ヘキサンやn−オクタン
等の直鎖の炭化水素等を含んでいてもよい。
【0069】これらの条件を良好に満たすものとして
は、沸点が100℃以上のキシレン、エチルベンゼン等
の芳香族系溶剤を50%以上含有するものがある。
【0070】流延に用いる溶液中の樹脂濃度は、通常5
乃至60重量%、好ましくは10乃至50重量%、より
好ましくは20乃至45重量%である。樹脂濃度が60
重量%を越えると、溶液の安定性が落ちたり、溶液粘度
が高くなり過ぎて、均一製膜が困難になるため好ましく
ない。また樹脂濃度が5重量%を下回ると、流延工程で
外部擾乱による影響を受けやすく、そのために表面均一
性が低下して好ましくない。調製した飽和ノルボルネン
溶液は、流延機より鏡面状態に仕上げた流延用支持体、
例えば、ドラム又はバンド上に押出し、固化し、その
後、流延用支持体から剥離、乾燥して、飽和ノルボルネ
ン樹脂フイルムを成形する。
【0071】乾燥方法は特に限定されないが、残留溶媒
が少ない乾燥方法が好ましい。残留溶媒が多量にある樹
脂フイルムは、徐々に残留溶媒が揮発して薄くなって破
れたり、溶媒のために貼り合わせて使用する相手方の基
板を侵食したりするという問題がある。樹脂フイルム中
の残留溶媒濃度は、通常2重量%以下、好ましくは1重
量%以下、より好ましくは0.5重量%以下である。こ
のように残留溶媒濃度を低下させる乾燥方法としては、
以下の2段階乾燥法がある。
【0072】まず、第1段階では、ドープ溶液を流延機
より流延用支持体上に押出し、固化し、100℃以下の
温度で残留溶媒濃度が10重量%以下、好ましくは5重
量%以下になるまで乾燥する。乾燥温度が高すぎると、
溶媒の揮発に際し、樹脂フイルムが発泡するので好まし
くない。
【0073】次いで、流延用支持体から樹脂フイルムを
剥離し、第2段階として、80℃以上、好ましくは11
0℃から飽和ノルボルネン樹脂フイルムのガラス転移温
度までの範囲の温度まで昇温させ、残留溶媒濃度が2重
量%以下、好ましくは1重量%以下、より好ましくは
0.5重量%以下になるまで乾燥する。
【0074】乾燥温度が低すぎると、乾燥が遅く、乾燥
温度が高すぎると、酸素の存在下では酸化により樹脂が
劣化する。第1段階として室温で乾燥し、乾燥終了後
に、第2段階の乾燥を行なっても、あるいは第1段階の
加熱による乾燥後、一旦冷却して樹脂フイルムを流延用
支持体から剥離し、再加熱して乾燥してもよい。
【0075】溶液流延法で製造した樹脂フイルムの耐熱
性は、熱可塑性飽和ノルボルネン系樹脂の種類と用いた
溶媒の種類、残留溶媒濃度によって決定される。残留溶
媒濃度が高いほど、耐熱性は低下する。本発明の熱可塑
性飽和ノルボルネン系樹脂は、ガラス転移温度(Tg)
が通常90℃以上、好ましくは110℃以上であること
が望ましい。
【0076】第2の飽和ノルボルネン樹脂フイルムの製
造法は、飽和ノルボルネン溶融樹脂を、通常の押出し製
膜設備、即ち単軸又は双軸押出し機よりコートハンガー
型ダイを経由して、フイルム状に冷却ドラム上に押出
し、冷却ドラム(熱媒により温度調節が可能)、引取り
ロールを経て巻取機(巻取張力調整可能)で巻き取る方
法である。冷却ドラム上で冷却し、固化されたフイルム
は、冷却ドラムから剥離されて巻取機に巻き取られる。
飽和ノルボルネン樹脂は、水分、気体、揮発分、分解物
などの分子量500未満の低分子量物の含有量を好まし
くは0.05重量%以下にしたのち、押出機に供給して
溶融されるのが好ましい。低分子量物は、ガラス転移温
度以下の真空式乾燥機を用いて除去したり、押出機をベ
ント式二軸押出機にして溶融時に除去することができ
る。飽和ノルボルネンの樹脂温度が240乃至300℃
でTダイから溶融押し出し、このようにして得られた溶
融樹脂フイルムは、回転する冷却ドラム上で30乃至1
00℃程度に設定して、冷却、固化する条件を選択す
る。その際、溶融樹脂フイルムに静電荷を印加して冷却
ロールに密着させる方法や2本の冷却ロール間でポリシ
ングさせる方法、カレンダー方式、エアーナイフ方式、
エアチャンバー方式などを用いることができる。特に、
静電荷密着法やポリシング法がシートの平面性を向上さ
せる点で好ましい。
【0077】このようにして得られたポリエステル、ポ
リカーボネート、酢酸セルローズエステルポリマー又は
飽和ノルボルネンポリマーから成りガラス転移温度がT
g℃である樹脂フイルムを、二酸化炭素の超臨界又は亜
臨界流体中で、(Tg−55℃)乃至(Tg−5℃)の
範囲の温度で、0.25分以上の加熱処理を施すと、巻
きぐせの付き難い樹脂フイルムを製造することができ
る。
【0078】本発明の方法によって処理することができ
るポリエステル、ポリカーボネート、酢酸セルローズエ
ステルポリマー又は飽和ノルボルネンポリマーから成る
樹脂フイルムのガラス転移温度(Tg(℃))は、分子
量、可塑剤の添加量、共重合成分、製膜条件等により異
なるが、ポリエチレンテレフタレート樹脂フイルムは、
約63乃至83℃、ポリエチレン-2,6-ナフタレート樹
脂フイルムは、約120乃至125℃、ポリカーボネー
ト樹脂フイルムは、約130乃至155℃、酢酸セルロ
ーズエステルポリマー樹脂フイルムは、約145乃至1
55℃、飽和ノルボルネンポリマー樹脂フイルムは、約
136乃至141℃である。
【0079】これらの樹脂フイルムを、(Tg−55
℃)乃至(Tg−5℃)の範囲の加熱処理温度で0.2
5分以上、好ましくは、1分以上の加熱処理時間で加熱
処理すると、これらの樹脂フイルムの巻きぐせ解消特性
が向上する。その上、このように処理された樹脂フイル
ムは、炭酸ガス、酸素及び水蒸気等のガスを通し難く、
炭酸ガス透過率、酸素透過率及び水蒸気透過率(透湿
度)等が極めて小さいという特性が付与される。
【0080】本発明の方法を適用することができる樹脂
フイルムとして、ポリエステル、ポリカーボネート、酢
酸セルローズエステルポリマー、及び飽和ノルボルネン
ポリマーの樹脂フイルムを掲げたが、それら樹脂が有す
るガラス転移温度から、(Tg−55℃)乃至(Tg−
5℃)の温度範囲で加熱処理する際に使用される超臨界
又は亜臨界流体としては、二酸化炭素と同様に、超臨界
又は亜臨界流体を示す他の物質を有用に用いることがで
きることは言うまでもない。例えば、キセノン(Tc=1
6.5℃、Pc=5.84MPa)、アンモニア(Tc=132.3℃、Pc=1
1.4MPa)、エタン(Tc=32.2℃、Pc=4.88MPa)、エチレ
ン(Tc=9.2℃、Pc=5.04MPa)、プロパン(Tc=96.6
℃、Pc=4.25MPa)、プロピレン(Tc=91.8℃、Pc=4.60M
Pa)、酸化窒素(N2O,(Tc=36.5℃、Pc=7.24MP
a))、ブタン(Tc=152.0℃、Pc=3.80MPa)、フレオン
12(Tc=111.8℃、Pc=4.14MPa)、フレオン13(Tc
=28.8℃、Pc=3.87MPa)等を用いることができる。ここ
で、Tcは、臨界温度、Pcは、臨界圧力を示す。
【0081】(樹脂フイルムのガラス転移温度Tg
(℃)の度測定法)なお、上記の方法で処理される樹脂
フイルムのガラス転移温度Tg(℃)は、差動走査熱量
計(DSC)を用いて次のいずれかの方法で求めること
ができる。即ち、試料樹脂フイルム10mgを窒素気流
中で10℃/分で昇温していったとき、ベースラインか
ら偏奇しはじめる温度と新たなベースラインに戻る温度
の算術平均値の温度を樹脂フイルムのガラス転移温度T
g(℃)とするか、Tg(℃)に吸熱ピークが現れる時
は、この吸熱ピークの最大値を示す温度を樹脂フイルム
のガラス転移温度Tg(℃)として求める。
【0082】このようにして得られた樹脂フイルムの表
面に予め表面処理、下引処理、乳剤塗布及びその他の表面
処理等を施したものを、同様に二酸化炭素超臨界又は亜
臨界流体中で、加熱処理温度、圧力と時間の組み合わせ
を変えて処理することも、本発明に含まれることはいう
までもない。
【0083】(樹脂フイルム加熱処理後のカール度の測
定及び評価法)本発明の樹脂フイルム加熱処理後のカー
ル度は、樹脂フイルムのサンプルサイズが15cm(製
造時の縦方向)×50mm(製造時の横方向)である試
料樹脂フイルムを恒温、恒湿(23℃×55%RH)の
条件下で1日かけて調湿した後に、巻径が10.0mm
の巻芯(コア)にこれを巻き、60℃×20%RHの条
件下で3時間熱を加え、その後に、恒温、恒湿の雰囲気
下で1時間かけて放冷して巻芯から解放し、1分経過後
に測定される。
【0084】カール度は、1/r(m-1)で表される。
この「r」は、カールした樹脂フイルムの曲率半径を表
し、単位はm(メートル)である。カール度(巻きぐ
せ)は、5本の平均から次の4段階で評価した。巻きぐ
せ総合評価の結果は、○のグレード以上が取り扱い上巻
きぐせを付き難くする程度が好ましいことを示す。 ◎◎: カール度が95m-1以下と、カールが非常に弱
く、工程での取り扱いが非常に良好なもの。 ◎ : カール度が95m-1を越えて、115m-1以下
で、上記◎◎のものよりややカールしているが、工程で
の取り扱いに、実用上全く問題ないもの。 ○ : カール度が115m-1を越えて、130m-1
下で、上記◎のものより若干カールしているが、工程で
の取り扱いに、実用上問題ないもの。 × : カール度が130m-1を越えるもので、カール
がきつく、工程での取り扱いに、実用上問題あるもの。
【0085】(樹脂フイルムのライトパイピング防止性
の評価法)後に示す感光材料の作成方法に従って感光材
料を作成し、得られた感光材料をJIS K7519-1982
に記載のパトローネに詰め、感光材料のべろ先端からパ
トローネのフイルム引出口先端までの長さが60mmになる
ように感光材料を引出し、(株)新興製作所社製パトロ
ーネ曝射器M−025を用いて、7000Luxで 120秒間曝射し
た。この曝射済の感光材料を前記と同様にして現像処理
を行い、感光した長さL(mm)を測定し、Lから60mmを
引いた値をライトパイピング防止性の尺度とした。評価
は次の基準で行い、実用上○レベル以上が必要である。 ◎ 0乃至10mm ○ 10乃至15mm × 15mm
【0086】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を比較例と
共に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0087】(実施例1乃至8及び比較例1乃至3) (ポリエチレンテレフタレート樹脂フイルムの例)テレ
フタル酸ジメチル及びエチレングリコ−ルから常法によ
り製造したホモポリエチレンテレフタレート(PET)
樹脂を使用した。PET樹脂の固有粘度(IV)は0.
62(dl/g)であった。このポリエチレンテレフタ
レート樹脂を用いて、厚み1020μmの未延伸原反を
作製し、縦方向に3.1倍、横方向に3.3倍逐次二軸
延伸し、その後、定長で、215℃で30秒間熱固定し
て、厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート樹脂
フイルムを得た。この樹脂フイルムのガラス転移温度T
g(℃)を測定したところ73℃であった。
【0088】このポリエチレンテレフタレート樹脂フイ
ルム(PETフイルム)を表1に記載の条件で、オート
クレーブ中で、二酸化炭素超臨界及び亜臨界流体中で加
熱処理した。このようにして処理された樹脂フイルム
を、先に記載の<樹脂フイルム加熱処理後のカール度の
測定及び評価法>に基づいて測定して得られたカール度
及び巻きぐせ総合評価結果を表1に示す。
【0089】
【表1】
【0090】実施例1と比較例1との比較から、二酸化
炭素超臨界流体中で、0.25分と同じ時間、ポリエチ
レンテレフタレート樹脂フイルムを加熱処理しても、実
施例1のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃である
68℃では巻きぐせ総合評価が良好であるが、比較例1
のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃よりも高い7
0℃では巻きぐせ総合評価が実用上問題があることが解
る。これは、樹脂フイルムを(Tg−5)℃以下の加熱
処理温度でで加熱処理することが必要であることを示し
ている。同様にして、実施例2乃至8、比較例2乃至3
との比較から、二酸化炭素超臨界及び亜臨界流体中での
加熱処理温度は、18乃至68℃、即ち、(Tg−55
℃)乃至(Tg−5℃)であることが必要であり(比較
例3参照)、また加熱処理時間は、0.25分以上必要
であることが理解される(比較例2参照)。実施例4乃
至7の総合評価結果から超臨界状態では、1分以上の加
熱処理時間が好ましいことが解る。また、亜臨界状態で
は、少なくとも60分必要であることが理解される。加
熱処理温度の上限値が常温、常圧で測定の二軸配向ポリ
エチレンテレフタレート樹脂フイルムのガラス転移温度
(Tg=73℃)よりも5℃下廻っているのは、二酸化
炭素の超臨界流体の雰囲気下で、加圧により二酸化炭素
が疎水性ポリマーに侵入して、膨潤、可塑化して樹脂フ
イルムのガラス転移温度を下げるからであると推察され
る。加熱処理温度がガラス転移温度Tg(℃)を越える
と、巻きぐせ解消特性が損なわれ(比較例1参照)、ま
た樹脂フイルムが軟化して好ましくないので、二酸化炭
素超臨界又は亜臨界流体中で樹脂フイルムのガラス転移
温度以下の温度で加熱処理する必要があるが、その上限
値がガラス転移温度よりも更に5℃低い理由は、上述し
た通りである。また、加熱処理温度の下限値が常温、常
圧で測定の二軸配向ポリエチレンテレフタレート樹脂フ
イルムのガラス転移温度(Tg=73℃)から55℃低
い温度(18℃)であるのも、同様の理由によるもので
あろう(比較例3参照)。
【0091】(実施例9乃至15及び比較例4乃至6) (ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムの
処理の例)2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル1
00重量部、エチレングリコール60重量部にエステル
交換触媒として酢酸カルシウム水和物0.1重量部を添
加し、常法に従ってエステル交換反応を行った。得られ
た生成物に、三酸化アンチモン0.05重量部、リン酸
トリメチルエステル0.03重量部を添加した。次い
で、徐々に昇温、減圧し、290℃、0.5mmHgで
重合を行い、固有粘度0.58のポリエチレン−2,6
−ナフタレートを得た。160℃で3時間真空乾燥した
後、320℃でTダイからシート状に溶融押出し、これ
を40℃の冷却ドラム上に静電印加しながら密着させて
冷却、固化して未延伸シートを得た。この未延伸シート
をロール式縦延伸機を用いて、135℃で縦方向に3.
3倍延伸し、次いでこのシートをテンター式横延伸機を
用いて、第一延伸ゾーン145℃で総横延伸倍率の50
%延伸し、さらに第二延伸ゾーン155℃で総横延伸倍
率3.3倍となるように延伸した。その後、このシート
を熱固定ゾーンで240℃で15秒間熱固定した。次い
でこれを横方向に5%弛緩処理しながら室温まで30秒
かけた徐冷して、厚さ100μmの二軸延伸フイルムを
得た。このようにして得られたポリエチレン−2,6−
ナフタレート樹脂フイルムのガラス転移温度Tg(℃)
を測定したところ、Tg=123℃であった。
【0092】このポリエチレン−2,6−ナフタレート
樹脂フイルムを表2に記載の条件で、オートクレーブ中
にバイエル社製の染料を次の配合割合で混練し、フイル
ム重量に対し染料濃度が400ppmになるように添加
し、フイルム状でポリエチレン−2,6−ナフタレート
樹脂フイルムと共存させ、その後、二酸化炭素超臨界流
体状態にして、フイルムを加熱処理した。このようにし
て得た樹脂フイルムを、先に記載の<樹脂フイルム加熱
処理後のカール度の測定評価法>に従って測定して得ら
れたカール度及び巻きぐせ総合評価結果を表2に示す。 Macrolex Orange 3G 1 Macrolex Red 5B 1 Macrolex Violet B 0.5 Macrolex Green G 0.5
【0093】
【表2】
【0094】実施例9と比較例4との比較から、二酸化
炭素超臨界流体中で、0.25分と同じ時間、ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムを加熱処理し
ても、実施例9のように、加熱処理温度が(Tg−5)
℃である118℃では巻きぐせ総合評価が良好である
が、比較例4のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃
よりも高い120℃では巻きぐせ総合評価が実用上問題
があることが解る。これは、樹脂フイルムを(Tg−
5)℃以下の加熱処理温度で加熱処理することが必要で
あることを示している。同様にして、実施例10乃至1
5、比較例5乃至6との比較から、二酸化炭素超臨界流
体中での加熱処理温度が68乃至118℃、即ち、(T
g−55℃)乃至(Tg−5℃)であ留ことが必要であ
り(比較例6参照)、また加熱処理時間は、0.25分
以上必要であることが理解される(比較例5参照)。実
施例12乃至14の総合評価結果から、超臨界状態で
は、1分以上の加熱処理時間が好ましいことが解る。加
熱処理時間が長ければ長いほど、巻きぐせを付き難くす
ることができるが、工業レベルでの採算性を考えると、
短ければ短いほど好ましく、カール度は60分程度で飽
和するので、加熱処理時間は、60分程度が上限値であ
る。一方、実施例15に示す加熱処理温度が低い68
℃、即ちTg−55℃の二酸化炭素臨界流体条件下で
は、60分以上の加熱処理時間でないと、最も好ましい
巻きぐせ解消レベルに到達しないものもある。加熱処理
温度の上限値が常温、常圧で測定の二軸配向ポリエチレ
ン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムのガラス転移温
度(Tg=123℃)よりも5℃下廻っているのは、二
酸化炭素の超臨界流体の雰囲気下で、加圧により二酸化
炭素が疎水性ポリマーに侵入して、膨潤、可塑化して樹
脂フイルムのガラス転移温度を下げるからであると推察
される。加熱処理温度がガラス転移温度Tg(℃)を越
えると、巻きぐせ解消性が損なわれる上に、樹脂フイル
ムが軟化して好ましくないので、二酸化炭素超臨界流体
中で樹脂フイルムのガラス転移温度以下の温度で加熱処
理する必要があるが、その上限値がガラス転移温度より
も更に低い理由は、上述した通りである。また、加熱処
理温度の下限値が常温、常圧で測定の二軸配向ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムのガラス転移
温度(Tg=123℃)から55℃低い温度範囲(68
℃)であるのも、同様の理由によるものであろう(比較
例6参照)。なお得られた二軸配向ポリエチレン−2,
6−ナフタレート樹脂フイルムの染料濃度は75乃至1
00ppmに納まっていた。
【0095】(感光材料の作成方法)実施例9乃至15
及び比較例4乃至6で加熱処理された二軸配向ポリエチ
レン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムの両面に、8
W/(m2・min)のコロナ放電処理を施し、この二軸配
向ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂フイルムの
一方の面に下記の下引塗布液B−3を乾燥膜厚が0.8
μmになるように塗布して下引層B−3を形成し、また
この二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂
フイルムの他方の面に下記の下引塗布液B−4を乾燥膜
厚が0.8μmになるように塗布して下引層B−4を形
成した。なお、この作成方法に使用される化合物の構造
は後にまとめて掲げる。
【0096】 <塗布液B−3> ブチルアクリレート30重量%、t−ブチルアクリレート20重量%、スチレ ン25重量%及び2−ヒドロキシエチルアクリレート25重量%の共 重合体ラ テックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水 1000ml
【0097】 <塗布液B−4> ブチルアクリレート40重量%、スチレン20重量%及びグリシジルアクリレ ート40重量%の共重合体ラテックス液(固形分30%) 270 g 化合物(UL−1) 0.6 g ヘキサメチレン−1,6−ビス(エチレン尿素) 0.8 g 水 1000ml
【0098】更に、下引層B−3及び下引層B−4の上
に8W/m2・minのコロナ放電を施し、下引層B−3の
上には、下記の塗布液B−5を乾燥膜厚が0.1μmに
なるように塗布して下引層B−5を形成し、また下引層
B−4の上には、下記の塗布液B−6を乾燥膜厚が0.
8μmになるように塗布して帯電防止機能を持つ下引層
B−6を形成した。
【0099】 <塗布液B−5> ゼラチン 10 g 化合物(UL−1) 0.2 g 化合物(UL−2) 0.2 g 化合物(UL−3) 0.1 g 平均粒径3μmのシリカ粒子 0.1 g 水 1000ml
【0100】 <塗布液B−6> 水溶性導電性ポリマー(UL−4) 60 g 化合物(UL−5)を成分とするラテックス液(固形分20%) 80 g 硫酸アンモニウム 0.5 g 硬化剤(UL−6) 12 g ポリエチレングリコール(重量平均分子量800) 6 g 水 1000ml
【0101】下引層B−5の上に25W/m2・minのコ
ロナ放電を施し、また下引層B−6の上に8W/m2・mi
nのコロナ放電を施した。前記の下引き層B−5の表面
に下記の乳剤層等を順次に写真用支持体側から形成して
多層カラー写真感光材料を作成した。
【0102】 <乳剤層> 第1層;ハレーション防止層(HC) 黒色コロイド銀 0.15 g UV吸収剤(UV−1) 0.20 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.20 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.20 g ゼラチン 1.6 g
【0103】 第2層;中間層(IL−1) ゼラチン 1.3 g 第3層;低感度赤感性乳剤層(R−L) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.3μm) (平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.4 g 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.4μm) (平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.3 g 増感色素(S−1) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 3.2×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.2×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−1) 0.50 g シアンカプラー(C−2) 0.13 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.07 g DIR化合物(D−1) 0.006g DIR化合物(D−2) 0.55 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.55 g ゼラチン 1.0 g
【0104】 第4層;高感度赤感性乳剤層(R−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.7μm) (平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−1) 1.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−2) 1.6×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−3) 0.1×10-4(モル/銀1モル) シアンカプラー(C−2) 0.23 g カラードシアンカプラー(CC−1) 0.03 g DIR化合物(D−2) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.25 g ゼラチン 1.0 g
【0105】 第5層;中間層(IL−2) ゼラチン 0.8 g 第6層;低感度緑感性乳剤層(G−l) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.4μm) (平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.6 g 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.3μm) (平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.2 g 増感色素(S−4) 6.7×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−5) 0.8×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.17 g マゼンタカプラー(M−2) 0.43 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.10 g DIR化合物(D−3) 0.02 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.7 g ゼラチン 1.0 g
【0106】 第7層;高感度緑感性乳剤層(G−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.7μm) (平均ヨウド含有量 7.5モル%) 0.9 g 増感色素(S−6) 1.1×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−7) 2.0×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−8) 0.3×10-4(モル/銀1モル) マゼンタカプラー(M−1) 0.30 g マゼンタカプラー(M−2) 0.13 g カラードマゼンタカプラー(CM−1) 0.04 g DIR化合物(D−3) 0.004g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.35 g ゼラチン 1.0 g
【0107】 第8層;イエローフィルター層(YC) 黄色コロイド銀 0.1 g 添加剤(HS−1) 0.07 g 添加剤(HS−2) 0.07 g 添加剤(SC−1) 0.12 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.15 g ゼラチン 1.0 g
【0108】 第9層;低感度青感性乳剤層(B−l) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.3μm) (平均ヨウド含有量 2.0モル%) 0.25 g 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.4μm) (平均ヨウド含有量 8.0モル%) 0.25 g 増感色素(S−9) 5.8×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.6 g イエローカプラー(Y−2) 0.32 g DIR化合物(D−1) 0.003g DIR化合物(D−2) 0.006g ゼラチン 1.3 g
【0109】 第10層;高感度青感性乳剤層(B−H) 沃臭化銀乳剤(平均粒径 0.8μm) (平均ヨウド含有量 8.5モル%) 0.5 g 増感色素(S−10) 3×10-4(モル/銀1モル) 増感色素(S−11) 1.2×10-4(モル/銀1モル) イエローカプラー(Y−1) 0.18 g イエローカプラー(Y−2) 0.10 g 高沸点溶媒(Oil−2) 0.05 g ゼラチン 1.0 g
【0110】 第11層;第1保護層(PRO−1) 沃臭化銀乳剤(平均粒径0.08μm) 0.3 g 紫外線吸収剤(UV−1) 0.07 g 紫外線吸収剤(UV−2) 0.10 g 添加剤(HS−1) 0.2 g 添加剤(HS−2) 0.1 g 高沸点溶媒(Oil−1) 0.07 g 高沸点溶媒(Oil−3) 0.07 g ゼラチン 0.8 g
【0111】 第12層;第2保護層(PRO−2) 化合物A 0.04 g 化合物B 0.004g ポリメチルメタクリレート(平均粒径3μm) 0.02 g メチルメタアクリレート:エチルメタアクリレート:メタアクリル酸 =3:3:4(重量比)の共重合体(平均粒径3μm) 0.13 g ゼラチン 0.5 g
【0112】−沃臭化銀乳剤の調製− 第10層に使用した沃臭化銀乳剤は以下の方法で調整し
た。
【0113】平均粒径0.33μmの単分散沃臭化銀粒子
(沃臭化含有率2mol%)を種結晶として、沃臭化銀乳
剤をダブルジェット法により調製した。
【0114】下記の組成の溶液<G−1>を温度70℃、
pAg 7.8、pH 7.0に保ち、よく撹拌しながら0.34モ
ル相当の種乳剤を添加した。
【0115】(内部高沃度相−コア相−の形成)その
後、下記組成の溶液<H−1>と下記組成の溶液<S−
1>とを1:1の流量比を保ちながら、加速された流量
(終了時の流量が初期流量の 3.6倍)で86分をかけて添
加した。
【0116】(外部低沃度相−シェル相−の形成)続い
て、pAg10.1、pH 6.0に保ちながら、<H−2>と
<S−2>を1:1の流量比で加速された流量(終了時
の流量が初期流量の 5.2倍)で65分を要して添加した。
【0117】粒子形成中のpAgとpHとは、臭化カリ
ウム水溶液と56%酢酸水溶液とを用いて制御した。粒子
形成後に、常法のフロキュレーション法によって水洗処
理を施し、その後ゼラチンを加えて再分散し、40℃にて
pH及びpAgをそれぞれ5.8及び8.06に調製した。
【0118】得られた乳剤は、平均粒径0.80μm、分布
の広さが12.4%、沃化銀含有率8.5mol%の八面体沃臭化
銀粒子を含む単分散乳剤であった。
【0119】 <G−1> オセインゼラチン 100.0 g 化合物−Iの10重量%メタノール溶液 25.0ml 28%アンモニア水溶液 440.0ml 56%酢酸水溶液 660.0ml 水で仕上げる 5000.0ml
【0120】 <H−1> オセインゼラチン 82.4 g 臭化カリウム 151.6 g 沃化カリウム 90.6 g 水で仕上げる 1030.5ml
【0121】 <S−1> 硝酸銀 309.2 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 1030.5ml
【0122】 <H−2> オセインゼラチン 302.1 g 臭化カリウム 770.0 g 沃化カリウム 33.2 g 水で仕上げる 3776.8ml
【0123】 <S−2> 硝酸銀 1133.0 g 28%アンモニア水溶液 当量 水で仕上げる 3776.8ml
【0124】第10層以外の乳剤層に使用される沃臭化銀
乳剤も、同様の方法で、種結晶の平均粒径、温度、pA
g、pH、流量、添加時間、及びハライド組成を変化さ
せて、平均粒径及び沃化銀含有率が異なる各乳剤を調製
した。
【0125】いずれも分布の広さ20%以下のコア/シェ
ル型単分散乳剤であった。各乳剤は、チオ硫酸ナトリウ
ム、塩化金酸及びチオシアン酸アンモニウムの存在下に
て最適な化学熟成を施し、増感色素、4−ヒドロキシ−
6−メチル−1,3,3a,7−テトラザインデン、1
−フェニル−5−メルカプトテトラゾールを加えた。
【0126】なお、上述の感光材料は、さらに、化合物
Su−1、Su−2、粘度調整剤、硬膜剤H−1、H−
2、安定剤ST−1、カブリ防止剤AF−1、AF−2
(重量平均分子量10,000のもの及び 1,100,000のも
の)、染料AI−1,AI−2及び化合物DI−1(
9.4mg/m2)を含有する。
【0127】上記の感光材料の作成方法に使用された種
々の化合物は、以下の化学式1乃至11に示されてい
る。 化学式1 化合物UL−1乃至UL−5、硬化剤UL
−6 化学式2 シアンカプラーC−1、C−2、マゼンタ
カプラーM−1、M−2 化学式3 イエローカプラーY−1、Y−2、カラー
ドシアンカプラーCC−1及びカラードマゼンタカプラ
ーCM−1 化学式4 DIR化合物D−1乃至D−3 化学式5 紫外線吸収剤UV−1及びUV−2、増感
色素S−1乃至S−3 化学式6 増感色素S−4乃至S−8 化学式7 増感色素S−9及びS−10 化学式8 増感色素S−11、添加剤HS−1、HS
−2、SC−1、高沸点溶媒Oil−1及びOil−2 化学式9 高沸点溶媒Oil−3、粘度調整剤H−
1、硬化剤H−2、化合物Su−1、Su−2及び化合
物A 化学式10 化合物B、DI−1、染料AI−1、AI
−2 化学式11 化合物I、ST−1、AF−1、AF−2
【0128】
【化1】
【0129】
【化2】
【0130】
【化3】
【0131】
【化4】
【0132】
【化5】
【0133】
【化6】
【0134】
【化7】
【0135】
【化8】
【0136】
【化9】
【0137】
【化10】
【0138】
【化11】
【0139】(フイルム現像処理)このようにして得ら
れた感光材料(感光フイルム)のフイルム現像処理は、
次の表3に示す条件で行われた。なお、表3において、
補充量(ミリリットル)は、感光材料1平方メートル当
たりの値である。
【0140】
【表3】
【0141】発色現像液、漂白液、定着液、安定液及び
その補充液は、それぞれ下記のようにして調製されたも
のを使用した。 <発色現像液> 水 800ml 炭酸カリウム 30 g 炭酸水素ナトリウム 2.5 g 亜硫酸カリウム 3.0 g 臭化ナトリウム 1.3 g 沃化カリウム 1.2mg ヒドロキシルアミン硫酸塩 2.5 g 塩化ナトリウム 0.6 g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 4.5 g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 g 水酸化カリウム 1.2 g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.06に調製した。
【0142】 <発色現像補充液> 水 800ml 炭酸カリウム 35 g 炭酸水素ナトリウム 3 g 亜硫酸カリウム 5 g 臭化ナトリウム 0.4 g ヒドロキシルアミン硫酸塩 3.1 g 4−アミノ−3−メチル−N−エチル−N− (β−ヒドロキシルエチル)アニリン硫酸塩 6.3 g 水酸化カリウム 2 g ジエチレントリアミン五酢酸 3.0 g 水を加えて1リットルとし、水酸化カリウム又は20%硫
酸を用いてpH10.18に調製した。
【0143】 <漂白液> 水 700ml 1,3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 125 g エチレンジアミン四酢酸 2 g 硝酸ナトリウム 40 g 臭化アンモニウム 150 g 氷酢酸 40 g 水を加えて1リットルとし、アンモニア水又は氷酢酸を
用いてpH4.4に調製した。
【0144】 <漂白補充液> 水 700ml 1/3ジアミノプロパン四酢酸鉄(III)アンモニウム 175 g エチレンジアミン四酢酸 2 g 硝酸ナトリウム 50 g 臭化アンモニウム 200 g 氷酢酸 56 g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH4.0に調整した後に
水を加えて1リットルにした。
【0145】 <定着液> 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 120 g チオ硫酸アンモニウム 150 g 亜硫酸ナトリウム 15 g エチレンジアミン四酢酸 2 g アンモニア水又は氷酢酸を用いてpH6.2に調整した後水
を加えて1リットルにした。
【0146】 <定着補充液> 水 800ml チオシアン酸アンモニウム 150 g チオ硫酸アンモニウム 180 g 亜硫酸ナトリウム 20 g エチレンジアミン四酢酸 2 g アンモニウム水又は氷酢酸を用いてpH6.5に調整した後
水を加えて1リットルにした。
【0147】 <安定液及び安定補充液> 水 900ml 化合物I(化学式12参照) 2.0g ジメチロール尿素 0.5 g ヘキサメチレンテトラミン 0.2 g 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン 0.1 g シロキサン(UCC製L−77) 0.1 g アンモニア水 0.5ml 水を加えて1リットルとした後、アンモニア水又は50%
硫酸を用いてpH8.5に調製した。
【0148】
【化12】
【0149】(プリント処理工程)プリント処理は、表
4に示す条件で行われた。
【0150】
【表4】
【0151】発色現像液、漂白定着液及び安定化液は、
それぞれ下記のようにして調製されたものを使用した。 <発色現像液> 純水 800ml トリエタノールアミン 10 g N,N−ジエチルヒドロキシルアミン 5 g 臭化カリウム 0.02 g 塩化カリウム 2 g 亜硫酸カリウム 0.3 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 1.0 g エチレンジアミン四酢酸 1.0 g カテコール−3,5−ジスルホン酸二ナトリウム塩 1.0 g ジエチレングリコール 10 g N−エチル−N−β−メタンスルホンアミドエチル−3− メチル−4−アミノアニリン硫酸塩 4.5 g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体) 1.0 g 炭酸カリウム 27 g 水を加えて全量を1リットルとし、pH=10.10に調製し
た。
【0152】 <漂白定着液> エチレンジアミン四酢酸第二鉄アンモニウム2水塩 60 g エチレンジアミン四酢酸 3 g チオ硫酸アンモニウム(70%水溶液) 100ml 亜硫酸アンモニウム(40%水溶液) 27.5ml 水を加えて全量を1リットルとし、炭酸カリウム又は氷
酢酸でpH=5.7に調製した。
【0153】 <安定化液> 5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン 0.2 g 1,2−ベンツイソチアゾリン−3−オン 0.3 g エチレングリコール 1.0 g 1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸 2.0 g o−フェニルフェノールナトリウム 1.0 g エチレンジアミン四酢酸 1.0 g 水酸化アンモニウム(20%水溶液) 3.0 g 蛍光増白剤(4,4′−ジアミノスチルベンスルホン酸誘導体) 1.5 g 水を加えて全量を1リットルとし、硫酸又は水酸化カリ
ウムでpH=7.0に調整した。
【0154】実施例9乃至15及び比較例4乃至6に染
料を含浸させた二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタ
レート樹脂フイルム(PEN−2,6フイルム)に、前
述のようにして下引層、乳剤層を塗布した感光材料を、
それぞれ実施例9-1乃至15-1及び比較例4-1乃至
6-1とすると、次の表5から明らかなように、本発明
の二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタレート樹脂フ
イルムからなる感光材料は、写真品質及びライトパイピ
ング防止性に優れており、写真用樹脂フイルムとして有
用であった。なお、比較例4-1は、ライトパイピング
防止性に優れていたが、カール度が大きく、巻きぐせ総
合評価が×であり、使用に耐えないものであった。
【0155】
【表5】
【0156】(実施例16乃至22及び比較例7乃至
9) (ポリカーボネート樹脂フイルムの例)ホスゲンとビス
フェノールAとの縮合によって得られた分子量3.8万
のポリカーボネートをメチレンクロライドに溶解し20
%の溶液とした。これをステンレスバンド上に均一に流
延し、ステンレスバンド上から剥離が可能になるまで4
分間かけながら、溶媒を蒸発させ、ステンレスバンド上
から連続的にシート状に剥離した。その後、このシート
を多数のロール間で20℃の温度を維持しながら搬送さ
せ、140℃に設定したピンテンターによりフイルム巾
方向の両側を把持し、乾燥を終了させ、膜厚120μm
のフイルムを得た。このフイルムの搬送においてはメチ
レンクロライドの急激な蒸発による収縮を抑え、収縮応
力による分子配向を抑えるためフイルムがピンテンター
オーブン内にある時には巾方向が常時たるんでおり、い
わゆる懸垂線を描くようにレール幅を調整した。このレ
ール幅の縮小率は3.5%であった。このようにして得
られたポリカーボネート樹脂フイルムのガラス転移温度
(Tg)は、151℃であった。
【0157】このポリカーボネート樹脂フイルムを表6
に記載の条件で、オートクレーブ中で、フイルム状で二
酸化炭素超臨界流体中で加熱処理した。このようにして
得られた樹脂フイルムを先に記載の(樹脂フイルム加熱
処理後のカール度測定評価法)に従って測定して得られ
たカール度及び巻きぐせ総合評価結果を表6に示す。
【0158】
【表6】
【0159】実施例16と比較例7との比較から、二酸
化炭素超臨界流体中で、0.25分と同じ時間でポリカ
ーボネート樹脂フイルムを加熱処理しても、実施例16
のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃である146
℃では巻きぐせ総合評価が良好であるが、比較例7のよ
うに、加熱処理温度が(Tg−5)℃よりも高い149
℃では巻きぐせ総合評価が実用上問題があることが解
る。以下同様にして、実施例16乃至22と比較例7乃
至9との比較から、二酸化炭素超臨界流体中での加熱処
理温度が96乃至146℃、即ち、(Tg−55℃)乃
至(Tg−5℃)であることが必要であり(比較例9参
照)、また加熱処理時間は、0.25分以上、好ましく
は、1分以上必要であることが理解される(比較例8参
照)。加熱処理温度の上限値が常温、常圧で測定のポリ
カーボネート樹脂フイルムのガラス転移温度(Tg=1
51℃)よりも5℃下廻る理由は、実施例1乃至15、
比較例1乃至6と同じであると考えられる。また、加熱
処理温度の下限値が常温、常圧で測定のポリカーボネー
ト樹脂フイルムのガラス転移温度(Tg=151℃)か
ら55℃低い温度(96℃)であるのも、同様の理由に
よるものであろう。
【0160】(実施例23乃至29及び比較例10乃至
12) (飽和ノルボルネン樹脂フイルムの例)6−メチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,4,4a,5,6,
7,8,8a−オクタヒドロナフタレン(以下、MTD
と略記)に、重合触媒としてトリエチルアルミニウムの
15%シクロヘキサン溶液10部、トリエチルアミン5
部及び四塩化チタンの20%シクロヘキサン溶液10部
を添加して、シクロヘキサン中で開環重合し、得られた
開環重合体をニッケル触媒で水素添加してポリマー溶液
を得た。このポリマー溶液をイソプロピルアルコール中
で凝固させ、乾燥し、粉末状の樹脂を得た。この樹脂の
数平均分子量は40,000、水素添加率は99.8%
以上であった。なお、上記例において、部及び%は、重
量基準である。
【0161】このようにして得られた樹脂をキシレンに
溶解し、樹脂濃度が15%の溶液組成物を得た。このド
ープを濾過し、ステンレスバンド上に、20℃で均一に
流延し、樹脂フイルム面に垂直に、表7に記載の磁束密
度[単位:T(テスラ)]をステンレスバンド上から剥離
が可能になるまで、表7に記載の処理時間、磁場をかけ
ながら、20℃から徐々に昇温させて、50℃で溶媒を
蒸発させ、ステンレスバンド上からフイルムを剥離し
た。その後、このフイルムを多数のロールで搬送させな
がら90℃で乾燥を終了させ、膜厚120μmの飽和ノ
ルボルネン樹脂フイルムを得た。このようにして得られ
た飽和ノルボルネン樹脂フイルムのガラス転移温度(T
g)は、139℃であった。
【0162】この飽和ノルボルネン樹脂フイルムを、表
7に記載の条件で、オートクレーブ中で、フイルム状
で、二酸化炭素超臨界流体中で加熱処理した。このよう
にして得られた樹脂フイルムを先に記載の(樹脂フイル
ム加熱処理後のカール度測定評価法)に従って測定して
得られたカール度及び巻きぐせ総合評価結果を表7に示
す。
【0163】
【表7】
【0164】実施例23と比較例10との比較から、二
酸化炭素超臨界流体中で、0.25分と同じ時間で飽和
ノルボルネン樹脂フイルムを加熱処理しても、実施例2
3のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃である13
4℃では巻きぐせ総合評価が良好であるが、比較例10
のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃よりも高い1
37℃では巻きぐせ総合評価が実用上問題があることが
解る。以下同様にして実施例23乃至29と比較例10
乃至12との比較で二酸化炭素超臨界流体中での加熱処
理温度は、84乃至134℃、即ち、(Tg−55℃)
乃至(Tg−5℃)であることが必要であり(比較例1
2参照)、また加熱処理時間は、0.25分以上、好ま
しくは、1分以上必要であることが理解される(比較例
11参照)。加熱処理温度の上限値が常温、常圧で測定
の飽和ノルボルネン樹脂フイルムのガラス転移温度(T
g=139℃)よりも5℃下廻る理由は、実施例1乃至
22と同じであると考えられる。また、加熱処理温度の
下限値が常温、常圧で測定の飽和ノルボルネン樹脂フイ
ルムのガラス転移温度(Tg=139℃)より55℃低
い温度(84℃)であるのも、同様の理由によるもので
あろう。
【0165】 (実施例30乃至36及び比較例13乃至15) (酢酸セルロースエステル樹脂フイルムの例) 以下のドープ組成物を用意した。 セルローストリアセテート(酢化度61.0%) 100重量部 トリフェニルホスフェート 9重量部 2−(2′−ヒドロキシ−3′,5′−ジ−t−ブチルフェニル) ベンゾトリアゾール 8重量部 メチレンクロライド 430重量部 メタノール 90重量部 この組成物を密閉容器に投入し、加圧下で80℃に保温
し撹伴しながら完全に溶解した。
【0166】次にこのドープを濾過し、冷却して23℃
に保ち、ステンレスバンド上に均一に流延してフイルム
を成形し、ステンレスバンド上から剥離が可能になるま
で、3分間かけながら溶媒を蒸発させ、ステンレスバン
ド上からフイルムを剥離した。その後、このフイルムを
多数のロール間で搬送させながら乾燥を終了して膜厚1
00μmのセルローストリアセテートフイルム(酢酸セ
ルロースエステル)を製膜した。このフイルムのガラス
転移温度(Tg)は146℃であった。
【0167】このセルローストリアセテート樹脂フイル
ム(TACフイルム)を処理すべきオートクレーブ中
に、表8に記載の条件で、バイエル社製染料を次の配合
割合で混練してフイルム重量に対し染料濃度が 400p
pmになるように添加してセルローストリアセテート樹脂
フイルムと共存させ、その後、二酸化炭素超臨界流体状
態にして、TACフイルムを加熱処理した。このように
して得られた樹脂フイルムを、先に記載の(樹脂フイル
ム加熱処理後のカール度測定評価法)に従って測定して
得られたカール度及び及び巻きぐせ総合評価結果を表8
に示す。 Macrolex Red EG 1 Macrolex Violet B 1 Macrolex Green G 1
【0168】
【表8】
【0169】実施例30と比較例13との比較から、二
酸化炭素超臨界流体中で、0.25分と同じ時間でセル
ローストリアセテート樹脂フイルムを加熱処理しても、
実施例30のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃で
ある141℃では巻きぐせ総合評価が良好であるが、比
較例13のように、加熱処理温度が(Tg−5)℃より
も高い144℃では巻きぐせ総合評価が実用上問題があ
ることが解る。以下同様にして実施例30乃至36と比
較例13乃至15との比較で、二酸化炭素超臨界流体中
での加熱処理温度は、91乃至141℃、即ち、(Tg
−55℃)乃至(Tg−5℃)であることが必要であり
(比較例15参照)、また加熱処理時間は、0.25分
以上、好ましくは、1分以上必要であることが理解され
る(比較例14参照)。加熱処理温度の上限値が常温、
常圧で測定のセルローストリアセテート樹脂フイルムの
ガラス転移温度(Tg=146℃)よりも5℃下廻る理
由は、実施例1乃至29と同じであると考えられる。ま
た、加熱処理温度の下限値が常温、常圧で測定のセルロ
ーストリアセテート樹脂フイルムのガラス転移温度(T
g=146℃)から55℃低い温度(91℃)であるの
も、同様の理由によるものであろう。
【0170】実施例30乃至36及び比較例13乃至1
5で染料を含浸して得られたセルローストリアセテート
樹脂フイルムを実施例9−1乃至15−1及び比較例4
−1乃至6−1と同様にして処理して得られた感光材料
を実施例30−1乃至36−1及び比較例13−1乃至
15−1とし、これらの感光材料を色再現性の観点から
写真品質、ライトパイピング防止性を評価した結果を表
9に示す。
【0171】
【表9】
【0172】表9から明らかなように、実施例30−1
乃至36−1の感光材料は、写真品質及びライトパイピ
ング防止性の両方に優れており、写真用樹脂フイルムと
して有用であった。なお、比較例13-1の感光材料
は、ライトパイピング防止性に優れていたが、カール度
が大きく、巻きぐせ総合評価で×であり、使用に耐えな
いものであった。
【0173】
【発明の効果】本発明によれば、上記のように、樹脂フ
イルムを超臨界又は亜臨界流体中で加熱処理するので、
樹脂フイルムが有する機械的性質(機械的強度)、熱的
性質(耐熱性)、電気的性質、光学的性質(透明性)等
の優れた特性を損なうことなく、巻きぐせが付き難く、
取扱い性に優れた、電気絶縁材料、磁気材料、包装材
料、写真材料等の種々の用途でロール状にして取り扱う
ことができる樹脂フイルムを提供することができる。
【0174】また、樹脂フイルムを加熱処理する超臨界
又は亜臨界流体中に染料を添加すると、樹脂フイルムに
染料を容易に含浸することができ、巻きぐせ解消特性を
有する感光フイルムを容易に得ることができる。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂フイルムを、超臨界流体又は亜臨界流
    体中で、(Tg−55℃)乃至(Tg−5℃)の範囲の
    加熱温度(Tgは、樹脂フイルムのガラス転移温度
    (℃)を表す)で、0.25分以上の加熱処理時間で加
    熱処理することを特徴とする樹脂フイルムの処理法。
  2. 【請求項2】請求項1に記載の樹脂フイルムの処理法で
    あって、前記加熱温度の範囲が(Tg−55℃)乃至
    (Tg−15℃)であることを特徴とする樹脂フイルム
    の処理法。
  3. 【請求項3】請求項1又は2に記載の樹脂フイルムの処
    理法であって、前記加熱処理時間は、1分以上であるこ
    とを特徴とする樹脂フイルムの処理法。
  4. 【請求項4】請求項1乃至3のいずれかに記載の樹脂フ
    イルムの処理法であって、前記樹脂フイルムは、ポリエ
    ステル、ポリカーボネート、酢酸セルローズエステルポ
    リマー及び飽和ノルボルネンポリマーのいずれかである
    ことを特徴とする樹脂フイルムの処理法。
  5. 【請求項5】請求項1乃至4のいずれかに記載の樹脂フ
    イルムの処理法であって、前記超臨界流体又は亜臨界流
    体中には染料が添加されていることを特徴とする樹脂フ
    イルムの処理法。
  6. 【請求項6】請求項1乃至5のいずれかに記載の樹脂フ
    イルムの処理法であって、前記超臨界流体又は亜臨界流
    体は、二酸化炭素であることを特徴とする樹脂フイルム
    の処理法。
  7. 【請求項7】請求項1乃至6のいずれかの方法で処理さ
    れて135m-1以下の巻きぐせカール度が付与されたこ
    とを特徴とする樹脂フイルム。
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