JP2001213540A - 画像処理装置におけるシート材の供給機構 - Google Patents

画像処理装置におけるシート材の供給機構

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JP2001213540A
JP2001213540A JP2000025948A JP2000025948A JP2001213540A JP 2001213540 A JP2001213540 A JP 2001213540A JP 2000025948 A JP2000025948 A JP 2000025948A JP 2000025948 A JP2000025948 A JP 2000025948A JP 2001213540 A JP2001213540 A JP 2001213540A
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sheet
feeding
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Takao Araki
孝夫 荒木
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 確実な重送防止ができるシート材の供給機構
の提供。 【解決手段】 積層された用紙Pをピックアップして画
像処理系に繰り出す供給ローラ3と、その下流に配置さ
れる重送防止用の分離ローラ4及びリタードローラ5
と、その直ぐ下流に配置され用紙P材の重送を検知する
重送検知センサ14とを備え、さらに分離ローラ4とリ
タードローラ5との間のニップ力を調整するニップ力自
動調整機構と、用紙Pをその供給方向と逆向きから正転
方向にリタードローラ5を回転させる臨界の設定トルク
を調整する設定トルク調整機構とを備え、重送検知セン
サ14によるシート材の単位枚数または単位時間当たり
の重送回数に応じて、ニップ力自動調整機構及び設定ト
ルク調整機構によりシート材の性状特性に適合するニッ
プ力及び設定トルクに調整する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば原稿画像
を読み取るイメージスキャナ等の画像読取り装置または
複写機等の画像形成装置等の画像処理装置に係り、特に
ホッパ方式のシート材供給方式においてシート材の重送
を防止できるようにした画像処理装置におけるシート材
の供給機構に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえばイメージスキャナ等のような画
像読取り装置には、ホッパ上にセットした用紙をライン
に送り込むための給紙装置が備えられる。この給紙装置
は、積層されている用紙を上から1枚ずつピックアップ
して繰り出すというもので、重なり合った用紙どうしの
摩擦によって2枚以上が送り出される重送の防止機構を
備えたものが殆どである。このような重送防止機構を持
つ給紙装置として、たとえば特開平4−286558号
公報に記載されたものがある。
【0003】図8は従来の重送防止機構を備えた給紙装
置の典型的な例を示す概略図であり、先の公報に開示さ
れたものもほぼ同様の構成を持つ。
【0004】図8において、読み取るための原稿や各種
の書類等の用紙Pを搭載してセットするためのホッパ5
1が読取りラインの基端に配置され、ホッパ51の上方
には一番上の用紙Pをピックアップして繰り出す供給ロ
ーラ52が配置されている。ホッパ51はバネ51aに
よって供給ローラ52側に付勢され、用紙Pを供給ロー
ラ52に押し付けてその周面との摩擦によって一番上の
用紙Pだけを繰り出せるようにしている。また、用紙P
の積層厚さが変わっても供給ローラ52に対する押圧力
はバネ51aによってほぼ一定に保持される。
【0005】ホッパ51の出側のラインには、用紙Pを
画像読取り位置に送るための、たとえば3段の搬送ロー
ラ53,54,55を配列し、ホッパ51から繰り出さ
れた用紙Pをニップして引き出しながら下流に搬送す
る。そして、ホッパ51と第1段の搬送ローラ53との
間には、用紙Pの重送防止機構として分離ローラ56と
リタードローラ57とを備えている。
【0006】これらの分離ローラ56とリタードローラ
57とによる重送防止は、画像読取り装置や複写装置等
の分野で広く知られているもので、リタードローラ57
はその駆動モータ(図示せず)によって図中の矢印方向
に回転する主軸57a周りにトルクリミッタ57bを介
装したものである。リタードローラ57の主軸57aは
分離ローラ56と共用とした駆動モータ(図示せず)に
連接されるとともに、分離ローラ56との間でのニップ
力を設定するためのスプリングによって図中において上
向きに付勢されている。このようなトルクリミッタ57
bを備えることで、供給ローラ52から1枚の用紙Pが
繰り出されたときには、リタードローラ57は分離ロー
ラ56の回転トルクを受けて用紙Pの搬送方向に回転す
る。そして、用紙Pが2枚もしくはそれ以上重送されて
ニップされたときには、リタードローラ57は矢印方向
に回転を保ち、重送している下側の用紙Pをホッパ51
側に押し戻す。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところが、従来のリタ
ードローラ57のトルクリミッタ57bは、その設定ト
ルク値が固定されたものが使用されている。すなわち、
トルクリミッタ57bの動作トルクをリアルタイムで変
更することはできない。一方、イメージスキャナ等のよ
うに多種類の用紙Pの読取りに使用されるものでは、用
紙Pの紙質や厚さ及び摩擦係数が用紙Pによって様々に
変わる。このため、トルクリミッタ57bの動作トルク
が一定に設定されたものでは、分離ローラ56と協働し
ての用紙Pの重送防止機能が十分に果たせない可能性が
ある。とくに、イメージスキャナでは、多数枚の原稿を
読み取るとき重送が発生して1枚でも原稿読取りが実行
されないまま電子ファイルされると、保管しておくべき
情報が欠けることになり、用紙の重送は非常に重要な問
題となる。
【0008】一方、たとえば分離ローラ56とリタード
ローラ57の下流側に重送検知センサを配置しておけ
ば、用紙Pの重送を阻止できなかった場合に重送を検知
し、用紙Pの搬送を停止させたりホッパ51側に戻す操
作は可能である。そして、用紙Pの重送の頻度は、用紙
Pの紙質や厚さ及び摩擦係数などによって様々に変わ
り、重送を発生しやすい用紙とそうではない用紙とに分
類される。したがって、重送を発生しやすい用紙を給紙
するときには、トルクリミッタ57bのトルクや分離ロ
ーラ56とリタードローラ57とによるニップ力を調整
すれば、用紙Pの重送が効果的に防止される。
【0009】しかしながら、従来構造ではトルクリミッ
タ57bの設定トルクは固定されており、しかもこの設
定トルク及び分離ローラ56とリタードローラ57との
間のニップ力を相関的に調整することはできない。した
がって、用紙Pの重送頻度が高い場合でもそのまま使用
するしかなく、頻発する用紙Pの重送のたびに読取りを
停止させる必要があり、作業効率が大幅に低下してしま
う。
【0010】そこで、本発明は、重送検知の頻度に応じ
て最適な重送防止態勢となるようにリタードローラの設
定トルク及び分離ローラとの間のニップ力の調整をする
ことで確実な重送防止ができるシート材の供給機構を提
供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、積層された用
紙等のシート材をピックアップして画像処理系に繰り出
す供給ローラと、前記供給ローラの下流であって前記画
像処理系の入口に配置される重送防止用の分離ローラ及
びリタードローラのローラ対と、前記ローラ対の直ぐ下
流に配置され前記シート材の重送を検知する重送検知手
段とを備えたシート材の供給機構において、前記分離ロ
ーラとリタードローラとの間のニップ力を調整するニッ
プ力自動調整機構と、前記シート材をその供給方向と逆
向きから正転方向に前記リタードローラを回転させる臨
界の設定トルクを調整する設定トルク調整機構とを備
え、前記重送検知手段によるシート材の単位枚数または
単位時間当たりの重送回数に応じて、前記ニップ力自動
調整機構及び前記設定トルク調整機構によりシート材の
性状特性に適合する前記ニップ力及び設定トルクに調整
する制御を実行する構成としたことを特徴とする。
【0012】このような構成では、たとえば異なる紙質
の用紙の層を幾組か積層して供給するとき、或る紙質の
用紙では重送が発生しなくても別の紙質の用紙の層の供
給に移ったときに重送が頻発すると、重送回数の検知に
応じてニップ力とリタードローラの設定トルクを紙質に
適合するように調整できるので、様々な紙質の用紙等の
シート材について学習機能的に重送を防止できるように
なる。
【0013】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、積層さ
れた用紙等のシート材をピックアップして画像処理系に
繰り出す供給ローラと、供給ローラの下流であって画像
処理系の入口に配置される重送防止用の分離ローラ及び
リタードローラのローラ対と、ローラ対の直ぐ下流に配
置されシート材の重送を検知する重送検知手段とを備え
たシート材の供給機構において、分離ローラとリタード
ローラとの間のニップ力を調整するニップ力自動調整機
構と、シート材をその供給方向と逆向きから正転方向に
リタードローラを回転させる臨界の設定トルクを調整す
る設定トルク調整機構とを備え、重送検知手段によるシ
ート材の単位枚数または単位時間当たりの重送回数に応
じて、ニップ力自動調整機構及び設定トルク調整機構に
よりシート材の性状特性に適合するニップ力及び設定ト
ルクに調整する制御を実行する構成としたものであり、
重送回数の検知に応じてニップ力とリタードローラの設
定トルクを紙質に適合するように調整できるので、様々
な紙質の用紙等のシート材について学習機能的に重送を
防止できるという作用を有する。
【0014】請求項2に記載の発明は、設定トルク調整
機構は、リタードローラに連接され電流印加量によって
出力軸の回転数が可変のDCモータを駆動源とすること
を特徴とする請求項1記載の画像処理装置におけるシー
ト材の供給機構であり、DCモータを利用したリタード
モータへの通電量を制御するという簡単な構成で、リタ
ードローラの設定トルクを変更してシート材の重送防止
ができるという作用を有する。
【0015】以下、本発明の実施の形態について図面に
基づき説明する。なお、本実施の形態では原稿から画像
を読み取って電子ファイルするためのイメージスキャナ
を例として説明する。
【0016】図1は本発明のシート材の供給機構を備え
たイメージスキャナの概略斜視図である。
【0017】図示のように、イメージスキャナは、光学
系の読取り部及び用紙の搬送路を内蔵した本体1と給紙
手段としての自動給紙装置2とから構成されたものであ
る。本体1はその正面に操作パネル1aを備えるととも
に内部には全ての機器を制御するコントローラ(図示せ
ず)を備えたものである。そして、本体1の上面には自
動給紙装置2から給紙されて読み取り部によって画像読
み取りを終えた用紙を受ける回収トレー1bを設けてい
る。
【0018】自動給紙装置2は、用紙を搭載して本体1
内の搬送路に送り出すホッパ機能と用紙の重送防止機能
を備えたものであり、図2に自動給紙装置のホッパから
用紙の搬送路及び回収トレーまでの概略図を示す。
【0019】自動給紙装置2は、ハウジング2aにホッ
パ2bをヒンジピン2cを介して上下に回動自在に組み
込んだもので、ホッパ2bはアクチュエータ(図示せ
ず)に連接されてヒンジピン2c周りに回転駆動され
る。すなわち、ホッパ2bに積層搭載した用紙Pは、ホ
ッパ2bの上方の定位置に固定されて回転駆動される供
給ローラ3に接触する姿勢まで上向きに回動付勢され
る。また、ホッパ2bの上面には、用紙Pの幅方向を案
内するための一対の間口方向(正面から見て左右方向)
に手動で移動させることができるガイド2dを備えてい
る。
【0020】ホッパ2b上の用紙Pを1枚ずつピックア
ップして繰り出す供給ローラ3の下流には、用紙Pの重
送を防止するための分離ローラ4とリタードローラ5の
対を配置し、これらのローラ対から回収トレー1bまで
の間に用紙Pの搬送路が形成されている。この用紙Pの
搬送路には用紙Pをニップして搬送するための複数段の
搬送ローラ6a,6bの対を配置するとともに、中途に
は用紙Pの上面の原稿画像を読み取る第1の走査センサ
7aと下面の原稿画像を読み取る第2の走査センサ7b
を配置している。そして、ホッパ2bから供給ローラ3
によってピックアップされた1枚の用紙Pは、搬送路を
通過する間に第1,第2の走査センサ7a,7bにより
原稿画像が読み取られた後、回収トレー1bに排紙され
る。
【0021】図3の(a)は供給ローラ3,分離ローラ
4,リタードローラ5の本体1への組み込み構造の要部
を示す側面図、図3の(b)及び(c)はリタードロー
ラ5の付勢力調整のための要部を示す概略図である。
【0022】図3の(a)に示すように、供給ローラ3
と分離ローラ4とはそれぞれ本体1に固定したフレーム
1cに回転自在に取り付けられ、一方リタードローラ5
は本体1内に固定した支軸8aを中心として回動するベ
ース8に取り付けられている。このベース8は本体1と
の間に介装した引っ張りのスプリング8dによって支軸
8aに対し反時計方向に付勢されたものである。支軸8
aにはその周りに回転自在なスリーブ8bを外挿し、こ
のスリーブ8bの周りにトーションスプリング9を巻き
付けている。トーションスプリング9は従来周知のよう
に、スリーブ8b周りに巻かれた巻線部9aとこれから
相互に異なる方向に突き出した係合アーム9b及び付勢
アーム9cとから構成されたものである。付勢アーム9
cはベース8に開けた係合孔8cに差し込まれて係止さ
れ、係合アーム9bは付勢力調整用のカム10の周面に
突き当たっている。
【0023】カム10は駆動モータ10aに連接され、
図3の(b)及び(c)のように回転駆動される。同図
(b)ではカム10による係合アーム9bによる曲げ度
は小さく巻線部9aの巻上げ度も小さい。したがって、
付勢アーム9cがベース8を上向きに付勢する力も小さ
い。一方、同図の(c)のようにカム10を矢印方向に
回転させると、巻線部9aの巻上げ度が大きくなり、付
勢アーム9cによるベース8に対する付勢力もこれにし
たがって大きくなる。
【0024】このようにカム10をその駆動モータ10
aによって回転駆動することで、トーションスプリング
9の付勢力を変えることができる。したがって、分離ロ
ーラ4に対するリタードローラ5の押圧力を強くしたり
弱くしたりでき、用紙Pに対するニップ力を任意に設定
できる。
【0025】図4は本発明のシート材の供給機構の要部
を示す側面図である。
【0026】図に示すように、供給ローラ3と分離ロー
ラ4はステッピングモータを使用した供給・分離モータ
11を共用して駆動され、リタードローラ5はDCモー
タを使用したリタードモータ12によって駆動される。
供給・分離モータ11の出力軸11aと分離ローラ4の
間及びこの分離ローラ4と供給ローラ3との間は歯車列
11bによって連接されている。また、リタードモータ
12の出力軸12aとリタードローラ5との間も歯車列
12bによって連接され、用紙Pを給紙するときには各
ローラ3〜5は図中の矢印方向にそれぞれ回転する。す
なわち、供給ローラ3と分離ローラ4は用紙Pの給紙方
向に回転し、リタードローラ5は給紙方向と逆向きに回
転する。供給・分離モータ11及びリタードモータ12
のそれぞれの出力軸11a,12aは本体1に内蔵した
コントローラ(図示せず)によって正転(給紙方向への
回転)及び逆転の操作が可能である。そして、DCモー
タを使用したリタードモータ12は、通電量によって回
転トルク(回転速度)を可変操作できる。
【0027】分離ローラ4とリタードローラ5の直ぐ下
流には用紙Pの重送を検知するための重送検知センサ1
4を設ける。この重送検知センサ14は超音波を利用し
たもので、超音波発信器14aと超音波受信器14bと
の組合せとしたものである。すなわち、超音波発信器1
4aから発信された超音波が重送した用紙Pの間の空気
層により減衰し、この減衰した超音波を超音波受信器1
4bが受信したとき出力信号により、用紙Pの重送を検
知する。なお、このような超音波を利用するのに代えて
他の方式の重送検知手段としてもよい。
【0028】ここで、操作パネル1aの操作ボタン1a
−1(図1参照)をオンすると、供給・分離モータ11
とリタードモータ12が起動し、供給ローラ3と分離ロ
ーラ4及びリタードローラ5は図4に示す矢印方向にそ
れぞれ回転する。そして、1枚の用紙Pを分離ローラ4
とリタードローラ5とがニップしたとき、リタードロー
ラ5と用紙Pとの摩擦力が給紙方向に作用する程度のト
ルクとなるようにリタードモータ12への通電量を設定
する。これにより、ホッパ2bから一番上の1枚の用紙
Pが給紙ローラ3によってピックアップされれば、この
1枚の用紙Pは速やかに搬送され、第1,第2の走査セ
ンサ7a,7bによって原稿画像が読み取られた後に回
収トレー1bへ排紙される。
【0029】DCモータを使用したリタードモータ12
は、その通電量を制御することによって回転トルク(回
転速度)を自在に設定できる。したがって、先に述べた
ように、分離ローラ4との間でニップされたときに1枚
の用紙Pから作用するリタードローラ5への摩擦力に相
当するように回転トルクを通電量制御によって設定すれ
ば、通常時では給紙方向と逆向きに回転しているリター
ドローラ5は給紙方向へと回転する。一方、2枚以上の
用紙Pが供給ローラ3によってピックアップされたとき
には、用紙Pどうしの間が滑りやすいためにリタードロ
ーラ5への負荷は小さくなる。したがって、リタードロ
ーラ5は図4の矢印方向へ回転を続け、その周面に接触
している下側の重送用紙をホッパ2b側に戻すことがで
きる。
【0030】以上により、用紙Pが2枚以上ピックアッ
プされたときには、リタードローラの回転によって一番
上の用紙Pのみを下流側へ繰り出して搬送し、残りの下
側の用紙Pをホッパ2b側に戻して重送を分離ローラ4
とリタードローラ5の部分で阻むことができる。
【0031】供給ローラ3による用紙Pにピックアップ
及び分離ローラ4とリタードローラ5とを備える供給機
構では、様々なパラメータによる条件を満たせば1枚の
用紙に給紙と重送防止が可能である。すなわち、ホッパ
2bと供給ローラ3との間及び分離ローラ4とリタード
ローラ5との間のそれぞれの押圧力を調節すれば、分離
ローラ4とリタードローラ5による用紙の分離機能を最
適化することができる。このような最適化のための条件
を図5により説明する。
【0032】以下の条件式において、Pr:リタードロ
ーラ5の押圧力,T:リタードローラ5の設定トルク,
r:リタードローラ5の半径,μ0:分離ローラ4とリ
タードローラ5との間の摩擦係数とする。このとき、
T,r,μ0は定数である。
【0033】(A)分離ローラ4とリタードローラ5と
の間に用紙Pが無いとき:リタードローラ5は分離ロー
ラ4と接触して連れ回り、すなわち図5の(a)におい
て実線で示す方向とは反対の反時計方向に回転する。こ
のための条件は、分離ローラ4とリタードローラ5との
接触による搬送力をFとするときF=μ0・Pr>T/
rである。よって、次の式(1)を得る。
【0034】 Pr>(1/μ0)×(T/r)・・・・(1) (B)分離ローラ4とリタードローラ5との間に用紙P
が1枚だけあるとき:分離ローラ4と用紙Pとの間には
スリップがなくて用紙Pに送りを与え、同時にリタード
ローラ5と用紙Pとの間にはスリップがなく用紙Pの送
りのためにリタードローラ5は分離ローラ4と連れ回り
する。このための条件は、リタードローラ5と用紙Pと
の間の摩擦係数をμ2とするとき、μ2・Pr>T/rで
ある。よって、次の式(2)を得る。
【0035】 Pr>(1/μ2)×(T/r)・・・・(2) そして、分離ローラ4は用紙Pを搬送できるための搬送
力の条件として、F1:分離ローラ4の搬送力,Fp:
供給ローラ3の搬送力,F2 :リタードローラ5の戻し
力,F3 :ホッパ2bの押圧力による用紙Pどうしの間
の摩擦力,F4:1枚目の用紙Pの自重による用紙Pど
うしの間の摩擦力とするとき、図5の(b)から次式が
得られる。
【0036】F1 +Fp>F2 +F3 +F4 ここで、μ1 :分離ローラ4と用紙Pとの間の摩擦係数 μ2 :リタードローラ5と用紙Pとの間の摩擦係数 μ4 :供給ローラ3と用紙Pとの間の摩擦係数 μp:用紙Pどうしの間の摩擦係数 m :用紙P1枚の自重 Pp:ホッパ2bの押圧力 とすると、上記の不等式は次の式(3)として書き換え
られる。
【0037】 Pr>(1/μ1)×(T/r)+ (1/μ1)×{(μp−μ4)×Pp+μp×m}・・(3) (C)分離ローラ4とリタードローラ5との間に用紙P
が2枚あるとき:用紙Pどうしの間に働く摩擦力に逆ら
ってリタードローラ5によってこれに接触している用紙
Pをホッパ2b側に戻す。このための条件は、F5 :分
離ローラ4の押圧力による用紙P間の摩擦力,F6 :ホ
ッパ2bの押圧力による用紙P間の摩擦力,F7 :1枚
目の用紙Pの自重による用紙P間の摩擦力,F8 :リタ
ードローラ5の戻し力,F9 :ホッパ2bの押圧力によ
る用紙P間の摩擦力,F10 :2〜3枚目の用紙Pの自
重による用紙P間の摩擦力とするとき、図5の(c)か
ら次式が得られる。
【0038】F8 >F5 +F6 +F7 +F9 +F10 そして、式(3)で導入したPr,μp,Pp,mを用
いてこの式を書き換えると、次の式(4)が得られる。
【0039】 Pr<(1/μp)×(T/r)−(2×Pp+3×m)・・・(4) 以上の各条件式から、リタードローラ5の分離ローラ4
への押圧力Prは、式(1)または式(2)のいずれか
大きいほうを下限値として決められる。また、式(3)
と式(4)はPrとPpを変数とする不等式なので、こ
れらの式(3),(4)にリタードローラ5の設定トル
クや使用する用紙Pの摩擦係数等の数値を代入すること
によって、PrとPpとの間の大小の関係が決まる。
【0040】このように、供給ローラ3による用紙の給
紙から分離ローラ4とリタードローラ5とによる用紙の
分離について最適化できる条件は、リタードローラ5の
押圧力Prとホッパ3bの押圧力Ppとして表せる。
【0041】ここで、r=10mm,μ1=μ2=μ4
1.2,m=3.99gとし、μp=0.3,μp=
0.4,μp=0.7の場合について式(3)及び式
(4)で計算してリタードローラ5の設定トルクTと押
圧力Prの関係を導くと、図6に示す線図が得られる。
なお、μpの0.3,0.4,0.7という値は用紙P
の紙質の違いによるものである。
【0042】図6はリタードローラの設定トルクとリタ
ードローラへの押圧力との関係を示す線図である。図6
において、各μpの値についてリタードローラ5の設定
トルクTとその押圧力Prの適切な関係は、式(3)及
び(4)からそれぞれの値に付した,で挟まれた領
域の中のものであればよい。そして、この線図から、用
紙Pどうしの間の摩擦係数μpの値に対して、適切なリ
タードローラ5の設定トルクTと押圧力prの値の範囲
の相関がみられる。したがって、用紙Pの紙質による摩
擦係数が概ね予測できるものであれば、リタードモータ
12への通電量によるリタードローラ5の回転トルク
と、駆動モータ10aによるカム10の回転姿勢の設定
により分離ローラ4とリタードローラ5との間のニップ
力を最適化できる。
【0043】一方、分離ローラ4とリタードローラ5を
通過した用紙Pは重送検知センサ14によって1枚の用
紙Pであるか2枚以上の用紙Pの重送であるかが検知さ
れる。そして、用紙Pが重送状態であることが検知され
れば、コントローラによって給紙を停止して重送用紙P
を手で引き抜くか、または分離ローラ4とリタードロー
ラ5との間のニップ力を少し緩めに一時的に設定すると
同時にリタードモータ12への通電量を増やしてリター
ドローラ5の回転トルクを大きくすることにより重送し
ている用紙Pをホッパ2b側に強制的に押し戻す。そし
て、本発明では、用紙Pの重送回数が単位時間当たりで
どの程度であるかを検出し、重送の頻度に応じてリター
ドローラ5の回転トルク及びリタードローラ5と分離ロ
ーラ4との間のニップ力を自動的に微調整していき、学
習機能的に用紙Pの重送を防止する。
【0044】図7は本発明におけるシート材供給機構の
制御フローチャートである。
【0045】図7のフローチャート示したように、用紙
Pを給紙していくとき(S01)重送検知センサ14に
より重送を検知し(S02)、重送回数をカウントする
(S03)。単位時間あたりまたは用紙Pの繰出し枚数
(たとえば100〜500枚)当たりで重送検知回数が
n回(n=1,2,・・・・・)であるときには、この
回数に応じてリタードローラ5の回転トルクとカム10
によるリタードローラ5の押圧力すなわち分離ローラ4
との間のニップ力が調整される。このような操作では、
用紙Pの給紙を開始するときは回転トルクやニップ力は
初期設定されているが、たとえば開始後に重送検知が1
回では設定を変更せず、2回,3回と次第に増えていく
と回転トルクとニップ力が用紙にマッチングしていない
と判断して設定を変更する(S04,S05)。そし
て、このような設定の変更によって単位時間当たりまた
は給紙枚数当たりで重送の発生がなければ、マッチング
完了としてメモリに記憶し(S06)そのまま給紙を継
続する。また、設定を変更した後でも重送が発生してそ
の発生回数が規定数を超えたときには、再度設定を変更
する。以降は、同じような操作を行うことで、用紙Pの
重送がないようになるまで学習機能的にリタードローラ
5の回転トルクと分離ローラ4との間でのニップ力を調
整していく。
【0046】このように、重送検知センサ14によって
用紙Pの重送が検知され、その検知回数に応じてリター
ドローラ5の回転トルクとニップ力とを調整してマッチ
ングさせていく。このため、ホッパ2bに搭載した用紙
Pが、たとえば上層では摩擦係数が小さいもので下層で
は摩擦係数が大きいというように種類が異なったもので
も、マッチング調整によって重送の発生を抑えることが
できる。
【0047】
【発明の効果】本発明では、シート材の重送の回数を基
準としてリタードローラの設定トルクと分離ローラとの
間のニップ力を重送が発生しないような態勢に設定変更
してマッチングさせることができる。したがって、摩擦
係数の異なる様々なシート材の用紙の混在層を搭載した
ホッパ等から供給しても、シート材に対して学習機能的
に対応させながら重送を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシート材の供給機構を備えたイメージ
スキャナの概略斜視図
【図2】自動給紙装置のホッパから用紙の搬送路及び回
収トレーまでの概略図
【図3】(a)供給ローラ,分離ローラ,リタードロー
ラの本体への組み込み構造の要部を示す側面図 (b)リタードローラの付勢力調整のための要部を示す
概略図 (c)リタードローラの付勢力調整のための要部を示す
概略図
【図4】本発明のシート材の供給機構の要部を示す側面
【図5】(a)分離ローラとリタードローラの押圧力と
摩擦力との関係を示す図 (b)1枚の用紙が給紙されるときの摩擦力の関係を示
す図 (c)2枚の用紙が重送されたときの摩擦力の関係を示
す図
【図6】リタードローラの設定トルクとリタードローラ
への押圧力との関係を示す線図
【図7】本発明におけるシート材供給機構の制御フロー
チャート
【図8】従来の重送防止機構を備えた給紙装置の典型的
な例を示す概略図
【符号の説明】
1 本体 1a 操作パネル 1a−1 操作ボタン 1b 回収トレー 1c フレーム 2 自動給紙装置 2a ハウジング 2b ホッパ 2c ヒンジピン 2d ガイド 3 供給ローラ 4 分離ローラ 5 リタードローラ 6a,6b 搬送ローラ 7a 第1の走査センサ 7b 第2の走査センサ 8 ベース 8a 支軸 8b スリーブ 8c 係合孔 8d スプリング 9 トーションスプリング 9a 巻線部 9b 係合アーム 9c 付勢アーム 10 カム 10a 駆動モータ 11 供給・分離モータ 11a 出力軸 11b 歯車列 12 リタードモータ 12a 出力軸 12b 歯車列 14 重送検知センサ 14a 超音波発信器 14b 超音波受信器 P 用紙
フロントページの続き Fターム(参考) 3F343 FA03 FB03 FC01 GA02 GB01 GC01 GD01 HA14 HA33 HB03 HD08 HD09 JA01 JD03 JD09 JD33 KA04 KA16 LA04 LA16 LC07 LC22 LD10 LD24 LD30 MA03 MA15 MA22 MA27 MA37 5B047 BC18 CA09 CB06

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】積層された用紙等のシート材をピックアッ
    プして画像処理系に繰り出す供給ローラと、前記供給ロ
    ーラの下流であって前記画像処理系の入口に配置される
    重送防止用の分離ローラ及びリタードローラのローラ対
    と、前記ローラ対の直ぐ下流に配置され前記シート材の
    重送を検知する重送検知手段とを備えたシート材の供給
    機構において、前記分離ローラとリタードローラとの間
    のニップ力を調整するニップ力自動調整機構と、前記シ
    ート材をその供給方向と逆向きから正転方向に前記リタ
    ードローラを回転させる臨界の設定トルクを調整する設
    定トルク調整機構とを備え、前記重送検知手段によるシ
    ート材の単位枚数または単位時間当たりの重送回数に応
    じて、前記ニップ力自動調整機構及び前記設定トルク調
    整機構によりシート材の性状特性に適合する前記ニップ
    力及び設定トルクに調整する制御を実行する構成とした
    ことを特徴とする画像処理装置におけるシート材の供給
    機構。
  2. 【請求項2】前記設定トルク調整機構は、前記リタード
    ローラに連接され電流印加量によって出力軸の回転数が
    可変のDCモータを駆動源とすることを特徴とする請求
    項1記載の画像処理装置におけるシート材の供給機構。
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