JP2001212661A - ダイカストマシンの加圧ピンモニタ装置および加圧ピンモニタ方法 - Google Patents

ダイカストマシンの加圧ピンモニタ装置および加圧ピンモニタ方法

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JP2001212661A
JP2001212661A JP2000027425A JP2000027425A JP2001212661A JP 2001212661 A JP2001212661 A JP 2001212661A JP 2000027425 A JP2000027425 A JP 2000027425A JP 2000027425 A JP2000027425 A JP 2000027425A JP 2001212661 A JP2001212661 A JP 2001212661A
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pressing
pressure
pressure pin
displacement
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Toshinori Nakamoto
利則 中本
Norihiko Sawai
範彦 沢井
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Toshiba Machine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】加圧ピンによるスクイズ効果が適切に行われた
かをより精度良く監視することができ、ダイカスト製品
の品質を向上、安定化させることができるダイカストマ
シンの加圧ピンモニタ装置および加圧ピンモニタ方法を
提供する。 【解決手段】加圧ピン2の変位δを時系列に検出する変
位検出器9と、加圧ピン2の加圧力Pの変動を時系列に
検出する圧力センサ9と、加圧ピン2の変位δおよび加
圧力Pの変動の時系列データに基づいて、加圧ピン2に
よる加圧動作の良否を判別する判別部21とを備え、判
別部21は加圧ピン21の変位δおよび加圧力Pの変動
の時系列データが予め時系列に設定された判別基準範囲
に収まっているかを判断して加圧ピン2による加圧動作
の良否を判定結果を表示部22に出力する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金型キャビティ内
に充填された金属溶湯を局部的に加圧する加圧ピンを備
えたダイカストマシンにおける加圧ピンの動作をモニタ
するダイカストマシンの加圧ピンモニタ装置および加圧
ピンモニタ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般にダイカストマシンによる鋳造技術
においては、金型のキャビティ内に充填された金属溶湯
が冷却されて凝固する際に、体積の収縮により鋳造品の
組織にひけが発生しやすいことが知られている。また、
金型のキャビティ内に金属溶湯を高速で射出するため、
金属溶湯に空気が巻き込まれ、鋳造品の内部に巣が生じ
やすいことが知られている。このような鋳造品のひけや
巣の発生を抑制するために、金型のキャビティ内に充填
された金属溶湯が凝固する直前に加圧ピンを金属溶湯に
押し込んで局部的に加圧し、ひけや巣をつぶす(スクイ
ズ)することが行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、溶融した金
属の冷却による凝固速度は非常に速い。このため、鋳造
品のひけや巣の発生を適切に抑制して良好な製品を得る
ためには、加圧ピンを金属溶湯に押し込むタイミング
や、加圧ピンの加圧力や加圧時間等を最適化する必要が
ある。たとえば、加圧ピンの押し込みが溶湯金属の凝固
が進行しすぎた状態で行われると、加圧ピンは所定の深
さまで押し込まれず、適切なスクイズ効果が得られな
い。また、加圧ピンの押し込みのタイミングが金属の凝
固が未だ進行していない状態で行われると、加圧ピンは
所定の深さ以上に押し込まれるが、溶融した金属に塑性
流動が発生せず、適切なスクイズ効果が得られない。ま
た、加圧ピンの押し込みのタイミングが適切であって
も、加圧ピンの加圧力や加圧時間等がばらつくと適切な
スクイズ効果が得られず、ダイカスト製品の品質にも影
響を与えてしまう。
【0004】従来において、加圧ピンの動作の良否判
断、すなわち、加圧ピンによる加圧動作によって適切な
スクイズ効果が得られたかの判断は、たとえば、加圧ピ
ンの押し込み量で判断していた。たとえば、加圧ピンの
押し込み量が所定の深さ(所定の範囲の押し込み量)よ
りも小さい場合には、加圧ピンの押し込みが溶湯金属の
凝固が進行しすぎた状態で行われたと判断でき、また、
加圧ピンの押し込み量が所定の押し込み量(所定の範囲
の押し込み量)よりも大きい場合には、加圧ピンの押し
込みのタイミングが金属の凝固が未だ進行していない状
態で行われたと判断できる。
【0005】しかしながら、検出した加圧ピンの最終的
な押し込み量からのみでは、加圧ピンによる加圧動作中
の加圧力や加圧時間等を予測できず、加圧力が適切にダ
イカスト製品に作用したかの判断は困難である。たとえ
ば、加圧ピンが加圧動作中に何らかの原因で運動が妨げ
られ、加圧力が大きく変動したような場合や、ダイカス
ト製品に実質的な加圧力が作用した時間が短い場合等、
検出した加圧ピンの最終的な押し込み量が所定の範囲に
収まっていたとしても、適切なスクイズ効果が得られな
い可能性もあり、製品の品質に大きな影響を与える可能
性がある。
【0006】本発明は、上述の問題に鑑みて成されたも
のであって、加圧ピンによるスクイズ効果が適切に行わ
れたかをより精度良く監視することができ、ダイカスト
製品の品質を向上、安定化させることができるダイカス
トマシンの加圧ピンモニタ装置および加圧ピンモニタ方
法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明のダイカストマシ
ンの加圧ピンモニタ装置は、金型キャビティ内に充填さ
れた金属溶湯を局部的に加圧する加圧ピンと、前記加圧
ピンを駆動する駆動手段とを備えたダイカストマシンに
おける前記加圧ピンの動作をモニタする加圧ピンモニタ
装置であって、前記加圧ピンの押し込み量を検出する押
し込み量検出手段と、前記加圧ピンの最大加圧力を検出
する加圧力検出手段と、前記検出された押し込み量およ
び最大加圧力に基づいて前記加圧ピンによる加圧動作の
良否を判別する判別手段とを有する。
【0008】前記判別手段は、検出した前記加圧ピンの
押し込み量および最大加圧力が予め設定された基準範囲
に収まっているかを判断して前記加圧ピンによる加圧動
作の良否を判別する。
【0009】また、本発明のダイカストマシンの加圧ピ
ンモニタ装置は、金型キャビティ内に充填された金属溶
湯を局部的に加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンを駆動
する駆動手段とを備えたダイカストマシンにおける前記
加圧ピンの動作をモニタする加圧ピンモニタ装置であっ
て、前記加圧ピンの変位を時系列に検出する変位検出手
段と、前記加圧ピンの加圧力の変動を時系列に検出する
加圧力検出手段と、前記検出された加圧ピンの加圧ピン
の変位および加圧力の変動の時系列データに基づいて、
前記加圧ピンによる加圧動作の良否を判別する判別手段
とを有する。
【0010】前記判別手段は、前記加圧ピンの変位およ
び加圧力の変動の時系列データが予め時系列に設定され
た判別基準範囲に収まっているかを判断して前記加圧ピ
ンによる加圧動作の良否を判別する。
【0011】また、本発明のダイカストマシンの加圧ピ
ンモニタ装置は、前記加圧ピンの変位および加圧力の変
動の時系列データを画面上にグラフ表示し、かつ、前記
判別基準範囲を示すデータを前記画面上にグラフ表示す
る表示手段をさらに有する。
【0012】また、本発明のダイカストマシンの加圧ピ
ンモニタ装置は、前記加圧ピンの変位の時系列データか
ら、前記加圧ピンの変位量が予め設定された変位量の所
定の割合に達するのに要する立ち上がり時間を算出する
立ち上がり時間算出手段と、前記加圧ピンの加圧力の変
動の時系列データから、前記加圧ピンの加圧力が実質的
に作用した加圧時間を算出する加圧時間検出手段と、を
さらに有し、前記判別手段は、当該算出された加圧ピン
の変位量および加圧時間に基づいて前記加圧ピンによる
加圧動作の良否を判別する構成としてもよい。
【0013】本発明のダイカストマシンの加圧ピンモニ
タ方法は、金型キャビティ内に充填された溶湯を局部的
に加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンを駆動する駆動手
段とを備えたダイカストマシンにおける前記加圧ピンの
動作をモニタする加圧ピンモニタ方法であって、前記加
圧ピンの変位および加圧力の変動を時系列に検出する検
出ステップと、前記検出された加圧ピンの加圧ピンの変
位および加圧力の変動の時系列データに基づいて、前記
加圧ピンによる加圧動作の良否を判別する判別ステップ
とを有する。
【0014】前記判別ステップは、前記加圧ピンの変位
および加圧力の変動の時系列データが予め時系列に設定
された判別基準範囲に収まっているかを判断する。
【0015】好適には、前記判別ステップは、前記加圧
ピンの変位および加圧力の変動の時系列データを画面上
にグラフ表示するとともに、これに重ねて前記判別基準
範囲を示すデータを前記画面上にグラフ表示し、前記加
圧ピンによる加圧動作の良否を視覚的に判別する。
【0016】本発明では、加圧ピンの押し込み量の検出
に加えて加圧ピンの加圧力の検出を行い、これら加圧ピ
ンの押し込み量および加圧力から加圧ピンの動作の良否
判定を行う。さらに、加圧ピンの押し込み量および加圧
力の検出は、加圧動作開始から時系列で行われ、押し込
み量および加圧力の時系列データに基づいて加圧ピンの
動作の良否判定を行う。このため、押し込み量のみから
加圧ピンの動作の良否判定を行う場合に比べて、より精
度良く加圧ピンのスクイズ効果が適切かの判断を行うこ
とができる。さらに、本発明では、上記の時系列データ
を画面上に表示するとともに、加圧ピンの動作の良否判
定を行うための判別基準範囲データを重ねて表示するこ
とで、加圧ピンの動作の良否判定を視覚的に行うことが
でき、また、加圧力の変動等の加圧ピンの動作を視覚的
に把握することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形
態に係るダイカストマシンの加圧ピンモニタ装置をダイ
カストマシンに適用した図である。図1に示すダイカス
トマシンは、固定金型4と可動金型5とを図示しない型
締装置によって所定の型締力で型締した状態で、これら
固定金型4と可動金型5との間に形成されたキャビティ
6に連通しているプランジャスリーブ7に金属溶湯を供
給した後、プランジャスリーブ7に移動自在に嵌合して
いるプランジャ8を駆動し、キャビティ6内に金属溶湯
を射出する。一方、可動金型5の背面側には、キャビテ
ィ6内に突出可能に加圧ピン2が設けられている。この
加圧ピン2は、油圧シリンダ3と連結されており、この
油圧シリンダ3によって駆動される。この加圧ピン2の
駆動制御は、ダイカストマシンの制御装置によって行わ
れ、たとえば、図示しない圧力センサによって金型のキ
ャビティ6への金属溶湯の充填完了に伴うプランジャ8
の射出圧力が検出され、この射出圧力が一定の値に達し
てから所定時間経過したら加圧ピン2の加圧動作が開始
し、凝固直前の金属溶湯を局部的に加圧する。
【0018】本実施形態に係る加圧ピンモニタ装置1
は、可動金型5に設置された変位検出器9と、油圧シリ
ンダ3を駆動する油圧が供給される管路に設けられ、当
該油圧を検出する圧力センサ10と、処理装置11と、
表示装置31とによって構成される。
【0019】変位検出器9は、加圧ピン2の中途に設け
られた接触部材9aに当接可能に設けられており、接触
部材9aとの接触によって加圧ピン2の変位量に応じた
電気信号を処理装置11に出力する。変位検出器9に
は、たとえば、電気式のダイアルゲージを用いることが
できるが、加圧ピン2の変位を検出できるものであれ
ば、特に限定されない。
【0020】圧力センサ10は、油圧シリンダ3を駆動
する油圧、すなわち、加圧ピン2の加圧力を発生させる
油圧が供給される管路に設けられており、当該油圧に応
じた電気信号を処理装置11に出力する。この圧力セン
サ10によって検出される圧力から加圧ピン2の加圧力
を検出することができる。
【0021】処理装置11に接続された表示装置31
は、処理装置11から出力される表示データを表示する
画面を備えており、この表示装置31には、たとえば、
CRTや液晶表示装置を用いることができる。
【0022】図2は、処理装置11の構成を示す構成図
である。なお、処理装置11は、上記のダイカストマシ
ンの制御装置内で実現してもよいし、ダイカストマシン
の制御装置とは別にパーソナルコンピュータで構成して
もよい。図2において、処理装置11は、加圧力検出部
12と、変位検出部13と、判別基準データ保持部14
と、加圧力データ保持部15と、変位データ保持部16
と、加圧力最大値検出部17と、加圧時間算出部18
と、立ち上がり時間算出部19と、最大押込量検出部2
0と、判別部21と、表示部20とを備えている。
【0023】ここで、変位検出器9、最大押込量検出部
20および変位検出部13は本発明の変位検出手段およ
び押し込み量検出手段を構成しており、圧力センサ1
0、加圧力検出部12および加圧力最大値検出部17は
本発明の加圧力検出手段を構成し、判別部21は本発明
の判別手段を構成し、立ち上がり時間算出部19は立ち
上がり時間算出手段を構成し、加圧時間算出部18は本
発明の加圧時間算出手段を構成しており、表示部22お
よび表示装置31は本発明の表示手段を構成している。
【0024】加圧力検出部12は、圧力センサ10の検
出信号10sを所定のサンプリング周期毎に取得し、こ
の検出信号10sを加圧ピン2の加圧力Pに変換し、こ
の加圧力データを逐次加圧力データ保持部15に出力す
る。
【0025】加圧力データ保持部15は、加圧力検出部
12から逐次入力される加圧ピン2の加圧力データを記
憶保持する。したがって、加圧力データ保持部15に
は、加圧ピン2の加圧力データが時系列で記憶される。
【0026】変位検出部13は、変位検出器9の検出信
号9sを所定のサンプリング周期毎に取得し、当該検出
信号9sを加圧ピン2の変位量に変換し、変位データ保
持部16に逐次出力する。
【0027】変位データ保持部16は、変位検出部13
から逐次入力される加圧ピン2の変位データを記憶保持
する。したがって、変位データ保持部16には、加圧ピ
ン2の変位データが時系列で記憶される。
【0028】最大加圧力検出部17は、加圧力データ保
持部15に加圧ピン2による加圧動作の開始から加圧動
作の完了に至るまでに検出され、記憶保持された加圧力
Pの時系列データに基づいて、加圧力Pの最大値Pmax
を検出し、この最大値Pmaxを判別部21に出力する。
ここで、図3に加圧動作における加圧ピンの変位量δお
よび加圧力Pの変化の一例を示す。図3において、横軸
は時間であり、縦軸は加圧ピン2の変位量δおよび加圧
力Pである。図3からわかるように、加圧ピン2による
加圧動作を開始すると、加圧力Pはある時点で急激に増
加し、最大値Pmax をとる。この加圧力Pの最大値Pma
x が加圧ピン2の加圧動作において実質的に作用した加
圧力である。
【0029】最大押込量検出部20は、変位データ保持
部16に加圧ピン2による加圧動作の開始から加圧動作
の完了に至るまでに検出され、記憶保持された加圧ピン
2の変位δの時系列データに基づいて、加圧ピン2の最
大変位量、すなわち、図3に示す最大押込量δmax を検
出し、これを判別部21に出力する。
【0030】立ち上がり時間算出部19は、変位データ
保持部16に記憶保持された加圧ピン2の変位の時系列
データから、加圧ピン2の変位量δが予め設定された最
大変位量δmax の所定の割合、たとえば、図3に示すよ
うに、90パーセントに達するのに要する立ち上がり時
間T1を算出し、これを判別部21に出力する。この立
ち上がり時間T1の値が適正な値に収まっていれば、加
圧ピン2によるダイカスト製品のスクイズ動作が適切に
行われたと判断することができる。すなわち、立ち上が
り時間T1が短いと、加圧ピン2の加圧開始のタイミン
グが早すぎたと判断することができ、立ち上がり時間T
1が長いと加圧ピン2の加圧開始のタイミングが遅すぎ
たと判断できる。
【0031】加圧時間算出部18は、加圧力データ保持
部15に加圧ピン2による加圧動作の開始から加圧動作
の完了に至るまでに検出され、記憶保持された加圧力P
の時系列データに基づいて、加圧ピン2の加圧力Pが実
質的に作用した加圧時間T2を算出する。すなわち、図
3に示すように、実質的に作用した加圧ピン2の加圧力
Pは最大値Pmax であり、加圧時間T2はこの最大値P
max が作用した時間である。この加圧時間T2の値が適
正な値に収まっていれば、加圧ピン2によるダイカスト
製品のスクイズ動作が適切に行われたと判断することが
できる。
【0032】判別基準データ保持部14は、判別部21
において加圧ピン2の加圧動作の良否を判断するための
各種データを保持している。判別基準データ保持部14
は、具体的には、加圧ピン2の加圧力Pの最大値Pmax
が適正かを判断するための基準データや、加圧ピン2の
加圧力Pの変化が適正かを判断するための時系列の基準
データや、加圧ピン2の最大押込量δmax が適正かを判
断するための基準データや、加圧ピン2の変位δが適正
かを判断するための時系列の基準データや、加圧時間T
2が適正かを判断するための基準データや、立ち上がり
時間T1が適正かを判断するための基準データを保持し
ている。これらの判別基準データは、たとえば、実際に
種々の鋳造条件でダイカスト製品を鋳造し、このダイカ
スト製品の品質を分析する等して、予め設定される。
【0033】判別部21は、加圧力データ保持部15に
保持された加圧力Pの時系列データおよび変位データ保
持部16に保持された加圧ピン2の変位の時系列データ
に基づいて、加圧ピン2による加圧動作の良否、すなわ
ち、加圧ピン2によるスクイズ効果が適正に得られたか
を判別する。また、判別部21は、最大押込量検出部2
0で検出された最大押込量δmax および最大加圧力検出
部17で検出された加圧力Pの最大値Pmax に基づいて
加圧ピン2による加圧動作の良否を判別する。
【0034】また、判別部21は、立ち上がり時間算出
部19で算出された立ち上がり時間T1が判別基準デー
タ保持部14に記憶された基準データの範囲に収まって
いるかを判断して、加圧ピン2による加圧動作の良否を
判別する。同様に、判別部21は、加圧時間算出部18
によって算出された加圧時間T2が判別基準データ保持
部14に記憶された基準データの範囲に収まっているか
を判断して、加圧ピン2による加圧動作の良否を判別す
る。
【0035】具体的には、最大押込量検出部20で検出
された最大押込量δmax および最大加圧力検出部17で
検出された加圧力Pの最大値Pmax に基づいて加圧ピン
2による加圧動作の良否を判別する場合には、判別基準
データ保持部14に保持された基準データと最大押込量
δmax および最大値Pmax とを比較する。判別基準デー
タ保持部14に保持された基準データは、たとえば、図
4に示す領域R1のように設定されている。図4の横軸
は加圧ピン2の変位量δであり、縦軸は加圧ピン2の加
圧力である。図4に示す領域R1は、加圧ピン2の最大
押込量δmax および加圧力Pの最大値Pmax を許容する
範囲を規定している。この領域R1の値は、上記したよ
うに、加圧ピン2によるスクイズ効果が適正に得られる
ときの加圧ピン2の最大押込量δmax および加圧力Pの
最大値Pmax を実際に実験等によって測定して得られる
ものである。また、図4に示す領域R1の形状は一例で
あり、この領域R1の形状は実験等から決定されるた
め、特に図4の形状に限定されるわけではない。
【0036】判別部21は、最大押込量検出部20で検
出された最大押込量δmax および最大加圧力検出部17
で検出された加圧力Pの最大値Pmax が図4の領域R1
の範囲に収まっている場合には、加圧ピン2による加圧
動作が適正であると判断する。たとえば、図4に示す時
系列データP1の加圧力Pおよび変位量の最大値は領域
R1内に収まっており、この時系列データP1から加圧
ピン2による加圧動作が適正であると判断できる。一
方、図4に示す時系列データP2のように、加圧力Pお
よび変位量の最大値が領域R1から外れている場合に
は、加圧ピン2による加圧動作が不適切であると判断さ
れる。
【0037】判別部21は、加圧ピン2の加圧力Pの時
系列データおよび変位δの時系列データに基づいて、加
圧ピン2による加圧動作の良否を判別する場合には、加
圧ピン2の変位δおよび加圧力Pの時系列データと、判
別基準データ保持部14に保持された図4に示す領域R
2のような基準データと比較する。すなわち、図4にお
いて、加圧ピン2による加圧動作が適正である場合に
は、たとえば、加圧ピン2の変位δおよび加圧力Pの時
系列データP1に示すように、時系列データP1はすべ
てのデータが領域R2内に収まっている。一方、図4に
示す時系列データP2のように、加圧力Pおよび変位量
δの値が領域R1およびR2から外れている場合には、
加圧ピン2による加圧動作が不適切であると判断され
る。
【0038】さらに、図4に示す時系列データP3のよ
うに、加圧力Pおよび変位量δの最大値は領域R1内に
最終的に収まっていても、加圧動作途中の加圧力Pおよ
び変位量δのデータが領域R2から外れている場合に
は、加圧ピン2による加圧動作が不適切であると判断さ
れる。すなわち、加圧力Pおよび変位量δの最大値のみ
を監視するのではなく、加圧力Pおよび変位量δの加圧
動作途中の加圧力Pおよび変位量δの変動を監視するこ
とで、より精度の高い判定が可能となる。
【0039】判別部21は、上記の各基準データに基づ
く加圧ピン2による加圧動作の良否の判定結果を表示部
21に出力する。なお、判別部21は、加圧ピン2の最
大押込量δmax および加圧力Pの最大値Pmax 、加圧ピ
ン2の変位δおよび加圧力P、立ち上がり時間T1およ
び加圧時間T2の全てに関して、加圧ピン2による加圧
動作が適正である場合に最終的な判定結果を出力する構
成としてもよいが、これらの要素のうち、任意のものあ
るいは任意の組合せに関しての加圧動作の良否の判定結
果を最終的な判定結果とする構成しても良い。
【0040】表示部20は、判別部21から出力される
判定結果を画面上に表示する。また、表示部20は、た
とえば、図3や図4に示したようなグラフを画面上に表
示する。すなわち、加圧力データ保持部15、変位デー
タ保持部16、判別基準データ保持部14、最大加圧力
検出部17、加圧力算出部18、立ち上がり時間算出部
19および最大押込量検出部20から得られるデータを
適宜グラフ化して表示装置31に出力する。
【0041】次に、上記構成の加圧ピンモニタ装置1に
よる加圧ピンのモニタ方法について図5に示すフローチ
ャートを参照して説明する。まず、プランジャスリーブ
7内に金属溶湯を供給し、プランジャ8を駆動して金型
のキャビティ6に金属溶湯を充填し、上記したように、
プランジャ8の射出圧力を検出して射出圧力が一定の値
に達してから所定時間経過したら加圧ピン2の加圧動作
を開始する(ステップS1)。
【0042】加圧ピン2の加圧動作の開始後、加圧ピン
2の変位δおよび加圧力Pの変動を時系列、すなわち、
所定のサンプリング周期毎に検出する(ステップS
2)。これにより、加圧ピン2の加圧動作が開始したの
ち加圧ピン2の加圧動作が完了するまでの加圧ピン2の
変位δおよび加圧力Pの時系列データが加圧力データ保
持部15および変位データ保持部16に記憶される。
【0043】処理装置11の判別部21では、検出され
た加圧ピン2の変位δおよび加圧力Pの時系列データお
よびこれらの最大値から、加圧ピン2による加圧動作の
良否を判定する(ステップS3)。これと同時に、立ち
上がり時間T1および加圧時間T2が算出され、これら
が適正かを判別する。
【0044】処理装置11の判別部21は、加圧ピン2
による加圧動作の良否の最終的な判定結果を表示部22
に出力し、処理装置11の表示部22は表示装置の画面
上に加圧動作の良否の判定結果を表示する(ステップS
4)。
【0045】同時に、処理装置11の表示部22は、た
とえば、図4に示したように、加圧力データ保持部1
5、変位データ保持部16、判別基準データ保持部1
4、最大加圧力検出部17、加圧時間算出部18、立ち
上がり時間算出部19および最大押込量検出部20から
得られるデータを適宜グラフ化して表示する(ステップ
S5)。たとえば、図4に示したグラフでは、加圧ピン
2の変位δおよび加圧力Pの変動の時系列データが画面
上にグラフ表示されるとともに、これに重ねて領域R1
およびR2からなる判別基準範囲を示す基準データが表
示される。これにより、オペレータは、表記装置31の
画面を見ると、加圧ピン2の変位δおよび加圧力Pの変
動の時系列データが領域R1およびR2内にあるかを瞬
時に判断することができる。すなわち、視覚的に加圧ピ
ン2の加圧動作の判定を行う(ステップS6)。さら
に、オペレータは、加圧ピン2の動作状態や加圧力の変
動等を視覚的に把握することができ、たとえば、加圧動
作が不良と判定された場合に、不良の原因を究明するた
めの材料とすることができる。
【0046】以上のように、本実施形態によれば、加圧
ピン2の加圧力P、変位δ、最大加圧力Pmax 、最大押
込量δmax 、立ち上がり時間T1、加圧時間T2等の各
種検出データに基づいて、加圧ピン2の加圧動作の良否
判定、すなわち、加圧ピン2によるスクイズ効果が適切
に得られたかを判断することで、加圧ピンによるスクイ
ズ効果が適切に行われたかをより精度良く監視すること
ができる。また、モニタした各種のデータから加圧ピン
2の動作タイミングや加圧力を調整することにより、加
圧ピンの動作を最適化することができ、ダイカスト製品
の品質の向上および安定化が可能となる。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、加圧ピンによるスクイ
ズ効果が適切に行われたかをより精度良く監視すること
ができる。また、モニタした結果を鋳造条件にフィード
バックすることで、ダイカスト製品の品質を向上、安定
化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイカストマシンの
加圧ピンモニタ装置の構成図である。
【図2】処理装置21の構成の一例を示す図である。
【図3】加圧動作における加圧ピンの変位量δおよび加
圧力Pの変化の一例を示すグラフである。
【図4】判別部21における加圧ピンの加圧動作の良否
判定の方法を説明するためのグラフである。
【図5】本発明のダイカストマシンの加圧ピンモニタ方
法の手順を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1…加圧ピンモニタ装置 2…加圧ピン 3…油圧シリンダ 9…変位検出器 10…圧力センサ 11…処理装置 12…加圧力検出部 13…変位検出部 14…判別基準データ保持部 15…加圧力データ保持部 16…変位データ保持部 17…加圧力最大値検出部 18…加圧時間算出部 19…立ち上がり時間算出部 20…最大押込量検出部 21…判別部 20…表示部 31…表示装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金型キャビティ内に充填された金属溶湯を
    局部的に加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンを駆動する
    駆動手段とを備えたダイカストマシンにおける前記加圧
    ピンの動作をモニタする加圧ピンモニタ装置であって、 前記加圧ピンの押し込み量を検出する押し込み量検出手
    段と、 前記加圧ピンの最大加圧力を検出する加圧力検出手段
    と、 前記検出された押し込み量および最大加圧力に基づいて
    前記加圧ピンによる加圧動作の良否を判別する判別手段
    とを有するダイカストマシンの加圧ピンモニタ装置。
  2. 【請求項2】前記判別手段は、検出した前記加圧ピンの
    押し込み量および最大加圧力が予め設定された基準範囲
    に収まっているかを判断して前記加圧ピンによる加圧動
    作の良否を判別する請求項1に記載のダイカストマシン
    の加圧ピンモニタ装置。
  3. 【請求項3】金型キャビティ内に充填された金属溶湯を
    局部的に加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンを駆動する
    駆動手段とを備えたダイカストマシンにおける前記加圧
    ピンの動作をモニタする加圧ピンモニタ装置であって、 前記加圧ピンの変位を時系列に検出する変位検出手段
    と、 前記加圧ピンの加圧力の変動を時系列に検出する加圧力
    検出手段と、 前記検出された加圧ピンの加圧ピンの変位および加圧力
    の変動の時系列データに基づいて、前記加圧ピンによる
    加圧動作の良否を判別する判別手段とを有するダイカス
    トマシンの加圧ピンモニタ装置。
  4. 【請求項4】前記判別手段は、前記加圧ピンの変位およ
    び加圧力の変動の時系列データが予め時系列に設定され
    た判別基準範囲に収まっているかを判断して前記加圧ピ
    ンによる加圧動作の良否を判別する請求項3に記載のダ
    イカストマシンの加圧ピンモニタ装置。
  5. 【請求項5】前記加圧ピンの変位および加圧力の変動の
    時系列データを画面上にグラフ表示し、かつ、前記判別
    基準範囲を示すデータを前記画面上にグラフ表示する表
    示手段をさらに有する請求項4に記載のダイカストマシ
    ンの加圧ピンモニタ装置。
  6. 【請求項6】前記加圧ピンの変位の時系列データから、
    前記加圧ピンの変位量が予め設定された変位量の所定の
    割合に達するのに要する立ち上がり時間を算出する立ち
    上がり時間算出手段と、 前記加圧ピンの加圧力の変動の時系列データから、前記
    加圧ピンの加圧力が実質的に作用した加圧時間を算出す
    る加圧時間検出手段と、をさらに有し、 前記判別手段は、当該算出された加圧ピンの変位量およ
    び加圧時間に基づいて前記加圧ピンによる加圧動作の良
    否を判別する請求項3〜5のいずれかに記載のダイカス
    トマシンの加圧ピンモニタ装置。
  7. 【請求項7】前記駆動手段は、油圧シリンダであり、 前記加圧力検出手段は、前記油圧シリンダを駆動する油
    圧から前記加圧ピンの加圧力を検出する請求項1〜6の
    いずれかに記載のダイカストマシンの加圧ピンモニタ装
    置。
  8. 【請求項8】金型キャビティ内に充填された溶湯を局部
    的に加圧する加圧ピンと、前記加圧ピンを駆動する駆動
    手段とを備えたダイカストマシンにおける前記加圧ピン
    の動作をモニタする加圧ピンモニタ方法であって、 前記加圧ピンの変位および加圧力の変動を時系列に検出
    する検出ステップと、 前記検出された加圧ピンの加圧ピンの変位および加圧力
    の変動の時系列データに基づいて、前記加圧ピンによる
    加圧動作の良否を判別する判別ステップとを有するダイ
    カストマシンの加圧ピンモニタ方法。
  9. 【請求項9】前記判別ステップは、前記加圧ピンの変位
    および加圧力の変動の時系列データが予め時系列に設定
    された判別基準範囲に収まっているかを判断する請求項
    8に記載のダイカストマシンの加圧ピンモニタ方法。
  10. 【請求項10】前記判別ステップは、前記加圧ピンの変
    位および加圧力の変動の時系列データを画面上にグラフ
    表示するとともに、これに重ねて前記判別基準範囲を示
    すデータを前記画面上にグラフ表示し、前記加圧ピンに
    よる加圧動作の良否を視覚的に判別する請求項9に記載
    のダイカストマシンの加圧ピンモニタ方法。
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US7370687B2 (en) 2006-02-21 2008-05-13 Toshiba Kikai Kabushiki Kaisha Method of detection of abnormality of squeeze pin and molding machine

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KR100850851B1 (ko) * 2006-02-21 2008-08-06 도시바 기카이 가부시키가이샤 압착핀의 이상 검출 방법 및 성형기

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