JP3080560B2 - ダイカスト鋳造における局部加圧方法および制御装置 - Google Patents
ダイカスト鋳造における局部加圧方法および制御装置Info
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- JP3080560B2 JP3080560B2 JP07052461A JP5246195A JP3080560B2 JP 3080560 B2 JP3080560 B2 JP 3080560B2 JP 07052461 A JP07052461 A JP 07052461A JP 5246195 A JP5246195 A JP 5246195A JP 3080560 B2 JP3080560 B2 JP 3080560B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キャビテイ内に充填さ
れた溶湯を所定のタイミングで加圧するためのダイカス
ト鋳造における局部加圧方法および制御装置に関する。
れた溶湯を所定のタイミングで加圧するためのダイカス
ト鋳造における局部加圧方法および制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、ダイカスト鋳造において、キャ
ビテイに溶湯が充填された後、この溶湯に対して局部加
圧(スクイズ)が行われている。押湯効果を有効に向上
させて凝固収縮による鋳巣の発生を防止するためであ
る。
ビテイに溶湯が充填された後、この溶湯に対して局部加
圧(スクイズ)が行われている。押湯効果を有効に向上
させて凝固収縮による鋳巣の発生を防止するためであ
る。
【0003】この種の局部加圧に関する技術として、例
えば、特開平4−94854号公報に開示されている技
術が知られている。この従来技術は、キャビテイ内に溶
湯の充填が完了した時のピークを経て下降する温度を計
測し、この温度が前記ピークを経た後、予め設定された
温度に下降した時点でスクイズピンを発射させるもので
ある。
えば、特開平4−94854号公報に開示されている技
術が知られている。この従来技術は、キャビテイ内に溶
湯の充填が完了した時のピークを経て下降する温度を計
測し、この温度が前記ピークを経た後、予め設定された
温度に下降した時点でスクイズピンを発射させるもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術では、溶湯の温度が予め設定された温度に達し
た時点でスクイズピンが発射されるため、該設定された
温度に至るまでの溶湯の冷却速度(凝固速度)について
は全く考慮されていない。このため、スクイズピンの加
圧速度は、溶湯の冷却速度(凝固速度)の変化にかかわ
らず一定に設定されており、有効な押湯効果を得ること
ができる局部加圧のタイミングを逸してしまうおそれが
ある。これにより、鋳巣等の不良が発生してしまい、良
好な品質の鋳造品を得ることができないという問題が指
摘されている。
従来技術では、溶湯の温度が予め設定された温度に達し
た時点でスクイズピンが発射されるため、該設定された
温度に至るまでの溶湯の冷却速度(凝固速度)について
は全く考慮されていない。このため、スクイズピンの加
圧速度は、溶湯の冷却速度(凝固速度)の変化にかかわ
らず一定に設定されており、有効な押湯効果を得ること
ができる局部加圧のタイミングを逸してしまうおそれが
ある。これにより、鋳巣等の不良が発生してしまい、良
好な品質の鋳造品を得ることができないという問題が指
摘されている。
【0005】本発明は、この種の問題を解決するもので
あり、キャビテイ内の溶湯に対して最適なタイミングで
局部加圧を行うことができ、高品質な鋳造品を確実かつ
効率的に得ることが可能なダイカスト鋳造における局部
加圧方法および制御装置を提供することを目的とする。
あり、キャビテイ内の溶湯に対して最適なタイミングで
局部加圧を行うことができ、高品質な鋳造品を確実かつ
効率的に得ることが可能なダイカスト鋳造における局部
加圧方法および制御装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記の課題を解決するた
めに、本発明は、キャビテイ内に溶湯が充填された後、
前記溶湯の下降する温度を順次検出する工程と、前記検
出された温度に基づいて温度勾配を求める工程と、前記
温度勾配に基づいて加圧速度を設定する工程と、該検出
された温度が所定の基準温度範囲内であるか否かを判断
し、前記基準温度範囲内であると判定された際、該検出
された温度から得られた前記加圧速度および加圧開始時
期を含む加圧条件に基づいて前記キャビテイ内の溶湯に
対して局部加圧を行う工程と、を有することを特徴とす
る。
めに、本発明は、キャビテイ内に溶湯が充填された後、
前記溶湯の下降する温度を順次検出する工程と、前記検
出された温度に基づいて温度勾配を求める工程と、前記
温度勾配に基づいて加圧速度を設定する工程と、該検出
された温度が所定の基準温度範囲内であるか否かを判断
し、前記基準温度範囲内であると判定された際、該検出
された温度から得られた前記加圧速度および加圧開始時
期を含む加圧条件に基づいて前記キャビテイ内の溶湯に
対して局部加圧を行う工程と、を有することを特徴とす
る。
【0007】さらに、本発明は、キャビテイ内に充填さ
れた溶湯の温度を検出する温度検出手段と、前記検出さ
れた温度に基づいて温度勾配を求める演算手段と、前記
温度勾配に基づいて加圧速度を得る加圧速度導出手段
と、前記得られた加圧速度の良否を判定する加圧速度判
定手段と、該検出された温度が所定の基準温度範囲内で
あるか否かを判定する温度判定手段と、前記加圧速度判
定手段および前記温度判定手段からの情報に基づいて加
圧速度および局部加圧開始時期等の加圧条件を設定する
加圧条件設定手段と、を備えることを特徴とする。
れた溶湯の温度を検出する温度検出手段と、前記検出さ
れた温度に基づいて温度勾配を求める演算手段と、前記
温度勾配に基づいて加圧速度を得る加圧速度導出手段
と、前記得られた加圧速度の良否を判定する加圧速度判
定手段と、該検出された温度が所定の基準温度範囲内で
あるか否かを判定する温度判定手段と、前記加圧速度判
定手段および前記温度判定手段からの情報に基づいて加
圧速度および局部加圧開始時期等の加圧条件を設定する
加圧条件設定手段と、を備えることを特徴とする。
【0008】
【作用】上記の本発明に係るダイカスト鋳造における局
部加圧方法および制御装置では、キャビテイ内に充填さ
れた溶湯の温度が順次検出されるとともに、この温度に
基づいて温度勾配が求められる。この温度勾配は、溶湯
の冷却曲線(凝固曲線)に対応しており、この温度勾配
に基づいて加圧速度が設定される。このため、溶湯の実
際の冷却速度(凝固速度)に則した正確な加圧速度が得
られ、溶湯温度が所定の基準温度範囲内になった時点
で、その溶湯温度に対応する前記加圧速度に基づく局部
加圧が開始されることによって、該局部加圧が最適のタ
イミングで確実に遂行される。これにより、押湯効果を
有効に維持して鋳巣のない、高品質な鋳造品を得ること
ができる。
部加圧方法および制御装置では、キャビテイ内に充填さ
れた溶湯の温度が順次検出されるとともに、この温度に
基づいて温度勾配が求められる。この温度勾配は、溶湯
の冷却曲線(凝固曲線)に対応しており、この温度勾配
に基づいて加圧速度が設定される。このため、溶湯の実
際の冷却速度(凝固速度)に則した正確な加圧速度が得
られ、溶湯温度が所定の基準温度範囲内になった時点
で、その溶湯温度に対応する前記加圧速度に基づく局部
加圧が開始されることによって、該局部加圧が最適のタ
イミングで確実に遂行される。これにより、押湯効果を
有効に維持して鋳巣のない、高品質な鋳造品を得ること
ができる。
【0009】
【実施例】本発明に係るダイカスト鋳造における局部加
圧方法および制御装置について実施例を挙げ、添付の図
面を参照して以下詳細に説明する。
圧方法および制御装置について実施例を挙げ、添付の図
面を参照して以下詳細に説明する。
【0010】図1において、参照数字10は、ダイカス
ト鋳造用金型を示す。この金型10には、流量制御装置
12によって駆動制御される加圧機構14と、本実施例
に係る局部加圧制御装置16とが装着される。
ト鋳造用金型を示す。この金型10には、流量制御装置
12によって駆動制御される加圧機構14と、本実施例
に係る局部加圧制御装置16とが装着される。
【0011】金型10は、複数の分割型からなり、その
内部に形成されるキャビテイ18には、射出プランジャ
20を介して溶湯が充填される。キャビテイ18は、鋳
造品、例えば、図2に示すコンプレッサ部品22に相当
する形状を有しており、このコンプレッサ部品22の部
分24に対応して加圧機構14が配置されている。
内部に形成されるキャビテイ18には、射出プランジャ
20を介して溶湯が充填される。キャビテイ18は、鋳
造品、例えば、図2に示すコンプレッサ部品22に相当
する形状を有しており、このコンプレッサ部品22の部
分24に対応して加圧機構14が配置されている。
【0012】加圧機構14は、流量制御装置12に駆動
制御される加圧シリンダ26と、この加圧シリンダ26
のロッド28に連結された加圧ピン(スクイズピン)3
0とを備えている。この加圧ピン30は、金型10に進
退自在に挿入されており、その先端部がキャビテイ18
に対しコンプレッサ部品22の部分24に対応して配置
されている。
制御される加圧シリンダ26と、この加圧シリンダ26
のロッド28に連結された加圧ピン(スクイズピン)3
0とを備えている。この加圧ピン30は、金型10に進
退自在に挿入されており、その先端部がキャビテイ18
に対しコンプレッサ部品22の部分24に対応して配置
されている。
【0013】図3に示すように、局部加圧制御装置16
は、金型10に埋設されてその先端がキャビテイ18に
臨む温度センサ32を含む温度検出手段34と、この温
度センサ32により検出された溶湯温度に基づいて温度
勾配を求める演算手段36と、この温度勾配に基づいて
加圧速度を得る加圧速度導出手段38と、前記得られた
加圧速度の良否を判定する加圧速度判定手段40と、前
記検出された温度が所定の基準温度範囲内であるか否か
を判定する温度判定手段42と、前記加圧速度判定手段
40および前記温度判定手段42からの情報に基づいて
加圧速度および局部加圧開始時期等の加圧条件を設定す
る加圧条件設定手段44とを備える。
は、金型10に埋設されてその先端がキャビテイ18に
臨む温度センサ32を含む温度検出手段34と、この温
度センサ32により検出された溶湯温度に基づいて温度
勾配を求める演算手段36と、この温度勾配に基づいて
加圧速度を得る加圧速度導出手段38と、前記得られた
加圧速度の良否を判定する加圧速度判定手段40と、前
記検出された温度が所定の基準温度範囲内であるか否か
を判定する温度判定手段42と、前記加圧速度判定手段
40および前記温度判定手段42からの情報に基づいて
加圧速度および局部加圧開始時期等の加圧条件を設定す
る加圧条件設定手段44とを備える。
【0014】次に、このように構成される局部加圧制御
装置16の動作について、本実施例に係る局部加圧方法
との関連で、図4に示すフローチャートに基づいて説明
する。
装置16の動作について、本実施例に係る局部加圧方法
との関連で、図4に示すフローチャートに基づいて説明
する。
【0015】先ず、局部加圧の加圧力が、予め加圧条件
設定手段44に設定される(ステップS1)。その際、
内部品質が良好な場合の加圧力の範囲は、実際上、2t
/cm2 〜3t/cm2 であり、本実施例では、加圧力
が2t/cm2 に設定される。
設定手段44に設定される(ステップS1)。その際、
内部品質が良好な場合の加圧力の範囲は、実際上、2t
/cm2 〜3t/cm2 であり、本実施例では、加圧力
が2t/cm2 に設定される。
【0016】次いで、射出プランジャ20を介して金型
10のキャビテイ18に溶湯が充填されると(ステップ
S2中、YES)、このキャビテイ18に臨む温度セン
サ32による溶湯温度の検出が所定間隔毎に順次行われ
る(ステップS3)。
10のキャビテイ18に溶湯が充填されると(ステップ
S2中、YES)、このキャビテイ18に臨む温度セン
サ32による溶湯温度の検出が所定間隔毎に順次行われ
る(ステップS3)。
【0017】温度センサ32により検出された温度は、
温度検出手段34から演算手段36に送られ、この演算
手段36で温度勾配が算出される(ステップS4)。す
なわち、図5において、時間t1 における温度勾配を求
める場合、任意の測定時間tp毎に数値微分法により各
時間tp毎の温度勾配を求め、加算平均して得られた値
を前記時間t1 における温度勾配とする。
温度検出手段34から演算手段36に送られ、この演算
手段36で温度勾配が算出される(ステップS4)。す
なわち、図5において、時間t1 における温度勾配を求
める場合、任意の測定時間tp毎に数値微分法により各
時間tp毎の温度勾配を求め、加算平均して得られた値
を前記時間t1 における温度勾配とする。
【0018】これを、n点平均で行う際の一般式は、
(1)式に示される通りである。このnは、実際上、1
0≧n≧3の範囲に設定される。nが2以下だと誤差が
大きくなる一方、このnが11以上であると計算に相当
な時間がかかってしまうからである。
(1)式に示される通りである。このnは、実際上、1
0≧n≧3の範囲に設定される。nが2以下だと誤差が
大きくなる一方、このnが11以上であると計算に相当
な時間がかかってしまうからである。
【0019】 温度勾配= 1/n{(ΔT/Δt)t1-(n-1)tp+(ΔT/Δt)t1-(n-2)tp ・・・ +(ΔT/Δt)t1-tp +(ΔT/Δt)t1 } …(1) そこで、本実施例では、3点平均を用いて時間t1 にお
ける温度勾配を求めることにする。この時間t1 におけ
る温度勾配は、(2)式から算出することができる。
ける温度勾配を求めることにする。この時間t1 におけ
る温度勾配は、(2)式から算出することができる。
【0020】 温度勾配= 1/3{(ΔT/Δt)t1-2tp+(ΔT/Δt)t1-tp +(ΔT/Δt)t1 } …(2) 上記のように算出手段36によって温度勾配が算出され
た後、ステップS5に進んで加圧速度導出手段38によ
り加圧速度が導出される。ここで、良好な押湯効果を得
るための温度勾配と加圧速度Vpとは、図6に示す関係
を有している。従って、(2)式において時間tp=
0.1secに設定して得られた温度勾配が70℃/s
ecである場合、加圧速度Vp=10mm/secとな
る。
た後、ステップS5に進んで加圧速度導出手段38によ
り加圧速度が導出される。ここで、良好な押湯効果を得
るための温度勾配と加圧速度Vpとは、図6に示す関係
を有している。従って、(2)式において時間tp=
0.1secに設定して得られた温度勾配が70℃/s
ecである場合、加圧速度Vp=10mm/secとな
る。
【0021】さらに、前記得られた加圧速度Vp(=1
0mm/sec)の良否が、加圧速度判定手段40によ
り判定される(ステップS6)。加圧速度の良否とは、
該加圧速度で局部加圧を行って得られた鋳造品に発生す
る引け巣の量が品質上許容できるか否かに基づいて設定
されるものであり、これが図7に示されている。前記得
られた加圧速度Vpが10mm/secであるため、こ
の加圧速度Vpは、品質上問題のないものと判定され、
加圧条件設定手段44に送られる。
0mm/sec)の良否が、加圧速度判定手段40によ
り判定される(ステップS6)。加圧速度の良否とは、
該加圧速度で局部加圧を行って得られた鋳造品に発生す
る引け巣の量が品質上許容できるか否かに基づいて設定
されるものであり、これが図7に示されている。前記得
られた加圧速度Vpが10mm/secであるため、こ
の加圧速度Vpは、品質上問題のないものと判定され、
加圧条件設定手段44に送られる。
【0022】一方、温度検出手段34は、演算手段36
の他に温度判定手段42に検出温度を供給しており、こ
の温度判定手段42では、該検出温度が所定の基準温度
範囲内であるか否かが判断される(ステップS7)。す
なわち、温度センサ32で検出された温度T1 から溶湯
に固有な固相線温度TS を引いた値が、溶湯に固有な液
相線温度TL から前記固相線温度TS を引いた値に定数
Kを掛けた値よりも小さいとき、この温度T1 が基準温
度範囲内であると判定される。なお、定数Kは、成分や
形状によって決まる値であり、0<K<1の範囲、通常
は0.5に設定される。
の他に温度判定手段42に検出温度を供給しており、こ
の温度判定手段42では、該検出温度が所定の基準温度
範囲内であるか否かが判断される(ステップS7)。す
なわち、温度センサ32で検出された温度T1 から溶湯
に固有な固相線温度TS を引いた値が、溶湯に固有な液
相線温度TL から前記固相線温度TS を引いた値に定数
Kを掛けた値よりも小さいとき、この温度T1 が基準温
度範囲内であると判定される。なお、定数Kは、成分や
形状によって決まる値であり、0<K<1の範囲、通常
は0.5に設定される。
【0023】ステップS3からステップS6の工程が所
定間隔毎に行われており、検出された溶湯の温度T1が
基準温度範囲外であると判定されると(ステップS7
中、NO)、このステップS3で順次検出される新たな
温度T1が基準温度範囲内であるか否かが判断される。
そして、新たに検出された温度T1が基準温度範囲内で
あると判定されると(ステップS7中、YES)、この
温度T1が加圧条件設定手段44に導入され、加圧開始
時期が設定される(ステップS8)。
定間隔毎に行われており、検出された溶湯の温度T1が
基準温度範囲外であると判定されると(ステップS7
中、NO)、このステップS3で順次検出される新たな
温度T1が基準温度範囲内であるか否かが判断される。
そして、新たに検出された温度T1が基準温度範囲内で
あると判定されると(ステップS7中、YES)、この
温度T1が加圧条件設定手段44に導入され、加圧開始
時期が設定される(ステップS8)。
【0024】これにより、加圧条件設定手段44では、
加圧力(2t/cm2 )、加圧開始時期(充填完了後
2.5秒)および加圧速度(10mm/sec)が設定
され、局部加圧制御装置16は、流量制御装置12に対
して局部加圧開始を指令する(ステップS9)。このた
め、加圧機構14を構成する加圧シリンダ26が駆動さ
れ、加圧ピン30がキャビテイ18内に上記条件下で導
入され、このキャビテイ18に充填されている溶湯に対
し局部加圧を開始する。加圧ピン30は、予め設定され
た加圧保持時間だけ保持された後(ステップS10)、
加圧シリンダ26を介して後退し、局部加圧が完了す
る。
加圧力(2t/cm2 )、加圧開始時期(充填完了後
2.5秒)および加圧速度(10mm/sec)が設定
され、局部加圧制御装置16は、流量制御装置12に対
して局部加圧開始を指令する(ステップS9)。このた
め、加圧機構14を構成する加圧シリンダ26が駆動さ
れ、加圧ピン30がキャビテイ18内に上記条件下で導
入され、このキャビテイ18に充填されている溶湯に対
し局部加圧を開始する。加圧ピン30は、予め設定され
た加圧保持時間だけ保持された後(ステップS10)、
加圧シリンダ26を介して後退し、局部加圧が完了す
る。
【0025】この場合、本実施例では、キャビテイ18
に充填された溶湯の下降する温度を検出するとともに、
この溶湯の温度勾配(すなわち、凝固速度)を検出し、
この温度勾配に対応する最適加圧速度が得られる。従っ
て、溶湯の凝固速度が種々変更しても、この凝固速度に
沿った最適加圧速度を得ることができ、局部加圧のタイ
ミングを常に最適状態で設定することが可能になる。
に充填された溶湯の下降する温度を検出するとともに、
この溶湯の温度勾配(すなわち、凝固速度)を検出し、
この温度勾配に対応する最適加圧速度が得られる。従っ
て、溶湯の凝固速度が種々変更しても、この凝固速度に
沿った最適加圧速度を得ることができ、局部加圧のタイ
ミングを常に最適状態で設定することが可能になる。
【0026】これによって、加圧ピン30による押湯効
果を有効に維持することができ、溶湯の凝固収縮による
鋳巣の発生を確実に防止し、高品質な鋳造品を効率的に
鋳造することができるという効果が得られる。なお、キ
ャビテイ18内の溶湯の温度変化と加圧時期とが実際に
測定され、その結果が、図8に示されている。
果を有効に維持することができ、溶湯の凝固収縮による
鋳巣の発生を確実に防止し、高品質な鋳造品を効率的に
鋳造することができるという効果が得られる。なお、キ
ャビテイ18内の溶湯の温度変化と加圧時期とが実際に
測定され、その結果が、図8に示されている。
【0027】
【発明の効果】本発明に係るダイカスト鋳造における局
部加圧方法および制御装置では、以下の効果乃至利点が
得られる。
部加圧方法および制御装置では、以下の効果乃至利点が
得られる。
【0028】キャビテイ内に充填された溶湯の温度およ
びこの温度に基づく温度勾配が得られ、この温度勾配に
基づいて加圧速度が設定される。このため、溶湯の実際
の冷却速度(凝固速度)に則した加圧速度が得られ、溶
湯温度が基準温度範囲内になった時点で前記加圧速度に
基づく局部加圧が開始されることによって、該局部加圧
が最適のタイミングで確実に遂行される。これにより、
押湯効果を有効に維持して鋳巣のない、高品質な鋳造品
を効率的に得ることができる。
びこの温度に基づく温度勾配が得られ、この温度勾配に
基づいて加圧速度が設定される。このため、溶湯の実際
の冷却速度(凝固速度)に則した加圧速度が得られ、溶
湯温度が基準温度範囲内になった時点で前記加圧速度に
基づく局部加圧が開始されることによって、該局部加圧
が最適のタイミングで確実に遂行される。これにより、
押湯効果を有効に維持して鋳巣のない、高品質な鋳造品
を効率的に得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係る局部加圧制御装置を組み込む金
型の説明図である。
型の説明図である。
【図2】前記金型で鋳造される鋳造品の一例の説明図で
ある。
ある。
【図3】前記局部加圧制御装置の構成を示すブロック図
である。
である。
【図4】本実施例に係る局部加圧方法を説明するフロー
チャートである。
チャートである。
【図5】温度勾配を求める際の説明図である。
【図6】温度勾配と加圧速度の関係図である。
【図7】加圧速度と品質の関係図である。
【図8】本発明を実際に適用した際の測定例である。
10…金型 12…流量制御
装置 14…加圧機構 16…局部加圧
制御装置 18…キャビテイ 30…加圧ピン 32…温度センサ 34…温度検出
手段 36…演算手段 38…加圧速度
導出手段 40…加圧速度判定手段 42…温度判定
手段 44…加圧条件設定手段
装置 14…加圧機構 16…局部加圧
制御装置 18…キャビテイ 30…加圧ピン 32…温度センサ 34…温度検出
手段 36…演算手段 38…加圧速度
導出手段 40…加圧速度判定手段 42…温度判定
手段 44…加圧条件設定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 広野 久雄 埼玉県狭山市新狭山1−10−1 ホンダ エンジニアリング株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−156560(JP,A) 特開 平5−253658(JP,A) 特開 平4−94854(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) B22D 17/22 B22D 17/32
Claims (3)
- 【請求項1】キャビテイ内に溶湯が充填された後、前記
溶湯の下降する温度を順次検出する工程と、 前記検出された温度に基づいて温度勾配を求める工程
と、 前記温度勾配に基づいて加圧速度を設定する工程と、 該検出された温度が所定の基準温度範囲内であるか否か
を判断し、前記基準温度範囲内であると判定された際、
該検出された温度から得られた前記加圧速度および加圧
開始時期を含む加圧条件に基づいて前記キャビテイ内の
溶湯に対して局部加圧を行う工程と、 を有することを特徴とするダイカスト鋳造における局部
加圧方法。 - 【請求項2】請求項1記載の局部加圧方法において、前
記基準温度範囲は、該検出された温度T1 が、 T1 −TS <K×(TL −TS ) 但し、TS :溶湯に固有な固相線温度 TL :溶湯に固有な液相線温度 K :定数(0<K<1) の条件を満たす範囲であることを特徴とするダイカスト
鋳造における局部加圧方法。 - 【請求項3】キャビテイ内に充填された溶湯の温度を検
出する温度検出手段と、 前記検出された温度に基づいて温度勾配を求める演算手
段と、 前記温度勾配に基づいて加圧速度を得る加圧速度導出手
段と、 前記得られた加圧速度の良否を判定する加圧速度判定手
段と、 該検出された温度が所定の基準温度範囲内であるか否か
を判定する温度判定手段と、 前記加圧速度判定手段および前記温度判定手段からの情
報に基づいて加圧速度および局部加圧開始時期等の加圧
条件を設定する加圧条件設定手段と、 を備えることを特徴とするダイカスト鋳造における局部
加圧制御装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
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