JP2001209178A - 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物 - Google Patents

光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物

Info

Publication number
JP2001209178A
JP2001209178A JP2000016757A JP2000016757A JP2001209178A JP 2001209178 A JP2001209178 A JP 2001209178A JP 2000016757 A JP2000016757 A JP 2000016757A JP 2000016757 A JP2000016757 A JP 2000016757A JP 2001209178 A JP2001209178 A JP 2001209178A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
dry film
acid
resin
film resist
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2000016757A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4093335B2 (ja
Inventor
Takao Koyanagi
敬夫 小柳
Minoru Yokoshima
実 横島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Kayaku Co Ltd
Original Assignee
Nippon Kayaku Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Kayaku Co Ltd filed Critical Nippon Kayaku Co Ltd
Priority to JP2000016757A priority Critical patent/JP4093335B2/ja
Publication of JP2001209178A publication Critical patent/JP2001209178A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4093335B2 publication Critical patent/JP4093335B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】無溶剤型のドライフィルムレジスト形態を取
れ、その樹脂層は現像性、感光性、表面硬化性に優れ、
その硬化物は、耐屈曲性、耐折性、耐溶剤性、耐酸性、
耐熱性等に優れた、アルカリ水溶液現像性光カチオン硬
化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物を提供する
こと。 【解決手段】樹脂組成物が支持フィルムと保護フィルム
でサンドイッチされた構造からなるドライフィルムレジ
ストにおいて、該樹脂組成物が、式(1) 【化1】 で表される化合物のアルコール性水酸基におけるグリシ
ジル化物であってエポキシ当量が200〜400g/当
量であるエポキシ樹脂(a)とモノカルボン酸(b)と
の付加生成物と二塩基酸無水物(c)との反応生成物で
あるポリカルボン酸樹脂(A)、光カチオン重合開始剤
(B)及び硬化成分(C)を必須成分とする樹脂組成物
であることを特徴とする光カチオン硬化型ドライフィル
ムレジスト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光カチオン硬化型
ドライフィルムレジスト及びその硬化物に関し、特にフ
レキシブルプリント配線基板用レジストに有用な組成物
並びにその硬化物に関する。更に詳しくは、フレキシブ
ルプリント配線基板製造の際のソルダーレジスト、メッ
キレジスト及び層間絶縁膜等に使用でき、無溶剤の形態
を取り、光に対する感度が高く、希アルカリ水溶液で現
像が可能であり、その硬化物は、表面硬化性、密着性、
耐薬品性、耐金メッキ性、耐熱性等に優れたレジストイ
ンキに適した組成物、その硬化物及びそれを用いたプリ
ント配線基板に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、省資源、省エネルギー、作業性向
上、生産性向上などの理由により各種分野において紫外
線硬化型組成物が多用されてきている。プリント配線基
板加工分野においても同様の理由によりソルダーレジス
トインキ、マーキングインキ等種々のインキが従来の熱
硬化型組成物から紫外線硬化型組成物へと移行してい
る。例えば、特公昭56−40329号公報には、エポ
キシ樹脂の光重合性α,β−不飽和カルボン酸付加生成
物と二塩基性カルボン酸無水物との反応生成物、光重合
性単量体及び光重合開始剤を含有する硬化性感光材料が
記載されている。また、カラーフィルター分野において
特開平9−325494号公報には、重合性不飽和基を
有するジオール化合物と酸二無水物とを反応させて得ら
れたカルボキシ基含有交互共重合体が提案されている。
また、特開平9−325493号公報には、重合性不飽
和基を有するジオール化合物と酸二無水物とを反応させ
て得られたカルボキシ基含有交互共重合体の末端水酸基
にジイソシアネート化合物を反応させ、可撓性(フレキ
シブル性)を持たせた樹脂が提案されている。
【0003】これまで、フレキシブルプリント配線基板
といわれているポリイミド基板に用いるソルダーレジス
トは、カバーレイフィルムと呼ばれるポリイミドフィル
ムをパターンに合わせた金型を作製し、打ち抜いた後接
着剤を用いて貼り付けるタイプや、可撓性を持たせた紫
外線硬化型又は熱硬化型のソルダーレジストインキをス
クリーン印刷法により塗布するタイプのものであった。
一方リッジド(硬質)基板と呼ばれる一般のプリント配
線基板は、エレクトロニクスの進歩に伴う高密度化実現
のため、ソルダーレジストに対しても高精度、高解像性
の要求が高まってきている。従来のスクリーン印刷法で
は、パターン精度が得られないため、液状フォトレジス
ト法が提案され、現在50%以上導入されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】フレキシブルプリント
配線基板の分野でも高密度化が近年要求されているが、
従来の液状フォトソルダーレジストではパターン精度は
得られるもののラジカル硬化型であるため表面硬化性が
低く、また塗膜が硬くポリイミドとの接着性が悪いた
め、十分な可撓性や耐折性が得られず、又可撓性はある
程度得られるものの作業性が悪く耐薬品性、耐熱性が不
十分であり問題が有る。
【0005】さらに、近年の環境汚染の問題から、生分
解性が高く、かつ安全性の高い有機溶剤を使用する方向
にあるが、これらの有機溶剤においても引火性等の問題
があるため、無溶剤型の樹脂組成物が望まれている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前述の課
題を解決するため鋭意研究の結果、特定のカチオン硬化
型ポリカルボン酸樹脂を使用することによって、ドライ
フィルム化ができ、希アルカリ水溶液での現像が可能で
あり、その硬化皮膜も可撓性、耐折性、密着性、耐薬品
性、耐熱性等に優れたフレキシブルプリント配線基板用
レジストインキ組成物を見出し本発明を完成させた。す
なわち本発明は、(1) 樹脂組成物が支持フィルムと
保護フィルムでサンドイッチされた構造からなるドライ
フィルムレジストにおいて、該樹脂組成物が、式(1)
【0007】
【化3】 (2行で一つの式を表す)
【0008】(式中、R1、R2、R3、R4は、それ
ぞれ水素原子、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原
子を示し、Xはそれぞれ置換基を有していても良いメチ
レン基、スルホニル基またはカルボニル基を示し、nは
平均値で1〜10の数を表す。)で表される化合物のア
ルコール性水酸基におけるグリシジル化物であってエポ
キシ当量が200〜400g/当量であるエポキシ樹脂
(a)とモノカルボン酸(b)との付加生成物と二塩基
酸無水物(c)との反応生成物であるポリカルボン酸樹
脂(A)、光カチオン重合開始剤(B)及び硬化成分
(C)を必須成分とする樹脂組成物であることを特徴と
する光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト、(2)
モノカルボン酸(b)が、アルコール性ヒドロキシ基
を有するモノカルボン酸化合物である(1)記載の光カ
チオン硬化型ドライフィルムレジスト、(3) アルコ
ール性ヒドロキシ基を有するモノカルボン酸化合物が、
ジメチロールプロピオン酸またはジメチロールブタン酸
である(1)または(2)に記載の光カチオン硬化型ド
ライフィルムレジスト、(4) モノカルボン酸(b)
の付加率が、エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量の10
〜70モル%である(1)乃至(3)のいずれか一項記
載の光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト、(5)
二塩基酸無水物(c)が、無水コハク酸、無水フタル
酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタ
ル酸、無水マレイン酸または、下記式(2)
【0009】
【化4】
【0010】の中から選択してなる1種または2種以上
の二塩基酸無水物である(1)乃至(4)のいずれか一
項記載の光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト、
(6) ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が、5
0〜150mg・KOH/gの範囲にある(1)乃至
(5)のいずれか一項記載の光カチオン硬化型ドライフ
ィルムレジスト、(7) (1)乃至(6)のいずれか
一項記載の光カチオン硬化型ドライフィルムレジストを
保護フィルムを剥離しながら、基板に熱圧着する工程、
支持フィルム上にパターンマスクを置き露光する工程、
露光後加熱を行う工程、支持フィルムを剥離する工程、
アルカリ水溶液にて現像する工程及びポストキュアーを
する工程を経て硬化パターンを得ることを特徴とするパ
ターニング方法、(8) (7)に記載の光カチオン硬
化型樹脂組成物の硬化物、(9) (8)に記載の硬化
物の層を有するプリント基板を提供することにある。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の光カチオン硬化型ドライ
フィルムレジストは、前記で式(1)表される化合物の
アルコール性水酸基におけるグリシジル化物であってエ
ポキシ当量が200〜400g/eqであるエポキシ樹
脂(a)とモノカルボン酸(b)との付加生成物と二塩
基酸無水物(c)との反応生成物であるポリカルボン酸
樹脂(A)、光カチオン重合開始剤(B)及び硬化成分
(C)を必須成分とする樹脂組成物を支持フィルムと保
護フィルムでサンドイッチされた構造からなるドライフ
ィルムレジストである。
【0012】前記式(1)において、R1、R2、R
3、R4は、それぞれ、水素原子、C1〜C4のアルキ
ル基、もしくはハロゲン原子である。Xは、それぞれ置
換基を有していても良いメチレン基、スルホニル基また
はカルボニル基であり、nは平均値で1〜10の数であ
る。前記式(1)において、C1〜C4のアルキル基と
しては、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、
イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブ
チル基等があげられ、ハロゲン原子としては、例えばフ
ッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等があげら
れる。置換基を有していても良いメチレン基としては、
例えばメチレン基、イソプロピリデン基、ヘキサフルオ
ロイソプロピリデン基等があげられる。また、nは平均
値で1〜10の数、好ましくは2〜7の数である。な
お、nは式(1)の化合物のエポキシ当量より計算でき
る。前記式(1)において、R1、R2、R3、R4、
Xの好ましい組み合わせとしては、例えばR1、R2、
R3、R4のいずれもが水素原子で、Xがメチレン基ま
たはイソプロピリデン基があげられる。このようなもの
として、例えばNER7000シリーズ、NER100
0シリーズ(いずれも日本化薬(株)製)があげられ
る。nは2から7が好ましい。
【0013】本発明のドライフィルムレジストに使用す
るポリカルボン酸樹脂(A)は、前記のエポキシ樹脂
(a)とモノカルボン酸(b)とを反応させ、更に二塩
基酸無水物(c)を反応させて得ることができる。具体
的には、第一の反応で、エポキシ樹脂(a)のエポキシ
当量の10〜70モル%にあたる量のモノカルボン酸
(b)のカルボキシル基とエポキシ基を付加反応させる
ことによりヒドロキシ基が形成され、第二の反応で、生
成されたもしくは導入されたヒドロキシ基と二塩基酸無
水物(c)とを半エステル化させることにより得られ
る。
【0014】本発明のドライフィルムレジストに使用す
るポリカルボン酸樹脂(A)を合成する際に使用される
モノカルボン酸(b)としては、例えば酢酸、プロピオ
ン酸、ブタン酸、(メタ)アクリル酸、桂皮酸、シアノ
桂皮酸、モノメチロールプロピオン酸、ジメチロールプ
ロピオン酸、モノメチロールブタン酸、ジメチロールブ
タン酸等が挙げられ、これらのモノカルボン酸(b)は
一種または二種以上混合して使用することができる。特
にエポキシ樹脂(a)のエポキシ基とモノカルボン酸
(b)とを反応させて得られる化合物に後述する二塩基
酸無水物(c)と反応可能な多くのアルコール性ヒドロ
キシ基を導入することができるジメチロールプロピオン
酸、ジメチロールブタン酸が好ましい。
【0015】これらのモノカルボン酸(b)の付加率
は、エポキシ樹脂(a)のエポキシ当量の10〜70モ
ル%であることが好ましい。付加率が10モル%未満の
場合、生成もしくは導入されるアルコール性ヒドロキシ
基の量が低く、二塩基酸無水物(c)の導入量が低くな
り、アルカリ水溶液現像性が低下する。また、付加率が
70モル%を超えると、残存するエポキシ基の量が少な
くなり、カチオン硬化性が不充分となるので好ましくな
い。
【0016】エポキシ樹脂(a)とモノカルボン酸
(b)との反応は、ヒドロキシ基を有さない溶媒、具体
的には例えば、アセトン、エチルメチルケトン、シクロ
ヘキサノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシ
レン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、
エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチ
ルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル
などのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブア
セテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトール
アセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテートなどのエステル類、石油エーテル、石油ナフ
サ、水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶
剤等の有機溶剤類中で反応させる。
【0017】反応時には、反応を促進させるために触媒
を使用することが好ましく、該触媒の使用量は、反応原
料混合物に対して0.1〜10重量%である。その際の
反応温度は60〜150℃であり、また反応時間は、好
ましくは5〜60時間である。この反応で使用する触媒
としては、例えばトリエチルアミン、ベンジルジメチル
アミン、トリエチルアンモニウムクロライド、ベンジル
トリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチ
ルアンモニウムアイオダイド、トリフェニルフォスフィ
ン、トリフェニルスチビン、メチルトリフェニルスチビ
ン、オクタン酸クロム、オクタン酸ジルコニウム等が挙
げられる。
【0018】本発明のドライフィルムレジストに使用す
るポリカルボン酸樹脂(A)を合成する際に使用される
二塩基酸無水物(c)としては例えば、無水コハク酸、
無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
ロ無水フタル酸、無水マレイン酸または上記式(2)で
示される化合物の中から選択してなる1種または2種以
上の二塩基酸無水物が挙げられる。
【0019】これらの二塩基酸無水物(c)は一種また
は二種以上混合して使用することができる。二塩基酸無
水物(c)は、エポキシ樹脂(a)とモノカルボン酸
(b)との反応により生成もしくは導入されたヒドロキ
シ基に付加することにより半エステル化され、カルボン
酸を生成する。この生成したカルボン酸は、アルカリ水
溶液現像性を持たせるため必要不可欠なものであり、本
発明のポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価が、50
〜150mg・KOH/gとなるようにすることが好ま
しい。固形分酸価が50mg・KOH/g未満の場合
は、後述する樹脂組成物のアルカリ水溶液現像性が著し
く低下し、最悪の場合現像できなくなるので好ましくな
い。一方固形分酸価が50〜150mg・KOH/gを
超える場合、アルカリ水溶液現像性が高すぎ、現像密着
性が低下したり、最悪の場合パターンが得られなくなる
恐れがある。
【0020】エポキシ樹脂(a)とモノカルボン酸
(b)との反応生成物と二塩基酸無水物(c)との反応
は、反応後の固形分酸価が前述の範囲で示される量とな
るような計算量を反応させることによって得られる。そ
の際の反応温度は通常60〜150℃が好ましく、反応
時間は1〜10時間である。
【0021】本発明のドライフィルムレジストに使用す
るポリカルボン酸樹脂(A)を得るために使用するエポ
キシ樹脂(a)は、式(1)の化合物のアルコール性水
酸基とエピクロルヒドリン等のエピハロヒドリンを、好
ましくはジメチルスルホキシドの存在下に、反応させる
ことによって得ることができる。エピハロヒドリンの使
用量は、式(1)の化合物におけるアルコール性ヒドロ
キシ基1当量に対し、1当量以上使用すれば良い。しか
しながら、アルコール性ヒドロキシ基1当量に対し、1
5当量を超えて使用すると、増量した効果はほとんどな
くなる一方容積効率も低下するので好ましくない。
【0022】ジメチルスルホキシドを用いる場合その使
用量は、式(1)で示される化合物に対して5〜300
重量%が好ましい。この量が5重量%未満の場合、式
(1)の化合物におけるアルコール性ヒドロキシ基とエ
ピハロヒドリンとの反応が遅くなり長時間の反応が必要
となり、一方300重量%を越えると増量した効果はほ
とんどなくなり、容積効率も低下するので好ましくな
い。
【0023】反応を行う際、アルカリ金属水酸化物を使
用することができる。アルカリ金属水酸化物としては、
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が使用できるが水
酸化ナトリウムが好ましい。アルカリ金属水酸化物の使
用量は、、式(1)の化合物のアルコール性ヒドロキシ
基全量をエポキシ化したい場合は過剰に使用しても良い
が、アルコール性ヒドロキシ基1当量に対して、2当量
を超えて使用すると、高分子化が起こる傾向にある。
【0024】アルカリ金属水酸化物は固形でも水溶液の
状態で使用しても差し支えない。反応温度は、30〜1
00℃が好ましい。反応温度が30℃未満の場合反応が
遅くなり長時間の反応が必要となり、一方100℃を越
えると副反応が多く起こるので好ましくない。
【0025】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに含有するポリカルボン酸樹脂(A)の量は、
組成物の固形分を100重量部としたとき、10〜90
重量部が好ましく、特に好ましくは、20〜80重量部
である。
【0026】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに使用される光カチオン重合開始剤(B)は、
可視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線を照
射することにより、ブレンステッド酸やルイス酸を発生
し、ポリカルボン酸樹脂(A)に残存するエポキシ基の
重合反応を開始する。光カチオン重合開始剤(B)とし
ては、例えばジアゾニウム塩、スルホニウム塩、ヨード
ニウム塩等が挙げられる。
【0027】具体的には、ベンゼンジアゾニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、ベンゼンジアゾニウムヘキサ
フルオロフォスフェート、ベンゼンジアゾニウムヘキサ
フルオロボーレート、トリフェニルスルホニウムヘキサ
フルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムヘ
キサフルオロフォスフェート、トリフェニルスルホニウ
ムヘキサフルオロボーレート、4,4‘−ビス[ビス
(2−ヒドロキシエトキシフェニル)スルフォニオ]フ
ェニルスルフィドビスヘキサフルオロフォスフェート、
ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロアンチモネー
ト、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロフォスフェ
ート、ジフェニル−4−チオフェノキシフェニルスルフ
ォニウムヘキサフルオロフォスフェート等を挙げること
ができる。光カチオン重合に関する詳細な記述は、日刊
工業新聞社発行の“フォトポリマーテクノロジー:山岡
亜夫・永松元太郎編”の光カチオン重合の項にある。
【0028】光カチオン重合開始剤(B)の市販品とし
ては例えば、カヤラッドPCI−220、カヤラッドP
CI−620(商品名:いずれも日本化薬製)、UVI
−6990(商品名:ユニオンカーバイド製)、アデカ
オプトマーSP−150、アデカオプトマーSP−17
0(商品名:いずれも旭電化製)、CIT−1370、
CIT−1682、CIP−1866S、CIP−20
48S、CIP−2064S(商品名:いずれも日本曹
達製)、DPI−101、DPI−102、DPI−1
03、DPI−105、MPI−103、MPI−10
5、BBI−101、BBI−102、BBI−10
3、BBI−105、TPS−101、TPS−10
2、TPS−103、TPS−105、MDS−10
3、MDS−105、DTS−102、DTS−103
(商品名:いずれも、みどり化学製)等を挙げることが
できる。
【0029】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに含有する光カチオン重合開始剤(B)の使用
量は、組成物の固形分を100重量部としたとき、0.
5〜20重量部が好ましく、特に好ましくは、1〜15
重量部である。
【0030】さらに必要に応じて、アントラセン、9,
10−ジメトキシアントラセン、9,10−ジエトキシ
アントラセン、9,10−ジプロポキシアントラセン、
2−エチル−9,10−ジメトキシアントラセン、2−
エチル−9,10−ジエトキシアントラセン、2−エチ
ル−9,10−ジプロポキシアントラセン、2−エチル
−9,10−ジ(メトキシエトキシ)アントラセン、フ
ルオレン、ピレン、スチルベン、4‘−ニトロベンジル
−9,10−ジメトキシアントラセン−2−スルホネー
ト、4‘−ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアン
トラセン−2−スルホネート、4‘−ニトロベンジル−
9,10−ジプロポキシアントラセン−2−スルホネー
ト等の増感剤を併用して使用することができるが、樹脂
溶液を得るための溶剤への溶解性及び樹脂組成物への相
溶性の点で特に2−エチル−9,10−ジ(メトキシエ
トキシ)アントラセンが好ましい。これら増感剤の使用
量は、光カチオン重合開始剤(B)に対し、1〜200
重量%、より好ましくは、5〜150重量%である。
【0031】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに用いられる硬化成分(C)は、現像後の加熱
硬化の際に前述のポリカルボン酸樹脂(A)中のカルボ
キシル基と熱反応し、硬化塗膜に耐アルカリ性、耐溶剤
性、耐熱性、電気絶縁性を付与するものである。硬化成
分(C)としては、例えばフェノールノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、トリ
スヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロ
ペンタジエンフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノー
ルA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹
脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノ
ボラック型エポキシ樹脂、ナフタレン骨格含有エポキシ
樹脂、複素環式エポキシ樹脂等を挙げることができる。
【0032】フェノールノボラック型エポキシ樹脂とし
ては、例えばエピクロンN−770(大日本インキ化学
工業(株)製)、D.E.N438(ダウ・ケミカル社
製)、エピコート154(油化シェルエポキシ(株)
製)、RE−306(日本化薬(株)製)等があげられ
る。クレゾールノボラック型エポキシ樹脂としては、例
えばエピクロンN−695(大日本インキ化学工業
(株)製)、EOCN−102S、EOCN−103
S、EOCN−104S(日本化薬(株)製)、UVR
−6650(ユニオンカーバイド社製)、ESCN−1
95(住友化学工業(株)製)等があげられる。
【0033】トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキ
シ樹脂としては、例えばTACTICX−742(ダウ
・ケミカル社製)、エピコートE1032H60(油化
シェルエポキシ(株)製)等があげられる。ジシクロペ
ンタジエンフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば
エピクロンEXA−7200(大日本インキ化学工業
(株)製)、TACTIX−556(ダウ・ケミカル社
製)等があげられる。
【0034】ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、
例えばエピコート828、エピコート1001(油化シ
ェルエポキシ製)、UVR−6410(ユニオンカーバ
イド社製)、D.E.R−331(ダウ・ケミカル社
製)、YD−8125(東都化成社製)等のビスフェノ
ールA型エポキシ樹脂、UVR−6490(ユニオンカ
ーバイド社製)、YDF−8170(東都化成社製)等
のビスフェノールF型エポキシ樹脂等があげられる。
【0035】ビフェノール型エポキシ樹脂としては、例
えばYX−4000(油化シェルエポキシ(株)製)の
ビキシレノール型エポキシ樹脂やYL−6121(油化
シェルエポキシ(株)製)等があげられる。ビスフェノ
ールAノボラック型エポキシ樹脂としては、例えばエピ
クロンN−880(大日本インキ化学工業(株)製)、
エピコートE157S75(油化シェルエポキシ(株)
製)等があげられる。
【0036】ナフタレン骨格含有エポキシ樹脂として
は、例えばNC−7000(日本化薬社製)、EXA−
4750(大日本インキ化学工業(株)製)等があげら
れる。脂環式エポキシ樹脂としては、例えばEHPE−
3150(ダイセル化学工業(株)製)等があげられ
る。複素環式エポキシ樹脂としては、例えばTEPI
C,TEPIC−L,TEPIC−H、TEPIC−S
(いずれも日産化学工業(株)製)等が挙げられる。
【0037】硬化成分(C)は、単独または2種以上の
混合物として用いられ、本発明の組成物に含まれる硬化
成分(C)の量は、ポリカルボン酸樹脂(A)の量をm
(g)、酸価をAV(mg・KOH/g)、硬化成分
(C)のエポキシ当量をWPE(g/eq)としたと
き、m×AV×WPE/56110から求められる計算
量の30%〜150%の量が好ましく、特に好ましくは
50〜130%の量である。この量が150%以上の場
合、アルカリ現像性が低下し、最悪の場合パターンが得
られなくなる恐れがある。また、この量が70%未満の
場合、ポリカルボン酸樹脂(A)に残存するカルボキシ
ル基の量が多くなるため、プリント配線を浸食する恐れ
や、電気特性を低下させる原因となることがある。
【0038】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに使用される樹脂組成物には、更に、塗布適
性、耐熱性、密着性、硬度等の特性を向上する目的で、
硫酸バリウム、チタン酸バリウム、酸化ケイ素粉、微粉
状酸化ケイ素、無定形シリカ、タルク、クレー、炭酸マ
グネシウム、炭酸カルシウム、酸化アルミニウム、水酸
化アルミニウム、雲母粉、テフロン粉等の充填剤が使用
できる。その使用量は、樹脂組成物の固形分を100重
量部としたとき、60重量部以下が好ましく、特に好ま
しくは5〜40重量部である。
【0039】更に、必要に応じて、フタロシアニン・ブ
ルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリー
ン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化
チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックなどの
着色剤、アスベスト、オルベン、ベントン、モンモリロ
ナイト等の増粘剤、シリコーン系、フッ素系、高分子系
等の消泡剤および/または、レベリング剤のような添加
剤類を適量加えることができる。
【0040】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストに使用される樹脂組成物は、(A)、(B)及
び(C)成分、また必要に応じて前述した充填剤もしく
は添加剤等を、好ましくは前記の割合で配合し、ビーズ
ミル等で均一に混合、溶解、分散等することにより得る
ことができる。また、後述するドライフィルム作成時の
粘度調整のため、所望により溶剤を併用しても良い。こ
の溶剤は配合成分製造時の溶剤でも良い。溶剤として
は、例えばアセトン、エチルメチルケトン、シクロヘキ
サノンなどのケトン類、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類、エ
チレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコー
ルジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチル
エーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテルな
どのグリコールエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテ
ート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセ
テート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセ
テートなどのエステル類、石油エーテル、石油ナフサ、
水添石油ナフサ、ソルベントナフサなどの石油系溶剤、
γ−ブチロラクトン等の有機溶剤類が挙げられる。
【0041】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストは、次のようにして作成することができる。す
なわち(A)、(B)及び(C)成分、また必要に応じ
て前述した充填剤、添加剤、もしくは溶剤等を、好まし
くは前記の割合で配合し、ビーズミル等で均一に混合、
溶解、分散等することにより樹脂組成物の溶液を得、こ
の樹脂溶液を、カーテンコーター、ロールコーター、バ
ーコーター等の塗布方法を用いて、ポリエチレンテレフ
タレートフィルムのような支持フィルムに塗布し、溶剤
を揮発させフィルムとし、ポリエチレンフィルムのよう
な保護フィルムをこの上に貼り付けドライフィルム形態
とする。この樹脂層の膜厚は通常5〜300μm程度
で、10〜250μm程度が好ましい。
【0042】このようにして得られた光カチオン硬化型
ドライフィルムレジストは、保護フィルムを剥離させ樹
脂層を基板に、熱圧着や加熱ロール圧着、もしくは真空
加熱圧着することによりプリント配線基板、半導体基板
等の基板上に貼り付ける。このときの加熱工程は、樹脂
を軟化させ、基板に樹脂層密着させるために必要な工程
である。このときの温度は、40℃〜100℃が好まし
く、特に好ましくは、50℃〜90℃である。
【0043】得られたドライフィルム貼り付け基板は、
支持フィルムを剥離すること無しに、支持フィルム側か
ら、所望のマスクを通して露光される。露光は、可視光
線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線照射により
行うことができる。例えば紫外線を照射する場合、低圧
水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノン灯、紫外
線発光レーザー(例えばエキシマーレーザー)等の紫外
線発生機を用いればよい。この露光工程の際、光カチオ
ン重合開始剤(B)が分解し、硬化触媒を発生させる。
【0044】露光されたドライフィルム貼り付け基板
は、支持フィルムを剥離すること無しに加熱される。こ
の加熱工程は、光カチオン重合開始剤(B)から発生し
た硬化触媒によりポリカルボン酸樹脂(A)と硬化成分
(C)とを重合もしくは架橋を促進させるために行われ
る。このときの温度は、60℃〜120℃が好ましく、
特に好ましくは、70℃〜100℃である。加熱方法と
しては、オーブンを通過させる方法や、加熱ロールを通
す方法等が使用できる。
【0045】露光後の過熱工程を経たドライフィルム貼
り付け基板は、支持フィルムを剥離し現像される。現像
液としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム,炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウム,メタケイ酸ナトリウム,メタケ
イ酸カリウムのような無機塩の水溶液や、トリメチルア
ミン、トリエチルアミン、モノメタノールアミン、ジエ
タノールアミン、トリエタノールアミンのような有機ア
ミン水溶液,テトラメチルアンモニウムハイドロオキサ
イド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイドの
ようなアンモニウムハイドロオキサイド等が挙げられ
る。これらは、単独で又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。また、その温度は、15〜45℃の間で
任意に調節することができる。この現像液中に界面活性
剤、消泡剤などを少量混入させてもよい。
【0046】現像された基板は、さらにポリカルボン酸
樹脂(A)と硬化成分(C)とを重合もしくは架橋を充
分行うためポストキュアーされる。このときの温度は、
100℃〜200℃が好ましく、特に好ましくは、12
0℃〜180℃である。また、所望により、ポストキュ
アー工程を行う前に、基板を前面露光し残存する光カチ
オン重合開始剤(B)を光分解させ触媒を発生させても
良い。
【0047】本発明の光カチオン硬化型ドライフィルム
レジストから得られる硬化物は、柔軟性を有しており、
フレキシブルプリント配線基板用ソルダーレジストとし
て有用である他、層間絶縁膜、接着剤、封止材等として
も使用できる。
【0048】
【実施例】以下、本発明の実施例により更に具体的に説
明するが、これらに限定されるものではない。
【0049】合成例 (ポリカルボン酸樹脂(A)の合成)1Lフラスコに反
応溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル
アセテート91.1g、エポキシ樹脂(a)としてエポ
キシ当量300.72のNER−7000(商品名:日
本化薬製エポキシ樹脂:ビスフェノール−F型エポキシ
樹脂(n=約6)とエピクロルヒドリンを反応させて得
られたエポキシ樹脂)を298.0g仕込み、70℃に
加熱し樹脂を溶解させた。この樹脂溶液にモノカルボン
酸(b)としてジメチロールプロピオン酸を66.5g
(付加率50モル%)、反応触媒としてトリフェニルフ
ォスフィンを1.37g加え、100℃に加熱し18時
間反応させた。反応液の酸価が1mg・KOH/g以下
になったことを確認し、クミルハイドロパーオキサイド
を1g加え、100℃の温度で1時間加熱し、触媒とし
て用いたトリフェニルフォスフィンを酸化し触媒活性を
なくした。次に反応液に二塩基酸無水物(c)としてテ
トラヒドロ無水フタル酸135.6g、プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート178.1g加
え、100℃の温度で6時間反応させて本発明のポリカ
ルボン酸樹脂(A)を得た。固形分濃度は65%であ
り、固形分酸価を測定したところ、105mg・KOH
/gであった。この樹脂溶液を(A−1)とする。
【0050】実施例1(光カチオン硬化型樹脂組成物) ポリカルボン酸樹脂(A)として合成例で得られた樹脂
溶液(A−1)48.4g、光カチオン重合開始剤
(B)として、カヤラッドPCI−220(商品名:日
本化薬製スルホニウム塩系光カチオン重合開始剤)を
5.5g、増感剤として2−エチル−9,10−ジ(メ
トキシエトキシ)アントラセンを5.5g、硬化成分
(C)としてNER−7000の75%プロピレングリ
コールモノメチルエーテルアセテート溶液(商品名:日
本化薬製ビスフェノール−F型エポキシ樹脂、エポキシ
当量 300.7)を22.5g、フィラー成分とし
て、微細球状シリカを13.4g、着色剤としてピグメ
ントグリーンを0.75g、レベリング剤、消泡剤とし
てBYK−354、BYK−057(商品名:いずれも
ビックケミー製)をそれぞれ0.75gづつ添加しさら
に濃度調整剤としてプロピレングリコールモノメチルエ
ーテルアセテートを2.4g加え、ビーズミルにて混練
し均一に分散・溶解させアルカリ水溶液現像性光カチオ
ン硬化型樹脂組成物を得た。
【0051】得られた組成物をロールコート法により、
支持フィルムとなるポリエチレンテレフタレートフィル
ムに均一に塗布し、温度70℃の熱風乾燥炉を通過さ
せ、厚さ20μmの樹脂層を形成した後、この樹脂層上
に保護フィルムとなるポリエチレンフィルムを貼り付
け、本発明の光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト
を得た。得られたドライフィルムを銅張りポリイミドフ
ィルム基板(銅厚/12μm・ポリイミドフィルム厚/
25μm)に、温度80℃の加熱ロールを用いて、保護
フィルムを剥離しながら樹脂層を基板全面に貼り付け
た。
【0052】次いで、レジストパターンを有するネガフ
イルム及びステップタブレット21段(コダック社製
No.2)を支持フィルムに密着させ、紫外線露光装置
((株)オーク製作所、型式HMW−680GW)を用
いて、紫外線を照射した(照射量1000mJ/cm2
)。 照射後の基板を温度80℃の熱風乾燥炉を通過
させ、硬化反応を促進させた。冷却後、支持フィルムを
樹脂から剥離し、1%の炭酸ナトリウム水溶液で60秒
間、2.0kg/cm2 のスプレー圧で現像し、未照
射部分を溶解除去した。得られた膜は表面硬化性が良
く、光沢性が良好で現像残渣が全くなく、50μmのパ
ターンが解像されていた。また、ステップタブレット法
による感度は、9段であった。
【0053】その後、150℃の熱風乾燥器で60分加
熱硬化を行ない、得られた硬化膜を有する試験片につい
て、後述の密着性、鉛筆硬度、耐溶剤性、耐酸性、耐熱
性、耐屈性、耐折性の試験を行なった。試験方法及び結
果は次の通りである。
【0054】(密着性試験)JIS K5400に準じ
て、試験片に1mmのごばん目を100ケ作りセロテー
プによりピーリング試験を行ったところ剥離は全くなか
った。 (鉛筆硬度)JIS K5400に準じて評価を行った
ところ硬度は5Hであった。 (耐溶剤性)試験片をイソプロピルアルコールに室温で
30分間浸漬した。外観に異常がないか確認した後、セ
ロテープによるピーリング試験を行ったところ剥離は全
くなかった。
【0055】(耐酸性)試験片を10%塩酸水溶液に室
温で30分浸漬した。外観に異常がないか確認した後、
セロテープによるピーリング試験を行ったところ剥離は
全くなかった。 (耐熱性)試験片にロジン系プラックスを塗布し260
℃の半田槽に5秒間浸漬した。これを1サイクルとし、
3サイクル繰り返した。室温まで放冷した後、セロテー
プによるピーリング試験を行ったところ、3サイクルま
で剥離は全くなかった。 (耐屈曲性)JIS K5400に準じて行った。試験
片を用いて、心棒の直径は2mmとし、クラック発生の
有無を観察したところ剥離もしくはクラックは生じなか
った。 (耐折性)JIS K5016に準じて行った。折り曲
げ面の曲率半径は0.38mmとし、クラックが入るま
での折り曲げ回数を測定したところ100回以上折り曲
げても剥離もしくはクラックは生じなかった。
【0056】これらの評価から明らかなように、本発明
のアルカリ水溶液現像性光カチオン硬化型樹脂組成物及
びその硬化物は、現像性、感光性、表面硬化性に優れ、
その硬化物は、耐屈曲性、耐折性、耐溶剤性、耐酸性、
耐熱性等に優れている。
【0057】
【発明の効果】本発明の光カチオン硬化型ドライフィル
ムレジストは、溶剤を使用せず基板上に樹脂層を形成す
ることができ、パターンを形成したフィルムを通して可
視光線、紫外線、X線、電子線等のエネルギー線を照射
後未露光部分を現像する際のアルカリ水溶液現像性、感
光性、表面硬化性が良好で、得られた硬化物は、耐屈曲
性、耐折性、密着性、耐溶剤性、耐酸性、耐熱性等も十
分に満足するものであり、特に、フレキシブルプリント
配線板用液状ソルダーレジスト用ドライフィルムとして
適している。

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】樹脂組成物が支持フィルムと保護フィルム
    でサンドイッチされた構造からなるドライフィルムレジ
    ストにおいて、該樹脂組成物が、式(1) 【化1】 (式中、R1、R2、R3、R4は、それぞれ水素原
    子、C1〜C4のアルキル基又はハロゲン原子を示し、
    Xはそれぞれ置換基を有していても良いメチレン基、ス
    ルホニル基またはカルボニル基を示し、nは平均値で1
    〜10の数を表す。)で表される化合物のアルコール性
    水酸基におけるグリシジル化物であってエポキシ当量が
    200〜400g/当量であるエポキシ樹脂(a)とモ
    ノカルボン酸(b)との付加生成物と二塩基酸無水物
    (c)との反応生成物であるポリカルボン酸樹脂
    (A)、光カチオン重合開始剤(B)及び硬化成分
    (C)を必須成分とする樹脂組成物であることを特徴と
    する光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト。
  2. 【請求項2】モノカルボン酸(b)が、アルコール性ヒ
    ドロキシ基を有するモノカルボン酸化合物である請求項
    1記載の光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト。
  3. 【請求項3】アルコール性ヒドロキシ基を有するモノカ
    ルボン酸化合物が、ジメチロールプロピオン酸またはジ
    メチロールブタン酸である請求項1または請求項2に記
    載の光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト。
  4. 【請求項4】モノカルボン酸(b)の付加率が、エポキ
    シ樹脂(a)のエポキシ当量の10〜70モル%である
    請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載の光カチオン
    硬化型ドライフィルムレジスト。
  5. 【請求項5】二塩基酸無水物(c)が、無水コハク酸、
    無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒド
    ロ無水フタル酸、無水マレイン酸または、下記式(2) 【化2】 の中から選択してなる1種または2種以上の二塩基酸無
    水物である請求項1乃至請求項4のいずれか一項記載の
    光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト。
  6. 【請求項6】ポリカルボン酸樹脂(A)の固形分酸価
    が、50〜150mg・KOH/gの範囲にある請求項
    1乃至請求項5のいずれか一項記載の光カチオン硬化型
    ドライフィルムレジスト。
  7. 【請求項7】請求項1乃至請求項6のいずれか一項記載
    の光カチオン硬化型ドライフィルムレジストを保護フィ
    ルムを剥離しながら、基板に熱圧着する工程、支持フィ
    ルム上にパターンマスクを置き露光する工程、露光後加
    熱を行う工程、支持フィルムを剥離する工程、アルカリ
    現像液にて現像する工程及びポストキュアーをする工程
    を経て硬化パターンを得ることを特徴とするパターニン
    グ方法。
  8. 【請求項8】請求項7に記載の光カチオン硬化型樹脂組
    成物の硬化物。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の硬化物の層を有するプリ
    ント基板。
JP2000016757A 2000-01-26 2000-01-26 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物 Expired - Fee Related JP4093335B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000016757A JP4093335B2 (ja) 2000-01-26 2000-01-26 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000016757A JP4093335B2 (ja) 2000-01-26 2000-01-26 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2001209178A true JP2001209178A (ja) 2001-08-03
JP4093335B2 JP4093335B2 (ja) 2008-06-04

Family

ID=18543848

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000016757A Expired - Fee Related JP4093335B2 (ja) 2000-01-26 2000-01-26 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4093335B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005266347A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Asahi Kasei Electronics Co Ltd レジストパターン形成方法および回路形成方法
WO2005093514A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. 感光性樹脂組成物および該組成物を用いたパターン形成方法
WO2015099371A1 (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물
KR20150075033A (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005266347A (ja) * 2004-03-18 2005-09-29 Asahi Kasei Electronics Co Ltd レジストパターン形成方法および回路形成方法
WO2005093514A1 (ja) * 2004-03-26 2005-10-06 Tokyo Ohka Kogyo Co., Ltd. 感光性樹脂組成物および該組成物を用いたパターン形成方法
WO2015099371A1 (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물
KR20150075033A (ko) * 2013-12-24 2015-07-02 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물
KR101692003B1 (ko) * 2013-12-24 2017-01-03 코오롱인더스트리 주식회사 드라이 필름 포토 레지스트용 감광성 수지 조성물
TWI581061B (zh) * 2013-12-24 2017-05-01 可隆股份有限公司 乾膜光阻用光敏樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JP4093335B2 (ja) 2008-06-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2006129669A1 (ja) 接着剤パターン形成用組成物、それを用いて得られる積層構造物及びその製造方法
WO2007119651A1 (ja) アルカリ現像型ソルダーレジスト及びその硬化物並びにそれを用いて得られるプリント配線板
TW201638136A (zh) 含羧基樹脂、感光性樹脂組成物、乾膜、印刷線路板及含羧基樹脂的製造方法
JP4655362B2 (ja) 感光性樹脂の製造方法
JPH09325494A (ja) アルカリ現像性不飽和樹脂組成物及びこれを用いた高感度ネガ型パターン形成材料
JP2001019740A (ja) 高エネルギー線感光性カチオン硬化型封止剤及び集積回路の接続封止方法
JP2007161878A (ja) ポリカルボン酸樹脂、感光性樹脂組成物及びその硬化物
US6432613B1 (en) Photosensitive composition
JP2004155916A (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP4093335B2 (ja) 光カチオン硬化型ドライフィルムレジスト及びその硬化物
JP4049481B2 (ja) ポリカルボン酸樹脂、光カチオン硬化型樹脂組成物並びにその硬化物
JPH08272095A (ja) ソルダーフォトレジストインキ用組成物
JP4454002B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2001329050A (ja) 光カチオン硬化型樹脂組成物並びにその硬化物
JP4197817B2 (ja) 感光性樹脂組成物及びその硬化物
JP4882271B2 (ja) レジストインキ用樹脂組成物
JP4036550B2 (ja) 感放射線性ポリエステル樹脂及びそれを用いるネガ型レジスト組成物
WO2002094904A1 (en) Photosensitive resin, photosensitive resin compositions containing the same and cured articles of the compositions
JP3922415B2 (ja) エネルギー線感応性樹脂及びその組成物並びに硬化物
JP3976158B2 (ja) カチオン硬化性レジストインキ組成物及びその硬化物
JP2002249644A (ja) 樹脂組成物、ソルダーレジスト樹脂組成物及びこれらの硬化物
JPH0733961A (ja) ソルダーレジスト用インキ組成物
JP2002234932A (ja) アルカリ水溶液可溶性エポキシカルボキシレート化合物及びそれを用いた感光性樹脂組成物並びにその硬化物
JP2884046B2 (ja) 紫外線硬化性樹脂の製造方法
JP2001264977A (ja) 感光性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060105

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20071116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071121

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071127

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080227

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080227

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110314

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees